コンベヤローラ
【課題】 無工具での分解組立てを可能にすることによって、高度のメンテナンス性とリサイクル適合性とを両立したコンベヤローラを提供する。
【解決手段】 ベアリング32をシールドするためベアリング32の周囲に配設される部品の素材に樹脂材料を使用し、部品相互を樹脂材料の弾性を利用して手操作によって分離可能に組み立てるとともに、最終的に全部品を位置決めすることとなる止め具36に、軸10から容易に離脱する分断した止め具36を用い、この止め具36を手操作によって脱着可能なセンターロック部材35によって軸10から離脱しないように拘束する。センターロック部材35を取り外すと全ての部品を簡単に分離することができる。
【解決手段】 ベアリング32をシールドするためベアリング32の周囲に配設される部品の素材に樹脂材料を使用し、部品相互を樹脂材料の弾性を利用して手操作によって分離可能に組み立てるとともに、最終的に全部品を位置決めすることとなる止め具36に、軸10から容易に離脱する分断した止め具36を用い、この止め具36を手操作によって脱着可能なセンターロック部材35によって軸10から離脱しないように拘束する。センターロック部材35を取り外すと全ての部品を簡単に分離することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンベヤベルトの支持用途や、ローラコンベヤにおけるコンベヤローラ用途等に利用するコンベヤローラであって、工具を使用することなく分解および組立てを可能とすることによって、メンテナンスおよび分別リサイクルを容易化したコンベヤローラに関する。
【背景技術】
【0002】
単純荷役作業用のローラコンベヤを含め、各種の製造プラントにおけるワークの搬送手段としてベルトコンベヤが多用されている。今日、環境負担軽減の要求は、すべての産業分野に共通する課題であり、ベルトコンベヤのような荷役機械産業においても、安易な使い捨てや、リサイクル不能な構造に対する批判が高まりつつある。つまり、メンテナンスを経て継続使用できるものについては、そのようにし、廃棄する場合においても、異なる金属種毎に、あるいは、少なくとも金属と非金属とに分別してリサイクル可能に廃棄することが求められる。
【0003】
ここで、高頻度のメンテナンスを要求されるとともに、製品寿命を長く設定することが難しい荷役機械要素として、例えば、バッチャープラントにおいてコンクリート骨材を搬送するベルトコンベヤに使用されているコンベヤローラを例示することができる。バッチャープラントにおけるコンベヤローラは、屋外または屋外に近い状態で風雨に晒されながら、鉱物質の粉塵雰囲気内でバラストのよう不定形性の重量物を間欠的に搬送しなければならないという苛酷な条件下で使用されるからである。
【0004】
上記のような苛酷な環境下で使用されるコンベヤローラに対する設計者側の対応には、二つの方向性が見られる。
【特許文献1】特開平8−258947号公報
【特許文献2】特開2004−131228号公報
【0005】
一つの方向性は、複雑な迷路構造を有するパッキンやキャップを多用することによって軸受け用のベアリングを厳重にシールドし、苛酷な使用環境下においても長期の製品寿命を発揮することができるとするものである(特許文献1参照)。他の方向性は、これと対極的に、故障することはやむを得ないとして、故障に際しては、特殊な装置等を使用することなく簡単にベアリングを交換できるとするものである(特許文献2参照)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1に示されるものについても例外ではないが、一般論としても、故障の主な原因となるベアリングに対する厳重なシールド構造を採用するものは、軸受け部分の部品点数も多く、しかも、機械的圧入等の分解に適しない強固の組立て手段を多用することから、製品寿命の長期化の反面において、メンテナンス性とリ・ユース性やリサイクル性が犠牲になるという問題がある。例えば、ベアリングの交換やグリスアップによって継続使用可能な場合であっても、これができない場合は、コンベヤローラ全体を交換することとなることから、資源の無駄が生じる。また、廃棄処分されるコンベヤローラに関しても、金属部品と樹脂部品とを分別するのに過分の手数を要するという問題もある。ちなみに、今日では、製品価格には廃棄コストも含まれるべきであるとの考え方が主流になってきている。
【0007】
一方で、ベアリングの交換が極めて容易であるとしても、ベアリングに対するシールドが犠牲にされているならば、バッチャープラントのような粉塵環境内で使用されるベルトコンベヤ等には到底適用することができず、コンベヤローラの適用範囲が清浄環境下における使用に限定されてしまうという問題が生じる。
【0008】
本発明は、本質的に粉塵を嫌う機械要素であるベアリングに対する必要なシールド性が必要十分に確保されることを前提としながら、樹脂と金属との使い分け、および樹脂部品と樹脂部品との連結方法、軸に組み付ける部品の位置決め用の止め具に対する工夫等によって、コンベヤローラの強度確保の観点から避けることができない金属部品相互の機械圧入部分を除き、無工具での分解組立てを可能にすることによって、高度のメンテナンス性とリ・ユース適合性やリサイクル適合性とを両立したコンベヤローラを適することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の請求項1に記載のコンベヤローラは、軸に取り付けられるベアリングを介してローラ外筒が回転状態におかれるコンベヤローラにおいて、ローラ外筒の両端側の開口部にそれぞれ固定する軸受けハウジングと、ベアリングを着脱自在に抱持するベアリングホルダと、軸に対してベアリングホルダを位置決めする止め具と、止め具を介してベアリングホルダに固定するセンターロック部材とを備え、センターロック部材は、手操作ロック手段による手操作によりベアリングホルダに対する固定とその取り外しができ、前記止め具は、軸から着脱自在とされるとともに、ベアリングホルダを固定する方向では、センターロック部材により止め具が軸から離脱不能に拘束されることを特徴とする。
【0010】
本発明によれば、センターロック部材は、手操作ロック手段によって内側ベアリングホルダに固定されており、手操作によってベアリングホルダから取り外すことができ、センターロック部材を取り外すと、ベアリングホルダを位置決めしている止め具が軸から外れる。この止め具は、軸から着脱自在とされており、センターロック部材によって離脱不能に拘束されていたものであるから、拘束部材であるところのセンターロック部材が取り外されたことによって、容易に外れる状態になる。手で止め具を外すと、ベアリングホルダを軸に沿って軸端側にスライドさせる操作によって、ベアリングホルダを軸から取り外すことができる。このような、分解要領は、ローラ外筒の他端側の軸受けハウジングについても同様である。
これによって軸を支持している全ての部材を工具を使用することなく組立て前の部品単位に分解することができる。なお、ローラ外筒と軸受けハウジングについては、金属製であって機械力による圧入手段やかしめ手段、溶接等によって一体化されるのが通常であり、このような部分については、手操作によって分解することはできないが、例えば、軸受けハウジングを樹脂製とするとともに、軸受けハウジング自体についても最終的にセンターロック部材によって拘束する構成とすることにより、これを分解可能にすることも可能である。
他方、この取り外しとは逆に、組立も、工具を使用せずに手で組み立てることができる。つまり、軸をローラ外筒に貫通させた状態にして、ベアリングホルダに抱持されたベアリングを軸に取り付けてから、着脱可能な止め具を介してセンターロック部材をベアリングホルダに固定すれば、かかる組立を手で行うことができる。
【0011】
本発明の請求項2に記載のコンベヤローラは、前記ベアリングホルダは、外側ベアリングホルダと内側ベアリングホルダとからなり、軸に軸表面の塑性変形加工による突き当て凸部が形成され、ベアリングの内側軌道輪が内側ベアリングホルダと突き当て凸部との間に挟まれて位置決めされ、外側ベアリングホルダがベアリングの外側軌道輪を抱持し軸受けハウジング内に嵌装されていることを特徴とする。
【0012】
本発明によれば、ベアリングが突き当て凸部と内側ベアリングホルダとの間に挟み込まれことによって、軸との動作上の一体性が高められ、軸とベアリングの内側軌道輪との間に相対回転が発生しないので、ベアリング本来の機能が担保される。また、突き当て凸部は、ベアリングを挟んで内側ベアリングホルダの反対側に位置することとなるので、分解および組立て作業の支障とはならない。
【0013】
本発明の請求項3に記載のコンベヤローラは、少なくとも前記外側ベアリングホルダと内側ベアリングホルダとセンターロック部材とは、いずれも樹脂材料からなり、ベアリングは、樹脂材料の弾性によって外側ベアリングホルダに弾性抱持されるとともに、外側ベアリングホルダは軸受けハウジングに弾性嵌装されることを特徴とする。
【0014】
本発明によれば、上述したように、手で止め具を外すと、ベアリングホルダを軸に沿って軸端側にスライドさせる操作によって、内側ベアリングホルダを軸から取り外すことができる。内側ベアリングホルダは、単に軸に外嵌されているだけであるからである。内側ベアリングホルダが外されると、ベアリングを拘束している部材は、ベアリングの外側軌道輪を抱持している外側ベアリングホルダのみとなる。この外側ベアリングホルダは、素材として選択した樹脂材料の弾性変形を利用しての弾性嵌装によって軸受けハウジング内に嵌装されており、したがって、ベアリングを抱持した状態のまま、手操作によって軸受けハウジングから引き抜くことが可能である。また、外側ベアリングホルダによって抱持されているベアリングは、同様に樹脂材料による弾性抱持であることから、手操作によって外側ベアリングホルダから引き抜くことができる。
【0015】
本発明の請求項4に記載のコンベヤローラは、センターロック部材が手操作用の指掛けを備え、手操作ロック手段が、センターロック部材に形成する雄ねじまたは雌ねじと、内側ベアリングホルダに形成する雌ねじまたは雄ねじとの螺合による螺合手段であることを特徴とする。
【0016】
上記発明において、センターロック部材および内側ベアリングホルダは、いずれも樹脂材料からなり、これらの部材に形成される雄ねじまたは雌ねじのねじ山は、金属ねじに較べて容易に変形させることができる。したがって、両者の螺合状態は、適切に螺合仕切った後も、なお、ねじ山を変形させながら容易に相対回転させることができる弾性螺合状態となる。そこで、センターロック部材に手操作用の指掛けを設けておくことによって、工具を使用することなくセンターロック部材を脱着することができる。
【0017】
本発明の請求項5に記載のコンベヤローラは、センターロック部材が手操作用の指掛けを備え、手操作ロック手段が、センターロック部材に形成するラッチ爪またはラッチ受けと、内側ベアリングホルダに形成するラッチ受けとからなり、軸を中心としてセンターロック部材を回転操作した際に互いに掛合する掛合手段であることを特徴とする。
【0018】
上記発明における手操作ロック手段は、樹脂材料からなるラッチ爪とラッチ受けとの掛合による、いわゆるラッチロック機構の一種であり、操作量が少なくて済むというラッチロック機構の一般的特性を発揮することができる。すなわち、センターロック部材を何回転も操作することなく僅かの操作量でセンターロック部材を脱着することができる。
【0019】
ここで、前記止め具としては、軸から離脱可能なものが適用可能であり、例えばリング(止め輪)状のものが分断されている構成とすることができる。ここに「分断され」とは、全形のものを分断したもののほか、当初より分断された状態に製造したものを含むものとする。例えば、従来の通常の止め具を360度のリングであるとすると、その略180度分に分断されたものや、略180度分ずつや、これらよりも角度や径が小さく分断され、3分割以上に分断したもの等が適用可能であり、これらの構成により手で着脱可能になる。
【発明の効果】
【0020】
本発明のコンベヤローラは、少なくとも外側ベアリングホルダと内側ベアリングホルダとセンターロック部材の素材に樹脂材料を使用し、隣接する部材と樹脂材料の弾性変形を利用して一体化するとともに、軸を支持するベアリングを外側ベアリングホルダによって外周側から抱持し、また、内側ベアリングホルダによってベアリングの端面側を塞ぐように構成することができるので、必要なシールド性を確保することが容易であって、さらに、内側ベアリングホルダを分断した止め具によって位置決めするとともに、止め具が軸から離脱しないようにセンターロック部材によって拘束し、センターロック部材を、手操作ロック手段を介して内側ベアリングホルダに固定する構成とすることによって、手操作ロック手段を解除してセンターロック部材を取り外すことによって、全ての部材を工具を使用することなく部品単位に分解することが可能であり、高度のメンテナンス性とリユース適合性とを実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、図面を引用しながら本発明のコンベヤローラの実施の形態を説明する。
【0022】
コンベヤローラは、軸10と、ローラ外筒20と、ローラ外筒20の両端部に装填する軸支持部30,30とからなる(図1,図2)。
【0023】
軸10は、鋼材の丸棒状体であり、軸10の各端部には、任意形式のベルトコンベヤやローラコンベヤのシャーシに固定するための平面取り11により加工がされている。つまり、コンベヤローラは、軸10を固定し、軸10に対してローラ外筒20を回転させる方式のコンベヤローラである。
【0024】
軸10には、平面取り11に次いで、順次に止め具溝12と突き当て凸部13とが加工されている。なお、突き当て凸部13は、ポンチを強圧で軸10の表面に接線方向から押し込むことによって軸10の表面の一部を膨出させるように塑性変形させる方法によって形成され、軸10に対する止め輪溝の加工手数を省くとともに、部品点数が抑える工夫がされている。ただし、この部分については、従来から慣用されている軸用の止め輪を用いることもできる。
【0025】
ローラ外筒20は、軸10より全長が短い鋼管状体であり、端部の内側面には、座繰り加工による段部21が形成されている(図2,図3)。本実施の形態に示すローラ外筒20は、直管状であるが、ローラ外筒20の外形に関しては、太鼓胴形や鼓形等、用途に応じた形態を採用することとなるものである。
【0026】
ローラ外筒20の両端に装填された軸支持部30,30は、本発明の主要部をなすものであり、それぞれ、軸受けハウジング31とベアリング32と外側ベアリングホルダ33と内側ベアリングホルダ34とセンターロック部材35とによって構成される。なお、一対の軸支持部30,30は、同一構造であるので、以下、必要な場合を除きその一方について説明する。
【0027】
軸受けハウジング31は、ローラ外筒20と同一の金属材料のプレス加工品であり、深い皿状に形成されている。軸受けハウジング31の底面31Bの中心部には、軸10を挿通させるための中心孔H1が形成されている。この際、中心孔H1の外径は、ベアリング32の内側軌道輪32Aの外径を上回るとともに、外側軌道輪32Bの内径を下回る範囲に寸法設定される。
【0028】
軸受けハウジング31は、外周エッジ部31Eをローラ外筒20端部の段部21に落とし込むように圧入した後、ローラ外筒20の端縁部22を内側に向けて曲げ込むようにかしめ加工することによってローラ外筒20と一体化されている。なお、かしめ加工に代えて溶接手段によって強固に固定してもよい。
【0029】
ベアリングホルダは、外側ベアリングホルダ33と内側ベアリングホルダ34から構成されている。そして、軸支持部30を構成する軸受けハウジング31およびベアリング32以外の部品、すなわち、外側ベアリングホルダ33及び内側ベアリングホルダ34と、センターロック部材35は、いずれも樹脂成形品である。これらの部品に使用する樹脂材料としては、機械強度に優れ、適度の弾性を有する樹脂材料、例えば、ポリアミド系の樹脂材料であるナイロン−6、ナイロン−66、MC−ナイロン(いずれも商品名)を用いることができる。その他、ABS、AS、ポリアセタール、デルリン(商品名)も本用途に適する。なお、ベアリング32は、ボールベアリングであるが、コンベヤローラの用途が低速回転の大荷重用途である場合には、ローラベアリングを採用することもできる。すなわち、ベアリングの種類は問わない。
【0030】
外側ベアリングホルダ33は、ベアリング32との関係では、ベアリング32を径方向から位置決めする略リング状の部材であるとともに、内側軌道輪32Aとの関係においては、相補的に塵埃の侵入を阻止するための迷路Rを形成する部材である。外側ベアリングホルダ33の一端面側に、ベアリング32が装填され、ベアリング32は、外側軌道輪32Bによって抱持された状態になっている。また、外側ベアリングホルダ33の他端面側には、同心配置された複数の環状リブ33Rが突設されている。
【0031】
外側ベアリングホルダ33は、ベアリング32を抱持した状態で、ベアリング32の外側軌道輪32Bが軸受けハウジング31の底面31Bに当接するに至るように手操作によって軸受けハウジング31内部に嵌装される。つまり、樹脂材料の弾性を利用して小さな挿入圧でも軸受けハウジング31との間に十分な密閉性が確保される寸法設定がされている。これを実現するために、弾力性を発揮する上記樹脂製とするとともに、ベアリング32が嵌合する側の一端側開口の内側にはテーパ33Tが形成されている。したがって、手操作でベアリング32を外側ベアリングホルダ33に嵌合させることができる一方、取り外しも容易になる。そして、ベアリング32が嵌合された外側ベアリングホルダ33を軸受けハウジング31に対して取り付けると、ベアリング32の外側軌道輪32Bは、軸受けハウジング31の底面31Bと外側軌道輪32Bとの間に挟み込まれた状態となるが、他方、弾力性を発揮する上記樹脂製であることから、軸受けハウジング31からの取り外しも容易である。なお、このとき、ベアリング32の内側軌道輪32Aは、軸10に形成した突き当て凸部13に押し付けられている。
【0032】
内側ベアリングホルダ34は、ベアリング32を軸方向について位置決めするとともに、外側ベアリングホルダ33との間に迷路Rを形成する部材である。この内側ベアリングホルダ34は、軸10の外側に嵌め込む、すなわち外嵌され、ベアリング32の内側軌道輪32Aを押さえ込むとともに、裏面に同心配置する複数の環状リブ34Rによって、外側ベアリングホルダ33との間に迷路Rを形成することができる。このとき、軸10を挿通している内側ベアリングホルダ34のボス部Bの上端は、止め具溝12の位置に一致する。ここで、迷路が形成されるとは、軸10に先順位に組み付ける外側ベアリングホルダ33と、後順位に組み付ける内側ベアリングホルダ34との対向面を、例えば、互いに複雑に入り組む凹凸リブ構造とするような、いわゆるラビリンス構成とすることを言う。このような迷路Rの存在によって、両者間から雨水や塵埃がベアリング32に侵入するのを効果的に阻止することができる。
【0033】
軸10に外嵌された内側ベアリングホルダ34は、止め具溝12に装填する略180度分に分割された状態の一対の止め具36,36によって位置決めされることとなる(図3,図4)。ただし、分割された止め具36,36は、一般の軸用止め具のように自力で止め具溝12内にとどまっていることはできず、このままでは、止め具としての機能を発揮することはできないが、次に説明するセンターロック部材35によって拘束されることによって止め具としての機能を発揮することができるようになる。
【0034】
なお、止め具36の分割数は、120度間隔の3分割、その他任意の数に分割することができる。また、分断された止め具36は、必ずしも止め具溝21の全周囲に使用しなければならないものではなく、例えば、180度分にのみ使用してもよい。止め具36の断面形状には、円形が採用されているが、円形断面に限る趣旨ではない。
【0035】
センターロック部材35は、手操作ロック手段38を介して内側ベアリングホルダ34に着脱自在に固定されて、止め具36,36を止め具溝12内に拘束する部材であり、軸10を挿通する中心孔を有する略キャップ状に形成されている。センターロック部材35の内周面には、手操作ロック手段38を構成する雌ねじS2が形成されている。一方、内側ベアリングホルダ34のボス部34Bには、手操作ロック手段38を構成する雄ねじS1が形成されている。また、センターロック部材35と内側ベアリングホルダ34の外側面には、180度配置で、それぞれ一対の指掛け35F,34Fが突設されている(図1,図3,図5)。なお、センターロック部材35の指掛け35Fの外角部には、鉤5Fが形成されている。
【0036】
すなわち、手操作ロック手段38の内容は、螺合手段であり、センターロック部材35は、内側ベアリングホルダ34にねじ止めすることができる。センターロック部材35の内周面の上位置には、止め具36,36を拘束するテーパ面35Tが形成されており、内側ベアリングホルダ34に螺着されたセンターロック部材35は、テーパ面35Tによって止め具36,36を止め具溝12内に押し込むようにして拘束している(図3)。
【0037】
センターロック部材35は、一対の指掛け35F,34Fを指先で捻る要領で左回転することによって簡単に取り外すことができる。なお、コンベヤローラの使用中においては、両者を相対回転させる向きの外力は加わらないので、センターロック部材35が不用意に脱落するようなことはない。
【0038】
上記のコンベヤローラは、軸10を中心として部品が組み付けられた、いわゆる軸物であるため、メンテナンス等の必要に際しては、軸10に組み付けた順序と逆の順序で部品を取り外すことによって簡単に分解することができる(図5)。具体的には、センターロック部材35を取り外して止め具36を抜き取ると、残る部品は、個別のロック手段を有しない嵌め合いによって組み合わさっているのみであることから、樹脂部品間または樹脂部品と金属部品間の組合せに必要とされる嵌め合い圧力相当の外力を加えることで、内側ベアリングホルダ34、外側ベアリングホルダ33の順序で軸受けハウジング31から抜き取ることができる。この際、外側ベアリングホルダ33は、ベアリング32を抱持した状態で外れるのであるが、次いで、外側ベアリングホルダ33からベアリング32を押し出すことによって、結果的に、ベアリング32の交換等を工具を用いることなく短時間内に完了することができる。
【0039】
なお、軸受けハウジング31については、ローラ外筒20と同種の金属製であるから、分別リサイクルに際してこれをローラ外筒20から取り外す必要はないし、ベアリング32のメンテナンスに際しても同様である。しかし、リサイクル過程における減容の要求等に対しては、ローラ外筒20と軸受けハウジング31を分離可能とすることもできる。この場合には、軸受けハウジング31を十分な厚みを付与した樹脂製とするとともに、かしめ固定手段を省略し、外側ベアリングホルダ33や内側ベアリングホルダ34におけると同様に、最終的に、センターロック部材35によって拘束するようにすれば、これらの部材と同様にセンターロック部材35を取り外すことによって軸受けハウジング31も取り外すことができることとなる。
【0040】
以下、本発明のコンベヤローラの他の実施の形態を説明する(図6ないし図10)。上記コンベヤローラと以下に説明するコンベヤローラとの相違点は、止め具36を脱落不能に拘束するための手操作ロック手段38が、ラッチ爪L1とラッチ受けL2との掛合による掛合手段であることである。したがって、主に相違点について説明するが、対応する部材には相互対照用の符号を付しておく。
【0041】
本実施の形態におけるコンベヤローラの全体構成は、前実施の形態と同様である(図6,図7)。なお、外側ベアリングホルダ33と内側ベアリングホルダ34との間に形成される迷路Rがやや複雑化されている。
【0042】
センターロック部材35の裏面には、180度対称位置に一対のラッチ爪L1,L1が先端部を周方向に向けて下垂している(図8(A),(B))。このラッチ爪L1は、センターロック部材35に後付けするものではなく、センターロック部材35と同じ樹脂材料によって一体成形されている。
【0043】
一方、内側ベアリングホルダ34には、センターロック部材35の一対のラッチ爪L1,L1を挿通するための一対のスリットH2,H2がラッチ爪L1,L1と同一半径位置に形成されている(図9(A),(B))。そして、各スリットH2の端部の肉厚部分がラッチ受けL2となる部分であり、ラッチ受けL2の先端部には、肉厚を増加させた戻り止めTが形成されている。
【0044】
センターロック部材35は、一対のラッチ爪L1,L1を内側ベアリングホルダ34のスリットH2,H2を通してラッチ受けL2,L2の裏面側に位置決めした後、ラッチ爪L1,L1の先端部を周方向に進行させるように回転操作することによって、各ラッチ爪L1が、ラッチ受けL2の戻り止めTを乗り越えた時点でロックされることとなる(図10)。つまり、ワンタッチロックが実現されるのである。
【0045】
なお、上記いずれの実施の形態のコンベヤローラについても、長期使用後、または長期不使用後に分解する際において、劣化したオイル成分が堆積したオイルスラッジ等による膠着が発生し、止め具溝12から止め具36が容易に分離しなかったり、外側ベアリングホルダ33からベアリング32が抜き取れなくなく場合があり得る。そして、本発明のコンベヤローラは、このような場合においても。工具を準備することなく分解作業をすることができるように工夫されている。
【0046】
前術した、センターロック部材35の指掛け35Fに設けた鉤5Fの幅は、止め具溝12の溝幅相当に設定されており、鉤5Fを止め具36によって占有されていない箇所から止め具溝12内に嵌め込んで、止め具溝12に沿って周方向にスライドさせるように操作することにより、オイルスラッジ等とともに止め具36をかき出すことができる他、鉤5Fを止め具36の端部に掛けて引き出す操作により止め具36を取り外すことができる。
【0047】
一方、ベアリング32に関しては、ベアリング32を抱持した状態の外側ベアリングホルダ33を方向転換して逆向きに軸10に取り付けた後、同様に、内側ベアリングホルダ34を逆向きに取り付け、さらに別の内側ベアリングホルダ34を正常姿勢で組み付け、軸10に沿ってこれを押し込むか、又は、軸10の方を押し込む操作によって、プーラ等の専用工具を用いることなく外側ベアリングホルダ33からベアリング32を簡単に抜き取ることができる(図11(図A),(図B))。つまり、外側ベアリングホルダ33内のベアリング32は、軸10の付き当て突部13によって位置決めされるが、外側ベアリングホルダ33自体を直接には拘束することはできない。また、軸10に逆向きに取り付けられた内側ベアリングホルダ34は、一対の指掛け34F,34Fを介して外側ベアリングホルダ33を押すことはできるが、ベアリング32自体を押すことはできない。この結果、軸10または外側に取り付けた内側ベアリングホルダ34を押す操作によって、外側ベアリングホルダ33とベアリング32との間に反対方向の力が作用し、ベアリング32を押し出したり、又、ベアリング32が抜け取れるのである。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明のコンベヤローラの実施の形態を示す側面図である。
【図2】上記実施の形態におけるコンベヤローラ縦断面図である。
【図3】上記実施の形態におけるコンベヤローラの要部拡大断面図である。
【図4】上記実施の形態におけるコンベヤローラの要部拡大断面図である。
【図5】上記実施の形態におけるコンベヤローラの要部の分解状態の拡大断面図である。
【図6】本発明のコンベヤローラ他の実施の形態を示す側面図である。
【図7】上記実施の形態におけるコンベヤローラの縦断面図である。
【図8】上記実施の形態におけるコンベヤローラの要部の縦断面図および底面図である。
【図9】上記実施の形態におけるコンベヤローラの要部の縦断面図および底面図である。
【図10】上記実施の形態におけるコンベヤローラの要部の縦断面図である。
【図11】上記実施の形態におけるコンベヤローラの分解要領を示す断面図である。
【符号の説明】
【0049】
10 軸、
13 突き当て凸部、
20 ローラ外筒、
31 軸受けハウジング、
32 ベアリング、
32A 内側軌道輪、
32B 外側軌道輪、
33 外側ベアリングホルダ、
34 内側ベアリングホルダ、
35 センターロック部材、
36 止め具(止め輪)、
38 手操作ロック手段、
R 迷路、
S1 雄ねじ、
S2 雌ねじ、
L1 ラッチ爪、
L2 ラッチ受け
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンベヤベルトの支持用途や、ローラコンベヤにおけるコンベヤローラ用途等に利用するコンベヤローラであって、工具を使用することなく分解および組立てを可能とすることによって、メンテナンスおよび分別リサイクルを容易化したコンベヤローラに関する。
【背景技術】
【0002】
単純荷役作業用のローラコンベヤを含め、各種の製造プラントにおけるワークの搬送手段としてベルトコンベヤが多用されている。今日、環境負担軽減の要求は、すべての産業分野に共通する課題であり、ベルトコンベヤのような荷役機械産業においても、安易な使い捨てや、リサイクル不能な構造に対する批判が高まりつつある。つまり、メンテナンスを経て継続使用できるものについては、そのようにし、廃棄する場合においても、異なる金属種毎に、あるいは、少なくとも金属と非金属とに分別してリサイクル可能に廃棄することが求められる。
【0003】
ここで、高頻度のメンテナンスを要求されるとともに、製品寿命を長く設定することが難しい荷役機械要素として、例えば、バッチャープラントにおいてコンクリート骨材を搬送するベルトコンベヤに使用されているコンベヤローラを例示することができる。バッチャープラントにおけるコンベヤローラは、屋外または屋外に近い状態で風雨に晒されながら、鉱物質の粉塵雰囲気内でバラストのよう不定形性の重量物を間欠的に搬送しなければならないという苛酷な条件下で使用されるからである。
【0004】
上記のような苛酷な環境下で使用されるコンベヤローラに対する設計者側の対応には、二つの方向性が見られる。
【特許文献1】特開平8−258947号公報
【特許文献2】特開2004−131228号公報
【0005】
一つの方向性は、複雑な迷路構造を有するパッキンやキャップを多用することによって軸受け用のベアリングを厳重にシールドし、苛酷な使用環境下においても長期の製品寿命を発揮することができるとするものである(特許文献1参照)。他の方向性は、これと対極的に、故障することはやむを得ないとして、故障に際しては、特殊な装置等を使用することなく簡単にベアリングを交換できるとするものである(特許文献2参照)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1に示されるものについても例外ではないが、一般論としても、故障の主な原因となるベアリングに対する厳重なシールド構造を採用するものは、軸受け部分の部品点数も多く、しかも、機械的圧入等の分解に適しない強固の組立て手段を多用することから、製品寿命の長期化の反面において、メンテナンス性とリ・ユース性やリサイクル性が犠牲になるという問題がある。例えば、ベアリングの交換やグリスアップによって継続使用可能な場合であっても、これができない場合は、コンベヤローラ全体を交換することとなることから、資源の無駄が生じる。また、廃棄処分されるコンベヤローラに関しても、金属部品と樹脂部品とを分別するのに過分の手数を要するという問題もある。ちなみに、今日では、製品価格には廃棄コストも含まれるべきであるとの考え方が主流になってきている。
【0007】
一方で、ベアリングの交換が極めて容易であるとしても、ベアリングに対するシールドが犠牲にされているならば、バッチャープラントのような粉塵環境内で使用されるベルトコンベヤ等には到底適用することができず、コンベヤローラの適用範囲が清浄環境下における使用に限定されてしまうという問題が生じる。
【0008】
本発明は、本質的に粉塵を嫌う機械要素であるベアリングに対する必要なシールド性が必要十分に確保されることを前提としながら、樹脂と金属との使い分け、および樹脂部品と樹脂部品との連結方法、軸に組み付ける部品の位置決め用の止め具に対する工夫等によって、コンベヤローラの強度確保の観点から避けることができない金属部品相互の機械圧入部分を除き、無工具での分解組立てを可能にすることによって、高度のメンテナンス性とリ・ユース適合性やリサイクル適合性とを両立したコンベヤローラを適することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の請求項1に記載のコンベヤローラは、軸に取り付けられるベアリングを介してローラ外筒が回転状態におかれるコンベヤローラにおいて、ローラ外筒の両端側の開口部にそれぞれ固定する軸受けハウジングと、ベアリングを着脱自在に抱持するベアリングホルダと、軸に対してベアリングホルダを位置決めする止め具と、止め具を介してベアリングホルダに固定するセンターロック部材とを備え、センターロック部材は、手操作ロック手段による手操作によりベアリングホルダに対する固定とその取り外しができ、前記止め具は、軸から着脱自在とされるとともに、ベアリングホルダを固定する方向では、センターロック部材により止め具が軸から離脱不能に拘束されることを特徴とする。
【0010】
本発明によれば、センターロック部材は、手操作ロック手段によって内側ベアリングホルダに固定されており、手操作によってベアリングホルダから取り外すことができ、センターロック部材を取り外すと、ベアリングホルダを位置決めしている止め具が軸から外れる。この止め具は、軸から着脱自在とされており、センターロック部材によって離脱不能に拘束されていたものであるから、拘束部材であるところのセンターロック部材が取り外されたことによって、容易に外れる状態になる。手で止め具を外すと、ベアリングホルダを軸に沿って軸端側にスライドさせる操作によって、ベアリングホルダを軸から取り外すことができる。このような、分解要領は、ローラ外筒の他端側の軸受けハウジングについても同様である。
これによって軸を支持している全ての部材を工具を使用することなく組立て前の部品単位に分解することができる。なお、ローラ外筒と軸受けハウジングについては、金属製であって機械力による圧入手段やかしめ手段、溶接等によって一体化されるのが通常であり、このような部分については、手操作によって分解することはできないが、例えば、軸受けハウジングを樹脂製とするとともに、軸受けハウジング自体についても最終的にセンターロック部材によって拘束する構成とすることにより、これを分解可能にすることも可能である。
他方、この取り外しとは逆に、組立も、工具を使用せずに手で組み立てることができる。つまり、軸をローラ外筒に貫通させた状態にして、ベアリングホルダに抱持されたベアリングを軸に取り付けてから、着脱可能な止め具を介してセンターロック部材をベアリングホルダに固定すれば、かかる組立を手で行うことができる。
【0011】
本発明の請求項2に記載のコンベヤローラは、前記ベアリングホルダは、外側ベアリングホルダと内側ベアリングホルダとからなり、軸に軸表面の塑性変形加工による突き当て凸部が形成され、ベアリングの内側軌道輪が内側ベアリングホルダと突き当て凸部との間に挟まれて位置決めされ、外側ベアリングホルダがベアリングの外側軌道輪を抱持し軸受けハウジング内に嵌装されていることを特徴とする。
【0012】
本発明によれば、ベアリングが突き当て凸部と内側ベアリングホルダとの間に挟み込まれことによって、軸との動作上の一体性が高められ、軸とベアリングの内側軌道輪との間に相対回転が発生しないので、ベアリング本来の機能が担保される。また、突き当て凸部は、ベアリングを挟んで内側ベアリングホルダの反対側に位置することとなるので、分解および組立て作業の支障とはならない。
【0013】
本発明の請求項3に記載のコンベヤローラは、少なくとも前記外側ベアリングホルダと内側ベアリングホルダとセンターロック部材とは、いずれも樹脂材料からなり、ベアリングは、樹脂材料の弾性によって外側ベアリングホルダに弾性抱持されるとともに、外側ベアリングホルダは軸受けハウジングに弾性嵌装されることを特徴とする。
【0014】
本発明によれば、上述したように、手で止め具を外すと、ベアリングホルダを軸に沿って軸端側にスライドさせる操作によって、内側ベアリングホルダを軸から取り外すことができる。内側ベアリングホルダは、単に軸に外嵌されているだけであるからである。内側ベアリングホルダが外されると、ベアリングを拘束している部材は、ベアリングの外側軌道輪を抱持している外側ベアリングホルダのみとなる。この外側ベアリングホルダは、素材として選択した樹脂材料の弾性変形を利用しての弾性嵌装によって軸受けハウジング内に嵌装されており、したがって、ベアリングを抱持した状態のまま、手操作によって軸受けハウジングから引き抜くことが可能である。また、外側ベアリングホルダによって抱持されているベアリングは、同様に樹脂材料による弾性抱持であることから、手操作によって外側ベアリングホルダから引き抜くことができる。
【0015】
本発明の請求項4に記載のコンベヤローラは、センターロック部材が手操作用の指掛けを備え、手操作ロック手段が、センターロック部材に形成する雄ねじまたは雌ねじと、内側ベアリングホルダに形成する雌ねじまたは雄ねじとの螺合による螺合手段であることを特徴とする。
【0016】
上記発明において、センターロック部材および内側ベアリングホルダは、いずれも樹脂材料からなり、これらの部材に形成される雄ねじまたは雌ねじのねじ山は、金属ねじに較べて容易に変形させることができる。したがって、両者の螺合状態は、適切に螺合仕切った後も、なお、ねじ山を変形させながら容易に相対回転させることができる弾性螺合状態となる。そこで、センターロック部材に手操作用の指掛けを設けておくことによって、工具を使用することなくセンターロック部材を脱着することができる。
【0017】
本発明の請求項5に記載のコンベヤローラは、センターロック部材が手操作用の指掛けを備え、手操作ロック手段が、センターロック部材に形成するラッチ爪またはラッチ受けと、内側ベアリングホルダに形成するラッチ受けとからなり、軸を中心としてセンターロック部材を回転操作した際に互いに掛合する掛合手段であることを特徴とする。
【0018】
上記発明における手操作ロック手段は、樹脂材料からなるラッチ爪とラッチ受けとの掛合による、いわゆるラッチロック機構の一種であり、操作量が少なくて済むというラッチロック機構の一般的特性を発揮することができる。すなわち、センターロック部材を何回転も操作することなく僅かの操作量でセンターロック部材を脱着することができる。
【0019】
ここで、前記止め具としては、軸から離脱可能なものが適用可能であり、例えばリング(止め輪)状のものが分断されている構成とすることができる。ここに「分断され」とは、全形のものを分断したもののほか、当初より分断された状態に製造したものを含むものとする。例えば、従来の通常の止め具を360度のリングであるとすると、その略180度分に分断されたものや、略180度分ずつや、これらよりも角度や径が小さく分断され、3分割以上に分断したもの等が適用可能であり、これらの構成により手で着脱可能になる。
【発明の効果】
【0020】
本発明のコンベヤローラは、少なくとも外側ベアリングホルダと内側ベアリングホルダとセンターロック部材の素材に樹脂材料を使用し、隣接する部材と樹脂材料の弾性変形を利用して一体化するとともに、軸を支持するベアリングを外側ベアリングホルダによって外周側から抱持し、また、内側ベアリングホルダによってベアリングの端面側を塞ぐように構成することができるので、必要なシールド性を確保することが容易であって、さらに、内側ベアリングホルダを分断した止め具によって位置決めするとともに、止め具が軸から離脱しないようにセンターロック部材によって拘束し、センターロック部材を、手操作ロック手段を介して内側ベアリングホルダに固定する構成とすることによって、手操作ロック手段を解除してセンターロック部材を取り外すことによって、全ての部材を工具を使用することなく部品単位に分解することが可能であり、高度のメンテナンス性とリユース適合性とを実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、図面を引用しながら本発明のコンベヤローラの実施の形態を説明する。
【0022】
コンベヤローラは、軸10と、ローラ外筒20と、ローラ外筒20の両端部に装填する軸支持部30,30とからなる(図1,図2)。
【0023】
軸10は、鋼材の丸棒状体であり、軸10の各端部には、任意形式のベルトコンベヤやローラコンベヤのシャーシに固定するための平面取り11により加工がされている。つまり、コンベヤローラは、軸10を固定し、軸10に対してローラ外筒20を回転させる方式のコンベヤローラである。
【0024】
軸10には、平面取り11に次いで、順次に止め具溝12と突き当て凸部13とが加工されている。なお、突き当て凸部13は、ポンチを強圧で軸10の表面に接線方向から押し込むことによって軸10の表面の一部を膨出させるように塑性変形させる方法によって形成され、軸10に対する止め輪溝の加工手数を省くとともに、部品点数が抑える工夫がされている。ただし、この部分については、従来から慣用されている軸用の止め輪を用いることもできる。
【0025】
ローラ外筒20は、軸10より全長が短い鋼管状体であり、端部の内側面には、座繰り加工による段部21が形成されている(図2,図3)。本実施の形態に示すローラ外筒20は、直管状であるが、ローラ外筒20の外形に関しては、太鼓胴形や鼓形等、用途に応じた形態を採用することとなるものである。
【0026】
ローラ外筒20の両端に装填された軸支持部30,30は、本発明の主要部をなすものであり、それぞれ、軸受けハウジング31とベアリング32と外側ベアリングホルダ33と内側ベアリングホルダ34とセンターロック部材35とによって構成される。なお、一対の軸支持部30,30は、同一構造であるので、以下、必要な場合を除きその一方について説明する。
【0027】
軸受けハウジング31は、ローラ外筒20と同一の金属材料のプレス加工品であり、深い皿状に形成されている。軸受けハウジング31の底面31Bの中心部には、軸10を挿通させるための中心孔H1が形成されている。この際、中心孔H1の外径は、ベアリング32の内側軌道輪32Aの外径を上回るとともに、外側軌道輪32Bの内径を下回る範囲に寸法設定される。
【0028】
軸受けハウジング31は、外周エッジ部31Eをローラ外筒20端部の段部21に落とし込むように圧入した後、ローラ外筒20の端縁部22を内側に向けて曲げ込むようにかしめ加工することによってローラ外筒20と一体化されている。なお、かしめ加工に代えて溶接手段によって強固に固定してもよい。
【0029】
ベアリングホルダは、外側ベアリングホルダ33と内側ベアリングホルダ34から構成されている。そして、軸支持部30を構成する軸受けハウジング31およびベアリング32以外の部品、すなわち、外側ベアリングホルダ33及び内側ベアリングホルダ34と、センターロック部材35は、いずれも樹脂成形品である。これらの部品に使用する樹脂材料としては、機械強度に優れ、適度の弾性を有する樹脂材料、例えば、ポリアミド系の樹脂材料であるナイロン−6、ナイロン−66、MC−ナイロン(いずれも商品名)を用いることができる。その他、ABS、AS、ポリアセタール、デルリン(商品名)も本用途に適する。なお、ベアリング32は、ボールベアリングであるが、コンベヤローラの用途が低速回転の大荷重用途である場合には、ローラベアリングを採用することもできる。すなわち、ベアリングの種類は問わない。
【0030】
外側ベアリングホルダ33は、ベアリング32との関係では、ベアリング32を径方向から位置決めする略リング状の部材であるとともに、内側軌道輪32Aとの関係においては、相補的に塵埃の侵入を阻止するための迷路Rを形成する部材である。外側ベアリングホルダ33の一端面側に、ベアリング32が装填され、ベアリング32は、外側軌道輪32Bによって抱持された状態になっている。また、外側ベアリングホルダ33の他端面側には、同心配置された複数の環状リブ33Rが突設されている。
【0031】
外側ベアリングホルダ33は、ベアリング32を抱持した状態で、ベアリング32の外側軌道輪32Bが軸受けハウジング31の底面31Bに当接するに至るように手操作によって軸受けハウジング31内部に嵌装される。つまり、樹脂材料の弾性を利用して小さな挿入圧でも軸受けハウジング31との間に十分な密閉性が確保される寸法設定がされている。これを実現するために、弾力性を発揮する上記樹脂製とするとともに、ベアリング32が嵌合する側の一端側開口の内側にはテーパ33Tが形成されている。したがって、手操作でベアリング32を外側ベアリングホルダ33に嵌合させることができる一方、取り外しも容易になる。そして、ベアリング32が嵌合された外側ベアリングホルダ33を軸受けハウジング31に対して取り付けると、ベアリング32の外側軌道輪32Bは、軸受けハウジング31の底面31Bと外側軌道輪32Bとの間に挟み込まれた状態となるが、他方、弾力性を発揮する上記樹脂製であることから、軸受けハウジング31からの取り外しも容易である。なお、このとき、ベアリング32の内側軌道輪32Aは、軸10に形成した突き当て凸部13に押し付けられている。
【0032】
内側ベアリングホルダ34は、ベアリング32を軸方向について位置決めするとともに、外側ベアリングホルダ33との間に迷路Rを形成する部材である。この内側ベアリングホルダ34は、軸10の外側に嵌め込む、すなわち外嵌され、ベアリング32の内側軌道輪32Aを押さえ込むとともに、裏面に同心配置する複数の環状リブ34Rによって、外側ベアリングホルダ33との間に迷路Rを形成することができる。このとき、軸10を挿通している内側ベアリングホルダ34のボス部Bの上端は、止め具溝12の位置に一致する。ここで、迷路が形成されるとは、軸10に先順位に組み付ける外側ベアリングホルダ33と、後順位に組み付ける内側ベアリングホルダ34との対向面を、例えば、互いに複雑に入り組む凹凸リブ構造とするような、いわゆるラビリンス構成とすることを言う。このような迷路Rの存在によって、両者間から雨水や塵埃がベアリング32に侵入するのを効果的に阻止することができる。
【0033】
軸10に外嵌された内側ベアリングホルダ34は、止め具溝12に装填する略180度分に分割された状態の一対の止め具36,36によって位置決めされることとなる(図3,図4)。ただし、分割された止め具36,36は、一般の軸用止め具のように自力で止め具溝12内にとどまっていることはできず、このままでは、止め具としての機能を発揮することはできないが、次に説明するセンターロック部材35によって拘束されることによって止め具としての機能を発揮することができるようになる。
【0034】
なお、止め具36の分割数は、120度間隔の3分割、その他任意の数に分割することができる。また、分断された止め具36は、必ずしも止め具溝21の全周囲に使用しなければならないものではなく、例えば、180度分にのみ使用してもよい。止め具36の断面形状には、円形が採用されているが、円形断面に限る趣旨ではない。
【0035】
センターロック部材35は、手操作ロック手段38を介して内側ベアリングホルダ34に着脱自在に固定されて、止め具36,36を止め具溝12内に拘束する部材であり、軸10を挿通する中心孔を有する略キャップ状に形成されている。センターロック部材35の内周面には、手操作ロック手段38を構成する雌ねじS2が形成されている。一方、内側ベアリングホルダ34のボス部34Bには、手操作ロック手段38を構成する雄ねじS1が形成されている。また、センターロック部材35と内側ベアリングホルダ34の外側面には、180度配置で、それぞれ一対の指掛け35F,34Fが突設されている(図1,図3,図5)。なお、センターロック部材35の指掛け35Fの外角部には、鉤5Fが形成されている。
【0036】
すなわち、手操作ロック手段38の内容は、螺合手段であり、センターロック部材35は、内側ベアリングホルダ34にねじ止めすることができる。センターロック部材35の内周面の上位置には、止め具36,36を拘束するテーパ面35Tが形成されており、内側ベアリングホルダ34に螺着されたセンターロック部材35は、テーパ面35Tによって止め具36,36を止め具溝12内に押し込むようにして拘束している(図3)。
【0037】
センターロック部材35は、一対の指掛け35F,34Fを指先で捻る要領で左回転することによって簡単に取り外すことができる。なお、コンベヤローラの使用中においては、両者を相対回転させる向きの外力は加わらないので、センターロック部材35が不用意に脱落するようなことはない。
【0038】
上記のコンベヤローラは、軸10を中心として部品が組み付けられた、いわゆる軸物であるため、メンテナンス等の必要に際しては、軸10に組み付けた順序と逆の順序で部品を取り外すことによって簡単に分解することができる(図5)。具体的には、センターロック部材35を取り外して止め具36を抜き取ると、残る部品は、個別のロック手段を有しない嵌め合いによって組み合わさっているのみであることから、樹脂部品間または樹脂部品と金属部品間の組合せに必要とされる嵌め合い圧力相当の外力を加えることで、内側ベアリングホルダ34、外側ベアリングホルダ33の順序で軸受けハウジング31から抜き取ることができる。この際、外側ベアリングホルダ33は、ベアリング32を抱持した状態で外れるのであるが、次いで、外側ベアリングホルダ33からベアリング32を押し出すことによって、結果的に、ベアリング32の交換等を工具を用いることなく短時間内に完了することができる。
【0039】
なお、軸受けハウジング31については、ローラ外筒20と同種の金属製であるから、分別リサイクルに際してこれをローラ外筒20から取り外す必要はないし、ベアリング32のメンテナンスに際しても同様である。しかし、リサイクル過程における減容の要求等に対しては、ローラ外筒20と軸受けハウジング31を分離可能とすることもできる。この場合には、軸受けハウジング31を十分な厚みを付与した樹脂製とするとともに、かしめ固定手段を省略し、外側ベアリングホルダ33や内側ベアリングホルダ34におけると同様に、最終的に、センターロック部材35によって拘束するようにすれば、これらの部材と同様にセンターロック部材35を取り外すことによって軸受けハウジング31も取り外すことができることとなる。
【0040】
以下、本発明のコンベヤローラの他の実施の形態を説明する(図6ないし図10)。上記コンベヤローラと以下に説明するコンベヤローラとの相違点は、止め具36を脱落不能に拘束するための手操作ロック手段38が、ラッチ爪L1とラッチ受けL2との掛合による掛合手段であることである。したがって、主に相違点について説明するが、対応する部材には相互対照用の符号を付しておく。
【0041】
本実施の形態におけるコンベヤローラの全体構成は、前実施の形態と同様である(図6,図7)。なお、外側ベアリングホルダ33と内側ベアリングホルダ34との間に形成される迷路Rがやや複雑化されている。
【0042】
センターロック部材35の裏面には、180度対称位置に一対のラッチ爪L1,L1が先端部を周方向に向けて下垂している(図8(A),(B))。このラッチ爪L1は、センターロック部材35に後付けするものではなく、センターロック部材35と同じ樹脂材料によって一体成形されている。
【0043】
一方、内側ベアリングホルダ34には、センターロック部材35の一対のラッチ爪L1,L1を挿通するための一対のスリットH2,H2がラッチ爪L1,L1と同一半径位置に形成されている(図9(A),(B))。そして、各スリットH2の端部の肉厚部分がラッチ受けL2となる部分であり、ラッチ受けL2の先端部には、肉厚を増加させた戻り止めTが形成されている。
【0044】
センターロック部材35は、一対のラッチ爪L1,L1を内側ベアリングホルダ34のスリットH2,H2を通してラッチ受けL2,L2の裏面側に位置決めした後、ラッチ爪L1,L1の先端部を周方向に進行させるように回転操作することによって、各ラッチ爪L1が、ラッチ受けL2の戻り止めTを乗り越えた時点でロックされることとなる(図10)。つまり、ワンタッチロックが実現されるのである。
【0045】
なお、上記いずれの実施の形態のコンベヤローラについても、長期使用後、または長期不使用後に分解する際において、劣化したオイル成分が堆積したオイルスラッジ等による膠着が発生し、止め具溝12から止め具36が容易に分離しなかったり、外側ベアリングホルダ33からベアリング32が抜き取れなくなく場合があり得る。そして、本発明のコンベヤローラは、このような場合においても。工具を準備することなく分解作業をすることができるように工夫されている。
【0046】
前術した、センターロック部材35の指掛け35Fに設けた鉤5Fの幅は、止め具溝12の溝幅相当に設定されており、鉤5Fを止め具36によって占有されていない箇所から止め具溝12内に嵌め込んで、止め具溝12に沿って周方向にスライドさせるように操作することにより、オイルスラッジ等とともに止め具36をかき出すことができる他、鉤5Fを止め具36の端部に掛けて引き出す操作により止め具36を取り外すことができる。
【0047】
一方、ベアリング32に関しては、ベアリング32を抱持した状態の外側ベアリングホルダ33を方向転換して逆向きに軸10に取り付けた後、同様に、内側ベアリングホルダ34を逆向きに取り付け、さらに別の内側ベアリングホルダ34を正常姿勢で組み付け、軸10に沿ってこれを押し込むか、又は、軸10の方を押し込む操作によって、プーラ等の専用工具を用いることなく外側ベアリングホルダ33からベアリング32を簡単に抜き取ることができる(図11(図A),(図B))。つまり、外側ベアリングホルダ33内のベアリング32は、軸10の付き当て突部13によって位置決めされるが、外側ベアリングホルダ33自体を直接には拘束することはできない。また、軸10に逆向きに取り付けられた内側ベアリングホルダ34は、一対の指掛け34F,34Fを介して外側ベアリングホルダ33を押すことはできるが、ベアリング32自体を押すことはできない。この結果、軸10または外側に取り付けた内側ベアリングホルダ34を押す操作によって、外側ベアリングホルダ33とベアリング32との間に反対方向の力が作用し、ベアリング32を押し出したり、又、ベアリング32が抜け取れるのである。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明のコンベヤローラの実施の形態を示す側面図である。
【図2】上記実施の形態におけるコンベヤローラ縦断面図である。
【図3】上記実施の形態におけるコンベヤローラの要部拡大断面図である。
【図4】上記実施の形態におけるコンベヤローラの要部拡大断面図である。
【図5】上記実施の形態におけるコンベヤローラの要部の分解状態の拡大断面図である。
【図6】本発明のコンベヤローラ他の実施の形態を示す側面図である。
【図7】上記実施の形態におけるコンベヤローラの縦断面図である。
【図8】上記実施の形態におけるコンベヤローラの要部の縦断面図および底面図である。
【図9】上記実施の形態におけるコンベヤローラの要部の縦断面図および底面図である。
【図10】上記実施の形態におけるコンベヤローラの要部の縦断面図である。
【図11】上記実施の形態におけるコンベヤローラの分解要領を示す断面図である。
【符号の説明】
【0049】
10 軸、
13 突き当て凸部、
20 ローラ外筒、
31 軸受けハウジング、
32 ベアリング、
32A 内側軌道輪、
32B 外側軌道輪、
33 外側ベアリングホルダ、
34 内側ベアリングホルダ、
35 センターロック部材、
36 止め具(止め輪)、
38 手操作ロック手段、
R 迷路、
S1 雄ねじ、
S2 雌ねじ、
L1 ラッチ爪、
L2 ラッチ受け
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸に取り付けられるベアリングを介してローラ外筒が回転状態におかれるコンベヤローラにおいて、
ローラ外筒の両端側の開口部にそれぞれ固定する軸受けハウジングと、ベアリングを着脱自在に抱持するベアリングホルダと、軸に対してベアリングホルダを位置決めする止め具と、止め具を介してベアリングホルダに固定するセンターロック部材とを備え、
センターロック部材は、手操作ロック手段による手操作によりベアリングホルダに対する固定とその取り外しができ、
前記止め具は、軸から着脱自在とされるとともに、ベアリングホルダを固定する方向では、センターロック部材により止め具が軸から離脱不能に拘束されることを特徴とするコンベヤローラ。
【請求項2】
前記ベアリングホルダは、外側ベアリングホルダと内側ベアリングホルダとからなり、前記軸に軸表面の塑性変形加工による突き当て凸部が形成され、前記ベアリングの内側軌道輪が前記内側ベアリングホルダと突き当て凸部との間に挟まれて位置決めされ、外側ベアリングホルダがベアリングの外側軌道輪を抱持し軸受けハウジング内に嵌装されていることを特徴とする請求項1記載のコンベヤローラ。
【請求項3】
少なくとも前記外側ベアリングホルダと内側ベアリングホルダとセンターロック部材とは、いずれも樹脂材料からなり、ベアリングは、樹脂材料の弾性によって外側ベアリングホルダに弾性抱持されるとともに、外側ベアリングホルダは軸受けハウジングに弾性嵌装されることを特徴とする請求項2記載のコンベヤローラ。
【請求項4】
前記センターロック部材が手操作用の指掛けを備え、前記手操作ロック手段が、前記センターロック部材に形成する雄ねじまたは雌ねじと、前記内側ベアリングホルダに形成する雌ねじまたは雄ねじとの螺合による螺合手段であることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項記載のコンベヤローラ。
【請求項5】
前記センターロック部材が手操作用の指掛けを備え、前記手操作ロック手段が、前記センターロック部材に形成するラッチ爪またはラッチ受けと、前記内側ベアリングホルダに形成するラッチ受けまたはラッチ爪とからなり、軸を中心としてセンターロック部材を回転操作した際にラッチ爪とラッチ受けとが互いに掛合する掛合手段であることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項記載のコンベヤローラ。
【請求項1】
軸に取り付けられるベアリングを介してローラ外筒が回転状態におかれるコンベヤローラにおいて、
ローラ外筒の両端側の開口部にそれぞれ固定する軸受けハウジングと、ベアリングを着脱自在に抱持するベアリングホルダと、軸に対してベアリングホルダを位置決めする止め具と、止め具を介してベアリングホルダに固定するセンターロック部材とを備え、
センターロック部材は、手操作ロック手段による手操作によりベアリングホルダに対する固定とその取り外しができ、
前記止め具は、軸から着脱自在とされるとともに、ベアリングホルダを固定する方向では、センターロック部材により止め具が軸から離脱不能に拘束されることを特徴とするコンベヤローラ。
【請求項2】
前記ベアリングホルダは、外側ベアリングホルダと内側ベアリングホルダとからなり、前記軸に軸表面の塑性変形加工による突き当て凸部が形成され、前記ベアリングの内側軌道輪が前記内側ベアリングホルダと突き当て凸部との間に挟まれて位置決めされ、外側ベアリングホルダがベアリングの外側軌道輪を抱持し軸受けハウジング内に嵌装されていることを特徴とする請求項1記載のコンベヤローラ。
【請求項3】
少なくとも前記外側ベアリングホルダと内側ベアリングホルダとセンターロック部材とは、いずれも樹脂材料からなり、ベアリングは、樹脂材料の弾性によって外側ベアリングホルダに弾性抱持されるとともに、外側ベアリングホルダは軸受けハウジングに弾性嵌装されることを特徴とする請求項2記載のコンベヤローラ。
【請求項4】
前記センターロック部材が手操作用の指掛けを備え、前記手操作ロック手段が、前記センターロック部材に形成する雄ねじまたは雌ねじと、前記内側ベアリングホルダに形成する雌ねじまたは雄ねじとの螺合による螺合手段であることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項記載のコンベヤローラ。
【請求項5】
前記センターロック部材が手操作用の指掛けを備え、前記手操作ロック手段が、前記センターロック部材に形成するラッチ爪またはラッチ受けと、前記内側ベアリングホルダに形成するラッチ受けまたはラッチ爪とからなり、軸を中心としてセンターロック部材を回転操作した際にラッチ爪とラッチ受けとが互いに掛合する掛合手段であることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項記載のコンベヤローラ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2009−208944(P2009−208944A)
【公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−56020(P2008−56020)
【出願日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【出願人】(502127272)株式会社直江鉄工 (2)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【出願人】(502127272)株式会社直江鉄工 (2)
【Fターム(参考)】
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