説明

コンピュータ装置、コンピュータシステム、冗長構成制御方法、及び冗長構成制御プログラム

【課題】冗長外部装置の消費電力を抑える。
【解決手段】コンピュータ装置は、自装置に接続された冗長構成の複数の外部装置の制御を行う冗長構成制御手段210と、データパス毎に非冗長状態での動作可否を示す縮退属性を格納する縮退可否判定用テーブル120とを備え、OS110が前記冗長構成となっているデータパスを縮退すると判定した場合、前記冗長構成制御手段210が、前記OS110でデータパスを縮退すると判定された冗長構成について、前記縮退可否判定用テーブル120に基づき、縮退するデータパスを決定し、該データパスに係る前記外部装置の動作を停止させることで、データパスの縮退を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンピュータシステムに関し、特に、冗長外部装置を持つコンピュータシステムの消費電力制御技術に関する。
【背景技術】
【0002】
冗長構成を持つコンピュータシステムにおいて、外部装置の信頼性は年々、維持向上されている。冗長構成のコンピュータシステムは、個別の部品交換をシステム動作中に行えること、不測の部品故障でも継続運用を可能とし、システムとしての長期連続稼動を実現するものである。
【0003】
ここで、冗長構成を持つコンピュータシステムの消費電力を低減する技術が、特許文献1に開示されている。
【0004】
特許文献1では、冗長構成をとることができる第1の装置と第2の装置を備え、第2の装置は、起動すると第1の装置と冗長状態で動作し、停止すると第1の装置と非冗長状態で縮退するコンピュータシステムについて記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−237622号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
冗長構成を持つコンピュータシステムは、冗長化された二以上の装置と、これらを制御する手段を有するが、一般にシステムの起動時から冗長状態で運用される。さらに起動後も常時装置故障等の不測の時に備えて冗長状態を維持し、システムの継続運用を実現している。
【0007】
しかし、装置故障等が発生していない間は、冗長化されている全ての装置が動作しているので、結果的に消費電力が大きくなるという課題があった。この外部装置の消費電力を抑える施策はリアルタイムでの自動的な対応はこれまで不可能であった。
【0008】
特許文献1に開示のコンピュータシステムについても、第2の装置が停止した場合に縮退をするものであり、縮退が可能な状況であっても、第2の装置が停止されるまで冗長状態で動作するため、消費電力に無駄があるという課題があった。
【0009】
(発明の目的)
本発明の目的は、上述の課題を解決し、冗長外部装置の消費電力を抑えるコンピュータ装置、コンピュータシステム、冗長構成制御方法、及び冗長構成制御方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第1のコンピュータ装置は、自装置に接続された冗長構成の複数の外部装置の制御を行う冗長構成制御手段と、データパス毎に非冗長状態での動作可否を示す縮退属性を格納する縮退可否判定用テーブルとを備え、OSが前記冗長構成となっているデータパスを縮退すると判定した場合、前記冗長構成制御手段が、前記OSでデータパスを縮退すると判定された冗長構成について、前記縮退可否判定用テーブルに基づき、縮退するデータパスを決定し、該データパスに係る前記外部装置の動作を停止させることで、データパスの縮退を行う。
【0011】
本発明の第1のコンピュータシステムは、冗長構成の複数の外部装置と、前記外部装置の冗長構成の制御を行う冗長構成制御手段と、データパス毎に非冗長状態での動作可否を示す縮退属性を格納する縮退可否判定用テーブルとを備え、OSが前記冗長構成となっているデータパスを縮退すると判定した場合、前記冗長構成制御手段が、前記OSでデータパスを縮退すると判定された冗長構成について、前記縮退可否判定用テーブルに基づき、縮退するデータパスを決定し、該データパスに係る前記外部装置の動作を停止させることで、データパスの縮退を行う。
【0012】
本発明の第1の冗長構成制御方法は、冗長構成の複数の外部装置が接続されたコンピュータ装置の冗長構成制御方法であって、前記外部装置の冗長構成の制御を行う冗長構成制御ステップを有し、OSが前記冗長構成となっているデータパスを縮退すると判定した場合、前記冗長構成制御ステップで、前記OSでデータパスを縮退すると判定された冗長構成について、データパス毎に非冗長状態での動作可否を示す縮退属性を格納する縮退可否判定用テーブルに基づき、縮退するデータパスを決定し、該データパスに係る前記外部装置の動作を停止させることで、データパスの縮退を行う。
【0013】
本発明の第1の冗長構成制御プログラムは、冗長構成の複数の外部装置が接続されたコンピュータ装置上で動作する冗長構成制御プログラムであって、前記コンピュータ装置に、前記外部装置の冗長構成の制御を行う冗長構成制御処理を実行させ、OSが前記冗長構成となっているデータパスを縮退すると判定した場合、前記冗長構成制御処理で、前記OSでデータパスを縮退すると判定された冗長構成について、データパス毎に非冗長状態での動作可否を示す縮退属性を格納する縮退可否判定用テーブルに基づき、縮退するデータパスを決定し、該データパスに係る前記外部装置の動作を停止させることで、データパスの縮退を行う。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、冗長外部装置の消費電力を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1の実施の形態によるコンピュータシステムの構成を示すブロック図である。
【図2】第1の実施の形態によるコンピュータシステムの動作を示すフローチャートである。
【図3】第1の実施の形態によるコンピュータシステムの最小限の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明のコンピュータ装置のハードウェア構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
複数の同等機能を有する外部装置を持つ大規模装置に対し、適正な判断を設定することで、該当信号パスを縮退して該当外部装置の電力の供給を停止し信頼性を確保すると共に、消費電力を削減する。そして、代替の信号回路が存在するとき、一部信号パスを能動的に縮退することにより正常な動作を担保する。これにより正常動作しうる最小電力で駆動することが出来、消費電力を抑えることが可能となる。
【0017】
本発明は、一部の信号パスについて代替パスが存在するときに、該代替パスの動作を監視し、所定の条件を満たす場合、代替パスを能動的に縮退することにより電力消費を削減することを特徴とする。
【0018】
より具体的には、本発明は、冗長な外部装置をもつ大規模システムにおいて、設定した時間で故障などトラブルが発生しなかった場合に、OSが、装置構成の代替パスごとにあらかじめ設定された縮退可否判定を行うための構成テーブルを参照し、該構成テーブルに基づいて外部装置へのパスを縮退するかどうかを判定する。
【0019】
この構成テーブルは装置の構成ごとに、代替パスをもつパスについて縮退可否属性を設定したものである。OSは該構成テーブルに基づいて信号パスを縮退するかどうかを判定し、冗長運転制御部へ信号を送り、所定のタイミングで該当パスの縮退属性を参照して代替パスを縮退し、該当する外部装置への電力供給を止める。
【0020】
本発明の上記及び他の目的、特徴及び利点を明確にすべく、添付した図面を参照しながら、本発明の実施形態を以下に詳述する。なお、上述の本願発明の目的のほか、他の技術的課題、その技術的課題を解決する手段及びその作用効果についても、以下の実施形態による開示によって明らかとなるものである。
【0021】
なお、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0022】
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。以下の図において、本発明の本質に関わらない部分の構成については適宜省略してあり、図示されていない。
【0023】
図1は、本発明の第1の実施の形態によるコンピュータシステム100の構成を示すブロック図である。
【0024】
コンピュータシステム100は、複数のPCIカードにより冗長構成をとることが可能である。
【0025】
なお、本実施の形態では外部装置の例としてPCIカードを用いて説明を行うが、PCIカード以外の外部装置についても、本発明を適用できる。
【0026】
図1を参照すると、コンピュータシステム100は、CPU10と、I/Oプロセッサ20と、PCIカード30(30−1〜30−4)から構成される。
【0027】
PCIカード30は、一般のコンピュータシステムと同様な外部処理装置である。
【0028】
なお、本実施の形態ではPCIカードを4つとする構成としたが、これに限定はされない。
【0029】
CPU10は、OS110と、縮退可否判定用テーブル120と、通信制御手段130とを備える。
【0030】
縮退可否判定用テーブル120は、PCIカード30−1〜30−4のパスごとに、非冗長状態での動作可否を示す縮退属性があらかじめ設定されている。
【0031】
I/Oプロセッサ20は、冗長構成制御手段210と、I/O制御プロセッサ220と、通信制御手段230とを備える。
【0032】
冗長構成制御手段130は、PCIカード30へのパスの状態を監視する。
【0033】
また、冗長構成制御手段130は、PCIカード30の起動や停止の制御をする。
【0034】
(第1の実施の形態の動作の説明)
次に、本実施の形態によるコンピュータシステム100の動作について、図面を参照して詳細に説明する。
【0035】
図2は、本実施の形態によるコンピュータシステム100の動作を示すフローチャートである。
【0036】
図2を参照すると、まず、一定期間、コンピュータシステム100に故障等のトラブルが発生しなかった場合(ステップS201”NO”)、OS110が、縮退可否判定テーブル120を参照し、PCIカード30へのパスを縮退するか否かを判定する(ステップS202)。
【0037】
OS110は、代替パスを持つパスがある場合、該パスについて縮退すると判定する。本実施の形態では、PCIカード30が4つの冗長構成になっており、OS110は、該PCIカード30へのパスを縮退すると判定する。
【0038】
OS110は、縮退すると判定した場合(ステップS203”YES”)、PCIカード30へのパスを縮退する旨を冗長構成制御手段210へ通知する(ステップS204)。
【0039】
次いで、冗長構成制御手段210が、PCIカード30の冗長状態を確認し、PCIカード30が非冗長状態である場合は、処理を終了する(ステップS205”NO”)。
【0040】
PCIカード30が冗長状態である場合(ステップS205”YES”)、冗長構成制御手段210は、縮退可否判定用テーブル120を参照して、PCIカード30のデータパスの縮退属性を確認する(ステップS206)。
【0041】
冗長構成制御手段210は、データパスのうち、「非冗長状態での動作可否」を「否」とするデータパスが1つでもあれば、そのまま監視処理を終了する(ステップS207”NO”)。
【0042】
データパスがすべて「非冗長状態での動作可否」を「可」としている場合は(ステップS207”YES”)、冗長構成制御手段210は、PCIカード30のうち、1つを除き動作を停止させる(ステップS208)。
【0043】
ここで、PCIカード30の動作の停止は、停止対象のPCIカード30へ電源断信号を送信することで行う。または、ホットプラグコントローラを使用し擬似的に外部装置が活線されてない状況を作り出すことで停止を行うこととしてもよい。ただし、これに限定はされない。
【0044】
(第1の実施の形態による効果)
本実施の形態によれば、非冗長状態での動作が可能な場合に、調整や交換などを行うこと無しに代替パスを縮退できるため、簡易に電力消費を抑えることが可能となる。
【0045】
また、該当装置の寿命を延ばす効果も得られ、可用性を高めることが出来る。該当する外部装置に対して効果的に縮退判定を行うことが可能で、また装置構成にあわせて縮退属性を設定したテーブルを作成するため、その都度運用装置にあった個別カスタマイズを可能とする。
【0046】
また、一部装置を縮退することにより、消費電力を削減するとともに、必要に応じて冗長状態に復帰させることで、高可用性を維持することができる。
【0047】
また、ホットプラグと呼ばれる活線挿抜の技術を利用し、擬似的に外部装置がないようにみせかけることで電源管理を容易とし、冗長状態から非冗長状態への移行を実現することが出来る。
【0048】
なお、本実施の形態では、動作させる外部装置(PCIカード30)を1台としているが、多数の外部装置を保有する冗長構成システムにおいては、当然外部装置は複数台の動作も可能であり、また逆に少なくとも一台の外部装置のみが動作している状態まで、システムを縮退することができる。
【0049】
停止させる外部装置の数や、いずれの外部装置を停止させるかの選択には、各装置の消耗を均一にする、もっとも長く動作していた装置から停止させる方法がある。または、最も実績のある長期動作させている装置を動作させ続けて、動作時間が短い装置から停止させる方法や、信頼性を維持するためそれらを組み合わせて複数台運用させる方法もある。
【0050】
さらに、新たなジョブを実行する際の停止装置の再起動も、複数の外部装置が停止している場合は、前述と同様にいずれの該外部装置から起動するかを設定可能とする。
【0051】
また、状況に応じて複数の外部装置が停止している状態から、一つでも外部装置を起動した時点で冗長状態とすることのほか、停止しているすべての外部装置を起動し、システムとして持てる最大の冗長状態とすることもできる。
【0052】
また、アプリケーションの種別による縮退属性の可否ではなく該当パスによる縮退属性の可否判定を行うため、該当する外部装置にたいして効果的に縮退判定を行うことが可能である。
【0053】
また、装置構成にあわせて縮退属性を設定したテーブルを作成するため、その都度運用装置にあった個別カスタマイズを可能とする。
【0054】
なお、システム運用中に冗長状態を縮退し、また、復元するには、外部装置の切り離しおよび再組込みに一定の時間が必要となることから、システムの冗長性が低下することを考慮して適用することになる。
【0055】
ここで、本発明の課題を解決できる最小限の構成を、図3に示す。縮退可否の情報を管理する縮退可否判定用テーブル120と、該情報に基づいて縮退を行う冗長構成制御手段230とを備えることで、コンピュータシステム100は、冗長外部装置の消費電力を抑えることが可能となる。
【0056】
次に、本発明のコンピュータシステム100の処理を実行するコンピュータ装置40のハードウェア構成例について、図4を参照して説明する。図4は、コンピュータ装置40のハードウェア構成例を示すブロック図である。
【0057】
図4を参照すると、コンピュータ装置40は、一般的なコンピュータ装置と同様のハードウェア構成であり、CPU(Central Processing Unit)801、RAM(Random Access Memory)等のメモリからなる、データの作業領域やデータの一時退避領域に用いられる主記憶部802、ネットワークを介してデータの送受信を行う通信部803、入力装置805や出力装置806及び記憶装置807と接続してデータの送受信を行う入出力インタフェース部804、上記各構成要素を相互に接続するシステムバス808を備えている。記憶装置807は、例えば、ROM(Read Only Memory)、磁気ディスク、半導体メモリ等の不揮発性メモリから構成されるハードディスク装置等で実現される。
【0058】
本発明のコンピュータ装置40の各機能は、プログラムを組み込んだ、LSI(Large Scale Integration)等のハードウェア部品である回路部品を実装することにより、その動作をハードウェア的に実現することは勿論として、その機能を提供するプログラムを、記憶装置807に格納し、そのプログラムを主記憶部802にロードしてCPU801で実行することにより、ソフトウェア的に実現することも可能である。
【0059】
以上、好ましい実施の形態をあげて本発明を説明したが、本発明は必ずしも、上記実施の形態に限定されるものでなく、その技術的思想の範囲内において様々に変形して実施することができる。
【0060】
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせ、本発明の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【0061】
また、本発明の各種の構成要素は、必ずしも個々に独立した存在である必要はなく、複数の構成要素が一個の部材として形成されていること、一つの構成要素が複数の部材で形成されていること、ある構成要素が他の構成要素の一部であること、ある構成要素の一部と他の構成要素の一部とが重複していること、等でもよい。
【0062】
また、本発明の方法およびコンピュータプログラムには複数の手順を順番に記載してあるが、その記載の順番は複数の手順を実行する順番を限定するものではない。このため、本発明の方法およびコンピュータプログラムを実施する時には、その複数の手順の順番は内容的に支障しない範囲で変更することができる。
【0063】
また、本発明の方法およびコンピュータプログラムの複数の手順は個々に相違するタイミングで実行されることに限定されない。このため、ある手順の実行中に他の手順が発生すること、ある手順の実行タイミングと他の手順の実行タイミングとの一部ないし全部が重複していること、等でもよい。
【0064】
さらに、上記実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、これに限定されない。
【0065】
(付記1)
自装置に接続された冗長構成の複数の外部装置の制御を行う冗長構成制御手段と、
データパス毎に非冗長状態での動作可否を示す縮退属性を格納する縮退可否判定用テーブルとを備え、
OSが前記冗長構成となっているデータパスを縮退すると判定した場合、
前記冗長構成制御手段が、
前記OSでデータパスを縮退すると判定された冗長構成について、前記縮退可否判定用テーブルに基づき、縮退するデータパスを決定し、該データパスに係る前記外部装置の動作を停止させることで、データパスの縮退を行う
ことを特徴とするコンピュータ装置。
【0066】
(付記2)
前記冗長構成制御手段が、
縮退すると判定された冗長構成のデータパスのいずれかが、非冗長状態での動作が不可能な場合は、前記データパスの縮退を行わないことを特徴とする付記1に記載のコンピュータ装置。
【0067】
(付記3)
前記冗長構成制御手段が、
縮退すると判定された冗長構成のデータパスのうち、任意の1つを除き全て縮退を行うことを特徴とする付記1に記載のコンピュータ装置。
【0068】
(付記4)
前記冗長構成制御手段が、
縮退すると判定された冗長構成のデータパスのうち、もっとも長く動作していた前記外部装置から順に、所定数の前記データパスの縮退を行うことを特徴とする付記1に記載のコンピュータ装置。
【0069】
(付記5)
前記冗長構成制御手段が、
縮退すると判定された冗長構成のデータパスのうち、動作時間が短い前記外部装置から順に、所定数の前記データパスの縮退を行うことを特徴とする付記1に記載のコンピュータ装置。
【0070】
(付記6)
前記冗長構成制御手段が、
縮退するデータパスに係る前記外部装置へ電源断信号を送信することで、当該外部装置を停止させることを特徴とする付記1から付記5に記載のコンピュータ装置。
【0071】
(付記7)
前記冗長構成制御手段が、
ホットプラグコントローラを使用し、擬似的に、縮退するデータパスに係る前記外部装置が活線されてない状況を作り出すことで、当該外部装置を停止させることを特徴とする付記1から付記5に記載のコンピュータ装置。
【0072】
(付記8)
冗長構成の複数の外部装置と、
前記外部装置の冗長構成の制御を行う冗長構成制御手段と、
データパス毎に非冗長状態での動作可否を示す縮退属性を格納する縮退可否判定用テーブルとを備え、
OSが前記冗長構成となっているデータパスを縮退すると判定した場合、
前記冗長構成制御手段が、
前記OSでデータパスを縮退すると判定された冗長構成について、前記縮退可否判定用テーブルに基づき、縮退するデータパスを決定し、該データパスに係る前記外部装置の動作を停止させることで、データパスの縮退を行う
ことを特徴とするコンピュータシステム。
【0073】
(付記9)
前記冗長構成制御手段が、
縮退すると判定された冗長構成のデータパスのいずれかが、非冗長状態での動作が不可能な場合は、前記データパスの縮退を行わないことを特徴とする付記8に記載のコンピュータシステム。
【0074】
(付記10)
前記冗長構成制御手段が、
縮退すると判定された冗長構成のデータパスのうち、任意の1つを除き全て縮退を行うことを特徴とする付記8に記載のコンピュータシステム。
【0075】
(付記11)
前記冗長構成制御手段が、
縮退すると判定された冗長構成のデータパスのうち、もっとも長く動作していた前記外部装置から順に、所定数の前記データパスの縮退を行うことを特徴とする付記8に記載のコンピュータシステム。
【0076】
(付記12)
前記冗長構成制御手段が、
縮退すると判定された冗長構成のデータパスのうち、動作時間が短い前記外部装置から順に、所定数の前記データパスの縮退を行うことを特徴とする付記8に記載のコンピュータシステム。
【0077】
(付記13)
前記冗長構成制御手段が、
縮退するデータパスに係る前記外部装置へ電源断信号を送信することで、当該外部装置を停止させることを特徴とする付記8から付記12に記載のコンピュータシステム。
【0078】
(付記14)
前記冗長構成制御手段が、
ホットプラグコントローラを使用し、擬似的に、縮退するデータパスに係る前記外部装置が活線されてない状況を作り出すことで、当該外部装置を停止させることを特徴とする付記1から付記12に記載のコンピュータシステム。
【0079】
(付記15)
冗長構成の複数の外部装置が接続されたコンピュータ装置の冗長構成制御方法であって、
前記外部装置の冗長構成の制御を行う冗長構成制御ステップを有し、
OSが前記冗長構成となっているデータパスを縮退すると判定した場合、
前記冗長構成制御ステップで、
前記OSでデータパスを縮退すると判定された冗長構成について、データパス毎に非冗長状態での動作可否を示す縮退属性を格納する縮退可否判定用テーブルに基づき、縮退するデータパスを決定し、該データパスに係る前記外部装置の動作を停止させることで、データパスの縮退を行う
ことを特徴とする冗長構成制御方法。
【0080】
(付記16)
前記冗長構成制御ステップで、
縮退すると判定された冗長構成のデータパスのいずれかが、非冗長状態での動作が不可能な場合は、前記データパスの縮退を行わないことを特徴とする付記15に記載の冗長構成制御方法。
【0081】
(付記17)
前記冗長構成制御ステップで、
縮退すると判定された冗長構成のデータパスのうち、任意の1つを除き全て縮退を行うことを特徴とする付記15に記載の冗長構成制御方法。
【0082】
(付記18)
前記冗長構成制御ステップで、
縮退すると判定された冗長構成のデータパスのうち、もっとも長く動作していた前記外部装置から順に、所定数の前記データパスの縮退を行うことを特徴とする付記15に記載の冗長構成制御方法。
【0083】
(付記19)
前記冗長構成制御ステップで、
縮退すると判定された冗長構成のデータパスのうち、動作時間が短い前記外部装置から順に、所定数の前記データパスの縮退を行うことを特徴とする付記15に記載の冗長構成制御方法。
【0084】
(付記20)
前記冗長構成制御ステップで、
縮退するデータパスに係る前記外部装置へ電源断信号を送信することで、当該外部装置を停止させることを特徴とする付記15から付記19に記載の冗長構成制御方法。
【0085】
(付記21)
前記冗長構成制御ステップで、
ホットプラグコントローラを使用し、擬似的に、縮退するデータパスに係る前記外部装置が活線されてない状況を作り出すことで、当該外部装置を停止させることを特徴とする付記15から付記19に記載の冗長構成制御方法。
【0086】
(付記22)
冗長構成の複数の外部装置が接続されたコンピュータ装置上で動作する冗長構成制御プログラムであって、
前記コンピュータ装置に、
前記外部装置の冗長構成の制御を行う冗長構成制御処理を実行させ、
OSが前記冗長構成となっているデータパスを縮退すると判定した場合、
前記冗長構成制御処理で、
前記OSでデータパスを縮退すると判定された冗長構成について、データパス毎に非冗長状態での動作可否を示す縮退属性を格納する縮退可否判定用テーブルに基づき、縮退するデータパスを決定し、該データパスに係る前記外部装置の動作を停止させることで、データパスの縮退を行う
ことを特徴とする冗長構成制御プログラム。
【0087】
(付記23)
前記冗長構成制御処理で、
縮退すると判定された冗長構成のデータパスのいずれかが、非冗長状態での動作が不可能な場合は、前記データパスの縮退を行わないことを特徴とする付記22に記載の冗長構成制御プログラム。
【0088】
(付記24)
前記冗長構成制御処理で、
縮退すると判定された冗長構成のデータパスのうち、任意の1つを除き全て縮退を行うことを特徴とする付記22に記載の冗長構成制御プログラム。
【0089】
(付記25)
前記冗長構成制御処理で、
縮退すると判定された冗長構成のデータパスのうち、もっとも長く動作していた前記外部装置から順に、所定数の前記データパスの縮退を行うことを特徴とする付記22に記載の冗長構成制御プログラム。
【0090】
(付記26)
前記冗長構成制御処理で、
縮退すると判定された冗長構成のデータパスのうち、動作時間が短い前記外部装置から順に、所定数の前記データパスの縮退を行うことを特徴とする付記22に記載の冗長構成制御プログラム。
【0091】
(付記27)
前記冗長構成制御処理で、
縮退するデータパスに係る前記外部装置へ電源断信号を送信することで、当該外部装置を停止させることを特徴とする付記22から付記26に記載の冗長構成制御プログラム。
【0092】
(付記28)
前記冗長構成制御処理で、
ホットプラグコントローラを使用し、擬似的に、縮退するデータパスに係る前記外部装置が活線されてない状況を作り出すことで、当該外部装置を停止させることを特徴とする付記22から付記26に記載の冗長構成制御プログラム。
【産業上の利用可能性】
【0093】
本発明によれば、メインフレームのようなシステム全体として高可用性が求められるものの、部分的に非冗長構成での運用が可能な多数の冗長化装置をもつコンピュータシステムに適用できる。パーソナルコンピュータなどの多用途な汎用で用いられるコンピュータシステムでは、実効的な消費電力の削減や装置寿命の延長は期待をし難いが、長期間特定用途で運用されるサーバシステムなどでは、使用頻度の高いパスの動作特性によっては、大きな効果が期待できる。
【符号の説明】
【0094】
100:コンピュータシステム
10:CPU
110:OS
120:縮退可否判定用テーブル
130:通信制御手段
20:I/Oプロセッサ
210:冗長構成制御手段
220:I/O制御プロセッサ
230:通信制御手段
30(30−1〜30−4):PCIカード
40:コンピュータ装置
801:CPU
802:主記憶部
803:通信部
804:入出力インタフェース部
805:入力装置
806:出力装置
807:記憶装置
808:システムバス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自装置に接続された冗長構成の複数の外部装置の制御を行う冗長構成制御手段と、
データパス毎に非冗長状態での動作可否を示す縮退属性を格納する縮退可否判定用テーブルとを備え、
OSが前記冗長構成となっているデータパスを縮退すると判定した場合、
前記冗長構成制御手段が、
前記OSでデータパスを縮退すると判定された冗長構成について、前記縮退可否判定用テーブルに基づき、縮退するデータパスを決定し、該データパスに係る前記外部装置の動作を停止させることで、データパスの縮退を行う
ことを特徴とするコンピュータ装置。
【請求項2】
前記冗長構成制御手段が、
縮退すると判定された冗長構成のデータパスのいずれかが、非冗長状態での動作が不可能な場合は、前記データパスの縮退を行わないことを特徴とする請求項1に記載のコンピュータ装置。
【請求項3】
前記冗長構成制御手段が、
縮退すると判定された冗長構成のデータパスのうち、任意の1つを除き全て縮退を行うことを特徴とする請求項1に記載のコンピュータ装置。
【請求項4】
前記冗長構成制御手段が、
縮退すると判定された冗長構成のデータパスのうち、もっとも長く動作していた前記外部装置から順に、所定数の前記データパスの縮退を行うことを特徴とする請求項1に記載のコンピュータ装置。
【請求項5】
前記冗長構成制御手段が、
縮退すると判定された冗長構成のデータパスのうち、動作時間が短い前記外部装置から順に、所定数の前記データパスの縮退を行うことを特徴とする請求項1に記載のコンピュータ装置。
【請求項6】
前記冗長構成制御手段が、
縮退するデータパスに係る前記外部装置へ電源断信号を送信することで、当該外部装置を停止させることを特徴とする請求項1から請求項5に記載のコンピュータ装置。
【請求項7】
前記冗長構成制御手段が、
ホットプラグコントローラを使用し、擬似的に、縮退するデータパスに係る前記外部装置が活線されてない状況を作り出すことで、当該外部装置を停止させることを特徴とする請求項1から請求項5に記載のコンピュータ装置。
【請求項8】
冗長構成の複数の外部装置と、
前記外部装置の冗長構成の制御を行う冗長構成制御手段と、
データパス毎に非冗長状態での動作可否を示す縮退属性を格納する縮退可否判定用テーブルとを備え、
OSが前記冗長構成となっているデータパスを縮退すると判定した場合、
前記冗長構成制御手段が、
前記OSでデータパスを縮退すると判定された冗長構成について、前記縮退可否判定用テーブルに基づき、縮退するデータパスを決定し、該データパスに係る前記外部装置の動作を停止させることで、データパスの縮退を行う
ことを特徴とするコンピュータシステム。
【請求項9】
冗長構成の複数の外部装置が接続されたコンピュータ装置の冗長構成制御方法であって、
前記外部装置の冗長構成の制御を行う冗長構成制御ステップを有し、
OSが前記冗長構成となっているデータパスを縮退すると判定した場合、
前記冗長構成制御ステップで、
前記OSでデータパスを縮退すると判定された冗長構成について、データパス毎に非冗長状態での動作可否を示す縮退属性を格納する縮退可否判定用テーブルに基づき、縮退するデータパスを決定し、該データパスに係る前記外部装置の動作を停止させることで、データパスの縮退を行う
ことを特徴とする冗長構成制御方法。
【請求項10】
冗長構成の複数の外部装置が接続されたコンピュータ装置上で動作する冗長構成制御プログラムであって、
前記コンピュータ装置に、
前記外部装置の冗長構成の制御を行う冗長構成制御処理を実行させ、
OSが前記冗長構成となっているデータパスを縮退すると判定した場合、
前記冗長構成制御処理で、
前記OSでデータパスを縮退すると判定された冗長構成について、データパス毎に非冗長状態での動作可否を示す縮退属性を格納する縮退可否判定用テーブルに基づき、縮退するデータパスを決定し、該データパスに係る前記外部装置の動作を停止させることで、データパスの縮退を行う
ことを特徴とする冗長構成制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−198649(P2012−198649A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−61227(P2011−61227)
【出願日】平成23年3月18日(2011.3.18)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】