説明

コンベア装置および配送システム

【課題】ベルトコンベアの上面に載置された商品を所望の温度状態に良好に保持することができるコンベア装置および配送システムを提供すること。
【解決手段】上面に長尺矩形状の開口50aが形成された長尺直方状の装置本体50と、装置本体50の内部に該装置本体50の長手方向が搬送方向となる態様で一対のプーリ部材64に張設された無端状のベルトコンベア61とを備えたコンベア装置3において、装置本体50の内部におけるベルトコンベア61の両側域に互いに対向する一対のパネル材65を配設することにより画成された通風路62に、温度調整ユニットにより所望の温度に調整された空気を送出して通過させる空気送出ユニットと、一対のパネル材65に装置本体50の長手方向に沿って所定の間隔で形成され、通風路62を通過する空気の吹出口を形成する吹出孔65aとを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンベア装置および配送システムに関し、より詳細には、商品を所定位置まで搬送するコンベア装置およびこれを備えた配送システムの改良に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、商品を所定位置まで搬送するコンベア装置として、ベルトコンベアを備えているのが一般的である。ベルトコンベアは、無端状の形態を成して一対のプーリ部材に張設されている。このようなベルトコンベアは、プーリ部材が回転して上面が直線的に変位することにより、該上面に載置された商品を所定位置まで搬送することになる。
【0003】
そのようなコンベア装置において、搬送対象となる商品が例えば冷凍品のような場合、該商品を冷却しながら搬送するものが知られている。すなわち、上面が開口した長尺直方状の断熱筐体の内部に上記ベルトコンベアが配設されるとともに、周囲空気を所望温度に冷却する冷却器が配設されたものである。このようなコンベア装置では、断熱筐体の内部において、ベルトコンベアの両側域の一方に上記冷却器で冷却された空気が通過する空気吐出部が画成され、他方に空気吐出部を通過した空気を吸い込んで、上記冷却器の配設部位に移送するための空気吸込部が画成されている。空気吐出部には、その延在方向に沿って所定間隔毎に内部を通過する空気を吐出するための吐出口が形成されており、空気吸込部には、その延在方向に沿って所定間隔毎に吐出口を通じて吐出された空気を吸い込むための吸込口が形成されている。
【0004】
このようなコンベア装置では、ベルトコンベアの上面に載置された商品(例えば冷凍品)を所定位置まで搬送する場合、冷却器で冷却された空気が空気吐出部を通過して吐出口より吐出されることにより、搬送される商品の周囲を通過して該商品を冷却し、商品を冷却した空気は吸込口より空気吸込部に吸い込まれ、該空気吸込部を通過して再び冷却器の配設部位に移送される(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】特開2001−108346号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、上記コンベア装置では、ベルトコンベアの一側域に空気吐出部が画成され、かつ他側域に空気吸込部が画成され、吐出口から吐出された空気(冷気)でベルトコンベアの上面に載置された商品を冷却し、吸込口から商品を冷却した空気を吸い込んで空気吸込部を通じて冷却器の配設部位に移送しているので、ベルトコンベアに載置された商品は、吐出口(空気吐出部)に対向する部分が最も冷却され、吸込口(空気吸込部)に対向する部分が最も冷却されにくくなり、いわゆる冷えムラのようなものが発生し、商品を良好に冷却することができない虞れがあった。尚、ここでは、商品を冷却する場合の問題について述べたが、これに限られず、例えば商品を加温する場合等のように商品を所望の温度に保持する場合にも同様の問題がある。
【0007】
本発明は、上記実情に鑑みて、ベルトコンベアの上面に載置された商品を所望の温度状態に良好に保持することができるコンベア装置および配送システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に係るコンベア装置は、上面に長尺矩形状の開口が形成された長尺直方状の断熱筐体と、前記断熱筐体の内部に、該断熱筐体の長手方向が搬送方向となる態様で一対のプーリ部材に張設された無端状のベルトコンベアとを備え、前記一対のプーリ部材が回転して前記ベルトコンベアの上面が前記長手方向に沿って一方から他方に向けて変位することにより、該ベルトコンベアの上面に載置された商品を所定位置まで搬送するコンベア装置において、前記断熱筐体の内部における前記ベルトコンベアの両側域に互いに対向する一対のパネル材を配設することにより画成された通風路に、温度調整ユニットにより所望の温度に調整された空気を送出して通過させる空気送出ユニットと、前記一対のパネル材に前記断熱筐体の長手方向に沿って所定の間隔で形成され、前記通風路を通過する空気の吹出口を形成する吹出孔とを備えたことを特徴とする。
【0009】
また、本発明の請求項2に係るコンベア装置は、上述した請求項1において、前記空気送出ユニットにより送出されて前記通風路を通過した空気を前記温度調整ユニットの配設部位まで移送する空気回収ユニットを備えたことを特徴とする。
【0010】
また、本発明の請求項3に係るコンベア装置は、上述した請求項2において、前記空気回収ユニットは、前記断熱筐体の内部における前記ベルトコンベアの下方域にパネル材を配設することにより画成された導風路を通じて、前記通風路を通過した空気を前記温度調整ユニットの配設部位まで移送することを特徴とする。
【0011】
また、本発明の請求項4に係るコンベア装置は、上述した請求項1〜3のいずれか一つにおいて、前記温度調整ユニットは、前記周囲空気を冷却するものであることを特徴とする。
【0012】
また、本発明の請求項5に係る配送システムは、供給された商品を一時的に収納し、搬送指令が与えられることにより一時的に収納した商品を取り出して所定位置まで搬送して配送するような配送システムにおいて、請求項1〜4のいずれか一つに記載のコンベア装置により所定位置まで搬送するようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、空気送出ユニットが、断熱筐体の内部におけるベルトコンベアの両側域に互いに対向する一対のパネル材を配設することにより画成された通風路に温度調整ユニットにより所望の温度に調整された空気を送出し、一対のパネル材に吹出孔が断熱筐体の長手方向に沿って所定の間隔で形成されているので、ベルトコンベアの上面に載置されて搬送される商品を両側から所望温度に調整することになる。従って、ベルトコンベアの上面に載置された商品を所望の温度状態に良好に保持することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下に添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0015】
図1は、本発明の実施の形態である配送システムを模式的に示したものである。ここに例示する配送システム1は、所定の倉庫1a内において、ショーケース2とコンベア装置3とを備えて構成してある。ショーケース2は、詳細は後述するが、供給機構(図示せず)により供給された商品を一時的に収納するためのものである。このショーケース2に一時的に収納された商品は、搬送指令が与えられることにより、取出機構(図示せず)により取り出され、例えばシュータ等によりコンベア装置3に送出される。コンベア装置3は、詳細は後述するが、送出された商品を所定位置まで搬送するものである。このコンベア装置3により所定位置まで搬送された商品は、その後に箱体内部に詰められて配送される。
【0016】
図2は、図1に示したショーケース2の内部構造を簡略的に示す断面側面図である。ここに例示するショーケース2は、ケース本体10を備えている。ケース本体10は、前面に開口11が形成された直方状の断熱筐体である。このケース本体10の内部では、前方側が商品収納域(収納域)10aとなり、後方側が商品保管域10bとなっている。
【0017】
商品収納域10aには、商品載置棚21〜24、吹出口25および吸込口26が設けてある。商品載置棚21〜24は、商品を載置するためのものであり、ケース本体10の一対の側板12間に上下方向に沿って複数段に並べて架設してある。それぞれの商品載置棚21〜24は、後方から前方に向けて漸次下方に傾斜する態様で設けてある。これら商品載置棚21〜24は、図3に示すように、ローラ部材27が枠部材28に回転可能に設けられ、全体として矩形状を成している。また、各商品載置棚21〜24の後方側には、シート体29が揺動可能にケース本体10の一対の側板12間に架設してある。シート体29は、図4に示すように、左右に突出する軸部29aが上記側板12の係合孔(図示せず)に挿通することにより、該軸部29aの軸心回りに揺動可能となるものである。このようなシート体29は、図示しないバネ等の付勢手段により付勢されて、図2に示すように商品収納域10aの後方域13と各商品載置棚21〜24の上面域14とを区画している。また、シート体29は、後方から商品載置棚21〜24の上面域14に商品を投入する際には、前方側に揺動して該商品の投入を許容するものである。
【0018】
吹出口25は、商品収納域10aに空気を吹き出すための開口であり、商品収納域10aの左右方向に沿って延設された長尺状のものである。吹出口25は、2つ設けてあり、商品収納域10aの上側前方縁部、すなわちケース本体10の開口11近傍の上部に前後方向に沿って並設してある。これら吹出口25は、それぞれを通じて吹き出された空気が互いに干渉しないよう、それぞれ吹出角度が予め設定してある。また、吹出口25としては、吹出角度を自由に調整することができる可動式のものを用いても良く、この場合にも、それぞれを通じて吹き出された空気が互いに干渉しないよう吹出角度が調整されることになる。
【0019】
このような吹出口25は、共通の上側ダクト31に連通してある。上側ダクト31は、商品収納域10aの上方域に前後方向に沿って延在する態様で設けてあり、後方側は開口している。この上側ダクト31の内部には上側冷却器31aと上側送風ファン31bとが設けてある。上側冷却器31aは、上側ダクト31を通過する空気を冷却するためのものであり、上側送風ファン31bは、詳細は後述するが、ケース本体10の内部の空気を上側ダクト31に取り込み、吹出口25を通じて吹き出すためのものである。
【0020】
吸込口26は、商品収納域10aの空気を吸い込むための開口であり、商品収納域10aの左右方向に沿って延設された長尺状のものである。吸込口26は、商品収納域10aの下側前方縁部、すなわちケース本体10の開口11近傍の下部に設けてある。
【0021】
このような吸込口26は、下側ダクト32に連通してある。下側ダクト32は、商品収納域10aの下方域に前後方向に沿って延在する態様で設けてあり、後方側は開口している。この下側ダクト32の内部には下側冷却器32aと下側送風ファン32bとが設けてある。下側冷却器32aは、下側ダクト32を通過する空気を冷却するためのものであり、下側送風ファン32bは、吸込口26を通じて空気を吸い込むためのものである。
【0022】
このような商品収納域10aにおいては、上記構成の他に、ガイド部材33が配設してある。ガイド部材33は、板状体を加工して形成したもので、最上段の商品載置棚21の上方域においてケース本体10の一対の側板12間に架設してある。このガイド部材33は、前面33aが吹出口25より吹き出される空気の通過域に近接した状態で該空気の吹き出し方向に沿って延在し、かつ下面33bが商品載置棚21の延在方向に沿って延在する態様で設けてある。ここで、ガイド部材33の下面33bと、最上段の商品載置棚21との距離は、該商品載置棚21に商品が載置するのに必要十分な大きさに調整してある。
【0023】
一方、商品保管域10bには、商品保管棚34、後方冷却器35および後方送風ファン36が設けてある。商品保管棚34は、商品を保管するためのものであり、ケース本体10の一対の側板12間に上下方向に沿って複数段に並べて架設してある。尚、この商品保管棚34の最下段には、空気の流路が形成してある。
【0024】
後方冷却器35は、商品保管域10bの上方域、すなわち商品保管棚34の上方域に配設してある。この後方冷却器35は、その周囲を通過する空気を冷却するためのものである。後方送風ファン36は、駆動することにより、後方冷却器35の周囲に空気を送出するためのものである。
【0025】
ケース本体10の底部および背部には、それぞれ底部ダクト37および背部ダクト38が設けてある。底部ダクト37は、前後方向に沿って延在してあり、前方の開口は回収口37aとなっている。背部ダクト38は、上下方向に沿って延在してあり、底部ダクト37に連通している。背部ダクト38の上端域には、回収ファン39が設けてある。回収ファン39は、駆動することにより、回収口37aより空気を回収し、底部ダクト37および背部ダクト38を通過させて、通過させた空気を上方開口38aより放出するためのものである。
【0026】
ここで、図2中の符号41および42は、前方カバー部材および後方カバー部材である。前方カバー部材41は、ケース本体10の開口11の上縁部付近に設けてあり、通常はロール状に巻回されており、必要に応じて繰り出されて、図2中の二点鎖線のように該開口11を閉成するものである。後方カバー部材42は、商品保管域10bの前方域、すなわち商品収納域10aと商品保管域10bとの間の領域の上部に設けてあり、通常はロール状に巻回されていて、必要に応じて繰り出されて、図2中の二点鎖線のように商品収納域10aと商品保管域10bとを区画するものである。
【0027】
図5〜図7は、それぞれ図1に示したコンベア装置3を示すものであり、図5は、図1のA−A線断面図、図6は、断面側面図、図7は、断面構造を上方から見た場合を示す断面平面図である。ここに例示するコンベア装置3は、装置本体50を備えている。
【0028】
装置本体50は、長尺直方状の断熱筐体であり、その上面に長手方向に沿って長尺矩形状の開口50aが形成されている。この装置本体50の一端部(例えば先端部)には、冷却室51が画成してある。冷却室51は、図6に示すように、上室52と下室53との上下2段に分かれており、それぞれは、連絡口54を通じて連通してある。上室52には、先端冷却器55および送出ファン56が設けてある。先端冷却器55は、周囲を通過する空気を冷却するためのものである。送出ファン56は、詳細は後述するが、駆動することにより上室52の空気を先端冷却器55の周囲を通過させて、後述する通風路62に送出するためのものである。一方、下室53には、戻りファン57が設けてある。戻りファン57は、詳細は後述するが、駆動することにより後述する導風路63を通過する空気を下室53に送出するためのものである。
【0029】
また、装置本体50の内部には、ベルトコンベア61、通風路62および導風路63が設けてある。ベルトコンベア61は、一対のプーリ部材64に張設された無端状のものであり、装置本体50の長手方向が搬送方向となる態様で設けてある。より詳細には、ベルトコンベア61の上面が装置本体50の開口50aを臨む位置に設けてある。このようなベルトコンベア61は、一対のプーリ部材64が回転することにより、上面が長手方向に沿って基端から先端に向けて直線的に変位するものである。尚、本実施の形態におけるコンベア装置3としては、2つのベルトコンベア61を左右に並んで設けたものを例示している。
【0030】
通風路62は、図5〜図7に示すように、装置本体50の内部におけるベルトコンベア61の両側域に互いに対向する一対のパネル材65を配設することにより画成してある。より詳細に説明すると、通風路62は、ベルトコンベア61の両側域において、該ベルトコンベア61の搬送方向、すなわち装置本体50の長手方向に沿って延在している。それぞれの通風路62は、図6に示すように、送出口66を通じて上室52に連通してある。また、一対のパネル材65には、装置本体50の長手方向に沿って吹出孔65aが所定の間隔で形成してある。この吹出孔65aは、通風路62を通過する空気をベルトコンベア61の上面に吹き出すための開口となるものである。
【0031】
導風路63は、図5および図6に示すように、ベルトコンベア61の下方域に画成してある。より詳細に説明すると、導風路63は、ベルトコンベア61の下方域において、該ベルトコンベア61の搬送方向、すなわち装置本体50の長手方向に沿って延在している。この導風路63は、先端が戻り口67を通じて下室53に連通してある一方、基端が通風路62に連通してある。
【0032】
以上説明したような本実施の形態における配送システム1を構成するショーケース2においては、上側送風ファン31b、下側送風ファン32b、後方送風ファン36および回収ファン39を駆動させて次のようになる。
【0033】
上側送風ファン31bおよび下側送風ファン32bが駆動することにより、ケース本体10の内部の空気が上側ダクト31に後方側から進入し、上側冷却器31aの周囲を通過することにより冷却され、その後吹出口25から所定の吹出角度で吹き出される。吹出口25から吹き出された空気は、エアカーテン(吹出噴流)として、商品載置棚21〜24に載置された商品と熱交換を行いながら商品収納域10aの下部に向けて流れ、その後に吸込口26を通じて下側ダクト32に吸い込まれる。下側ダクト32に吸い込まれた空気は、下側冷却器32aの周囲を通過することにより冷却され、その後、下側ダクト32から商品収納域10aの後方域13を通過して再び上側ダクト31に進入し、これを繰り返す(図2中の実線矢印参照)。
【0034】
このように上側送風ファン31b、下側送風ファン32b、上側ダクト31および下側ダクト32は、吹出口25から下方に向けて空気を吹き出し、吸込口26を通じて吹出口25から吹き出された空気を吸い込み、かつ該吸込口26から吸い込んだ空気を商品収納域10aの下方域、後方域および上方域を順次通過させて吹出口25に送出することによって空気を循環させる空気循環ユニットを構成し、上側冷却器31aおよび下側冷却器32aは、空気循環ユニットにより循環させる空気を所定の温度に調整する温度調整ユニットを構成している。
【0035】
また、下側冷却器32aは、上側冷却器31aで冷却されて吹出口25を吹き出した空気がエアカーテンとして商品載置棚21〜24に載置された商品と熱交換を行う結果、吸込口26を通じて下側ダクト32に進入する空気は吹出口25を通過したときよりも温度が高くなっていることから、該空気を補助的に冷却する補助冷却器としての役割を有するとともに、ケース本体10の内部に高温となる空気が進入することを抑制する役割を有している。
【0036】
後方送風ファン36の駆動することにより、下側ダクト32を通過した空気の一部が商品保管棚34の最下段を通過し、該商品保管棚34の後方域を更に通過することにより、商品保管棚34に保管してある商品を冷却することが可能になる。かかる商品保管棚34の後方域を通過した空気は、その後に後方冷却器35の周囲を通過することにより冷却され、そして上側送風ファン31bの作用により、上側ダクト31に進入することになる(図2中の鎖線矢印参照)。
【0037】
回収ファン39の駆動により、エアカーテンを形成した空気のうち、開口11を通じて前方側に放出された空気、すなわち漏れ空気は、回収口37aを通じて底部ダクト37に進入し、その後に背部ダクト38に進入して通過し、上方開口38aよりショーケース2の外部に放出されることになる(図2中の二点鎖線矢印参照)。
【0038】
このように回収ファン39、底部ダクト37および背部ダクト38は、吹出口25より吹き出された空気のうち吸込口26に吸い込まれずに開口11を通じて前方に放出された漏れ空気を、ケース本体10の底部および背部に配設されたダクトを通じて回収する漏れ空気回収手段を構成している。
【0039】
そして、ショーケース2では、ガイド部材33が最上段の商品載置棚21の上方域に、前面33aが吹出口25より吹き出される空気の通過域に近接した状態で該空気の吹き出し方向に沿って延在し、かつ下面33bが商品載置棚21の延在方向に沿って延在する態様で配設してあるので、最上段の商品載置棚21の上方域に必要以上に大きなスペースを生じさせることがない。また、ガイド部材33の前面33aが吹出口25より吹き出される空気の吹き出し方向に沿って延在していることから、該空気の通過を阻害する虞れがない。
【0040】
このように本発明の実施の形態におけるショーケース2によれば、ガイド部材33が最上段の商品載置棚21の上方域に、前面33aが吹出口25より吹き出される空気の通過域に近接した状態で該空気の吹き出し方向に沿って延在し、かつ下面33bが商品載置棚21の延在方向に沿って延在する態様で配設してあるので、最上段の商品載置棚21の上方域に必要以上に大きなスペースを生じさせることがなく、これにより商品載置棚21〜24の上方域に吹出口25から吹き出された空気が必要以上に流れてしまうことがなく、良好なエアカーテンを形成することができ、商品収納域10aにおける温度のバラツキを抑えることができる。従って、商品載置棚21〜24に載置した商品を所望の温度状態に良好に保持することができる。
【0041】
上記ショーケース2によれば、シート体29が常態においては商品収納域10aの後方域13と各商品載置棚21〜24の上面域14とを区画するので、上側送風ファン31bおよび下側送風ファン32bの駆動により商品収納域10aの後方域13を通過する空気が商品載置棚21〜24の上面域14に流れてしまうことを抑制し、これにより空気の流れが乱雑になる虞れがなく、空気を良好に循環させることができる。
【0042】
また、ショーケース2によれば、回収ファン39の駆動により漏れ空気を底部ダクト37および背部ダクト38を通じて回収することができるので、ショーケース2の前方下部に漏れ空気が滞留する虞れがない。
【0043】
更に、ショーケース2によれば、必要に応じて前方カバー部材41で開口11を閉成し、しかも後方カバー部材42により商品収納域10aと商品保管域10bとを区画するので、例えば夜間等に商品収納域10aの周囲を循環する空気の熱量が外部に漏れることを低減させることができ、これにより省エネルギー化を図ることができる。
【0044】
一方、本実施の形態における配送システム1を構成するコンベア装置3においては、送出ファン56および戻りファン57を駆動させて次のようになる。すなわち、冷却室51の上室52の内部空気は、先端冷却器55の周囲を通過して冷却され、冷却された空気は、送出口66を通じて通風路62に進入する。通風路62に進入した空気は、該通風路62を通過し、一部は、吹出孔65aを通じてベルトコンベア61の上面域に吹き出される。このようにベルトコンベア61の上面域に吹き出された空気は、該ベルトコンベア61の上面に載置されて搬送される商品を両側から冷却することになる。
【0045】
通風路62を通過した空気は、コンベア装置3の基端に至り、導風路63に進入することになる。導風路63に進入した空気は、そのまま導風路63を通過し、戻り口67を通じて下室53に進入する。下室53に進入した空気は、連絡口54を通じて上室52に進入し、これを繰り返すことになる。このように先端冷却器55は、温度調整ユニットを構成し、戻りファン57および導風路63は、空気回収ユニットを構成している。
【0046】
本発明の実施の形態におけるコンベア装置3によれば、ベルトコンベア61の上面に載置されて搬送される商品を両側から冷却するので、いわゆる冷えムラのようなものが発生する虞れがなく、商品を良好に冷却することができる。従って、ベルトコンベア61の上面に載置された商品を所望の温度状態に良好に保持することができる。
【0047】
以上説明したように、本発明の実施の形態における配送システム1によれば、上記ショーケース2を備えているので、商品を所望の温度状態に良好に保持することができる。
【0048】
また、上記コンベア装置3を備えているので、ベルトコンベア61の上面に載置された商品を所望の温度状態に良好に保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の実施の形態である配送システムを模式的に示す模式図である。
【図2】図1に示したショーケース2の内部構造を簡略的に示す断面側面図である。
【図3】図2に示した商品載置棚の構成を示す斜視図である。
【図4】図2に示したシート体の構成を示す斜視図である。
【図5】図1に示したコンベア装置を示したA−A線断面図である。
【図6】図1に示したコンベア装置を示した断面側面図である。
【図7】図1に示したコンベア装置の断面構造を上方から見た場合を示す断面平面図である。
【符号の説明】
【0050】
1 配送システム
2 ショーケース
3 コンベア装置
10 ケース本体
10a 商品収納域
10b 商品保管域
11 開口
21〜24 商品載置棚
31a 上側冷却器
31b 上側送風ファン
32a 下側冷却器
32b 下側送風ファン
33 ガイド部材
33a 前面
33b 下面
50 装置本体
50a 開口
61 ベルトコンベア
62 通風路
63 導風路
65 パネル材
65a 吹出孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面に長尺矩形状の開口が形成された長尺直方状の断熱筐体と、
前記断熱筐体の内部に、該断熱筐体の長手方向が搬送方向となる態様で一対のプーリ部材に張設された無端状のベルトコンベアと
を備え、
前記一対のプーリ部材が回転して前記ベルトコンベアの上面が前記長手方向に沿って一方から他方に向けて変位することにより、該ベルトコンベアの上面に載置された商品を所定位置まで搬送するコンベア装置において、
前記断熱筐体の内部における前記ベルトコンベアの両側域に互いに対向する一対のパネル材を配設することにより画成された通風路に、温度調整ユニットにより所望の温度に調整された空気を送出して通過させる空気送出ユニットと、
前記一対のパネル材に前記断熱筐体の長手方向に沿って所定の間隔で形成され、前記通風路を通過する空気の吹出口を形成する吹出孔と
を備えたことを特徴とするコンベア装置。
【請求項2】
前記空気送出ユニットにより送出されて前記通風路を通過した空気を前記温度調整ユニットの配設部位まで移送する空気回収ユニットを備えたことを特徴とする請求項1に記載のコンベア装置。
【請求項3】
前記空気回収ユニットは、前記断熱筐体の内部における前記ベルトコンベアの下方域にパネル材を配設することにより画成された導風路を通じて、前記通風路を通過した空気を前記温度調整ユニットの配設部位まで移送することを特徴とする請求項2に記載のコンベア装置。
【請求項4】
前記温度調整ユニットは、前記周囲空気を冷却するものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載のコンベア装置。
【請求項5】
供給された商品を一時的に収納し、搬送指令が与えられることにより一時的に収納した商品を取り出して所定位置まで搬送して配送するような配送システムにおいて、
請求項1〜4のいずれか一つに記載のコンベア装置により所定位置まで搬送するようにしたことを特徴とする配送システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−85544(P2009−85544A)
【公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−257871(P2007−257871)
【出願日】平成19年10月1日(2007.10.1)
【出願人】(000237710)富士電機リテイルシステムズ株式会社 (1,851)
【Fターム(参考)】