説明

コンピュータ集中運用センタシステムとそのデータ管理制御方法およびプログラム

【課題】 複数のPCを集中管理することによるメリット、例えば、余剰CPUパワーの他用途への転用や、ハードディスク記録データの共用を活用する。
【解決手段】 複数のコンピュータ装置1a〜1dを、それぞれの利用場所ではなく、コンピュータ集中運用センタシステム1に一括で設置し、センタ側において、各コンピュータ装置1a〜1dのメンテナンス管理の他、共有記憶装置(共有ディスク)1eの記録領域の配分、共有記憶装置(共有ディスク)1eを介した市販データの提供、および、各コンピュータ装置1a〜1dの余剰CPUパワーの他用途への転用などを行う。ユーザは、手元の端末装置2a〜2c(例えばノートPC)や携帯電話7等を操作することにより、コンピュータ集中運用センタに設置されている自コンピュータ装置(1a〜1d)をインターネット等のネットワークを介してリモート操作する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各々予め契約で対応付けられたユーザにより端末装置からネットワークを介してリモート操作される複数のコンピュータ装置を、一カ所にまとめて設置し、各コンピュータ装置の保守・運用管理を一括して行うことで、ユーザのメンテナンス負荷を軽減するコンピュータ集中運用技術に係わり、特に、運用コストの削減に好適なコンピュータ集中運用技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
過去、コンピュータのハードウェアが高価だった時代、1台の大型コンピュータに複数のダム端末が従属する形でCPUパワーや記憶装置等のコンピュータ資源の有効利用を図り、計算仕事量あたりのコスト削減を図ってきた。
【0003】
近年、高性能な小型コンピュータの量産化によるコスト削減が実現し、いわゆるパーソナルコンピュータ(以下「PC」と記載)として世の中に普及し、それを利用した分散処理技術とネットワークシステムは現在重要な社会インフラとなっている。
【0004】
しかし、激しい技術競争の結果、PCの用途は多様化し、接続される機器も増えて、複雑性が増し、個人がPCを維持・管理していくのには負担が増えつつある。
【0005】
ASP(アプリケーション・サービス・プロバイダ)の分野では、顧客のコンピュータ資産の管理代行を目指すサービスが登場しつつある。しかし、この技術は、あくまでも資産情報の収集・管理等のソフトウェア的なサービスであり、PCハードウェアそのものを管理代行の対象としたものではない。
【0006】
ハードウェアの管理代行を前提としたサービスを提供するシステムの従来技術例として、例えば、非特許文献1に記載のものがある。この技術は、海外から、国内に設置されている個人所有のPCにブロードバンドでリモートアクセスし、このPCで録画した国内のTV放送の視聴を目的とするものである。
【0007】
この技術によれば、PCの機能をパーソナルに専有できるメリットはそのままで、PC本体(ハードウェア)をセンタで集中管理することにより、維持・管理に係る個人の負担を軽減することができる。
【0008】
しかし、この従来技術は、国内のTV放送の視聴を録画して海外のPCに配信することを目的としており、著作権の侵害を回避するために、集中管理する各PCは個別に使用される構成となっており、複数のPCを集中管理することによるメリット、例えば、余剰CPUパワーの他用途への転用や、ハードディスク記録データの共用を活用することはできない。
【0009】
【非特許文献1】渡辺史敏、石川京子、『ASAHIパソコン 2003.12.15 「放送界困った、テレパソで海外へテレビ番組視聴サービス リモートアクセスとブロードバンドで海外転送」』、p.18−19
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
解決しようとする問題点は、従来の技術では、複数のPCを集中管理することによるメリット、例えば、余剰CPUパワーの他用途への転用や、ハードディスク記録データの共用を活用することはできない点である。
【0011】
本発明の目的は、これら従来技術の課題を解決し、PCの機能をパーソナルに専有できるメリットはそのままで、PC本体(ハードウェア)をセンタで集中管理することにより、維持・管理に係る個人の負担を軽減すると共に、集中管理によって実現可能となるメリット(余剰CPUパワーの他用途への転用、ハードディスク記録データの共用)を活用し、PCのライフサイクルにおいて、業務用コンピュータと比較し、PCが本来持っている能力の利用率が低いというパーソナルコンピュータがパーソナルである故の不経済性を解消することである。さらに、集中運用システムを構成する機器には、従来のPCと同じもの、または延長線の技術が適用できるものを使用することにより、集中運用センタの設立コストおよび維持コストを削減し、サービス価格を下げ、ユーザの利便性の拡大を図る。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するため、本発明では、複数のコンピュータ本体(ハードウェア)を、それぞれの利用場所ではなく、集中運用センタに一括で設置し、センタ側において、各コンピュータのメンテナンス管理の他、共有ディスクの配分、共有ディスクを介した市販データの提供、および、各コンピュータの余剰CPUパワーの他用途への転用などを行う。ユーザは、手元の端末装置、例えばノートPCや携帯電話、PDA(Personal Digital Assistant)等を操作することにより、センタに設置されている自コンピュータをネットワークを介してリモート操作する。さらに、ユーザ側で用意した再生専用の装置に、共有ディスクから市販の映像・音楽データを読み出して配信する。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、センタ側において、各コンピュータの一括メンテナンス管理の他、共有ディスクの配分、共有ディスクを介した市販データの提供、および、各コンピュータの余剰CPUパワーの他用途への転用などを行うことができ、各ユーザは、例えばPCの機能をパーソナルに専有できるメリットはそのままで、維持・管理に係る個人の負担が軽減されると共に、集中管理によって実現可能となるメリット(余剰CPUパワーの他用途への転用、ハードディスク記録データの共用)を活用でき、PCのライフサイクルにおいて、PCが本来持っている能力の利用率が低いというPCの不経済性を解消することが可能である。さらに、ユーザ側では、用意した再生専用の装置に、共有ディスクから市販の映像・音楽データをダウンロードすることで、HDTV等を介して高品質な再生も可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図を用いて本発明を実施するための最良の形態例を説明する。
【実施例】
【0015】
図1は、本発明に係わるコンピュータ集中運用センタシステムの構成例およびそれを用いたコンピュータ管理サービスネットワークシステムの構成例を示すブロック図である。
【0016】
図1において、1は本発明に係わるコンピュータ集中運用センタシステム(図中「センタシステム」と記載)、2a〜2cは各ユーザが使用する端末装置(図中「リモート制御用端末PC」と記載)、3a〜3cは端末装置2a〜2cを例えばインターネット等のネットワークを介してコンピュータ集中運用センタシステム1に接続するルータ、4aはHDTV(High Definition TeleVision、高精細テレビ)、4bは各種のオーディオ・ビジュアル機器、5は各種データの再生専用装置としてのメディアサーバ、6は交換装置6aを具備した電話会社システム、7は電話会社システム6を経由してセンタシステム1にアクセスする携帯電話である。
【0017】
コンピュータ集中運用センタシステム1には、各ユーザの端末装置2a〜2cによりリモート操作されるコンピュータ装置(図中「センタ管理用個人所有PC」と記載)1a〜1dと、各コンピュータ装置1a〜1dのそれぞれで共有される共有記憶装置(図中「共有ディスク」と記載)1e、共有記憶装置1eを制御するディスク管理装置(図中「ディスク管理」と記載)1f、各コンピュータ1dに固有に設けられた専用記憶装置(図中「専用ディスク」と記載)1g、およびシステム全体の制御処理を行うセンタ制御装置1hが設けられている。
【0018】
コンピュータ装置1a〜1d、端末装置2a〜2cと同様に、ディスク管理装置1fおよびセンタ制御装置1hは、CPU(Central Processing Unit)や主メモリ、表示手段、入力手段、外部記憶装置等を具備したコンピュータ構成からなり、光ディスク駆動装置等を介してCD−ROM等の光記憶媒体に記録されたプログラムやデータを外部記憶装置内にインストールした後、この外部記憶装置から主メモリに読み込みCPUで処理することにより、各機能の処理を実行する。
【0019】
コンピュータ集中運用センタシステム1においては、各コンピュータ装置1a〜1dは、各々予め契約で対応付けられたユーザにより端末装置2a〜2cや携帯電話7からルータ3a〜3cおよびネットワークを介してリモート操作され、共有記憶装置1eは、各コンピュータ装置1a〜1dのそれぞれで共有される。そして、ディスク管理装置1fは、各コンピュータ装置1a〜1dが重複して使用するファイルを共有記憶装置1eにおいて重複ファイルとして一つにまとめる機能を有する。また、ディスク管理装置1fは、複数のコンピュータ装置が使用する各ファイルが類似するファイルであれば、重複ファイルと同様に、共有記憶装置1eにおいて一つにまとめる機能を有する。
【0020】
本例のコンピュータ集中運用センタシステム1は、センタ制御装置1hにおいて、各ユーザによる端末装置2a〜2c、携帯電話7を介しての各コンピュータ装置1a〜1dのリモート操作および専用ディスク1gの使用に対して課金を行うと共に、共有記憶装置1eの使用に対する課金も行う。
【0021】
このセンタ制御装置1hにおける課金処理に関連して、ディスク管理装置1fにおいては、重複ファイルを使用する各コンピュータ装置1a〜1dの数に応じて、各コンピュータ装置1a〜1dをリモート操作する各ユーザへ課金する当該重複ファイルの記憶領域分の使用料を算出する機能を有する。
【0022】
この際、センタ制御装置1hは、ディスク管理装置1fで算出した重複ファイルの記憶領域使用料と、単独で当該重複ファイルを例えば専用記憶装置1gにおいて記憶した場合の記憶領域使用料とを、当該ユーザに、端末装置2a〜2c、携帯電話7を介して通知する機能を有する。
【0023】
また、ディスク管理装置1fは、共有記憶装置1eにセンタ管理フォルダと個人管理フォルダを生成し、センタ管理フォルダには、予め各コンピュータ装置1a〜1dでの読み取りおよび起動は許可されているが複製および保存が禁止されているプログラムおよびデータを格納し、個人管理フォルダには、端末装置2a〜2cや携帯電話7からの操作に応じて各ユーザによる更新を含む全ての操作が許可されているデータを格納する。
【0024】
専用記憶装置1gは、ここでは1つ記載されているが、各コンピュータ装置1a〜1dに内蔵されたハードディスク装置で構成され、各コンピュータ装置1a〜1dのそれぞれで個別に用いられる。例えば、専用記憶装置1gには、当該コンピュータ装置1dの起動用プログラムがインストールされる。
【0025】
さらに、センタ制御装置1hは、各コンピュータ装置1a〜1dのそれぞれのCPUの利用率を求め、アイドルタイムの大きいCPUを特定し、特定したCPUを有するコンピュータ装置(1a〜1d)に、当該コンピュータ装置(1a〜1d)をリモート操作する端末装置(2a〜2c)からのタスク以外の新たなタスクを割り当てる機能を有する。
【0026】
尚、センタ制御装置1hは、この新たなタスクの割り当てに対して、当該コンピュータ装置(1a〜1d)をリモート操作する端末装置(2a〜2c)からのタスクの割り当てを優先する機能を有する。そして、センタ制御装置1hは、新たに割り当てたタスクの要求元にCPUの使用に応じた課金を行い、この課金に応じて、新たなタスクを割り当てたコンピュータ装置(1a〜1d)をリモート操作するユーザに対する課金を減額する機能を有する。
【0027】
また、センタ制御装置1hは、端末装置2a〜2cや携帯電話7から要求されたデータを共有記憶装置1eから読み出し、要求元の端末装置2a〜2cや携帯電話7に予め対応付けられたメディアサーバ(データ再生専用装置)5に送信する機能を有する。この際、センタ制御装置1hは、送信対象のデータを、予め定められた間隔毎の予め定められたデータ量からなりメディアサーバ5が具備する揮発性記憶装置に記憶される複数の部分データと当該メディアサーバ5が具備する不揮発性記憶装置に記憶される残りのデータに分割する機能と、残りのデータをメディアサーバ5に一括して送信し、複数の部分データのそれぞれを当該メディアサーバ5における残りのデータの再生に合わせて分割して送信する機能とを有する。
【0028】
このように、本例のコンピュータ集中運用センタシステム1を設けたコンピュータ管理サービスネットワークシステムにおいては、各コンピュータ装置1a〜1dをその利用場所ではなく、コンピュータ集中運用センタシステム1に一括で設置し、コンピュータ集中運用センタシステム1において、各コンピュータ装置1a〜1dのメンテナンス管理の他、共有記憶装置1eの記憶領域の配分、共有記憶装置1eを介した市販データの提供、および、各コンピュータ装置1a〜1dの余剰CPUパワーの他用途への転用などを行う。
【0029】
ユーザは、手元のノートPC等からなる端末装置2a〜2cや携帯電話7を操作することにより、コンピュータ集中運用センタシステム1に設置されている自コンピュータ装置(1a〜1d)をネットワークを介してリモート操作すると共に、ユーザ側で用意した再生専用の装置であるメディアサーバ5に、共有記憶装置1eから市販の映像・音楽データをダウンロードして、HDTV4aや各種AV機器4bで再生する。
【0030】
尚、各コンピュータ装置1a〜1dのリモート操作に例えばノートPCを利用することにより、様々な用途への拡大が進んでするPCに役割分担を持たせることができる。
【0031】
以下、図2〜図24を用いて、コンピュータ集中運用センタシステム1およびそれを用いたコンピュータ管理サービスネットワークシステムの詳細を説明するが、まず、図2〜図8により、リモート操作技術について説明する。
【0032】
図2は、図1におけるコンピュータ管理サービスネットワークシステムのリモート制御に係わるシステム構成例を示すブロック図であり、図3は、図2における専用アダプタの構成例を示すブロック図、図4は、図2におけるシステム構成での信号の送受信動作例を示す説明図、図5は、図2におけるセンタ内仲介サーバの処理動作例を示す説明図、図6は、図2におけるセンタ内仲介サーバの処理動作の詳細例およびそれに対応する端末装置の処理動作例を示す説明図、図7は、図5におけるセンタ内仲介サーバで送受信される電送データのフォーマット例を示す説明図、図8は、図5におけるセンタ内仲介サーバで管理されるチェックテーブルの構成例を示す説明図である。
【0033】
以下の図2〜図8で説明するリモート操作技術では、端末装置2a〜2c(リモート制御用端末PC)からコンピュータ装置1a〜1d(センタ管理個人所有PC)の操作をインターネット網を利用したネットワークを経由して行う。このようにインターネット網を利用することにより、端末装置(リモート制御用端末PC)があれば、ユーザは、世界中何処でも、保守・管理された自分のコンピュータ装置(センタ管理個人所有PC)と個人データを利用することができる。また、例えばノートPC等、モバイルPCの盗難・紛失・物理破損によるデータ損失を回避することができる。
【0034】
まず、図2におけるリモート制御システムでの信号伝送について説明する。ネットワーク内を流れる入出力制御信号は、端末装置(図中「リモート制御用端末PC」と記載)2aからコンピュータ装置(図中「センタ管理個人所有PC」と記載)1a〜1dへの上り方向は、マウスやキーボートなどからのコントロールのための入力情報で、コンピュータ装置1a〜1dから端末装置2aへの下り方向は、制御した結果の画面情報および音声情報等の出力情報である。
【0035】
専用アダプタ1iは、コンピュータ装置1a〜1dからの入出力信号をネットワーク伝送形式に変換するための装置である。尚、この専用アダプタ1iは、コンピュータ装置1a〜1dのCPUパワーに余裕がある場合は、コンピュータ装置1a〜1d内のソフトウェア処理により代替することが可能である。また、センタ内仲介サーバ1jは、リモート操作するユーザの認証等、センタ側と外部ネットワークの仲介を行うための機能を設けたコンピュータ装置である。
【0036】
端末装置2aには、コンピュータ装置1a〜1dをリモート操作するための専用ソフトウェアがインストールされている。ルータ3もしくはモデム、プロバイダ装置(図中「プロバイダ」と記載)21、インターネット網20は、既存の機器およびサービスであり、従来通りの機能を果たす。
【0037】
以下、専用アダプタ1iについて、図3を用いて説明する。図3に内部構成を示す専用アダプタ1iは、コンピュータ装置1a〜1dをセンタ内仲介サーバ1jに繋ぐための装置であり、センタ内仲介サーバ1jとの接続用のLANボード32と、コンピュータ装置1a〜1dとのインターフェース用のUSB2.0端子34およびモニタ入力端子35を具備し、さらに、LAN・USB間の信号変換を行う機能ブロックとMPEG4の動画エンコードを行う機能ブロックを具備したメイン基盤31、および、AC電源をDC変換するDCコンバータ33を具備している。
【0038】
専用アダプタ1iのUSB2.0端子34に接続されるUSB2.0ケーブル内を流れる信号としては、「マウス制御信号(既存のUSBマウスと互換)」、「キーボード制御信号(既存のUSBキーボードと互換)」、「PCからの音声信号(既存のUSBスピーカーと互換)」、「PCからのマウスカーソルの現在位置(X位置、Y位置)」等があり、また、モニタ入力端子35に接続されるモニタ接続ケーブル内を流れる信号としては、「PCからの画面情報(既存のVGAまたはDVIと互換)」がある。
【0039】
センタ内仲介サーバ1jとのインターフェースにはLANケーブルが使用され、このLANケーブルには、LAN・USB間の信号変換機能ブロックで変換された「マウス制御信号(既存のUSBマウスと互換)」と「キーボード制御信号(既存のUSBキーボードと互換)」が、また、MPEG4の動画エンコードを行う機能ブロックで動画圧縮された「PCからの音声信号(既存のUSBスピーカーと互換)」と「PCからの画面情報(既存のVGAまたはDVIと互換)」が流される。
【0040】
次に、図4を用いて、端末装置43(2a〜2c)とコンピュータ装置41(1a〜1d)間で授受される制御用入出力信号の内容と経路の説明を行う。特に、図2に示す専用アダプタ42(1i)を介しての処理内容を説明する。
【0041】
図4bにおいて、センタ側でのコンピュータの集中運用サービスの提供を有料で受けることを契約したユーザは、端末装置43の画面上に映し出されている情報を基に、マウスやキーボードの操作を行い、端末装置43は、この操作内容をLAN信号に変換し、インターネット(20)を介して送信する。
【0042】
図4aにおいて、コンピュータ集中運用センタシステム(1)では、端末装置43からのユーザ操作情報を、センタ内仲介サーバ(1j)で受信し、専用アダプタ42に取り込む。専用アダプタ42は、取り込んだユーザ操作情報(LAN信号)をマウス・キーボード操作信号に復号した後、当該ユーザが契約しているコンピュータ装置41に渡す。
【0043】
コンピュータ装置41は、マウス・キーボード操作信号に基づく処理を行い、信号の内容を反映した画面や音声の出力を行い、その処理結果を、専用アダプタ42において動画圧縮して、センタ内仲介サーバ(1j)からインターネット(20)を介して端末装置43に返信し、図4bにおいて、端末装置43は、自装置でのユーザ操作結果がフィードバックされた画面を表示出力する。
【0044】
次に、図5を用いて、図2におけるセンタ内仲介サーバ1jについて説明する。センタ内仲介サーバ53(1j)の役割は、専用アダブタ51(42,1i)と端末装置55(43,2a)とのデータ仲介であり、センタ内LAN(1)52とインターネット網54との間のゲートウェイ機能を有し、このゲートウェイ機能により、宛先のIPアドレス変換を行うことで、上り伝送データは専用アダプタ51へ、下り伝送データは端末装置55へ伝送される。
【0045】
また、センタ内仲介サーバ53は、チェックテーブル(TBL)を用いたユーザ認証機能を有し、このユーザ認証機能による認証処理動作例を図6を用いて説明する。この図6は、センタ内仲介サーバ53と端末装置55間で行われるユーザ認証の処理手順を示しており、相互の通信は「上り伝送データ」と「下り伝送データ」それぞれのヘッダに付加される使い捨て型のアカウントによって制御される。
【0046】
すなわち、図6aに示すように、センタ内仲介サーバ53は、端末装置55からの上り伝送データを受け取ると(ステップS601)、チェックTBLを参照してアカウントの判定を行い(ステップS602)、有効だった場合は、上り伝送データを専用アダプタ51へ仲介した後(ステップS603)、アカウント期限に応じて必要であれば新アカウントを発行し(ステップS604,605)、専用アダプタ51からの下り伝送データに付加して端末装置55に仲介する。
【0047】
尚、ステップS602においてアカウントが有効でなければ、ユーザID、パスワードによるユーザ認証を行い(ステップS609)、その認証が成功すればステップS605の処理に移り、認証に失敗すれば、下り伝送データの端末装置55への仲介を停止する(ステップS607)。
【0048】
端末装置(リモート制御側PC)55は、図6bに示すように、上り伝送データをセンタ内仲介サーバ53に送付してユーザ認証を行い(ステップS610,S611)、ユーザ認証後、下り伝送データに付加されていた新アカウントを上り伝送データに付加してセンタ内仲介サーバ53との通信の継続を行う(ステップS612〜S615)。
【0049】
尚、アカウントには有効期限が定められており、通信のつど更新されるので、アカウントが外部に洩れることで起こり得る、他者のなりすましによる不正アクセスを防ぐことができる。また、アカウントの有効期限を適度に短くすることにより、リモート操作をしていない時に「下り伝送データ」の送信を停止し、ネットワークの負荷を軽減できる。
【0050】
このような伝送データのフォーマット(例)を図7を用いて説明する。この図7に示すように、伝送データには上り・下り共に、ヘッダにアカウントが付加され、センタ内仲介サーバ53でのユーザ認証に使用される。RQ(リクエストコード)は、伝送データのデータ内容を示すコードで、図7では’01’〜’40’が上り伝送データで、’80’〜’90’が下り伝送データである。上り伝送データのうち、’30’の「メディア交換」の宛先は、専用アダプタ51ではなく、共有記憶装置(共有ディスク)のファイルサーバに送信される。
【0051】
図8においては、図5におけるセンタ内仲介サーバ53が具備するチェックテーブル81(チェックTBL)の構成例を示しており、このチェックテーブル81は、アカウントテーブル(TBL)82とユーザIDテーブル(TBL)83、および、専用アダプタテーブル(TBL)84の3つのデータベースで構成される。
【0052】
初回のログインの際には、ユーザIDテーブル83と専用アダプタテーブル84よりアカウントテーブル82のレコードを生成する。伝送データに付加されているアカウントのチェックには、アカウントテーブル82のアカウントの存在可否と有効日時の判定で行う。アカウント再発行の際には旧アカウントは破棄されアカウントテーブル82から削除される。
【0053】
次に、図9〜図12を用いて、図1におけるコンピュータ集中運用センタシステムの各コンピュータ装置の集中管理動作について説明する。このように、個人所有の複数のコンピュータ装置をセンタで集中管理することにより、利用者(ユーザ)は以下のメリットが得られる。
【0054】
すなわち、ユーザは、利用するハードウェアを自宅(職場)に置かなくて済む。これにより、コンピュータ装置の設置場所や大容量電源の確保、冷却ファン騒音対策が不要となる。また、コンピュータ装置の初期設定・パーツ交換はセンタ側で代行するので、ユーザは、ハードウェアの専門知識なしに、最新または特殊なハードも利用できる。さらに、コンピュータ装置内の基板の交換もセンタ側で肩代わりして行うので、ユーザ側では、ハードウェア故障時の修理依頼・代用PCの準備も不要となる。また、共有ディスクはセンタ側で保全し、専用ディスクのバックアップも共有ディスク経由で行うので、ユーザは、安全・簡単・確実なデータ保全サービスを得ることができる。
【0055】
図9は、図1におけるコンピュータ管理サービスネットワークシステムでのコンピュータ装置の管理構成例を示す説明図であり、図10は、図9におけるディスク接続装置の構成例を示すブロック図、図11は、図10におけるディスク接続装置の処理機能例を示す説明図、図12は、図10におけるディスク接続装置の利用形態例を示す説明図である。
【0056】
図9においては、複数のコンピュータ装置(センタ管理個人所有PC)を集中管理するために、各コンピュータ装置を、マザーボートとビデオカートからなる基板92bで構成し、保管ラック92にまとめて収納している。これにより、設置スペース節約とメンテナンス性の向上を図っている。尚、各コンピュータ装置(基板92b)のコンピュータとしての機能に通常のコンピュータからの変更は無く、市販のPC基板がそのまま使用可能である。また、外部のセンタ内仲介サーバ91と共有ディスク管理用ファイルサーバ93、および、複数の汎用PC用5インチハードディスクを格納した共有ディスク保管ラック94との接続には専用アダプタ92aとディスク接続装置92cを介し、センタ内LANを経由して行う。
【0057】
専用アダプタ92aについては、図2〜図4等で説明済みであり、以下、ディスク接続装置92cについて説明する。コンピュータ装置(センタ管理個人所有PC)はリモート操作される都合上、CD−ROM等などの交換可能な記録メディアを用いる外部記憶装置は使用できないので、代替としてディスク接続装置92cに接続する。
【0058】
このディスク接続装置92cは、図10に示すように、メイン基板921、LANボード922、DCコンバータ923、ハードディスク924からなり、コンピュータ装置との接続用のシリアルATA(ATAttachment)(1)1002,(2)1001を具備している。
【0059】
シリアルATA(1)1002は、内蔵されている専用のハードディスク924(PC起動用のシステムドライブ)に接続されてドライブ割当される。また、シリアルATA(2)1001は、メイン基板921におけるLAN装置・シリアルATA信号変換機能ブロックに接続され、LANボード922を介してLAN経由で共有記憶装置(共有ディスク)にドライブ割当される。また、共有記憶装置(共有ディスク)に格納されたデータにアクセスする手段としてCD/DVDエミュレータ機能を持つ。
【0060】
シリアルATA(1)1002を介してシリアルATA(1)ケーブル内を流れる信号としては、シリアルATA対応のハードディスク信号があり、この信号に関してのフォーマット変換は不要である。また、シリアルATA(2)1001を介してシリアルATA(2)ケーブル内を流れる信号としては、シリアルATA対応のCD/DVD信号と互換(CD/DVDエミュレーション時)のある信号と、シリアルATA対応のハードディスク信号と互換(共有ディスク上のファイルアクセス時)のある信号があり、共有記憶装置(共有ディスク)とのインターフェースにはLANケーブルを使用し、このLANケーブルには、上述のシリアルATA(2)ケーブル内を流れる信号が流れる。
【0061】
このような構成のディスク接続装置92cの処理動作例を、図11を用いて説明する。コンピュータ装置(センタ管理個人所有PC)からのシリアルATA(1)経由の信号は、そのまま専用ディスク924に渡され、シリアルATA(2)経由の信号は、内部信号変換部925において、CD/DVDエミュレータ926に渡される信号と、LAN・シリアルATA信号変換処理部927に渡される信号に分割される。
【0062】
LAN・シリアルATA信号変換処理部927は、シリアルATA(2)の信号をLAN信号に変換して、ディスク管理装置(共有ディスク管理用ファイルサーバ93)1102で管理する共有記憶装置(共有ディスク)上のファイル(CD/DVDイメージファイル1103、共有ファイル1104)を、通常のハードディスク上のファイルとして取り扱うことができるようにする。
【0063】
CD/DVDエミュレータ926は、共有記憶装置(共有ディスク)上のCD/DVDイメージファイル1103を実際のCD/DVDメディアとしてコンピュータ装置(センタ管理個人所有PC)側に認識させるエミュレーション処理を行う。尚、このようなCD/DVDイメージファイルをCD/DVDとしてコンピュータに認識させる技術は、市販ソフトウェアで可能である。
【0064】
次に、図12を用いて、ディスク接続装置92cの利用形態の説明を行う。図12では、CD/DVDエミュレーション時のCD/DVDメディア利用例を示しており、共有ディスク1201上には、各種CD/DVDイメージファイルが保管されており、端末装置(リモート制御用端末PC)1204からリモート操作する側のユーザは、その内のライセンス1202を所持しているものだけを利用することができる。
【0065】
メディア交換は、所持ライセンス一覧からメディア名を選択することで行い、交換指示は端末装置(リモート制御用端末PC)1204からセンタ内仲介サーバ1203を介して、共有ディスク1201に対して行う。例えば、コンピュータ装置(センタ管理個人所有PC)1101をOSから再設定する場合は、共有ディスク1201上のカレントメディアをOSのCD−ROMに設定した後、BIOS設定画面でPC起動用ブートドライブを専用ディスク(Cドライブ)924からCD/DVDエミュレータドライブ(Dドライブ)926に変更して再起動することで、OSのCD−ROMからのインストール処理を開始することができる。
【0066】
次に、図13および図14を用いて、図1におけるコンピュータ集中運用センタシステム1の共有記憶装置(共有ディスク)の管理動作について説明する。本例のコンピュータ集中運用センタシステム1では、ディスク管理装置1fにより、各ユーザの所持しているデータを共有ディスクに一元管理することで、重複ファイルおよび類似ファイルを排除し、限られた物理的記憶容量で、1ユーザあたりの論理的記憶容量を飛躍的に増大させることができる。また、リモートユーザ間でのファイル授受であっても、センタ内で行われインターネットを経由しないので、ネットワーク伝送の遅延による通信時間がゼロ近くになるメリットがある。
【0067】
図13は、図1におけるコンピュータ管理サービスネットワークシステムの共有記録装置でのファイル管理例を示す説明図であり、図14は、図1におけるディスク管理装置の処理動作例を示すフローチャートである。
【0068】
図13を用いて、共有記憶装置(共有ディスク)と専用記憶装置(専用ディスク)のファイル管理システムの相違点を説明する。図13の(1)においては、従来のファイル管理システムのファイル管理システムの構造を示し、図13の(2)においては、共有ディスクのファイル管理システムの構造を示している。
【0069】
図13の(1)に示す従来のファイル管理システムでは、同一ボリューム上に重複ファイル(「A」)や類似ファイル(「B」、「B’」)が存在してもチェックする機能は無かったが、図13の(2)に示す本例の共有ディスクのファイル管理システムでは、実体ファイルをプロパティ情報を経由して管理する。このため、ファイル登録時には実体ファイルを自分専用に割り当てられたディスク領域を消費して格納する必要が無くなる。
【0070】
このようなファイル管理技術では、共有ディスクを利用するリモートユーザが増えれば増える程、実体ファイルの共有発生確率および同時共有数も増え、物理的ディスクスペースの消費を節約することができる。尚、ディスク共有で使用する重複ファイルおよび類似ファイルを排除する技術に関しては、データ圧縮技術として既出であり、ここでの説明は省略する。
【0071】
尚、共有の対象とならないデータに関しては、従来のファイル管理システムと同様にして、専用ディスクの中に保管する。このような専用ディスクの当該PC集中管理システムにおける存在理由としては、共有ディスクと比較し、アクセスユーザが所有者本人に絞り込まれているので、セキュリティに優れていることと、ファイル管理システムが簡素であり、ディスクアクセス性能が高いことが挙げられる。専用ディスクの用途としては、コンピュータ装置(センタ管理個人所有PC)のOSが常時専有するシステムドライブ(例えばCドライブ)のインストールや、法人ユーザが所有するユニークかつ外部非公開のデータなどの格納である。
【0072】
尚、共有ディスク上に存在する重複ファイルや類似ファイルを機械的に排除するだけでは、ディスクの利用効率の向上には不十分であり、例えば、図14に示すようにして、ユーザのファイル登録要求時に、当該ファイルの共有発生数をユーザに事前通知し、ディスク共有数がn人に増えればディスク消費量(≒課金)も1/nになることを明示して、同一なデータの登録時の保管フォーマット(圧縮・アーカイブ形式等)の統一を促すことが有効である。
【0073】
図14においては、まず、ユーザからの登録ファイルの指定を受けると(ステップS1401)、共有ディスクにおける当該ファイルと重複もしくは類似するファイルの検索・調査を行い(ステップS1402)、共有数を集計し(ステップS1403)、消費ディスク量を計算し(ステップS1404)、その算出結果を、ユーザの端末の画面上にメッセージ表する(ステップS1405)。
【0074】
このように表示されたメッセージ(ファイルの登録の確認)1400を参照してユーザが、当該ファイルの共有ディスクにおける重複ファイル、類似ファイルとしての登録指示を選択すると(ステップS1406)、当該ファイルを共有ディスクにおける重複ファイル、類似ファイルとして登録する(ステップS1407)。
【0075】
尚、このような重複ファイルの登録後、さらにディスク共有ユーザが増えれば表示値よりも翌月のディスク消費量は減り、逆に共有ユーザが減った場合は表示値よりも翌月のディスク消費量は増える。
【0076】
次に、図15および図16を用いて、図1におけるコンピュータ集中運用センタシステム1の共有記憶装置(共有ディスク)を用いた著作権保護管理動作について説明する。本例のコンピュータ集中運用センタシステム1では、ディスク管理装置1fにより一元管理する共有ディスクに、コンピュータ装置1a〜1dのそれぞれで動かす市販アプリケーションのインストール用CD−ROMのデータや市販著作権データを記憶する。これにより、パックアップの為のコピーを取得したり、コンピュータ装置1a〜1d内のディスク容量不足回避の為にリムーバルメディア等にデータ移動する必要性自体が無くなるので、著作権保護対策が容易になる。
【0077】
図15は、図1におけるディスク管理装置による共有記憶装置のフォルダ管理例を示す説明図であり、図16は、図1におけるディスク管理装置による共有記憶装置へのアクセス制御処理例を示すフローチャートである。
【0078】
まず、図15を用いて、共有記憶装置(共有ディスク)1501を用いた著作権の保護技術例を説明する。本例では、共有記憶装置(共有ディスク)1501内のファイルをセンタ管理フォルダ1502と個人管理フォルダ1503の属性に分けて管理をする。センタ管理フォルダ1502には市販アプリケーション等の、コピーしてはいけないデータを保管し、個人管理フォルダ1503には個人専用のデータを保管する。
【0079】
ここで、個人管理フォルダ1503内のファイル以外は、端末装置(リモート制御用端末PC)1504(2a〜2c)へのダウンロードを禁止にすることにより、違法なデータコピーとコンピュータ集中運用センタシステム(1)からの流出を防ぐことができる。このような制御を行うためのファイル操作ツールについて、図16を用いて説明する。
【0080】
図16は、本発明に係わるファイル操作ツールの処理手順例を示している。従来のファイル操作ツールにおいても、「参照権限のみ(読み取り専用)」の制限を設けてコピーを禁止する機能を有しているが、同じ記憶装置装置(共有ディスク)内のセンタ管理フォルダ1502から個人管理フォルダ1503へのデータコピーは可能である。
【0081】
本例のファイル操作ツールによれば、まず起動時に、自身のプログラムのチェックを行い改造が加えられていないか確認する(ステップS1601)。その後、当該ユーザの所有ライセンスを確認して、当該ユーザが所有するセンタ管理フォルダおよび個人管理フォルダを表示する(ステップS1603,S1604)。
【0082】
ユーザがファイルを選択すると(ステップS1605)、選択されたファイルのプロパティ情報に基づき、センタ管理フォルダ1502のファイルか、個人管理フォルダ1503のファイルかを判別し(ステップS1606)、センタ管理フォルダ1503のファイルであれば、コピーやドラッグ&ドロップ、ならびにダウンロード等のファイル操作機能を無効化する(ステップS1607,S1608)。
【0083】
さらに、ファイル属性(拡張子)から関連づけで起動できるアプリケーションもセンタ指定の著作権保護を考慮した再生専用のアプリケーションに限定する(ステップS1609)。例えば、著作権データのREADME.TXTの中身を確認する時のプログラムは、別領域にファイル保存ができるテキストエディタではなく、選択文字列のコピー&ペーストやファイル保存ができないテキストビューワーに限定する。
【0084】
そして、ユーザのリモート操作に応じたファイル操作を行う(ステップS1610)。尚、ステップS1606での判別処理において、選択されたファイルが個人管理フォルダ1503のファイルであれば、ステップS1607〜S1608でのファイル操作の機能制限は行わない。
【0085】
次に、図17から図21を用いて、図1におけるコンピュータ集中運用センタシステム1による余剰CPUパワーの有効活用動作について説明する。コンピュータ集中運用センタシステム1で管理する各コンピュータ装置1a〜1dは、常時CPUを100%使用しているわけではないので、余ったCPUパワーを科学技術計算などの別用途に割り当てることが可能である。
【0086】
このような余剰CPUパワーを有効活用する従来技術としては、例えば、インターネットに繋がった多数のコンピュータを使って地球外文明を探査するSETI(Search for Extra-Terrestrial Intelligence)がある。本例では、コンピュータ集中運用センタシステム1で管理する各コンピュータ装置1a〜1dは、自コンピュータ装置外の各センタ内ネットワーク資源へのアクセスが高速な為、データI/O(入出力)等による計算処理のボトルネックの発生ポイントが少なく、インターネット上のPCよりも、余剰CPUパワーを組織的に有効活用することができ、活用結果をユーザ還元することも容易である。
【0087】
図17は、図1におけるコンピュータ管理サービスネットワークシステムの余剰CPUパワーの活用処理例を示す説明図であり、図18は、図1におけるコンピュータ管理サービスネットワークシステムによる余剰CPUパワーの管理制御例を示す説明図、図19は、図1におけるコンピュータ管理サービスネットワークシステムによる余剰CPUへのタスク割り当て処理例を示す説明図、図20は、図19におけるタスクサーバによるタスク割り当て処理動作例を示すフローチャート、図21は、図19におけるタスクサーバの外部依頼者からの依頼に基づくタスク割り当て処理動作例を示すフローチャートである。
【0088】
図17においては、本例のコンピュータ管理サービスネットワークシステム(1)による余剰CPUパワーの管理制御の結果例を示しており、改善前のタスクマネージャ1701でCPUアイドル率(Systemアイドル)が60%と検知されたコンピュータ装置に、科学技術計算タスクを割り当てたことにより、改善後のタスクマネージャ1702では、CPUアイドル率が60%から5%に改善されたことが検知されている。
【0089】
図18においては、ユーザが操作する端末装置(2a〜2c)における、タスクの優先度設定用画面のレイアウト例を示している。本例のタスクの優先度設定用画面1801では、余剰CPUパワーを有効活用するためのタスクが、当該CPUを具備したコンピュータ装置(1a〜1d)の所有者であるリモートユーザの利用に支障が出ないよう処理優先順位を、通常より低く設定を変更している。
【0090】
図19においては、このような余剰CPUパワーを計算業務に割り当てる際の制御動作例を示しており、センタ制御装置(1h)が有する機能(タスクサーバ1902)において、センタ外の計算機1903からの計算業務(JOB)を請負って、CPUパワーに余裕のあるコンピュータ装置(センタ管理個人PC)1901a〜1901cに計算処理を割り当て、各計算結果を収集・集計して、依頼元のセンタ外計算機1903に対して、結果を返すと共に、各CPUパワーの使用量に応じた課金を行う。
【0091】
尚、コンピュータ集中運用センタシステム(1)では、依頼元のセンタ外計算機1903から得られた手数料を、センタ運営費に充当し、各コンピュータ装置(センタ管理個人PC)1901a〜1901cに対するセンタ月額利用料金を引き下げることによってリモートユーザに還元する。
【0092】
図21を用いて、タスクサーバ1902の処理動作例を説明する。タスクサーバ1902は、センタ外の計算機1903からJOB依頼を受けると(ステップS2001)、JOBをタスクに分割し(ステップS2002)、各タスクの順序を定め(ステップS2003)、タスク割当対象の各コンピュータ装置1901a〜1901c(センタ管理個人PC)に、センタ内LAN経由でログインして(ステップS2004)、タスクを実行させ(ステップS2005)、各コンピュータ装置1901a〜1901c(センタ管理個人PC)のCPUパワーを計上する(ステップS2006)。
【0093】
全てのタスクが終了すると(ステップS2007)、各コンピュータ装置1901a〜1901c(センタ管理個人PC)からログオフし(ステップS2008)、各処理結果を集計し(ステップS2009)、各CPUパワーの集計と課金計算を行った後(ステップS2010)、依頼元のセンタ外計算機1903に対して、計算(JOB)結果を送信すると共に課金請求を行う(ステップS2011)。
【0094】
次に、図21を用いて、センタ内JOB実行の説明を行う。センタ外からの計算(JOB)依頼が無い時は、リモートユーザが所有するコンピュータ装置1901a〜1901cからタスクサーバ1902にJOB依頼することも可能である。依頼できるJOBは、予めタスク分割手順が準備されている指定の処理である。
【0095】
リモートユーザによるJOB依頼アプリケーションの起動に伴いJOB一覧メニューを表示し(ステップS2101)、リモートユーザがこのJOB一覧メニューから、例えば「ビデオカメラで撮影したDV動画をMPEG2で圧縮するJOB」を選択した場合(ステップS2102,S2103)、入力ファイルと出力ファイルを指定してタスクサーバ1902に当該JOBの実行を依頼する(ステップS2104,S2105)。
【0096】
タスクサーバ1902では、入力ファイルを受信すると(ステップS2106)、タスクを分割し(ステップS2107)、各タスクの順序を定め(ステップS2108)、タスク割当対象の各コンピュータ装置(センタ管理個人PC)(1901a〜1901c)に、センタ内LAN経由でログインして(ステップS2109)、タスクを実行させ(ステップS2110)、各コンピュータ装置のCPUパワーを計上し(ステップS2111)、全てのタスクが終了すると(ステップS2112)、各コンピュータ装置からログオフし(ステップS2113)、出力ファイル送信を行う(ステップS2114)。
【0097】
尚、JOB依頼の利用上限は、依頼元コンピュータ装置が過去に提供した余剰CPUパワーの累計値迄とし、JOB実行中に当該依頼元コンピュータ装置のCPUパワー累計の残り値が「0」になってしまった場合は、タスクサーバ1902は、依頼者側コンピュータ装置にログインし、当該依頼者側コンピュータ装置のCPUパワーのみでタスク実行しJOBを継続する。
【0098】
次に、図22から図24を用いて、図1におけるコンピュータ集中運用センタシステム1での、メディアサーバ5による著作権データの高品質な再生動作について説明する。メディアサーバ(5)は、共有記憶装置(共有ディスク)1e上に存在する著作権データを端末装置2a〜2c以外でも利用する為の装置である。コンピュータ集中運用センタシステム1においてメディアサーバ5を用いることにより、著作権データを、端末装置2a〜2cよりも高品質に再生できる他、以下のようなメリットが有る。
【0099】
(1)各著作権データを共有記憶装置(共有ディスク)1eに保管するので、CD/DVD等のメディアを自宅保管したり、再生時にメディア交換をする手間がなくなり、手元のリモコンで全ての操作が可能となる。尚、ユーザが利用できる、共有記憶装置(共有ディスク)上の市販コンテンツを増やすには、センタ側からダウンロード・再生を許可するライセンスを「購入」することによって行う。
【0100】
(2)CD/DVD等の固定メディアに記録されたデータは、強力なコピー防止プロテクトを施しても時の経過と共に解除される危険性が高いが、共有記憶装置(共有ディスク)1eからメディアサーバ5に配信される著作権データはデータフォーマット暗号方式を随時変更可能であり、また、メディアサーバ5上のデコード・再生プログラムもセンタ側からネッワーク経由でアップデートでき、動的な著作権保護対策がとれる。
【0101】
(3)地上波・BSデジタルTV放送の録画には「ライトアトワンス」の制限があり、現状のハードディスク録画装置には録画容量の物理的上限が有るが、共有記憶装置(共有ディスク)1e上に録画されたデータであれば、録画容量の上限が無く、メディアサーバ5から何時でもダウンロード・再生が可能である。
【0102】
図22は、図1におけるコンピュータ管理サービスネットワークシステムのデータ配信処理動作例を示す説明図であり、図23は、図1におけるメディアサーバの構成例を示すブロック図、図24は、図23におけるメディアサーバの処理動作例を示すフローチャートである。
【0103】
まず、図22を用いて、メディアサーバの利用形態の説明を行う。図22において、2201はコンピュータ集中運用センタシステムであり、2202は共有記憶装置(共有ディスク)、2203はディスク管理装置が有する機能としてのファイルサーバ2203、2204はルータ(モデム)、2205はメディアサーバ、2206はHDTV、2207は各種AV機器である。
【0104】
端末装置から共有記憶装置(共有ディスク)2202上に存在するセンタ管理の著作権データを利用する場合、リモートユーザが得られるサービスは、コンピュータ集中運用センタシステム2201に設けられた自所有のコンピュータ装置からリアルタイムで提供されるPC画面情報および音声情報である。
【0105】
しかし、リアルタイム手法による提供のみでは、HDTV2206での動画情報など大容量データの転送を必要とするものは、ネットワーク回線の速度に制限されて、そのままの再生品質を維持することができない。高品質のデータ再生を実現するには、一旦データをリモートユーザ側にダウンロードして蓄積する必要が有る。ダウンロード先として、ダウンロードしたデジタルデータの著作権保護機能をソフトウェアプログラムで解除される可能性が高い端末装置(リモート制御用端末PC)ではなく、再生専用のハードウェアであるメディアサーバ2205を使用する。
【0106】
本例のメディアサーバ2205は、図23に示すように、小容量の揮発性記憶装置としての半導体メモリとGPU他動画・音声再生デコーダ機能を搭載したメイン基板2301、大容量不揮発性記憶装置としてのハードディスク2302、LANボード2303、DCコンバータ2304等から構成されている。
【0107】
このような構成からなるメディアサーバ2205は、コンピュータ集中運用センタシステム2201の共有記憶装置(共有ディスク)2202からダウンロードしてきた著作権データを、一時蓄積(キャッシュ)した後、家庭等に設置されたHDTV2206や各種AV機器2207等で再生させるが、この際、著作権データの違法コピーを防止するために、ファイルサーバ2203(ディスク管理装置)では、送信対象のデータを、予め定められた間隔毎の予め定められたデータ量からなる複数の部分データと残りのデータに分割し、残りのデータに関してはメディアサーバ2205に一括して送信するが、複数の部分データに関しては、それぞれ、メディアサーバ2205における残りのデータの再生に合わせて分割して送信する。
【0108】
メディアサーバ2205では、大容量不揮発記憶装置であるハードディスク2302に残りのデータを蓄積し、部分データをメイン基板2301上の半導体メモリに蓄積する。尚、著作権データの再生にはメイン基板2301に設けた動画・音声再生用のデコード装置(デコーダ)で行う。また、ルータ2204へのインターフェースにはLANケーブルを使用し、HDTV2206や各種AV機器2207へのインターフェースにはAV出力端子、光音声出力端子、D4端子を使用する。
【0109】
以下、このようなメディアサーバ2205の処理動作例を、図24を用いて説明する。メディアサーバ2205は、著作権データを再生する前に、コンピュータ集中運用センタシステム2201の共有記憶装置(共有ディスク)2202から、再生可能な所持ライセンス一覧をダウンロードして表示する(ステップS2401,S2402)。ユーザは、著作権データの再生指定をこの一覧からメニュー選択して行う(ステップS2403)。
【0110】
メニュー選択終了後、共有記憶装置(共有ディスク)2202から再生データ(単独では再生できないよう一部の部分データを除去した「残りのデータ」)をダウンロードしてハードディスク(不揮発性記憶装置)2302に記録する(ステップS2404)。この再生データのダウンロード終了後は、再生開始の指示があるまで待機状態となる。
【0111】
再生開始の指示があれば、部分データ(再生制御データ)を共有記憶装置(共有ディスク)2202からダウンロードしてメイン基板上の半導体メモリ(揮発性記憶装置)に記録し(ステップS2405)、このように半導体メモリに記録した部分データ(再生制御データ)と、ハードディスク(不揮発性記憶装置)2302に記録した再生データで再生できる部分の再生を行う(ステップS2406)。
【0112】
この再生中は、部分データ(再生制御データ)の共有記憶装置(共有ディスク)2202からのダウンロードと半導体メモリ(揮発性記憶装置)への記録を一定時間毎に行い、メディアサーバ2205では、再生処理は終始この部分データ(再生制御データ)を参照しながら行う。
【0113】
このように、部分データ(再生制御データ)を必要分のみ一定時間毎に分割ダウンロードしたり、部分データ(再生制御データ)のダウンロード先に揮発性記憶装置(半導体メモリ)を使用することで、不揮発性記憶装置(ハードディスク2302)に全ての再生情報を蓄積しないようにすることができ、これにより、不揮発性記憶装置(ハードディスク2302)からのデータ吸い出しによる著作権データの違法コピーを防ぐことができる。
【0114】
以上、図1〜図24を用いて説明したように、本例では、複数のコンピュータ装置1a〜1dを、それぞれの利用場所ではなく、集中運用センタに一括で設置し、センタ側において、各コンピュータ装置1a〜1dのメンテナンス管理の他、共有記憶装置(共有ディスク)1eの記録領域の配分、共有記憶装置(共有ディスク)1eを介した市販データの提供、および、各コンピュータ装置1a〜1dの余剰CPUパワーの他用途への転用などを行う。ユーザは、手元の端末装置2a〜2c(例えばノートPC)や携帯電話7等を操作することにより、コンピュータ集中運用センタに設置されている自コンピュータ装置(1a〜1d)をインターネット等のネットワークを介してリモート操作する。さらに、ユーザ側で用意した再生専用のメディアサーバ5に、共有記憶装置(共有ディスク)1eから市販の映像・音楽データを読み出して配信する。
【0115】
このように、本例では、センタ側において、各コンピュータ装置1a〜1dの一括メンテナンス管理の他、共有記憶装置(共有ディスク)1eの配分、共有記憶装置(共有ディスク)1eを介した市販データの提供、および、各コンピュータ装置1a〜1dの余剰CPUパワーの他用途への転用などを行うことができ、各ユーザは、例えばPCの機能をパーソナルに専有できるメリットはそのままで、維持・管理に係る個人の負担が軽減されると共に、集中管理によって実現可能となるメリット(余剰CPUパワーの他用途への転用、ハードディスク記録データの共用)を活用でき、例えばPCのライフサイクルにおいて、PCが本来持っている能力の利用率が低いというPCの不経済性を解消することが可能である。さらに、ユーザ側では、用意したメディアサーバに、共有記憶装置(共有ディスク)から市販の映像・音楽データをダウンロードすることで、HDTV等を介して高品質な再生も可能となる。
【0116】
また、ユーザは、職場や旅先の任意のPCから、自分用に設定されたセンタPCの利用が可能となり、自分用のモバイルPCを持ち歩く必要性が減る。また、TV放送のPC録画やビデオカメラ動画のエンコードなど、処理負荷の高いバッチ系処理の実行環境としてセンタPCを利用でき、個人用のセカンドPCとして利用できる。また、センタPCを、データのバックアップ用として利用できる。また、センタPCを、常時通電・稼動が前提のサーバとして利用でき、例えば、大容量のファイルサーバ(この際、専用ディスクを増設する)や、中小規模法人向けのアプリケーションサーバ(オンラインショップなどの商用サービスに使用)、あるいは、個人主催のオンラインゲーム用サーバとしても利用可能でる。
【0117】
さらに、リモート制御用端末PCからセンタPCのリモート操作にインターネット網を利用することにより、リモート制御用端末PCがあれば世界中何処でも保守・管理された自分のPCと個人データを利用することができる。また、従来のモバイルPCにおける盗難・紛失・物理破損によるデータ損失を抑えることができる。
【0118】
また、個人所有のPCをセンタで集中管理することにより、利用するハードウェアを自宅(職場)に置かなくて済むので、PC設置場所や大容量電源確保、冷却ファン騒音対策が不要となる。また、ハードウェアの専門知識なしに、最新または特殊なハードも利用できる。すなわち、PCの初期設定やパーツ交換はセンタ側で代行する。また、ハードウェア故障時の修理依頼や代用PCの準備も容易となる。すなわち、PC基板の交換はセンタ側で肩代わりする。また、データを安全・簡単・確実にバックアップできるのでデータ保全が容易である。すなわち、共有ディスクはセンタ側で保全し、専用ディスクのバックアップも共有ディスク経由で行う。
【0119】
尚、本発明は、図1〜図24を用いて説明した例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能である。例えば、本例では、ユーザが操作する手元の端末装置としては、ノートPC等からなる端末装置2a〜2cや携帯電話7を用いているが、例えば、図示していないPDA等を操作することにより、コンピュータ集中運用センタシステム1に設置されている自コンピュータ装置(1a〜1d)をネットワークを介してリモート操作すると共に、ユーザ側で用意した再生専用の装置であるメディアサーバ5に、共有記憶装置1eから市販の映像・音楽データをダウンロードして、HDTV4aや各種AV機器4bで再生することでも良い。
【0120】
また、本例のコンピュータ構成例としても、キーボードや光ディスクの駆動装置の無いコンピュータ構成としても良い。また、本例では、光ディスクを記録媒体として用いているが、FD(Flexible Disk)等を記録媒体として用いることでも良い。また、プログラムのインストールに関しても、通信装置を介してネットワーク経由でプログラムをダウンロードしてインストールすることでも良い。
【図面の簡単な説明】
【0121】
【図1】本発明に係わるコンピュータ集中運用センタシステムの構成例およびそれを用いたコンピュータ管理サービスネットワークシステムの構成例を示すブロック図である。
【図2】図1におけるコンピュータ管理サービスネットワークシステムのリモート制御に係わるシステム構成例を示すブロック図である。
【図3】図2における専用アダプタの構成例を示すブロック図である。
【図4(a)】図2におけるシステム構成での信号の送受信動作例の一部分を示す説明図である。
【図4(b)】図2におけるシステム構成での信号の送受信動作例の残りのを示す説明図部分である。
【図5】図2におけるセンタ内仲介サーバの処理動作例を示す説明図である。
【図6(a)】図2におけるセンタ内仲介サーバの処理動作の詳細例およびそれに対応する端末装置の処理動作例の一部分を示す説明図である。
【図6(b)】図2におけるセンタ内仲介サーバの処理動作の詳細例およびそれに対応する端末装置の処理動作例の残りの部分を示す説明図である。
【図7】図5におけるセンタ内仲介サーバで送受信される電送データのフォーマット例を示す説明図である。
【図8】図5におけるセンタ内仲介サーバで管理されるチェックテーブルの構成例を示す説明図である。
【図9】図1におけるコンピュータ管理サービスネットワークシステムでのコンピュータ装置の管理構成例を示す説明図である。
【図10】図9におけるディスク接続装置の構成例を示すブロック図である。
【図11】図10におけるディスク接続装置の処理機能例を示す説明図である。
【図12】図10におけるディスク接続装置の利用形態例を示す説明図である。
【図13】図1におけるコンピュータ管理サービスネットワークシステムの共有記録装置でのファイル管理例を示す説明図である。
【図14】図1におけるディスク管理装置の処理動作例を示すフローチャートである。
【図15】図1におけるディスク管理装置による共有記憶装置のフォルダ管理例を示す説明図である。
【図16】図1におけるディスク管理装置による共有記憶装置へのアクセス制御処理例を示すフローチャートである。
【図17】図1におけるコンピュータ管理サービスネットワークシステムの余剰CPUパワーの活用処理例を示す説明図である。
【図18】図1におけるコンピュータ管理サービスネットワークシステムによる余剰CPUパワーの管理制御例を示す説明図である。
【図19】図1におけるコンピュータ管理サービスネットワークシステムによる余剰CPUへのタスク割り当て処理例を示す説明図である。
【図20】図19におけるタスクサーバによるタスク割り当て処理動作例を示すフローチャートである。
【図21】図19におけるタスクサーバの外部依頼者からの依頼に基づくタスク割り当て処理動作例を示すフローチャートである。
【図22】図1におけるコンピュータ管理サービスネットワークシステムのデータ配信処理動作例を示す説明図である。
【図23】図1におけるメディアサーバの構成例を示すブロック図である。
【図24】図23におけるメディアサーバの処理動作例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0122】
1:コンピュータ集中運用センタシステム、1a〜1d,41,1101:コンピュータ装置(センタ管理個人所有PC)、1e:共有記憶装置(共有ディスク)、1f,1102:ディスク管理装置(ファイルサーバ)、1g:専用記憶装置(専用ディスク)、1h:センタ制御装置、1i,42,51,92a:専用アダプタ、1j,53,91:センタ内仲介サーバ、2a〜2c,43,55:端末装置(リモート制御用端末PC)、3,3a〜3c:ルータ、4a:HDTV、4b:各種AV機器、5:メディアサーバ、6:電話会社システム、6a:交換装置、7:携帯電話、20,54:インターネット網、21:プロバイダ装置、31:メイン基板、32:LANボード、33:DCコンバータ、34:USB2.0端子、35:モニタ入力端子、42:専用アダプタ、52:センタ内LAN(1)、81:チェックテーブル(TBL)、82:アカウントテーブル(TBL)、83:ユーザIDテーブル(TBL)、84:専用アダプタテーブル(TBL)、92:保管ラック(センタ管理個人所有PC保管ラック)、92b:基板(マザーボード+ビデオカード)、92c:ディスク接続装置、93:共有ディスク管理用ファイルサーバ、94:共有ディスク保管ラック、94a:汎用PC用5インチハードディスク、921:メイン基板、922:LANボード、923:DCコンバータ、924:専用ディスク(ハードディスク)、925:内部信号変換部、926:CD/DVDエミュレータ、927:LAN・シリアルATA信号変換処理部、928:共有ディスク、1001:シリアルATA(2)、1002:シリアルATA(1)、1103:CD/DVDイメージファイル、1104:共有ファイル、1201:共有ディスク、1202:ライセンス、1203:センタ内仲介サーバ、1204:端末装置(リモート制御用端末PC)、1400:メッセージ(ファイルの登録の確認)、1501:共有記憶装置(共有ディスク)、1502:センタ管理フォルダ、1503:個人管理フォルダ、1504:端末装置(リモート制御用端末PC)、1701:改善前のタスクマネージャ、1702:改善後のタスクマネージャ、1801:タスクの優先度設定用画面、1901a〜1901c:コンピュータ装置(センタ管理個人PC)、1902:タスクサーバ、1903:依頼元のセンタ外計算機、2201:コンピュータ集中運用センタシステム、2202:共有記憶装置(共有ディスク)、2203:ファイルサーバ、2204:ルータ(モデム)、2205:メディアサーバ、2206:HDTV、2207:各種AV機器、2301:メイン基板、2302:ハードディスク(大容量不揮発性記憶装置)、2303:LANボード、2304:DCコンバータ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々予め契約で対応付けられたユーザにより端末装置からネットワークを介してリモート操作される複数のコンピュータ装置と、
該複数のコンピュータ装置のそれぞれで共有される共有記憶装置と、
複数のコンピュータ装置が重複して使用するファイルを上記共有記憶装置において重複ファイルとして一つにまとめるディスク管理装置と
を有することを特徴とするコンピュータ集中運用センタシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のコンピュータ集中運用センタシステムであって、
上記ディスク管理装置は、複数のコンピュータ装置が使用する各ファイルが類似するファイルであれば、上記重複ファイルと同様に上記共有記憶装置において一つにまとめる手段を有することを特徴とするコンピュータ集中運用センタシステム。
【請求項3】
請求項1もしくは請求項2のいずれかに記載のコンピュータ集中運用センタシステムであって、
上記ディスク管理装置は、上記重複ファイルを使用する各コンピュータ装置の数に応じて、各コンピュータ装置をリモート操作する各ユーザへ課金する当該重複ファイルの記憶領域分の使用料を算出する手段を有することを特徴とするコンピュータ集中運用センタシステム。
【請求項4】
請求項3に記載のコンピュータ集中運用センタシステムであって、
上記ディスク管理装置で算出した上記重複ファイルの記憶領域使用料と、単独で当該重複ファイルを記憶した場合の記憶領域使用料とを、当該ユーザに上記端末装置を介して通知する手段を有することを特徴とするコンピュータ集中運用センタシステム。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれかに記載のコンピュータ集中運用センタシステムであって、
上記ディスク管理装置は、上記共有記憶装置にセンタ管理フォルダと個人管理フォルダを生成し、
上記センタ管理フォルダには、予め各コンピュータ装置での読み取りおよび起動は許可されているが複製および保存が禁止されているプログラムおよびデータを格納し、
上記個人管理フォルダには、上記端末装置からの操作に応じて各ユーザによる更新を含む全ての操作が許可されているデータを格納する
ことを特徴とするコンピュータ集中運用センタシステム。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれかに記載のコンピュータ集中運用センタシステムであって、
上記複数のコンピュータ装置のそれぞれで個別に用いられる専用記憶装置を有し、
該専用記憶装置に当該コンピュータ装置の起動用プログラムをインストールすることを特徴とするコンピュータ集中運用センタシステム。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれかに記載のコンピュータ集中運用センタシステムであって、
上記複数のコンピュータ装置のそれぞれのCPUの利用率を求め、アイドルタイムの大きいCPUを特定し、特定したCPUを有するコンピュータ装置に、当該コンピュータ装置をリモート操作する端末装置からのタスク以外の新たなタスクを割り当てる手段を有することを特徴とするコンピュータ集中運用センタシステム。
【請求項8】
請求項7に記載のコンピュータ集中運用センタシステムであって、
新たなタスクの割り当てに対して、当該コンピュータ装置をリモート操作する端末装置からのタスクの割り当てを優先する手段を有することを特徴とするコンピュータ集中運用センタシステム。
【請求項9】
請求項7もしくは請求項8のいずれかに記載のコンピュータ集中運用センタシステムであって、
上記新たに割り当てたタスクの要求元にCPUの使用に応じた課金を行い、該課金に応じて、新たなタスクを割り当てたコンピュータ装置をリモート操作するユーザに対する課金を減額する手段を有することを特徴とするコンピュータ集中運用センタシステム。
【請求項10】
請求項1から請求項9のいずれかに記載のコンピュータ集中運用センタシステムであって、
端末装置から要求されたデータを上記共有記憶装置から読み出し、要求元の端末装置に予め対応付けられたデータ再生専用装置に送信する手段を有することを特徴とするコンピュータ集中運用センタシステム。
【請求項11】
請求項10に記載のコンピュータ集中運用センタシステムであって、
上記データ再生専用装置にデータを送信する手段は、
送信対象のデータを、予め定められた間隔毎の予め定められたデータ量からなり上記データ再生専用装置が具備する揮発性記憶装置に記憶される複数の部分データと上記データ再生専用装置が具備する不揮発性記憶装置に記憶される残りのデータに分割する手段と、
上記残りのデータを上記データ再生専用装置に一括して送信し、上記複数の部分データのそれぞれを当該データ再生専用装置における上記残りのデータの再生に合わせて分割して送信する手段と
を有することを特徴とするコンピュータ集中運用センタシステム。
【請求項12】
コンピュータを、請求項1から請求項11のいずれかに記載のコンピュータ集中運用センタシステムにおける各手段として機能させるためのプログラム。
【請求項13】
各々予め契約で対応付けられたユーザにより端末装置からネットワークを介してリモート操作される複数のコンピュータ装置と、
該複数のコンピュータ装置のそれぞれで共有される共有記憶装置とを具備したコンピュータ集中運用センタシステムにおけるデータ管理制御方法であって、
複数のコンピュータ装置が重複して使用するファイルを上記共有記憶装置において重複ファイルとして一つにまとめる第1のステップ
を有することを特徴とするコンピュータ集中運用センタシステムのデータ管理制御方法。
【請求項14】
請求項13に記載のコンピュータ集中運用センタシステムのデータ管理制御方法であって、
上記複数のコンピュータ装置が使用する各ファイルが類似するファイルであれば、上記第1のステップにおいて、上記重複ファイルと同様に上記共有記憶装置において一つにまとめることを特徴とするコンピュータ集中運用センタシステムのデータ管理制御方法。
【請求項15】
請求項13もしくは請求項14のいずれかに記載のコンピュータ集中運用センタシステムのデータ管理制御方法であって、
上記第1のステップにおいてまとめた重複ファイルを使用する各コンピュータ装置の数に応じて、各コンピュータ装置をリモート操作する各ユーザへ課金する当該重複ファイルの記憶領域分の使用料を算出する第2のステップを有することを特徴とするコンピュータ集中運用センタシステムのデータ管理制御方法。
【請求項16】
請求項15に記載のコンピュータ集中運用センタシステムのデータ管理制御方法であって、
上記第2のステップで算出した上記重複ファイルの記憶領域使用料と、単独で当該重複ファイルを記憶した場合の記憶領域使用料とを、当該ユーザに上記端末装置を介して通知する第3のステップを有することを特徴とするコンピュータ集中運用センタシステムのデータ管理制御方法。
【請求項17】
請求項13から請求項16のいずれかに記載のコンピュータ集中運用センタシステムのデータ管理制御方法であって、
上記共有記憶装置にセンタ管理フォルダと個人管理フォルダを生成する第5のステップと、
上記センタ管理フォルダに、予め各コンピュータ装置での読み取りおよび起動は許可されているが複製および保存が禁止されているプログラムおよびデータを格納する第6のステップと、
上記個人管理フォルダに、上記端末装置からの操作に応じて各ユーザによる更新を含む全ての操作が許可されているデータを格納する第7のステップと
を有することを特徴とするコンピュータ集中運用センタシステムのデータ管理制御方法。
【請求項18】
請求項13から請求項17のいずれかに記載のコンピュータ集中運用センタシステムのデータ管理制御方法であって、
上記複数のコンピュータ装置のそれぞれで個別に用いられる各専用記憶装置に、当該コンピュータ装置の起動用プログラムをインストールする第8のステップを有することを特徴とするコンピュータ集中運用センタシステムのデータ管理制御方法。
【請求項19】
請求項13から請求項18のいずれかに記載のコンピュータ集中運用センタシステムのデータ管理制御方法であって、
上記複数のコンピュータ装置のそれぞれのCPUの利用率を求めて、アイドルタイムの大きいCPUを特定する第9のステップと、
特定したCPUを有するコンピュータ装置に、当該コンピュータ装置をリモート操作する端末装置からのタスク以外の新たなタスクを割り当てる第10のステップと
を有することを特徴とするコンピュータ集中運用センタシステムのデータ管理制御方法。
【請求項20】
請求項19に記載のコンピュータ集中運用センタシステムのデータ管理制御方法であって、
新たなタスクの割り当てに対して、当該コンピュータ装置をリモート操作する端末装置からのタスクの割り当てを優先する第11のステップを有することを特徴とするコンピュータ集中運用センタシステムのデータ管理制御方法。
【請求項21】
請求項19もしくは請求項20のいずれかに記載のコンピュータ集中運用センタシステムのデータ管理制御方法であって、
上記新たに割り当てたタスクの要求元にCPUの使用に応じた課金を行う第12のステップと、
該課金に応じて、上記新たなタスクを割り当てたコンピュータ装置をリモート操作するユーザに対する課金を減額する第13のステップとを有することを特徴とするコンピュータ集中運用センタシステムのデータ管理制御方法。
【請求項22】
請求項13から請求項21のいずれかに記載のコンピュータ集中運用センタシステムのデータ管理制御方法であって、
端末装置から要求されたデータを上記共有記憶装置から読み出し、要求元の端末装置に予め対応付けられたデータ再生専用装置に送信する第14のステップを有することを特徴とするコンピュータ集中運用センタシステムのデータ管理制御方法。
【請求項23】
請求項22に記載のコンピュータ集中運用センタシステムのデータ管理制御方法であって、
上記第14のステップでは、
送信対象のデータを、予め定められた間隔毎の予め定められたデータ量からなり上記データ再生専用装置が具備する揮発性記憶装置に記憶される複数の部分データと上記データ再生専用装置が具備する不揮発性記憶装置に記憶される残りのデータに分割するステップと、
上記残りのデータを上記データ再生専用装置に一括して送信し、上記複数の部分データのそれぞれを当該データ再生専用装置における上記残りのデータの再生に合わせて分割して送信するステップと
を有することを特徴とするコンピュータ集中運用センタシステムのデータ管理制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4(a)】
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【図4(b)】
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【図5】
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【図6(a)】
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【図6(b)】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2006−11786(P2006−11786A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−187591(P2004−187591)
【出願日】平成16年6月25日(2004.6.25)
【出願人】(000152985)株式会社日立情報システムズ (409)
【Fターム(参考)】