説明

ゴム製品補強用スチ−ルコ−ド及びタイヤ

【課題】ゴム製品の補強材として使用されるゴム製品補強用スチ−ルコ−ドにおいて、スチ−ルコ−ド内部空洞部へのゴムの充填性を改善すると同時に、破断までの全伸びを5%以上と大きくできるようにしたゴム製品補強用スチ−ルコ−ドを提供する。
【解決手段】5本のすべての素線が当該スチ−ルコ−ドの縒り合わせピッチよりも小さなくせを有する1×5構造のゴム製品補強用のスチ−ルコ−ドにおいて、上記くせは、そのくせのピッチ(くせピッチ)が上記スチ−ルコ−ドの縒り合わせピッチの20〜50%の範囲内であり、また(くせの)波高/くせピッチが0.01〜0.05の範囲内であり、かつ全体形状をスパイラル形状に形成されており、スチ−ルコ−ドを、「波高/くせピッチ」の数値において3種類の異なった数値のくせを有する素線b1、素線b2(各2本)と素線b3(1本)の計5本の素線を縒り合わせた構成とすることで課題解決の手段とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車用タイヤ、コンベアベルトなどのゴム製品の補強材として使用されるクロ−ズ撚りのゴム製品補強用スチ−ルコ−ドに関し、さらに詳しくは、スチ−ルコ−ド内部空洞部へのゴムの充填性を改善すると同時に、破断までの全伸びを大きくできるようにしたゴム製品補強用スチ−ルコ−ドおよびこれを用いたタイヤに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、高い伸び特性を必要とするタイヤやコンベアベルトなどのゴム製品の補強用スチールコ−ドとして、ハイエロンゲ−ションコ−ド(通常3%以下の全伸びに対して5%以上の全伸びを有するコ−ド)が提案されている。このコ−ドは、撚りピッチを非常に小さくして撚り合わせたコ−ドであって5%以上の高い全伸びを得ることができる(「全伸び」とは切断するまでの伸びをいう)。
しかし、このコ−ドは、撚りピッチが非常に小さい分だけ生産性が落ち、また、コ−ドが密に撚られているため、コ−ドの内部にゴムが侵入しないという欠点がある。
【0003】
また、撚りピッチを小さくすることなく(生産性を落とすことなく)、高い伸び率を有し、しかもゴムの侵入性に優れたコ−ドとして、素線を緩く撚り合わせたオ−プン構造のスチ−ルコ−ド(オ−プンコ−ド)が開発されている。このコ−ドは全伸びが非常に大きく、しかも緩く撚り合わされているので、素線間のゴムが侵入できる隙間が撚り線加工時に形成される。
【0004】
しかしながら、このオ−プンコ−ドは、緩い撚り合わせであるため、小さな荷重で大きく伸びることから、取り扱い作業性が悪い。しかもタイヤ製造工程のカレンダ−工程において、コ−ドをリ−ルから引き出す際の小さな張力でコ−ドが伸び、この伸びによって素線間の隙間がなくなってしまう。そしてこの状態でカレンダ−処理が行われるので、カレンダ−工程においてコ−ドがゴムシ−トにはさまれると、その後の加硫処理工程時にゴムがコ−ド内部に侵入することができず、コ−ド内部にゴムの侵入のないタイヤが製造されることになる。
【0005】
これらの各コ−ドの欠点を解決する手段として特許文献1に示すような、ジグザグ状のくせを全素線に施したコ−ドが提案されている。
【0006】
特許文献1のスチ−ルコ−ドについて、図5、6、7により説明する。
特許文献1に記載されたスチールコードは、図5に示す側面構造を呈している。
図5に示すスチールコードSは、図6に示す長さ方向にジグザグ状の型付け部12を形成された素線11を5本撚り合わせた、図7にその断面形状を示す1×5構造に形成されている。このスチールコードSの型付け部12を有する各素線11は、長手方向に一致して周方向に相隣れる関係であったり、あるいは長手方向にズレていて周方向には相互に隣会わない態様であったりする。
なお、このスチ−ルコ−ドSは、図7に示すように、中心部13に通じる隙間14を有している。
【特許文献1】特開平2−307994号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
この特許文献1に記載の発明は、同公報第2頁第7〜10行に記載されているように、スチ−ルコ−ド内部空洞部へのゴムの充填性の、それ以前のクロ−ズ撚りのゴム製品補強用スチ−ルコ−ドよりも改善を図るとともに、低負荷での伸びを小さくすることを目的としている。
したがって、特許文献1に記載のスチ−ルコ−ド(以下「従来のスチ−ルコ−ド」という)は、後に詳述するように本発明のスチ−ルコ−ドが5%以上の伸びを有するのに対して、5%の伸びを得られないという課題がある。
【0008】
この点をさらに詳細に説明すると、ジグザグくせを施した素線1mと、スパイラル状のくせを施した素線1m(両者のくせの波高、ピッチは同じ)とを、真っ直ぐになるまで引張り試験機で伸ばして伸び量を比較したところ、スパイラル状のくせを施した方が長く伸びることが判明した。
このことは、スチ−ルコ−ドを伸ばすと、まずコ−ドの緩みがなくなるように伸びて、次に素線自体が伸び、最終的にコ−ド破断に至るためであると解せられる。
つまり、素線のくせが伸びるまでの伸び量が異なることから、コ−ドの破断までの伸びが相違することになる。
従来のスチ−ルコ−ドにおいてもジグザグ形状の波高を高くすれば、5%以上の伸びを得ることができると考えられるが、波高を高くすると撚りが乱れて、この撚りの乱れに起因した耐疲労性の低下がおこるため、望ましくない。
【0009】
本発明は、従来のスチ−ルコ−ドの有する上記の課題を解決し、ゴム製品の補強材として使用されるゴム製品補強用スチ−ルコ−ドにおいて、スチ−ルコ−ド内部空洞部へのゴムの充填性を改善すると同時に、破断までの全伸びを5%以上と大きくできるようにしたゴム製品補強用スチ−ルコ−ドを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、3〜6本のすべての素線が当該スチ−ルコ−ドの撚り合わせピッチよりも小さなくせを有する1×n構造のゴム製品補強用のスチ−ルコ−ドにおいて、上記くせは、そのくせのピッチ(くせピッチ)が上記スチ−ルコ−ドの撚り合わせピッチの20〜50%の範囲内であり、またくせの波高(くせ波高)/くせピッチが0.01〜0.05の範囲内であり、かつ全体形状をスパイラル形状に形成されており、スチ−ルコ−ドを、少なくとも波高とくせピッチとの比において少なくとも二種類の異なった数値のくせを有する素線を撚り合わせた構成とすることで課題解決の手段としている。
【0011】
また、上記素線の本数が奇数で、二種類の異なった数値のくせを有する場合の一本を除き、互いに隣り合う各素線同士はそれらのくせが異なるような構成とすることで課題解決の手段としている。
【0012】
本発明において、素線に施すくせの形状をスパイラル形状としたのは、素線の伸び率を向上させるためである。つまり従来のスチ−ルコ−ドの素線のくせがジグザグ形状という二次元波であったのに対して、本発明のスパイラル形状のくせは三次元波であるため、素線自体の引っ張り時の伸び率が(従来のスチ−ルコ−ドよりも)向上する。
【0013】
さらに本発明において素線に施すくせをスパイラル形状に形成するとともに、そのくせピッチを上記スチ−ルコ−ドの撚り合わせピッチの20〜50%の範囲内に設定したのは、20%未満では素線間の隙間が小さくなりすぎて、ゴムの侵入性が悪く、またくせが小さすぎて加工性が悪くなるばかりか、素線の曲げ部に応力が集中し、このコ−ドをゴムに埋め込んだ状態で行う疲労試験での結果(耐疲労性)が悪いからである。
また、50%を超えると大きくなりすぎて形状が不安定となり、これによっても耐疲労性が低下するからである。
【0014】
また、本発明において、くせ波高/くせピッチを0.01〜0.05の範囲内に設定したのは、0.01未満ではゴムが侵入する隙間が小さすぎ、また0.05を超えると形状が不安定となり耐疲労性が低下するからである。
【0015】
なお、スパイラル状くせの波高とピッチは撚り合わせ後のものを意味する。
【0016】
さらにまた、本発明は、素線の本数が奇数で、二種類の異なった数値のくせを有する場合の一本を除き、互いに隣り合う各素線同士はそれらのくせピッチが異なるような構成を採用したことにより、2種類以上の異なるくせを有する素線を可能な範囲で交互に撚り合わせることが可能となり、その結果同じピッチの素線を撚り合わせた場合のように、位相が揃って隙間がなくなってしまうというような事態の発生を防止でき、十分なゴム侵入隙間を完全に確保することができる。
【0017】
また、本発明は、上記スチールコードをタイヤのカーカス部、ブレーカー部などに補強材として用いたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
上記のように、本発明のスチ−ルコ−ドでは、素線自体の引っ張り時の伸び率が(従来のスチ−ルコ−ドよりも)向上し、またゴムの侵入性が良好となるばかりか、形状が安定し、耐疲労性も良好となる。
また、2種類以上の異なるくせを有する素線を可能な範囲で交互に撚り合わせることが可能となり、その結果同じピッチの素線を撚り合わせた場合のように、位相が揃って隙間がなくなってしまうというような事態の発生を防止でき、十分なゴム侵入隙間を完全に確保することができる。ちなみに、本発明のスチ−ルコ−ドによれば、通常のオ−プンコ−ドとは異なって、素線同士の接触部が格段に多くなり、接触抵抗によって低荷重での伸びが抑制される。
【0019】
本発明のタイヤは、長寿命化が図れ、省資源化が図れるという利点を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明を図に示す実施形態により具体的に説明する。
図1は実施例1に係る1×3構造の素線により構成されたスチ−ルコ−ドの断面図、図2は同実施例2としての1×5構造のスチ−ルコ−ドの断面図、図3は同実施例1としての1×6構造のスチ−ルコ−ドの断面図、図4は図2に示す実施例2としての1×5構造のスチ−ルコ−ドの側面図である。
【0021】
図1のスチ−ルコ−ドの場合、3本の素線が一度に撚り合わされてスチ−ルコ−ド1を構成している。また、図2のスチ−ルコ−ドの場合、5本の素線が一度に撚り合わされてスチ−ルコ−ド1を構成している。さらに、図4のスチ−ルコ−ドの場合は、6本の素線が一度に撚り合わされてスチ−ルコ−ド1を構成している。
これらいずれのスチールコードにおいても各素線には、撚りくせとはことなる小さな略スパイラル状のくせが施されている。
【0022】
スパイラル形状のくせのピッチ(くせピッチ)はスチ−ルコ−ドを構成する各素線毎に相違していることが望ましいが、本発明の場合、スチ−ルコ−ド1を構成する複数の素線は、すくなくとも2種類の異なったくせを有する。
素線のくせが異なるとは、少なくともくせ波高とくせピッチとの比が素線毎に異なることを意味する。
【0023】
次に実施例を示す。
図1に示す実施例1では、くせピッチAが6mmで波高Cが0.25mmのくせを有する2本の素線a1と、くせピッチAが4mmで波高Cが0.13mmのくせを有する1本の素線a2とが、a1/a2/a1なる撚り合わせ順で3本の素線が撚り合わされて、素線a1の内の一本の素線a1を除き、互いに隣り合う各素線同志はそれらのくせが異なる状態で撚り合わさった、撚りピッチBが16mmの、1×3構造のスチ−ルコ−ド1が構成されている。なおこの例における各素線径は0.35mmである。
【0024】
図2に示す実施例2では、くせピッチAが4mmで波高Cが0.12mmのくせを有する2本の素線b1と、くせピッチAが5.5mmで波高Cが0.18mmのくせを有する2本の素線b2と、くせピッチAが5.5mmで波高Cが0.25mmのくせを有する1本の素線b3とが、b1/b2/b3/b1/b2なる撚り合わせ順で5本の素線が撚り合わされて、互いに隣り合う各素線同志はそれらのくせが異なる状態で撚り合わさった、撚りピッチBが12mmの、1×5構造のスチ−ルコ−ド1が構成されている。なおこの例における各素線径は0.30mmである。
【0025】
図3に示す実施例3では、くせピッチAが4mmで波高Cが0.08mmのくせを有する2本の素線c1と、くせピッチAが5mmで波高Cが0.10mmのくせを有する2本の素線c2と、くせピッチAが5.5mmで波高Cが0.21mmのくせを有する1本の素線c3と、くせピッチAが6mmで波高Cが0.25mmのくせを有する1本の素線c4とが、c1/c2/c3/c4/c1/c2なる撚り合わせ順で6本の素線が撚り合わされて、互いに隣り合う各素線同志はそれらのくせが異なる状態で撚り合わさった、撚りピッチBが16mmの、1×6構造のスチ−ルコ−ド1が構成されている。なおこの例における各素線径は0.35mmである。
【0026】
本発明のスチールコード1には、図4に示すようにゴムが侵入できる隙間2を長手方向に多数存在する。
【0027】
本発明のスチールコードを構成する素線に施す小さなスパイラル状のくせ付けは、特公昭63−63293号公報に示されるように、供給される素線を軸心として回転するくせ付け装置でもって、所望のくせピッチとくせ波高を付与する。このとき所望のくせピッチとくせ波高を調整するためには、くせ付けピンの間隔、ピンの寸法あるいは素線を軸心として回転する回転数を調整する。ただし、素線に施す小さなスパイラル状のくせ付け手段は上記に限定されるものではない。
【0028】
上記の各実施例のスチ−ルコ−ドのデ−タならびに実験結果を次の表1に示す。
従来例として、特許文献1に記載された事項によるスチ−ルコ−ドのついて4例を製作し、それらを従来例1、2として表1に示してある。さらに、比較例1〜4として、実施例1〜4のものと素線のくせ、素線配列において同様乃至類似であるが、素線の内のいずれか(単数本あるいは複数本)のくせが、請求項1などに記載の数値限定の範囲外の4種類のスチ−ルコ−ドについての実験結果も表1に示してある。さらに参考例1、2についての試験結果も表1に示してある。(参考例1、2のスチ−ルコ−ドの構成については表のデ−タを参照)
【0029】
なお、スパイラル状くせの波高およびピッチは、コードを解いて取り出した素線で投影機で以って測定した。
【0030】
【表1】

【0031】
上記ゴム侵入性と耐疲労性を比較した試験条件、評価方法は次の通りである。
【0032】
全伸びは、引張試験機によって測定した破断までの伸び率(%)である。
【0033】
ゴム侵入性は、各コードをゴム中に埋め込み、加圧加硫した後、コードをゴム中から取り出してそのコードを分解して素線の一定長さを観察し、観察した長さに対してゴムと接触した形跡のある長さの比をパーセント表示した。この値が高いほどゴム侵入性が高いことを示しており、90%以上が合格である。
【0034】
耐疲労性は、複数本のスチールコードをゴムシートに埋め込んだ複合体シートを用いて3点プーリー曲げ疲労試験機により疲労試験を行い、埋設したスチールコードがフレッティング磨耗、座屈等を経て破断に至るまでの繰り返し回数を計数したものである。そして参考例1の繰り返し数を100として指数表示した。この値が高いほど耐疲労性が高いことを示している。
【0035】
表1に示す実験結果により、本発明のスチ−ルコ−ドは、引っ張り時の伸び率を5%以上と従来のスチ−ルコ−ドよりも向上しており、またゴムの侵入性の点においてが良好となるばかりか、耐疲労性も良好であることが判明した。
【0036】
このことは、従来のスチ−ルコ−ドが素線のくせがジグザグ形状という二次元波であったのに対して、本発明のスチ−ルコ−ドが、素線に施すくせの形状をスパイラル形状という三次元波として素線自体の伸び率を向上させたためである。
【0037】
さらに、くせピッチをスチ−ルコ−ドの撚り合わせピッチの20〜50%の範囲内に設定するととも、波高/くせピッチを0.01〜0.05の範囲内に設定したことにより、ゴムの侵入性が良好となり、かつ形状が安定し、これによっても耐疲労性が向上したためであると解される。
【0038】
また本発明は、少なくとも波高とくせピッチとの比において少なくとも二種類の異なった数値のくせを有する素線を撚り合わせた構成とすることで、スチ−ルコ−ド内部空洞部へのゴムの充填性を改善させている。
【0039】
さらにまた、素線の本数が奇数である場合の一本を除き、互いに隣り合う各素線同志はそれらのくせが異なるような構成とすることにより、素線の本数が奇数である場合においてもスチ−ルコ−ド内部空洞部へのゴムの充填性を改善させている。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の実施例1に係る1×3構造のスチ−ルコ−ドの断面図。
【図2】本発明の実施例2に係る1×5構造のスチ−ルコ−ドの断面図。
【図3】本発明の実施例3に係る1×6構造のスチ−ルコ−ドの断面図。
【図4】本発明の実施例2に係る1×5構造のスチ−ルコ−ドの側面図。
【図5】従来のスチ−ルコ−ドの側面図。
【図6】従来のスチールコードの素線を拡大して示す側面図。
【図7】従来のスチールコードの断面図。
【符号の説明】
【0041】
1 スチールコード
a1:くせを有する素線
a2:素線a1と異なるくせを有する素線素線
b1:くせを有する素線
b2:素線b1と異なるくせを有する素線
b3:素線b1およびb2と異なるくせを有する素線
c1:くせを有する素線
c2:素線c1と異なるくせを有する素線
c3:素線c1および素線c2と異なるくせを有する素線
c4:素線c1び素線c2およびc3と異なるくせを有する素線
A:素線に施されたくせのピッチ
B:スチ−ルコ−ドの撚りピッチ
C:素線に施されたくせの波高

【特許請求の範囲】
【請求項1】
3〜6本のすべての素線が当該スチ−ルコ−ドの撚り合わせピッチよりも小さなくせを有する1×n構造のゴム製品補強用のスチ−ルコ−ドにおいて、上記素線のくせは、くせピッチが上記スチ−ルコ−ドの撚り合わせピッチの20〜50%の範囲内に、また、くせ波高とくせピッチとの比が0.01〜0.05の範囲内に設定され、かつ全体形状がスパイラル形状に形成され、上記スチ−ルコ−ドを構成する複数の素線は、くせ波高とくせピッチとの比において、少なくとも二種類の異なった数値のくせを有することを特徴とするゴム製品補強用スチ−ルコ−ド。
【請求項2】
3〜6本のすべての素線が当該スチ−ルコ−ドの撚り合わせピッチよりも小さなくせを有する1×n構造のゴム製品補強用のスチ−ルコ−ドにおいて、上記素線のくせは、くせピッチが上記スチ−ルコ−ドの撚り合わせピッチの20〜50%の範囲内に、またくせ波高とくせピッチとの比が0.01〜0.05の範囲内に設定され、かつ全体形状がスパイラル形状に形成され、上記スチ−ルコ−ドを構成する複数の素線は、「くせピッチ」および「くせ波高とくせピッチ」との比の数値において、少なくとも二種類の異なった数値のくせを有することを特徴とするゴム製品補強用スチ−ルコ−ド。
【請求項3】
上記くせ波高が、少なくとも二種類の異なった数値である請求項1又は請求項2のいずれか1項に記載のゴム製品補強用スチールコード。
【請求項4】
上記くせピッチが、少なくとも二種類の異なった数値である請求項1又は請求項2のいずれか1項に記載のゴム製品補強用スチールコード。
【請求項5】
上記素線の本数が奇数で二種類の異なった数値のくせを有する場合の一本を除き、互いに隣り合う各素線同士はくせが異なる構成であることを特徴とする請求項1乃至請求項4に記載のゴム製品補強用スチ−ルコ−ド。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載のゴム製品補強用スチ−ルコ−ドが用いられたタイ
ヤ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−56403(P2007−56403A)
【公開日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−243550(P2005−243550)
【出願日】平成17年8月25日(2005.8.25)
【出願人】(394010506)
【Fターム(参考)】