説明

コーティング剤およびこれから形成される、高い耐引掻性および高い耐膨れ性を有するコーティング

本発明の対象は、少なくとも1つのヒドロキシル基含有化合物(A)、少なくとも1つのイソシアネート基含有化合物(B)、コーティング剤の非揮発性成分に対して少なくとも5.0質量%の少なくとも1つのアミノプラスト樹脂(C)を含有するコーティング剤であって、このコーティング剤が少なくとも1つの不飽和の環式立体障害アミン(D)を含有し、およびこのコーティング剤がヒドロキシル基、イソシアネート基および加水分解可能なシラン基からなる総和に対して加水分解可能なシラン基を2.5モル%未満含有することによって特徴付けられる、上記コーティング剤である。更に、本発明は、前記コーティング剤を使用する多段階のコーティング方法ならびにクリヤラッカーとしてのコーティング剤の使用、および自動車量産塗装および自動車修復塗装のためのコーティング法の使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の対象は、少なくとも1つのヒドロキシル基含有化合物(A)、少なくとも1つのイソシアネート基含有化合物(B)およびコーティング剤の非揮発性成分に対して少なくとも5.0質量%の少なくとも1つのアミノプラスト樹脂(C)を含有するコーティング剤である。
【0002】
更に、本発明は、前記コーティング剤を使用する多段階のコーティング方法ならびにクリヤラッカーとしてのコーティング剤の使用または自動車量産塗装および自動車修復塗装のためのコーティング方法の使用に関する。
【0003】
欧州特許第991729号明細書B1には、混濁のない、ブリリアントで耐酸性のクリヤラッカー塗膜に硬化しうる、冒頭に記載された種類のコーティング剤が記載されている。この欧州特許明細書中に記載されたコーティング剤は、通常の酸触媒、例えば燐酸、酸性オルガノホスフェートまたは殊に芳香族スルホン酸を含有し、これらは、有利にブロック化された形で、例えばアミンでブロック化されて使用される。
【0004】
この種の複雑な混合物を使用する場合の欠点は、望ましい特性プロフィールを達成するために、しばしば比較的高い触媒濃度が必要とされることである。しかし、使用される触媒は、しばしば個々の架橋部分反応に対して選択的に作用するのではなく、種々の反応、例えばメラミン縮合反応およびイソシアネート付加反応に同時に影響を及ぼす。これは、適用の範囲内での支障、例えば膨れ傾向をまねく。更に、前記の欧州特許明細書中に記載されたコーティング剤においては、スプレーミスト中での非相容性も惹起しうる。
【0005】
ヒドロキシル基含有化合物、イソシアネート基含有化合物およびアミノプラスト樹脂を含有するコーティング剤は、欧州特許第1171356号明細書B1の記載からも公知であるか、または国際特許出願WO 01/09261、WO 01/09260、WO 01/09259またはWO 01/09231の記載から公知である。熱架橋のための触媒としては、アルコール溶液中のフェニルホスフェートのアルコール溶液が使用される。このコーティング剤は、好ましくは1つの成分がヒドロキシル基含有化合物および場合によりアミノプラスト樹脂を含み、かつ別の成分がイソシアネート基含有化合物を含む二成分系として製造される。このコーティング剤は、硬質、耐摩耗性、耐引掻性および耐酸性であり、ならびにクリヤラッカー塗膜として高光沢および透明であるコーティング膜を供給する。
【0006】
勿論、酸性フェニルホスフェートのアルコール溶液は、アルコールと比較してイソシアネート基含有化合物の高い反応性のために結合剤成分にのみ添加されることができるが、しかし、これらの反応性は、貯蔵安定性を巻き添えにする程に強く上昇しうる。更に、コーティング剤は、しばしば実地において短すぎることが証明されているポットライフを有し、それによって塗装処理において論理的および技術的な問題が生じる。とりわけ、これは、受け入れることができない塗装結果をまねきうる。
【0007】
更に、アミノプラスト樹脂を使用した場合には、種々の架橋機構を組み合わせることによって、相互に影響を及ぼし合う多数の種々の反応を生じることができ、このことは、場合によっては個々の性質の劣化をまねきうる。
【0008】
ドイツ連邦共和国特許出願公開第102005045150.0号明細書A1の記載から、触媒としてホスホン酸ジエステルおよびジホスホン酸ジエステルを含有する、冒頭に記載された種類のコーティング剤は、公知である。この触媒は、比較的弱酸であるので、極端に高い量で添加されなければならない。まさにこの種の高い濃度で作業する場合には、殊にマルチコート塗装系の範囲内でのこの種の配合物の複雑さのためにも、塗装プロセスの範囲内で望ましくない効果をまねく。下地の層厚に依存する膨れの発生または用意したかまたは後から加えたスプレーミストの影響による膨れの発生は、この種の系においてしばしば発生しうる現象である。
【0009】
最終的に、未だ公開されていないドイツ連邦共和国特許出願第102007061855.9−43号の記載から、少なくとも1つのヒドロキシル基含有化合物、少なくとも1つのイソシアネート基含有化合物、少なくとも1つの燐含有触媒および少なくとも1つの二環式アミンを含有するコーティング剤が公知であり、この場合このコーティング剤の1つまたはそれ以上の成分、有利にイソシアネート基含有化合物は、加水分解可能なシラン基をそれぞれヒドロキシル基、イソシアネート基および加水分解可能なシラン基からなる総和に対して2.5〜97.5モル%の量で有する。コーティング剤の少なくとも1つの成分、殊にイソシアネート基含有化合物をシランで変性することに基づいて、生じるコーティングは、極めて良好な耐引掻性を有する。
【0010】
課題
従って、本発明は、高い耐引掻性と同時に良好な耐酸性および同時に極めて良好な目視的な全体的印象(いわゆる極めて良好な外観)を有するコーティングを生じる、殊に自動車量産塗装および自動車修復塗装におけるクリヤラッカー塗膜のためのコーティング剤を提供するという課題に基づく。
【0011】
殊に、下地の層厚に依存する膨れの発生ならびに用意したかまたは後から加えたスプレーミストの影響による膨れの発生は、回避されるはずである。
【0012】
課題の解決
上記の課題の設定に照らしてみて、少なくとも1つのヒドロキシル基含有化合物(A)、少なくとも1つのイソシアネート基含有化合物(B)、コーティング剤の非揮発性成分に対して少なくとも5.0質量%の少なくとも1つのアミノプラスト樹脂(C)を含有するコーティング剤であって、このコーティング剤が少なくとも1つの不飽和の環式立体障害アミン(D)を含有し、およびこのコーティング剤がヒドロキシル基、イソシアネート基および加水分解可能なシラン基からなる総和に対して加水分解可能なシラン基を2.5モル%未満含有することを特徴とする、上記コーティング剤が見い出された。
【0013】
更に、本発明は、前記コーティング剤を使用する多段階のコーティング方法ならびにクリヤラッカーとしてのコーティング剤の使用または自動車量産塗装および自動車修復塗装のためのコーティング方法の使用に関する。
【0014】
先行技術を考慮すると、本発明の根底をなす課題が、本発明によるコーティング剤を用いて解決できることは意外でありかつ当業者に予想できなかった。少なくとも1つの不飽和の環式立体障害アミン(D)を添加することによって、下地の層厚に依存する膨れの発生ならびに用意したかまたは後から加えたスプレーミストの影響による膨れの発生を回避することができ、その際、前記アミンの添加によって生じるコーティングのさらなる性質、例えば殊に耐酸性、耐引掻性および目視的な全体的印象(いわゆる外観)に不利な影響を及ぼすことがないことは、驚異的なことである。それ故、本発明によるコーティングおよび塗装系、殊にクリヤラッカー塗装系は、自動車量産塗装の技術的および審美的に特に要求の多い分野において使用されてよい。
【0015】
最後に、本発明によるコーティング剤は、特に簡単に極めて良好に再現可能に製造されてよく、塗料の適用の際に重大な毒性問題および生態的問題を全く生じない。
【0016】
発明の詳細な説明
本発明によるコーティング剤
本発明によるコーティング剤は、それぞれヒドロキシル基、イソシアネート基および加水分解可能なシラン基からなる総和に対して加水分解可能なシラン基を2.5モル%未満、殊に1モル%未満、殊に有利に0.5モル%未満含有することを示す。
【0017】
この場合、加水分解可能なシラン基とは、通常、ケイ素に結合した、湿分によって加水分解可能な基を有する基である。加水分解可能なシラン基は、例えばケイ素に結合したハロゲン基、殊に塩素および臭素、またはケイ素に結合したアルコキシ基、アルキルカルボニル基およびアシルオキシ基であってよい。特に好ましい加水分解可能なシラン基は、アルコキシシラン基Si(OR’)である。
【0018】
殊に、コーティング剤は、ヒドロキシル基、イソシアネート基および構造単位(I)からなる総和に対して式(I)
−X−Si−R''xG3-x (I)
〔式中、G=同一または異なる加水分解可能な基、
X=1〜20個の炭素原子を有する有機基、殊に直鎖状および/または分枝鎖状のアルキレン基またはシクロアルキレン基、殊に有利にX=1〜4個の炭素原子を有するアルキレン基、
R''=アルキル、シクロアルキル、アリールまたはアラルキル、この場合炭素鎖は、隣接していない酸素基、硫黄基またはNRa基によって中断されていてよく、但し、Ra=アルキル、シクロアルキル、アリールまたはアラルキル、有利にR''=アルキル基、殊に1〜6個のC原子を有するアルキル基、
x=0〜2、有利に0〜1、特に有利にx=0〕で示される構造単位を2.5モル%未満、殊に1モル%未満、殊に有利に0.5モル%未満含有する。
【0019】
加水分解可能な基Gは、ハロゲン、殊に塩素および臭素の群、アルコキシ基の群、アルキルカルボニル基の群およびアシルオキシ基の群から選択されてよい。特に好ましいのは、アルコキシ基(OR’)である。
【0020】
それぞれ好ましいアルコキシ基(OR’)は、同一でも異なっていてもよいが、しかし、この基が加水分解可能なシラン基の反応性にどのようにして影響を及ぼすのかは、前記基の構造にとって決定的なことである。好ましくは、R’は、アルキル基、殊に1〜6個のC原子を有するアルキル基である。特に好ましいのは、シラン基の反応性を高める基R’、即ち良好な出発基である。その限りにおいて、メトキシ基は、エトキシ基と比較して好ましく、このエトキシ基は、さらにプロポキシ基と比較して好ましい。従って、特に好ましいのは、R’=エチルおよび/またはメチル、殊にメチルである。
【0021】
ヒドロキシル基含有化合物(A)
ヒドロキシル基含有化合物(A)としては、特に低分子量ポリオールならびにオリゴマーおよび/またはポリマーのポリオールが使用される。
【0022】
低分子量ポリオールとしては、例えばジオール、例えば有利にエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,2−プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノールおよび1,2−シクロヘキサンジメタノール、ならびにポリオール、例えば有利にトリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールヘキサン、1,2,4−ブタントリオール、ペンタエリトリトールならびにジペンタエリトリトールが使用される。
【0023】
好ましくは、このような低分子量ポリオールは、オリゴマーおよび/またはポリマーのポリオール成分(A)に対して少ない割合で混合される。
【0024】
好ましいオリゴマーおよび/またはポリマーのポリオール(A)は、GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)により測定した、500ダルトンを上廻る、有利に800〜100000ダルトン、殊に1000〜50000ダルトンの質量平均分子量Mwを有する。特に有利には、ポリエステルポリオール、ポリウレタンポリオール、ポリシロキサンポリオール、殊にポリアクリレートポリオールおよび/またはポリメタクリレートポリオールならびにこれらのコポリマーであり、以下、ポリアクリレートポリオールと呼称する。
【0025】
ポリオールは、有利に30〜400mg KOH/g、殊に100〜300mg KOH/gのOH価を有する。
【0026】
DSC(Differential−Thermoanalyse示差熱分析)につき測定した、ポリオールのガラス転移温度は、有利に−150〜100℃、特に有利に−120℃〜80℃である。
【0027】
適したポリエステルポリオールは、例えば欧州特許出願公開第0994117号明細書および欧州特許出願公開第1273640号明細書中に記載されている。ポリウレタンポリオールは、特にポリエステルポリオールプレポリマーを適したジイソシアネートまたはポリイソシアネートと反応させることによって製造され、例えば欧州特許出願公開第1273640号明細書中に記載されている。
【0028】
適したポリシロキサンポリオールは、例えばWO−A−01/09260中に記載されており、この場合には、そこに記載されたポリシロキサンポリオールは、有利に他のポリオール、殊に比較的高いガラス転移温度を有するものとの組合せで使用されることができる。
【0029】
本発明による殊に好ましいポリアクリレートポリオールは、一般的にコポリマーであり、特にそれぞれゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によりポリスチレン標準に対して測定した、1000〜20000ダルトン、殊に1500〜10000ダルトンの質量平均分子量Mwを有する。
【0030】
コポリマーのガラス転移温度は、一般的に−100〜100℃、殊に−50〜80℃である(DSC測定法により測定した)。
【0031】
ポリアクリレートポリオールは、有利に60〜300mg KOH/g、殊に100〜250mg KOH/g、特に有利に150〜190mg KOH/gのOH価を有する。ヒドロキシ価(OH価)は、何ミリグラムの水酸化カリウムが、アセチル化の際に物質1gと結合される酢酸量と等量であるかによって得られる。この試料は、無水酢酸ピリジンを用いての測定の際に煮沸され、生じる酸は、水酸化カリウム溶液で滴定される(DIN 53240−2)。
【0032】
ポリアクリレートポリオールは、有利に0〜30mg KOH/gの酸価を有する。この場合、酸価は、成分(b)のそれぞれの化合物1gの中和に使用される水酸化カリウムのmg数を定める(DIN EN ISO 2114)。
【0033】
また、ヒドロキシル基含有結合剤を選択することによって、最終硬化されるコーティングの性質は、影響を及ぼされうる。即ち、一般的に成分(A)のOH価が上昇すると、生じるコーティングの耐引掻性は、増大する。しかし、OH価は、高くなりすぎないように選択すべきである。それというのも、さもないと完全な架橋は、起こり得ないからである。
【0034】
ヒドロキシル基含有モノマー成分としては、有利にヒドロキシアルキルアクリレートおよび/またはヒドロキシアルキルメタクリレート、例えば殊に2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、3−ヒドロキシプロピルアクリレート、3−ヒドロキシプロピルメタクリレート、3−ヒドロキシブチルアクリレート、3−ヒドロキシブチルメタクリレートならびに殊に4−ヒドロキシルブチルアクリレートおよび/または4−ヒドロキシルブチルメタクリレートが使用される。
【0035】
他のモノマー成分としては、ポリアクリレートポリオールに対して有利にアルキルアクリレートおよび/またはアルキルメタクリレート、例えば特にエチルアクリレート、エチルメタクリレート、プロピルアクリレート、プロピルメタクリレート、イソプロピルアクリレート、イソプロピルメタクリレート、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレート、イソブチルアクリレート、イソブチルメタクリレート、第三ブチルアクリレート、第三ブチルメタクリレート、アミルアクリレート、アミルメタクリレート、ヘキシルアクリレート、ヘキシルメタクリレート、エチルヘキシルアクリレート、エチルヘキシルメタクリレート、3,3,5−トリメチルヘキシルアクリレート、3,3,5−トリメチルヘキシルメタクリレート、ステアリルアクリレート、ステアリルメタクリレート、ラウリルアクリレートまたはラウリルメタクリレート、シクロアルキルアクリレートおよび/またはシクロアルキルメタクリレート、例えばシクロペンチルアクリレート、シクロペンチルメタクリレート、イソボルニルアクリレート、イソボルニルメタクリレートまたは殊にシクロヘキシルアクリレートおよび/またはシクロヘキシルメタクリレートが使用される。
【0036】
ポリアクリレートポリオールのための他のモノマー成分としては、ビニル芳香族炭化水素、例えばビニルトルエン、α−メチルスチレンまたは殊にアクリル酸またはメタクリル酸のスチレン、アミドまたはニトリル、ビニルエステルまたはビニルエーテル、ならびに少ない量で殊にアクリル酸および/またはメタクリル酸は、使用されてよい。
【0037】
結合剤(BM)としては、有利に、
(a1)3−ヒドロキシプロピルアクリレートまたは3−ヒドロキシプロピルメタクリレートまたは2−ヒドロキシプロピルアクリレートまたは2−ヒドロキシプロピルメタクリレートまたは2−ヒドロキシエチルアクリレートまたは2−ヒドロキシルエチルメタクリレートまたは4−ヒドロキシ−n−ブチルアクリレートまたは4−ヒドロキシ−n−ブチルメタクリレートまたはこれらのモノマーの混合物と、
(b1)アクリル酸の(a1)とは異なるヒドロキシル基含有エステルまたはメタクリル酸のヒドロキシル基含有エステルまたはこのようなモノマーからなる混合物0〜30質量%、有利に0〜15質量%と、
(c1)アルコール基中に少なくとも4個の炭素原子を有する(メタ)アクリル酸の、(a1)および(b1)とは異なる脂肪族または脂環式エステルまたはこのようなモノマーからなる混合物0〜90質量%、有利に10〜70質量%と、
(d1)エチレン系不飽和カルボン酸またはエチレン系不飽和カルボン酸からなる混合物0〜3質量%、有利に0.5〜2質量%と
(e1)ビニル芳香族化合物および/または(a1)、(b1)、(c1)および(d1)とは異なるエチレン系不飽和モノマーまたはこのようなモノマーからなる混合物0〜50質量%、有利に5〜35質量%とを
共重合させることにより得られる(メタ)アクリレートコポリマーが使用され、この場合成分(a1)、(b1)、(c1)、(d1)および(e1)の全含量の総和は、常に100質量%である。
【0038】
ヒドロキシル基含有化合物(A)は、通常、それぞれコーティング剤の非揮発性成分に対して20〜70質量%、有利に30〜65質量%の量で使用される。
【0039】
イソシアネート基含有化合物(B)
本発明によるコーティング剤は、成分(B)として遊離の、即ちブロック化されていない、および/またはブロック化されたイソシアネート基を有する1つ以上の化合物を含有する。好ましくは、本発明によるコーティング剤は、遊離イソシアネート基を有する化合物(B)を含有する。しかし、イソシアネート基含有化合物(B)のイソシアネート基は、ブロック化された形で使用されてもよい。これは、有利に本発明によるコーティング剤が一成分系として使用される場合である。
【0040】
本発明により使用されるイソシアネート基含有化合物(B)は、有利に自体公知の置換または非置換の芳香族、脂肪族、脂環式および/またはヘテロ環式のジイソシアネートおよび/またはポリイソシアネートである。好ましいジイソシアネートおよび/またはポリイソシアネートの例は、次の通りである:2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−2,4−ジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、ビフェニルジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ジフェニレンジイソシアネート、テトラメチレン−1,4−ジイソシアネート、ヘキサメチレン−1,6−ジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサン−1,6−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、エチレンジイソシアネート、1,12−ドデカンジイソシアネート、シクロブタン−1,3−ジイソシアネート、シクロヘキサン−1,3−ジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、メチルシクロヘキシルジイソシアネート、ヘキサヒドロトルエン−2,4−ジイソシアネート、ヘキサヒドロトルエン−2,6−ジイソシアネート、ヘキサヒドロフェニレン−1,3−ジイソシアネート、ヘキサヒドロフェニレン−1,4−ジイソシアネート、ペルヒドロジフェニルメタン−2,4’−ジイソシアネート、4,4’−メチレンジシクロヘキシルジイソシアネート(例えば、Bayer AG社のDesmodur(登録商標)W)、テトラメチルキシリルジイソシアネート(American Cyanamid社のTMXDI(登録商標))および前記のポリイソシアネートの混合物。更に、好ましいポリイソシアネートは、ビウレット二量体および前記ジイソシアネートのイソシアヌレート三量体である。
【0041】
特に好ましいジイソシアネートおよび/またはポリイソシアネートは、ヘキサメチレン−1,6−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートおよび4,4’−メチレンジシクロヘキシルジイソシアネート、これらのビウレット二量体および/またはイソシアヌレート三量体である。
【0042】
更に、本発明の実施態様において、ジイソシアネートおよび/またはポリイソシアネートは、ポリオールを化学量論的に過剰量の前記ポリイソシアネートと反応させることによって得られる、ウレタン構造単位を有するポリイソシアネートプレポリマーである。このようなポリイソシアネートプレポリマーは、例えば米国特許第4598131号明細書中に記載されている。
【0043】
好ましくは、イソシアネート基含有化合物(B)の場合には、イソシアネート基2.5モル%未満、殊に1モル%未満、特に有利に0.5モル%未満が式(IIa)
HN(X−SiR''x(OR')3-x)n(X'−SiR''y(OR')3-y)m (IIa)
〔式中、
R’=水素、アルキルまたはシクロアルキル、この場合炭素鎖は、隣接していない酸素基、硫黄基またはNRa基によって中断されていてよく、但し、Ra=アルキル、シクロアルキル、アリールまたはアラルキル、有利にR’=エチルおよび/またはメチルであり、
X、X’=1〜20個の炭素原子を有する直鎖状および/または分枝鎖状のアルキレン基またはシクロアルキレン基、有利にX、X’=1〜4個の炭素原子を有するアルキレン基であり、
R''=アルキル、シクロアルキル、アリールまたはアラルキル、この場合炭素鎖は、隣接していない酸素基、硫黄基またはNRa基によって中断されていてよく、但し、Ra=アルキル、シクロアルキル、アリールまたはアラルキル、有利にR''=アルキル基、殊に1〜6個のC原子を有するアルキル基、n=0〜2、m=0〜2、m+n=2、ならびにx、y=0〜2である〕で示される化合物
および/または式(IIIa)
H−Z−(X−SiR''x(OR')3-x) (IIIa)
〔式中、
Z=−NH−、−NR−、−O−、但し、R=アルキル、シクロアルキル、アリールまたはアラルキル、この場合炭素鎖は、隣接していない酸素基、硫黄基またはNRa基によって中断されていてよく、但し、Ra=アルキル、シクロアルキル、アリールまたはアラルキルあり、
x=0〜2であり、
X、R’、R''は、式(IIa)に記載した意味を有する〕で示されるシラン基含有化合物と
反応されており、殊に好ましくは、イソシアネート基は、全く反応されていない。
【0044】
イソシアネート基含有化合物(B)は、通常、それぞれコーティング剤の非揮発性成分に対して5〜50質量%、有利に15〜45質量%、特に有利に20〜40質量%の量で使用される。
【0045】
アミノプラスト樹脂(C)
コーティング剤がコーティング剤の非揮発性成分に対して少なくとも1つのアミノプラスト樹脂(C)を少なくとも5.0質量%含有することは、本発明にとって本質的なことである。好ましくは、コーティング剤は、それぞれコーティング剤の非揮発性成分に対して少なくとも1つのアミノプラスト樹脂(C)を8〜30質量%、特に有利に10質量%を上廻り25質量%まで含有する。
【0046】
適したアミノプラスト樹脂(C)の例は、塗料工業の範囲内で通常使用される全てのアミノプラスト樹脂であり、この場合には、アミノプラスト樹脂の反応性により、生じるコーティング剤の性質は、制御されうる。アルデヒド、殊にホルムアルデヒドおよび例えば尿素、メラミン、グアナミンおよびベンゾグアナミンからなる縮合生成物が問題である。アミノプラスト樹脂は、一般的に部分的または有利に完全にアルコールでエーテル化されているアルコール基、特にメチロール基を含有する。殊に、低級アルコールでエーテル化されたアミノプラスト樹脂が使用される。好ましくは、メタノールおよび/またはエタノールおよび/またはブタノールでエーテル化されたアミノプラスト樹脂、例えば市場でCymel(登録商標)、Resimene(登録商標)、Maprenal(登録商標)およびLuwipal(登録商標)の商品名で得られる製品、殊にCymel(登録商標)202、Luwipal(登録商標)018およびSetamine(登録商標)US 138が使用される。
【0047】
アミノプラスト樹脂(C)は、古くから公知の化合物であり、かつ例えば米国特許出願US2005/0182189A1、第1頁、第[0014]段落〜第4頁、第[0028]段落中で詳細に記載されている。
【0048】
不飽和の環式立体障害アミン(D)
コーティング剤が少なくとも1つの不飽和の環式立体障害アミン(D)を含有することは、本発明にとって本質的なことである。好ましくは、コーティング剤は、少なくとも1つの不飽和の二環式立体障害アミン(D)を含有する。殊に有利には、コーティング剤は、アミン(D)として1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノン−5−エン(略してDBNと呼称される)または1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセ−7−エン(略してDBUと呼称される)を含有する。
【0049】
不飽和の環式立体障害アミン(D)は、有利にコーティング剤の非揮発性成分に対して0.001〜1.0質量%の量、特に有利に0.01〜0.5質量%の量で使用される。
【0050】
実際に、米国特許第561914139号明細書の記載から、一定の第3アミン、例えばトリエチルアミン、ピリジンまたは飽和環式アミン、例えばジアザビシクロ[2.2.2]オクタンがヒドロキシル基含有化合物とイソシアネート基との反応を促進することは、公知である。しかし、しばしばイソシアネート基とヒドロキシル基との反応のためのこの種の触媒の使用は、メラミン架橋の抑制を生じる。使用されるアミンに応じて、例えばトリエチルアミンにおいて達成される変換率よりも少ない、イソシアネート基の変換率が観察されてもよい。このようなイソシアネート基の変換率の抑制または減少は、特に生じる表面の耐化学薬品性が劣悪であるという結果に終わる。
【0051】
更に、コーティング剤の非揮発性成分に対して少なくとも1つのアミノプラスト樹脂を少なくとも5.0質量%含有するコーティング剤が、殊に高度に縮合生成物を遊離することに帰因する高められた膨れ傾向をしばしば有することは、公知である。
【0052】
従って、不飽和の環式立体障害アミン(D)の本発明による使用によって、ヒドロキシル基とイソシアネート基との反応が促進され、ならびにメラミン架橋が抑制されないことは、驚異的なことである。しかし、特に不飽和の環式立体障害アミン(D)の本発明による使用によって、コーティング剤がアミノプラスト樹脂を少なくとも5.0質量%含有する場合であっても、生じる塗膜の他の性質、例えば外観および耐化学薬品性が不利な影響を及ぼされることなく、コーティングの膨れ傾向が減少されることは、驚異的なことである。殊に、本発明によるコーティング剤は、下地の層厚に依存する減少された膨れ傾向ならびに用意したかまたは後から加えたスプレーミストの影響による減少された膨れ傾向を示す。
【0053】
他の触媒(K)
本発明によるコーティング剤は、場合によってはなお他の触媒を含有することができる。殊に、本発明によるコーティング剤は、なお少なくとも1つの酸含有触媒(K)を含有することができる。
【0054】
例えば、本発明によるコーティング剤は、なおスルホン酸をベースとする1つ以上の触媒を含有することができる。即ち、本発明によるコーティング剤は、例えばなおp−トルエンスルホン酸、ドデシルベンジルスルホン酸またはジノニルナフタリンスルホン酸を含有することができる。好ましくは、本発明によるコーティング剤は、酸含有触媒として燐酸エステルおよび/または燐酸部分エステルを含有する。一般的に、殊に強酸を使用する場合には、酸触媒をフロックされた形で、例えばアミンでブロック化して使用することは、好ましい。このことから、酸は、熱的に再び遊離されることができる。
【0055】
殊に有利には、触媒(K)として、相応するアミンブロックされた燐酸エステルおよびこの場合に殊にアミンブロック化された燐酸エチルヘキシルエステルおよびアミンブロック化された燐酸フェニルエステル、殊に有利にアミンブロック化された燐酸−ビス(2−エチルヘキシル)エステルが使用される。
【0056】
この酸含有触媒(K)は、通常、それぞれコーティング剤の非揮発性成分に対して0.01〜6.0質量%、有利に0.1〜5.0質量%の量で、特に有利に0.5〜3.0質量%の割合で使用される。
【0057】
コーティング剤の他の成分およびコーティング剤の適用
本発明によるコーティング剤は、通常、なお少なくとも1つの有機溶剤を含有する。本発明によるコーティング剤のための溶剤として、殊にコーティング剤中でコーティング剤の通常の成分に対して化学的に不活性であるようなものが適している。このような溶剤の例は、脂肪族および/または芳香族炭化水素、例えばトルエン、キシレン、ソルベントナフサ、Solvesso 100またはHydrosol(登録商標)(ARAL社)、ケトン、例えばケトン、メチルエチルケトンまたはメチルアミンケトン、エステル、例えばエチルアセテート、ブチルアセテート、ペンチルアセテートまたはエチルエトキシプロピオネート、エーテルまたは前記溶剤からなる混合物である。
【0058】
更に、本発明によるコーティング剤は、少なくとも1つの通常の公知の塗料添加剤(F)を、それぞれコーティング剤の非揮発性成分に対して作用量で、即ち特に30質量%まで、特に有利に25質量%までの量で含有することができる。
【0059】
適した塗料添加剤の例は、次の通りである:
殊に、UV吸収剤、
殊に光安定剤、例えばKALS化合物、ベンズトリアゾールまたはオキサールアニリド;
ラジカル捕捉剤;
スリップ添加剤;
重合抑制剤;
消泡剤;
反応性希釈剤、例えば有利に−Si(OR)3−基に対して不活性である、公知技術水準から一般的に公知であるような反応性希釈剤、
湿潤剤、例えばシロキサン、弗素含有化合物、カルボン酸半エステル、燐酸エステル、ポリアクリル酸およびこれらのコポリマーまたはポリウレタン;
付着助剤、例えばトリシクロデカンジメタノール;
均展剤;
被膜形成助剤、例えばセルロース誘導体;
充填剤、例えば二酸化珪素、酸化アルミニウムまたは酸化ジルコニウムをベースとするナノ粒子;補足的になおRoempp Lexikon >>Lacke und Druckfarben<< Georg Thieme Verlag,Stuttgart,1998,第250〜252頁に指摘されている;
レオロジー制御添加剤、例えば特許刊行物WO 94/22968、欧州特許出願公開第0276501号明細書、欧州特許出願公開第0249201号明細書またはWO 97/12945の記載から公知の添加剤;例えば欧州特許出願公開第0008127号明細書中に開示されているような架橋されたポリマーマイクロ粒子;無機層状珪酸塩、例えばアルミニウム−マグネシウムケイ酸塩、モンモリロン石型のナトリウム−マグネシウム−およびナトリウム−マグネシウム−弗素−リチウム層状珪酸塩;ケイ酸、例えばAerosile(登録商標);またはイオン性基および/または結合作用基を有する合成ポリマー、例えばポリビニルアルコール、ポリ(メタ)アクリルアミド、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリビニルピロリドン、スチレン−無水マレイン酸−またはエチレン−無水マレイン酸コポリマーおよびその誘導体または疎水性に変性されたエトキシル化ウレタンまたはポリアクリレート;
難燃剤および/または
既に上記した水捕捉剤。
【0060】
本発明のもう1つの実施態様において、本発明によるコーティング剤は、なお他の顔料および/または充填剤を含有することができ、および顔料が含有されたトップコートの形成に使用される。そのために使用される顔料および/または充填剤は、当業者に公知である。
【0061】
本発明によるコーティング剤から形成された本発明によるコーティングは、既に硬化された電気泳動塗膜、サーフェイサー塗膜、下塗り塗膜または通常の公知のクリヤラッカー塗膜上にも卓越して付着するので、この本発明によるコーティングは、自動車量産(OEM)塗装への使用と共に顕著に自動車修復塗装または既に塗装された自動車車体に対するモジュール引掻耐性の装備に適している。
【0062】
本発明によるコーティング剤は、通常の適用方法、例えば噴霧、ナイフ塗り、刷毛塗り、流し塗り、浸漬、含浸、滴下またはローラ塗布によって適用することができる。この場合、コーティングすべき基材自体は静止していてもよく、その際、適用装置または適用器具は可動される。しかしながら、コーティングすべき基材、特にコイルも可動されることができ、その際、適用装置は基材に対して相対的に静止しているかまたは適当に可動される。
【0063】
好ましくは、噴霧適用法、例えば圧縮空気噴霧、エアレススプレー、高速回転スプレー、静電噴霧塗装(ESTA)、場合によってはホットスプレーの適用と関連した、例えば熱風ホットスプレーが使用される。
【0064】
適用された本発明によるコーティング剤の硬化は、或る程度の静止時間後に行なうことができる。この静止時間は、例えば塗料層の均展および脱気のために、または揮発性成分、例えば溶剤の蒸発のために使用される。静止時間は、この場合に塗料層の損傷または変化が全く起こらず、場合によっては早期の完全な架橋が起こる限り、高められた温度の使用および/または減少された空気湿分によって支持されてよいし、および/または短縮されてよい。
【0065】
コーティング剤の熱硬化は、方法論的な特殊性を有するのではなく、常用の公知の方法、例えば循環空気炉中での加熱またはIR灯を用いた照射により行なわれる。この場合に、熱的硬化は段階的に行うこともできる。もう1つの好ましい硬化方法は、近赤外線(NIR線)を用いた硬化である。
【0066】
好ましくは、熱硬化は、1分間ないし10時間、特に有利に2分間ないし5時間、殊に3分間ないし3時間の間に30〜200℃、特に有利に40〜190℃、殊に50〜180℃の温度で行なわれ、この場合には、有利に30〜90℃である、自動車修復塗装に使用される温度で比較的長い硬化時間が使用されてもよい。
【0067】
本発明によるコーティング剤は、高度に耐引掻性および殊に耐化学薬品性および耐候性を有しかつ極めて良好な目視的な全体的印象を有する、新たに硬化されたコーティング、殊に塗膜、特殊なクリヤラッカー塗膜、成形部材、特に光学的成形部材、および傾斜したシートを提供する。殊に、本発明によるコーティングおよび塗膜、特にクリヤラッカー塗膜は、応力の亀裂が発生することなしに、40μmを上廻る層厚で形成することもできる。
【0068】
従って、本発明によるコーティング剤は、卓越して前進手段(殊に、自動車、例えばオートバイ、バス、トラックまたは乗用車)の車体またはその部材;内側範囲および外側範囲での建築物;家具、窓およびドア;プラスチック成形部品、殊にCDsおよび窓;工業用小型部材、コイル、コンテナおよびラッピング;白色製品;フィルム;光学的、電子技術的および機械的な構造部材ならびに日常の必需品のガラス中空体および物品の装飾的、保護的および/または効果的な高度に耐引掻性のコーティングおよび塗膜として適している。
【0069】
殊に、本発明によるコーティング剤および塗装系、殊にクリヤラッカー塗膜は、自動車量産塗装(OEM)ならびに自動車修復塗装の工業的および審美的な特に要求の多い分野において使用される。特に有利に本発明によるコーティング剤は、多段階のコーティング方法において、殊に場合により予めコーティングされた基体上に最初に顔料が含有された下塗り塗料層を塗布し、その後に1つの層を本発明によるコーティング剤で塗布する方法で使用される。従って、本発明の対象は、少なくとも1つの顔料が含有された下塗り塗料層およびその上に配置された少なくとも1つのクリヤラッカー層からの効果を付与する、および/または色を付与するマルチコート塗装系でもあり、これは、クリヤラッカー層が本発明によるコーティング剤から形成されていることによって特徴付けられる。
【0070】
水希釈可能な下塗り塗料ならびに有機溶剤をベースとする下塗り塗料が使用されてよい。適した下塗り塗料は、例えば欧州特許出願公開第0692007号明細書中およびその中の第3欄、第50行以降に記載された刊行物中に記載されている。好ましくは、施された下塗り塗料は、最初に乾燥され、即ち下塗り塗膜から、フラッシングオフ段階で有機溶剤または水の少なくとも一部分が取り込まれる。乾燥は、特に室温ないし80℃の温度で行なわれる。乾燥後、本発明によるコーティング剤は、施される。引続き、二層塗膜は、有利に自動車量産塗装の際に使用される条件下で30〜200℃、特に有利に40〜190℃、殊に50〜180℃の温度で1分間ないし10時間、特に有利に2分間ないし5時間、殊に3分間ないし3時間の時間で焼き付けられ、この場合には、有利に30〜90℃である、自動車修復塗装に使用される温度で比較的長い硬化時間が使用されてもよい。
【0071】
本発明によるコーティング剤で形成される層は、なかんずく特に高い耐化学薬品性および耐候性ならびに極めて良好な耐ランドリーライン性および耐引掻性を示し、同時に極めて良好な目視的な全体的印象(極めて良好な外観)を示す。
【0072】
本発明のもう1つの好ましい実施態様において、本発明によるコーティング剤は、透明クリヤラッカーとしてプラスチック基体、殊に透明プラスチック基体をコーティングするために使用される。この場合、このコーティング剤は、量および種類の点でプラスチック基体の有効なUV保護の能力が出せるように設計されているUV吸収剤を含む。この場合も、コーティング剤は、耐引掻性と耐候性との卓越した組合せを示すと同時に極めて良好な外観を示す。このようにコーティングされたプラスチック基体は、特に自動車産業におけるガラス構成成分の代用品に使用され、この場合このプラスチック基体は、有利にポリメチルメタクリレートまたはポリカーボネートからなる。
【実施例】
【0073】
実施例
ポリアクリレート−ポリオール(A1)の製造
窒素でフラッシュされた、かつ冷却器が取り付けられている反応器中に、ペンチルアセテート175.0質量部を装入し、かつ攪拌しながら140℃に加熱する。
【0074】
それと同時に、2つの別個の供給材料を調製した。供給材料1は、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート285.8質量部、アクリル酸1.50質量部、エチルヘキシルメタクリレート144.4質量部、エチルヘキシルアクリレート68.8質量部およびシクロヘキシルメタクリレート119.3質量部から構成されていた。
【0075】
供給材料2は、ソルベントナフサ26.0質量部および第三ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート74.4質量部(過酸化物TBPEH)から構成されていた。140℃の温度に達した後、供給材料2を、徐々に、かつ均一に、285分の時間に亘って計量供給した。供給材料2の開始から15分後に、供給材料1を、徐々に、かつ均一に240分の時間に亘って反応器中に計量供給した。供給材料2の計量供給の終了後に、反応混合物を後重合のためにさらに60分間140℃で攪拌した。この時間中にソルベントナフサ26.5質量部と第三ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート6.2質量部(過酸化物TBPEH)とからなる供給材料3を調製した。後重合時間の経過後、温度を110℃に冷却し、110℃の達成後に、供給材料3を60分の時間の亘って均一に供給した。供給材料3の計量供給の終了後に、反応混合物を後重合のためにさらに120分間110℃で攪拌した。
【0076】
こうして得られた生成物の固体含量を66.0%と測定し、酸価を6mg KOH/g(固体に対して)と測定した。
【0077】
チキソトロープ剤T1の製造
窒素でフラッシュされた、かつ冷却器が取り付けられている反応器中に、ソルベントナフサ924.00質量部を装入し、かつ攪拌しながら140℃に加熱する。それと同時に、2つの別個の供給材料を調製した。供給材料1は、スチレン338.10質量部、n−ブチルメタクリレート253.50質量部、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート338.10質量部、アクリル酸16.80質量部、シクロヘキシルメタクリレート439.50質量部および2−ヒドロキシエチルメタクリレート304.20質量部から構成されていた。供給材料2は、ソルベントナフサ60.00質量部および過酸化物TBPEH168.90質量部(第三ブチル−ペルオキシ−2−エチル−ヘキサノエート)から構成されていた。140℃の温度に達した後、供給材料2を、徐々に、かつ均一に、285分の時間に亘って計量供給した。供給材料2の開始から15分後に、供給材料1を、徐々に、かつ均一に240分の時間に亘って反応器中に計量供給した。
【0078】
供給材料2の計量供給の終了後に、反応混合物を後重合のためにさらに120分間140℃で攪拌した。固体含量をソルベントナフサ179.40gで調節した。こうして得られた生成物の固体含量を60.00%と測定し、酸価を9.00mg KOH/g(固体に対して)と測定し、および粘度(23℃、ソルベントナフサ中で55%で)を2000mPas((2500s-1)(CAP03)(DIN ISO 2884−1))と測定した。OH価を155.6mg KOH/gと測定した。
【0079】
こうして得られたポリアクリレートポリオール75質量部をブチルアクリレート16.3質量部中に溶解した。この混合物にアエロジル(登録商標)380(Evonik社の7nmの平均一次粒径および380m2/gのBET表面積を有する市販の親水性珪酸)を添加した。引続き、こうして得られた混合物をディスソルバー(Vollrath社のVDH−1、周速)中で60℃の温度で均質化する。最終的にこの混合物を攪拌ミル(タイプZWM 46、粉砕体0.6〜0.8mm、タイプER 120A、充填度85)中で粉砕物1kg当たり0.18kWhのエネルギー入力および60℃のペーストの最大温度で微粉砕した。こうして得られたペーストをレオロジー助剤として使用した。
【0080】
チキソトロープ剤T2の製造
チキソトロープ剤T1の製造と同様にチキソトロープ剤T2を製造するが、しかし、次の点で異なる:
最初に次のモノマー成分からなるポリアクリレートポリオールのソルベントナフサ中の65%の溶液を製造した:n−ブチルアクリレート32質量%、n−ブチルメタクリレート14質量%、スチレン13質量%、ヒドロキシエチルアクリレート20質量%、4−ヒドロキシブチルアクリレート20質量%およびアクリル酸1質量%。
【0081】
このポリアクリレートポリオール溶液43.8質量%にAerosil(登録商標)R812 11.1質量%(Evonik社の7nmの平均一次粒径および260m2/gの比BET表面積を有する市販の疎水性珪酸)、キシレン21.7質量%およびブタノール23.4質量%を、チキソトロープ剤T2へのT1の製造と同様に添加して加工する。
【0082】
硬化剤の製造
市販のヘキサメチレン−イソシアヌレートの90%の溶液53質量%(BASF SE社の市販製品Basonat(登録商標))、イソホロンジイソシアネート−イソシアヌレートの70%の溶液23質量%(Bayer Material Science社の市販製品Desmodur(登録商標)N 4470)、ブチルアセテート10質量%、ソルベントナフサ10質量%および触媒溶液4質量%(K1)を混合する。触媒溶液(K1)を2−エチルヘキシル燐酸エステル39.35質量%、メトキシプロピルアセテート50質量%およびトリエチルアミン10.65質量%から得る。
【0083】
比較例V1および本発明による実施例1のコーティング剤の製造および適用
比較例V1の結合剤混合物および本発明による実施例1の結合剤混合物を第1表中に記載された成分を混合することによって製造した。比較例V1のクリヤラッカーおよび本発明による実施例1のクリヤラッカーを、それぞれ結合剤混合物100質量部を第2表中に記載された質量部の硬化剤と合わせ、均質な混合物が生じるまで攪拌することによって製造した。
【0084】
【表1】

【0085】
第1表に関する説明:
1)Cytec Indusries社の、n−ブタノール中82.7%の市販のメトキシメチルブトキシブチルメラミン樹脂、
2)Byk Chemie社の高分子量ブロックコポリマーをベースとする市販の分散剤のメトキシプロピルアセテートおよびブチルアクリレート中の30%の溶液、
3)Tinuvin(登録商標)123、Ciba社の立体障害アミンをベースとする市販の光安定剤、
4)Tinuvin(登録商標)384、Ciba社のベンズトリアゾールをベースとする市販の光安定剤、
5)Byk Chemie社のポリエーテル変性されたメチルアルキルポリシロキサンコポリマーをベースとする市販の均展剤の52%の溶液、
6)グリコール酸ブチルエステル、Helm AG社の市販の溶剤、
7)ブタノール中のDBN(1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノン−5−エン)の30%の溶液。
【0086】
【表2】

【0087】
コーティングは、比較例1のコーティング剤および本発明による実施例1のコーティング剤を、それぞれ通常の公知の、陰極析出され、熱硬化された電気泳動塗膜、通常の公知の、熱硬化されたサーフェイサー塗膜およびBASF Coatings AG社の、80℃で10分間予め乾燥された、市販の常用の黒色下塗り塗料からの層でコーティングされた試験パネル上に噴霧法により噴霧されることによって形成された。下塗り塗料層およびクリヤラッカー層を一緒に140℃で22分間、硬化した。生じるベース塗膜は、7.5μmの層厚を有し、生じるクリア塗膜は、約35μmの層厚を有していた。
【0088】
スプレーしぶきの吸収の評価
スプレーしぶきの吸収に関連して材料の頑丈さを試験するために、新たに塗布したクリヤラッカー塗膜中に2分間の乾燥時間後にさらに一回噴霧塗布により他のクリヤラッカーを塗布した。後噴霧された表面の表面品質を耐膨れ性またはスプレーしぶき感受性に関連して目視的に検査した。結果は、次の第3表中に記載されている。
【0089】
【表3】

【0090】
付加的に比較例V1および本発明による実施例1のコーティングによって、さらに温度勾配炉法により耐化学薬品性について試験した。結果は、第4表中に記載されている。
【0091】
耐化学薬品性を測定するために、上記した、硬化されたコーティングを備えた試験パネル(Byk−Gardener社の温度勾配炉のパネル)上にピペットで20%の硫酸溶液の液滴(約0.25ml)を2cmの間隔で施す。温度勾配炉(Byk−Gardener社)中で前記液滴を30分間35〜80℃のパネルの長手方向に温度勾配に掛ける。前記の物質の作用に引き続いて、前記物質を流水下に除去し、損傷を24時間後に目視的に評価した:前記耐性の評価のために、クリヤラッカーの最初に顕著な侵蝕の範囲(温度)を定める。結果は、第4表("24時間(0℃)後の損傷の開始")中に記載されている。この損傷の最初の評価の後に、試験パネルを80℃で2時間空気循環炉中に貯蔵し、再び損傷を目視的に評価する。結果は、第4表("2時間 80℃(0℃)後の損傷の開始")中に記載されている。
【0092】
【表4】

【0093】
第4表中の結果は、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノン−5−エンを添加することによって、生じるコーティングの耐化学薬品性が不利に影響を及ぼされないことを示す。
【0094】
目視的な全体的印象(外観)を、コーティング剤を2.5バールで3回の噴霧塗布工程で空気圧で塗布した後にBASF Coatings AG社の市販の常用の下塗り塗料ブラック標準に対して評価した。その後に、それぞれ生じるコーティングを室温で5分間乾燥させ、そして引続き140℃で22分間、焼き付ける。実施例1および比較例1の焼き付けた塗膜を、Byk−Gardner社の機器"Wave Scan"を用いて検査し、この場合には、10cmの区間で1250個所の測定点が記録された。反射を測定機器によって長波動("長波長"=LW値)で、即ち0.6mm〜10mmの範囲内の構造体に対する光の強さの変動を評価し、ならびに短波動("短波長"=SW値)で、即ち0.1mm〜0.6mmの範囲内の構造体に対する光の強さの変動を評価する。前記Wave Scanでの測定の結果は、第5表中および第6表中に記載されている。
【0095】
【表5】

【0096】
【表6】

【0097】
第5表中および第6表中の結果は、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノン−5−エンを添加することによって、生じるコーティングの外観が不利に影響を及ぼされないことを示す。
【0098】
実施例2および実施例3のコーティング剤の製造、および実施例2および実施例3のコーティングの形成
実施例1の結合剤混合物の製造と同様に、第7表中に記載された成分から実施例2および実施例3の結合剤混合物を製造する。
【0099】
【表7】

【0100】
第7表に関する説明:
1)Cytec Indusries社の、n−ブタノール中82%の市販のメトキシメチルブトキシブチルメラミン樹脂、
2)Byk Chemie社の高分子量ブロックコポリマーをベースとする市販の分散剤のメトキシプロピルアセテートおよびブチルアクリレート中の30%の溶液、
3)Tinuvin(登録商標)123、Ciba社の立体障害アミンをベースとする市販の光安定剤、
4)Tinuvin(登録商標)384、Ciba社のベンズトリアゾールをベースとする市販の光安定剤、
5)Byk Chemie社のポリエーテル変性されたメチルアルキルポリシロキサンコポリマーをベースとする市販の均展剤の52%の溶液、
6)グリコール酸ブチルエステル、Helm AG社の市販の溶剤、
7)ブタノール中のDBN(1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノン−5−エン)の30%の溶液、
8)ブタノール中のDBU(1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセ−7−エン)の30%の溶液。
【0101】
実施例1のコーティング剤の製造と同様に、それぞれ結合剤混合物100質量部に対して、第8表中に記載された、硬化剤の質量部から、実施例2および実施例3のコーティング剤を製造する。
【0102】
【表8】

【0103】
異なるアミンの触媒活性を評価するために、イソシアネート基の変換率を硬化時間に依存して140℃でIR分光分析法(ATR法)により追跡した。これは、本発明による実施例2ならびに本発明による実施例3に対するイソシアネート基の変換率が比較例V1に対する変換率よりも高いことを示した。
【0104】
更に、実施例2および実施例3に対しても、比較例V1および実施例1に対する記載と同様に、スプレーしぶきの吸収を目視的に評価した。結果は、第9表中に記載されている。
【0105】
【表9】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのヒドロキシル基含有化合物(A)、少なくとも1つのイソシアネート基含有化合物(B)、コーティング剤の非揮発性成分に対して少なくとも5.0質量%の少なくとも1つのアミノプラスト樹脂(C)を含有するコーティング剤であって、このコーティング剤が少なくとも1つの不飽和の環式立体障害アミン(D)を含有し、およびこのコーティング剤がヒドロキシル基、イソシアネート基および加水分解可能なシラン基からなる総和に対して加水分解可能なシラン基を2.5モル%未満含有することを特徴とする、上記コーティング剤。
【請求項2】
アミン(D)が二環式アミンである、請求項1記載のコーティング剤。
【請求項3】
アミンが1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノン−5−エンまたは1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセ−7−エンである、請求項1または2記載のコーティング剤。
【請求項4】
コーティング剤がコーティング剤の非揮発性成分に対して環式アミン(D)を0.001〜1.0質量%、有利に0.01〜0.5質量%含有する、請求項1から3までのいずれか1項記載のコーティング剤。
【請求項5】
コーティング剤が、コーティング剤の非揮発性成分に対して少なくとも1つのアミノプラスト樹脂を8〜30質量%、有利に10質量%を上廻り25質量%まで含有する、請求項1から4までのいずれか1項記載のコーティング剤。
【請求項6】
コーティング剤がコーティング剤の非揮発性成分に対して少なくとも1つの酸含有触媒(K)を0.1〜5.0質量%含有する、請求項1から5までのいずれか1項記載のコーティング剤。
【請求項7】
コーティング剤がコーティング剤の非揮発性成分に対して少なくとも1つの酸含有触媒(K)を0.5〜3.0質量%含有する、請求項1から6までのいずれか1項記載のコーティング剤。
【請求項8】
コーティング剤がヒドロキシル基含有化合物(A)としてポリアクリレートポリオールおよび/またはポリメタクリレートポリオールおよび/またはポリエステルを含有する、請求項1から7までのいずれか1項記載のコーティング剤。
【請求項9】
ポリアクリレートポリオールおよび/またはポリメタクリレートポリオールが60〜300mg KOH/g、殊に100〜250mg KOH/g、特に150〜190mg KOH/gのOH価を有する、請求項1から8までのいずれか1項記載のコーティング剤。
【請求項10】
コーティング剤がイソシアネート基含有化合物(B)としてヘキサメチレン−1,6−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートおよび/または4,4’−メチレンジシクロヘキシルジイソシアネート、これらのビウレット二量体および/またはイソシアヌレート三量体を含む、請求項1から9までのいずれか1項記載のコーティング剤。
【請求項11】
多段階のコーティング方法であって、場合により予めコーティングされた基体上に顔料が含有された下塗り塗料層を塗布し、その後に請求項1から10までのいずれか1項に記載のコーティング剤からの1つの層を塗布することを特徴とする、前記の多段階のコーティング方法。
【請求項12】
顔料が含有された下塗り塗料層の塗布後に、塗布された下塗り塗料を最初に室温ないし80℃の温度で乾燥させ、そして請求項1から10までのいずれか1項に記載のコーティング剤の塗布後に30〜200℃の温度で1分間ないし10時間の間に硬化させる、請求項11記載の多段階のコーティング方法。
【請求項13】
自動車量産塗装および自動車修復塗装のための、クリヤラッカーとして請求項1から10までのいずれか1項に記載のコーティング剤の使用ならびに請求項11または12記載の方法の使用。
【請求項14】
少なくとも1つの顔料が含有された下塗り塗料層およびその上に配置された、少なくとも1つのクリヤラッカー層からの効果を付与する、および/または色を付与するマルチコート塗装系において、クリヤラッカー層が請求項1から10までのいずれか1項に記載のコーティング剤から形成されていることを特徴とする、前記マルチコート塗装系。
【請求項15】
耐膨れ性を改善するための、少なくとも1つのヒドロキシル基含有化合物(A)、少なくとも1つのイソシアネート基含有化合物(B)、コーティング剤の非揮発性成分に対して少なくとも5.0質量%の少なくとも1つのアミノプラスト樹脂(C)を含有するコーティング剤中の不飽和の環式立体障害アミン、殊に不飽和の二環式立体障害アミンの使用。

【公表番号】特表2012−529538(P2012−529538A)
【公表日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−513481(P2012−513481)
【出願日】平成22年3月8日(2010.3.8)
【国際出願番号】PCT/EP2010/001421
【国際公開番号】WO2010/139375
【国際公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【出願人】(390008981)ビーエーエスエフ コーティングス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (155)
【氏名又は名称原語表記】BASF Coatings GmbH
【住所又は居所原語表記】Glasuritstrasse 1, D−48165 Muenster,Germany
【Fターム(参考)】