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サイドフレームの周辺構造
説明

サイドフレームの周辺構造

【課題】作製を容易にし、作製コストを低減でき、低重心化を可能とし、走行安定性を向上させ、かつ前後方向荷重を効率良く吸収できるサイドフレームの周辺構造を提供する。
【解決手段】車幅方向中央のトランスミッション3と、車幅方向外側のタイヤ4と、トランスミッション3及びタイヤ4を連結するドライブシャフト5と、ドライブシャフト5の上方で前後方向に沿って配置されるサイドフレーム6とを備え、サイドフレーム6が互いに接合される内側パネル7及び外側パネル8を有し、内側パネル7が、サイドフレーム6の車幅方向中央側端部を構成しかつ上下方向に沿った内側部分7aを有し、外側パネル8が、サイドフレーム6の下側部分を構成しかつ車幅方向に沿った下側部分8aと、下側部分8aの車幅方向中央側端部から下方に突出するフランジ8bとを有し、内側パネル7の内側部分7aの下端部と外側パネル8のフランジ8bとが接合される、サイドフレーム6の周辺構造。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車幅方向に延びるドライブシャフトの上方で車両前後方向に沿って配置されるサイドフレームの周辺構造に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、自動車等の車両の前部には、車体の骨格を構成する部材の一つとして車幅方向左右一対のサイドフレームが設けられている。このサイドフレームは、車幅方向外側で車両前後方向に沿って配置されており、サイドフレームの閉断面が、主に2枚のパネルを接合することによって形成されている。このようなサイドフレームの下方には、車幅方向に延び、かつ車幅方向中央のタイヤと車幅方向外側のトランスミッションとを連結するドライブシャフトが配置されている。そのため、サイドフレームはドライブシャフトを避けるように形成される必要がある。
【0003】
そこで、従来のサイドフレームの一つでは、横断面視で上方に開口するようにコ字形状に形成された上側パネル及び下側パネルが設けられ、上側パネルが下側パネルの上方から内部に嵌挿され、上側パネルの底部と下側パネルの底部とが上下方向に間隔を空けた状態で、上側パネルの車幅方向両側部と下側パネルの車幅方向両側部とがそれぞれ互いに接合されており、このような上側パネル及び下側パネルによってサイドフレームが構成されている。
【0004】
また、特許文献1のサイドフレームでは、横断面視で車幅中央側の内側パネルと車幅方向外側の外側パネルとが設けられ、内側パネルは、その下端で水平方向に延びる下面と、該下面の車幅方向外側端から下方に延びるフランジとを有し、外側パネルは、上下方向に延びる車幅方向外側の端面を有し、内側パネルのフランジと外側パネルの端面の下端部とが互いに接合されている。サイドフレームのドライブシャフト周辺部分は、ドライブシャフトを避けるように、車両側面視で上方に大きく突出するように湾曲している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010− 83259号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した従来のサイドフレームの一つでは、上側パネル及び下側パネルが横断面視でコ字形状に形成され、特に、下側パネルは上側パネルよりも深い凹形状を有している。また、サイドフレームには高張力鋼板が用いられることが多くなっている。特に、高い剛性を有する板金を深い凹形状にプレス成形することは難しく、サイドフレームの作製が難しくなっており、その結果、サイドフレームの作製コストが増加することとなる。
【0007】
また、車両走行時に、タイヤを経由して伝わる上下方向の荷重によって、ドライブシャフトは、トランスミッションと連結する車幅方向中央側の端部を中心に上下方向に振れる。そのため、ドライブシャフトの振れは、車幅方向中央から車幅方向外側に向かうに従って大きくなる。しかしながら、特許文献1では、サイドフレームの最下端に位置する内側パネルと外側パネルとの接合部が、サイドフレームの車幅方向外側端に配置されて、ドライブシャフトの車幅方向外側端寄りに配置されることとなる。そのため、サイドフレームの接合部が車両走行時に大きく振れるドライブシャフトの車幅方向外側端寄りの部分と接触することを防止するために、サイドフレームの最下端の接合部とドライブシャフトとの上下方向のクリアランスを大きくする必要がある。この場合、重量物であるサイドフレームが車両の高い位置に配置されることとなり、その結果、車両の低重心化が妨げられることとなる。車両の重心が高くなると、車両の走行安定性が低下するので、このことは問題である。
【0008】
また、特許文献1のサイドフレームのドライブシャフト周辺部分は、ドライブシャフトを避けるように、車両側面視で上方に大きく突出するように湾曲している。しかしながら、車両に前後方向の荷重が加えられた場合、サイドフレームの大きな湾曲部分に応力が集中するので、サイドフレームの前後方向の変形が促されずに、サイドフレーム全体によって前後方向の荷重が効率良く吸収されないこととなる。
【0009】
本発明はこのような実状に鑑みてなされたものであって、その目的は、サイドフレームの作製を容易にし、サイドフレームの作製コストを低減でき、車両の低重心化を可能とし、車両の走行安定性を向上させ、かつ車両前後方向の荷重を効率良く吸収できるサイドフレームの周辺構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
課題を解決するために、本発明の一態様に係るサイドフレームの周辺構造は、車両の車幅方向中央に配置されるトランスミッションと、車両の車幅方向外側に配置されるタイヤと、車幅方向に沿って配置され、かつ前記トランスミッション及び前記タイヤを連結するドライブシャフトと、前記ドライブシャフトの上方で車両前後方向に沿って配置されるサイドフレームとを備え、前記サイドフレームが、車幅方向中央側及び外側にそれぞれ位置する内側パネル及び外側パネルを有し、前記内側パネルと前記外側パネルとが互いに接合されている、サイドフレームの周辺構造において、前記内側パネルが、前記サイドフレームの車幅方向中央側の端部を構成するように上下方向に沿って形成された内側部分を有し、前記外側パネルが、前記サイドフレームの下側部分を構成するように車幅方向に沿って形成された下側部分と、該下側部分の車幅方向中央側の端部から下方に突出するフランジとを有し、前記内側パネルの内側部分の下端部と前記外側パネルのフランジとが接合されている。
【0011】
本発明の一態様に係るサイドフレームの周辺構造では、前記内側パネルが、前記サイドフレームの上側部分を構成するように車幅方向に沿って形成された上側部分と、該上側部分の車幅方向外側の端部から上方に突出するフランジとを有し、前記外側パネルが、前記サイドフレームの車幅方向外側の端部を構成するように上下方向に沿って形成された外側部分を有し、前記内側パネルの上側部分のフランジと前記外側パネルの外側部分の上端部とが接合されている。
【0012】
本発明の一態様に係るサイドフレームの周辺構造では、前記内側パネルの上側部分のフランジと、前記外側パネルの外側部分の上端部と、車体パネルを構成する部材とが互いに重なって3枚接合されており、前記内側パネルにおける前記上側部分及び前記内側部分の間の角部に、車両の駆動機構を取付けるためのブラケットが接合されている。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、以下の効果を得ることができる。本発明の一態様に係るサイドフレームの周辺構造は、車両の車幅方向中央に配置されるトランスミッションと、車両の車幅方向外側に配置されるタイヤと、車幅方向に沿って配置され、かつ前記トランスミッション及び前記タイヤを連結するドライブシャフトと、前記ドライブシャフトの上方で車両前後方向に沿って配置されるサイドフレームとを備え、前記サイドフレームが、車幅方向中央側及び外側にそれぞれ位置する内側パネル及び外側パネルを有し、前記内側パネルと前記外側パネルとが互いに接合されている、サイドフレームの周辺構造において、前記内側パネルが、前記サイドフレームの車幅方向中央側の端部を構成するように上下方向に沿って形成された内側部分を有し、前記外側パネルが、前記サイドフレームの下側部分を構成するように車幅方向に沿って形成された下側部分と、該下側部分の車幅方向中央側の端部から下方に突出するフランジとを有し、前記内側パネルの内側部分の下端部と前記外側パネルのフランジとが接合されている。そのため、サイドフレームの最下端に位置する内側パネルと外側パネルとの接合部が、サイドフレームの車幅方向内側端に配置されて、ドライブシャフトの車幅方向中央側端寄りに配置されることとなる。このような構成によって、サイドフレームの下側部分とドライブシャフトとの上下方向のクリアランスを小さくすることができる。その結果、重量物であるサイドフレームが車両の低い位置に配置されることとなり、車両の低重心化を図ることができる。車両の重心を低くすることによって、車両の走行安定性を高めることができる。また、サイドフレームのドライブシャフト周辺部分を車両側面視で上方に突出するように湾曲させる場合、サイドフレームのドライブシャフト周辺部分を上方に突出させる量を、従来と比較して小さくすることができる。そのため、車両に前後方向の荷重が加えられた場合、従来と比較してサイドフレームの湾曲部分に応力が集中せずに分散されて、サイドフレームの前後方向の変形を促すことができ、サイドフレーム全体によって前後方向の荷重を効率良く吸収できる。
【0014】
本発明の一態様に係るサイドフレームの周辺構造では、前記内側パネルが、前記サイドフレームの上側部分を構成するように車幅方向に沿って形成された上側部分と、該上側部分の車幅方向外側の端部から上方に突出するフランジとを有し、前記外側パネルが、前記サイドフレームの車幅方向外側の端部を構成するように上下方向に沿って形成された外側部分を有し、前記内側パネルの上側部分のフランジと前記外側パネルの外側部分の上端部とが接合されているので、内側パネル及び外側パネルを横断面視でクランク形状に形成することができる。そのため、内側パネル及び外側パネルは深い凹形状を有さずプレス成形し易くなっており、サイドフレームが作製し易く、その結果、サイドフレームの作製コストを低減できる。また、内側パネルと外側パネルとの接合部が、サイドフレームの上端部と下端部とに配置されている。そのため、車両に前後方向の荷重が加えられた場合、サイドフレームが上下方向に折れることが防止されて、サイドフレームの前後方向の変形を促すことができるので、サイドフレーム全体によって前後方向の荷重を効率良く吸収できる。
【0015】
本発明の一態様に係るサイドフレームの周辺構造では、前記内側パネルの上側部分のフランジと、前記外側パネルの外側部分の上端部と、車体パネルを構成する部材とが互いに重なって3枚接合されており、前記内側パネルにおける前記上側部分及び前記内側部分の間の角部に、車両の駆動機構を取付けるためのブラケットが接合されているので、車両の駆動機構がサイドフレームと共に低い位置に配置されて、車両の低重心化を図ることができる。また、駆動機構を取付けるためのブラケット周辺で、サイドフレームの内側パネル及び外側パネルと、車体パネルを構成する部材とが3枚接合されているので、サイドフレームの取付剛性を確保するとともに、駆動機構の取付剛性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施形態に係るサイドフレームの周辺構造を用いた車両の内部構造を概略的に示す正面図である。
【図2】本発明の実施形態に係るサイドフレームの周辺構造を用いた車両を、ドライブシャフトの前方で車幅方向に沿った断面によって切断した状態で、車両斜め前方側から見た概略斜視断面図である。
【図3】本発明の実施形態に係るサイドフレームの周辺構造を、車幅方向中央側から見た概略側面図である。
【図4】本発明の実施形態に係るサイドフレームの周辺構造を、車幅方向外側斜め下方から見た概略斜視図である。
【図5】本発明の実施形態に係るサイドフレームの周辺構造を、車両後方側斜め上方から見た概略斜視図である。
【図6】本発明の実施形態に係るサイドフレームの周辺構造において、ドライブシャフトとサイドフレームとの関係を模式的に示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の実施形態に係るサイドフレームの周辺構造について、以下に説明する。なお、本実施形態については、前輪駆動方式の車両の前部を用いて説明するが、本発明の実施形態に係る構造は、後輪駆動方式の車両の後部に採用されてもよい。
【0018】
図1及び図2を参照すると、本実施形態に係る構造を用いた車両1の前部における車幅方向中央には、車両1の駆動機構であるエンジン2が配置され、このエンジン2の下側にはトランスミッション3が配置されている。車両1の前部における車幅方向外側にはタイヤ4が配置されている。トランスミッション3とタイヤ4とは、車幅方向に沿って配置されたドライブシャフト5によって連結されている。なお、本実施形態では、ドライブシャフト5は車幅方向に水平に配置されているが、ドライブシャフト5が、車幅方向中央から車幅方向外側に向かって斜め上方に傾斜するように配置されていてもよい。このような構造において、エンジン2からの駆動力が、トランスミッション3によってドライブシャフト5の軸線を中心とした回転力に変換されて、ドライブシャフト5と共にタイヤ4が回転することとなる。
【0019】
図2〜図5を参照すると、車両1の前部には、車幅方向左右一対のサイドフレーム6がさらに設けられている。図2を参照すると、このサイドフレーム6は、ドライブシャフト5の上方で車両前後方向に沿って配置されており、サイドフレーム6は、車幅方向中央側及び外側にそれぞれ位置する内側パネル7及び外側パネル8を有しており、内側パネル7と外側パネル8とは、サイドフレーム6の閉断面を形成するように互いに接合されている。図3〜図5を参照すると、サイドフレーム6の後方には、車両前後方向に沿ってサイドメンバ9が配置され、サイドフレーム6の後端部にサイドメンバ9の前端部が接合されている。サイドフレーム6の車幅方向外側には、車体パネルを構成する部材が配置されており、本実施形態では一例として、ストラットタワー(図示せず)を取付けるストラットタワー取付部10を支持するストラットタワーパネル11が配置され、かつこのストラットタワーパネル11の前側にフェンダーエプロンパネル(以下、「エプロンパネル」という)12が配置されている。図3及び図5を参照すると、サイドフレーム6には、エンジン2の取付けに用いられる一対のエンジンマウントブラケット(以下、「ブラケット」という)13,14が接合されている。
【0020】
ここで、サイドフレーム6の詳細な構成について説明する。
図2を参照すると、サイドフレーム6は、横断面視で、車幅方向の長さより車両上下方向の長さを長くするように形成されている。図3を参照すると、サイドフレーム6は、車両側面視で、ドライブシャフト5(仮想線で示す)を避けるように、上方に向かって緩やかに湾曲して形成されている。
【0021】
図2及び図6を参照すると、サイドフレーム6の内側パネル7は、横断面視で略クランク形状に形成されている。このような内側パネル7は、サイドフレーム6の車幅方向中央側の端部を構成するように上下方向に沿って形成された内側部分7aを有し、サイドフレーム6の上側部分を構成するように車幅方向に沿って形成された上側部分7bを有し、かつ上側部分7bの車幅方向外側の端部から上方に突出するフランジ7cを有している。また、サイドフレーム6の外側パネル8は、横断面視で略クランク形状に形成されている。このような外側パネル8は、サイドフレーム6の下側部分を構成するように車幅方向に沿って形成された下側部分8aを有し、下側部分8aの車幅方向中央側の端部から下方に突出するフランジ8bを有し、かつサイドフレーム6の車幅方向外側の端部を構成するように上下方向に沿って形成された外側部分8cを有している。このような構造において、内側パネル7の内側部分7aの下端部と外側パネル8のフランジ8bとが互いに重なって、かつ接合されている。図6を参照すると、この下側の接合部は、トランスミッション3の車幅方向外側端とタイヤ4の車幅方向中央側端との間における中心位置(一点鎖線Mで示す)より車幅方向中央寄りに配置されている。再び図2及び図6を参照すると、内側パネル7のフランジ7cと、外側パネル8の外側部分8cの上端部と、ストラットタワーパネル11の下端部とが互いに重なって3枚接合されており、かつ内側パネル7のフランジ7cと、外側パネル8の外側部分8cの上端部と、エプロンパネル12の下端部とが互いに重なって3枚接合されている。
【0022】
ストラットタワーパネル11と、エプロンパネル12と、一対のブラケット13,14との詳細について説明する。
図3〜図5を参照すると、ストラットタワーパネル11は、サイドフレーム6における外側パネル8の外側部分8cの上端部から上方に延びるように形成されており、ストラットタワーパネル11は、ドライブシャフト5の上方に配置されている。ストラットタワーパネル11の上端部には、ストラットタワー取付部10が接合されている。エプロンパネル12は、サイドフレーム6における外側パネル8の外側部分8cの上端部から上方に延びるように形成されている。エプロンパネル12の後端部は、ストラットタワーパネル11の前端部に接合されている。
【0023】
図3及び図5を参照すると、一対のブラケット13,14は、内側パネル7の上側部分7bの上面で互いに車両前後方向に間隔を空けて配置されている。本実施形態では、車両前方側に位置するブラケット13を前側ブラケットと称し、かつ車両後方側に位置するブラケット14を後側ブラケットと称する。
【0024】
前側ブラケット13及び後側ブラケット14は、略ボックス形状に形成されており、かつサイドフレーム6の内側パネル7における内側部分7a及び上側部分7bの間の角部を跨ぐように配置されている。特に、後側ブラケット14は、ストラットタワーパネル11とエプロンパネル12とに跨って配置されている。具体的には、前側ブラケット13及び後側ブラケット14は、その車幅方向中央側部分を構成し、かつ内側パネル7の内側部分7aに沿って配置される内側壁13a,14aを有しており、この内側壁13a,14aを用いてエンジン2を取付けるように構成されている。内側壁13a,14aの下端から内側パネル7の内側部分7aに沿って延びるように内側フランジ13b,14bが形成されている。前側ブラケット13及び後側ブラケット14は、その前側部分を構成し、かつ車両上下方向に沿って配置される前側壁13c,14cを有している。前側壁13c,14cの下端及び車幅方向外側端から内側パネル7の上側部分7b及びエプロンパネル12に沿って車両前方に延びるように前側フランジ13d,14dが形成されている。前側ブラケット13及び後側ブラケット14は、その後側部分を構成し、かつ車両上下方向に沿って配置される後側壁13e,14eを有している。前側ブラケットの後側壁13eの下端及び車幅方向外側端から内側パネル7の上側部分7b及びエプロンパネル12に沿って車両後方に延びるように後側フランジ13fが形成されており、かつ後側ブラケット14の後側壁14eの下端及び車幅方向外側端から内側パネル7の上側部分7b及びストラットタワーパネル11に沿って車両後方に延びるように後側フランジ14fが形成されている。前側ブラケット13及び後側ブラケット14は、その上側部分に位置し、かつ車両前後方向に沿って配置される上側壁13g,14gを有している。上側壁13g,14gの車幅方向外側端からエプロンパネル12に沿って車両上方に延びるように上側フランジ13h,14hが形成されている。
【0025】
このような前側ブラケット13及び後側ブラケット14の内側フランジ13b,14bは、内側パネル7の内側部分7aと重なって接合されている。前側ブラケット13及び後側ブラケット14の前側フランジ13d,14dは、内側パネル7の上側部分7b及びエプロンパネル12と重なって接合されている。前側ブラケット13の後側フランジ13fは、内側パネル7の上側部分7b及びエプロンパネル12と重なって接合されており、かつ後側ブラケット14の後側フランジ14fは、内側パネル7の上側部分7b及びストラットタワーパネル11と重なって接合されている。前側ブラケット13及び後側ブラケット14の上側フランジ13h,14hは、エプロンパネル12と重なって接合されている。
【0026】
本実施形態のサイドフレーム6の周辺構造について、ドライブシャフト5とサイドフレーム6との関係に基づく作用を、図2及び図6を参照して説明する。
路面からタイヤ4に上下方向の力が加えられた際、ドライブシャフト5が、その車幅方向中央側の端部を中心として旋回する(図2及び図6で仮想線により示す)。このとき、ドライブシャフト5の振れ量は、車幅方向中央側から外側に向かって大きくなり、その結果、ドライブシャフト5は、サイドフレーム6の車幅方向中央側の内側部分より車幅方向外側の外側部分と接近することとなる。本実施形態では、サイドフレーム6における内側パネル7及び外側パネル8の下側の接合部が最も下方に突出しているが、この下側の接合部は、サイドフレーム6の車幅方向中央側端で、トランスミッション3の車幅方向外側端とタイヤ4の車幅方向中央側端との間における中間より車幅方向中央寄りに位置している。そのため、サイドフレーム6の最下端部は、ドライブシャフト5の振れ量が小さい領域に位置することとなるので、サイドフレーム6を、ドライブシャフト5と上下方向に接近して配置することができる。
【0027】
以上のように本発明の実施形態によれば、サイドフレーム6の最下端に位置する内側パネル7と外側パネル8との下側の接合部が、サイドフレーム6の車幅方向内側端に配置されて、ドライブシャフト5の車幅方向中央側端寄りに配置されることとなる。このような構成によって、サイドフレーム6の外側パネル8の下側部分8aとドライブシャフト5との上下方向のクリアランスを小さくすることができる。その結果、重量物であるサイドフレーム6が車両1の低い位置に配置されることとなり、車両1の低重心化を図ることができる。車両1の重心を低くすることによって、車両1の走行安定性を高めることができる。また、サイドフレーム6のドライブシャフト5周辺部分を車両側面視で上方に突出するように湾曲させる場合、サイドフレーム6のドライブシャフト5周辺部分を上方に突出させる量を、従来と比較して小さくすることができる。よって、車両1に前後方向の荷重が加えられた場合、従来と比較してサイドフレーム6の湾曲部分で応力が集中せずに分散されて、サイドフレーム6の前後方向の変形を促すことができるので、サイドフレーム6全体によって前後方向の荷重を効率良く吸収できる。
【0028】
本発明の実施形態によれば、内側パネル7及び外側パネル8が横断面視でクランク形状に形成されるので、内側パネル7及び外側パネル8は深い凹形状を有さずプレス成形し易くなっており、サイドフレーム6が作製し易く、その結果、サイドフレーム6の作製コストを低減できる。また、内側パネル7と外側パネル8との接合部が、サイドフレーム6の上端部と下端部とに配置されているので、車両1に前後方向の荷重が加えられた場合、サイドフレーム6が上下方向に折れることが防止されて、サイドフレーム6の前後方向の変形を促すことができる。従って、サイドフレーム6全体によって前後方向の荷重を効率良く吸収できる。
【0029】
本発明の実施形態によれば、内側パネル7における上側部分7b及び内側部分7aの間の角部に、車両1のエンジン2を取付けるためのブラケット13,14が接合されているので、エンジン2がサイドフレーム6と共に低い位置に配置されて、車両1の低重心化を図ることができる。また、エンジン2を取付けるためのブラケット13,14周辺で、サイドフレーム6の内側パネル7及び外側パネル8と、ストラットタワーパネル11又はエプロンパネル12とが3枚接合されているので、サイドフレーム6の取付剛性を確保するとともに、エンジン2の取付剛性を確保することができる。
【0030】
ここまで本発明の実施形態について述べたが、本発明は既述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づいて各種の変形及び変更が可能である。
【符号の説明】
【0031】
1 車両
2 エンジン
3 トランスミッション
4 タイヤ
5 ドライブシャフト
6 サイドフレーム
7 内側パネル
7a 内側部分
7b 上側部分
7c フランジ
8 外側パネル
8a 下側部分
8b フランジ
8c 外側部分
9 サイドメンバ
11 ストラットタワーパネル
12 フェンダーエプロンパネル(エプロンパネル)
13 前側エンジンマウントブラケット(前側ブラケット)
14 後側エンジンマウントブラケット(後側ブラケット)
M 一点鎖線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の車幅方向中央に配置されるトランスミッションと、
車両の車幅方向外側に配置されるタイヤと、
車幅方向に沿って配置され、かつ前記トランスミッション及び前記タイヤを連結するドライブシャフトと、
前記ドライブシャフトの上方で車両前後方向に沿って配置されるサイドフレームと
を備え、
前記サイドフレームが、車幅方向中央側及び外側にそれぞれ位置する内側パネル及び外側パネルを有し、
前記内側パネルと前記外側パネルとが互いに接合されている、サイドフレームの周辺構造において、
前記内側パネルが、前記サイドフレームの車幅方向中央側の端部を構成するように上下方向に沿って形成された内側部分を有し、
前記外側パネルが、前記サイドフレームの下側部分を構成するように車幅方向に沿って形成された下側部分と、該下側部分の車幅方向中央側の端部から下方に突出するフランジとを有し、
前記内側パネルの内側部分の下端部と前記外側パネルのフランジとが接合されていることを特徴とする、サイドフレームの周辺構造。
【請求項2】
前記内側パネルが、前記サイドフレームの上側部分を構成するように車幅方向に沿って形成された上側部分と、該上側部分の車幅方向外側の端部から上方に突出するフランジとを有し、
前記外側パネルが、前記サイドフレームの車幅方向外側の端部を構成するように上下方向に沿って形成された外側部分を有し、
前記内側パネルの上側部分のフランジと前記外側パネルの外側部分の上端部とが接合されていることを特徴とする、請求項1に記載のサイドフレームの周辺構造。
【請求項3】
前記内側パネルの上側部分のフランジと、前記外側パネルの外側部分の上端部と、車体パネルを構成する部材とが互いに重なって3枚接合されており、
前記内側パネルにおける前記上側部分及び前記内側部分の間の角部に、車両の駆動機構を取付けるためのブラケットが接合されていることを特徴とする、請求項2に記載のサイドフレームの周辺構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−112195(P2013−112195A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−260746(P2011−260746)
【出願日】平成23年11月29日(2011.11.29)
【出願人】(000002082)スズキ株式会社 (3,196)
【Fターム(参考)】