説明

コンベヤと接近している物品類を脇へそらす方法

コンベヤにそって接近して搬送される複数の物品(40)の搬送向きを変えるコンベヤ(10)と関連した方法。このコンベヤは、ベルト走行方向(14)に対し斜めになっている軸(26)まわりを回転するような向きになっている複数のローラ(24)をもつコンベヤベルトを含む。一連の列をなすベアリング面要素(32)が前記コンベヤにそって端部から端部にわたっている。これらベアリング面は、動かなかったり、または、回転するようになっている。各列は、ローラ制御域を構成し、この域内で各列は、ベルトローラ(24)と接触するそのベアリング面要素で作動したり、または、前記ベルトローラとの接触状態をもたないそのベアリング面要素で不作動になる。前記ベルトが作動状態のローラ制御域を通過すると、前記ベルトローラは、回転して搬送物品を前記ベルトの一方の横側へ押し進める。連続したローラ制御域がシーケンシャルに作動状態になるか、または、不作動状態になり物品類を前記ベルトの一方の横側へ押しやり、該ベルトから押し出すか、または、物品類をそのまま真っすぐに進行させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[発明の背景]
本発明は、一般的には動力駆動コンベヤに関し、さらに詳しくは、物品を支持する複数のローラをもつコンベヤベルトを有するコンベヤに関し、前記ローラは、前記コンベヤにそった隣接域で前記ローラと連続して作動し接触するベアリング面に係合したとき、ベルト走行方向に対し斜めになっている軸まわりを回転する構成になっているものである。
【0002】
外側ベルト面と内側ベルト面にわたって位置する物品支持ローラをもつモジュラー・プラスチック・コンベヤベルトは、多岐にわたる搬送用途に使用されている。複数のローラがベルト走行方向に対し斜めになっている軸まわりを回転する構成で、前記内側ベルト面におけるベアリング面が接触する場合、前記ローラで搬送している物品を前記ベルトが前進するのに伴い前記ベルトの横手方向へ押しやる。前記コンベヤの一領域において前記ベアリング面は、前記ローラと接触しない一段下がった不作動位置から前記ローラと接触する動作位置へ上昇するようになっている。前記ベアリング面は、通常、フラットな耐用性の面またはシリンドリカルな外面をもつ複数のローラであって、これらローラは、ベルト走行方向に軸まわりを自由に回転するようになっている。場合によっては、連続して搬送されてくる物品類を異なる場所に向ける必要性が生じる。例えば、先行の物品を前記ベルトの横手方向へ向きを変えさせて別のコンベヤへ移す一方、後続の物品を前記コンベヤにそって、そのまま向きを変えずに進行させる場合がある。先行の物品が前記ローラ上にのると、前記ベアリング面が前記ローラを駆動すれば、前記物品は、前記ベルトの横手方向に向きを変え、その後、前記ベアリング面は、下へ下がって前記ローラを駆動させず、後続の物品は、向きを変えずに前記ベルトに乗って進む。前記ベアリングの上下動する部分の長さによって、連なっている物品類の間の最低の間隔がきまるもので、これは、作動区域内にある前記ベルトに二つの物品が同時にのるようなことがないようにするためである。
【0003】
この搬送の仕方は、例えば、物品の仕分けなど多くの用途において有効である。しかしながら幅の広いベルトを物品が横切るようにするには、作動する領域の長さを長くする必要があり、したがって、連なって搬送されてくる物品の間の間隔を広くとる必要がある。この間隔を広くあけるとコンベヤの能率が低下する。
【0004】
したがって、間隔がせまくなっている物品同士を仕分けしたり、別の搬送目的のために、これら物品の搬送向きを素早く変えることができるコンベヤが要求されている。
【0005】
[概 要]
この要求とその他の要求は、本発明の特徴をもつコンベヤにより満たされるものである。本発明の一つの態様においては、コンベヤは、上流端部から下流端部にのびているコンベヤ搬送路を備えている。コンベヤベルトは、前記搬走路に支持されていて、前記搬走路の上流端部から下流端部にかけてのベルト走行方向に前進する。このコンベヤベルトは、第1の側縁から第2の側縁にかけて横幅方向にのび、外面から内面にわたる厚さをもつ。さらに、このコンベヤベルトには、前記コンベヤベルトの外面と内面にわたって突き出る突出部分をもつ複数のベルトローラを含んでいる。これらのベルトローラは、ベルト走行方向に対し斜めになっている軸まわりを回転するように構成されている。一連のベアリング面要素は、端部から端部にかけて前記搬走路にそうベルト走行方向にそって構成されている。このベアリング面要素は、個々に動いて、前記コンベヤベルトの内面から突き出る前記ベルトローラの突出部分と接触し、または、離れるように構成されている。
【0006】
本発明の別の態様は、ベルト走行方向に前進し、かつ、ベルト走行方向に対し斜めになっている軸まわりを回転する構成で、搬送製品を支持するために前記ベルトの搬送面を通り抜け、前記ベルトの反対面を通ってベアリング面に回転接触する複数のベルトローラを有するコンベヤベルトを備えるコンベヤでの使用方法を提供するものである。前記ベルトで搬送の間隔が狭くなって続いている物品類の走行向きを選択的に変える前記方法は、以下のように構成されている:(1)前記ベアリング面がベルト走行方向の端から端まで配置された個々のグループに分けられ、前記コンベヤにそって隣接配置の関連したローラ制御帯域を区画しており;そして(2)前記ベアリング面の関連したグループを前記コンベヤベルトにおけるベルトローラと接触するように動かすことで各ローラ制御帯域を作動させ、前記ベアリング面の関連したグループを前記コンベヤベルトにおけるベルトローラと接触しないように動かすことで各ローラ制御帯域を選択的に作動させないようにする。
【0007】
類似のコンベヤを使用する本発明のさらに別の態様においては、前記ベルトで搬送の物品類の走行向きを変える方法は、以下のように構成されている:(1)ベルト走行方向における前記コンベヤにそって一連の隣接するローラ制御帯域を形成し、各ローラ制御帯域は、該ローラ制御帯域において、前記ベルトローラと接触して前記ローラ制御帯域を作動させる第1の位置と、前記ローラ制御帯域において、前記ベルトローラと接触せず前記ローラ制御帯域を作動させない第2の位置との間を選択的に移動する少なくとも一つのベアリング面を有しており;(2)搬送されてくる物品が第1のローラ制御帯域に入るにつれ,前記第1のローラ制御帯域を作動させ;(3)搬送されてくる物品が前記第1のローラ制御帯域から前記第2のローラ制御帯域へ入るにつれ、隣接の第2のローラ制御帯域を作動させ;そして(4)前記搬送物品が前記第1のローラ制御帯域から出てしまうと、前記第1のローラ制御帯域を作動させないようにする構成。
【0008】
[詳細な記述]
本発明の特徴を構成するコンベヤの一つの例を図1Aと図1Bに示す。コンベヤ10は、モジュラーコンベヤベルト12の形態をした搬送面を提供しており、前記ベルトは、モータ駆動の軸17に取り付けられた駆動スプロケット16によりベルト走行方向14に向かって駆動されるように構成されている。第1の側縁18から第2の側縁19にかけて幅方向にのびる前記ベルトは、搬走路22の下流端部20における駆動スプロケットと、搬走路22の上流端部におけるアイドラースプロケット(図示せず)とによって牽引されるようになっている。無端ループになっている前記ベルトは、前記搬走路の下側になる戻り路(図示せず)にそって下流端部から上流端部へ戻るようになっている。
【0009】
前記ベルトは、複数のベルトローラ24によって特徴づけられるものであって、これらベルトローラは、ベルト走行方向に対し斜めになっている軸26まわりを回転する構成になっている。前記複数のベルトローラの突出部28は、前記ベルトの外面30と内面31から突き出ている。複数のローラ32が前記ベルトの搬走路の下側に位置していて、これらは、上昇34して前記ベルトの内面から突き出ているベルトローラの前記突出部と接触し、さらには下降35して前記突出部から離れるように作動するようになっており、これの作動は、選択的に行われる構成になっている。各ローラ32は、長くのびているローラであって、ベルト走行方向に向いている軸36まわりを自由に回転するようになっている。これらのローラは、長くのびている複数のローラが並列状態になって構成され、ベルトローラの長さ方向レーンの下側に離れて配置されている。並列状態の長くのびているローラのそれぞれは、前記コンベヤの長さ方向にそってローラ操作帯域38を区分するようになっている。空気圧アクチュエータ、流体圧アクチュエータまたは電気的アクチュエータのようなアクチュエータが前記各並列状態のものを上下に昇降させる。一つの列が上昇すると、例えば、図1Bに示す最も下流側のローラの二つの列が前記ベルトローラとの接触で前記長さ方向のローラの間の回転摩擦により両ローラが回転する。斜めの向きをした前記ベルトローラにより作動域にあるベルトローラの上にある物品40を矢印42の方向にそって斜め横へ押し進める。長くなっているローラが存在していない前記コンベヤの搬走路の不作動域または一部にある物品40’は、ベルト走行方向に前進するようになっており、これは、前記ベルトローラが強制的に回転されないようになっているからである・前記長くなっているローラに前記ベルトローラをよりよく摩擦係合させるためには、好ましくは、前記ベルトローラの周面がゴムまたはエラストマー性のスリーブで囲まれていることが好ましく、さらに、前記長くなっているローラもウレタンで被覆されていることが好ましい。
【0010】
図1Aと図1Bの実施例におけるコンベヤシステムは、二つの取り出しコンベヤ44,45をもち、これらは、仕分け作業のためなどに、主のコンベヤ10の第1の側縁から斜め向きに突き出ている構成になっている。長くなっているローラの複数の列が各取り出しコンベヤの開口部の丁度上流側から該開口部にそって端から端まで三列のグループにまとまっている状態で示されている。各列は、独立していて、選択的に作動、不作動の状態になり、前記関係域を搬送される物品が通過、搬送される際、該物品の搬送向きを変えたり、または、そのまま搬送するようになっている。ベルト走行方向における各列またはローラ制御域の長さによって、連続して搬送される物品を分け隔てる間隔Gの最小長さがきまる。概ね、ローラ制御域の長さが短ければ、物品の間隔は、縮まる。しかしながら、前記コンベヤベルトの左側にのって運ばれている物品を前記コンベヤベルトの右側へ移すには、作動するローラがある程度長くなっていなければならない。シーケンシャルに作動される長くなっているローラ列の端から端までの一連のものを段階的に動かすことで、連続した物品が踵を接する状態になっていても、一つ、一つの物品を前記ベルトから押し出したり、前記ベルトの片側へ向きを変えさせたりするのに必要な接触距離を延長することができる。
【0011】
単純なローラ制御域を図2に示す。前記ベルト12は、モジュラー・プラスチックコンベヤベルトであって、ヒンジ連結部50においてヒンジロッドにより端部同士が互いに連結された一つまたは複数のベルトモジュール49の個々の列48から構成されている。前記ベルトの凹部52において、ベルト走行方向に対し斜めになっている軸まわりを回転する複数のベルトローラ24が回転できるようになっている。これらの特徴をもつ一つのモジュラー・プラスチックベルトは、米国ルイジアナ、ハラハンのIntralox,L.L.C.により製造、市販されているスリーズ400 Angled Roller(商標)である。このベルトモジュールは、ポリプロピレン、ポリエチレン、アセタールおよび複合素材のような熱可塑性ポリマーを射出成形して作られている。複数の前記長くなっているローラ32は、並列配置されていて、各ローラは、ベルト走行方向にそう長さ方向軸54まわりを回転するようになっている。各長くなっているローラは、複数のベルトローラの長さ方向レーン56の下側に位置している。前記ベルトは、隣接した長くなっているローラの列の間にある細狭くなっているレ−ル58に支持されて搬走路にそっている。複数の前記長くなっているローラは、前記ローラの各端部にあるローラベアリングを含む共通のフレーム(図示せず)内に設けられている。このフレームは、前記長くなっているローラのすべてを一緒に上下に昇降させ、前記ベルトローラに離接するように動作する構成になっている。前記ローラ制御域が上昇した位置の前記ローラ列と共に作動するとき、前記ベルトローラは、前記ベルトがベルト走行方向に前進するにつれ前記長くなっているローラに回転接触するか、または、スリップしない状態で該ローラと協働する構成になっている。これらローラの間の係合は、前記長くなっているローラのウレタン被覆のシリンドリカルなベアリング面60と前記ベルトローラの周面を覆うゴムまたはエラストマー性のスリーブ62によって、しっかり改善されている。
【0012】
ベアリング面の別な例を図3と図4に示す。ベアリング面64は、ローラの上ではなくてベルトローラの長くなっている列の下側のベルト走行方向にのびているウエアストリップ66の上に形成されている。これらのウエアストリップは、搬送台70に設けられた嚢状体68の上部で支持されている。このベルトそれ自体は、ベルトローラの長くなっている列の間に位置するレール58に支持されている。前記ベアリング面に対するアクチュエータとして作用する前記嚢状体は、コンプレッサ74により圧縮空気が供給されるコントロールバルブ72により空気圧作動されるようになっている。前記バルブは、コントローラ76により制御されるもので、このコントローラは、プログラム可能なロジックコントローラまたは他のインテリジエントデバイスである。空気は、矢印78に示されるように前記嚢状体に注入されて前記ウエアストリップを上昇させ、空気が釈放されて下降する構成になっている。上昇位置にあるとき、前記ウエアストリップの平らなベアリング面64が前記インナー面31から突き出ている前記ローラ34の突出部に接触する。この接触により、前記ベルトローラが回転する。前記ベルトのアウター面30から突き出ている前記斜めになっているベルトローラの突出部が搬送されている物品類40を前記ベルトの側方へ押しやる。下降した位置にあっては、下降した前記ウエアストリップ66’が前記ベルトローラから外れたしぼんだ嚢状体68’の上に着座する。
【0013】
また図4に示すように、ベルトローラ24は、ベルト走行方向に斜めになっている軸26まわりを回転する。前記複数のローラを貫通する孔にアクスル80が插通され、このアクスルの両端は、前記ベルトモジュール内で支持されている。当然ではあるが、前記アクスルは、前記ローラの回転軸を構成し、前記ベルトローラを下側にあるベアリング面64と接触させ、前記ベルトの前進につれ、該ーラを矢印82の方向へ回転させる。前記ローラの角度αは、その回転軸とベルト走行方向に垂直な横軸84との間の角度である。ローラ角度が約30°または、これ以下であると、平らなウエアストリップと具合よく動く。例えば45°および60°のように、角度が大きくなると、長くなっているローラは、ベアリング要素として要求され、スリップが減り、したがって、ベルトローラとベアリング面との間のすべり摩擦が低くなる。
【0014】
前記コンベヤの作用を段階をおって図5Aと図5Bから図9Aと図9Bに示す。図5Aと図5Bにおいて先頭の製品40が前記コンベヤの上に示されている。ローラ制御域のすべてにおけるローラまたはウエアストリップのいずれかであるベアリング面要素86のすべては、作動していない(下降した位置にあるものとして図示されている)。これによって、回転しないベルトローラ24に乗っている製品40は、ベルト12のベルト走行方向における前記コンベヤにそって前進するようになっている。光センサまたは近接スイッチのような複数のセンサ88が用いられて、搬送されてくる製のローラ制御域38への出入を検知する構成になっている。前記ローラ制御域にそって送られる搬送製品の位置を示すセンサ信号が前記ローラ制御域を制御する前記コントローラへ送られる。
【0015】
図6Aと図6Bにおいては、先行の物品40に続く後続の物品は、前記コンベヤの搬走路の上流にある。前記先行する物品は、仕分けされて前記コンベヤの横手へ押し出され、下流の取り出しコンベヤ45へと移されるようになるから、第1の前記ローラ制御域38Aは、先行する物品が入り込むや否や作動開始するようになっている。前記制御域においては、上昇したベアリング面と回転接触する斜めのベルトローラで、前記先行の物品は、前記ベルトの側方へ進む。一方、前記後続の物品の下にあるローラ制御域は、作動せず(下降位置にある)、後続の物品は、前記ベルトに乗せられた状態になっている。
【0016】
前記先行の物品が図7A、図7Bにおけるように、下流の取り出しコンベヤの方へ向きを変えると、この物品は、第2の下流側ローラ制御域38Bにさしかかり、ついで、この制御域が作動し出す。作動域の両方にまたがる前記先行の物品は、前記取り出しコンベヤに向けて押し進められる。一方、前記後続の物品は、動作しないロータ制御域を通る前記ベルトにそって進行し続ける。
【0017】
先行の物品40が前記第1の下流側制御域38Aを退出するや否や、図8A,図8Bに示すように、後続の物品48’を予定して前記ベアリング面要素は、下降されて不動作状態になる。一方、前記第3の下流側ローラ制御域38Cは、作動して、ローラ制御域38bにそって先行の物品を前記ベルトの側方へ押し進め、前記下流側の取り出しコンベヤ45方向へ進むようにする。
【0018】
図9A、図9に示すように、先行の物品40が通りすぎると、前記第2のローラ制御域38Bおよび前記第2のローラ制御域38Cは、それぞれが不動作状態(下降状態)になる。これによって、後続の物品40’は、前記コンベヤベルトからそれずに前記ロール制御域を通過する。
【0019】
これまで記載の実施例においては、連続したローラ制御域を構成するベアリング面は、前記コンベヤベルトを幅方向に真っすぐに横切る境界線により分けられている。図10に示すコンベヤにおいては、それぞれが横長くなっているローラの列からなる連続のベアリング面要素88,88’は、ジグザグに重なっていて、連続した帯域の間で前記コンベヤを横方向にのびて横断する直線方向の休止バンド部分をなくすようにしている。図11に示す他の実施例では、連続する列92,92’,92”が斜め方向の境界線94,94’にそって階段状になっている。前記第2の側縁19にそう前記ベアリング面の上流端部は、前記第1の側縁18にそう前記ベアリング面の上流端部の上流側に位置し、物品類を前記第1の側縁に進行向きが変えられるようになっている。このようなジグザグの構成によって、前記第2の側縁に近い物品類を作動している帯域を通る斜めの行程を辿るようにして物品類が前記コンベヤベルトの全幅を十分に移り渡るようにする構成にしている。
【0020】
図12は、ローラ制御域96がコンベヤベルト12と共に移動するコンベヤを示す。この実施例では、横長くなっている複数のローラ97の列のベアリング面が各移動ローラ制御域を構成するようになっている。一連の端部から端部までの列により、連続して移動するローラ制御域が作られ、これらの帯域は、選択的に作動または不作動にされて、前記ベルトローラと接触したり、離れたりする構成になっている。また別途、一つで、急速に動く列を用いて、物品類が極端に狭い間隔を保たなくてもよいようにすることもできる。多数のバーの連結体98が各ローラ列に連結され、ピボット軸99まわりを回転し、前記列を前記ベルトまたはベルト走行方向における物品の速度に合わせて前進させ、さらに他の物品のための位置へ戻ようにする。搬送物品と共に動くことで、前記ローラ制御域を短かくでき、前記ベルトにおける前記ローラの長さよりも短い距離で物品類の間隔をとることができる。
【0021】
このように、各側方における取り出しコンベヤの入口にある端部から端部にかけて段階状になっているローラ制御域において順次作動する斜め向きの複数のローラをもつ前記コンベヤベルトは、間隔が接近している物品類を極めて効率よく仕分けできる点で理想的であり、接近し合っている物品類を前記ベルトの前進に伴い横方向へ移すことが必要になる他の用途にも理想的である。
【0022】
本発明は、いくつかの好ましい実施例を参照しながら記載したが、他の実施例も可能である。例えば、前記アクチュエータで空気圧により前記嚢状体を作動させる代わりに、流体圧または電気的に作動する機構によることもできる。別の実施例として、図5Bよりも少ないセンサを使用できる。各ローラ制御域の動作時間を経験に基づくデータ、ベルト速度およびベルト幅またはシャフトエンコーダまたは他のベルトソクド検知技術をもとにして固定し、ただ一つのセンサで一連の端部から端部への帯域の最も上流側のローラ制御域に物品がさしかかる時点を検知することも必要である。また別の実施例では、搬送物品が向きを変えるように前進するのに合わせてシーケンシャルに行う作動、不作動をベアリング面要素の列を上下させる代わりに、傾けさせたり、横方向へ移動させたりして、前記ベルトローラに対する離接によって行うこともできる。好ましいベルトは、モジュラー・プラスチックコンベヤベルトであるが他の非プラスチックモジュラーベルトまたは斜めにローラがついたフラットなベルトでも使用できる。さらに、ローラには、特に、ローラ角度がさほどきつくなければラバースリーブを必要としない。さらにまた、前記コンベヤは、並列した2列の斜めになっているローラベルトで構成でき、各列では、複数のローラが前記コンベヤの反対の横側へ搬送物品の向きを変えるようにできる。また別途、異なる方向の向きになっているベルトローラの交互になっている横長の列もち、ベアリング面と関連している一つのベルトを使用して前記ベルトの対向する側へ物品を仕分けすることができる。アクチュエータを用いて、前記交互の列の間で前記ベアリング面要素をスイッチして前記ベルトのいずれかの側に物品類を選択的に向けることができる。このように、これらいくつかの実施例が示唆するように、請求の範囲は、詳細に記載した実施例に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0023】
本発明の特徴と態様、ならびに、その利点は、詳細な記述、添付の請求の範囲および添付の図面を参照することで、さらによく理解できるものである。
【図1A】本発明の特徴を構成するコンベヤの平面図。
【図1B】本発明の特徴を構成するコンベヤの側面図。
【図2】単一のローラ制御域を示す図1A,図1Bにおけるようなコンベヤの一部の斜視図。
【図3】ウエアストリップ・ベアリング面を特徴とする図1A,図1Bにおけるようなコンベヤの他の実施例の正面図。
【図4】図3のコンベヤの平面図。
【図5A】図1Aにおけるようなコンベヤの段階的な操作を示す平面図。
【図5B】図1Bにおけるようなコンベヤの段階的な操作を示す側面図。
【図6A】図1Aにおけるようなコンベヤの段階的な操作を示す平面図。
【図6B】図1Bにおけるようなコンベヤの段階的な操作を示す側面図。
【図7A】図1Aにおけるようなコンベヤの段階的な操作を示す平面図。
【図7B】図1Bにおけるようなコンベヤの段階的な操作を示す側面図。
【図8A】図1Aにおけるようなコンベヤの段階的な操作を示す平面図。
【図8B】図1Bにおけるようなコンベヤの段階的な操作を示す側面図。
【図9A】図1Aにおけるようなコンベヤの段階的な操作を示す平面図。
【図9B】図1Bにおけるようなコンベヤの段階的な操作を示す側面図。
【図10】互い違いにしたローラ制御域を含む本発明の特徴を構成するコンベヤの他の実施例の平面図。
【図11】互い違いにしたローラ制御域を含む本発明の特徴を構成するコンベヤの他の実施例の平面図。
【図12】コンベヤベルトと共に前進するローラ制御域を含む本発明の特徴を構成するコンベヤのさらに他の実施例の側面図。
【符号の説明】
【0024】
10 コンベヤ
12 モジュラーコンベヤベルト
14 ベルト走行方向
16 駆動スプロケット
17 モータ駆動の軸
18 第1の側縁
19 第2の側縁
20 下流端部
22 搬走路
24 複数のベルトローラ
26 斜めになっている軸
28 ベルトローラの突出部
30,31 ベルトの外面と内面
32 複数のローラ
36 ベルト走行方向に向いている軸
38 ローラ操作帯域
40,40’ 物品
42 矢印
44,45 二つの取り出しコンベヤ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下を備えるコンベヤ:
上流端から下流端までのびているコンベヤ搬走路;
コンベヤ搬走路の上流端から下流端へ向かうベルト走行路の方向へ前進するために前記搬走路に支持されているコンベヤベルト;
この構成において、前記コンベヤベルトは、さらに、第1の側縁から第2の側縁にかけて横幅方向にわたり、かつ、外側から内側にかけて厚さ方向にわたっており;
この構成において、前記ベルトローラは、ベルト走行方向に対し斜めになっている軸まわりを回転するようになっており;
前記搬送路にそってベルト走行方向の端から端にかけて配置されていて、前記コンベヤベルトの内側を通る前記ベルトローラの突起部に対し接触したり、離れたりするように個々に動く構成になっている一連のベアリング面要素。
【請求項2】
前記ベアリング面要素は、ベルト走行方向と平行の軸まわりを回転するシリンドリカルな複数のローラを備えている請求項1によるコンベヤ。
【請求項3】
各ベアリング面要素は、第1の端部から第2の端部にかけてベルト走行方向に向いている横方向へオフセットされているグループになっているベアリング面を備え、さらに、各グループのベアリング面は、一つのグループとして前記ベルトローラに接触したり、前記ベルトローラから離れたりするように動く構成になっている請求項1によるコンベヤ。
【請求項4】
各ベアリング面要素は、ベルト走行方向において、互い違いになっているベアリング面の一つのグループを備え、ベアリング面要素の一つのグループは、前記ベルトローラに接触したり、前記ベルトローラから離れたりするように動く構成になっている請求項1によるコンベヤ。
【請求項5】
連続しているベアリング面要素の一部は、横方向に互いに重なり合っている請求項1によるコンベヤ。
【請求項6】
各ベアリング面要素は、ベルト走行方向に前進する構成の請求項1によるコンベヤ。
【請求項7】
各ベアリング面要素は、ベルト走行方向にそって、前記搬走路の上流端部から搬送される連続した物品類の間の最小の間隔とほぼ同じ長さにのびている請求項1によるコンベヤ。
【請求項8】
前記ベルトローラのすべては、平行な軸または同一線上の軸まわりを回転する請求項1によるコンベヤ。
【請求項9】
前記搬走路にそってベルト走行方向に向け端部から端部にわたる一連のベアリング面要素により前記コンベヤベルトに連続のローラ制御域が構成され、前記コンベヤは、さらに搬送物品がローラ制御域に入る時点を検知するセンサを備えている請求項1によるコンベヤ。
【請求項10】
各ベアリング面要素に結合し、前記ベアリング面要素が前記コンベヤベルトの内側を通り抜けている前記ベルトローラの突起部分に対し接触したり、離れたりするように選択的に動かすアクチュエータをさらに備えている請求項1によるコンベヤ。
【請求項11】
一連のベアリング面要素に結合し、これらベアリング面要素が前記コンベヤベルトの内側を通り抜けている前記ベルトローラの突起部分に対し接触したり、離れたりするように、向きを変えるようにする搬送物品類のコンベヤ搬走路にそっての前進と同期してシーケンシャルに動かすアクチュエータをさらに備えている請求項1によるコンベヤ。
【請求項12】
以下を備えるコンベヤ:
上流端から下流端までのび、横幅方向には第1の側縁から第2の側縁にわたっているコンベヤ;
前記コンベヤの上流端から下流端までベルト走行方向に向け前進するために前記コンベヤに支持されているコンベヤベルトであって、さらに前記ベルト走行方向に対し斜めになっている軸まわりを回転する構成であって、物品類を搬送する搬送面と反対側面から前記コンベヤベルトを介してのびている複数のベルトローラを含んでいるコンベヤベルト;
ベルト走行方向における前記コンベヤにそう端部から端部にかけ形成されている一連の連続のローラ制御域で、各ローラ制御域は、以下を含むもの;
前記コンベヤベルトの対向側縁に位置する少なくとも一つのベアリング面要素;
少なくとも一つのベアリング面に結合し、前記ベアリンブ面を前記ローラ制御域において前記ベルトローラと接触する第1の位置へ動かして前記ローラ制御域を作動し、前記ベルトの前進で前記ベルトローラを回転させることで、物品類を前記コンベヤの第1の側縁へ向くようにし、そして、前記ベアリンブ面を前記ローラ制御域において前記ベルトローラと接触しない第2の位置へ動かして前記ローラ制御域を作動させないで、物品類をベルト走行方向に搬送し続けるようにするアクチュエータ。
【請求項13】
前記ローラ制御域を通る搬送物品類を感知するセンサをさらに備える請求項12によるコンベヤシステム。
【請求項14】
少なくとも一つのベアリング面がベルト走行方向と平行な軸まわりを回転する複数のシリンドリカルなローラを備えている請求項12によるコンベヤシステム。
【請求項15】
各ローラ制御域が前記コンベヤで搬送される連続している物品類の間の最小間隔にほぼ等しい長さでベルト走行方向にそってわたっている請求項12によるコンベヤシステム。
【請求項16】
前記ベルトローラのすべてが平行又は直線上の軸まわりを回転する請求項12によるコンベヤシステム。
【請求項17】
各ローラ制御域の上流端部と下流端部が斜めになっている請求項12によるコンベヤシステム。
【請求項18】
連続のローラ制御域が横方向に重なっている請求項12によるコンベヤシステム。
【請求項19】
前記ローラ制御域がベルト走行方向に向け前進する請求項12によるコンベヤシステム。
【請求項20】
前記ローラ制御域の選択的な作動により前記コンベヤから搬送向きを変えて押し出される物品を受けるための前記コンベヤの第1の側縁に配置されている搬送向きを変えられた物品を受ける受け路をさらに備える請求項12によるコンベヤシステム。
【請求項21】
ベルト走行方向に前進し、ベルト走行方向に対し斜めになっている軸まわりを回転する構成になっている複数のベルトローラを有し、そして、搬送物品類を支持する前記ベルトの搬送面およびベアリンブ面と回転接触する前記ベルトの反対面にわたるコンベッヤベルトを備えるコンベヤを使用するために、前記ベルトで搬送の間隔が密になっている物品類の搬送向きを選択的に変えるための以下の構成の方法:
ベルト走行方向に向けて端から端にわたり前記ベアリング面を個々のグループに区分して、前記コンベヤにそって関連したローラ制御域を連続配置構成とし;
前記コンベヤベルトにおけるベルトローラと接触するように前記関連のグループのベアリング面を動かすことで各ローラ制御域を選択的に作動させ、さらに、前記コンベヤベルトにおけるベルトローラと接触しないように前記関連のグループのベアリング面を動かすことで各ローラ制御域を選択的に作動させないようにするコンベヤベルト。
【請求項22】
搬送物品のローラ制御域への出入を検知するように構成されている請求項21の方法。
【請求項23】
さらに前記コンベヤベルトを横切るように搬送物品の搬送の向きを変えるように連続したローラ制御域をシーケンシャルに作動させる請求項の21方法。
【請求項24】
ベルト走行方向における各ローラ制御域の出口と少なくとも大きさが同じである間隔があくように前記コンベヤベルトで搬送の物品類を離すようにする請求項21の方法。
【請求項25】
ベルト走行方向に前進し、ベルト走行方向に対し斜めになっている軸まわりを回転する構成になっている複数のベルトローラを有し、そして、搬送物品類を支持する前記ベルトの搬送面およびベアリンブ面と回転接触する前記ベルトの反対面にわたるコンベッヤベルトを備えるコンベヤを使用するために、前記ベルトで搬送の間隔が密になっている物品類の搬送向きを選択的に変えるための以下の構成の方法:
ベルト走行方向に向けて前進する一連の連続するローラ制御域を形成し、各ローラ制御域は、前記ローラ制御域において前記ベルトローラと接触して前記ローラ制御域を作動状態にする第1の位置と前記ローラ制御域において前記ベルトローラから離れて前記ローラ制御域を不作動状態にする第2の位置との間を選択的に動く少なくとも一つのベアリング面を有しており;
搬送物品が前記第1のローラ制御域に入ると第1のローラ制御域を作動状態にし;
前記搬送物品が前記第1のローラ制御域から前記第2のローラ制御域へ入ると、連続の第2のローラ制御域を作動状態にし;
前記搬送物品が前記第1のローラ制御域から抜け出すと、前記第1のローラ制御域が不作動状態になる構成。
【請求項26】
さらに以下のようになっている請求項25の方法:
前記搬送物品が前記第2のローラ制御域から前記第3のローラ制御域へ入ると、前記第2のローラ制御域と連なっている第3のローラ制御域を作動状態にする構成。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公表番号】特表2008−540292(P2008−540292A)
【公表日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−510194(P2008−510194)
【出願日】平成18年5月3日(2006.5.3)
【国際出願番号】PCT/US2006/017114
【国際公開番号】WO2006/121750
【国際公開日】平成18年11月16日(2006.11.16)
【出願人】(506152704)レイトラム リミテッド ライアビリティー カンパニー (21)
【氏名又は名称原語表記】LAITRAM,L.L.C.
【Fターム(参考)】