説明

ゴムクローラ

【課題】加硫後のゴム物性の低下、ブルーミング等の問題を生じる可能性のあるCTPのような加硫遅延剤を使用することなく、適度な加硫遅延効果を有する加硫促進剤を用いて、良好な作業性を発揮してゴムやけを極力低減しつつ、スチールコード等の金属補強材とゴムとの接着性、特に熱老化後や高湿下における接着性の向上を図り得るゴム組成物を用いた耐久性の高いゴムクローラ。
【解決手段】ゴムクローラは、ゴム成分100質量部に対し、式(I)で表されるスルフェンアミド系加硫促進剤を0.1〜10質量部、コバルト含有化合物をコバルト量として0.03〜3質量部、および硫黄を0.3〜10質量部の量で含有するゴム組成物をトリートゴムに用いた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特定のスルフェンアミド系加硫促進剤を含有する接着耐久性に優れたゴム組成物をトリートゴムとして用いたゴムクローラに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、農業用機械や建設機械等の走行部にはゴムクローラが採用されている。かかるゴムクローラには過酷な使用環境に耐え得る強度が要求されるため、スチールコード等の金属補強材をトリートゴムで被覆した複合材料(ゴム−金属補強材)を用い、かかる金属補強材によってゴムを補強しつつ耐久性の向上を図っている。
【0003】
このようなゴム−金属補強材を製造するにあたり、ゴムと金属とを接着する方法としては、ゴムと金属との結合を同時に行う方法、いわゆる直接加硫接着法が知られているが、この際、ゴムの加硫と金属との結合を同時に行う上で、加硫反応に遅効性を与えるスルフェンアミド系加硫促進剤が有用とされており、現在市販されている最も加硫反応に遅効性を与える加硫促進剤としては、例えば、N,N’−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(以下、「DCBS」と略す)が挙げられる。さらに、遅効性を必要とするような場合には、スルフェンアミド系加硫促進剤と、N−(シクロヘキシルチオ)フタルイミド(以下、「CTP」と略す)のような加硫遅延剤とを併用することも行われている。また、上記DCBS以外のスルフェンアミド系加硫促進剤としては、例えば、特定の式で表されるビススルフェンアミド(特許文献1参照)や、天然油脂由来のアミンを原料としたベンゾチアゾルリルスルフェンアミド系加硫促進剤(特許文献2参照)等も知られている。
【0004】
こうしたなか、ゴムクローラのトリートゴム用ゴム組成物には、ゴム成分として天然ゴムを主成分として用いることが多く、この場合にはDCBSのようなスルフェンアミド系加硫促進剤では加硫速度が過度に遅延する可能性が高いため、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド(以下、「CBS」と略す)やN−t−ブチルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド(以下、「TBBS」と略す)等のスルフェンアミド系加硫促進剤が好適に用いられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−139082号公報
【特許文献2】特開2005−139239号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、CBSやTBBSのような従来の加硫促進剤を用いた場合、ゴムと金属補強材との接着反応が完了する前に加硫反応が進行してしまうおそれがあり、これらの補強材との接着性が充分に得られない場合がある。また、従来の加硫促進剤を用いると、ムーニー粘度が必要以上に上昇して良好な混練作業を実現できない傾向にあり、好適なムーニースコーチタイムをも同時に確保するのは困難な状況にあると考えられる。さらに、従来の加硫促進剤と上記のような加硫遅延剤とを併用した場合、加硫遅延剤の配合量によっては加硫ゴムの物理的物性に悪影響を及ぼし、かつ、加硫ゴムの外観の悪化および接着性に悪影響を及ぼすブルーミングの原因になるという問題が生じる。
【0007】
加えて、一般にゴムクローラを製造する際、加硫工程において部分的に未加硫部位を残存させたまま長尺帯状を呈するシート状のゴム−金属補強材を作製し、未加硫部位を重ねて無端状に成形した後に再度加硫するため、かかるゴム−金属補強材の少なくとも一部は複数回の加硫を受けざるを得ない。そのため、ゴムクローラにおけるゴムと補強材との接着性は、仮に複数回に亘る加硫を経ても充分に耐え得る高い耐熱性を有することが要求され、さらに使用時に課されがちな高湿条件下においても劣化しないことが望まれる。
【0008】
そこで、本発明は、加硫後のゴム物性の低下、ブルーミング等の問題を生じる可能性のあるCTPのような加硫遅延剤を使用することなく、適度な加硫遅延効果を有する加硫促進剤を用いて、良好な作業性を発揮してゴムやけを極力低減しつつ、スチールコード等の金属補強材とゴムとの接着性、特に熱老化後や高湿下における接着性の向上を図り得るゴム組成物を用いた耐久性の高いゴムクローラを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は、上記課題を解決すべく、特定のスルフェンアミド系加硫促進剤を採用し、適度な加硫遅延効果と良好な作業性を保持しつつ、金属補強材との間に高い接着耐久性を発揮し得るゴム組成物を用いたゴムクローラを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明のゴムクローラは、ゴム成分100質量部に対し、式(I)で表されるスルフェンアミド系加硫促進剤を0.1〜10質量部、コバルト含有化合物をコバルト量として0.03〜3質量部、および硫黄を0.3〜10質量部の量で含有するゴム組成物をトリートゴムに用いたことを特徴とする。
【0010】
【化1】

(式(I)中、R1は、炭素数3〜12の分岐アルキル基を示し、R2は炭素数1〜10の直鎖アルキル基を示す。R3〜R6は、水素原子、炭素数1〜4の直鎖アルキル基又はアルコキシ基、或いは炭素数3〜4の分岐アルキル基又はアルコキシ基であり、これらは互いに同一であっても異なっていてもよい。nは0または1を示し、xは1または2を示す。)。
【0011】
また、前記式(I)中、R1がtert−ブチル基であり、R2が炭素数1〜6の直鎖アルキル基であり、かつnが0であってもよく、R1がtert−ブチル基であり、R2が炭素数1〜4の直鎖アルキル基であり、かつnが0であってもよい。
さらに、前記式(I)中、R3〜R6がすべて水素原子であってもよい。
また、前記ゴム成分は、天然ゴム、ポリブタジエンゴム、ポリイソプレンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴムからなる群より選ばれる少なくとも一種を含むのが望ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、トリートゴムに適度な加硫遅延効果を有する加硫促進剤を用いたゴム組成物を採用しているので、かかるゴム組成物はムーニー粘度の上昇が効果的に抑制されて混練作業が容易となるとともに、好適なムーニースコーチタイムを保持することができる。また、かかるゴム組成物は、加硫後のゴム物性の低下、ブルーミング等の問題を生じる可能性のあるCTPのような加硫遅延剤を使用する必要がなく、加硫ゴムの外観や接着性に悪影響を及ぼすおそれがない。そのため、良好な作業性を保持しつつゴムやけの発生を極力低減するとともに、熱老化後や高湿下においても高い接着性を発揮し得るゴム組成物とすることができる。したがって、かかるゴム組成物をトリートゴムに用いることで、たとえ過酷な製造環境下や使用環境下に晒されても、ゴムと金属補強材との間における高い接着耐久性を保持したゴムクローラを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施態様に係るゴムクローラの幅方向断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明について具体的に説明する。
本発明のゴムクローラは、ゴム成分100質量部に対し、式(I)で表されるスルフェンアミド系加硫促進剤を0.1〜10質量部、コバルト含有化合物をコバルト量として0.03〜3質量部、および硫黄を0.3〜10質量部の量で含有するゴム組成物をトリートゴムに用いたことを特徴とする。
【0015】
【化2】

【0016】
本発明のゴムクローラは、トリートゴムに、上記式(I)で表されるスルフェンアミド系加硫促進剤を配合したゴム組成物を用いる。かかるスルフェンアミド系加硫促進剤は、適度な加硫遅延効果を有しており、かつ、ムーニー粘度の上昇を効果的に抑制するとともに好適なムーニースコーチタイムをも確保することができる。また、スチールコード等の補強材との直接加硫接着における接着耐久性にも優れるとともに、熱老化にも充分に耐えうる接着性を発揮することができる。
【0017】
本発明において、上記式(I)で表されるスルフェンアミド系加硫促進剤中のRは、炭素数3〜12の分岐アルキル基を示す。R1が炭素数3〜12の分岐アルキル基であれば、上記スルフェンアミド系加硫促進剤の加硫促進性能が良好であるとともに、接着性能を高めることができる。
【0018】
1としては、具体的には、イソプロピル基、イソブチル基、トリイソブチル基、sec−ブチル基,tert−ブチル基、イソアミル基(イソペンチル基)、ネオペンチル基、tert−アミル基(tert−ペンチル基)、イソヘキシル基、tert−ヘキシル基、イソヘプチル基、tert−ヘプチル基、イソオクチル基、tert−オクチル基、イソノニル基、tert−ノニル基、イソデシル基、tert−デシル基、イソウンデシル基、tert−ウンデシル基、イソドデシル基、tert−ドデシル基などが挙げられる。これらの中でも、好適なムーニースコーチタイムが得られるなどの効果の点から、炭素数1〜12のtert−アルキル基が好ましく、特に、tert−ブチル基、tert−アミル基(tert−ペンチル基)、tert−ドデシル基、トリイソブチル基が好ましく、中でもtert−ブチル基が、接着性の向上及び従来好適に用いられていたスルフェンアミド系加硫促進剤と同等の加硫速度の保持効果をバランスよく発揮する観点から最も好ましい。
【0019】
上記式(I)で表されるスルフェンアミド系加硫促進剤中のnは、0または1を示し、合成のし易さや原材料コストなどの効果の点から、0であるのが好ましい。また式(I)中のxは1または2の整数を示す。xが3以上になると反応性が高くなり過ぎるためスルフェンアミド系加硫促進剤の安定性が低下し、作業性が悪化するおそれがある。
【0020】
これらは、R1に隣接する−N−の近傍にかさ高い基が存在するほど、良好なムーニースコーチタイムを付与できる傾向にあるためと推定される。したがって、たとえば上記式(I)中のR1がtert−ブチル基であり、nが0であると、R1がシクロヘキシル基であり、nが0であるDCBSと比べて、−N−の近傍は前者の方がよりかさ高く、より好適なムーニースコーチタイムを付与し得るものと考えられる。さらに後述するR2とも相まって、−N−の近傍に位置する置換基のかさ高さを適度に制御することで、人体蓄積性に配慮しつつ、好適な加硫速度と良好な接着性をバランスよく発揮することが可能となる。
【0021】
本発明において、上記式(I)で表されるスルフェンアミド系加硫促進剤中のR2は、炭素数1〜10の直鎖アルキル基を表す。仮にR2が分岐アルキル基であると、R1及びR2共に分岐アルキル基となるため、合成しても安定性を良好に保持できない可能性があり、耐熱接着性が低下するおそれがある。特に、R1及びR2共にtert−ブチル基である場合には、その合成でさえ困難となる。したがって、上記のようにR2が炭素数1〜10の直鎖アルキル基であれば、分岐アルキル基であるR1との組合せがよく、−N−の近傍に位置する置換基のかさ高さを有効に制御して、人体蓄積性に配慮しつつ、好適な加硫速度と良好な接着性能をバランスよく発揮することができる。
【0022】
2としては具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−アミル基(n−ペンチル基)、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基などが挙げられる。これらの中でも、合成のし易さや原材料コストなどの効果並びに適正な濃縮性の保持により人体蓄積性に配慮する観点から、炭素数1〜4であるのが好ましく、炭素数1〜3であるのがより好ましく、炭素数1〜2であるのが最も好ましい。
【0023】
したがって、上記式(I)中のR2がHのような従来のスルフェンアミド系加硫促進剤であると、加硫速度が速すぎるおそれがあるとともに良好な接着性が得られない傾向にある。また、R2がシクロヘキシル基のようなかさ高い基や上記範囲外の長鎖の基であるような従来のスルフェンアミド系加硫促進剤であると、逆に加硫速度が遅すぎる傾向にある。
【0024】
より具体的には、特にR1がtert−ブチル基であり、nが0である場合、最適なR2としては、接着性の向上及び従来好適に用いられていたスルフェンアミド系加硫促進剤と同等の加硫速度の保持をバランスよく発揮する観点並びに人体蓄積性に配慮する観点から、メチル基、エチル基が挙げられる。
【0025】
なお、上記式(I)で表されるスルフェンアミド系加硫促進剤中のR1が炭素数3〜12の分岐アルキル基以外の各官能基(例えば、n−オクタデシル基等)や炭素数が12を超える分岐アルキル基である場合、また、R2が炭素数1〜10の直鎖アルキル基以外の各官能基(例えば、n−オクタデシル基等)や炭素数10を超える直鎖または分岐アルキル基である場合、さらにnが2以上の場合には、本発明の目的の効果を充分に発揮し得ず、ムーニースコーチタイムが好適な範囲を超えて遅くなり加硫時間が必要以上に長くなることによって、生産性や接着性が低下したり、または促進剤としての加硫性能やゴム性能が低下したりするおそれがある。
【0026】
上記式(I)中のR3〜R6は、水素原子、炭素数1〜4の直鎖アルキル基又はアルコキシ基、或いは炭素数3〜4の分岐アルキル基又はアルコキシ基であり、これらは互いに同一であっても異なっていてもよく、なかでも、R3とR5とが、炭素数1〜4の直鎖アルキル基又はアルコキシ基、或いは炭素数3〜4の分岐アルキル基又はアルコキシ基であるのが好ましい。また、R3〜R6が、炭素数1〜4のアルキル基又はアルコキシ基の場合、炭素数1であるのが好ましく、R3〜R6のすべてがHであるのが好ましい。好ましいいずれの場合も、化合物の合成のし易さ及び加硫速度が遅くならない点で望ましい。上記式(I)中のR3〜R6の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基が挙げられる。
【0027】
また、上記スルフェンアミド系加硫促進剤のlog Pow値(1−オクタノール/水分配係数)は適正な濃縮性を保持する観点から小さいほど好ましく、具体的には、上記式(I)中のR1及びR2の炭素数が少ないほど、log Pow値が小さくなる傾向にある。たとえば、本発明で用いる式(I)中のR1がt−ブチル基であり、かつnが0である場合、従来好適に用いられていたスルフェンアミド系加硫促進剤と同等の加硫速度を保持しつつ良好な接着性能を発揮し、かつ人体蓄積性に配慮する観点からすれば、式(I)中のR2は炭素数1〜2であるのが好ましい。
【0028】
なお、log Pow値(1−オクタノール/水分配係数)は、一般に化学物質の濃縮性を評価する簡易測定法の一つにより得られる値であり、1−オクタノールと水の2つの溶媒相中に化学物質を加えて平行状態となったときの、その2相における化学物質の濃度比Powから得られる値を意味する。Powは下記式で表され、Powの対数値がlog Pow値である。
Pow=Co/Cw
Co:1−オクタノール層中の被験物質濃度
Cw:水層中の被験物質濃度
log Pow値は、JIS Z7260−117(2006)に準拠し、高速液体クロマトグラフィーを使用してPowを測定することにより求めることができる。
【0029】
本発明において、上記式(I)で表されるスルフェンアミド系加硫促進剤の代表例としては、N−メチル−N−t−ブチルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド(BMBS)、N−エチル−N−t−ブチルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド(BEBS)、N−n−プロピル−N−t−ブチルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド、N−n−ブチル−N−t−ブチルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド(BBBS)、N−メチル−N−イソアミルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド、N−エチル−N−イソアミルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド、N−n−プロピル−N−イソアミルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド、N−n−ブチル−N−イソアミルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド、N−メチル−N−tert−アミルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド、N−エチル−N−tert−アミルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド、N−n−プロピル−N−tert−アミルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド、N−n−ブチル−N−tert−アミルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド、N−メチル−N−tert−ヘプチルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド、N−エチル−N−tert−ヘプチルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド、N−n−プロピル−N−tert−ヘプチルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド、N−n−ブチル−N−tert−ヘプチルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド;
【0030】
N−メチル−N−t−ブチル−4−メチルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド、N−メチル−N−t−ブチル−4,6−ジメトキシベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド、N−エチル−N−t−ブチル−4−メチルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド、N−エチル−N−t−ブチル−4,6−ジメトキシベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド、N−n−プロピル−N−t−ブチル−4−メチルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド、N−n−プロピル−N−t−ブチル−4,6−ジメトキシベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド、N−n−ブチル−N−t−ブチル−4−メチルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド、N−n−ブチル−N−t−ブチル−4,6−ジメトキシベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド等が挙げられる。これらは、1種単独で用いてもよく、2種以上混合して用いてもよい。
【0031】
これらのなかでも、接着性能向上の点から、N−メチル−N−t−ブチルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド(BMBS)、N−エチル−N−t−ブチルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド(BEBS)、N−n−プロピル−N−t−ブチルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミドが好ましい。
【0032】
特に、最も長いムーニースコーチタイムと優れた接着性能を有する点で、N−メチル−N−t−ブチルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド(BMBS)、N−エチル−N−t−ブチルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド(BEBS)がより好ましく、N−エチル−N−t−ブチルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド(BEBS)が最も好ましい。
【0033】
これらスルフェンアミド系加硫促進剤は、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド(TBBS)、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド(CBS)、ジベンゾチアゾリルジスルフィド(MBTS)などの汎用の加硫促進剤と組み合わせて使用することも可能である。
【0034】
上記スルフェンアミド系加硫促進剤の含有量は、上記ゴム成分100質量部に対し、0.1〜10質量部、好ましくは0.1〜0.7質量部、さらに好ましくは0.1〜0.6質量部の量である。この加硫促進剤の含有量が0.1質量部未満であると、充分に加硫しなくなるおそれがあり、一方、10質量部を超えると、ブルーミング等の問題が生じやすく、ゴムやけの発生や補強材との接着性の低下を引き起こすおそれがある。
【0035】
上記スルフェンアミド系加硫促進剤の製造方法としては、下記方法を好ましく挙げることができる。
すなわち、対応するアミンと次亜塩素酸ソーダの反応によりあらかじめ調製したN−クロロアミンとビス(ベンゾチアゾール−2−イル)ジスルフィドを、アミンおよび塩基存在下、適切な溶媒中で反応させる。塩基としてアミンを用いた場合は、中和を行い、遊離のアミンに戻した後、得られた反応混合物の性状に従って、ろ過、水洗、濃縮、再結晶など適切な後処理をおこなうと、目的とするスルフェンアミドが得られる。
【0036】
本製造方法に用いる塩基としては,過剰量用いた原料アミン、トリエチルアミンなどの3級アミン、水酸化アルカリ,炭酸アルカリ、重炭酸アルカリ、ナトリウムアルコキシドなどが挙げられる。特に、過剰の原料アミンを塩基として用いたり、3級アミンであるトリエチルアミンを用いて反応を行い、水酸化ナトリウムで生成した塩酸塩を中和し、目的物を取り出した後、ろ液からアミンを再利用する方法が望ましい。
【0037】
本製造方法に用いる溶媒としては、アルコールが望ましく、特にメタノールが望ましい。
例えば、N−エチル−N−t−ブチルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド(BEBS)では、N−t−ブチルエチルアミンに次亜塩素酸ナトリウム水溶液を0℃以下で滴下し、2時間攪拌後油層を分取した。ビス(ベンゾチアゾール−2−イル)ジスルフィド、N−t−ブチルエチルアミンおよび前述の油層を、メタノ−ルに懸濁させ、還流下2時間攪拌した。冷却後、水酸化ナトリウムで中和し、ろ過、水洗、減圧濃縮した後、再結晶することで目的とするBEBS(白色固体)を得ることができる。
【0038】
上記ゴム組成物には、初期接着性能の向上に大きく寄与するコバルト含有化合物を配合する。かかるコバルト含有化合物としては、有機酸のコバルト塩、無機酸のコバルト塩である塩化コバルト、硫酸コバルト、硝酸コバルト、リン酸コバルト、クロム酸コバルトが挙げられる。なかでも、さらなる初期接着性能の向上の点から、有機酸のコバルト塩が好ましい。これらは、1種単独で用いてもよく、2種以上混合して用いてもよい。
【0039】
上記有機酸のコバルト塩としては、より具体的には、例えば、ナフテン酸コバルト、ステアリン酸コバルト、ネオデカン酸コバルト、ロジン酸コバルト、バーサチック酸コバルト、トール油酸コバルト等の少なくとも1種を挙げることができ、また、有機酸コバルトは有機酸の一部をホウ酸で置き換えた複合塩でもよく、具体的には、市販のOMG社製の商品名「マノボンド」等も用いることができる。
【0040】
上記コバルト含有化合物の含有量は、コバルト量として、上記ゴム成分100質量部に対し、0.03〜3質量部、好ましくは0.03〜0.06質量部の量である。コバルト量の含有量が0.1質量部未満では、充分な接着性の向上を図ることができず、一方、3質量部を越えると、熱老化後の耐熱性が低下するおそれがある。
【0041】
上記ゴム組成物には、上記成分のほか、加硫剤として硫黄を配合する。その含有量は、上記ゴム成分100質量部に対し、0.3〜10質量部、好ましくは1.0〜7.0質量部、より好ましくは3.0〜5.0質量部の量である。硫黄の含有量が1質量部未満であると、充分に加硫しなくなるおそれがあり、一方、10質量部を超えると、ゴムの老化性能が低下するおそれがあり好ましくない。
【0042】
上記ゴム組成物のゴム成分としては、ゴム製品に一般に用いられるゴムであれば特に限定されず、主鎖に二重結合があるゴム成分であれば硫黄架橋可能であるため、上記式(I)で表されるスルフェンアミド系加硫促進剤が有効に機能するものであり、たとえば、天然ゴム、または合成ゴムが用いられる。かかる合成ゴムとしては、具体的には、ポリブタジエンゴム、ポリイソプレンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体、ハロゲン化ブチルゴム等が挙げられる。なかでもスチールコード等の金属補強材への接着性の点から、天然ゴム、ポリブタジエンゴム、ポリイソプレンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴムの少なくとも一種を含むことが好ましい。さらに、ゴムクローラの耐久性向上の観点から、天然ゴムを用いるのがより望ましい。
【0043】
上記ゴム組成物には、必要に応じて上記成分以外の添加剤等を適宜配合してもよい。かかる添加剤等としては、例えば、上記硫黄以外の加硫剤、上記加硫促進剤以外の加硫促進剤或いは加硫促進助剤、カーボンブラック等の補強性充填剤、老化防止剤、可塑剤、石油樹脂、ワックス類、酸化防止剤、オイル、滑剤、紫外線吸収剤、分散剤、相溶化剤、均質化剤等が挙げられる。かかるゴム組成物は、これら各成分を、たとえば、バンバリーミキサー、ニーダー等により混練りすることにより製造することができる。
【0044】
本発明のゴムクローラは、上記ゴム組成物をトリートゴムとして用いる。かかるゴムクローラの構造は、具体的には、例えば図1の幅方向断面図に示すように、補強材であるスチールコード2がトリートゴム1で被覆されてなり、内周面側に外れ防止突起部3や翼部4を具えた芯金5の一部が、設置面側にラグ6を形成してなるゴム部材7中に埋設されてなる。
【0045】
かかるゴムクローラを製造するには、以下の方法を例示することができる。
まず、ゴムクローラの内周面を区画する下モールド面に内面ゴムシート(ゴム部材7)を敷き、ここに芯金5を配置し、ゴムシート、トリートゴム1を順に配置して、その上に列状に束ねたスチールコード2を配置する。さらにトリートゴム1、外面ゴムシート(ゴム部材7)を順に配置した後、ゴムクローラの外周面を区画する上モールドを閉じて加硫成形する。通常、この加硫成形の際、後に長尺帯状から無端状に成形するために未加硫部位を一部に残存させ、かかる部位を中心に重ねた後に再度加硫成形することにより、ゴムクローラを得る。
【0046】
なお、上記スチールコード2として亜鉛めっきスチールコードやブラスめっきスチールコード等を採用してもよい。また上記ゴム部材7を形成するゴム組成物として、トリートゴム1と同じゴム組成物を採用してもよく、この際にはゴム部材7によって形成される厚み分も考慮しつつ、トリートゴム1の厚みを適宜選択して配置すればよい。
【実施例】
【0047】
以下、本発明について、実施例に基づき具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
なお、各スルフェンアミド系加硫促進剤のlog Pow値は、上述したように、JIS Z7260−117(2006)に準拠し、高速液体クロマトグラフィーを使用してPowを測定することにより求めた。
【0048】
〔製造例1:N−エチル−N−t−ブチルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド(加硫促進剤1)の合成〕
N−t−ブチルエチルアミン16.4g(0.162mol)に12%次亜塩素酸ナトリウム水溶液148gを0℃以下で滴下し、2時間攪拌後油層を分取した。ビス(ベンゾチアゾール−2−イル)ジスルフィド39.8g(0.120mol)、N−t−ブチルメチルアミン24.3g(0.240mmol)および前述の油層を、メタノ−ル120mlに懸濁させ、還流下2時間攪拌した。冷却後、水酸化ナトリウム6.6g(0.166mol)で中和し、ろ過、水洗、減圧濃縮した後、再結晶することで目的とする加硫促進剤1を41.9g(収率66%)の白色固体(融点60〜61℃、log Pow値4.9)として得た。
得られた加硫促進剤1のスペクトルデータを以下に示す。
【0049】
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ=1.29(t,3H,J=7.1Hz,CH3(エチル))、1.34(s,9H,CH3(t−ブチル))、2.9−3.4(br−d,CH2)、7.23(1H,m)、7.37(1H,m)、7.75(1H,m)、7.78(1H,m).
13C−NMR(100MHz,CDCl3)δ=15.12、28.06、47.08、60.41、120.70、121.26、123.23、125.64、134.75、154.93、182.63.
質量分析(EI、70eV):m/z;251(M+−CH4)、167(M+−C614N)、100(M+−C75NS2):IR(KBr,cm-1):3061,2975,2932,2868,1461,1429,1393,1366,1352,1309,1273,1238,1198,1103,1022,1011,936,895,756,727。
【0050】
〔製造例2:N−メチル−N−t−ブチルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド(BEBS、加硫促進剤2)の合成〕
N−t−ブチルエチルアミンの代わりにN−t−ブチルメチルアミン14.1g(0.162mol)を用いて製造例1と同様に行い、加硫促進剤2を46.8g(収率82%)の白色固体(融点56〜58℃、log Pow値4.5)として得た。
得られた加硫促進剤2のスペクトルデータを以下に示す。
【0051】
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ=1.32(9H,s,CH3(t−ブチル))、3.02(3H,s,CH3(メチル))、7.24(1H,m)、7.38(1H,m)、7.77(1H,m)、7.79(1H,m).
13C−NMR(100MHz,CDCl)δ=27.3、41.9、59.2、120.9、121.4、123.3、125.7、135.0、155.5、180.8.
質量分析(EI,70eV)m/z;252(M+)、237(M+−CH3)、223(M+−C26)、195(M+−C49)、167(M+−C512N)、86(M+−C74NS2)。
【0052】
〔製造例3:N−n−プロピル−N−t−ブチルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド(加硫促進剤3)の合成〕
N−t−ブチルメチルアミンの代わりにN−n−プロピル−t−ブチルアミン18.7g(0.162mol)を用いて製造例1と同様に行い、加硫促進剤3を白色固体(融点50〜52℃、log Pow値5.3)として得た。
【0053】
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ=0.92(t,J=7.3Hz,3H),1.34(s,9H),1.75(br,2H),3.03(brd,2H),7.24(t,J=7.0Hz,1H),7.38(t,J=7.0Hz,1H),7.77(d,J=7.5Hz,1H),7.79(d,J=7.5Hz,1H).
13C−NMR(100MHz,CDCl3)δ=11.7,23.0,28.1,55.3,60.4,120.7,121.3,123.3,125.7,134.7,154.8,181.3.
【0054】
〔比較製造例1:N−i−プロピル−N−t−ブチルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド(加硫促進剤4)の合成〕
N−t−ブチルメチルアミンの代わりにN−i−プロピル−t−ブチルアミン18.7g(0.162mol)を用いて製造例1と同様に行い、加硫促進剤4を白色固体(融点68〜70℃)として得た。
【0055】
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ=1.20−1.25(dd,(1.22ppm:J=6.4Hz,1.23ppm:J=6.4Hz)6H),1.37(s,9H),3.78(m,J=6.3Hz,1H),7.23(t,J=7.0Hz,1H),7.38(t,J=7.0Hz,1H),7.77(d,J=7.5Hz,1H),7.79(d,J=7.5Hz,1H).
13C−NMR(100MHz,CDCl3)δ=22.3,23.9,29.1,50.6,61.4,120.6,121.2,123.2,125.6,134.5,154.5,183.3.
【0056】
[実施例1〜4、比較例1〜3]
2200mlのバンバリーミキサーを使用して、ゴム成分、加硫促進剤、及びその他の配合剤を表1に示す配合処方で混練り混合して、未加硫のゴム組成物を調製し、以下の方法で、ムーニー粘度、ムーニースコーチタイムを測定し、引張り試験、および耐湿熱接着性試験を以下に示す方法にしたがって行い、評価した。結果を表1に示す。
【0057】
《ムーニー粘度、ムーニースコーチタイム》
JIS K 6300−1:2001に準拠して行った。
なお、評価は、比較例1の値を100として指数表示した。ムーニー粘度は、値が小さいほど混練時の作業性が良好であることを示し、ムーニースコーチタイムは、値が大きいほど混練後の作業性が良好であることを示す。
【0058】
《引張り試験》
得られたゴム組成物からなるJISダンベル状3号形サンプルを作製し、JIS K 6251:2004に準拠して25℃にて引っ張り試験を行い、破断時引っ張り強さ(Tb)、破断時伸び(Eb)、100%伸長時の引張応力(M100)を測定し、それぞれ比較例1のゴム組成物の各値を100として指数表示した。指数値が大きいほど、耐破壊性に優れることを示す。
【0059】
《耐湿熱接着性試験》
得られたゴム組成物からなるシート(厚さ15mm)を作製し、一対のシート間にスチールコード(直径7mm)を挟み込んで、170℃、40分の条件で加圧加硫を行い、試験片を作製した。
【0060】
次いで、上記試験片を温度40℃、相対湿度95%の恒温恒湿槽内で21日間及び35日間放置した後、各試験片からスチールコードを引き抜き、ゴムの被覆状態を目視で観察し、0〜100%で表示し、耐湿熱接着性の指標とした。数値が大きいほど、耐湿熱接着性に優れることを示す。
【0061】
《ゴムクローラ耐久性試験》
クローラ実走行による劣化促進試験(一般市場の劣化速度の20〜30倍)にて、スチールコードオーバーラップ部分からのスチールコードとゴムとの接着剥離開始時間を測定した。なお、2.5〜5tサイズの機体を使用し、ゴムクローラの幅を300〜600mmとした。数値は比較例1を100として指数表示した。数値が大きいほど、ゴムクローラとしての耐久性に優れることを示す。
【0062】
【表1】

【0063】
※1:#70−NP、旭カーボン(株)製
※2:ANTIGENE6C、住友化学(株)製
※3:大日本インキ化学工業(株)製バーサチック酸コバルト、コバルト含量:14質量%
※4:銀嶺SR、東邦亜鉛(株)製
※5:サフファックス5、鶴見化学工業(株)製
※6:N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド(ノクセラーCZ、大内新興化学工業(株)製)
※7:N−t−ブチルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド(ノクセラーNS、大内新興化学工業(株)製)
【0064】
表1の結果から明らかなように、ゴム成分、特定量のコバルト含有化合物及び上記特定の加硫促進剤を含有する実施例1〜4は、従来の加硫促進剤を含有した比較例1〜3に比して、良好な作業性を保持しつつ、破断時伸び、破断時引っ張り強さおよび100%伸長時の引張応力の低下を抑制して耐破壊性の低下を防止するとともに、優れた耐湿熱接着性とゴムクローラとしての耐久性とを兼ね備えることがわかる。かかる耐湿熱接着性は、特に長期に亘る場合に、より顕著な効果が得られることも明らかである。また、実施例4によれば、上記特定の加硫促進剤と従来の加硫促進剤を併用した場合であっても、同様の効果が得られることもわかる。
【符号の説明】
【0065】
1:トリートゴム
2:スチールコード
3:外れ防止突起部
4:翼部
5:芯金
6:ラグ
7:ゴム部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゴム成分100質量部に対し、式(I)で表されるスルフェンアミド系加硫促進剤を0.1〜10質量部、コバルト含有化合物をコバルト量として0.03〜3質量部、および硫黄を0.3〜10質量部の量で含有するゴム組成物をトリートゴムに用いたことを特徴とするゴムクローラ;
【化1】

(式(I)中、R1は、炭素数3〜12の分岐アルキル基を示し、R2は炭素数1〜10の直鎖アルキル基を示す。R3〜R6は、水素原子、炭素数1〜4の直鎖アルキル基又はアルコキシ基、或いは炭素数3〜4の分岐アルキル基又はアルコキシ基であり、これらは互いに同一であっても異なっていてもよい。nは0または1を示し、xは1または2を示す。)。
【請求項2】
前記式(I)中、R1がtert−ブチル基であり、R2が炭素数1〜6の直鎖アルキル基であり、かつnが0である請求項1に記載のゴムクローラ。
【請求項3】
前記式(I)中、R1がtert−ブチル基であり、R2が炭素数1〜4の直鎖アルキル基であり、かつnが0である請求項1または2に記載のゴムクローラ。
【請求項4】
前記式(I)中、R3〜R6がすべて水素原子である請求項1〜3のいずれかに記載のゴムクローラ。
【請求項5】
前記ゴム成分が、天然ゴム、ポリブタジエンゴム、ポリイソプレンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴムからなる群より選ばれる少なくとも一種を含む請求項1〜4のいずれかに記載のゴムクローラ。

【図1】
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【公開番号】特開2011−6590(P2011−6590A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−152007(P2009−152007)
【出願日】平成21年6月26日(2009.6.26)
【出願人】(000005278)株式会社ブリヂストン (11,469)
【Fターム(参考)】