説明

サイドエアガイド及びサイドエアガイドの組み付け方法

【課題】 熱交換器の左右両側縁部から冷却空気取入れ口までを広くカバーして熱交換器への冷却空気導入効率を高めると共に、サイドエアガイドの組み付け作業性を向上させることができるサイドエアガイド及びサイドエアガイドの組み付け方法の提供。
【解決手段】 コンデンサ2の左右両側縁部から冷却空気取入れ口側へ延在するサイドエアガイド本体1、1において、サイドエアガイド本体1、1には、バンパレインフォース3の後側面31より後方位置に、車両幅方向に折れ曲がり可能なヒンジ部15が形成されている。組み付けは、サイドエアガイド本体1、1におけるヒンジ部15から車両前側を車両後側へ折り畳んだ状態でコンデンサ2とバンパレインフォース3との間に縦方向に差し込み、ヒンジ部15が形成されてない上側の突出壁部12がバンパレインフォース3の上面32に当接したら、折り畳まれたヒンジ部15から車両前側を車両前側に広げ、取り付け状態の形状に戻し、固定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サイドエアガイド及びサイドエアガイドの組み付け方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、サイドエアガイド本体は、基板部の車両先端側にその上下に突出壁部を残して中間部にバンパレインフォースの外形状に対応した切欠部を形成することにより、上下の突出壁部で熱交換器の左右両側縁部とバンパフェイシャーに形成された冷却空気取り入れ口との間をできるだけ隙間無く塞ぎ、これにより、熱交換器への冷却空気導入効率を高めることができるようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2004−284438号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上述の従来のサイドエアガイドにあっては、その車両先端側中間部に形成された切欠部をバンパレインフォースに差し込み装着させた状態にサイドエアガイド本体を組み付けるには、上下に突出壁部が存在するため、サイドエアガイド本体をその最終取り付け状態での位置形状のままで上下いずれかの方向から縦方向に組み付けることができない。このため、サイドエアガイド本体を傾ける等して付近にある部材をよけながら組み付ける必要があり、従って、組み付け作業性が悪いという問題があった。
【0004】
本発明は、上述のような従来の問題点に着目して成されたもので、熱交換器の左右両側縁部から冷却空気取入れ口までを広くカバーして熱交換器への冷却空気導入効率を高めると共に、サイドエアガイド本体の組み付け作業性を向上させることができるサイドエアガイド及びサイドエアガイドの組み付け方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述の目的を達成するために、本発明のサイドエアガイドは、バンパレインフォースの車両前後方向の後側面より後方位置に、車両幅方向に折れ曲がり可能なヒンジ部が形成されていることを特徴とする手段とした。
【0006】
本発明のサイドエアガイドの組み付け方法は、サイドエアガイド本体は、バンパレインフォースの車両前後方向の後側面より後方位置に、車両幅方向に折れ曲がり可能なヒンジ部が形成され、熱交換器と前記バンパレインフォースの車両前後方向の後側面との間を塞ぐ基板部と、該基板部の車両前側に設けられ前記バンパレインフォースの上下両側を冷却空気取入れ口側へ突出する上下の突出壁部とを有し、ヒンジ部が形成された側の突出壁部をヒンジ部で折り曲げ、バンパレインフォースの車両幅方向に沿わせた状態で熱交換器とバンパレインフォースとの間に、前記ヒンジ部が形成された側の突出壁部の端から縦方向に差し込み、前記ヒンジ部が形成された側の突出壁部が前記バンパレインフォースを越えたら、前記ヒンジ部を折り曲げて取付け状態の形状に戻し、固定するようにしたことを特徴とする手段とした。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係るサイドエアガイドでは、上述のように、バンパレインフォースの車両前後方向の後側面より後方位置に、車両幅方向に折れ曲がり可能なヒンジ部が形成されることで、組み付け時にこのヒンジ部からサイドエアガイド本体の車両前側を折り曲げた状態で、上下いずれかの方向から縦方向にサイドエアガイド本体を差し込んだ後にヒンジ部から折り曲げて取付け状態の形状に戻すことができる。
【0008】
従って、熱交換器の左右両側縁部から冷却空気取入れ口までを広くカバーして熱交換器への冷却空気導入効率を高めると共に、サイドエアガイド本体の組み付け作業性を向上させることができるようになるという効果が得られる。
【0009】
本発明に係るのサイドエアガイドの組み付け方法では、上述のように、ヒンジ部が形成された側の突出壁部をヒンジ部で折り曲げ、バンパレインフォースの車両幅方向に沿わせた状態で熱交換器とバンパレインフォースとの間に、前記ヒンジ部が形成された側の突出壁部の端から縦方向に差し込み、前記ヒンジ部が形成された側の突出壁部が前記バンパレインフォースを越えたら、前記ヒンジ部を折り曲げて取付け状態の形状に戻し、固定するようにしたことで、サイドエアガイド本体の車両前側にバンパレインフォースの上下面まで伸びる突出壁部を有していても、熱交換器とバンパレインフォースとの間にサイドエアガイド本体を縦方向に所定の位置まで差し込み装着することができるようになる。
【0010】
従って、熱交換器の左右両側縁部から冷却空気取入れ口までを広くカバーする突出壁部を有していても、サイドエアガイド本体の組み付け作業性を向上させることができるようになるという効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下に、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
【実施例1】
【0012】
図1はこの実施例のサイドエアガイドを示す組み付け状態の横断面図、図2は左側のサイドエアガイド本体を示す斜視図、図3は右側のサイドエアガイド本体を示す斜視図、図4はサイドエアがガイド本体の取り付け方法を示す説明図である。
【0013】
この実施例のサイドエアガイド本体1は、図1に示すように、車体に予め組み付けられたコンデンサ(熱交換器)2と、バンパレインフォース3との間に組み付けられるようになっている。
【0014】
上記コンデンサ2は、該コンデンサ2の車両後方に配置されるラジエータ4と共に、ラジエータコアサポート(図示省略)に組み付けられている。
【0015】
上記バンパレインフォース3は、左右一対のサイドメンバー5、5の車両先端部にそれぞれ固定されている。そして、このバンパレインフォース3に対しバンパフェイシャー6が組み付けられている。
【0016】
上記左右一対のサイドエアガイド本体1は、図2、3に示すように、コンデンサ2とバンパレインフォース3の車両前後方向の後側面(以後、「後側面」という。)31側との間を塞ぐ基板部11と、該基板部11の車両前側に設けられ、バンパレインフォース3の上下両面32、33側を冷却空気取り入れ口61側へ突出する上下の突出壁部12、13とが合成樹脂で一体に成形されている。即ち、サイドエアガイド本体1の車両前側縁部にバンパレインフォース3の後側面31と上下両面32、33に略沿った略コ字状の切欠部14が形成されている。
【0017】
また、サイドエアガイド本体1におけるバンパレインフォース3の後側面31より後方位置に、車両幅方向に折れ曲がり可能なヒンジ部15が形成されている。
【0018】
このヒンジ部15は、この実施例では、下側の突出壁部13の下端13bからバンパレインフォース3の後側面31の上縁31aに対応する位置に亘って形成されている。そして、このヒンジ部15の上端には、この上端部15aからバンパレインフォース3の後側面31の上縁31aへ向けてスリット16が形成されている。これにより、サイドエアガイド本体1におけるバンパレインフォース3の車両後方と下側の突出壁部13の部分だけがヒンジ部15から車両幅方向に折れ曲がり可能になっている。
【0019】
また、サイドエアガイド本体1の下端縁部の前後2箇所に、図示を省略したアンダーカバーの孔に差し込んで位置決めするピン部17が一体に形成されている。
【0020】
また、サイドエアガイド本体1の車両後端側上部には、図示を省略したラジエータコアサポートアッパに対しクリップ等で固定するための固定用孔18が2箇所に形成されている。
【0021】
また、コンデンサ2と対面するサイドエアガイド本体1の車両後端縁部には発泡材7が取り付けられていて、コンデンサ2との間の隙間を無くすと共に、振動による当たりで発生する低級音を防止するようにしている。
【0022】
また、バンパフェイシャー6と対面する上下両突出壁部12、13の先端縁部と、上側の突出壁部12の下端縁部を除く略コ字状の切欠部14の内側縁部に発泡材7が取り付けられていて、バンパフェイシャー6及びバンパレインフォース3との間の隙間を無くすと共に、振動による当たりで発生する低級音を防止するようにしている。
【0023】
なお、上側の突出壁部12の下端縁部を除いたのは、この下端縁部でバンパレインフォース3に対するサイドエアガイド本体1の組み付け位置決めを行うためである。
【0024】
また、下側の突出壁部13はバンパレインフォース3より車両前側へ長く突出している。そして、この突出部分13aの上部で車幅方向外側面にバンパレインフォース3の車両前後方向前側面(以後、「前側面」という。)34に対し下側の突出壁部13を固定するための固定手段を構成する固定片19が一体に突出形成されている。
【0025】
この固定片19は、下側の突出壁部13との連結部に連結部倒伏用ヒンジ部19aが形成されていて、組み付けの時にはこの連結部倒伏用ヒンジ部19aから下側の突出壁部13の側面に折り曲げることにより、略コ字状の切欠部14内に突出しない状態に畳み込めるようになっている。
また、固定片19の先端にはバンパレインフォース3に対してクリップ等で固定するための固定用孔19bが設けられている。
【0026】
次に、以上のように構成されたサイドエアガイド本体1の組み付け方法を図1、4に基づいて説明する。
なお、この実施例は、車体にラジエータ4、コンデンサ2、バンパレインフォース3がサイドメンバー5、5に組み込まれ、バンパフェイシャー6はまだ組み込まれていない状態で、コンデンサ2の左右両側縁部とバンパレインフォース3との間にサイドエアガイド本体1を入れて組み付ける手順について説明する。
【0027】
まず、下側の突出壁部13の突出部分13aに一体に形成された固定片19を、その連結部倒伏用ヒンジ部19aから下側の突出壁部13の側面に折り曲げることにより、略コ字状の切欠部14内に突出しない状態に畳み込めた状態にする。
【0028】
次に、図4に示すように、サイドエアガイド本体1におけるヒンジ部15が形成された下側の突出壁部13を含むヒンジ部15から車両前側を該ヒンジ部15で車両後側へ折り曲げ、バンパレインフォース3の車両幅方向に沿わせた状態でコンデンサ2とバンパレインフォース3との間にヒンジ部15が形成された下側の突出壁部13の下端13bから下方へ縦方向に差し込む。
【0029】
そして、ヒンジ部15が形成された下側の突出壁部13がバンパレインフォース3を下方へ越え、ヒンジ部15が形成されてない上側の突出壁部12の下端縁部がバンパレインフォース3の上面32に当接した時点で、折り曲げたヒンジ部15から車両前側を車両前側に広げて図1に示すようにサイドエアガイド本体1を元の所定形状に戻す。
【0030】
これにより、下側の突出壁部13がバンパレインフォース3の下側に差し込まれその突出部分13aがバンパレインフォース3より車両前側に突出した状態になる。
【0031】
次に、下側の突出壁部13の側面に折り曲げられていた固定片19をバンパレインフォース3の車両前側に引き起こし、その先端に備えた固定用孔19bにクリップ等を差し込んでバンパレインフォース3の車両前面34に固定する。
【0032】
次に、サイドエアガイド本体1の車両後端側上部の2箇所にそれぞれ備えた固定用孔18にクリップ等を差し込んで、ラジエータコアサポートアッパに固定する。
【0033】
次に、実施例の作用・効果について説明する。
【0034】
この実施例のサイドエアガイド本体1では、上述のように、バンパレインフォース3の後側面31より後方位置に、車両幅方向に折れ曲がり可能なヒンジ部15が形成されることで、組み付け時にこのヒンジ部15からサイドエアガイド本体1の車両前側を車両後側へ折り曲げた状態で、下方へ縦方向にサイドエアガイド本体1を差し込んだ後にヒンジ部15から車両前側を車両前側に広げて取付け状態の形状に戻すことができる。
【0035】
従って、コンデンサ2の左右両側縁部から冷却空気取入れ口61までを広くカバーしてコンデンサ2への冷却空気導入効率を高めると共に、サイドエアガイド本体1の組み付け作業性を向上させることができるようになるという効果が得られる。
【0036】
また、バンパレインフォース3の後側面31より後方位置に、車両幅方向に折れ曲がり可能なヒンジ部15が形成されることで、車両の軽衝突時には、バンパレインフォース3が変形するのに伴い、サイドエアガイド本体1がヒンジ部15から車両後側に折れ曲がって前端部が車両幅方向外側に広がり、車両前後方向の衝撃力が車両幅方向へ逃がされる。
【0037】
従って、車両の軽衝突によるサイドエアガイド本体1及びコンデンサ2の破損を防止することができるようになるという効果が得られる。
【0038】
また、サイドエアガイド本体1は、コンデンサ2とバンパレインフォース3の後側面側31との間を塞ぐ基板部11と、該基板部11の車両前側にバンパレインフォース3の少なくとも上下両面32、33側まで突出する上下の突出壁部12、13と、を備えている構成としたことで、バンパレインフォース3の上下両面部分まで塞ぐことができる。
これにより、走行風を効率的にコンデンサ2に案内することができるようになる。
【0039】
また、ヒンジ部15が上下の突出壁部12、13のうちの一方である下側の突出壁部13の下端13bからバンパレインフォース3の後側面31の上縁31aに対応する位置に亘って形成され、ヒンジ部15の上端部15aからバンパレインフォース3の後側面31の上縁31a部から車両前側へ向けてスリット16が形成されている構成としたことで、下側の突出壁部13を折り曲げて車両幅方向に沿わせた状態でサイドエアガイド本体1を組み付ける時に、もう一方の上側の突出壁部12の下端縁部をバンパレインフォース3の上面32に当接させて位置決めすることができるようになる。
【0040】
また、この上側の突出壁部12にはヒンジ部15を形成せず、サイドエアガイド本体1の基板部11と一体にすることで、サイドエアガイド本体1の剛性を高めることができる。
【0041】
また、ヒンジ部15が形成された下側の突出壁部13の車両前側に固定片19が備えられている構成としたことで、該突出壁部13の車両先端側をバンパレインフォース3に対して固定することができる。
これにより、ヒンジ部15によって車両幅方向に折れ曲がる下側の突出壁部13を安定良く位置決め固定することができるようになる。
【0042】
また、固定片19には下側の突出壁部13との連結部にヒンジ部19aが形成されることで、組み付けの時にはこの連結部倒伏用ヒンジ部19aから下側の突出壁部13の側面に折り曲げることにより、略コ字状の切欠部14内に突出しない状態に畳み込めるようになっている。これにより、組み付け性を高めることができるようになる。
【0043】
また、この実施例のサイドエアガイド本体1の組み付け方法では、上述のように、ヒンジ部15が形成された下側の突出壁部13をヒンジ部15で折り曲げ、バンパレインフォース3の車両幅方向に沿わせた状態でコンデンサ2とバンパレインフォース3との間に、ヒンジ部15が形成された下側の突出壁部13の下端13bから下方へ縦方向に差し込み、ヒンジ部15が形成された下側の突出壁部13がバンパレインフォース3を越えたら、ヒンジ部15を折り曲げて取付け状態の形状に戻し、固定するようにしたことで、サイドエアガイド本体1の車両前側にバンパレインフォース3の上下面まで伸びる上下の突出壁部12、13を有していても、コンデンサ2とバンパレインフォース3との間にサイドエアガイド本体1を縦方向に所定の位置まで差し込み装着することができるようになる。
【0044】
従って、コンデンサ2の左右両側縁部から冷却空気取入れ口61までを広くカバーする上下の突出壁部12、13を有していても、サイドエアガイド本体1の組み付け作業性を向上させることができるようになるという効果が得られる。
【0045】
次に、実施例1サイドエアガイド本体1の他の取り付け方法を図1、5、6に基づいて説明する。
まず、図5に示すように、サイドエアガイド本体1をコンデンサ2とバンパレインフォース3との間に置いた状態でヒンジ部15から基板部11を取付け状態の形状・向きのままとし、取付け位置より車両幅方向の中央側によった位置でヒンジ部15を有する下側の突出壁部13をヒンジ部15で車両幅方向外側に向けて折り曲げバンパレインフォース3の車両幅方向に沿わせる。
そして、コンデンサ2とバンパレインフォース3との間にヒンジ部15が形成された下側の突出壁部13の下端13bから下方へ縦方向に差し込む。
【0046】
次に、ヒンジ部15が形成された下側の突出壁部13がバンパレインフォース3を下方へ越え、ヒンジ部15が形成されてない上側の突出壁部12がバンパレインフォース3の上面32に当接した時点で、図6に示すように、折り曲げたヒンジ部15から車両前側を車両前側に広げ、図1に示すようにサイドエアガイド本体1を元の所定形状に戻す。
【0047】
これにより、下側の突出壁部13がバンパレインフォース3の下側に差し込まれその突出部分13aがバンパレインフォース3より車両前側に突出した状態になる。
【0048】
なお、この取り付け方法は、サイドエアガイド本体1が凹凸のある形状でもコンデンサ2とバンパレインフォース3との間に比較的スペースがある(距離(寸法)大)場合、あるいは、サイドエアガイド本体1が単純な一直線形状に近い場合に有効である。
【0049】
次に、他の実施例について説明する。この他の実施例の説明にあたっては、前記実施例1と同様の構成部分については図示を省略し、もしくは同一の符号を付けてその説明を省略し、相違点についてのみ説明する。
【実施例2】
【0050】
この実施例2は、実施例1における装置の変形例を示すものであり、図7(左側のサイドエアガイドを示す斜視図)及び図8(右側のサイドエアガイドを示す斜視図)に示すように、以下の点で、上記実施例1とは相違したものである。
【0051】
即ち、この実施例2では、ヒンジ部15が上側の突出壁部12の上端12aからバンパレインフォース3の後側面31の上縁31aに対応する位置に亘って形成されている。
【0052】
また、ヒンジ部15の下端15bには、この下端15bからバンパレインフォース3の後側面31の上縁31aへ向けてスリット16が形成されている。
【0053】
また、上側の突出壁部12はバンパレインフォース3より車両前側へ長く突出している。そして、この突出部分12bの下部で車幅方向外側面にバンパレインフォース3の前側面34に対し上側の突出壁部12を固定するための固定手段を構成する固定片19が一体に突出形成されている。
【0054】
この固定片19は、上側の突出壁部12との連結部に連結部倒伏用ヒンジ部19aが形成されていて、組み付けの時にはこの連結部倒伏用ヒンジ部19aから上側の突出壁部12の側面に折り曲げることにより、略コ字状の切欠部14内に突出しない状態に畳み込めるようになっている。
また、固定片19の先端にはバンパレインフォース3に対してクリップ等で固定するための固定用孔19bが設けられている。
【0055】
次に、以上のように構成されたサイドエアガイド本体1の組み付け方法は、まず、上側の突出壁部12の突出部分12aに一体に形成された固定片19を、その連結部倒伏用ヒンジ部19aから上側の突出壁部12の側面に折り曲げることにより、略コ字状の切欠部14内に突出しない状態に畳み込めた状態にする。
【0056】
次に、サイドエアガイド本体1におけるヒンジ部15が形成された上側の突出壁部12を含むヒンジ部15から車両前側を該ヒンジ部15で車両後側へ折り曲げ、バンパレインフォース3の車両幅方向に沿わせた状態でコンデンサ2とバンパレインフォース3との間にヒンジ部15が形成された上側の突出壁部12の上端12aから上方へ縦方向に差し込む。
【0057】
そして、ヒンジ部15が形成された上側の突出壁部12がバンパレインフォース3を上方へ越え、ヒンジ部15が形成されてない下側の突出壁部13の上端縁部がバンパレインフォース3の下面33に当接した時点で、折り曲げたヒンジ部15から車両前側を車両前側に広げてサイドエアガイド本体1を元の所定形状に戻す。
【0058】
これにより、上側の突出壁部12がバンパレインフォース3の上側に差し込まれその突出部分12bがバンパレインフォース3より車両前側に突出した状態になる。
【0059】
次に、上側の突出壁部12の側面に折り曲げられていた固定片19をバンパレインフォース3の車両前側に引き起こし、その先端に備えた固定用孔19bにクリップ等を差し込んでバンパレインフォース3の車両前面34に固定する。
【0060】
次に、サイドエアガイド本体1サイドエアガイド本体1の車両後端側上部の2箇所にそれぞれ備えた固定用孔18にクリップ等を差し込んで、ラジエータコアサポートアッパに固定する。
【0061】
なお、この取り付け方法は、サイドエアガイド本体1が凹凸のある形状でもコンデンサ2とバンパレインフォース3との間に比較的スペースがある(距離(寸法)大)場合、あるいは、サイドエアガイド本体1が単純な一直線形状に近い場合に有効である。
従って、この実施例2では、実施例1と同様の効果が得られる。
【0062】
以上、本発明の実施例を図面に基づき説明してきたが、本発明は上述の実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても、本発明に含まれる。
【0063】
例えば、実施例では、固定片19を下側の突出壁部13または上側の突出壁部12と一体に形成したが、別体に形成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】実施例1のサイドエアガイドを示す組み付け状態の横断面図である。
【図2】実施例1の左側のサイドエアガイド本体を示す斜視図である。
【図3】実施例1の右側のサイドエアガイド本体を示す斜視図である。
【図4】サイドエアガイド本体の取り付け方法を示す説明図である。
【図5】サイドエアガイドの他の取り付け方法を示す説明図である。
【図6】サイドエアガイド本体の他の取り付け方法を示す説明図である。
【図7】実施例2の左側のサイドエアガイド本体を示す斜視図である。
【図8】実施例2の右側のサイドエアガイド本体を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0065】
1 サイドエアガイド本体
11 基板部
12 上側の突出壁部
12a 上側の突出壁部の上端
12b 突出部分
13 下側の突出壁部
13a 突出部分
13b 下側の突出壁部の下端
14 切欠部
15 ヒンジ部
15a ヒンジ部の上端部
15b ヒンジ部の下端部
16 スリット
17 ピン部
18 固定用孔
19 固定片
19a 連結部倒伏用ヒンジ部
19b 固定用孔
2 コンデンサ(熱交換器)
3 バンパレインフォース
31 後側面
31a 上縁
32 上面
33 下面
34 車両前面
4 ラジエータ
5 サイドメンバー
6 バンパフェイシャー
61 冷却空気取り入れ口
7 発泡材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱交換器の側縁部から冷却空気取入れ口側へ延在するサイドエアガイドにおいて、
前記サイドエアガイド本体には、バンパレインフォースの車両前後方向の後側面より後方位置に、車両幅方向に折れ曲がり可能なヒンジ部が形成されていることを特徴とするサイドエアガイド。
【請求項2】
前記サイドエアガイド本体は、前記熱交換器と前記バンパレインフォースの車両前後方向の後側面との間を塞ぐ基板部と、該基板部の車両前側に設けられ、前記バンパレインフォースの上下両側を冷却空気取入れ口側へ突出する上下の突出壁部とを有することを特徴とする請求項1に記載のサイドエアガイド。
【請求項3】
前記ヒンジ部が前記下側の突出壁部の下端から前記バンパレインフォースの車両前後方向の後側面の上縁に対応する位置に亘って形成され、
前記ヒンジ部の上端には、この上端から前記バンパレインフォースの車両前後方向の後側面の上縁へ向けてスリットが形成されていることを特徴とする請求項2に記載のサイドエアガイド。
【請求項4】
前記ヒンジ部が前記上側の突出壁部の上端から前記バンパレインフォースの車両前後方向の後側面の下縁に対応する位置に亘って形成され、
前記ヒンジ部の下端には、この下端から前記バンパレインフォースの車両前後方向の後側面の下縁へ向けてスリットが形成されていることを特徴とする請求項2に記載のサイドエアガイド。
【請求項5】
前記ヒンジ部が形成された方の突出壁部の車両前側に該突出壁部の車両先端側を前記バンパレインフォースに対して固定可能な固定手段が備えられていることを特徴とする請求項3または4に記載のサイドエアガイド。
【請求項6】
前記固定手段は前記バンパレインフォースに対して固定される突出壁部と一体に成形され、該突出壁部との連結部にヒンジ部が形成されていることを特徴とする請求項5に記載のサイドエアガイド。
【請求項7】
熱交換器の左右両側縁部から冷却空気取入れ口側へ延在するサイドエアガイドの取り付け方法であって、
前記サイドエアガイド本体は、バンパレインフォースの車両前後方向の後側面より後方位置に、車両幅方向に折れ曲がり可能なヒンジ部が形成され、
前記熱交換器と前記バンパレインフォースの車両前後方向の後側面との間を塞ぐ基板部と、該基板部の車両前側に設けられ前記バンパレインフォースの上下両側を冷却空気取入れ口側へ突出する上下の突出壁部とを有し、
前記ヒンジ部が前記上下の突出壁部のいずれか一方の突出壁部の端から前記バンパレインフォースの車両前後方向の後側面を越えた位置に亘って形成され、
前記ヒンジ部の前記バンパレインフォースの車両前後方向の後側面を越えた位置の側には、この位置から前記バンパレインフォースの車両前後方向の後側面へ向けてスリットが形成され、
前記ヒンジ部が形成された側の突出壁部をヒンジ部で折り曲げ、バンパレインフォースの車両幅方向に沿わせた状態で前記熱交換器とバンパレインフォースとの間に、前記ヒンジ部が形成された側の突出壁部の端から縦方向に差し込み、前記ヒンジ部が形成された側の突出壁部が前記バンパレインフォースを越えたら、前記ヒンジ部を折り曲げて取付け状態の形状に戻し、固定するようにしたことを特徴とするサイドエアガイドの組み付け方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−89564(P2010−89564A)
【公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−259439(P2008−259439)
【出願日】平成20年10月6日(2008.10.6)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】