説明

コンプレッサケーシング解体装置および解体方法

【課題】火気を使用せずに迅速かつ安全にコンプレッサケーシングを解体処理できる装置および方法を提供する。
【解決手段】この発明に係るコンプレッサケーシング解体装置は、水平軸回りに周回可能なソー手段を備えた円周切断ユニットと、前記円周切断ユニットに接離移動可能な走行台車に旋回テーブルを設けると共に当該旋回テーブルにはコンプレッサの胴心が前記ソー手段の周回中心と同軸上となるように把持するクランプ機構を有してなるクランプユニットと、前記クランプユニットに把持されたコンプレッサの胴長方向に沿ってケーシング外面を直線移動可能なソー手段を備えた直線切断ユニットとから構成され、自動的にコンプレッサケーシングの解体を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はコンプレッサケーシング解体技術に関し、特に冷蔵庫などの家電製品の廃棄に伴って分解されるコンプレッサを安全迅速に解体処理できるようにした解体装置と解体方法に関する。
【背景技術】
【0002】
家電製品の廃棄処分に伴って、製品に内蔵されている部品に再利用価値がない場合、スクラップ処理することになる。特に冷蔵庫などの廃棄処分に伴って発生するコンプレッサをスクラップ処理するときには、潤滑油などの残留油が土壌汚染の遠因となるため、ケーシングの分割解体を行って残留油の適正な処理を行いつつ、内部部品の分別処理をする必要がある。
【0003】
家電製品用のコンプレッサを解体する場合には、ケーシングを切断して圧入されている内部部品を取り出すことになる。このケーシング解体に付いては、円形胴のコンプレッサをローラ支持し、ローラによって回転させながらプラズマレーザの固定トーチによってケーシング胴を切断するようにした例がある(特許文献1)。また、コンプレッサの端部をチャッキングして回転できるように支持し、コンプレッサ外周に対面する位置で回転軸方向に移動できるプラズマトーチにより、コンプレッサ端部の切断と窓形に開口切断する例が知られている(特許文献2)。更に、コンプレッサ胴の両端をチャックしつつ回転させ、胴長方向へ移動させたりするテーブルを備え、また、回転カッタでコンプレッサ胴体を切断分離する切断機構を設け、内部部品との関係で最適な位置となる切断個所を求めつつ、この求めた最適な切断位置でコンプレッサ端部切断した後、コンプレッサ胴体から内部部品を引き抜く装置も知られている(特許文献3)。
【特許文献1】特開2002−172475号公報
【特許文献2】特開2000−176430号公報
【特許文献2】特開2001−259590号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来の特許文献1〜2に記載されているようなコンプレッサケーシング解体装置では、内部に可燃性の油を内蔵したままプラズマ切断をすることは火災発生原因であることから極めて危険であり、処理個数が1日当たり600個以上にも達し、作業環境も良いとはいえないところで処理するには作業者の労力が大きいという問題があった。また、特許文献3に記載の技術では、プラズマを使用しないため火災発生の危険性は小さくなるが、切断個所の特定に時間がかかり処理能力的に問題があった。
【0005】
本発明は、上記従来の問題点に着目し、火気を使用せずに迅速かつ安全にコンプレッサケーシングを解体処理できる装置および方法を提供することを目的とする。特に、レシプロ型コンプレッサやロータリ型コンプレッサなどサイズや形態が異なっても自動的に解体処理できる装置および方法を提供することを目的とする。また、内蔵部品の損傷を招くことなくコンプレッサケーシングのみを切断分解できる解体装置および方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係るコンプレッサケーシング解体装置は、水平軸回りに周回可能なソー手段を備えた円周切断ユニットと、前記円周切断ユニットに接離移動可能な走行台車に旋回テーブルを設けると共に、当該旋回テーブルにはコンプレッサの胴心が前記ソー手段の周回中心と同軸上となるように把持するクランプ機構を有してなるクランプユニットと、前記クランプユニットに把持されたコンプレッサの胴長方向に沿ってケーシング外面を直線移動可能なソー手段を備えた直線切断ユニットと、からなっている。
【0007】
この場合において、前記ソー手段は周回半径位置を可変とするとともに、スプリングダンパを介してコンプレッサ外面に当接可能とされ、コンプレッサケーシングの外形形状に追随可能としている。
【0008】
前記ソー手段は回転歯と当該回転歯の切り込み深さを規定するリングを持ち、このリングがコンプレッサケーシングに当接して自由回転できるようにされていることが望ましい。
【0009】
前記クランプユニットにおけるクランプ機構はベルクランク状に形成された一対のクランプ爪からなり、クランプ爪同士の噛み合い点が把持中心に向かう軌跡を形成するように設定され、ケーシング胴心を把持中心に合わせるようにすればよい。
【0010】
本発明に係るコンプレッサケーシング解体方法は、コンプレッサの胴部分をクランプして円周切断ユニットにてチップソーをコンプレッサの周囲に倣い旋回させながらケーシング端部の切断を行い、次いでコンプレッサを水平反転させてケーシング他端部の切断を行い、その後、チップソーを持つ直線切断ユニットを走行移動させてコンプレッサケーシングの胴部頂面を縦割り切断してコンプレッサケーシングの解体処理をなすことを特徴とする。
【0011】
上記構成によれば、解体対象のコンプレッサの胴部分を一対のクランプ爪によりクランプして固定保持させる。このとき、クランプ爪をベルクランク状のフォーク爪としつつ、爪同士の交差点軌跡が把持中心に向かうように設定することでコンプレッサの胴心を把持中心に合わせることができる。斯かる状態で円周切断ユニットに移動させて最初にコンプレッサの一端部の周囲にチップソーを周回させて倣い旋回させることによりコンプレッサケーシング端部の切断が行われる。次いでコンプレッサを水平反転させてケーシングの他端部の切断を同様に行うことで、コンプレッサのケーシング両端が除去されたものとなる。この端部切断の時に、ソー手段に回転歯とその切り込み深さを規定する自由回転リングを設けることにより、ケーシング肉厚以上の切り込みをつけることはなくなり、かつリングがケーシング表面を回転するので摩擦を生じない。また、スプリングダンパを搭載しているので、ケーシング断面が円形以外の楕円形状の場合にも充分に外形の形状に追随して切断処理ができる。その後、チップソーを持つ直線切断ユニットを走行移動させてコンプレッサケーシングの胴部頂面を縦割り切断してコンプレッサケーシングの解体処理を終える。
【発明の効果】
【0012】
このようなことから、本発明によれば、火気を使用せずに迅速かつ安全にコンプレッサケーシングを解体処理できる。特に、レシプロ型コンプレッサやロータリ型コンプレッサなどサイズや形態が異なっても自動的にその形態に追随して解体処理でき、かつ、内蔵部品の損傷を招くことなくコンプレッサケーシングのみを切断分解できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下に、本発明に係るコンプレッサケーシング解体装置および解体方法の具体的実施の形態を、図面を参照しつつ、詳細に説明する。
図1は実施形態に係るコンプレッサケーシング解体装置の概略構成を示す斜視図であり、図2以下の図は各構成要素の詳細図である。
【0014】
図示のように、実施形態に係るコンプレッサケーシング解体装置は、大きく分けてコンプレッサ10を把持するクランプユニット12と、ケーシング端部を切断処理する円周切断ユニット14と、コンプレッサ10の胴部を縦切断する直線切断ユニット16とから構成されている。そして、これらのユニットに対し、次のような処理を行わせることで簡単に解体処理ができるようにしている。
【0015】
すなわち、まず、クランプユニット12にて、コンプレッサ10の胴部分を一対のクランプ爪により挟持して水平保持させる。このとき、把持中心軸にコンプレッサ10の胴心軸が一致するようにクランプさせる。そして、クランプユニット12を走行させて、コンプレッサ10の一端部を円周切断ユニット14の規定位置に移動させる。このとき、クランプユニット12の把持中心は円周切断ユニット14のソー手段20の旋回中心に一致するように予め設定されている。次いで、ソー手段20を構成しているチップソーをコンプレッサ10の周囲に倣い旋回させながらケーシング端部の切断を行う。次いでクランプユニット12を後退移動させてコンプレッサ10を水平反転させてケーシング他端部を円周切断ユニット14に向け、再度前進移動してその端部の切断を行う。これによりコンプレッサ10のケーシングは両端が切断された状態になる。その後、クランプユニット12を元の位置に戻して固定し、今度は円周切断ユニット14と同じソー手段20としてのチップソーを持つ直線切断ユニット16を走行移動させてコンプレッサケーシングの胴部頂面を縦割り切断する。これにより、内部に圧入されていた部品を取り出すことができる。切断に用いるソー手段は基本的にはチップソーなどの回転歯を用いればよい。切り込み深さが過大になると内蔵部品を損傷してしまうので、ケーシングの肉厚相当部分が切断できるように回転歯に規制リングを併設する。このリングは自由回転リングとして、ケーシング上を転動できるようにしておくことで摩擦のない切断案内ができる。このような一連の処理により簡単にコンプレッサケーシングの解体処理を実現できる。
【0016】
以下に、各構成ユニット12,14,16の具体的構成を説明する。
図2〜5はクランプユニット12の詳細を示している。このクランプユニット12は装置床上に敷設された走行レール22に沿って移動できる走行台車24を有している。走行台車24の駆動手段は、一対のレール22間にボールネジ26を配置し、このボールネジ26の一端部側に設けたモータ28で回転することによりスライダ30を移動可能としておき、この移動するスライダ30を走行台車24の下面部にて連結した構成となっている(図2,4)。
【0017】
走行台車24上には旋回テーブル32が搭載されており、図5に示す旋回モータ34により、後述のクランプ機構により把持されたコンプレッサ10を水平回転できるようにし(実質的には180度の往復回転)、コンプレッサ10のケーシング端部を円周切断ユニット14に交互に向けられるようにしている。
【0018】
旋回テーブル32上にはクランプ機構38が搭載されている。これは一対のクランプ爪40(40a、40b)を180度対向させて把持中心Cに向けて出入駆動できるようにしている。クランプ機構38は旋回テーブル32に固定されているクランプフレーム36に保持されているが、一方を高く、他方を低く設定することによって、クランプ爪40の操作移動方向の延長線を傾斜させている。この実施形態では、クランプ爪40の操作移動方向線を把持中心周りに30度傾けており、前記直線切断ユニット16の設置スペースの小型化を図っている。
【0019】
クランプ爪40の操作駆動は、クランプ爪40が取り付けられるエアシリンダ42とこれを駆動するモータ44によって行う。これらの駆動手段は、把持中心Cを挟んで対向している平行な面板46(46a、46b)に装備し、前記クランプフレーム36に固定している。クランプフレーム36は拡開されたU字形状とされ、一方を高くしてこれに高所面板46aを把持中心Cに対向させるように取り付け、他方を低くしてこれに低所面板46bを同様に取り付けるようにしている。これによりクランプ爪40の操作移動方向が把持中心周りに30度傾けて配置している。
【0020】
ところで、一対のクランプ爪40a、40bは、各々ベルクランク状に屈曲されているが、図2に示すように、両者とも下側延長部を上側より長くし、コンプレッサ10の下側で互いのクランプ爪40同士が噛み合うようにして、コンプレッサ10のサイズの違いに拘わらす、挟持固定した状態では、コンプレッサ10の胴心が把持中心Cに一致するようにしている。このため、図3に示すように、下側クランプ爪40bは二股フォーク状に形成され、上側クランプ爪40aは二股フォークのスキマに嵌入するブレード状の単板部材により形成され、両者の交差する噛み合い点が、把持中心Cをもつ円の半径方向に沿った軌跡を形成するように設定され、サイズの如何に拘わらず、コンプレッサ10の胴心が把持中心Cに一致するように設定している。
【0021】
次に、図6〜8図に円周切断ユニット14を示す。この円周切断ユニット14はコンプレッサ10のケーシング端部を切断除去するもので、水平軸回りに周回可能な一対のソー手段20を備えている。まず、この円周切断ユニット14は、装置床上に支柱48を立設している。当該支柱48には、垂直面に沿って回転できるようにホルダフレーム50を回転軸52によって支持している。ホルダフレーム50は矩形状に形成され、長手方向に沿った両端部分に前記ソー手段20を装備している。回転軸52の回転によってホルダフレーム50とともにソー手段20は周回運動可能となる。このソー手段20の周回のための駆動は、支柱48の背面部側に取り付けたモータ54により行われる。回転軸52の回転中心、すなわちソー手段20の旋回中心は、前述したクランプユニット12の把持中心Cと一致するように設定されており、したがって、クランプユニット12により保持されてくるコンプレッサ10の胴心を中心にソー手段20が周回できるものとなっている。
【0022】
上記ソー手段20はホルダフレーム50に一対取り付けられているが、その間隔を調整できるようになっており、解体対象のコンプレッサ10のサイズに合わせて周回半径を変更可能である。ホルダフレーム50の前面部には、図8に示しているように、ガイドレール56が形成され、これに沿ってスライドテーブル58を移動できるようにしている。スライドテーブル58はホルダフレーム50の外端に固定したエアシリンダ60のロッドにスプリングダンパ62を介して連結され、当該エアシリンダ60のロッド伸縮操作によりスライドテーブル58の位置が決められる。スライドテーブル58にはソー手段20が搭載され、テーブル前面に配置した回転歯としてのチップソー64を配備し、裏面側にソーモータ66を設け、両者を回転軸で連結している。回転軸部はスライドテーブル58にて軸受支持される。
【0023】
ソー手段20の具体的構成を図9〜図10に示している。ホルダフレーム50(二点鎖線にて図示)の端部にエアシリンダ60が固定され、そのロッド68の端部にスプリングダンパ62を介してスライドテーブル58を連結している。スプリングダンパ62は圧縮コイルスプリング70を伸縮ケース72に内蔵したもので、スライドテーブル58から押圧力を受けたときにコイルスプリング70が収縮して押圧力の変化を吸収できるようにしている。スプリングダンパ62はスライドテーブル58と連結されているが、スライドテーブル58にはこれを貫通するように、回転軸受74が固定され、テーブル裏面側に固定したソーモータ66の回転軸76と連結されているソーシャフト78の軸受を行っている。ソーシャフト78の先端にはチップソー64が固定され、ソーモータ66の回転によってチップソー64を回転駆動する。
【0024】
ところで、チップソー64によるコンプレッサケーシングを切断する際、切り込み深さをケーシング肉厚に合わせるようにしなければ、内蔵部品まで切断してしまう。このため、前記ソー手段20はチップソー64の切り込み深さを規定するリング80を前記回転軸受74の先端外周に取り付けている。規定リング80を持ち、この規定リング80がコンプレッサ10のケーシング外面に当接してチップソー64がそれ以上ケーシング内部に深入りしないようにしている。また、規定リング80は回転軸受74にガイドローラブッシュ82を介して取り付けられ、チップソー64とは独立して自由回転できるように回転軸受74に取り付けられている。切り込み深さはこの規定リング80を交換することで任意に設定変更できる。
【0025】
図11〜12に直線切断ユニット16の構成を示す。この直線切断ユニット16は、前記クランプユニット12に把持されたコンプレッサ10の胴長方向に沿ってケーシング外面を直線移動可能なソー手段を備えている。ソー手段は前述した円周切断ユニット14のソー手段20と同一の構成である。
【0026】
この直線切断ユニット16は、クランプユニット12と同様に、装置床上に敷設された走行レール84に沿って移動できる台車86を有している。走行台車86の駆動手段は、一対のレール84間にボールネジを配置し、このボールネジの一端部側に設けたモータ88で回転することによりスライダ30を移動可能としておき、この移動するスライダ30を走行台車24の下面部にて連結した構成となっている(図12)。台車86の走行方向はクランプユニット12の走行方向と平行となるように設定されている。走行台車86にはフレーム支柱90が立設され、前傾姿勢となるように上部を傾斜させた支柱構成となっている。フレーム支柱90の上部には垂直面に沿ったソー支持板92を形成し、ここにソー手段20を搭載している。ソー手段20は、図9〜図10に示している場合と同様に構成されており、ソー支持板92にエアシリンダ60とスプリングダンパ62を介してスライドテーブル58を昇降移動できるようにしておき、当該スライドテーブル58にソー手段20を搭載している。その他の構成も図9〜図10の場合と同じである。
【0027】
図13は直線切断ユニット16とクランプユニット12との配置関係を示しており、直線切断ユニット16のチップソー64はコンプレッサ10の胴部頂面に当たって縦割り切断できるようになっている。
【0028】
このように構成されたコンプレッサケーシング解体装置は、最初に、クランプユニット12により、コンプレッサ10の胴部分をクランプする。クランプ爪40はその挟み込み動作により、自動的にコンプレッサ10の胴心を把持中心に合わせる。この状態から、クランプユニット12を走行させ、円周切断ユニット14に向けて移動する。円周切断ユニット14はエアシリンダ60を作用させてチップソー64をコンプレッサケーシングの端部に押し当て、周回しながら端部の切断をなす。一方の端部の切断が終了した後、クランプユニット12を後退させ、把持しているコンプレッサ10を180度水平回転させる。そして、再度、円周切断ユニット14に向かい、同様に他方の端部切断をなす。コンプレッサ10の両端切断が終了したならば、クランプユニット12を後退させて原位置に復帰させ、今度は直線切断ユニット16を走行移動させる。この直線切断ユニット16のチップソー64はコンプレッサケーシングの胴頂面に一致しているので、ケーシングは縦割り切断される。これによって、コンプレッサケーシングは完全に解体されることになる。この一連の処理は図示しない制御手段によりシーケンスで行わせればよい。
なお、チップソー64に代えて任意の回転歯を用いることができる。
【産業上の利用可能性】
【0029】
本願発明は、家電製品のコンプレッサの解体処理産業に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】実施形態に係るコンプレッサケーシング解体装置の概略構成を示す斜視図である。
【図2】クランプユニットの正面図である。
【図3】クランプユニットのクランプ機構の平面図である。
【図4】クランプユニットの側面図である。
【図5】クランプユニットの走行台車部分の平面図である。
【図6】回転切断ユニットの平面図である。
【図7】回転切断ユニットの側面図である。
【図8】回転切断ユニットのホルダフレーム部分の正面図である。
【図9】ソー手段の詳細断面図である。
【図10】図9の平面図である。
【図11】直線切断ユニットの部分平面図である。
【図12】直線切断ユニットの側面図である。
【図13】直線切断ユニットとクランプユニットの配置構成図である。
【符号の説明】
【0031】
10………コンプレッサ、12………クランプユニット、14………円周切断ユニット、16………直線切断ユニット、20………ソー手段、22………走行レール、24………走行台車、26………ボールネジ、28………モータ、30………スライダ、32………旋回テーブル、34………旋回モータ、36………クランプフレーム、38………クランプ機構、40………クランプ爪、42………エアシリンダ、44………モータ、46………面板、48………支柱、50………ホルダフレーム、52………回転軸、54………モータ、56………ガイドレール、58………スライドテーブル、60………エアシリンダ、62………スプリングダンパ、64………チップソー、66………ソーモータ、68………ロッド、70………圧縮コイルスプリング、72………伸縮ケース、74………回転軸受、76………モータ回転軸、78………ソーシャフト、80………規定リング、82………ガイドローラブッシュ、84………走行レール、86………走行台車、88………モータ、90………フレーム支柱、92………ソー支持板。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水平軸回りに周回可能なソー手段を備えた円周切断ユニットと、
前記円周切断ユニットに接離移動可能な走行台車に旋回テーブルを設けると共に、当該旋回テーブルにはコンプレッサの胴心が前記ソー手段の周回中心と同軸上となるように把持するクランプ機構を有してなるクランプユニットと、
前記クランプユニットに把持されたコンプレッサの胴長方向に沿ってケーシング外面を直線移動可能なソー手段を備えた直線切断ユニットと、
からなり、
前記ソー手段は周回半径位置を可変とするとともに、スプリングダンパを介してコンプレッサ外面に当接可能とされ、コンプレッサケーシングの外形形状に追随可能とされていること、
を特徴とするコンプレッサケーシング解体装置。
【請求項2】
前記ソー手段は回転歯と当該回転歯の切り込み深さを規定するリングを持ち、このリングがコンプレッサケーシングに当接して自由回転できるようにされていることを特徴とする請求項1に記載のコンプレッサケーシング解体装置。
【請求項3】
前記クランプユニットにおけるクランプ機構はベルクランク状に形成された一対のクランプ爪からなり、クランプ爪同士の噛み合い点が把持中心に向かう軌跡を形成するように設定され、ケーシング胴心を把持中心に合わせるようにしていることを特徴とする請求項1に記載のコンプレッサケーシング解体装置。
【請求項4】
コンプレッサの胴部分をクランプして円周切断ユニットにてチップソーをコンプレッサの周囲に倣い周回させながらケーシング端部の切断を行い、次いでコンプレッサを水平反転させてケーシング他端部の切断を行い、その後、チップソーを持つ直線切断ユニットを走行移動させてコンプレッサケーシングの胴部頂面を縦割り切断してコンプレッサケーシングの解体処理をなすことを特徴とするコンプレッサケーシング解体方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2008−173721(P2008−173721A)
【公開日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−9715(P2007−9715)
【出願日】平成19年1月19日(2007.1.19)
【出願人】(000005452)株式会社日立プラントテクノロジー (1,767)
【Fターム(参考)】