説明

サイドフォークリフト車及び自動車の積込み方法

【課題】壊れた放置自動車のように、押しても動かせないような放置自動車の回収に用いることができ、且つ、別途フォークリフト車を搭載する必要の無いサイドフォークリフト車を提供する。
【解決手段】サイドフォークリフト車10は、荷台12上に荷台幅方向一端から他端方向に側方に突出して、且つ、突出状態で上下することができるサイドフォーク14の、前側フォークアーム16及び後側フォークアーム18を、積載する自動車Mの前後で、且つ側方から降下させて、前側及び後側フォークアーム16、18を自動車Mの車輪を前後から挟み込むように移動して、自動車Mを支持し、且つ、自動車Mの下側から突出した前側及び後側フォークアーム16、18の先端をフォーク先端連結バー21によって連結した状態で上方に持ち上げてから荷台12上に戻して、自動車Mの積載をする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、路上の自動車を側方から持ち上げて荷台に載せ、運搬するサイドフォークリフト車及び自動車の積込み方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車を運搬する車両としては、所謂キャリアカーがある。
【0003】
キャリアカーに自動車を積み降ろしする場合は、キャリアカーの後側に道板をセットして、自動車は自走により、デッキに乗り込みあるいは降りるようにされている。
【0004】
これに対して、自走できない自動車を運搬する場合は、所謂レッカー車がある。例えば駐車違反の車両の前輪を持ち上げて、後輪を回転可能に接地させて運搬したり、前後輪共に補助車輪上に載せて運搬したりするものである。
【0005】
ところで、近年、自動車の廃棄手続が有料となったことから、不法に廃棄される自動車が増加している。
【0006】
これらは、多くの場合、自走が不可能であり、更には、車輪の空転も困難であり、特に、四輪駆動車の場合は、車輪を空転状態として移動させても、パワー伝達系統が破損したりするので、空転状態で移動させることもできないケースが多く、タイヤがパンクしていることもある。
【0007】
更に、放置自動車の多くは、河原や山道などに放置されていることが多く、足場が悪く、レッカー車によるレッカー移動用補助車輪の取り付け作業なども困難なことが多い。
【0008】
これに対して、特許文献1や特許文献2に開示されるように、トラックの荷台にフォークリフト車を搭載することも考えられるが、フォークリフト車用の荷台スペースが必要となり、又、乗用車を持ち上げられる大型のフォークリフト車では乗用車を載せる荷台スペースがなくなってしまうという問題点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2001−334863号公報
【特許文献2】特開平06−144102号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
従来技術は、押しても動かせないような放置自動車の回収に用いることができないという課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の課題は、以下のような本発明の実施例により解決することができる。
【0012】
本発明は、自動車を車両前後方向の姿勢で積載可能な荷台と、この荷台上に、荷台幅方向一端の待機位置と他端から突出した突出位置との間で荷台幅方向に水平に往復動可能、且つ、前記突出位置で、前記待機位置での高さの上昇位置と荷台側方で降下した降下位置との間で上下動可能な支持フレームと、この支持フレームに、車両幅方向に長く水平に、且つ、先端が前記他端に向けられた姿勢で車両前後方向に移動可能に支持され、車両前後方向に離間して配置された前側フォークアーム及び後側フォークアームからなるサイドフォークと、前記前側フォークアームと後側フォークアームの先端を連結可能なフォーク先端連結バーとを有してなり、前記前側フォークアーム及び後側フォークアームは、前記自動車の左右の車輪が同時に載置され得るとともに、待機状態で荷台上にある長さ、且つ、相互に独立して、車両前後方向に移動可能とされたことを特徴とするサイドフォークリフト車を提供することにより、前記課題を解決したものである。
【0013】
本発明は、又、前記前側フォークアームの近くで、その車両前後方向後側に離間した位置で、基端が前記支持フレームに車両前後方向水平に移動可能に支持され、前記前側フォークアームと平行な状態となり得る前側ショートアームと、前記後側フォークアームの近くで、その車両前後方向前側に離間した位置で、基端が前記支持フレームに車両前後方向水平に移動可能に支持され、前記後側フォークアームと平行な状態となり得る後側ショートアームと、を有するようにすることもできる。
【0014】
本発明は、又、前記前側フォークアーム及び後側フォークアームは、基端側に、自動車の前記一端側の車輪を載置する基端側車輪受け及び、先端側に、前記自動車の前記他端側の車輪を載置する先端側車輪受けを備え、且つ、前記先端側車輪受けが、前記基端側車輪受けに対して車両幅方向位置可変となるように伸縮可能とすることもできる。
【0015】
本発明は、又、前記車両幅方向位置可変の先端側車輪受けは、前記前側フォークアーム及び後側フォークアームが最も縮んだときの先端が、荷台幅方向の前記他端から前記一端側にずれた位置となるようにされ、前記支持フレームは、荷台幅方向の前記一端と他端との間の位置で、前記先端側車輪受けの先端が、前記他端となる位置で停止可能とすることもできる。
【0016】
本発明は、又、前記前側ショートアーム及び後側ショートアームは水平面内で、車両前後方向の姿勢となる待機位置及び車両幅方向の姿勢となる作業位置との間で揺動自在に設けることもできる。
【0017】
本発明は、更に、荷台上に車体前後方向間隔を調整自在に設けられた前側フォークアームと後側フォークアームからなり、これら一対のフォークアームの、基端が荷台の車体幅方向一方の端部の位置から他方の端部を越えて、突出する位置の間で往復動自在とされたサイドフォークを備えたサイドフォークリフト車を、積載しようとする自動車の一方の側方に停止させる過程と、前記前側フォークアームと後側フォークアームが前記自動車の前端よりも前側位置及び後端よりも後側位置となるまで前後方向間隔を開き、且つ、前記基端が前記荷台の他方の端部を越えるまで車両幅方向に突出させる過程と、前記サイドフォークを、前記自動車の前及び後で地面近くまで降下させる過程と、前記自動車の前輪の前下側及び後輪の後下側に向けて、前記一対のフォークアームを相互に車体前後方向に接近する方向に駆動して、左右の前輪の前下側及び後輪の後下側に押しつける過程と、前記一対のフォークアームの先端を、前記自動車の他方の側方から連結部材により車体前後方向に連結する過程と、前記自動車を載置した状態で、且つ、前記一対のサイドフォークの先端を連結した状態で、これらを上昇させ、次に、これらを前記荷台上に移動する過程と、前記一対のサイドフォーク上に載置された状態の前記自動車を、前記荷台に固縛して固定する過程と、を有する自動車の積込み方法を提供するものである。
【0018】
本発明は、又、前記一対のフォークアームの先端を、連結部材により連結してから、前記前側フォークアームに接触している左右の前輪のうち、前記一方の端部側の前輪の後下側をアーム部材により前方に押して、該前輪の下部を前記前側フォークアームとの間で挟み込む過程と、前記後側フォークアームに接触している左右の後輪のうち、前記一方の端部側の後輪の前下側をアーム部材により後方に押して、該後輪の下部を前記後側フォークアームとの間で挟み込む過程と、を有するようにすることもできる。
【0019】
本発明は、又、前記一対のフォークアームを相互に車体前後方向に接近する方向に駆動して、左右の前輪の前下側及び後輪の後下側に押しつける過程における一対のフォークアームを駆動する前に、自動車の左右の車輪の位置に合わせて、これら一対のフォークアームの先端を基端側に対して伸縮する過程を有するようにすることもできる。
【発明の効果】
【0020】
本発明は、自走不能あるいは車輪によって動かすことができなくなった自動車を荷台に持ち上げて搬送することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施例に係るサイドフォークリフト車における、空荷状態の荷台を示す斜視図
【図2】同サイドフォークリフト車に、自動車を積み込む直前の状態を示す斜視図
【図3】図1のIII−III線に添う拡大断面図
【図4】待機状態におけるポストベース、横スライドレール、及びローラチェーンの状態を拡大して示す断面図
【図5】実施例におけるフォーク先端連結バーを示す平面図
【図6】同正面図
【図7】実施例におけるタイヤ・フォーク固定装置を示す断面図
【図8】同実施例のサイドフォークリフト車による自動車の積載過程を示すフローチャート
【図9】サイドフォークを下降させる直前の状態を示す側面図
【図10】自動車にサイドフォークを接触させる前の状態を示す側面図
【図11】自動車の車輪にサイドフォークを接触させた状態を示す側面図
【図12】フォークアームの先端を連結部材で連結した状態を示す側面図
【図13】自動車をサイドフォークによって持ち上げる直前の状態を示す側面図
【図14】自動車を持ち上げて荷台上に積載した状態を示す側面図
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0023】
この発明のサイドフォークリフト車は、荷台上に荷台幅方向一端から他端方向に側方に突出して、且つ、突出状態で上下することができるサイドフォークの、前側フォークアーム及び後側フォークアームを、自動車の前後で、且つ側方から降下させて、前後のフォークアームを後方及び前方に移動して、前輪及び後輪の下側を前後から挟み込んで位置決めし、自動車の下側から突出した前側及び後側フォークアームの先端をフォーク先端連結バーによって連結して、その状態で、自動車を持ち上げ、更に、車体幅方向に移動して自動車を荷台上に載せ、運搬可能とするものである。
【実施例】
【0024】
図1に示される実施例に係るサイドフォークリフト車10は、荷台12上にサイドフォーク14を備え、自動車Mの側面(実施例では右側面)に並んで、且つ、接近して停止し、サイドフォーク14を構成する前側フォークアーム16及び後側フォークアーム18を、図2に示される自動車Mの前後に下ろして、それぞれ後方及び前方に移動して、自動車Mの左右の前輪M1L、M1R及び左右の後輪M2L、M2Rの下側を前後から挟み込んで位置決めし、固定し、そのまま上方に持ち上げてから、荷台12上に戻して、自動車Mの積載を終了するものである。
【0025】
図1の符号11A、11Bは、サイドフォークリフト車10の前輪及び後輪を示す。サイドフォークリフト車10のキャビン部分は図示省略されている。
【0026】
荷台12上には、待機状態で、荷台12の幅方向一端(実施例においては右端)位置に支持された支持フレーム20を備え、この支持フレーム20に、サイドフォーク14を構成する前側フォークアーム16及び後側フォークアーム18が車体前後方向移動自在に取り付けられている。
【0027】
前側フォークアーム16の先端及び後側フォークアーム18の先端は、フォーク先端連結バー21(詳細後述)によって連結され、連結状態では、前側及び後側フォークアーム16、18間が開かないようにすることができる。
【0028】
支持フレーム20は、車体前後方向に、荷台内のりと等しい長さで格子状に形成されていて、荷台12の幅方向一端(右端)側面に沿って待機するようにされている。
【0029】
支持フレーム20には、車体前後方向に水平の、且つ、上下方向には3本のガイドレール22A、22B、22Cが設けられている。
【0030】
サイドフォーク14は前後2本のL字形状部材からなり、その水平部部分が、前側フォークアーム16及び後側フォークアーム18であって、その垂直部分であるフォークポスト16A、18Aにおいて、ガイドレール22A、22B、22Cに転接するフォークポストローラ38を介して、支持フレーム20に、車体前後方向移動自在に支持されている。
【0031】
又、支持フレーム20は、これよりも更に車体幅方向右側において垂直に配置された前後2本の前側メインポスト24及び後側メインポスト26に、これらの内側に昇降自在に配置されたフォーク用昇降ポスト25、27を介して支持されている。具体的には、フォーク用昇降ポスト25、27は昇降ローラ25A、25B、27A、27Bにより、前側メインポスト24及び後側メインポスト26の内側を昇降自在とされ、支持フレーム20は、フォーク用昇降ポスト25、27の内側を昇降ローラ20A、20B、20Cにより昇降自在に設けられている。
【0032】
前側メインポスト24及び後側メインポスト26は、それぞれ、下端において前側横スライドレール28及び後側横スライドレール30にそれぞれ、車体幅方向水平に移動可能に支持されている。
【0033】
詳細には、前側及び後側横スライドレール28、30は、荷台12上面に、前後方向の間隔をとって、水平方向且つ車体幅方向に取り付けられている。又、前側及び後側メインポスト24、26は、その下端のポストベース23上に固定され、このポストベース23が、前側及び後側横スライドレール28、30内の溝に沿って車体幅方向に往復動可能とされている。なお、前側及び後側横スライドレール28、30の車体幅方向右端は直角下向きに屈曲された鉛直部29とされ、ポストベース23の車体幅方向右側の後端側フォークポストローラ38Bが鉛直部29内に下降するようにされている(詳細後述)。
【0034】
図2、図3において、符号32は一端がポストベース23に、他端が前側及び後側メインポスト24、26にそれぞれ連結されたチルトシリンダ、図3において、符号34は下端が前側及び後側メインポスト24、26に、上端がフォーク昇降チェーン35を介してフォーク用昇降ポスト25、27の上端に連結されていて、これらを昇降するフォーク昇降シリンダを示す。フォーク用昇降ポスト25、27の上端には動滑車35Aが設けられ、この動滑車35Aには、フォーク昇降シリンダ34のシリンダと支持フレーム20の上端とを連結するフォーク昇降チェーン35が巻き掛けられていて、支持フレーム20を吊下げている。又、符号36は前側及び後側メインポスト24、26用にそれぞれ設けられた水平移動用のローラチェーンを示す。
【0035】
このローラチェーン36は、図3に示されるように、荷台12の下側に配置されたオイルモータ37によって往復動されるようになっている。
【0036】
上記チルトシリンダ32とローラチェーン36との関係については後述する。
【0037】
前側フォークアーム16及び後側フォークアーム18は、支持フレーム20とフォークポスト16A及び18Aとの間にそれぞれ配置されたフォークポスト前後スライドシリンダ19A及び19Bによって、車体前後方向に駆動されるようになっている。
【0038】
これら前側フォークアーム16及び後側フォークアーム18の、フォークポスト16A、18Aに隣接した部分の上前角部及び上後角部には、自動車Mの右側車輪M1R、M2Rが接触する範囲で基端側車輪受け17Aが設けられ、また、左側車輪M1L、M2Lに接触する部分の上前角部及び上後角部には先端側車輪受け17Bが設けられている。また、前側及び後側の先端側車輪受け17Bの端部には前側フォーク先端ホルダー72及び後側フォーク先端ホルダー74がそれぞれ取付けられている(図2参照)。
【0039】
先端側車輪受け17Bは、基端側車輪受け17Aに対して車体幅方向に往復動可能に設けられ、先端スライドシリンダ17Cにより車体幅方向に駆動されるようになっている。
【0040】
この先端側車輪受け17Bの、車体幅方向の位置は、積載すべき自動車Mの左右の車輪間の幅(タイヤトレッド)に合せて基端側車輪受け17Aに対する先端側車輪受け17Bの位置が調整できるようにされている。
【0041】
ここで、基端側車輪受け17Aの幅は、サイドフォークリフト車10の、自動車Mに対する車体幅方向の停車位置の許容範囲(許容誤差)を、例えば50cm程度とし、その範囲で、自動車Mの左側車輪も載せられるように、車体幅方向の長さの余裕をとっておく。
【0042】
後述の前側ショートアーム40及び後側ショートアーム42の長さも同様とする。
【0043】
図1、2、3における符号12Aは、前側フォークアーム16及び後側フォークアーム18を荷台12上に下ろしたとき、これを受けとめるためのフォーク受け枠を示す。
【0044】
前側フォークポスト16Aの、車体前後方向後側に近い位置には、前側ショートフォークポスト40Aが、又、後側フォークポスト18A近くの前側には、後側ショートフォークポスト42Aが、前記支持フレーム20のガイドレール22B、22Cによって車体前後方向移動自在に支持され、且つ、その前後方向位置は、隣接するフォークポスト16A、18Aとの間に配置されたショートフォークスライドシリンダ46によって調整されるようになっている。
【0045】
又、前側ショートフォークポスト40A、後側ショートフォークポスト42Aの下端には、前側ショートアーム40及び後側ショートアーム42がそれぞれ鉛直軸周りに回転自在に取り付けられている。
【0046】
これら前側ショートアーム40及び後側ショートアーム42は、それぞれ回転ショートアームシリンダ48によって、前側ショートアーム40は、先端が車体前後方向後向きとなる待機位置と、車体幅方向外側(図1において左方向)に向く作動位置との間で、又、後側ショートアーム42は、先端が車体前後方向前向きとなる待機位置と、車体幅方向外側(図1において左方向)に向く作動位置との間で、それぞれ回転されるようになっている。
【0047】
図1、図2において符号48Aは、前側及び後側ショートフォークポスト40A、42Aに取り付けられた回転アームロックシリンダを示す。これらの回転アームロックシリンダ48Aは、前側及び後側ショートアーム40、42の待機位置及び作動位置でこれらをロックするロックピン(図示省略)を駆動するためのものである。
【0048】
次に、前側メインポスト24及び後側メインポスト26を車体幅方向に移動させるための構成について説明する。
【0049】
図3に示されるように、前側及び後側メインポスト24、26の下端のポストベース23は、前側及び後側横スライドレール28、30の幅方向の両側に、且つ、進行方向(車体幅方向)の先端と後端に合計4個の前記フォークポストローラ38A、38A、38B、38Bが取り付けられていて、これが前側及び後側横スライドレール28、30の内側の溝内を走行するようにされている。
【0050】
4個のフォークポストローラのうち、先端側(図3において左側)フォークポストローラ38Aの回転軸上に、前側及び後側メインポスト24、26の下端がそれぞれ、左右の先端側フォークポストローラ38A、38Aの間で、且つ、前側及び後側横スライドレール28、30の中央の溝内で支持されている。
【0051】
ポストベース23の、図3において右側の一対の後端側フォークポストローラ38B、38Bは、図4に示されるように、その間の回転軸において、柱状の連結部材50を介して、チルトシリンダ32の、図において下端と連結され、これにより、図3に示される上昇位置と図4に示される下降位置との間で、前側及び後側横スライドレール28、30の鉛直部29内を、上下方向に移動可能とされている。
【0052】
ポストベース23を車体幅方向に往復動させるための前記ローラチェーン36は、後端側フォークポストローラ38Bの下側位置で、ポストベース23に連結されている。このローラチェーン36は、前側及び後側横スライドレール28、30の、図3において右端と左端の下側位置に配置されたスプロケットホイール51、52に巻回されていて、且つ、オイルモータ37によって、前側及び後側横スライドレール28、30に沿って往復動できるようにされている。
【0053】
なお、オイルモータ37は、前側及び後側横スライドレール28、30のそれぞれに設けられ、駆動軸37Aを共有することによって、前側及び後側のローラチェーン36が同期して駆動されるようになっている。
【0054】
ローラチェーン36は、ポストベース23が待機状態にあるときに、これに対応して図4に示されるように、待機状態となるようにされている。
【0055】
詳細には、スプロケットホイール51は、揺動自在の回転アーム54の先端に支持されていて、回転アームシリンダ56によって図3に示される作動位置と図4に示される待機位置とに選択的に揺動されるようになっている。
【0056】
スプロケットホイール51が作動位置にあるときは、ローラチェーン36が前側及び後側横スライドレール28、30に沿って往復動できるようにされ、又、待機位置では、待機によって生じた空間に、ポストベース23及び後端側フォークポストローラ38Bが、チルトシリンダ32によって下降できるようにするものである。
【0057】
図1の符号58はアウトリガーであり、反対側のアウトリガー(図示省略)とともに、下方に突出したとき、荷台12を水平状態に維持することができる。又、符号60は荷台12の左側端部における上側角部に、車体前後方向に複数直線状に配置されたサイドローラを示す。このサイドローラ60は、サイドフォーク14及びサイドショートフォーク44が、車体幅方向に移動するとき、これらの下側面に転接可能として、特に、サイドフォーク14が下りすぎたときに、これを支えるものである。
【0058】
次に、フォーク先端連結バー21の詳細な構成について説明する。
【0059】
図5、6に示されるように、フォーク先端連結バー21は、いずれも四角形状のパイプからなる、前メス部62、後メス部64、オス部66を有してなり、オス部66の、前メス部62の後端からの差込量及び後メス部64の前端からの差込量によって、全体の長さを調整し、前メス部62の前端及び後メス部64の後端の前フォークジョイントピン70A及び後フォークジョイントピン70Bを前側フォーク先端ホルダー72及び後側フォーク先端ホルダー74に挿入固定して、前側フォークアーム16及び後側フォークアーム18の先端間を固定するものである。
【0060】
なお図5は、フォーク先端連結バー21の平面図、図6は正面図であり、各々の上段は最伸長状態、下段は最短縮状態を示す。
【0061】
長さ調整機構は、前メス部62の後端位置に設けられた前ストッパ63、前メス部62内に挿入されたオス部66の前端に取付けられた前動滑車66A、後メス部64内に挿入されたオス部66の後端に取付けられた後動滑車66Bと、後メス部64の前端に取付けられた後ストッパ65と、前ストッパ63、前動滑車66A、後動滑車66B、後ストッパ65の間に張り渡されたロープ68と、から構成されている。
【0062】
前ストッパ63は、前メス部62の後端の前面に取付けられた前ストッパプレート63Aと、この前ストッパプレート63Aに揺動自在に取付られた前ストッパピン63Bとから構成されている。
【0063】
同様に、後ストッパ65は、後メス部64の前端の前面に取付けられた後ストッパプレート65Aと、この後ストッパプレート65Aに揺動自在に取付られた後ストッパピン65Bとから構成されている。
【0064】
オス部66の上面には、前メス部62及び後メス部64への最挿入位置を規定する前挿入ストッパ69A、後挿入ストッパ69Bが設けられていて、更に、前挿入ストッパ69Aと前端との間、及び後挿入ストッパ69Bと後端の間には、前面から後面に貫通して、水平方向の位置決め穴67が前後方向に一列に多数形成されている。
【0065】
又、図6に示されるように、上記位置決め穴67の列の長さと等しい長さで、前メス部62及び後メス部64の上面に長手方向に前側長溝62A及び後側長溝64Aがそれぞれ形成されている。
【0066】
前ストッパピン63B及び後ストッパピン65Bは、足の長さの異なるU字形状とされ、長い側の長ピン67Lは、前メス部62及び後メス部64の外側(図5において上側)位置で、前及び後ストッパプレート63A、65Aにそれぞれ揺動自在に挿通されている。符号67Pは抜け止めピンを示す。
【0067】
これに対して、U字形状の短い側の短ピン67Sは、図6において二点鎖線で示されるように、前又は後メス部62、64の外側に、引抜き可能であり、且つ、その位置が、位置決め穴67のいずれかと一致した時、該位置決め穴67に挿通されて、前又は後メス部62、64に対するオス部66の位置決めをすることができるようにされている。
【0068】
前記短ピン67Sを引抜いた状態で、ロープ68を引っ張ると、その引張り力によって前及び後動滑車66A、66Bが相互に接近する方向に駆動され、これによって、オス部66が、前メス部62及び後メス部64からそれぞれ引き出されて、フォーク先端連結バー21の全体の長さを伸張させる。
【0069】
前フォークジョイントピン70A及び後フォークジョイントピン70B間の距離が、前側フォークアーム16と後側フォークアーム18の間の距離に一致したとき、前ストッパピン63B及び後ストッパピン65Bにおける短ピン67Sを、図6の二点鎖線の位置から実線の位置に戻して、その位置に対応する位置決め穴67のいずれかに挿通して、前後メス部62、64及びオス部66間の相対的関係を位置決めし、この状態で、前後のフォークジョイントピン70A、70Bによって、前側及び後側フォーク先端ホルダー72、74に取付けることによって、前側フォークアーム16及び後側フォークアーム18間を固定する。
【0070】
次に、図7を参照して、サイドフォークリフト車10の荷台12上に載置した自動車Mの固定について説明する。
【0071】
この固定は、図7に示されるタイヤ・フォーク固定装置80によって行う。
【0072】
タイヤ・フォーク固定装置80は、タイヤ・フォーク固定用ベルト82と、ラチェットバックル付連結金具84と、ローラ付トリプル金具86と、ベルト用トリプル金具88とを備えていて、前側フォークアーム16と、前側ショートアーム40とに載置された自動車Mの前輪M1L(M1R)にタイヤ・フォーク固定用ベルト82を巻掛け、その前端はラチェットバックル付連結金具84に締め付け可能に連結し、更に、前側フォーク先端ホルダー72に固定されたローラ付トリプル金具86のローラを通って、前輪M1Lの上半部上で、荷台12に引掛けられたベルト用トリプル金具88に後端が連結されるものである。
【0073】
次に、図8及び図9〜図14を参照して、この実施例に係るサイドフォークリフト車10によって、自動車Mを荷台12上に載置する過程について説明する。なお、図9〜図14において、符号Gは地面(道路の路面を含む)を示す。
【0074】
まず、図9に示されるように、前側及び後側ショートアーム40、42を、回転ショートアームシリンダ48によって車体前後方向に向いた待機位置としておいて、ステップ101ではサイドフォークリフト車10を、図2及び図10に示されるように、自動車Mの右側に並べて停車する。
【0075】
ステップ102において、アウトリガー58を駆動して、サイドフォークリフト車10の荷台12を水平にする。
【0076】
ステップ103では、フォーク固縛用ベルト(図示省略)を取り外して、サイドフォーク14及びサイドショートフォーク44の移動を可能とする。
【0077】
ステップ104では、チルトシリンダ32を縮めて、ポストベース23の後端側フォークポストローラ38Bを、図4に示される待機状態から図3に示される作動可能な状態にまで、鉛直部29内で引き揚げるとともに、回転アームシリンダ56によって、回転アーム54を、図4において反時計方向に揺動させ、先端のスプロケットホイール51を、図3に示されるように、ローラチェーン36が水平状態となるようにする。
【0078】
このとき、後端側フォークポストローラ38Bは、鉛直部29の上端で、且つ、前側及び後側横スライドレール28、30の水平部分の、図3、4において右端に位置している。なお、図3では、後端側フォークポストローラ38Bは、右端よりもやや左側位置に示されている。
【0079】
この過程で、フォークポスト16A、18Aは、図4の待機位置から車体左方向に前側及び後側横スライドレール28、30に沿って、ポストベース23の先端側及び後端側フォークポストローラ38A、38Bの間の長さよりも少し短い距離だけ移動される。
【0080】
ステップ105において、フォーク昇降シリンダ34によって前側及び後側フォークアーム16、18がフォーク受け枠12Aから浮上するまでフォーク用昇降ポスト25、27を支持フレーム20とともに上昇させる(図9参照)。このとき、動滑車35Aも上昇するので、支持フレーム20がフォーク昇降チェーン35により引っ張られて、上昇する。
【0081】
ステップ106及び107において、前側フォークアーム16を、フォークポスト前後スライドシリンダ19Aによって、前側ショートアーム40とともに、ガイドレール22A、22B、22C上での、車両前後方向移動範囲の前端まで移動させ、又、後側フォークアーム18を、フォークポスト前後スライドシリンダ19Bによって、後側ショートアーム42とともに、車両前後方向移動範囲の後端まで移動させる。
【0082】
ステップ108において、前側及び後側メインポスト24、26を、これらが荷台12からフォークアーム先端方向に突出するまで移動させる。この状態では、サイドフォーク14は荷台12の左端に沿って上下動可能となっている。
【0083】
ステップ109において、フォーク昇降シリンダ34を縮めて支持フレーム20を荷台12の左側に降し、これによって、前側及び後側フォークアーム16、18を地面近くまで下降させる(図10参照)。前側及び後側フォークアーム16、18は、自動車Mの前後に下降することになる。
【0084】
ステップ110において、自動車Mの左右の車輪間隔(タイヤトレッド)に合わせて、基端側及び先端側車輪受け17A、17Bの位置を調整し、これらが自動車Mの前輪M1R、M1Lの前側及び後輪M2R、M2Lの後側に入り込むようにスライドさせる。
【0085】
詳細には、基端側車輪受け17Aの位置に自動車Mの右側車輪M1R、M2Rを位置させた状態で、左側車輪M1L、M2Lの位置に先端側車輪受け17Bが位置するように、先端スライドシリンダ17Cにより先端側車輪受け17Bの突出量を調整する。すなわち、右側車輪M1R、M2R及び左側車輪M1L、M2Lの車両幅方向位置が、基端側及び先端側車輪受け17A、17Bに重なるように調整し、次に、フォークポスト前後スライドシリンダ19A、19Bにより、前側フォークアーム16が自動車Mの前輪M1R、M1Lの前側に、又、後側フォークアーム18が自動車Mの後輪M2R、M2Lの後側にそれぞれ入り込むようにスライドさせる(図10、図11参照)。
【0086】
ステップ111において、図12に示されるように、前側及び後側フォークアーム16、18の先端をフォーク先端連結バー21によって先端間が開かないように連結する。
【0087】
ステップ112において、前側及び後側ショートアーム40、42を、回転ショートアームシリンダ48によって、図11に示される車体前後方向の待機位置から、図13に示される車体幅方向の位置に90度回転させて、前側及び後側フォークアーム16、18と平行となるようにする。
【0088】
ステップ113において、ショートフォークスライドシリンダ46により、前側及び後側ショートアーム40、42を、前側フォークアーム16方向及び後側フォークアーム18方向にそれぞれ駆動し、図13に示されるように、自動車Mの右前輪M1Rの下部を前側フォークアーム16と前側ショートアーム40の間に挟みこむとともに、ステップ114において、自動車Mの右後輪M2Rの下部を後側フォークアーム18と後側ショートアーム42の間に挟みこむ。
【0089】
この状態で、ステップ115において、フォーク昇降シリンダ34を僅かに伸ばして、支持フレーム20とともに、サイドフォーク14、サイドショートフォーク44及びこれらに載置された自動車Mを僅かに上昇させる。
【0090】
ステップ116では、前側及び後側フォークアーム16、18が先端側に傾いているか、例えば5度程度傾いているか否かを判定する。
【0091】
Yesであれば、次のステップ117に進み、チルトシリンダ32によって、前側及び後側フォークアーム16、18の傾きを修正し、ステップ118に進む。又、Noであれば、ステップ118に進む。
【0092】
ステップ118では、前側及び後側フォークアーム16、18、前側及び後側ショートアーム40、42とともに自動車Mを荷台12よりもやや高いレベルまで上昇させる(図14参照)。
【0093】
ステップ119においては、オイルモータ37によってローラチェーン36を駆動し、ポストベース23を介して、フォークポスト16A、18A及び支持フレーム20をフォーク基端方向(図3において右端方向)に移動させる。
【0094】
ポストベース23の後端側フォークポストローラ38Bが、図3に示されるように右方向にストロークエンドとなったとき、ステップ120においてチルトシリンダ32を伸ばして、ポストベース23の後端側フォークポストローラ38Bを図3の位置から図4の位置へ押し下げる。このとき、直前に回転アームシリンダ56によって、回転アーム54を図3において時計方向に揺動させ、スプロケットホイール51を図4の位置に引き込む。
【0095】
この後端側フォークポストローラ38Bの待機位置への降下によって、先端側フォークポストローラ38Aは、図4に示される位置まで、更に基端方向に移動し、従って、前側及び後側メインポスト24、26も、図4まで、更に基端方向に位置に移動される。
【0096】
ステップ121において、フォーク昇降シリンダ34を伸ばして、サイドフォーク14及びサイドショートフォーク44を、フォーク受け枠12A上に下ろす。
【0097】
ステップ122において、タイヤ・フォーク固定装置80により、自動車Mの車輪及び前側、後側フォークアーム16、18を荷台12上に固定する。
【0098】
ステップ123において、アウトリガー58を引き上げて、サイドフォークリフト車10を走行可能とする。
【0099】
これにより、サイドフォークリフト車10への自動車Mの積載が終了する。
【0100】
なお、上記実施例において、自動車Mを積載しない場合も、支持フレーム20、前側、後側メインポスト24、26、フォークポスト16A、18Aなどの、重量の大きい部材が、図4に示されるように、車体幅方向右側に偏った状態となっているので、サイドフォークリフト車10の、サイドフォーク14、支持フレーム20が設けられていない場合と比較して、車体幅方向右側に重心が位置することとなり、これに比較して、荷台12の左側は重量物が無く、空荷でのサイドフォークリフト車10の走行時の不安定要素となる。
【0101】
これに対して、前側メインポスト24、後側メインポスト26が、図4に示される位置よりも荷台12の中央側で待機状態となるようにすれば、重心が車体幅方向中央側に戻るので、空荷状態での走行が安定する。このためには、例えば、前側及び後側フォークアーム16、18における、先端側車輪受け17Bの伸縮差を大きくして、待機時における基端側車輪受け17Aとの距離を短くすれば、その分だけ重心位置を中央側にずらすことができる。
【0102】
更に、上記実施例において、サイドフォーク14は、前後一対のL字形状部材から構成されているが、L字形状に限定されるものでなく、前側及び後側フォークアームのみから構成しても良い。
【0103】
又、上記実施例は、自動車Mの車輪を、サイドフォーク14及びサイドショートフォーク44とによって位置決めし、積み込むようにしているが、本発明はこれに限定されるものでなく、サイドショートフォーク44は、サイドフォーク14による自動車Mの支持が充分であれば設けなくても良い。
【0104】
但し、サイドショートフォーク44を設けた場合は、自動車Mを積載したサイドフォークリフト車10の走行時に、加減速によって自動車Mの車輪がサイドフォーク14を乗り越えることを確実に抑制することができる。
【符号の説明】
【0105】
M…自動車
M1R…右前輪
M1L…左前輪
M2R…右後輪
M2L…左後輪
10…サイドフォークリフト車
12…荷台
12A…フォーク受け枠
14…サイドフォーク
16…前側フォークアーム
16A、18A…フォークポスト
17A…基端側車輪受け
17B…先端側車輪受け
17C…先端スライドシリンダ
18…後側フォークアーム
19A、19B…フォークポスト前後スライドシリンダ
20…支持フレーム
21…フォーク先端連結バー
22A、22B、22C…ガイドレール
23…ポストベース
24…前側メインポスト
25、27…フォーク用昇降ポスト
26…後側メインポスト
28…前側横スライドレール
30…後側横スライドレール
32…チルトシリンダ
34…フォーク昇降シリンダ
35…フォーク昇降チェーン
36…ローラチェーン
37…オイルモータ
37A…駆動軸
38A…先端側フォークポストローラ
38B…後端側フォークポストローラ
40…前側ショートアーム
40A…前側ショートフォークポスト
42…後側ショートアーム
42A…後側ショートフォークポスト
44…サイドショートフォーク
46…ショートフォークスライドシリンダ
48…回転ショートアームシリンダ
48A…回転アームロックシリンダ
50…連結部材
51、52…スプロケットホイール
54…回転アーム
56…回転アームシリンダ
58…アウトリガー
60…サイドローラ
80…タイヤ・フォーク固定装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車を車両前後方向の姿勢で積載可能な荷台と、
この荷台上に、荷台幅方向一端の待機位置と他端から突出した突出位置との間で荷台幅方向に水平に往復動可能、且つ、前記突出位置で、前記待機位置での高さの上昇位置と荷台側方で降下した降下位置との間で上下動可能な支持フレームと、
この支持フレームに、車両幅方向に長く水平に、且つ、先端が前記他端に向けられた姿勢で車両前後方向に移動可能に支持され、車両前後方向に離間して配置された前側フォークアーム及び後側フォークアームからなるサイドフォークと、
前記前側フォークアームと後側フォークアームの先端を連結可能なフォーク先端連結バーとを有してなり、
前記前側フォークアーム及び後側フォークアームは、前記自動車の左右の車輪が同時に載置され得るとともに、待機状態で荷台上にある長さ、且つ、相互に独立して、車両前後方向に移動可能とされたことを特徴とするサイドフォークリフト車。
【請求項2】
請求項1において、
前記前側フォークアームの近くで、その車両前後方向後側に離間した位置で、基端が前記支持フレームに車両前後方向水平に移動可能に支持され、前記前側フォークアームと平行な状態となり得る前側ショートアームと、
前記後側フォークアームの近くで、その車両前後方向前側に離間した位置で、基端が前記支持フレームに車両前後方向水平に移動可能に支持され、前記後側フォークアームと平行な状態となり得る後側ショートアームと、
を有することを特徴とするサイドフォークリフト車。
【請求項3】
請求項1又は2において、
前記前側フォークアーム及び後側フォークアームは、基端側に、自動車の前記一端側の車輪を載置する基端側車輪受け、及び、先端側に、前記自動車の前記他端側の車輪を載置する先端側車輪受けを備え、且つ、前記先端側車輪受けが、前記基端側車輪受けに対して車両幅方向位置可変となるように伸縮可能とされたことを特徴とするサイドフォークリフト車。
【請求項4】
請求項3において、
前記車両幅方向位置可変の先端側車輪受けは、前記前側フォークアーム及び後側フォークアームが最も縮んだときの先端が、荷台幅方向の前記他端から前記一端側にずれた位置となるようにされ、前記支持フレームは、荷台幅方向の前記一端と他端との間の位置で、前記先端側車輪受けの先端が、前記他端となる位置で停止可能とされたことを特徴とするサイドフォークリフト車。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかにおいて、
前記前側ショートアーム及び後側ショートアームは、水平面内で、車両前後方向の姿勢となる待機位置及び車両幅方向の姿勢となる作業位置との間で揺動自在に設けられたことを特徴とするサイドフォークリフト車。
【請求項6】
荷台上に車体前後方向間隔を調整自在に設けられた前側フォークアームと後側フォークアームからなり、これら一対のフォークアームの、基端が荷台の車体幅方向一方の端部の位置から他方の端部を越えて、突出する位置の間で往復動自在とされたサイドフォークを備えたサイドフォークリフト車を、積載しようとする自動車の一方の側方に停止させる過程と、
前記前側フォークアームと後側フォークアームが前記自動車の前端よりも前側位置及び後端よりも後側位置となるまで前後方向間隔を開き、且つ、前記基端が前記荷台の他方の端部を越えるまで車両幅方向に突出させる過程と、
前記サイドフォークを、前記自動車の前及び後で地面近くまで降下させる過程と、
前記自動車の前輪の前下側及び後輪の後下側に向けて、前記一対のフォークアームを相互に車体前後方向に接近する方向に駆動して、左右の前輪の前下側及び後輪の後下側に押しつける過程と、
前記一対のフォークアームの先端を、前記自動車の他方の側方から連結部材により車体前後方向に連結する過程と、
前記自動車を載置した状態で、且つ、前記一対のサイドフォークの先端を連結した状態で、これらを上昇させ、次に、これらを前記荷台上に移動する過程と、
前記一対のサイドフォーク上に載置された状態の前記自動車を、前記荷台に固縛して固定する過程と、
を有する自動車の積込み方法。
【請求項7】
請求項6において、
前記一対のフォークアームの先端を、連結部材により連結してから、前記前側フォークアームに接触している左右の前輪のうち、前記一方の端部側の前輪の後下側をアーム部材により前方に押して、該前輪の下部を前記前側フォークアームとの間で挟み込む過程と、
前記後側フォークアームに接触している左右の後輪のうち、前記一方の端部側の後輪の前下側をアーム部材により後方に押して、該後輪の下部を前記後側フォークアームとの間で挟み込む過程と、を有することを特徴とする自動車の積込み方法。
【請求項8】
請求項6又は7において、
前記一対のフォークアームを相互に車体前後方向に接近する方向に駆動して、左右の前輪の前下側及び後輪の後下側に押しつける過程における一対のフォークアームを駆動する前に、自動車の左右の車輪の位置に合わせて、これら一対のフォークアームの先端を基端側に対して伸縮する過程を有することを特徴とする自動車の積込み方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−11875(P2012−11875A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−149583(P2010−149583)
【出願日】平成22年6月30日(2010.6.30)
【出願人】(000236551)株式会社浜名ワークス (11)
【Fターム(参考)】