説明

サンプリング方法及びサンプリング設備

【課題】銅製錬にて使用する、CU、AU、AG、PT、PDを含んでいるリサイクル原料の分析のためのサンプルを効率的にサンプリングするためのサンプリング方法及びサンプリング設備を提供する。
【解決手段】銅製錬にて使用するリサイクル原料の分析のためのサンプルを採取するサンプリング方法において、(A)粉砕していないリサイクル原料を一次破砕機により約50mm程度に粗粉砕して一次破砕物とし、次いで、(B)前記工程(A)にて得られた一次破砕物を二次破砕機により40mm以下の大きさに粉砕して二次破砕物とし、(C)前記工程(B)にて得られた二次破砕物を篩に掛けて、30mmより大きい二次破砕物は、前記工程(B)に戻して更に粉砕し、大きさが30mm以下の破砕物をサンプルとして採取する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、銅製錬にて使用するリサイクル原料の分析のためのサンプルを採取するサンプリング方法及びサンプリング設備に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、金属加工、メッキ、電子材料工程で発生する金属スクラップや使用済みの電子機器から取り出す部品を銅製錬などの原料(リサイクル原料)として活用し、資源の有効活用と有価金属の回収を進めることが行われている。
【0003】
銅製錬では、このようなリサイクル原料は、直接に、または、破砕などを行い、自溶炉や転炉(PSコンバータ)に供給される。
【0004】
また、銅製錬においては、有価金属の回収を目的に購入するため、受け入れたリサイクル原料を全てサンプリング及び試料調製し、売買対象となる有価金属の含有率を正確に分析する必要がある。
【0005】
例えば、特許文献1には、リサイクル原料処理装置においてリサイクル原料を自動でサンプリングできるサンプリング装置が開示されている。このサンプリング装置は、図7及び図8を参照して説明すると、次の通りである。
【0006】
サンプリング装置200は、リサイクル原料処理装置100に設けられている。リサイクル原料処理装置100は、リサイクル原料Rを受け入れるホッパー110と、一次切出しフィーダ120と、第1排出コンベア130と、第2排出コンベア140とを備えている。
【0007】
一次切出しフィーダ120は、ホッパー110に設けられたマルチスクリューなどの試料をほぐす手段(解砕機)121と、切出しコンベア122とを備え、50〜150mm×100mmのリサイクル原料を搬送コンベア122にて第1排出コンベア130へと移送する。
【0008】
サンプリング装置200は、第1の回収部として機能する二次切出しフィーダ150と、第2の回収部として機能するサンプリングボックス装置210とを具備している。
【0009】
二次切出しフィーダ150は、回収ボックス151及び搬送ベルト153を備えている。二次切出しフィーダ150は、図7及び図8にて矢印X方向に移動可能とされ、切出しコンベア122から第1排出コンベア130へと落下してくる粉砕されたリサイクル原料Rを受け取る。
【0010】
このようにして粉砕されたリサイクル原料Rは、搬送ベルト153で搬送され、サンプリング装置200でサンプリングされる。サンプリング装置200は、図8にて矢印Y方向に移動可能とされるサンプリングボックス210を備えており、搬送ベルト153からの粉砕されたリサイクル原料Rを受け取る。
【特許文献1】特開2003−106948号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
このように、上記特許文献1に記載されるサンプリング装置200は、所定大きさに粉砕されたリサイクル原料をサンプリングボックス210にて採取(サンプリング)する構成とされている。また、サンプリング装置200でサンプリングされるリサイクル原料は、そのサイズが、上述から理解されるように、50〜150mm×100mmとされている。
【0012】
本発明者らは、CU、AU、AG、PT、PDを含んでいるリサイクル原料の分析において、特に、未だ粉砕されていないプリント基板などのリサイクル原料においては、サンプリング寸法をどの程度の大きさにまで粉砕しておけば、後の有価物の含有率を正確に把握する分析が可能かを検討した。また、本発明者らは、斯かる寸法のリサイクル原料を効率よく得るための粉砕方法を検討した。
【0013】
本発明者らは、多くの研究実験の結果、特に、未だ粉砕されていないプリント基板などのリサイクルの原料は、有価物の含有率を正確に把握する分析のために有効な寸法としては、大きさが30mm以下(網目サイズ30×30mmの篩を通過する大きさ)、好ましくは、20mm以下とされること、このようなリサイクル原料を得るには、リサイクル原料の粉砕を、2段に分けて行うこと、つまり、一次粉砕にて粗粉砕を行い、その後、所定のサイズの原料を得るための二次粉砕を行うことが、効率的なサンプリングを行うためには重要であることを見出した。
【0014】
本発明は、斯かる本発明者らの新規な知見に基づくものである。
【0015】
つまり、本発明の目的は、銅製錬にて使用する、CU、AU、AG、PT、PDを含んでいるリサイクル原料の分析のためのサンプルを効率的にサンプリングするためのサンプリング方法及びサンプリング設備を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記目的は本発明に係るサンプリング方法及びサンプリング設備にて達成される。要約すれば、本発明の第一の態様によれば、銅製錬にて使用するリサイクル原料の分析のためのサンプルを採取するサンプリング方法において、
(A)粉砕していないリサイクル原料を一次破砕機により約50mm程度の大きさに粉砕して一次破砕物とし、次いで、
(B)前記工程(A)にて得られた一次破砕物を二次破砕機により30mm以下の大きさに粉砕して二次破砕物とし、
(C)前記工程(B)にて得られた二次破砕物を篩に掛けて、40mmより大きい二次破砕物は、前記工程(B)に戻して更に粉砕し、大きさが30mm以下の破砕物をサンプルとして採取する、
ことを特徴とするリサイクル原料の分析のためのサンプルを採取するサンプリング方法が提供される。
【0017】
本発明の第二の態様によれば、銅製錬にて使用するリサイクル原料の分析のためのサンプルを採取するためのサンプリング設備において、
粉砕されていないリサイクル原料を受け入れるホッパーと、
前記ホッパーに隣接して配置され、前記ホッパーからのリサイクル原料を約50mm程度の大きさの一次破砕物に粗粉砕するための一次破砕機と、
前記一次破砕物を40mm以下の大きさの二次破砕物に粉砕するための二次破砕機と、
前記一次破砕機と前記二次破砕機の間に配置され、前記一次破砕機により粗粉砕された前記一次破砕物を前記二次破砕機へと搬送するための第1搬送ベルトコンベアと、
前記二次破砕物を、30mm以下の大きさの破砕物と30mmより大きい破砕物とに篩分けする篩と、
前記二次破砕機と前記篩の間に配置され、前記二次破砕機により粉砕された前記二次破砕物を前記篩へと搬送するための第2搬送ベルトコンベアと、
前記篩と前記第1搬送コンベアとの間に配置され、前記篩にて篩分けされた30mmより大きな破砕物を前記二次破砕機へと戻すために、前記破砕物を前記第1搬送コンベアへと移送するための第3搬送ベルトコンベアと、
前記篩にて篩分けされた30mm以下の大きさの二次破砕物をサンプルとして採取するためのサンプリング装置と、
を有することを特徴とするサンプリング設備が提供される。
【0018】
本発明の一実施態様によれば、前記一次破砕機は二軸式粉砕機であり、前記二次破砕機は一軸式粉砕機である。
【0019】
本発明の他の実施態様によれば、前記篩は、振動篩である。
【0020】
本発明の他の実施態様によれば、前記リサイクル原料は、プリント基板、金銀滓、電気部品屑、或いは、めっき屑の少なくともいずれかを含む。
【0021】
本発明の他の実施態様によれば、前記サンプリング装置は、
前記振動篩の下方部に配置され、前記振動篩により篩分けされた30mm以下の大きさの破砕物を受け取る搬送ベルトと、
前記搬送ベルトから搬送される30mm以下に粉砕された破砕物を受け取り、サンプルとして採取するサンプリングボックスと、
を有する。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、銅製錬にて使用する、CU、AU、AG、PT、PDを含んでいる、例えば、未だ粉砕されていないプリント基板のようなリサイクル原料を効率よく、且つ、分析のために有効な寸法にまで粉砕してサンプルとして採取することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
実施例1
以下、本発明に係るサンプリング方法、即ち、銅製錬にて使用する、CU、AU、AG、PT、PDを含んでいるリサイクル原料の分析のためのサンプルのサンプリング方法、及び、サンプリング設備を図面を参照して更に詳しく説明する。
【0024】
図1は、本発明に係るサンプリング方法の一実施例の概略構成を示すフロー図である。
【0025】
先ず、図1を参照して本実施例のサンプリング方法について説明する。
【0026】
本実施例のサンプリング方法によると、フレコンバックなどにて搬入された、例えば、使用済みの電子機器などから取り出されたプリント基板などの、未だ粉砕されていないリサイクル原料をホイストにより一次破砕機に装入し、一次破砕機により約50mm程度(即ち、通常、10mm〜100mm)の大きさに粉砕する(粗粉砕)(工程(A))。
【0027】
本願明細書(及び特許請求の範囲)にて、破砕物の「大きさ」とは、破砕物が所定の網目サイズの篩を通過する大きさを意味するものとする。例えば、破砕物の大きさ50mmとは、破砕物が網目サイズ50×50mmの篩を通過する大きさを意味するものとする。
【0028】
一次破砕機としては、二軸式粉砕機が好適に使用される。これは、破砕する力が大きく、刃物が丈夫である、という理由による。
【0029】
二軸式粉砕機としては、例えば、株式会社クボタ製の「型式KT42H(商品名)」(処理能力5T/H)を使用することができる。
【0030】
次いで、粗粉砕された一次破砕物は、二次破砕機により40mm以下の大きさに粉砕して二次破砕物とされる(工程(B))。二次破砕物が40mm以下の大きさとされるのは、一度にサイズを小さくするには、設備故障とスクリーンの目詰まりが発生すると共に、破砕スピードが低下し非効率的になる、という理由からである。
【0031】
二次破砕機としては、一軸式粉砕機が好適に使用される。これは、破砕物のサイズを揃えるのに適しており、スクリーンを併用しての繰返し破砕が容易である、という理由による。
【0032】
一軸式粉砕機としては、例えば、株式会社アーステクニカ製の「型式MR7/32SVCマルチロータ(商品名)」(処理能力5T/H)を使用することができる。この一軸式粉砕機は、網目サイズが40×40mmのスクリーン(篩)を備えており、40mm以下の大きさの二次破砕物を得ることができる。40mmより大きな破砕物は、二次破砕機へと戻して再度粉砕される。
【0033】
更に、二次破砕機により粉砕された二次破砕物を網目サイズが30mm×30mmのスクリーン(篩)に掛けて(工程(C))、30mm以下の、好ましくは、20mm以下の大きさとされる破砕物をサンプリング装置によりサンプルとして採取する。30mmより大きい二次破砕物は、再度、二次破砕機へと戻し、粉砕する(工程(D))。これにより、大きさが30mm以下の破砕物を効率よく分析用サンプルとして採取することができる。分析用サンプルとして採取される破砕物が30mm以下の大きさとされるのは、詳しくは、後で説明する実験結果にて示すように、破砕粒度50mm(50×50mm)の分析値の変動がCUで9%、AUで13%程度あるのに対して、破砕粒度30mm(30×30mm)の分析値の変動はCUで5%、AUで7%と変動幅が大きく改善されている、という理由からである。
【0034】
前記篩としては、振動篩が好適に使用される。振動篩としては、例えば、株式会社アーステクニカ製の「呼び型式3*8、単床式、ML形(商品名)」を使用することができる。
【0035】
振動篩にて篩分けされた破砕寸法が30mm以下の二次破砕物は、先に図7及び図8を参照して説明したサンプリング装置200と同様のサンプリング装置を備えたサンプリング設備へと送給され、分析用のサンプルが採取される(工程(E))。
【0036】
図2には、本発明者らが行った実験により得られた、リサイクル原料の破砕粒度別の分析値のバラツキを示す。
【0037】
本実験では、図3及び図4に示す方法により、試料(分析用サンプル)の調製を行った。また、本実験では、リサイクル原料としては、プリント基板とICチップの混合物を使用した。
【0038】
リサイクル原料から、自動サンプリング装置によりサンプリングされた分析用サンプル(1次試料)は、手作業により縮分(最小化)し、更に、均一化を図るため、その一定量を硫化鉄鉱と共に融解しマット化され、試料が調製される。図3及び図4を参照して更に説明する。
【0039】
本実験では、先ず、図3に示すように、自動サンプリング装置でサンプリングされた大きさ50mm以下の分析用サンプル(1次試料)約9kgをインクリメント法により縮分(混合縮分)し、大きさ50mm以下の約500gの試料(試料1、試料2)を得た。
【0040】
残試料8kgは、更に、破砕機(吉田製作所製破砕機)により縮分比1/4にて破砕縮分し、大きさ10mm以下の約500gの試料(試料3、試料4)を得た。
【0041】
残試料7kgは、更に、破砕機(レッチェ製破砕機)により破砕縮分し、大きさ2mm以下の約500gの試料(試料5、試料6)を得た。
【0042】
このようにして得られた試料は、図4に示すように、更に、電子天秤にて精密に秤量し、自動調合装置により黒鉛ルツボ内に試料と硫化鉄鉱を加え、次いで、台車式融解炉(1300℃)にて、融解し、マットを作製した。
【0043】
このようにして作製したマットは、取り出した後ジョークラッシャーにて破砕粒度10mm以下にした。破砕粒度10mm以下にされたマット化した分析用サンプルは、更に、粉砕縮分機を使用して破砕粒度3mm以下、縮分比1/10にした後、ディスクミルで微粉砕し、破砕粒度0.147mm以下に粉砕され、180gの分析用サンプルを得た。
【0044】
このようにして得られた試料を使用して、ICP分析を行い、破砕粒度別の分析値のバラツキを求めた結果が、図2に示されている。
【0045】
図2から、プリント基板などのリサイクル原料は、ICP分析のために有効な寸法は30mm以下であることが分かる。特に、20mm以下の範囲のサイズが分析には有効であることが分かる。
【0046】
また、本発明者らは、本発明に従った、所謂、二段階による粉砕方法が、上述のように、大きさが20mm以下の破砕物を効率よくサンプルとして採取することができることが、更に、幾つかの実験を行った結果立証された。
【0047】
その結果から、リサイクル原料の粉砕を、2段に分けて行うこと、つまり、一次粉砕(一次破砕機による破砕)にて粗粉砕を行い、その後、所定のサイズの原料を得るための二次粉砕(二次破砕機による破砕)を行うことが、効率的なサンプリングを行うためには重要であること、即ち、一次破砕機により約50mm程度に粗粉砕し、次いで、二次破砕機により40mm以下に粉砕することにより、効率よく30mm以下の二次破砕物を得ることができることが判明した。
【0048】
上記説明では、リサイクル原料としては、プリント基板を使用するものとしたが、場合によっては、金銀滓、ICチップのような電機部品屑、或いは、めっき屑などとすることもできる。また、上記実験例でも示したように、これらが混合されたものでも良い。すなわち、リサイクル原料としては、少なくともこれらのいずれかが含まれたものが使用される。
【0049】
本発明のサンプリング方法によれば、銅製錬にて使用する、CU、AU、AG、PT、PDを含んでいる、例えば、未だ粉砕されていないプリント基板のようなリサイクル原料を効率よく、且つ、分析のために有効な寸法にまで粉砕してサンプルとして採取することができる。
【0050】
実施例2
図5に、本発明のサンプリング方法を実施するためのサンプリング設備の一実施例を示す。
【0051】
本実施例によると、サンプリング設備1は、ホイストクレーンにより投入されるプリント基板などの、未だ粉砕されていないリサイクル原料を受け入れるホッパー2を備えている。ホッパー2に隣接して二軸式粉砕機とされる一次破砕機3が配置されている。
【0052】
サンプリング設備1は、更に、一軸式粉砕機とされる二次破砕機4を備え、一次破砕機3と二次破砕機4の間に第1搬送ベルトコンベア5が配置されている。従って、一次破砕機3により荒粉砕された一次破砕物は、第1搬送ベルトコンベア5によりホッパー6を介して二次破砕機4へと搬送される。
【0053】
二次破砕機4である一軸式粉砕機は、網目サイズ40×40mmのスクリーン(篩)を備えており、40mm以下の大きさの二次破砕物を得ることができる。
【0054】
二次破砕機4により粉砕された40mmより大きい破砕物は、二次破砕機内で循環されて、40mm以下になるまで粉砕される。
【0055】
即ち、40mmスクリーンを通過し、振動篩へ搬送され、また、二次破砕機へ戻り、粉砕される。
【0056】
二次破砕機4により40mm以下の大きさに粉砕された二次破砕物は、第2搬送ベルトコンベア7にて前記一次破砕機3に隣接して配置された、振動篩とされるスクリーン(篩)8へと搬送される。
【0057】
また、振動篩8と第1搬送コンベア5との間に第3搬送コンベア9が配置されている。従って、網目直径30mmのスクリーン(篩)を備えた振動篩8にて篩分けされた30mmより大きな破砕物は、第3搬送ベルト9により前記第1搬送ベルト5へと移送される。従って、この振動篩8にて篩分けされた20mmより大きな破砕物は、二次破砕機4へと搬送され、二次破砕機4により再度粉砕される。
【0058】
前記振動篩8の下方には、振動篩8にて篩分けされた破砕寸法が30mm以下の二次破砕物を受ける、サンプリング装置20が設置されている。
【0059】
サンプリング装置20は任意の構成とし得るが、本実施例では、サンプリング装置20は、先に図7及び図8を参照して説明したサンプリング装置200と同様の構成とされる。
【0060】
つまり、サンプリング装置20は、振動篩8の下方部に、ホッパー110と一次切出しフィーダ120を備え、振動篩8により篩分けされた30mm以下の大きさの破砕物を受け取る。
【0061】
サンプリング装置20は、図7にて矢印X方向に移動可能とさせる二次切出しフィーダ150に相当するコンベア21及び図8にて矢印Y方向に移動可能とされるサンプリングボックス210に相当するサンプリングボックス22を備えており、切出しベルト21から搬送される30mm以下に粉砕されたリサイクル原料Rを受け取り、サンプルとして採取する。サンプリングは、全体量1/10を採取した後、再度その1/10を採取(最終的に全体の1%程度)される。
【0062】
上記実施例では、リサイクル原料Rは、粉砕されていないリサイクル原料を使用するものとして説明した。しかし、もし、リサイクル原料が既に粉砕されたものである場合には、図1及び図5に示すように、粉砕されたリサイクル原料は、ホイストにてホッパー6を介して直接二次破砕機4に投入することもできる。
【0063】
また、図5に示す本実施例では、自動サンプリング設備は、上述のサンプリング設備1の他に、粉砕されたリサイクル原料を使用するサンプリング設備1Aを備えた構成とされる。
【0064】
サンプリング設備1Aは、リサイクル原料が30mm以下の、所謂、バラ原料とされる場合に使用される。
【0065】
サンプリング設備1Aは、バラ原料受入ホッパー301と、エプロンフィーダー302と、投入ベルトコンベア303と、サンプリング装置20Aと、を備えている。
【0066】
サンプリング設備1Aでは、図6をも参照すると理解されるように、バラ原料がショベルによりバラ原料受入ホッパー301に投入される。バラ原料は、ホッパー301からエプロンフィーダー302へと移送され、更に、投入ベルトコンベア303によりサンプリング装置20Aへと搬送される。サンプリング装置20Aは、先に図7及び図8を参照して説明したサンプリング装置200、即ち、上記サンプリング装置20と同様の構成とされる。
【0067】
つまり、サンプリング装置20Aは、投入ベルトコンベア303の端部の下方部に位置して、搬送ベルト153に相当する搬送ベルト21を備え、搬送ベルト21は、30mm以下の大きさとされるバラ原料を受け取る。
【0068】
サンプリング装置20Aは、図8にて矢印Y方向に移動可能とされるサンプリングボックス210に相当するサンプリングボックス22を備えており、搬送ベルト21から搬送される30mm以下とされるリサイクル原料を受け取り、サンプルとして採取する。サンプリングは、全体量1/10を採取した後、再度その1/10を採取(最終的に全体の1%程度)される。
【0069】
本発明のサンプリング設備によれば、銅製錬にて使用する、CU、AU、AG、PT、PDを含んでいる、例えば、未だ粉砕されていないプリント配線基板のようなリサイクル原料を効率よく、且つ、分析のために有効な寸法にまで粉砕してサンプルとして採取することができる。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明に係るサンプリング方法の一実施例の概略構成をフロー図である。
【図2】破砕粒度別の分析値のバラツキを求めた結果を示すグラフである。
【図3】破砕粒度別の分析値のバラツキを求める実験に使用した試料(分析用サンプル)の調製方法を説明するためのフロー図である。
【図4】破砕粒度別の分析値のバラツキを求める実験に使用した試料(分析用サンプル)の調製方法を説明するためのフロー図である。
【図5】本発明に係るサンプリング方法を実施するためのサンプリング設備の概略構成図である。
【図6】サンプリング設備の動作態様を説明するフロー図である。
【図7】従来のサンプリング設備の概略構成側面図である。
【図8】従来のサンプリング設備の概略構成平面図である。
【符号の説明】
【0071】
1、1A サンプリング設備
2 リサイクル原料受入ホッパー
3 二軸式粉砕機(一次破砕機)
4 一軸式粉砕機(二次破砕機)
5 第1搬送ベルトコンベア
7 第2搬送ベルトコンベア
8 振動篩(篩)
9 第3搬送ベルトコンベア
20、20A、200 サンプリング装置
21、21A、153 搬送ベルト
22、22A、210 サンプリングボックス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
銅製錬にて使用するリサイクル原料の分析のためのサンプルを採取するサンプリング方法において、
(A)粉砕していないリサイクル原料を一次破砕機により約50mm程度の大きさに粉砕して一次破砕物とし、次いで、
(B)前記工程(A)にて得られた一次破砕物を二次破砕機により40mm以下の大きさに粉砕して二次破砕物とし、
(C)前記工程(B)にて得られた二次破砕物を篩に掛けて、30mmより大きい二次破砕物は、前記工程(B)に戻して更に粉砕し、大きさが30mm以下の破砕物をサンプルとして採取する、
ことを特徴とするリサイクル原料の分析のためのサンプルを採取するサンプリング方法。
【請求項2】
前記一次破砕機は二軸式粉砕機であり、前記二次破砕機は一軸式粉砕機であることを特徴とする請求項1のサンプリング方法。
【請求項3】
前記篩は、振動篩であることを特徴とする請求項1又は2のサンプリング方法。
【請求項4】
前記リサイクル原料は、プリント基板、金銀滓、電気部品屑、或いは、めっき屑の少なくともいずれかを含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかの項に記載のサンプリング方法。
【請求項5】
銅製錬にて使用するリサイクル原料の分析のためのサンプルを採取するためのサンプリング設備において、
粉砕されていないリサイクル原料を受け入れるホッパーと、
前記ホッパーに隣接して配置され、前記ホッパーからのリサイクル原料を約50mm程度の大きさの一次破砕物に粗粉砕するための一次破砕機と、
前記一次破砕物を40mm以下の大きさの二次破砕物に粉砕するための二次破砕機と、
前記一次破砕機と前記二次破砕機の間に配置され、前記一次破砕機により荒粉砕された前記一次破砕物を前記二次破砕機へと搬送するための第1搬送ベルトコンベアと、
前記二次破砕物を、30mm以下の大きさの破砕物と30mmより大きい破砕物とに篩分けする篩と、
前記二次破砕機と前記篩の間に配置され、前記二次破砕機により粉砕された前記二次破砕物を前記篩へと搬送するための第2搬送ベルトコンベアと、
前記篩と前記第1搬送コンベアとの間に配置され、前記篩にて篩分けされた30mmより大きな破砕物を前記二次破砕機へと戻すために、前記破砕物を前記第1搬送コンベアへと移送するための第3搬送ベルトコンベアと、
前記篩にて篩分けされた30mm以下の大きさの二次破砕物をサンプルとして採取するためのサンプリング装置と、
を有することを特徴とするサンプリング設備。
【請求項6】
前記一次破砕機は二軸式粉砕機であり、前記二次破砕機は一軸式粉砕機であることを特徴とする請求項5のサンプリング設備。
【請求項7】
前記篩は、振動篩であることを特徴とする請求項5又は6のサンプリング設備。
【請求項8】
前記リサイクル原料は、プリント基板、金銀滓、電気部品屑、或いは、めっき屑の少なくともいずれかを含むことを特徴とする請求項5〜7のいずれかの項に記載のサンプリング設備。
【請求項9】
前記サンプリング装置は、
前記振動篩の下方部に配置され、前記振動篩により篩分けされた30mm以下の大きさの破砕物を受け取る搬送ベルトと、
前記搬送ベルトから搬送される30mm以下に粉砕された破砕物を受け取り、サンプルとして採取するサンプリングボックスと、
を有することを特徴とする請求項5〜8のいずれかの項に記載のサンプリング設備。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−249437(P2008−249437A)
【公開日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−89929(P2007−89929)
【出願日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【出願人】(591007860)日鉱金属株式会社 (545)
【Fターム(参考)】