説明

コンベヤ上への車両移載装置

【課題】前後車輪間の距離が一定でない各種車両をコンベヤ上へ移載し得る構造簡単な移載装置を提供する。
【解決手段】昇降体5上の前側車輪支持手段6には、前輪Wfを搬送方向に関して定位置で支持する閉じ姿勢と当該前輪Wfの搬送方向への脱出を許す開放姿勢との間で水平に開閉自在な前後一対の車輪支持アーム29a,29bが設けられ、昇降体5上の後ろ側車輪支持手段7には、搬送方向に関する位置決めをしないで後輪Wrを支持する車輪支持板38が、水平姿勢と搬送方向へ前下がりに傾斜する傾斜姿勢とに切換え自在に設けられ、前側車輪支持手段6の閉じ姿勢にある車輪支持アーム29a,29bと後ろ側車輪支持手段7の水平姿勢にある車輪支持板38とで車両Cを支持した昇降体5が少なくともコンベヤ1上に車両Cを移載する下降限位置にあるとき、後ろ側車輪支持手段7の車輪支持板38を傾斜姿勢とする姿勢切換え手段40が設けられた構成。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばトロリーコンベヤで搬送されてきた車両(車輪が既に取り付けられている自動車の車体など)をスラットコンベヤへ降ろすのに活用できるコンベヤ上への車両移載装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車組立てラインにおいて、車輪が既に取り付けられている自動車の車体など(以下、車両という)をトロリーコンベヤで搬送する場合には、当該車両の車体をハンガーで支持して吊り下げ搬送するのが一般的であるから、その車両を例えばスラットコンベヤ上へ降ろす場合には、当該車両の車体ではなく車輪を支持して前記ハンガーから車両を受け取る昇降自在な車両移載装置が使用される。而して、この種のコンベヤ上への車両移載装置には、車両を定位置で安定的に支持するために、車輪を搬送方向に関して定位置で支持する閉じ姿勢と当該車輪の搬送方向への脱出を許す開放姿勢との間で水平に開閉自在な前後一対の車輪支持アームが車輪支持手段として使用されるのであるが、非特許文献1に示すように、従来のこの種のコンベヤ上への車両移載装置では、車両の前輪を支持する前側車輪支持手段と車両の後輪を支持する後ろ側車輪支持手段の両方を、開閉自在な前後一対の車輪支持アームから構成するものであった。
【非特許文献1】特願2007−18647
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記のような開閉自在な前後一対の車輪支持アームから構成された車輪支持手段は、閉じ姿勢の前後一対の車輪支持アームが支持する車輪の位置が前後方向に関して一定位置に決まるものであるから、車両の前輪を支持する前側車輪支持手段と車両の後輪を支持する後ろ側車輪支持手段の両方を、開閉自在な前後一対の車輪支持アームから構成した場合、前後の車輪間の距離が一定でなければならないことになる。一方、近年の自動車の組立てラインでは、前後の車輪間の距離が異なる複数サイズの車両を取り扱うのが一般的になっているので、このような前後の車輪間の距離が異なる複数サイズの車両を1つの車両移載装置で取り扱えるようにするため、従来は、非特許文献1に示すように、前側車輪支持手段と後ろ側車輪支持手段との間の間隔を変更可能に構成していた。従って、移載装置そのものの構成が非常に複雑になって高価になるばかりでなく、前後の車輪支持手段間の間隔をそのとき取り扱う車両の前後の車輪間の距離に応じてリアルタイムに且つ正確に調整する必要があるため、移載のサイクルタイムが長くなる恐れも生じる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は上記のような従来の問題点を解消し得るコンベヤ上への車両移載装置を提供することを目的とするものであって、請求項1に記載のコンベヤ上への車両移載装置は、後述する実施形態の参照符号を付して示すと、車輪Wf,Wrを介して車両Cを支持搬送するコンベヤ1に対して昇降する昇降体5を備え、この昇降体5には、前記コンベヤ1の上方所定高さ位置で車両Cの搬送方向前側の車輪(前輪Wf)と搬送方向後ろ側の車輪(後輪Wr)とを各別に支持する前側車輪支持手段6と後ろ側車輪支持手段7とが設けられ、前側車輪支持手段6と後ろ側車輪支持手段7の何れか一方の車輪支持手段6には、車輪(前輪Wf)を搬送方向に関して定位置で支持する閉じ姿勢と当該車輪(前輪Wf)の搬送方向への脱出を許す開放姿勢との間で水平に開閉自在な前後一対の車輪支持アーム29a,29bが設けられ、他方の車輪支持手段7には、搬送方向に関する位置決めをしないで車輪(後輪Wr)を支持する車輪支持板38が、水平姿勢と搬送方向へ前下がりに傾斜する傾斜姿勢とに切換え自在に設けられ、一方の車輪支持手段6の閉じ姿勢にある車輪支持アーム29a,29bと他方の車輪支持手段7の水平姿勢にある車輪支持板38とで車両Cを支持した前記昇降体5が少なくとも前記コンベヤ1上に車両Cを移載する下降限位置にあるとき、他方の車輪支持手段7の前記車輪支持板38を前記傾斜姿勢とする姿勢切換え手段40が設けられた構成となっている。
【0005】
上記構成の本発明を実施するについて、具体的には請求項2に記載のように、前記コンベヤ1は、車両の左右両側の車輪を各別に支持搬送する左右一対のコンベヤユニット1A,1Bから構成し、前記昇降体5は両コンベヤユニット1A,1B間に配設し、一方の車輪支持手段6は、1つの前記昇降体5上に設けられた左右一組の車輪支持アーム29a,29bで構成し、他方の車輪支持手段7には、中央部が1つの前記昇降体5上に支持されて左右両側のコンベヤユニット1A,1B上に張り出す1つの車輪支持板38を設けることができる。
【0006】
又、請求項3に記載のように、前記昇降体5は、前記コンベヤ1の搬送方向と平行に往復移動自在な台車2上に設け、当該台車2の往復移動により、コンベヤ1の上方で車両Cを受け取る車両受取り位置(後退限位置P1)と前記コンベヤ1上へ車両Cを移載する車両移載位置(前進限位置P2)との間で前記昇降体5を往復移動させるように構成することができる。
【0007】
更に、請求項4に記載のように、他方の車輪支持手段7の前記車輪支持板38は、搬送方向の前端部側を支点(左右水平支軸49)にして後端部側が上下動するように支持し、前記昇降体5を支持する側(台車2)には、前記昇降体5が前記下降限位置に達したときに前記車輪支持板38が前記傾斜姿勢となるように、当該昇降体5の下降に伴って相対的に前記車輪支持板38の後端部を突き上げる突き上げ具52を立設し、この突き上げ具52により前記姿勢切換え手段40を構成することができる。
【0008】
又、請求項5に記載のように、前記昇降体5が少なくとも前記コンベヤ1上に車両Cを移載する下降限位置にあって、他方の車輪支持手段7の傾斜姿勢にある前記車輪支持板38上から車輪(後輪Wr)が前記コンベヤ1上に乗り移った後、当該傾斜姿勢にある車輪支持板38の前端部を前記コンベヤ1上から所定高さまで上げるための押し上げ手段41を併設することができる。この場合、請求項6に記載のように、他方の車輪支持手段7の前記車輪支持板38は、搬送方向の前端部側を支点(左右水平支軸49)にして後端部側が上下動するように支持し、前記昇降体5を支持する側(台車2)には、前記昇降体5が前記下降限位置に達したときに前記車輪支持板38が前記傾斜姿勢となるように、当該昇降体5の下降に伴って相対的に前記車輪支持板38の後端部を突き上げる突き上げ具52を立設し、この突き上げ具52により前記姿勢切換え手段40を構成し、前記車輪支持板38の搬送方向の前端部には、前記昇降体5を支持する側(台車2)に設けられた支持面50上を前後方向に転動自在で前記支点となるローラー51a,51bを軸支し、前記押し上げ手段41は、前記車輪支持板38の前端部を突き上げるプッシャー57と、当該プッシャー57を前記昇降体5に対して昇降駆動するアクチュエーター58とから構成することができる。
【発明の効果】
【0009】
上記請求項1に記載の本発明に係るコンベヤ上への車両移載装置によれば、上昇位置にある昇降体上の前側車輪支持手段と後ろ側車輪支持手段とで車両の前側車輪と後ろ側車輪とを支持させた状態で、当該前側車輪支持手段と後ろ側車輪支持手段とがコンベヤ上に接近する下降限位置まで下降させ、この状態で、前後両車輪支持手段の内、一方の車輪支持手段の開閉自在な前後一対の車輪支持アームを、車輪を支持する閉じ姿勢から開放姿勢に開動させることにより、当該前後一対の車輪支持アームで支持している車輪をコンベヤ上に乗り移らせる。このとき、他方の車輪支持手段の車輪支持板が姿勢切換え手段により前下がりの傾斜姿勢に切り換えられているので、先にコンベヤ上に乗り移った車輪がコンベヤ側の送り作用を受けて搬送方向に送られることに伴って、車輪支持板上に支持されている車輪が、当該車輪支持板が前下がりに傾斜していることもあって、円滑に搬送方向に転動し、コンベヤ上に乗り移ることができる。
【0010】
即ち、前後両車輪支持手段の内、一方の車輪支持手段のみが、車輪を定位置で支持する水平に開閉自在な前後一対の車輪支持アームから成るもので、他方の車輪支持手段は、車輪支持板により搬送方向に関して位置決めしないで車輪を支持するものであるから、前後両車輪間の距離が前記車輪支持板の搬送方向の幅(長さ)の範囲内で変動する車両でありさえすれば、閉じ姿勢の前後一対の車輪支持アームで支持される側の車輪を基準にして車両を確実に定位置に位置決めした状態で安全にコンベヤ上に移載することができる。
【0011】
しかも、前記車輪支持板側は、コンベヤの上方所定高さで車両を受け取った状態から、コンベヤ上に車両を移載する下降限位置に達するまでは水平姿勢としておくので、最初から前下がりに傾斜する車輪支持板で車輪を支持させるときのように、支持した車両に搬送方向への推力を与えてしまうことがなく、閉じ姿勢の前後一対の車輪支持アームに対する車輪の嵌合深さが浅くとも、安全に車両を降下させてコンベヤ上に移載させることができる。又この逆に、水平姿勢にある前記車輪支持板上から車輪を搬送方向に転動させてコンベヤ上に乗り移らせる場合は、先にコンベヤ上に乗り移った車輪を介して比較的大きな推力を車両に与える必要があり、車輪の接地個所を前後から挟むようにコンベヤ上に突設した極低い車輪位置決め用バーでは、水平姿勢にある前記車輪支持板上から車輪を搬送方向に引っ張り出すときの抵抗のために前記車輪位置決め用バーが車輪の下を潜ってしまって、車両をコンベヤ上の定位置で支持させて搬送することができなくなる恐れが考えられるところであるが、車両をコンベヤ上に移載する段階では前記車輪支持板を前下がりに傾斜させて、車輪支持板上の車輪にコンベヤ上へ乗り移る方向の移動力を与えるものであるから、コンベヤ上に突設した極低い車輪位置決め用バーであっても、当該車輪位置決め用バーでコンベヤ上の車両を定位置に位置決めしながら確実に搬送することができる。
【0012】
尚、請求項2に記載の構成によれば、コンベヤの左右両側に動悸して昇降する昇降体を並設する場合よりも装置全体の構造が簡単になり、シンプル且つ安価に本発明を実施することができる。
【0013】
又、請求項3に記載の構成によれば、コンベヤ上方の車両受取り位置の真下位置で車両をコンベヤ上に移載する構成と比較して、コンベヤ上方の車両受取り位置で待機する車両とコンベヤ上に移載されるときの車両とが互いに干渉し合う程度に、コンベヤ上方の車両受取り位置とコンベヤとの間の上下方向の間隔が狭くても、コンベヤ上方の車両受取り位置で受け取った車両を前方下方に搬送する間に次の車両をコンベヤ上方の車両受取り位置に搬入することができ、車両のコンベヤ上への移載のサイクルタイムを短くすることができる。
【0014】
更に、請求項4に記載の構成によれば、昇降体や当該昇降体を支持する側に車輪支持板を傾動させるためのモーターやシリンダーユニットなどのアクチュエーターを設ける必要がなく、このようなアクチュエーターを設ける場合と比較して、装置全体の構造が簡単になり、シンプル且つ安価に本発明を実施することができる。又、車輪支持板の前端側を昇降駆動して姿勢変更させる場合は、水平姿勢の車輪支持板の車輪支持レベルが高くなり、車両が最初から傾斜状態で支持されてコンベヤ上に降ろされることになるが、請求項4に記載の構成では、車輪支持板の後端側を突き上げて傾斜姿勢に切り換えるものであるから、コンベヤ上への移載直前までは支持する車両を略水平に支持させることができ、支持した車両をコンベヤ上へ降ろすための降下搬送を安全に行わせることができる。
【0015】
又、請求項5に記載の構成によれば、昇降体が下降限位置にあって、前下がりに傾斜した車輪支持板のコンベヤ上に接近する前端部が、後方から移動してくるコンベヤ上の車輪位置決め用バーと干渉するのを、当該車輪支持板の前端部を押し上げ手段により前記コンベヤ上から所定高さまで上げることにより防止することができる。従って、昇降体を所定高さだけ上昇させることにより車輪支持板前端部と車輪位置決め用バーとの干渉を避ける場合のように、車両の下側空間の高さが低くて車輪支持手段と車両底部とが接触するような恐れがない。又、コンベヤ上に突設させる車輪位置決め用バーを、車両の搬送間隔よりも短い小間隔で配設することも可能になる。この場合、請求項6に記載の構成によれば、請求項4に記載の構成を採用したときの上記効果も同時に得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下に本発明の具体的実施例を添付図に基づいて説明すると、図1〜図4において、1は車両Cを受け取って搬送するスラットコンベヤであり、図3及び図4に示すように、左右2列のスラットコンベヤユニット1A,1Bによって構成されている。2は台車であって、左右2列のスラットコンベヤユニット1A,1B間の下方で床面上に架設された架台3上の左右一対のガイドレール4に、スラットコンベヤ1の搬送方向に往復移動自在に支持されている。5は昇降体であって、左右2列のスラットコンベヤユニット1A,1B間を昇降できるように前記台車2上に昇降自在に支持されている。この昇降体5上には、前側車輪支持手段6と後ろ側車輪支持手段7とが搭載されている。
【0017】
以下、各部を詳細に説明すると、図5及び図6にも示すように、台車2には、架台3上に敷設された左右一対のガイドレール4上を転動する左右一対前後2組の走行用車輪8と、片側のガイドレール4を挟む左右一対前後2組の振れ止め用垂直軸ローラー9と、両ガイドレール4の内側で架台3上から内側に水平に張り出すように敷設された左右一対の板状レール10の下側に近接する左右一対前後2組の浮き上がり防止用の水平軸ローラー11を備え、これら車輪8及びローラー9,11により、架台3の前後両端部に設けられたストッパー12a,12b間で台車2が、スラットコンベヤ1の搬送方向と平行な水平直線経路上を往復移動自在に支持されている。又、この台車2の走行用駆動手段13として、片側のガイドレール4の外側において当該ガイドレール4と平行に架台3上に横向きに敷設されたラックギヤ14と、当該ラックギヤ14に咬合するピニオンギヤ15と、台車2の側辺に取り付けられてその垂直出力軸に前記ピニオンギヤ15が取り付けられた減速機付きモーター16が設けられ、当該モーター16によりピニオンギヤ15を正逆回転駆動することにより、台車2をガイドレール4に沿って往復走行させることができるように構成されている。
【0018】
図1〜図6に示すように、昇降体5は、前後一対の昇降駆動手段17A,17Bを介して台車2上に支持されている。両昇降駆動手段17A,17Bは同一構造のものであって、上端が昇降体5に固着されて当該昇降体5から下方へ垂直に延出すると共に台車2上に設けられたケーシング18内を垂直に貫通する昇降ガイドロッド19、この昇降ガイドロッド19を軸方向昇降のみ可能に支持するために前記ケーシング18に取り付けられた上下一対の昇降ガイド20、台車2から下方に延出する昇降ガイドロッド19をカバーする筒状カバー21、前記昇降ガイドロッド19に形成されたラックギヤ部22に咬合するように前記ケーシング18内に水平回転軸23を介して軸支されたピニオンギヤ24、前記水平回転軸23を介して両昇降駆動手段17A,17Bのピニオンギヤ24を互いに連動連結する連動軸25、及び台車2上に搭載されて一方の昇降駆動手段17Aのピニオンギヤ24をその水平回転軸23を介して正逆回転駆動する減速機付きモーター26から構成されている。尚、各昇降駆動手段17A,17Bのケーシング18上には、昇降体5の下降限位置を決めるストッパー27が上向きに突設されている。而して、モーター26により水平回転軸23及び連動軸25を介して両昇降駆動手段17A,17Bのピニオンギヤ24を正逆回転駆動することにより、両昇降駆動手段17A,17Bの昇降ガイドロッド19を連動昇降させて、昇降体5を平行に昇降移動させることができる。
【0019】
前側車輪支持手段6は、昇降体5の前端部上に設けられたもので、図7及び図8にも示すように、左右一対の車輪支持手段6A,6Bとその駆動手段28を備えている。左右一対の車輪支持手段6A,6Bは左右対称形に構成されたもので、それぞれ水平に開閉自在な前後一対の車輪支持アーム29a,29bを備えている。この前後一対の車輪支持アーム29a,29bは、昇降体5の左右両側辺近傍位置に支承された前後一対の垂直回転軸30a,30bの上端に一端部が固着されたもので、両垂直回転軸30a,30bは、その下端側に取り付けられて互いに咬合する一対のギヤ31a,31bにより互いに逆回転するように連動連結され、一方の垂直回転軸30aから内向きに連設された被操作レバー32の先端部上にはカム従動ローラー33が垂直支軸により軸支されている。駆動手段28は、左右一対の車輪支持手段6A,6Bの中間位置で昇降体5上に敷設されたスライドレール34、このスライドレール34上に水平前後方向にスライド自在に支持された前後移動体35、及びこの前後移動体35と昇降体5との間に介装されて前後移動体35を前後移動させるシリンダーユニット36から構成されている。
【0020】
前後移動体35の左右両側辺には、左右一対の車輪支持手段6A,6Bの被操作レバー32のカム従動ローラー33が出入り可能に遊嵌するカム溝37a,37bが形成されている。従って、前後移動体35を前後移動させると、カム溝37a,37bとこれに嵌合するカム従動ローラー33とを介して操作レバー32が一方の垂直回転軸31aを正逆回転駆動し、これに伴って両垂直回転軸30a,30bがギヤ31a,31bを介して互いに逆方向に連動回転し、前後一対の車輪支持アーム29a,29bが垂直回転軸30a,30bの周りで水平に回動して開閉運動することになる。具体的に説明すると、図7に実線で示すように、シリンダーユニット36により前後移動体35が後退限位置に戻されているとき、前後一対の車輪支持アーム29a,29bが垂直回転軸30a,30bから前後正反対向きに水平に延出して、平面視においてスラットコンベヤユニット1A,1B上から内側に離れた開放姿勢をとり、図7に仮想線で示すように、シリンダーユニット36により前後移動体35を前進限位置まで移動させたとき、カム従動ローラー33がカム溝37a,37b内から押し出されて前後移動体35の左右両側辺に当接する位置に移動し、これに伴って前後一対の車輪支持アーム29a,29bが垂直回転軸30a,30bから略真横向きに水平に延出し、平面視においてスラットコンベヤユニット1A,1B上で前後一対の車輪支持アーム29a,29bが互いに平行に突出する閉じ姿勢をとるように構成されている。尚、前後移動体35には、この前後移動体35が前進限位置から後退移動するときに、カム従動ローラー33をカム溝37a,37b内に導入させるための突出部35a,35bが形成されている。
【0021】
後ろ側車輪支持手段7は、昇降体5の後端部上に設けられたもので、図7及び図8にも示すように、両端部が平面視においてスラットコンベヤユニット1A,1B上に重なるように左右横断向きに配置された横長矩形の平板状の車輪支持板38、この車輪支持板38を、側面視において水平姿勢と前下がりに傾斜する傾斜姿勢との間で傾動可能に支持する支持手段39、車輪支持板38の姿勢切換え手段40、及び車輪支持板38の前端部を所定高さまで押し上げる押し上げ手段41から構成されたものである。
【0022】
支持手段39は、図7〜図11にも示されるように、昇降体5の後端部上に立設された左右一対の昇降ガイド42a,42bにより昇降自在に支持されて上向きに突出する左右一対の昇降ロッド43a,43b、左右一対の昇降ガイド42a,42bの前方位置で昇降体5上に立設された左右一対の支持柱体44a,44b、前記左右一対の昇降ロッド43a,43bの上端部に互いに同心状の左右水平支軸45により軸支された左右一対の軸受け46a,46bを下側面の後側辺近傍位置に取り付けられた基板47、及びこの基板47の下側面の前側辺近傍位置に取り付けられた左右一対の軸受け48a,48bに互いに同心状の左右水平支軸49により軸支されて、前記左右一対の支持柱体44a,44bの上端の水平支持面50上に転動自在に当接する左右一対の水平軸ローラー51a,51bから構成され、前記基板47が車輪支持板38の中央部下側に取り付けられている。而して、左右一対の昇降ガイド42a,42bが下降して軸受け46a,46bが昇降ガイド42a,42bの上端で支持されると共に、左右一対の水平軸ローラー51a,51bが支持柱体44a,44bの上端の水平支持面50上に当接しているとき、車輪支持板38が水平姿勢となるように構成されている。
【0023】
姿勢切換え手段40は、昇降体5が台車2に対して、図1及び図9Aに示す上昇限位置から図2及び図9Bに示す下降限位置まで降下するとき、その降下行程の最終段階で水平姿勢にある車輪支持板38の後端部、即ち、基板47の下側面の後側辺近傍位置に当接するように台車2側、具体的には後側の昇降駆動手段17Bのケーシング18上に取り付けられた突き上げ具52によって構成されている。この突き上げ具52は、前記ケーシング18上に立設された支柱部材53の上端に取り付けられた左右一対の高さ調整自在なストッパーボルト54a,54bによって構成されている。従って、昇降体5が台車2に対して下降限位置まで降下するとき、その降下行程の最終段階で水平姿勢にある車輪支持板38の後端部(基板47の後端部)下側に突き上げ具52の左右一対のストッパーボルト54a,54bが当接し、その後の下降限位置までの昇降体5の下降に伴って水平姿勢にある車輪支持板38の後端部が相対的に突き上げ具52の左右一対のストッパーボルト54a,54bで突き上げられて、前端側の水平軸ローラー51a,51bの左右水平支軸49を支点に車輪支持板38が上方に傾動し、昇降体5が台車2に対して下降限位置に達したときには、図2及び図9Bに示すように、車輪支持板38が前下がりの傾斜姿勢に切り換えられたことになる。
【0024】
又、押し上げ手段41は、車輪支持板38の直前位置で昇降体5上に搭載されたもので、前後一対の昇降ガイドロッド55によって昇降自在に支持された昇降板56の後端部上にプッシャー57を上向きに突設し、前記昇降板56を昇降駆動するシリンダーユニットなどのアクチュエーター58を設けて構成したものである。而して、前記昇降板56が下降限位置にあるとき、プッシャー57は、水平姿勢の車輪支持板38の前端部(基板47の前端部)の下側面の下方に離れて位置しており、上記のように姿勢切換え手段40の突き上げ具52で車輪支持板38が水平姿勢から傾斜姿勢に切り換えられたとき、少し下がることになる車輪支持板38の前端部(基板47の前端部)の下側面とは干渉しないが、この状態から、図11に示すように、アクチュエーター58を作動させて昇降板56を上昇させ、プッシャー57を所定高さまで上昇させることにより、車輪支持板38の前端部(基板47の前端部)が当該プッシャー57によって押し上げられ、昇降ロッド43a,43bと基板47との間の連結支軸である左右水平支軸45を支点にして車輪支持板38が傾動し、当該車輪支持板38の前端部が所定高さまで上げられることになる。このとき、車輪支持板38の前端部側の水平軸ローラー51a,51bは、支持柱体44a,44bの上端の水平支持面50から浮き上がり、車輪支持板38の傾斜角度が緩くなる。
【0025】
以上のように構成されたコンベヤへの車両移載装置の使用方法について説明すると、図1及び図12に示すように、台車2が後退限位置P1(図12参照)にあって且つ昇降体5が上昇限位置にあるとき、前側車輪支持手段6と後ろ側車輪支持手段7とは、スラットコンベヤ1の上方所定レベルの車両受取り位置に位置していることになる。このとき、前側車輪支持手段6の左右一対の車輪支持手段6A,6Bにおける前後一対の車輪支持アーム29a,29bは、図7に仮想線で示すように、スラットコンベヤユニット1A,1Bの上方へ左右横向きに突出する閉じ姿勢にあり、後ろ側車輪支持手段7の車輪支持板38は、支持手段39の昇降ロッド43a,43bが下降限位置にあって、水平姿勢をとっている。この状態で、例えば図12に示すように、トロリーコンベヤのハンガーHで車体Bが支持された車両Cを、当該ハンガーHの降下により昇降体5に対して降下させ、スラットコンベヤ1における搬送方向の前側に位置する車輪、図示例では左右一対の前輪Wfを、前側車輪支持手段6の左右一対の車輪支持手段6A,6Bにおける前後一対の閉じ姿勢にある車輪支持アーム29a,29b間に嵌合載置すると共に、スラットコンベヤ1における搬送方向の後ろ側に位置する車輪、図示例では左右一対の後輪Wrを後ろ側車輪支持手段7の車輪支持板38上に載置させる。このときの車両Cは略水平姿勢にある。
【0026】
車両Cが、その前輪Wfと前側車輪支持手段6及び後輪Wrと後ろ側車輪支持手段7を介して昇降体5上に支持されたならば、ハンガーHを更に少し降下させた上で開動させ、元のレベルまで上昇させると共に、退出させ、次の車両Cの搬入に備えることができる。勿論、車両受取り位置にある前側車輪支持手段6と後ろ側車輪支持手段7とに対する車両Cの移載方法は、限定されるものではなく、例えばトロリーコンベヤのハンガーHを車両Cと共に降下させるのでなく、ハンガーHから車両Cを受け取って降下させる別の昇降搬送装置を利用し、別の昇降搬送装置によって降下せしめられる車両Cを、上記のように車両受取り位置にある前側車輪支持手段6と後ろ側車輪支持手段7とに移載させるように使用することもできる。
【0027】
車両受取り位置にある前側車輪支持手段6と後ろ側車輪支持手段7とに対する車両Cの移載が完了したならば、図2及び図13に示すように、台車2を昇降体5と共に前進限位置P2まで走行用駆動手段13荷より前進移動させると共に、昇降体5を台車2に対して上昇限位置から下降限位置まで、前後一対の昇降駆動手段17A,17Bを減速機付きモーター26で稼働させて降下させる。この昇降体5が下降限位置に達するときには、姿勢切換え手段40の突き上げ具52によって後ろ側車輪支持手段7の車輪支持板38が前下がりの傾斜姿勢に自動的に切り換えられる。このとき車輪支持板38は、その前端部が降下して前下がりに傾斜するのではなく、その後端部が突き上げられて前下がりに傾斜するのであるから、車両Cは少し後ろ上がりに傾斜し、前下がりに傾斜する車輪支持板38上で支持される後輪Wrに作用する重力で車両Cには前進方向の移動力が働くことになるが、その力は、前輪Wfを前側車輪支持手段6の左右一対の車輪支持手段6A,6Bにおける閉じ姿勢の前後一対の車輪支持アーム29a,29bから前方に脱落させるほど大きくはなく、車両Cは安定して前側車輪支持手段6と後ろ側車輪支持手段7とで支持される。
【0028】
台車2が前進限位置P2にあって且つ昇降体5が下降限位置まで降下したとき、前側車輪支持手段6と後ろ側車輪支持手段7とは、スラットコンベヤ1の僅か上方の所定レベルの車両移載位置に位置していることになる。即ち、前側車輪支持手段6の左右一対の車輪支持手段6A,6Bにおける閉じ姿勢の前後一対の車輪支持アーム29a,29bは、当該閉じ姿勢の前後一対の車輪支持アーム29a,29b間に嵌合している前輪Wfがスラットコンベヤ1の車輪支持面から僅かに浮き上がった状態にあり、そして前下がりに傾斜している後ろ側車輪支持手段7の車輪支持板38は、その前端縁がスラットコンベヤ1の車輪支持面から僅かに浮き上がった状態にある。一方、スラットコンベヤ1(スラットコンベヤユニット1A,1B)の車輪支持面上には、図1〜図4、図7、及び図12〜図16に示すように、搬送方向の適当間隔おきの位置で、支持する車輪(前輪Wf)が前後方向に転動しないように、前後一対の車輪位置決め用バー59a,59bが突設されているのが普通であるから、一箇所の車輪位置決め用バー59a,59bが後ろ側車輪支持手段7の車輪支持板38の下側を前方に通過して、前側車輪支持手段6で支持されている前輪Wfに接近しているときに、前側車輪支持手段6と後ろ側車輪支持手段7が上記の車両移載位置に到達するように制御すれば良い。
【0029】
而して、前側車輪支持手段6で支持されている前輪Wfの真下にスラットコンベヤ1上の一箇所の車輪位置決め用バー59a,59bが到達したとき、前側車輪支持手段6の左右一対の車輪支持手段6A,6Bにおける閉じ姿勢の前後一対の車輪支持アーム29a,29bを、先に説明したように駆動手段28を稼働させて、図7の実線と図14で示すように開放姿勢に切り換えることにより、当該閉じ姿勢の前後一対の車輪支持アーム29a,29b間に嵌合支持されていた前輪Wfが少し落下してスラットコンベヤ1の車輪支持面上に、前後一対の車輪位置決め用バー59a,59b間の位置で支持されることになる。従って車両Cは、前輪Wfを介してスラットコンベヤ1から搬送方向の推力を受け、スラットコンベヤ1と一体に搬送方向に移動し始めるが、このとき後輪Wrは、後ろ側車輪支持手段7の前下がりに傾斜している車輪支持板38上を傾斜下方へ転動し、車両Cがスラットコンベヤ1と一体に搬送方向に移動することを妨げない。
【0030】
図15に示すように、車両Cが完全にスラットコンベヤ1上に乗り移って、当該スラットコンベヤ1により搬送され始めたならば、後ろ側車輪支持手段7の前下がりに傾斜している車輪支持板38の前端部を、押し上げ手段41のプッシャー57により所定レベル、即ち、スラットコンベヤ1上の車輪位置決め用バー59a,59bと干渉しない高さまで、押し上げる。この状態で台車2を前進現位置P2から元の後退限位置P1まで後退移動させることにより、スラットコンベヤ1で搬送され始めた車両Cの下側領域から、前側車輪支持手段6の左右一対の車輪支持手段6A,6Bにおける開放姿勢の前後一対の車輪支持アーム29a,29bが後方に抜けきれていないために、昇降体5を下降限位置にあるままで台車2を後退移動させなければならない状況において、後続の車輪位置決め用バー59a,59bが前下がりに傾斜している車輪支持板38の下側を通過することになっても、当該車輪位置決め用バー59a,59bと車輪支持板38とが干渉し合うことがなくなる。従って、昇降体5が下降限位置にあるときの後ろ側車輪支持手段7の前下がりに傾斜している車輪支持板38の前端部をスラットコンベヤ1の車輪支持面に十分に接近させて、当該車輪支持板38上からの後輪Wrのスラットコンベヤ1上への乗り移りを安全且つ円滑に行わせることができる。
【0031】
図16に示すように、台車2を後退限位置P1まで後退移動させたならば、図16の仮想線と図12に示すように、当該台車2に対して昇降体5を上昇限位置まで上昇させると共に、前側車輪支持手段6の左右一対の車輪支持手段6A,6Bにおける開放姿勢の前後一対の車輪支持アーム29a,29bを再び閉じ姿勢に切り換え、後ろ側車輪支持手段7の車輪支持板38の前端部を押し上げていた押し上げ手段41のプッシャー57を待機位置まで下降させる。台車2に対する昇降体5の上昇により、姿勢切換え手段40の突き上げ具52から車輪支持板38の後端部が上方に離れてゆくことにより、当該車輪支持板38は自動的に前下がりの傾斜姿勢から水平姿勢に復帰することになり、次の車両Cの受け入れ準備が完了する。
【0032】
尚、車両Cを受け取って搬送するコンベヤとして、スラットコンベヤ1を例示したが、車輪Wf,Wrを介して車両Cを支持して搬送するタイプのものであれば、ローラーコンベヤなど、他の形式のコンベヤも利用できる。又、昇降体5は、前記コンベヤの左右両側で互いに同期して昇降する左右一対の昇降体から構成することもできるし、場合によっては、コンベヤの片側に配設された1つの昇降体であっても良い。前者の場合は、前側車輪支持手段6を構成する左右一対の車輪支持手段6A,6Bを左右一対の昇降体に振り分けて配設すれば良く、後ろ側車輪支持手段7の車輪支持板38は、左右一対の昇降体に跨がって架設された1つの車輪支持板38とすることもできるし、左右一対の昇降体に振り分けて配設した左右一対の車輪支持板38で構成することもできる。更に、上記実施形態では台車2を併用したが、この台車2を無くして昇降体5のみで車両Cを垂直に降下させてコンベヤ1上に移載させるように構成することも可能である。
【0033】
後ろ側車輪支持手段7の車輪支持板38の前端部を押し上げる押し上げ手段41は、コンベヤの車輪支持面上に車輪位置を決めるための車輪位置決め用バー59a,59bが設けられている場合に降下を発揮するものであるから、このような車輪位置決め用バー59a,59bが設けられていないコンベヤと組み合わせて実施するときは、押し上げ手段41は省くことができる。勿論、車輪位置決め用バー59a,59bが設けられているコンベヤと組み合わせて実施する場合でも、車輪支持板38の前端部の押し上げ量は僅かであるから、取り扱う車両Cの下側空間の高さ(地上高)にもよるが、車輪位置決め用バー59a,59bと前下がりに傾斜する車輪支持板38の前端部との干渉を回避できる高さまで、昇降体5を上昇させるように制御して、前記押し上げ手段41を無くすことも可能である。
【0034】
又、車輪支持板38の後端部を上昇させて当該車輪支持板38を前下がりに傾斜させるように構成したが、場合によっては、車輪支持板38の前端部を下降させて当該車輪支持板38を前下がりに傾斜させるように構成しても良いし、車輪支持板38の前端部を下降させると共に後端部を上昇させて当該車輪支持板38を前下がりに傾斜させることも可能である。何れにしても、車輪支持板38を前下がりに傾斜させるために、当該車輪支持板38と昇降体5との間に介装したシリンダーユニットなどの昇降駆動用アクチュエーターを設けることもできる。
【0035】
更に、コンベヤ1上で搬送する車両Cの向きが前後逆になるときは、車両Cの後輪Wrを前側車輪支持手段6で支持し、車両Cの前輪Wfを後ろ側車輪支持手段7で支持させて当該コンベヤ1上に移載することもできる。又、昇降体5上の前端(コンベヤ1の搬送方向側の端部)側に、車輪支持板38を備えた車輪支持手段7を設けると共に、昇降体5上の後端側に、前後一対の車輪支持アーム29a,29bを備えた左右一対の車輪支持手段6A,6Bを設けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】車両を受け取った状態での側面図である。
【図2】車両をスラットコンベヤ上に移載する直前の状態での側面図である。
【図3】図1の状態での正面図である。
【図4】図2の状態での正面図である。
【図5】A図は架台の平面図、B図は台車の平面図、C図は昇降体の平面図である。
【図6】昇降体の昇降駆動手段と台車の走行用駆動手段とを示す一部縦断正面図である。
【図7】前後の車輪支持手段を示す平面図である。
【図8】一部縦断側面図である。
【図9】A図は上昇限位置にある後ろ側車輪支持手段の背面図、B図は下降限位置にある後ろ側車輪支持手段の背面図である。
【図10】後ろ側車輪支持手段の正面図である。
【図11】後ろ側車輪支持手段の一部切欠き側面図である。
【図12】車両を受け取る第一段階を説明する概略側面図である。
【図13】車両をスラットコンベヤ上所定高さまで降ろした第二段階を説明する概略側面図である。
【図14】車両をスラットコンベヤ上に降ろした直後の第三段階を説明する概略側面図である。
【図15】車両がスラットコンベヤで搬送され始めた直後の第四段階を説明する概略側面図である。
【図16】移載装置を元の位置に戻した最終段階を説明する概略側面図である。
【符号の説明】
【0037】
1 スラットコンベヤ
1A,1B スラットコンベヤユニット
2 台車
3 架台
4 台車用ガイドレール
5 昇降体
6 前側車輪支持手段
6A,6B 車輪支持手段
7 後ろ側車輪支持手段
13 台車の走行用駆動手段
16,26 減速機付きモーター
17A,17B 昇降体の昇降駆動手段
19 昇降ガイドロッド
22 ラックギヤ部
24 ピニオンギヤ
25 連動軸
28 駆動手段
29a,29b 前後一対の車輪支持アーム
30a,30b 前後一対の垂直回転軸
31a,31b 一対のギヤ
32 被操作レバー
33 カム従動ローラー
34 スライドレール
35 前後移動体
36 シリンダーユニット
37a,37b カム溝
38 車輪支持板
39 支持手段
40 姿勢切換え手段
41 押し上げ手段
43a,43b 昇降ロッド
44a,44b 支持柱体
47 基板
50 水平支持面
51a,51b 水平軸ローラー
52 突き上げ具
54a,54b ストッパーボルト
56 昇降板
57 プッシャー
58 アクチュエーター
59a,59b 車輪位置決め用バー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車輪を介して車両を支持搬送するコンベヤに対して昇降する昇降体を備え、この昇降体には、前記コンベヤの上方所定高さ位置で車両の搬送方向前側の車輪と搬送方向後ろ側の車輪とを各別に支持する前側車輪支持手段と後ろ側車輪支持手段とが設けられ、前側車輪支持手段と後ろ側車輪支持手段の何れか一方の車輪支持手段には、車輪を搬送方向に関して定位置で支持する閉じ姿勢と当該車輪の搬送方向への脱出を許す開放姿勢との間で水平に開閉自在な前後一対の車輪支持アームが設けられ、他方の車輪支持手段には、搬送方向に関する位置決めをしないで車輪を支持する車輪支持板が、水平姿勢と搬送方向へ前下がりに傾斜する傾斜姿勢とに切換え自在に設けられ、一方の車輪支持手段の閉じ姿勢にある車輪支持アームと他方の車輪支持手段の水平姿勢にある車輪支持板とで車両を支持した前記昇降体が少なくとも前記コンベヤ上に車両を移載する下降限位置にあるとき、他方の車輪支持手段の前記車輪支持板を前記傾斜姿勢とする姿勢切換え手段が設けられている、コンベヤ上への車両移載装置。
【請求項2】
前記コンベヤは、車両の左右両側の車輪を各別に支持搬送する左右一対のコンベヤユニットから構成され、前記昇降体は両コンベヤユニット間に配設され、一方の車輪支持手段は、1つの前記昇降体上に設けられた左右一組の車輪支持アームを備え、他方の車輪支持手段は、中央部が1つの前記昇降体上に支持されて左右両側のコンベヤユニット上に張り出す1つの車輪支持板を備えている、請求項1に記載のコンベヤ上への車両移載装置。
【請求項3】
前記昇降体が、前記コンベヤの搬送方向と平行に往復移動自在な台車上に設けられ、当該台車の往復移動により、コンベヤ上方で車両を受け取る車両受取り位置と前記コンベヤ上へ車両を移載する車両移載位置との間で前記昇降体を往復移動させるように構成された、請求項1又は2に記載のコンベヤ上への車両移載装置。
【請求項4】
他方の車輪支持手段の前記車輪支持板は、搬送方向の前端部側を支点にして後端部側が上下動するように支持され、前記昇降体を支持する側には、前記昇降体が前記下降限位置に達したときに前記車輪支持板が前記傾斜姿勢となるように、当該昇降体の下降に伴って相対的に前記車輪支持板の後端部を突き上げる突き上げ具が立設され、この突き上げ具により前記姿勢切換え手段が構成されている、請求項1〜3の何れか1項に記載のコンベヤ上への車両移載装置。
【請求項5】
前記昇降体が少なくとも前記コンベヤ上に車両を移載する下降限位置にあって、他方の車輪支持手段の傾斜姿勢にある前記車輪支持板上から車輪が前記コンベヤ上に乗り移った後、当該傾斜姿勢にある前記車輪支持板の前端部を前記コンベヤ上から所定高さまで上げるための押し上げ手段が併設されている、請求項1〜4の何れか1項に記載のコンベヤ上への車両移載装置。
【請求項6】
他方の車輪支持手段の前記車輪支持板は、搬送方向の前端部側を支点にして後端部側が上下動するように支持され、前記昇降体を支持する側には、前記昇降体が前記下降限位置に達したときに前記車輪支持板を前記傾斜姿勢となるように、当該昇降体の下降に伴って相対的に前記車輪支持板の後端部を突き上げる突き上げ具が立設され、この突き上げ具により前記姿勢切換え手段が構成され、前記車輪支持板の搬送方向の前端部には、前記昇降体を支持する側に設けられた支持面上を前後方向に転動自在で前記支点となるローラーが軸支され、前記押し上げ手段は、前記車輪支持板の前端部を突き上げるプッシャーと、当該プッシャーを前記昇降体に対して昇降駆動するアクチュエーターとから構成されている、請求項5に記載のコンベヤ上への車両移載装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2009−215058(P2009−215058A)
【公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−63545(P2008−63545)
【出願日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【出願人】(000003643)株式会社ダイフク (1,209)
【Fターム(参考)】