説明

コードクランプ構造

【課題】ネジを用いることなくコード(例えば電源コード)をクランプすることが可能なコードクランプ構造を提供する。
【解決手段】車両用灯具構成部材としてのハウジングと、基端が前記ハウジングに固定された脚部と、前記脚部の先端から屈曲部を介して片持ち梁状に延びており、車体側に固定される固定部と、前記ハウジングに固定されたリブ端部と前記リブ端部から前記脚部及び前記固定部の輪郭に沿って延びた輪郭リブ部とを含む補強リブと、前記脚部から片持ち梁状に延びており、前記リブ端部との間にコードをクランプするための爪部と、を含む車体取付部と、を備えており、前記爪部の自由端と前記リブ端部との間の間隔は、前記コードの径より小さく設定されていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コードクランプ構造に係り、特にネジを用いることなくコード(例えば電源コード)をクランプすることが可能なコードクランプ構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、図3に示すように、ハウジング210内に配置された光源220、当該光源220に電流を印加するための電源コード230等を備えた車両用灯具200が知られている(例えば特許文献1参照)。図4に示すように、電源コード230は、一般に、樹脂ワッシャー付きのネジ240を用いてハウジング210に固定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−349130号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来のコード固定構造においては、ネジが必要となる分、部品点数が増加しコストアップするという問題がある。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、ネジを用いることなくコード(例えば電源コード)をクランプすることが可能なコードクランプ構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、車両用灯具構成部材としてのハウジングと、基端が前記ハウジングに固定された脚部と、前記脚部の先端から屈曲部を介して片持ち梁状に延びており、車体側に固定される固定部と、前記ハウジングに固定されたリブ端部と前記リブ端部から前記脚部及び前記固定部の輪郭に沿って延びた輪郭リブ部とを含む補強リブと、前記脚部から片持ち梁状に延びており、前記リブ端部との間にコードをクランプするための爪部と、を含む車体取付部と、を備えており、前記爪部の自由端と前記リブ端部との間の間隔は、前記コードの径より小さく設定されていることを特徴とする。
【0007】
請求項1に記載の発明によれば、ネジを用いることなく、車体取付部に一体化された爪部とリブ端部との間にコード(例えば電源コード)をクランプすることが可能なコードクランプ構造を実現することが可能となる。
【0008】
また、請求項1に記載の発明によれば、爪部の自由端とリブ端部との間の間隔がコードの径より小さく設定されているため、爪部とリブ端部との間にクランプされたコードが、その間隔から脱落するのを防止することが可能となる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記リブ端部は、前記コードを、前記爪部の自由端と前記リブ端部との間の間隔に案内するための斜面を含んでいることを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載の発明によれば、斜面の作用によりコードを爪部の自由端とリブ端部との間の間隔に案内することが可能となるため、コードのクランプ作業を容易に行うことが可能となる。また、請求項2に記載の発明によれば、リブ端部が補強リブとコード案内部(斜面)とを兼用する構成であるため、リブ端部以外に別途コード案内部(斜面)を設ける必要がない。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ネジを用いることなくコード(例えば電源コード)をクランプすることが可能なコードクランプ構造を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本実施形態のコードクランプ構造の拡大斜視図である。
【図2】コードクランプ構造の縦断面図である。
【図3】従来の車両用灯具(電源コードを含む)の断面図である。
【図4】一般的なコード固定構造を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一実施形態であるコードクランプ構造が適用される車両用灯具について図面を参照しながら説明する。
【0014】
本実施形態のコードクランプ構造が適用される車両用灯具10は、例えば、デイタイムランニングランプ及びポジションランプを含むコンビネーションランプである。
【0015】
図1、図2に示すように、車両用灯具10は、車両用灯具構成部材としてのハウジング12、ハウジング12を車体側に固定するための車体取付部14等を備えている。ハウジング12と車体取付部14とは、樹脂材料を射出成形することで一体的に形成されている。
【0016】
車体取付部14は、基端14a1がハウジング12に固定された脚部14a、脚部14aの先端14a2から屈曲部14bを介して片持ち梁状に延びており、車体側(例えば、車体フレーム)に公知の手段(例えば、ネジ)で固定される固定部14c、ハウジング12に固定されたリブ端部14d1と当該リブ端部14d1から脚部14a及び固定部14cの輪郭に沿って延びた輪郭リブ部14d2とを含む補強リブ14d、脚部14aから片持ち梁状に延びており、リブ端部14d1との間にコードCをクランプするための爪部14e等を含んでいる。
【0017】
爪部14eは、スライド機構付きの金型を用いることで、脚部14aの略中央に一体的に形成されている。爪部14eの自由端14e1とリブ端部14d1との間の間隔S(図2参照)は、コードCが当該間隔Sから脱落しないように、コードCの径より小さく設定されている。リブ端部14d1は、コードCを、爪部14eの自由端14e1とリブ端部14d1との間の間隔Sに案内するための斜面14d3を含んでいる。
【0018】
コードCは、ハウジング12内に配置されたLED等の光源(図示せず)に電流を印加するための電源コードであり、伸縮性のある保護チューブにより覆われている。
【0019】
上記構成のコードクランプ構造によれば、ネジを用いることなく、爪部14eの自由端14e1とリブ端部14d1との間の間隔Sを通過させるだけで、コードCを爪部14eとリブ端部14d1との間にクランプすることが可能となる。また、爪部14eの自由端14e1とリブ端部14d1との間の間隔SがコードCの径より小さく設定されているため、爪部14eとリブ端部14d1との間にクランプされたコードCが、その間隔から脱落するのを防止することが可能となる。また、斜面14d3の作用によりコードCを爪部14eの自由端14e1とリブ端部14d1との間の間隔Sに案内することが可能となるため、コードCのクランプ作業を容易に行うことが可能となる。
【0020】
以上説明したように、本実施形態によれば、ネジを用いることなく、車体取付部14に一体化された爪部14eとリブ端部14d1との間に電源コードCをクランプすることが可能なコードクランプ構造を実現することが可能となる。
【0021】
また、本実施形態によれば、爪部14eの自由端14e1とリブ端部14d1との間の間隔SがコードCの径より小さく設定されているため、爪部14eとリブ端部14d1との間にクランプされたコードCが、その間隔Sから脱落するのを防止することが可能となる。
【0022】
また、本実施形態によれば、斜面14d3の作用によりコードCを爪部14eの自由端14e1とリブ端部14d1との間の間隔Sに案内することが可能となるため、コードCのクランプ作業を容易に行うことが可能となる。
【0023】
また、本実施形態によれば、リブ端部14d1が補強リブ14dとコード案内部(斜面14d3)とを兼用する構成であるため、リブ端部14d1以外に別途コード案内部(斜面14d)を設ける必要がない。
【0024】
次に、変形例について説明する。
【0025】
上記実施形態では、車両用灯具10が、デイタイムランニングランプ及びポジションランプを含むコンビネーションランプである例について説明したが、本発明はこれに限定されない。車両用灯具10は、デイタイムランニングランプ及びポジションランプ以外のランプを含むコンビネーションランプであってもよいし、その他単一機能のランプ(ヘッドランプ等の外部照明装置、ターンシグナルランプ等の信号・標識装置等)であってもよい。
【0026】
また、上記実施形態では、コードCを、爪部14eの自由端14e1とリブ端部14d1との間の間隔Sに案内するための斜面14d3を設けた例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、斜面14d3は、適宜省略することが可能である。
【0027】
また、上記実施形態では、コードCが電源コードである例について説明したが、本発明はこれに限定されない。コードCはその他のコードであってもよい。
【0028】
上記実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎない。これらの記載によって本発明は限定的に解釈されるものではない。本発明はその精神または主要な特徴から逸脱することなく他の様々な形で実施することができる。
【符号の説明】
【0029】
10…車両用灯具、12…ハウジング、14…車体取付部、14a…脚部、14a1…基端、14a2…先端、14b…屈曲部、14c…固定部、14d…補強リブ、14d1…リブ端部、14d2…輪郭リブ部、14d3…斜面、14e…爪部、14e1…自由端

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用灯具構成部材としてのハウジングと、
基端が前記ハウジングに固定された脚部と、前記脚部の先端から屈曲部を介して片持ち梁状に延びており、車体側に固定される固定部と、前記ハウジングに固定されたリブ端部と前記リブ端部から前記脚部及び前記固定部の輪郭に沿って延びた輪郭リブ部とを含む補強リブと、前記脚部から片持ち梁状に延びており、前記リブ端部との間にコードをクランプするための爪部と、を含む車体取付部と、
を備えており、
前記爪部の自由端と前記リブ端部との間の間隔は、前記コードの径より小さく設定されていることを特徴とするコードクランプ構造。
【請求項2】
前記リブ端部は、前記コードを、前記爪部の自由端と前記リブ端部との間の間隔に案内するための斜面を含んでいることを特徴とする請求項1に記載のコードクランプ構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−181954(P2012−181954A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−42641(P2011−42641)
【出願日】平成23年2月28日(2011.2.28)
【出願人】(000002303)スタンレー電気株式会社 (2,684)
【Fターム(参考)】