説明

サイドベットを受け付けるゲーム方法及びゲーム装置

【課題】サイドBETを受け付けることが可能であり、新たなエンターテインメント性を備えたゲーム方法を提供すること。
【解決手段】本発明のカードゲームのプレイ方法は、(c)サイドBETを行ったプレーヤに配布されたプレーヤ用カードからなるハンドが、所定の条件を満たすか否かを判断する段階と、(d)段階(c)において、プレーヤ用カードからなるハンドが所定の条件を満たすと判断されたプレーヤが1人である場合、当該ハンドとサイドBETとに基づいて定められる通常配当額を、そのプレーヤに対する配当とする段階と、(e)段階(c)において、プレーヤ用カードからなるハンドが所定の条件を満たすと判断されたプレーヤが2人以上である場合には、それらのプレーヤの通常配当額の合計より、プレーヤに対する配当の合計支払額が少なくなるように、プレーヤに対する配当を決定する段階とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サイドベットを受け付けるゲーム方法及びゲーム装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、通常BETとは異なるサイドBETを受け付けることが可能なゲーム装置が存在する。例えば、ブラックジャックにおいて、ディーラの2枚のカードのうち、表向きのカードが「A」のカードである場合には、プレーヤは、通常BETに加えてインシュランスと呼ばれるサイドBETを行うことができる。インシュランスを行う場合、プレーヤは最初の掛け金の半額を追加する。ディーラのハンドが「ナチュラル21」である場合には、サイドBET(インシュランス)の2倍の額が払い戻される。また、例えば、カリビアン・スタッド・ポーカにおいては、サイドBETがプログレッシブジャックポットとして累積的に貯留される。プレーヤは、アンティ(通常BET)に加えてサイドBETを行うと、成立したハンドに応じてプログレッシブジャックポットの一部又は全部を獲得することが可能である。このような、サイドBETを受け付けるゲームとしては、例えば、特許文献1〜3が開示されている。
【0003】
【特許文献1】米国特許6789801号明細書
【特許文献2】米国特許5711525号明細書
【特許文献3】米国特許6874786号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、サイドBETを受け付けることが可能であり、新たなエンターテインメント性を備えたゲーム方法及びゲーム装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、下記構成を有するカードゲームのプレイ方法を提供する。
すなわち、上記カードゲームのプレイ方法は、(a)所定枚数のカードをプレーヤ用カードとして複数のプレーヤに配布するとともに、所定枚数のカードをバンカー用カードとしてバンカーに配布する段階を含む。また、上記カードゲームのプレイ方法は、(b)通常BETとは異なるサイドBETを行う段階を含む。また、上記カードゲームのプレイ方法は、(c)上記サイドBETを行ったプレーヤに配布された上記プレーヤ用カードからなるハンドが、所定の条件を満たすか否かを判断する段階を含む。また、上記カードゲームのプレイ方法は、(d)上記段階(c)において、上記プレーヤ用カードからなるハンドが所定の条件を満たすと判断されたプレーヤが1人である場合、当該ハンドと上記サイドBETとに基づいて定められる通常配当額を、そのプレーヤに対する配当とする段階を含む。また、上記カードゲームのプレイ方法は、(e)上記段階(c)において、上記プレーヤ用カードからなるハンドが所定の条件を満たすと判断されたプレーヤが2人以上である場合には、それらのプレーヤの通常配当額の合計より、プレーヤに対する配当の合計支払額が少なくなるように、プレーヤに対する配当を決定する段階を含む。
【0006】
また、本発明のカードゲームのプレイ方法は、下記構成を有することが望ましい。
上記所定の条件は、プレーヤ用カードからなるハンドが、ハンドの強弱順のなかで予め定められた基準以上であること、である。また、上記段階(e)は、上記段階(c)において、上記プレーヤ用カードからなるハンドが所定の条件を満たすと判断されたプレーヤが2人以上である場合、それらのプレーヤのハンドを上記ハンドの強弱順に基づいて比較することにより、最もハンドの強いプレーヤを決定し、当該ハンドと上記サイドBETとに基づいて定められる通常配当額を、そのプレーヤに対する配当とする段階である。
【0007】
また、本発明のカードゲームのプレイ方法は、下記構成を有することが望ましい。
上記段階(b)の後であって上記段階(c)の前に、(b′)バンカーがフォールドするか否かを決定する段階を含む。また、上記段階(c)は、上記段階(b′)においてバンカーがフォールドすると決定されたことを条件に、上記サイドBETを行ったプレーヤに配布された上記プレーヤ用カードからなるハンドが、所定の条件を満たすか否かを判断する段階である。
【0008】
また、本発明のカードゲームのプレイ方法は、下記構成を有することが望ましい。
上記段階(a)の前に、(a′)参加料BETを行う段階を含む。また、上記段階(b′)の後であって上記段階(c)の前に、(b′′)上記段階(b′)においてバンカーがフォールドすると決定された場合、上記サイドBETを行っていないプレーヤに対して、入力された参加料BETに基づいて配当を行う段階を含む。
【0009】
また、本発明は、下記構成を有するゲーム装置を提供する。
すなわち、上記ゲーム装置は、複数のカードを表示することが可能なディスプレイを備える。また、上記ゲーム装置は、複数のプレーヤによって操作されることが可能な複数の入力装置を備える。また、上記ゲーム装置は、以下(a)〜(e)の処理を実行するようにプログラムされたコントローラを備える。(a)所定枚数のプレーヤ用カードと、所定枚数のバンカー用カードとを上記ディスプレイに表示する処理、(b)各上記入力装置からの、通常BETとは異なるサイドBETの入力を受け付ける処理、(c)上記サイドBETを入力したプレーヤの上記プレーヤ用カードからなるハンドが、所定の条件を満たすか否かを判断する処理、(d)上記処理(c)において、上記プレーヤ用カードからなるハンドが所定の条件を満たすと判断されたプレーヤが1人である場合、当該ハンドと上記サイドBETとに基づいて定められる通常配当額を、そのプレーヤに対する配当とする処理、及び、(e)上記処理(c)において、上記プレーヤ用カードからなるハンドが所定の条件を満たすと判断されたプレーヤが2人以上である場合には、それらのプレーヤの通常配当額の合計より、プレーヤに対する配当の合計支払額が少なくなるように、プレーヤに対する配当を決定する処理。
【0010】
また、本発明のゲーム装置は、下記構成を有することが望ましい。
上記所定の条件は、プレーヤ用カードからなるハンドが、ハンドの強弱順のなかで予め定められた基準以上であること、である。また、上記処理(e)は、上記処理(c)において、上記プレーヤ用カードからなるハンドが所定の条件を満たすと判断されたプレーヤが2人以上である場合、それらのプレーヤのハンドを上記ハンドの強弱順に基づいて比較することにより、最もハンドの強いプレーヤを決定し、当該ハンドと上記サイドBETとに基づいて定められる通常配当額を、そのプレーヤに対する配当とする処理である。
【0011】
また、本発明のゲーム装置は、下記構成を有することが望ましい。
上記コントローラは、更に、上記処理(b)の後であって上記処理(c)の前に、(b′)バンカーがフォールドするか否かを決定する処理を実行するようにプログラムされている。また、上記処理(c)は、上記処理(b′)においてバンカーがフォールドすると決定されたことを条件に、上記サイドBETを入力したプレーヤの上記プレーヤ用カードからなるハンドが、所定の条件を満たすか否かを判断する処理である。
【0012】
また、本発明のゲーム装置は、下記構成を有することが望ましい。
上記コントローラは、更に以下の処理を実行するようにプログラムされている。上記処理(a)の前に、(a′)上記入力装置からの参加料BETの入力を受け付ける処理、及び、上記処理(b′)の後であって上記処理(c)の前に、(b′′)上記処理(b′)においてバンカーがフォールドすると決定された場合、上記サイドBETの入力を行っていないプレーヤに対して、入力された参加料BETに基づいて配当を行う処理。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、サイドBETを受け付けることが可能であり、新たなエンターテインメント性を備えたゲーム方法及びゲーム装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本実施形態では、カードゲームとして、カリビアン・スタッド・ポーカが行われる場合について説明する。まず、本実施形態で行われるカリビアン・スタッド・ポーカのルールについて説明する。
【0015】
カリビアン・スタッド・ポーカでは、1組(52枚)のトランプカードを使用し、バンカーと1又は複数のプレーヤとが対戦する。ゲームの勝敗は、バンカーに配布された5枚のカードから構成されるハンドと、プレーヤに配布された5枚のカードから構成されるハンドとの強弱を比較することによって決せられる。カリビアン・スタッド・ポーカのハンドには、ポーカのハンドが採用される。すなわち、カリビアン・スタッド・ポーカのハンドとしては、強い順に、ロイヤルフラッシュ、ストレートフラッシュ、フォーカード、フルハウス、フラッシュ、ストレート、スリーカード、ツーペア、ワンペア、及び、ノーペアがある。ノーペアにおけるハンドの強さは、ハイカードの強さによって決定される。ハイカードとは、5枚のカードのうち、カードの強さの順位が最も上位のカードである。カードの強さの順位としては、エースが最高であり、以下、K、Q、J、10・・・2という順に弱くなっていく。2組のハンドにおいて、ハイカードの強さが同一である場合には、カードの強さの順位が2番目に高いカードの強さによって、強弱が決定される。以下、同様の手順によって、ハンドの強さの順位が予め定められている。このようなハンドの強さの順位は、本発明におけるハンドの強弱順に相当する。
【0016】
具体的には、ゲームは以下のように進行する。まず、アンティBET及びサイドBET(本実施形態では、1ドル)が受け付けられる。そして、アンティBETを行ったプレーヤ及びバンカーに、カードが5枚ずつ配布される。アンティBETは、本発明における参加料BETに相当する。各プレーヤは、各自に配布されたカードを見て、サレンダーとコールベットのうちいずれの行動をとるかを選択する。サレンダーは、バンカーと勝負することなくゲームから降りる旨の選択である。サレンダーを選択した場合、プレーヤはアンティBET相当額及びサイドBET相当額を失う。一方、コールベットは、バンカーと勝負する旨の選択である。コールベットを選択したプレーヤは、アンティBETの額の2倍の額を新たにコールBETとしてBETする。プレーヤがサレンダーとコールベットのうちいずれか1を選択することを、以下では、BET選択と呼ぶこととする。ゲーム中の全プレーヤのBET選択が終了すると、以下の手順で、バンカーとプレーヤの勝負が行われるか否かが決定される。
【0017】
まず、バンカーのハンドの強さがA・K・×・×・×未満である場合、バンカーはプレーヤとの勝負を開始することができず、ゲームを降りる。ここで、A・K・×・×・×は、5枚のカードの組合せを示し、×というのは、どのようなカードであってもよいという意味である。ただし、バンカーがゲームを降りるか否かの基準としてのA・K・×・×・×は、ワンペア以上の役が成立するような組合せであってはならない。すなわち、ハンドの強さがA・K・×・×・×未満である場合とは、ハンドの強さがA・Q・J・10・9以下である場合をいう。そして、このようにしてバンカーがゲームを降りることは、本発明におけるフォールドに相当する。以下では、本実施形態においても、ここで述べた手順でバンカーがゲームを降りることをフォールドと呼ぶこととする。バンカーがフォールドした場合、サイドBETが行われていないことを条件に、プレーヤは、アンティBET相当額を新たに獲得する。もっとも、コールBETは無効であり、BETした額がそのまま払い戻される。
【0018】
これに対して、バンカーのハンドの強さがA・K・×・×・×以上である場合、バンカーとプレーヤとの勝負が行われる。勝敗の結果は、上記ポーカにおけるハンドの強さの順位に基づいて、バンカーのハンドとプレーヤのハンドとを比較することによって決定される。
勝敗の結果がプレーヤの勝ちである場合、アンティBETの額及びコールBETの額とゲームの結果とに基づいて配当が行われる。ここで、アンティBETに対する配当は、アンティBETの額と同額である。一方、コールBETに対する配当は、役の強さに応じて予め倍率が定められている。所定の倍率は以下の通りである。すなわち、ワンペアは1倍、ツーペアは2倍、スリーカードは3倍、ストレートは4倍、フラッシュは5倍、フルハウスは7倍、フォーカードは20倍、ストレートフラッシュは50倍、ロイヤルフラッシュは100倍である。
勝敗の結果がプレーヤの負けである場合、プレーヤは、アンティBET相当額及びコールBET相当額を失う。
【0019】
以上がカリビアン・スタッド・ポーカの一般的なルールの説明である。本実施形態ではさらに、バンカーがフォールドした場合、サイドBETを行ったプレーヤに対して、以下のような手続きが採用される。
まず、サイドBETを行った各プレーヤのハンドがフルハウス以上であるか否かが判断される。フルハウスは、本発明におけるハンドの強弱順のなかで予め定められた基準に相当する。また、プレーヤのハンドがフルハウス以上であることは、本発明における所定の条件に相当する。
ハンドがフルハウス以上のプレーヤが1人である場合、該プレーヤに対して、該プレーヤのハンドの強さに基づいて、配当が付与される。本実施形態では、サイドBETに係る配当の資金源は、サイドBETとしてBETされたコインである。サイドBETとしてBETされたコインは、累積ポット額として蓄えられている。配当の額は、ハンドの強さに基づいて予め定められた方法によって決定される。具体的には、プレーヤのハンドがロイヤルフラッシュである場合、累積ポット額全額が支払われる。プレーヤのハンドがストレートフラッシュである場合、累積ポット額の10%が支払われる。プレーヤのハンドがフォーカードである場合、500ドルが支払われる。プレーヤのハンドがフルハウスである場合、100ドルが支払われる。このようにハンドの強さに基づいて定められた配当の額は、本発明における通常配当額に相当する。本実施形態でも、このように定められた配当の額を通常配当額と呼ぶこととする。
一方、ハンドがフルハウス以上のプレーヤが2人以上である場合、それらのプレーヤの間でハンドの強弱を比較し、最も強いハンドを所持するプレーヤを決定する。そして、そのプレーヤに対して、該プレーヤのハンドの強さに基づいて、配当が付与される。配当の額は、ハンドがフルハウス以上のプレーヤが1人である場合と同様の上記通常配当額である。
ハンドがフルハウス以上のプレーヤが1人もいない場合には、サイドBETに係る配当は行われない。
【0020】
以上、本実施形態で行われるカリビアン・スタッド・ポーカのルールについて説明した。以下では、本実施形態について、図面に基づいて説明する。なお、各実施形態では、ディーラがバンカーを兼ねる場合について説明する。
【0021】
まず、本発明について図1を用いて説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るゲーム装置において実行されるゲーム実行処理ルーチンを示すフローチャートである。
本実施形態に係るゲーム装置は、主制御部と複数のステーションとを備えており、各ステーションは、マイクロコンピュータを備えている。上記主制御部と上記マイクロコンピュータとは、本発明のゲーム装置が備えるコントローラを構成するものである。図1に示す処理は、上記主制御部と上記マイクロコンピュータとが行う処理である。
【0022】
まず、ゲーム装置の備える各ステーションにおいて、アンティBET及びサイドBETの入力が受け付けられる(ステップS101及びステップS102)。そして、アンティBETを入力したプレーヤ及びバンカーに対して、カードが5枚ずつ配布される(ステップS103)。ここで、配布とは、ゲーム装置の備えるディスプレイにカードの画像を表示することをいう。カードが配布されると、プレーヤは前述したBET選択を行う(ステップS104)。ゲーム中の全プレーヤがBET選択を終了すると、ゲーム装置の備える主制御部は、バンカー用カードのハンドの強さがA・K・×・×・×以上であるか否かを判断する(ステップS105)。バンカー用カードのハンドの強さがA・K・×・×・×以上である場合、主制御部は、バンカー用カードとプレーヤ用カードとを比較することにより、ゲームの結果を決定する(ステップS106)。そして、ゲームの結果がプレーヤの勝ちである場合、主制御部は、プレーヤに対して、アンティBET及びコールBETとゲームの結果とに基づいて配当を行う(ステップS107及びステップS108)。バンカー用カードのハンドの強さがA・K・×・×・×未満である場合(ステップS105:NO)、サイドBETの入力が行われなかった(ステップS109:NO)ステーションでゲームを行っているプレーヤに対して、主制御部は、アンティBETのみに基づいて配当を行う(ステップS110)。
一方、バンカー用カードのハンドの強さがA・K・×・×・×未満である場合(ステップS105:NO)、主制御部は、サイドBETの入力が行われた(ステップS109:YES)ステーションでゲームを行っている各プレーヤのハンドがフルハウス以上であるか否かを判断する(ステップS111)。そして、主制御部は、ハンドがフルハウス以上のプレーヤが2人以上であるか否かを判断する(ステップS112)。
ハンドがフルハウス以上のプレーヤが2人未満である場合(ステップS112:NO)、主制御部は、ハンドがフルハウス以上のプレーヤが1人である場合には(ステップS113:YES)、該プレーヤに対して、該プレーヤのハンドの強さに基づいて、通常配当額を支払う(ステップS114)。一方、ハンドがフルハウス以上のプレーヤが1人もいない場合には(ステップS113:NO)、主制御部は、配当を行わずに、本サブルーチンを終了する。
これに対し、ハンドがフルハウス以上のプレーヤが2人以上である場合(ステップS112:YES)、主制御部は、ハンドがフルハウス以上のプレーヤの間でハンドの強弱を比較し(ステップS115)、最も強いハンドを所持するプレーヤを勝者として決定する(ステップS116)。そして、勝者と決定されたプレーヤに対して、該プレーヤのハンドの強さに基づいて、通常配当額を支払う(ステップS117)。
図1については、後に再度、詳細に説明することとする。
【0023】
次に、本実施形態に係るゲーム装置1について説明する。
図2は、本実施形態に係るゲーム装置の外観構成を模式的に示す斜視図である。
図2に示すように、ゲーム装置1は、メインモニタ2と5台のステーション3(ステーション3a〜3e)とから基本的に構成されている。なお、本実施形態では、ゲーム装置1が複数(5台)のステーション3を備える場合について説明するが、本発明において、ゲーム装置が備えるステーションの台数は、特に限定されない。
メインモニタ2の中央部には、正面ディスプレイ21が設けられていて、ディーラやカードを示す画像が表示されている。正面ディスプレイ21は、本発明におけるディスプレイに相当するものである。また、メインモニタ2の上側には、ゲーム装置1で実行されるゲームの進行に合わせて音楽や効果音を出力するスピーカ22と、各種演出時に点灯されるLED23とが備えられている。
【0024】
図3は、図2に示したゲーム装置が備えるステーションの外観構成を模式的に示す斜視図である。
図3に示すように、ステーション3の上面中央には、後述する、操作に関する画像(図5参照)等を表示する液晶ディスプレイ10が設けられている。液晶ディスプレイ10は、本発明におけるディスプレイに相当するものである。また、液晶ディスプレイ10の上面には、BET等の操作を入力するためのタッチパネル11が設けられている。タッチパネル11は、本発明における入力装置に相当するものである。
【0025】
液晶ディスプレイ10の手前には、払い出し操作を行うための操作ボタン12と、コインやメダルを投入するコイン投入口13とが設けられている。
ステーション3の前面上部右端には、紙幣を投入する紙幣投入口14が設けられ、紙幣投入口14の下方には、払い出し操作が行われた際に、貯留されているクレジットに対応するコインやメダルをプレーヤに対して払い出すコイン払出口15が設けられている。
【0026】
図4は、ゲーム装置が備える正面ディスプレイに表示される画像の一例を示す図である。
図4に示すように、正面ディスプレイ21には、ディーラ(バンカー)を示すディーラ画像30、テーブルを示すテーブル画像31、及び、バンカー用カードを示すカード画像32が表示される。ディーラにカードが配布される際には、カード画像32は、全て裏向きに表示される。ゲーム中の全プレーヤのBET選択が終了すると、カード画像32は、全て表向きに表示される。また、正面ディスプレイ21の上部右端には、サイドBETされているコインの総額を表示する累積ポット額表示部33が設けられている。
【0027】
図5は、ステーションが備える液晶ディスプレイに表示される画像の一例を示す図である。
図5に示すように、液晶ディスプレイ10の右上側には、BET選択ボタン81が設けられている。BET選択ボタン81は、サレンダーボタン81A及びコールベットボタン81Bという2種類のボタンから構成される。サレンダーボタン81Aは、BET選択として、サレンダーを選択する旨の指示を入力するためのボタンである。コールベットボタン81Bは、BET選択として、コールベットを選択する旨の指示を入力するためのボタンである。プレーヤは、タッチパネル11を介して、各ボタンを操作することにより、BET選択を行うことができる。BET選択ボタン81の左側には、プレーヤ用カードを示すカード画像82が表向きに表示されている。
【0028】
カード画像82の下側には、BETボタン表示部86が設けられている。BETボタン表示部86には、BET数を入力するためのBETボタン87が表示されている。プレーヤは、タッチパネル11を介してBETボタン87を操作することにより、通常BET数及びサイドBET数を入力することができる。
【0029】
BETボタン表示部86の右側には、通常BETを行ったコインの数を表示する通常BET数表示部88が設けられている。図5では、28枚のコインがBETされたことを示している。なお、28枚のコインのBETを入力する場合、プレーヤは、BET選択ボタン87の「10」を2回、BET選択ボタン87の「5」を1回、BET選択ボタン87の「1」を3回操作すればよい。
通常BET数表示部88の右側には、サイドBETを行ったコインの数を表示するサイドBET数表示部89が設けられている。図5では、1枚のコイン(1ドルに相当)がBETされたことを示している。
サイドBET数表示部89の右側には、クレジット数表示部90が設けられている。図5では、500枚のコインがクレジットされていることを示している。
【0030】
図6は、図2に示したゲーム装置の内部構成を示すブロック図である。
図6に示すように、ゲーム装置1が備える主制御部40は、基本的にCPU41、RAM42、ROM43、タイマ95及びこれら相互間のデータ転送を行うためのバス44から構成されるマイクロコンピュータ45を核として構成されている。主制御部40は、本発明におけるコントローラに相当する。
【0031】
ROM43にはゲーム装置1の制御上必要な処理を行うための各種プログラムや、データテーブル等が格納されている。RAM42は、CPU41で演算された各種データを一時的に記憶しておくメモリである。また、タイマ95は、時間計測を行う。
【0032】
また、CPU41は、I/Oインターフェイス46を介して画像処理回路47、音声回路48、LED駆動回路49、及び、通信インターフェイス50に接続されている。
画像処理回路47にはメインモニタ2を構成する正面ディスプレイ21が接続され、音声回路48にはメインモニタ2を構成するスピーカ22が接続され、LED駆動回路49にはメインモニタ2を構成するLED23が接続されている。通信インターフェイス50には5台のステーション3が接続されている。
CPU41は、ROM43に記憶されているゲームプログラム(カリビアン・スタッド・ポーカのゲームプログラムを含む)と、ステーション3から受信する各種信号とに基づいてゲーム装置1において行われるゲーム(カリビアン・スタッド・ポーカ)を進行させる。また、CPU41は、上記ゲームプログラムに基づいて正面ディスプレイ21に画像を表示し、スピーカ22から音を出力し、LED23を点灯させる。また、CPU41は、上記ゲームプログラムに基づいて各種の信号を各ステーション3に送信する。
【0033】
図7は、図2に示したゲーム装置が備えるステーションの内部構成を示すブロック図である。
図7に示すように、ステーション3は、基本的にCPU51、RAM52、ROM53、及び、これら相互間のデータ転送を行うためのバス54で構成されるマイクロコンピュータ55を核として構成されている。
【0034】
ROM53にはステーション3の制御上必要な処理を行うための各種プログラム、データテーブル等が格納されている。また、RAM52は、現在ステーション3に貯留されているクレジット数や、CPU51で演算された各種データを一時的に記憶する。
【0035】
また、CPU51は、I/Oインターフェイス56を介して液晶パネル駆動回路57、タッチパネル駆動回路58、ホッパー駆動回路59、払出完了信号回路60、投入コイン検出信号回路67、紙幣検出信号回路64、操作信号回路66、及び、通信インターフェイス61に接続されている。
液晶パネル駆動回路57には液晶ディスプレイ10、タッチパネル駆動回路58にはタッチパネル11、ホッパー駆動回路59にはホッパー62、払出完了信号回路60にはコイン検出部63、投入コイン検出信号回路67には投入コイン検出部68、紙幣検出信号回路64には紙幣検出部65、操作信号回路66には操作ボタン12がそれぞれ接続されている。
【0036】
ホッパー62は、ステーション3の内部に設けられていて、CPU51から出力される制御信号に基づいて、コインをコイン払出口15から払い出す。
コイン検出部63は、コイン払出口15の内部に設けられていて、コイン払出口15から所定枚数のコインが払い出されたことを検出した場合に、CPU51に対して信号を送信する。
投入コイン検出部68は、コイン投入口13からコインが投入されたことを検出したとき、そのコインの額を検出し、検出した額を示す検出信号をCPU51に送信する。検出したコインは、所定額を1クレジットとしてRAM52に記憶される。
紙幣検出部65は、紙幣を受け入れたとき、その紙幣の額を検出し、検出した額を示す検出信号をCPU51に送信する。検出した紙幣は、所定額を1クレジットとしてRAM52に記憶される。
操作ボタン12は、コインの払い出しが決定された場合に、払い出し操作を行うためのボタンである。
【0037】
次に、ゲーム装置1において行われる処理について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るゲーム装置において実行されるゲーム実行処理ルーチンを示すフローチャートである。
【0038】
まず、図1のステップS101において、ゲーム装置1は、アンティBETの受付に係る処理を行う。具体的には、まず、ステーション3のCPU51が、アンティBETの入力を受け付ける。これにより、プレーヤは、ステーション3が備えるタッチパネル11を介してアンティBETを入力することが可能となる。そして、CPU51は、入力されたアンティBET情報を主制御部40に対して送信する。アンティBET情報は、アンティBETに関する情報であり、アンティBETが行われたか否かを示す情報や、アンティBETの額を示す情報を含む。アンティBETは、本発明における通常BETに含まれる。
【0039】
次に、ステップS102において、ゲーム装置1は、サイドBETの受付に係る処理を行う。具体的には、まず、ステーション3のCPU51が、サイドBETの入力を受け付ける。これにより、プレーヤは、ステーション3が備えるタッチパネル11を介してサイドBETを入力することが可能となる。そして、CPU51は、入力されたサイドBET情報を主制御部40に対して送信する。サイドBET情報は、サイドBETに関する情報であり、サイドBETが行われたか否かを示す情報や、サイドBETの額を示す情報を含む。サイドBET情報を受信すると、主制御部40のCPU41は、受信したサイドBET情報に基づき、サイドBETの入力が行われたと判断した場合には、サイドBETフラグをセットする。サイドBETフラグは、サイドBETの入力が行われた場合にセットされるフラグである。
ステップS102において主制御部40とステーション3のマイクロコンピュータ55とによって実行される処理は、本発明における(b)通常BETとは異なるサイドBETを行う段階を構成する。
【0040】
次に、ステップS103において、ゲーム装置1は、プレーヤ及びバンカーに対するカードの配布に係る処理を行う。具体的には、主制御部40のCPU41がプレーヤ及びバンカーに配布する各5枚のカードを乱数を用いて1組のトランプカードのなかから決定する。プレーヤに配布すると決定された5枚のカードは、本発明におけるプレーヤ用カードに相当し、バンカーに配布すると決定された5枚のカードは、本発明おけるバンカー用カードに相当する。そして、ゲーム装置1が備える正面ディスプレイ21には、5枚のバンカー用カードを示すカード画像が裏向きに表示される。続いて、CPU41は、配布カード情報をステーション3に対して送信する。配布カード情報には、プレーヤ及びバンカーに配布すると決定したカードの種類(数字及びマーク(ハート、クローバ、スペード、ダイヤ))を示す情報が含まれる。そして、ステーション3のCPU51は、受信した配布カード情報に基づいて、5枚のプレーヤ用カードを示すカード画像を液晶ディスプレイ10に表示する。
ステップS103において主制御部40とステーション3のマイクロコンピュータ55とによって実行される処理は、本発明における(a)所定枚数のカードをプレーヤ用カードとしてプレーヤに配布するとともに、所定枚数のカードをバンカー用カードとしてバンカーに配布する段階を構成する。
【0041】
次に、ステップS104において、ゲーム装置1は、プレーヤのBET選択に係る処理を
行う。具体的には、ステーション3のCPU51が、BET選択の受付を行う。この受付に応じて、プレーヤは、タッチパネル11を介してBET選択を行う。そして、CPU51は、選択情報を主制御部40に対して送信する。選択情報は、プレーヤが行ったBET選択に関する情報である。プレーヤがBET選択として、コールベットを選択した場合には、CPU51は、コールBETに係る処理を行う。すなわち、CPU51は、アンティBETの額の2倍の額をRAM52に貯留されているクレジット数から減算する処理を行い、当該額をコールBETの額として決定する処理を行う。コールBETは、本発明における通常BETに含まれる。
【0042】
次に、ステップS105において、ゲーム装置1は、バンカーがフォールドするか否かを判断する。具体的には、主制御部40のCPU41が、バンカー用カードのハンドがA・K・×・×・×以上であるか否かを判断する。バンカー用カードのハンドがA・K・×・×・×以上であると判断した場合、ゲーム装置1は、処理をステップS106に移す。一方、バンカー用カードのハンドがA・K・×・×・×未満であると判断した場合、ゲーム装置1は、処理をステップS109に移す。
ステップS105において主制御部40によって行われる処理は、本発明における(b′)バンカーがフォールドするか否かを決定する段階を構成する。
【0043】
バンカー用カードのハンドがA・K・×・×・×以上であると判断した場合(ステップS105:YES)、ゲーム装置1は、ゲームの結果を決定する処理を行う(ステップS106)。具体的には、主制御部40のCPU41が、ポーカにおけるハンドの強さの順位に基づいて、バンカー用カードのハンドとプレーヤ用カードのハンドとを比較することによって、勝敗を決定する。
【0044】
次に、ステップS107において、ゲーム装置1は、ステップS106で決定したゲームの結果がプレーヤの勝ちであるか否かを判断する。ゲームの結果がプレーヤの負けであると判断した場合、ゲーム装置1は、本サブルーチンを終了する。一方、ゲームの結果がプレーヤの勝ちである(引き分けを含む)と判断した場合、ゲーム装置1は、処理をステップS108に移す。
【0045】
ステップS108において、ゲーム装置1は、配当に係る処理を行う。
具体的には、主制御部40のCPU41が、アンティBET払出情報及びコールBET払出情報をステーション3に対して送信する。アンティBET払出情報は、アンティBETに対して払い出すクレジット(通貨価値)の量を示す情報である。コールBET払出情報は、コールBETに対して払い出すクレジット(通貨価値)の量を示す情報である。具体的には、CPU41は、アンティBET払出情報として、アンティBETの額の2倍の額のクレジットを示す情報を送信する。また、CPU41は、コールBET払出情報として、コールBETの額に役の強さに応じて予め定められた倍率を乗じた額のクレジットを示す情報を送信する。なお、ステップS106で決定したゲームの結果が引き分けである場合、CPU41は、アンティBET払出情報として、アンティBETの額と同額のクレジットを示す情報を送信し、コールBET払出情報として、コールBETの額と同額のクレジットを示す情報を送信する。
CPU41が送信するアンティBET払出情報及びコールBET払出情報を受信すると、ステーション3のCPU51は、アンティBET払出情報及びコールBET払出情報に基づいたクレジットデータを、RAM52に記憶する。そして、CPU51は、アンティBET払出情報及びコールBET払出情報に基づいて、クレジットの払い出しを行う。
ステップS108の処理を実行した後、ゲーム装置1は、本サブルーチンを終了する。
【0046】
ステップS105でバンカー用カードのハンドがA・K・×・×・×未満であると判断した場合(ステップS105:NO)、ゲーム装置1は、各ステーション3において、ステップS102におけるサイドBETの入力受付中にサイドBETの入力が行われたか否かを判断する(ステップS109)。具体的には、主制御部40のCPU41が、各ステーション3において、サイドBETフラグがセットされているか否かを判断する。サイドBETの入力が行われなかったと判断したステーション3について、ゲーム装置1は、処理をステップS110に移す。一方、サイドBETの入力が行われたと判断したステーション3について、ゲーム装置1は、処理をステップS111に移す。
【0047】
ステップS109でサイドBETの入力が行われなかったと判断したステーション3に対して(ステップS109:NO)、ゲーム装置1は、配当に係る処理を行う(ステップS110)。具体的には、主制御部40のCPU41が、アンティBET払出情報として、アンティBETの額の2倍の額のクレジットを示す情報を送信する。
CPU41が送信するアンティBET払出情報を受信すると、ステーション3のCPU51は、アンティBET払出情報に基づいたクレジットデータを、RAM52に記憶する。そして、CPU51は、アンティBET払出情報に基づいて、クレジットの払い出しを行う。
なお、前述したように、ステップS110では、ステップS108とは異なり、コールBETに対する配当に係る処理は行われない。すなわち、CPU41は、ステーション3に対してコールBET払出情報を送信せず、CPU51もコールBET払出情報に基づいたクレジットの払い出しを行わない。
ステップS110において主制御部40とステーション3のマイクロコンピュータ55とによって実行される処理は、本発明における(b′′)上記段階(b′)においてバンカーがフォールドすると決定された場合、上記サイドBETを行っていないプレーヤに対して、入力された参加料BETに基づいて配当を行う段階を構成する。
このように本実施形態では、バンカーがフォールドした場合、サイドBETの入力が行われなかったステーション3に対してのみ、アンティBETに基づく配当が行われることとしている。しかし、本発明においては、バンカーがフォールドした場合、サイドBETの入力が行われたステーション3に対しても、アンティBETに基づく配当が行われることとしてもよい。
ステップS110の処理を実行した後、ゲーム装置1は、本サブルーチンを終了する。
【0048】
ステップS109でサイドBETの入力が行われたと判断したステーション3について(ステップS109:YES)、ゲーム装置1は、各ステーション3でゲームを行っているプレーヤのプレーヤ用カードからなるハンドが、所定のハンド(フルハウス)以上であるか否かを判断する(ステップS111)。具体的には、主制御部40のCPU41が、ステップS103で送信した配布カード情報及び上述したポーカにおけるハンドの強さの順位に基づいて、各ステーション3の備える液晶ディスプレイ10に表示されている5枚のカードからなるハンドがフルハウス以上であるか否かを判断する。
【0049】
ステップS111において主制御部40によって実行される処理は、本発明における(c)上記サイドBETを行ったプレーヤに配布された上記プレーヤ用カードからなるハンドが、所定の条件を満たすか否かを判断する段階を構成する。
本実施形態では、本発明における所定の条件として、プレーヤ用カードからなるハンドがフルハウス以上であることと、という条件を採用した。そして、フルハウスは、本発明におけるハンドの強弱順のなかで予め定められた基準に相当する。
しかし、本発明における所定の条件に係るハンドの強弱順のなかで予め定められた基準は、フルハウスに限定されない。例えば、本発明における所定の条件に係るハンドの強弱順のなかで予め定められた基準は、フラッシュ等であってもよく、適宜設計することが可能である。また、本発明における所定の条件は、所定の基準「以上」でなくてもよい。本発明における所定の条件は、ポーカにおけるハンドの強さの順位のなかで予め定められた複数のハンドのうちのいずれか1であることと、としてもよい。例えば、本発明における所定の条件は、プレーヤ用カードからなるハンドが、ロイヤルフラッシュ、フォーカード、フラッシュのいずれか1であること、とすることが可能である。
また、本実施形態では、バンカーがフォールドした場合にのみ、ステップS111の処理が実行されることとしている。しかし、本発明における(c)の段階は、バンカーがフォールドしなかった場合においても行われることとしてもよい。
【0050】
次に、ステップS112において、ゲーム装置1は、ステップS111でハンドがフルハウス以上であると判断されたプレーヤが2人以上であるか否かを判断する。ハンドがフルハウス以上であると判断されたプレーヤが2人以上であると判断した場合、ゲーム装置1は、処理をステップS115に移す。一方、ハンドがフルハウス以上であると判断されたプレーヤが2人未満であると判断した場合、ゲーム装置1は、処理をステップS113に移す。
【0051】
ステップS113において、ゲーム装置1は、ステップS111でハンドがフルハウス以上であると判断されたプレーヤが1人であるか否かを判断する。ハンドがフルハウス以上であると判断されたプレーヤが1人ではないと判断した場合、ゲーム装置1は、本サブルーチンを終了する。一方、ハンドがフルハウス以上であると判断されたプレーヤが1人であると判断した場合、ゲーム装置1は、処理をステップS114に移す。
【0052】
ステップS114において、ゲーム装置1は、配当に係る処理を行う。
具体的には、主制御部40のCPU41が、ハンドがフルハウス以上であると判断されたプレーヤのハンドの強さに基づき、サイドBET払出情報をステーション3に対して送信する。具体的には、CPU41は、サイドBET払出情報として、当該プレーヤのハンドの強さに基づいて定められた通常配当額のクレジットを示す情報を送信する。
CPU41が送信するサイドBET払出情報を受信すると、ステーション3のCPU51は、サイドBET払出情報に基づいたクレジットデータを、RAM52に記憶する。そして、CPU51は、サイドBET払出情報に基づいて、クレジットの払い出しを行う。
ステップS114の処理を実行した後、ゲーム装置1は、本サブルーチンを終了する。
【0053】
ステップS114において主制御部40とステーション3のマイクロコンピュータ55とによって実行される処理は、本発明における(d)上記段階(c)において、上記プレーヤ用カードからなるハンドが所定の条件を満たすと判断されたプレーヤが1人である場合、当該ハンドと上記サイドBETとに基づいて定められる通常配当額を、そのプレーヤに対する配当とする段階を構成する。
本発明における通常配当額は、ハンドが所定の条件を満たすと判断されたプレーヤのハンドと、サイドBETとに基づいて決定されるものである。ここで、本実施形態における通常配当額が、プレーヤのハンドとサイドBETに基づくというのは、以下のような意味である。
【0054】
まず、本実施形態における通常配当額が、ハンドの強さに基づいて決定されるという点については前述した通りである。すなわち、プレーヤのハンドがロイヤルフラッシュである場合、累積ポット額全額が支払われる。プレーヤのハンドがストレートフラッシュである場合、累積ポット額の10%が支払われる。プレーヤのハンドがフォーカードである場合、500ドルが支払われる。プレーヤのハンドがフルハウスである場合、100ドルが支払われるこのように本実施形態では、プレーヤのハンドがロイヤルフラッシュ又はストレートフラッシュである場合には、累積ポット額に所定の割合を乗じた額が、通常配当額とされる。また、プレーヤのハンドがフォーカード又はフルハウスである場合には、所定の額が通常配当額とされる。すなわち、本実施形態では、プレーヤのハンドの種類によって、通常配当額が、累積ポット額に所定の割合を乗じた額である場合と、所定の額である場合が混在している。しかし、本発明における通常配当額は、配当の対象となるすべてのハンドについて、累積ポット額に所定の割合を乗じた額としてもよい。また、本発明における通常配当額は、配当の対象となるすべてのハンドについて、所定の額としてもよい。
【0055】
これに対し、本実施形態における通常配当額が、サイドBETに基づいて決定されるというのは、以下のような意味である。すなわち、本実施形態において、通常配当額が支払われ得るのは、サイドBETが行われた場合である。一方、サイドBETが行われなかった場合には、通常配当額が支払われる可能性はない(すなわち、通常配当額は0)。このような意味で、本実施形態における通常配当額は、サイドBETに基づいて決定されるということができる。
なお、本実施形態においては、サイドBETとして、所定の額(1ドル)しかBETできないこととした。しかし、本発明においては、サイドBETとして、任意の額をBETすることが可能なように構成されていてもよい。この場合、通常配当額は、サイドBET額の多寡に基づいて決定されることとしてもよい。
【0056】
ステップS112においてハンドがフルハウス以上であると判断されたプレーヤが2人以上であると判断した場合(ステップS112:YES)、ゲーム装置1は、ハンドがフルハウス以上であると判断された複数のプレーヤの間で、ハンドの強弱を比較する(ステップS115)。具体的には、主制御部40のCPU41が、各プレーヤがゲームを行っているステーション3が備える液晶ディスプレイ10に表示されている5枚のカードからなるハンドの強弱を、上記ハンドの強さの順位に基づいて比較する。
【0057】
次に、ステップS116において、ゲーム装置1は、勝者を決定する。具体的には、主制御部40のCPU41が、ステップS115で比較した結果に基づいて、最も強いハンドが表示されている液晶ディスプレイ10を備えるステーション3でゲームを行っているプレーヤを勝者に決定する。
【0058】
次に、ステップS117において、ゲーム装置1は、配当に係る処理を行う。
具体的には、主制御部40のCPU41が、ステップS116で決定された勝者のハンドの強さに基づき、サイドBET払出情報をステーション3に対して送信する。具体的には、CPU41は、サイドBET払出情報として、勝者のハンドの強さに基づいて定められた通常配当額のクレジットを示す情報を送信する。
CPU41が送信するサイドBET払出情報を受信すると、ステーション3のCPU51は、サイドBET払出情報に基づいたクレジットデータを、RAM52に記憶する。そして、CPU51は、サイドBET払出情報に基づいて、クレジットの払い出しを行う。
ステップS117の処理を実行した後、ゲーム装置1は、本サブルーチンを終了する。
【0059】
ステップS117において主制御部40とステーション3のマイクロコンピュータ55とによって実行される処理は、本発明における(e)前記段階(c)において、前記プレーヤ用カードからなるハンドが所定の条件を満たすと判断されたプレーヤが2人以上である場合には、それらのプレーヤの通常配当額の合計より、プレーヤに対する配当の合計支払額が少なくなるように、プレーヤに対する配当を決定する段階を構成する。
本実施形態において、プレーヤは、ハンドがフルハウス以上であるときに、サイドBETに係る配当(通常配当額)を獲得する可能性がある。もっとも、ハンドがフルハウス以上のプレーヤが複数いる場合には、勝者に対してのみ、通常配当額が支払われる。従って、本実施形態を採用すると、ハンドがフルハウス以上のプレーヤが複数いる場合において、それらのプレーヤ全員に通常配当額を支払うときと比較して、プレーヤに対する配当の合計支払額が少なくなる。
【0060】
このように、本実施形態では、プレーヤに対する配当の合計支払額を減少させる方法として、ハンドの強さに基づき、最もハンドの強い1のプレーヤを決定し、当該プレーヤにのみ配当を行うという方法を採用している。
しかし、本発明において、プレーヤに対する配当の合計支払額を減少させる方法は、ハンドの強さに基づいていなくてもよい。例えば、ハイカードの強さ等の一定の基準に基づいて勝者を決定し、当該勝者にのみ通常配当額を支払うこととしてもよい。
また、本発明において、プレーヤに対する配当の合計支払額を減少させる方法は、勝者にのみ配当を行う方法に限定されない。例えば、ハンドが2番目に強いプレーヤに対してのみ配当を行うこととしてもよい。
また、本発明において、プレーヤに対する配当の合計支払額を減少させる方法は、何らかのルールに基づいていなくてもよく、所定の条件を満たした複数のプレーヤのなかから、ランダムに決定されてもよい。
また、本発明において、プレーヤ用カードからなるハンドが所定の条件を満たすと判断されたプレーヤが2人以上である場合に、通常配当額を獲得することができるプレーヤの人数は、1人に限定されない。この場合、通常配当額を獲得することができるプレーヤの人数は、ハンドが所定の条件を満たすと判断されたプレーヤの人数よりも少ない人数である限り特に限定されない。例えば、ハンドが所定の条件を満たしたプレーヤの人数から1減じた数のプレーヤに対して通常配当額が支払われることとしてもよい。また、ハンドが所定の条件を満たしたプレーヤの間でハンドの強さを比較して、ハンドが奇数番目に強いプレーヤに対して通常配当額が支払われることとしてもよい。
以上のような構成を採用すると、ハンドが所定の条件を満たすプレーヤが複数いる場合に、それらのプレーヤ全員に通常配当額を支払うときと比較して、プレーヤに対する配当の合計支払額を減少させることができる。
【0061】
以上、本発明の実施形態について説明した。
本実施形態では、ゲーム装置1を用いてカードゲームを行う場合について説明したが、本発明においては、ゲーム装置を用いずにカードゲームを行う(例えば、実際にテーブルを囲んでバンカーとプレーヤが勝負する)こととしてもよい。
また、本実施形態では、ディーラがバンカーを兼ねる場合について説明したが、本発明においては、1のプレーヤがバンカーを務めることとしてもよい。
また、本実施形態では、カードゲームとして、カリビアン・スタッド・ポーカが行われる場合について説明したが、本発明において行われるカードゲームは、特に限定されない。本発明におけるプレーヤ用カード及びバンカー用カードの枚数についても、適宜設計変更可能である。
また、本実施形態では、トランプカードを用いる場合について説明したが、本発明におけるカード(プレーヤ用カード及びバンカー用カード)は、トランプカードに限定されず、例えば、タロットカードを用いることとしてもよい。
【0062】
また、本実施形態では、プレーヤがメインモニタ2及びステーションに備えられた液晶ディスプレイ10を視認しながらカリビアン・スタッド・ポーカを行う場合について説明したが、本発明におけるゲーム装置は、メインモニタ又は液晶ディスプレイ(ステーションに備えられるディスプレイ)のいずれかが備えられていればよい。このように構成する場合、ディーラ(バンカー)のカードとプレーヤのカードとをメインモニタ又はステーションのディスプレイに表示するように構成すればよい。
【0063】
以上、本発明の実施形態を説明したが、具体例を例示したに過ぎず、特に本発明を限定するものではなく、各手段等の具体的構成は、適宜設計変更可能である。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【0064】
また、上述した詳細な説明では、本発明をより容易に理解できるように、特徴的部分を中心に説明した。本発明は、上述した詳細な説明に記載する実施形態に限定されず、その他の実施形態にも適用することができ、その適用範囲は多様である。また、本明細書において用いた用語及び語法は、本発明を的確に説明するために用いたものであり、本発明の解釈を制限するために用いたものではない。また、当業者であれば、本明細書に記載された発明の概念から、本発明の概念に含まれる他の構成、システム、方法等を推考することは容易であると思われる。従って、請求の範囲の記載は、本発明の技術的思想の範囲を逸脱しない範囲で均等な構成を含むものであるとみなされなければならない。また、要約書の目的は、特許庁及び一般的公共機関や、特許、法律用語又は専門用語に精通していない本技術分野に属する技術者等が本出願の技術的な内容及びその本質を簡易な調査で速やかに判断し得るようにするものである。従って、要約書は、請求の範囲の記載により評価されるべき発明の範囲を限定することを意図したものではない。また、本発明の目的及び本発明の特有の効果を充分に理解するために、すでに開示されている文献等を充分に参酌して解釈されることが望まれる。
【0065】
上述した詳細な説明は、コンピュータで実行される処理を含むものである。以上での説明及び表現は、当業者が最も効率的に理解することを目的として記載している。本明細書では、1の結果を導き出すために用いられる各ステップは、自己矛盾がない処理として理解されるべきである。また、各ステップでは、電気的又は磁気的な信号の送受信、記録等が行われる。各ステップにおける処理では、このような信号を、ビット、値、シンボル、文字、用語、数字等で表現しているが、これらは単に説明上便利であるために用いたものであることに留意する必要がある。また、各ステップにおける処理は、人間の行動と共通する表現で記載される場合があるが、本明細書で説明する処理は、原則的に各種の装置により実行されるものである。また、各ステップを行うために要求されるその他の構成は、以上の説明から自明になるものである。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明の実施形態に係るゲーム装置において実行されるゲーム実行処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図2】本実施形態に係るゲーム装置の外観構成を模式的に示す斜視図である。
【図3】ゲーム装置が備えるステーションの外観構成を模式的に示す斜視図である。
【図4】ゲーム装置が備える正面ディスプレイに表示される画像の一例を示す図である。
【図5】ステーションが備える液晶ディスプレイに表示される画像の一例を示す図である。
【図6】ゲーム装置の内部構成を示すブロック図である。
【図7】ゲーム装置が備えるステーションの内部構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0067】
1 ゲーム装置
2 メインモニタ
3(3a、3b、3c、3d、3e) ステーション
10 液晶ディスプレイ
11 タッチパネル
12 操作ボタン
13 コイン投入口
14 紙幣投入口
15 コイン払出口
21 正面ディスプレイ
22 スピーカ
23 LED
41 CPU
42 RAM
43 ROM
51 CPU
52 RAM
53 ROM
95 タイマ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カードゲームのプレイ方法であって、
(a)所定枚数のカードをプレーヤ用カードとして複数のプレーヤに配布するとともに、所定枚数のカードをバンカー用カードとしてバンカーに配布する段階と、
(b)通常BETとは異なるサイドBETを行う段階と、
(c)前記サイドBETを行ったプレーヤに配布された前記プレーヤ用カードからなるハンドが、所定の条件を満たすか否かを判断する段階と、
(d)前記段階(c)において、前記プレーヤ用カードからなるハンドが所定の条件を満たすと判断されたプレーヤが1人である場合、当該ハンドと前記サイドBETとに基づいて定められる通常配当額を、そのプレーヤに対する配当とする段階と、
(e)前記段階(c)において、前記プレーヤ用カードからなるハンドが所定の条件を満たすと判断されたプレーヤが2人以上である場合には、それらのプレーヤの通常配当額の合計より、プレーヤに対する配当の合計支払額が少なくなるように、プレーヤに対する配当を決定する段階と
を含む。
【請求項2】
請求項1に記載のカードゲームのプレイ方法であって、
前記所定の条件は、プレーヤ用カードからなるハンドが、ハンドの強弱順のなかで予め定められた基準以上であること、であり、
前記段階(e)は、前記段階(c)において、前記プレーヤ用カードからなるハンドが所定の条件を満たすと判断されたプレーヤが2人以上である場合、それらのプレーヤのハンドを前記ハンドの強弱順に基づいて比較することにより、最もハンドの強いプレーヤを決定し、当該ハンドと前記サイドBETとに基づいて定められる通常配当額を、そのプレーヤに対する配当とする段階である。
【請求項3】
請求項1に記載のカードゲームのプレイ方法であって、
前記段階(b)の後であって前記段階(c)の前に、
(b′)バンカーがフォールドするか否かを決定する段階を含み、
前記段階(c)は、前記段階(b′)においてバンカーがフォールドすると決定されたことを条件に、前記サイドBETを行ったプレーヤに配布された前記プレーヤ用カードからなるハンドが、所定の条件を満たすか否かを判断する段階である。
【請求項4】
請求項3に記載のカードゲームのプレイ方法であって、
前記段階(a)の前に、
(a′)参加料BETを行う段階を含み、
前記段階(b′)の後であって前記段階(c)の前に、
(b′′)前記段階(b′)においてバンカーがフォールドすると決定された場合、前記サイドBETを行っていないプレーヤに対して、入力された参加料BETに基づいて配当を行う段階を含む。
【請求項5】
下記構成を備えるゲーム装置であって、
複数のカードを表示することが可能なディスプレイと、
複数のプレーヤによって操作されることが可能な複数の入力装置と、
以下(a)〜(e)の処理を実行するようにプログラムされたコントローラとを備える。
(a)所定枚数のプレーヤ用カードと、所定枚数のバンカー用カードとを前記ディスプレイに表示する処理、
(b)各前記入力装置からの、通常BETとは異なるサイドBETの入力を受け付ける処理、
(c)前記サイドBETを入力したプレーヤの前記プレーヤ用カードからなるハンドが、所定の条件を満たすか否かを判断する処理、
(d)前記処理(c)において、前記プレーヤ用カードからなるハンドが所定の条件を満たすと判断されたプレーヤが1人である場合、当該ハンドと前記サイドBETとに基づいて定められる通常配当額を、そのプレーヤに対する配当とする処理、及び、
(e)前記処理(c)において、前記プレーヤ用カードからなるハンドが所定の条件を満たすと判断されたプレーヤが2人以上である場合には、それらのプレーヤの通常配当額の合計より、プレーヤに対する配当の合計支払額が少なくなるように、プレーヤに対する配当を決定する処理。
【請求項6】
請求項5に記載のゲーム装置であって、
前記所定の条件は、プレーヤ用カードからなるハンドが、ハンドの強弱順のなかで予め定められた基準以上であること、であり、
前記処理(e)は、前記処理(c)において、前記プレーヤ用カードからなるハンドが所定の条件を満たすと判断されたプレーヤが2人以上である場合、それらのプレーヤのハンドを前記ハンドの強弱順に基づいて比較することにより、最もハンドの強いプレーヤを決定し、当該ハンドと前記サイドBETとに基づいて定められる通常配当額を、そのプレーヤに対する配当とする処理である。
【請求項7】
請求項5に記載のゲーム装置であって、
前記コントローラは、更に、
前記処理(b)の後であって前記処理(c)の前に、
(b′)バンカーがフォールドするか否かを決定する処理を実行するようにプログラムされており、
前記処理(c)は、前記処理(b′)においてバンカーがフォールドすると決定されたことを条件に、前記サイドBETを入力したプレーヤの前記プレーヤ用カードからなるハンドが、所定の条件を満たすか否かを判断する処理である。
【請求項8】
請求項7に記載のゲーム装置であって、
前記コントローラは、更に以下の処理を実行するようにプログラムされている。
前記処理(a)の前に、
(a′)前記入力装置からの参加料BETの入力を受け付ける処理、及び、
前記処理(b′)の後であって前記処理(c)の前に、
(b′′)前記処理(b′)においてバンカーがフォールドすると決定された場合、前記サイドBETの入力を行っていないプレーヤに対して、入力された参加料BETに基づいて配当を行う処理。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate