説明

サンプルホモジェナイザー

生体組織を粉砕もしくは均質化するための装置は、研磨表面(6)から構成される内部の底(5)をもつ容器(1)と、キャップ(10)と、該容器(1)の内部(2)に受け入れ可能の粉砕機(20)とを備えている。該粉砕機(20)は、磨砕ヘッド(21)と、内部通路(23)を中に画成した円筒形シャフト(22)と、該円筒形シャフト(22)にある少なくとも1つのポート(24)とを備えており、該ポートを介して、粉砕された物質が前記円筒形シャフト(22)の前記内部通路(23)に流入しうる。前記円筒形シャフト(22)の前記内部通路(23)は、前記円筒形シャフト(22)の前記ポート(24)を通過した粉砕もしくは均質化されたサンプルが装置から取り出されうるように、前記容器(1)の外部と連絡しうる。一実施形態において、粉砕もしくは均質化されたサンプルは吸引により取り出される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に、定期診断又は研究試験用に均質化されたサンプルを用意するべく生体サンプルを分解するための設備に関するものである。
【背景技術】
【0002】
大抵の既存の組織均質化技術は、自動化用途又は高生産性用途にはそれ自体で容易には役立たない。例えば、胃に関連のある機器(stomacher instrument)は組織サンプル及び液体を入れておくためにプラスチック製バッグを用いる。このようなバッグを自動的にサンプリングすることは非常に難しい。
【0003】
生体組織を均質化する多くの既存の方法は、セラミック、ガラス、プラスチック又は金属製の、反復使用のために設計されたホモジェナイザーもしくは容器を使用する。温水及び洗浄剤を用いて殺菌消毒又は洗浄することは大抵のバクテリア、ウィルス及びヌクレオチド汚染を除去するには十分であるが、しばしば、微細な痕跡が残りうる。更に、プリオンのような生体病原体は、上述した方法により不活性にすることが困難であると報告されており、それらと接触した可能性のある手術器具のようなどんな材料も廃棄することを必要とする。加えて、結果として得られたホモジェネートにアクセスすることは、装置の少なくとも部分的な解体をしばしば必要とし、これは、汚染・感染源をもたらすしぶき又はエーロゾルが形成される結果になりうる。
【0004】
本発明は、ホモジェネートにアクセスするために使用後に解体を必要としない使い捨て可能のホモジェナイザーを提供する経済的に実行可能な方法を提供することにより、これらの欠点を克服する。
【0005】
“生体サンプルを崩壊する装置(Device for disintegrating biological samples)”と題する国際公開第02/48679号パンフレットは、生体サンプルを用意するための分解装置を教示している。この装置は、分解すべき組織を保持するための容器と、該容器の内側に回転自在に装着されたシャフト(端部にブレードを有する)とを備えている。
【0006】
このシャフトは、ボール継手手段により軸方向に支持されると共に、該シャフトをモータに接続するため容器の外側にあるその端部に係合手段を有している。この装置は、容器を受け入れる複数のハウジングと容器を移動させる搬送手段とを備える自動装置として作動すると想定されている。
【0007】
後述するように、本発明は、組織を均質化するのにブレードを使用せず、また重要なことは、本発明の中央のシャフトが、均質化が行なわれるチャンバから離れて分析プライミング(assay priming)及び/又は分析自体が行われる別のチャンバに入る、均質化された物質と連絡しうることである。従って、サンプルの全く完全に均質化された部分のみが分析される。更に、装置が機械化に一層容易に適応するので、先行技術と比較して、均質化されたサンプルは、装置からより迅速に且つ容易に(諸部材が離される必要がなく、またより少ない部材が必要とされる)、従って、より経済的に搬送される。
【0008】
米国特許第4,505,433号明細書は、容器と、該容器の内部に受け入れられうる粉砕機とを備える装置を提供している。この粉砕機は、容器内部の底の凹面形状にぴったり一致する凹面形状を有する磨砕ヘッドと、容器の上方部にねじ留めされるキャップと、磨砕ヘッド及び粉砕機頂部を接続する圧縮可能の中間本体部とを有している。バクテリア保持流体を入れる貯留器、例えば、かかる流体を入れる脆いガラス製アンプルは、圧縮可能の中間本体部内に支持されている。使用に当たり、キャップを手でねじ留めして、磨砕ヘッドを押し容器内の底部に入れる。更に、回転によりガラス製アンプルは圧縮を受け、従って、それが割れて、組織を湿った状態に保つと共に存在する分子酸素を減らすように、バクテリア保持流体が放出される。国際公開第02/48679号パンフレット及び米国特許第4,505,433号明細書のいずれも装置から均質化された組織を取り出すための手段を教示していないこと、特に、それらは均質化された物質を均質化チャンバから分析又は分析プライミング領域に連通させることができる中央のシャフトを教示もしくは開示していないことに留意することが重要である。
【0009】
従って、獣医学的及び経済的な双方の理由から、疾病についての効果的で、信頼性があり、反復性があり、しかも正確な分析に適するサンプルを提供するように首尾一貫して規定通りに組織を崩壊させる手段を提供する必要性が存在する。本発明は、TSE(感染性海綿状脳症状)関連組織への適用に関して説明されているが、本発明は、任意の生体物質の均質化のために適当に使用されることができ、また、サンプルが複数のサンプルの1つとして又は単独で機械的に均質化されていようが、或いは単独で又は複数のサンプルとして手作業で均質化されていようが、ある程度の均一性、整合性及び安全性を提供する。
【発明の開示】
【0010】
本発明の目的の一つは、経済的で、信頼性があり、しかも使う人にとって親切な、生体組織サンプルの自動的な又は手動の分解もしくは均質化のための手段を提供することである。本発明の別の目的は、均質化機械を開くことも、また、外部サンプル抽出手段を導入することも必要としないプロセスにより、均質化された物質を均質化チャンバから伝えるための手段を提供することである。更に望ましいのは、均質化チャンバから均質化したサンプルを取り出す手段が該チャンバの内容物を汚染粒子に露出させないことである。
【0011】
本発明の付加的な目的は、優れたレベルでの均質化を可能にすると同時に、実行される如何なる均質化がテストに差し出されたサンプル全てについて標準化されていると共に再現可能であることを確実にする手段を提供することである。
【0012】
本発明によると、物質のサンプル、好ましくは生体組織のサンプル、最も好ましくは中枢神経組織のサンプルを均質化もしくは粉砕(諸用語はこの書類全体にわたり同意語的に使用されている)するための粉砕装置が提供されている。
【0013】
ホモジェナイザーは、容器及び粉砕機を備えており、前記容器は、側壁と、前記容器の外部と連絡しうる上向きに開放した頂部を有する上方部と、内部の底とにより画成された内部を備えており、前記粉砕機は、
(i) 内部通路を画成する、前記容器内に配置可能の中空シャフトと、
(ii) 前記シャフトの一端に設けられた磨砕ヘッドと、
(iii) 前記シャフトにある少なくとも1つのポートとを備えており、該ポートを介て、粉砕物質が前記シャフトの前記内部通路に流入しうる。
【0014】
本発明の代替実施形態において、前記磨砕ヘッドは、少なくとも1つのブレードを備えている。本発明の好適な実施形態において、前記磨砕ヘッドは前記内部の底の形状を補完する形状にされており、その場合、好ましくは該形状は、実質的に平ら、実質的に円錐形、実質的に切頭円錐形、実質的に半球形及び実質的に球形キャップの形状からなるグループから選択されている。好ましくは、前記内部の底及び前記磨砕ヘッドはそれぞれサンプル係合表面を備えるが、本発明の代替実施形態においては、前記サンプル係合表面の少なくとも1つは実質的に平坦である。
【0015】
本発明の好適な実施形態において、前記サンプル係合表面の少なくとも1つは研磨表面であり、その場合、好ましくは該研磨表面は、突起、ふるい、凹み、あや目引き又は埋込み粒子からなるグループから選択した少なくとも1つの研磨特徴を備えている。好ましくは、少なくとも1つの前記研磨表面は、前記磨砕ヘッド又は前記内部の底の少なくとも一方と一体的に形成されているが、少なくとも1つの前記研磨表面は、前記磨砕ヘッド又は前記内部の底の少なくとも一方と別個に形成されている。
【0016】
好適な実施形態において、前記ポートは、粉砕物質のみが前記容器から前記シャフトの前記内部通路に流入するのに必要な大きさにされている。これは、均質化されていない物質、即ち塵芥がホモジェネートと混合しないという利点をもたらす。好ましいのは、前記ポートは、前記シャフトに形成されたスリットから構成されていると共に、前記磨砕ヘッドに最も近くで前記シャフトに配置されていることである。前記シャフトには複数のポートが設けられていることが好ましい。
【0017】
本発明の代替実施形態においては、前記少なくとも1つのポートを可逆的に閉止する手段が設けられている。これは、回転中に発生する遠心力によりホモジェネートが出て内部通路中に入るのを防止するであろうが、ポートの閉止は、サンプルの粉砕中及び場合により粉砕後が望ましいから、全ての実施形態において必要なのではない。このような代替実施形態は、前記少なくとも1つのポートが、装置が異なる密度勾配により規定される少なくとも2つの層に分けられる確定体積の溶液と組み合わせて使用されるときに、前記少なくとも1つのポートの位置付けにより、前記層のうちの少なくとも1つが前記内部スペース中に出てゆくことが許容されると共に、前記層のうちの少なくとも1つが前記内部スペース中に出てゆくのを防止することが許容されるように、前記シャフトに配置されるときに特に望ましい。この実施形態は、ポートの可逆的な閉止を可能とする実施形態と特に組み合わせて作用する。ユーザーは、ポートを閉止位置にした状態でサンプルを均質化することができると共に、前記層が澄むのを許容する。ホモジェネートを分離して個別密度層にするのに続いて、ポートが開かれて希望の層(単数又は複数)が出て行くのを可能にすることができる。
【0018】
本発明の好適な実施形態において、前記シャフトの上方部は係合手段を備えており、該係合手段が前記シャフトを回転装置、又は回転装置アダプタ、又は閉止手段と取外し自在に係合させる手段を提供している。好ましいのは、前記係合手段が前記シャフトの前記上方部にある少なくとも1つの溝、突起又は凹みから構成されていることである。更に好ましいのは、前記係合手段が、前記回転装置、又は前記回転装置アダプタ、又は前記閉止手段の形状を補完する形に作られていることである。好適な実施形態において、前記係合手段は、一対の180°のらせん部から構成されており、前記磨砕ヘッドから最も遠くにある各らせん部の端は前記シャフトの周囲の半分だけ他のらせん部の端から離されている。はめ歯、歯状物、ねじ、ねじ山保持ピン、及びその他の一般に知られている手段のような代替装置が容易に考えられる。
【0019】
前記回転装置、又は前記回転装置アダプタ、又は前記閉止手段との前記係合手段の係合により少なくとも一方向への前記回転装置、又は前記回転装置アダプタ、又は前記閉止手段の運動が同じ少なくとも一方向への前記シャフトの運動に変換されることが好ましい。前記方向は、前記シャフトの中心軸線を中心とする回転方向であることが好ましい。
【0020】
代替実施形態において、前記係合手段は、前記回転装置、又は前記回転装置アダプタ、又は前記閉止手段への前記シャフトの可逆の且つ確実な接続を可能とする接続手段を更に備えている。好ましくは、前記接続手段は、少なくとも2方向の1つへの前記回転装置、又は前記回転装置アダプタ、又は前記閉止手段の運動が同じ方向への前記シャフトの運動に変換されるよう前記回転装置、又は前記回転装置アダプタ、又は前記閉止手段と係合するように適応した溝、突起又は凹みから構成されている。好ましくは、前記少なくとも2方向の第1は前記シャフトを中心とする回転であり、前記少なくとも2方向の第2は前記シャフトの軸心に実質的に平行である。この実施形態は、中心軸線回りのシャフトへの回転運動及び垂直“上下”運動の双方の変換を許容して、空気ハンマ状の動作を可能としている。
【0021】
代替実施形態において、前記閉止手段は、前記係合手段に確実に且つ可逆的に係合しうるよう適応されていると共に、そこに実質的に水密のシールをもたらしている。更に、本発明は、前記閉止手段が回転装置又は回転装置アダプタを更に備えることを示している。この実施形態は、手で保持される及び/又は手で作動される回転装置と共に特に有用であると共に、本発明の低処理使用に特に適する。従って、閉止手段は、内部通路を封止する手段を提供するのはもちろんのこと、取付手段と共に、物質を均質化するのに必要な方向の力を変換する手段を提供するであろう。
【0022】
好適な実施形態において、前記シャフトは、前記磨砕ヘッドを前記容器の前記内部の底に対して付勢する付勢手段を更に備えている。好ましいのは、前記磨砕ヘッドが前記底の最も近くにあり、粉砕可能物質のサンプルが前記磨砕ヘッドと前記内部の底との間に入ることができ、且つ前記容器に対する前記粉砕機の運動が前記物質のサンプルを粉砕する結果となるように、前記粉砕機は前記容器内に入り込むことができることである。前記粉砕機は、回転運動と前記中心軸線に対して実質的に平行な方向の運動とから選ばれた少なくとも一方向に可動であることが好ましい。
【0023】
ホモジェナイザーは、キャップを更に備えていることが好ましく、この場合、該キャップは、天井部と前記容器の前記上方部に係合できるスカート部とから構成されており、前記天井部は開口を更に含んでいて、該開口は、前記粉砕機の前記シャフトが該開口を通り突き出るのを許容するよう適応している。該キャップは、シャフト係合手段を更に備えることができ、前記シャフトの一部は該シャフト係合手段に係合可能となるのに必要な大きさにされている。好ましいのは、前記シャフト係合手段が前記開口の周囲から延びていることである。更に好ましいのは、前記シャフト係合手段が内部連続側壁から構成されていることである。本発明の代替実施形態において、シャフト係合手段及び/又はシャフトは、潤滑材のような低摩擦係合手段で被覆されているか及び/又は構成されている。
【0024】
前記キャップは、該キャップを前記容器の前記上方部に可逆的に固定する固定手段を備えることができ、該固定手段は好ましくは、押込嵌め式機構、スナップロック式機構、ねじ式装置からなるグループのうちの少なくとも1つから選択されている。本発明の一実施形態において、前記スナップロック式機構は、容器の側壁に配置された補完的なリムと係合するように適合した外側スカート部にある凹部から構成されている。代案として、前記スナップロック式機構は、容器の側壁に配置された補完的な凹部と係合するように適合した外側スカート部にあるリムから構成されている。
【0025】
前記シャフトは、前記開口を通る前記シャフトの運動を制限するための規制手段を備えていてよい。かかる規制手段は、前記シャフトに設けられるカラーの形を取ることができる。これは、容器から開口を経てしぶき又は液体が出てゆくことを制限する付加的な利点を有することができる。代替実施形態において、前記規制手段は、前記シャフトに設けられた肩部から構成されており、該肩部は、前記シャフトの半径内で階段状に変化して画成されている。
【0026】
前記内部連続側壁は、シャフトの横運動の量を制限することも有利である。更に、前記キャップの天井部に対する前記内部連続側壁の高さと前記磨砕ヘッド及び規制手段間の各距離とは、装置が組み立てられるときに前記内部の底と磨砕ヘッドとの間に許容される体積の最大量の変化を考慮に入れて設計者により又は代替実施形態において変えることができる。これら利点の幾つかは、例えば、ねじにより、また内部連続側壁の形を取らないシャフト係合手段により、シャフトの上下に位置決めすることができるカラーのような別の手段によって達成されうることが分かるであろう。
【0027】
好適には、前記ホモジェナイザー、容器、粉砕機又はキャップからなるグループのうちの少なくとも1つは実質的に半透明である。これは、ユーザーが物質のサンプルを検査もしくは目視検分することを可能にする。また、関連部分の視覚特性がどんな希望のスペクトル分析を妨げないようにホモジェナイザーを構成することも可能である。好ましくは、前記ホモジェナイザーは、熱可塑性樹脂又は金属から実質的に構成されると共に、固体又は塑性鋳物又は金属鋳物から好ましくは機械加工されるか、或いは射出成形されている。代案として、前記ホモジェナイザーは、ガラス又はセラミックから実質的に構成される。
【0028】
代替実施形態において、前記ホモジェナイザーの少なくとも一部は、該ホモジェナイザー内での使用を企図された成分と反応するべく選択された反応物質から構成されるか、該反応物質が注入されるか、又は該反応物質で被覆されている。例えば、前記反応物質は、均質化されたサンプル中に検出される可能性のある生体分子に付着するよう適応されうる。また、前記反応物質は、少なくとも1つの抗体種、少なくとも1つの酵素種、少なくとも1つの生体マーカー種(biological marker species)からなるグループから選ぶことができる。
【0029】
前記内部通路から前記ホモジェナイザーを吸引するための手段が設けられていてよい。更に、物質を前記ホモジェナイザー中に供給するための手段が設けられていてよい。代替実施形態において、本発明は更に保持装置を備えることができる。
【0030】
前記容器は更に、前記保持装置と係合可能な位置付け手段を備えていて、該位置付け手段により、前記容器が前記保持装置に対して特定の向きで係合するのを許容するようになっていることが好ましい。前記位置付け手段は、前記上方部の遠位に配置されているのがよい。好ましくは、前記特定の向きは、前記容器の特定領域がグローバル一意識別子のバーコードスキャナー又はリーダーのような識別リーダーに提示されるのを可能にしている。ユーザー又は設計者は、前記識別リーダーを前記保持装置に配置するのが望ましいことが分かるであろう。
【0031】
代替実施形態において、ホモジェナイザーは、更に、回転装置を備えている。この回転装置は、該回転装置が好適にはばねの形の前記係合手段と係合したときに実質的に一定の力を前記粉砕機にもたらす付勢手段を更に備えていることが好ましい。前記回転装置は機械的に又は手動により作動されうる。
【0032】
前記回転装置は更に、前記内部通路から粉砕物質を吸引するための手段を備えることができ、及び/又は物質を前記ホモジェナイザー中に供給する手段を備えることができる。代案として、これら手段のどちらか又は双方は、前記保持装置に又は別個の位置に設けることができる。該保持装置及び回転装置は、別個に又は一体的に形成されていてよい。
【0033】
本発明は、容器を備えるホモジェナイザーとして説明してきたが、本発明はまた、粉砕機を備えたホモジェナイザーであって、前記粉砕機は、(i) 磨砕ヘッドと、(ii) 内部通路を有する、前記磨砕ヘッドに接続された中空シャフトと、(iii) 前記シャフトにある少なくとも1つのポートとを備え、該ポートを介して、粉砕物質が前記シャフトの前記内部通路に流入しうる、ホモジェナイザーも提供している。本発明のこの実施形態は、前から存在する容器又は代替容器と共に効果的に使用されうることが分かるであろう。また、ホモジェナイザーに関連してここに記載された諸特徴及び実施形態は、粉砕機のみの実施形態に同様に適用されることが分かるであろうし、逆の場合も同様である。
【0034】
本発明はまた、ここに実質的に記載されたようなホモジェナイザーを複数備える、又はここに実質的に記載されたようなホモジェナイザーを少なくとも1つ備えると共に、回転装置、回転装置アダプタ、閉止手段、保持装置、容器、キャップ、粉砕機、或いは生体又は反応性被覆からなるグループのうち少なくとも1つを更に備える、物質のサンプルを均質化するためのキットを提供している。
【0035】
本発明は、ここに実質的に記載されたようなホモジェナイザーを使用することを含む、物質のサンプルを均質化する方法であって、(i) 均質化すべきサンプルを、それを内部の底により保持できるように容器の内部内に配置し、
(ii) 磨砕ヘッドが前記サンプルに接触できるようにシャフトを前記内部内に挿入し、(iii) 前記シャフトの上方部が開口を貫いて延びるようにキャップを容器上に配置し、(iv) 係合手段を回転装置と係合させると共に、随意に、選択的に保持装置により前記シャフトに対する前記容器の回転運動を確実に抑止し、(v) 前記容器に対する前記シャフトの運動により前記物質のサンプルを均質化し、(vi) 均質化された物質を前記容器の内部から前記シャフトの内部通路中に少なくとも1つのポートにより除去する、方法も提供する。
【0036】
代替実施形態において、前記シャフトの内部通路における粉砕組織は、吸引により粉砕装置から取り出される。
【0037】
本発明は、また、ここに実質的に記載されたようなホモジェナイザー、均質化のためのキット、又はサンプルを粉砕する方法の使用についても提供している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
装置の好適な実施形態は図1〜図5に記載されている。簡単に言えば、この装置は容器1内に入れ子式に入った粉砕機20と、キャップ10とを備えており、容器は粉砕機20を受け入れるように適応している。容器1は、側壁3と、容器の外部と連通できる上向きに開放した上方部4と、内部の底5とにより画成された内部2により規定されている。
【0039】
図6〜図9は、本発明の粉砕機20を示している。この粉砕機20は、磨砕ヘッド21と、円筒形シャフト22と、中心軸線Aと、突出頂部又は部分26とを有している。該粉砕機20は、単一ユニットとして構成されるのが好ましいが、これは製造上の傾向の問題である。
【0040】
磨砕ヘッド21は、容器1の内部の底5内に受け入れ可能に形成された中実要素である(図2及び図5参照)。磨砕ヘッド21は、内部の底5の形状に実質的に一致する形に作られていて、内部の底5の形状に類似する実質的に平らなディスク形状を有すると共に、概して面と面とを接触した関係でその内側に受け入れられるよう適応している。
【0041】
本発明の代替実施形態において、磨砕ヘッド21の形状は、内部の底5に適応するよう作られており、例えば、該形状は円錐形、切頭円錐形、球状キャップ形、半球状形等から選択しうる。
【0042】
内部の底5に最も近い磨砕ヘッド21の表面は、磨砕研磨表面28の形態のサンプル係合表面から構成されるのが好ましい。この磨砕研磨表面28は、磨砕ヘッド21の表面と一体的に形成されると共に、磨砕ヘッド21の表面上にある多くの突起から構成されている。本発明の代替実施形態は磨砕材表面がなくても機能しうるであろうし、また、磨砕研磨表面28は、表面にあや目引きしたり又は刻み目を入れたり、或いは鉄網状の線又は類似の突起を追加するような他の手段により生成させうることが分かるであろう。代案として、磨砕研磨表面28は粒状物質から構成してもよく、その場合、平均粒径は約36μm〜約1800μmであり、好ましい平均粒径は約425μmである。
【0043】
粉砕機20のシャフト22の周囲29は内部通路23を画成しており、同内部通路において、磨砕ヘッド21がシャフトの閉じた基端を画成している。本実施形態のシャフト22は円筒形であるが、これは本発明の必須の特徴ではないことが分かるであろう。シャフト22は、粉砕機20への上向き開放口もしくは頂部25を画成する上方部もしくは突出部26を有している。この開放口25は、磨砕ヘッド21に対して末端方向にある。
【0044】
図6〜図9を参照すると、シャフト22の磨砕ヘッド21に最も近い粉砕機20の端部に、一連のポート24が配置されている。該ポート24は、磨砕ヘッド21に最も近いシャフトの周囲29に配置されている。ポート24は、均質化されていない又は粉砕されていない物質を容器1の内部2に留めながら均質化された又は粉砕された物質がシャフト22の内部通路23に通過して入るのに必要な大きさにされている。従って、使用時に、装置は、容器1の内部2からポート24及び内部23を経由してシャフト22の開放口25を出るよう均質化された又は粉砕された物質を送っている。一実施形態において、均質化された又は粉砕された物質は吸引により取り出される。
【0045】
本実施形態は一連のポート24を備えるものとして示されているが、他の実施形態では単一のポートを有していても、或いはシャフト22を取り巻く種々の配列で種々の形状及び寸法の複数のポートを有していてもよいことが分かるであろう。これらのポートは、例えば、所望の大きさの塵芥がポートを通過するのを可能にするのに必要な大きさにすることができる。更に、本発明の代替実施形態において、該ポートは、例えばシャフト22内で回転又は上昇できる円筒形の内側シャフトにより、可逆的に閉じることができる。該ポートは最終用途のニーズに適応するよう配列されることができ、例えば、該ポートは、粉砕された物質の特定部分、例えば脂質に含まれる部分、水性部分と比較して有機又はフェノール基剤の部分等の除去を容易にするため、シャフト22の垂直長さの規定されたレベルに配置することができる。
【0046】
図16〜図20は、容器4の上方部と係合できるキャップ10を示している。このキャップは、同軸状の内部連続側壁12の形の、シャフト係合手段に接続された外壁もしくはスカート部14を有する、一端で開放したほぼ管状の本体部33を備えており、この内部連続側壁は、外壁もしくはスカート部14から半径方向の内側に離間していると共に、天井部15により本体部の他端に又はその近くに接続されている。当業者により理解されるように、この内部連続側壁12の存在は装置の機能に必要なことではないが、シャフト22の横方向運動に抗する安定作用をもたらす。
【0047】
この内部連続側壁12は、外壁もしくはスカート部14に比較して減少した長さのものである。内部連続側壁12は開口11を画成している。開口11に最も近い内部連続側壁12の側面は、低摩擦表面で被覆されるか及び/又は低摩擦表面で構成されることができ、該低摩擦表面は、粉砕機20に係合したときに粉砕機20の円筒形シャフト22間にぴったり閉まったシールを提供すると同時に、粉砕機20の円筒形シャフト22が急速に回転するときに(図2及び図5参照)摩擦を減少させる。
【0048】
図2及び図5に示した実施形態において、キャップ10及び容器1は、押込み式且つスナップロック式装置を用いて結合する。このスナップロック式装置は、キャップ10の外壁もしくはスカート部14の内側面上に配置された環状凹部13を含んでおり、この環状凹部は、内部の底5に対して遠位にある容器1の部分の外側面上に設けられた補完形状の環状リム9と取外し自在に組み合っている。
【0049】
代替実施形態において、キャップは、少なくとも1つのねじ山或いは環状リム又は凹部を有するネック部を備えており、そこでキャップ10及び容器1がねじ山及びねじ装置を介して組み合っている。
【0050】
図1〜図5を参照すると、本発明の好適な実施形態が記載されており、該実施形態では、粉砕機20がキャップ10の開口11によりぴったり受け入れられるように、シャフト22の突出部の周囲長がキャップ10の開口11の周囲長よりも若干小さくなっている。円筒形のシャフト22は更に、ディスク形状のカラー27の形をした制限手段を備えている。図2〜図5を参照すると、キャップ10が粉砕機20を原位置のままにして容器1と係合するときに、カラー27は、内部連続側壁12に係合すると共に、開口11から現われうるシャフトの量を制限する。カラー27は、均質化中に開口を介してエーロゾル及び塵芥が出てゆくことを制限する付加的な利点を有している。
【0051】
図21〜図24は、シャフト22の突出部26の半径がシャフト22の半径よりも小さいように制限手段が肩部27aの形を取っている別の実施形態を示している。この実施形態において、粉砕機20の頂部又は突出部26の環状リム27aは、キャップ10の環状端壁部15から最も遠位にある内部連続側壁12の部分によりぴったり受けられるようになっている。
【0052】
図1〜図5及び図21〜図25を参照すると、粉砕機20がキャップ10に係合するときに、粉砕機20の係合手段201は装置の外部にアクセスすることができる。粉砕機の突出部26は容器1の内部を越えて突き出ていてよい。一実施形態において、係合手段201は、180°の2つのらせん部を形成するのに必要な大きさにされており、磨砕ヘッド21から最も遠くにある各らせん部の端は円筒形シャフト22の周囲に関し180°だけ他の端から離されている。各らせん部の最上端は、図6〜図9に記載のように、鈍くなっている。これは、粉砕機20が使用者を負傷させる危険をもたらすのはもちろんのこと粉砕機の保管又は搬送パッケージを損傷する可能性のある鋭く尖った先を形成することを防止している。
【0053】
容器1について図10〜図15を参照して説明すると、該容器1は、側壁3と、上向きに開放した頂部31を有する上方部4と、内部の底5とにより画成された内部2を有している。容器1は、サンプルが十分に均質化されたことをオペレータが目視検査により確認できるように、ポリウレタンのような透明なプラスチック材料から形成されていることが好ましい。特に、側壁3は、該壁の内側及び外側の双方に磨き仕上げをしていることが好ましい。
【0054】
内部の底面5は、受取り研磨表面6の形のサンプル係合表面で形成されている。受取り研磨表面6は、内部の底面5と一体的に形成されると共に、内部の底面5上にある多くの突出部から構成されている。本発明の代替実施形態は、受取り研磨表面6なしでも機能しうるし、また、受取り研磨表面6は、表面にあや目引きしたり又は刻み目を入れたり、或いは鉄網状の線又は類似の凹みもしくは突起を追加するような他の手段により生成させうることが分かるであろう。
【0055】
内部の底5は、容器1の中心軸線32に対して実質的に垂直であって、粉砕機20の磨砕ヘッド21に平らな表面を与えていることが好ましい。本願発明の別の代替実施形態において、内部の底5は、例えば、円錐形状にしたり、切頭円錐形状にしたり、球面カップ形状にしたり、半球形状にしたりするなど、磨砕ヘッド21の形状に適応するような形状にされている。
【0056】
一部の実施形態において、外部側壁3にある領域100は、容器、従って、容器の内容物の識別を助けるために独自のマークの印刷を容易にするべく放電加工仕上げを施されていてよい。このようなマークは、バーコード、グローバル一意識別子(GUID)等が適当である。
【0057】
容器1の基部は、該基部の外側周囲を規定する円形下部連続側壁34により画成されている。内部の底5は、内部2を容器1の基部取付部7から隔離する機能を果している。
【0058】
円形下部連続側壁34は、内部の底5により内側側壁もしくはスカート部8に接続されている。この内側側壁8は、円形連続側壁3から半径方向内側に離れて置かれている。内側側壁8は、容器の軸線とほぼ同心である。代替実施形態において、ノッチの形の案内手段が内側側壁8に設けることができる。内側側壁8はまた、案内リング36の形の固定手段と接触して形成されている。該案内リング36は、同案内リング36を規定する円の中心が中心軸線32とは異なっており且つそれから分離するように、内側側壁8の周囲と重複可能に交差する円形壁である。
【0059】
本発明の代替実施形態において、内側側壁8は、円形連続側壁3と比較して減少した長さのものである。更なる実施形態において、内側側壁8は楕円内の2つの点を接続する内側側壁から構成される。
【0060】
容器1の基部にある、内側側壁8と円形連続側壁3に関連した案内リング36との設備が提供する手段により、装置は、均質化プロセス中に保持装置内に安定的に装着されうる。これはまた、容器がバーコードスキャナー等のような装置に対して固定位置に配置されることを許容する。
【0061】
装置及び/又はその構成部材は、例えば熱可塑性樹脂であるプラスチックから射出成形されるのが好ましいが、例えば、種々の金属、セラミック及びガラスを含む広範囲の他の材料が適することが分かるであろう。
【0062】
一般に、ある種の生体組織及び構成成分はポリスチレンにくっつくことが知られているので、装置をポリスチレンから造ることは好ましくないかも知れない。しかしながら、特定の用途の場合、本発明の一部の実施形態は、例えば抗体又は酵素等の特定の生体物質に付着もしくは反応するよう特別に設計された材料で装置の諸部分を構成もしくは被覆せしめうることが分かるであろう。更に、被覆は、サンプル又は粉砕された物質と接触する可能性のある装置のどの部分にも施すことができる。
【0063】
図26は本発明の更なる実施形態を示しており、この実施形態では、係合手段201が接続手段202も備えていて、回転手段203又は図27に例示した栓状部204のような閉止手段のどちらかへの粉砕機20の接続を助けている。回転手段203は、各実施形態における粉砕機20の係合手段201と取外し自在に係合しうる(図25)。回転手段203は、機械的に駆動されるか又は手動で作動されることができる。
【0064】
磨砕ヘッド21に加えられる下向きの力及び回転の力の組合せは、磨砕ヘッド21と容器の内部の底5との間で組織サンプルを摩砕及び/又は粉砕するのに役立つ。
【0065】
サンプルの均質化中、装置の使用毎に同程度の均質性を確実にもたらすような一貫性のある方法で粉砕機20の磨砕ヘッド21が内部の底5の受取り磨砕表面6から所定距離のところに置かれるように、付勢手段を円筒形シャフト22及び/又はキャップ10に組み込むか或いは合体させることができる。
【0066】
使用に際して、装置は、“磨砕構造”と説明することのできるものの中に置かれる、即ち、例えば中枢神経系組織である組織のサンプルは、内部の底5上で容器1の内部2に配置される。次いで粉砕機20は、該粉砕機20が内部の底5に受けられ且つそこから組織のサンプルにより離間された状態で、容器1の内部2中に配置される。しかる後、キャップ20が内部の底5から遠位にある容器の側壁3上に置かれる。このキャップ10は、スナップロック式又はねじ式装置のような締結機構を介して、容器1と係合される。
【0067】
装置は次に回転手段に装着されるか又は接続されることができ、その場合、容器の基部取付部7及び粉砕機の突出部26がそれぞれ支持及び回転手段と係合する。
【0068】
こうして装置を磨砕構造に配置すると、サンプルは、実質的に液体の形に均質化もしくは粉砕されるので、サンプルのかなりの割合がポート24を経て内部通路23に入ることができ、そこで装置からのサンプルの後吸引が起こりうる。
【0069】
回転手段が機械的に動力を供給される場合、シャフト22の回転の速度は液体がポート24を経て粉砕機20の内部通路23に入るのを防止するのに遠心力を発生させることができる。
【0070】
別個の諸実施形態との関連で明確にするために記載されている本発明の特定の諸特徴は、単一実施形態において組み合わせて設けられることができることが分かる。逆に、単一実施形態との関連で略して記載されている本発明の種々の特徴は、別々に又は任意の適当な副結合で設けられることもできる。
【0071】
本発明に関連してここで用いられている用語“構成されている/備える”及び用語“含む/包含する”は、規定された特徴、完全体、ステップ又は構成要素の存在を明確にするため使用されており、1つ以上の他の特徴、完全体、ステップ、構成要素又はそれらのグループの存在又は付加を妨げるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明の粉砕装置の一実施形態の側面図である。
【図2】粉砕機をキャップのある容器に入れて示す、本発明に従った粉砕装置の実施形態の側面断面図である。
【図3】粉砕機をキャップのある容器に入れた状態の粉砕装置の上からの斜視図である。
【図4】粉砕機をキャップのある容器に入れた状態の粉砕装置の下からの斜視図である。
【図5】本発明の粉砕装置の上からの斜視断面図である。
【図6】本発明の好適な実施形態の粉砕機の側面図である。
【図7】粉砕機の上からの斜視断面図である。
【図8】粉砕機の下からの斜視図である。
【図9】粉砕機の上からの斜視図である。
【図10】容器の上からの斜視図である。
【図11】容器の側面からの断面図である。
【図12】容器の上からの斜視断面図である。
【図13】容器の底面図である。
【図14】容器の上からの斜視図である。
【図15】容器の下からの斜視図である。
【図16】キャップの上からの斜視断面図である。
【図17】キャップの側面からの断面図である。
【図18】キャップの下からの斜視図である。
【図19】キャップの下からの斜視図である。
【図20】キャップの上からの斜視図である。
【図21】粉砕機をキャップのある容器に入れて示す、粉砕装置の代替実施形態の側面断面図である。
【図22】粉砕機の代替実施形態の側面からの断面図である。
【図23】粉砕機の代替実施形態の下からの斜視図である。
【図24】粉砕機の代替実施形態の上からの斜視図である。
【図25】回転手段と係合して、容器及びキャップと組み合わせられた、粉砕機の側面図である。
【図26】粉砕機の代替実施形態の側面からの斜視図であり、接続手段を示している。
【図27】閉止手段の斜視図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器(1)及び粉砕機(20)を備えた、物質のサンプルを粉砕するためのホモジェナイザーであって、
前記容器(1)は、側壁(3)と、前記容器の外部と連絡しうる上向きに開放した頂部を有する上方部(4)と、内部の底(5)とを備えており、
前記粉砕機(20)は、
(i) 内部通路(23)を画成する、前記容器内に配置可能の中空シャフト(22)と、
(i) 前記シャフト(22)の一端に設けられた磨砕ヘッド(21)と、
(ii) 前記シャフト(22)にある少なくとも1つのポート(24)とを備えており、該ポートを介して、粉砕された物質が前記シャフト(22)の前記内部通路(23)に流入しうる、ホモジェナイザー。
【請求項2】
前記磨砕ヘッド(21)は少なくとも1つのブレードを備えている、請求項1に記載のホモジェナイザー。
【請求項3】
前記磨砕ヘッド(21)は前記内部の底(5)の形状を補完する形状にされており、その場合、好ましくは該形状は、実質的に平ら、実質的に円錐形、実質的に切頭円錐形、実質的に半球形及び実質的に球形キャップの形状からなるグループから選択されている、請求項1又は2に記載のホモジェナイザー。
【請求項4】
前記内部の底(5)及び前記磨砕ヘッド(21)はそれぞれサンプル係合表面を備えている、請求項1〜3のいずれか1項に記載のホモジェナイザー。
【請求項5】
前記サンプル係合表面の少なくとも1つは実質的に平坦である、請求項4に記載のホモジェナイザー。
【請求項6】
前記サンプル係合表面の少なくとも1つは研磨表面であり、その場合、好ましくは該研磨表面は、突起、ふるい、凹み、あや目引き又は埋込み粒子からなるグループから選択した少なくとも1つの研磨特徴を備えている、請求項4又は5に記載のホモジェナイザー。
【請求項7】
少なくとも1つの前記研磨表面は、前記磨砕ヘッド(21)又は前記内部の底(5)の少なくとも一方と一体的に形成されている、請求項6に記載のホモジェナイザー。
【請求項8】
少なくとも1つの前記研磨表面は、前記磨砕ヘッド(21)又は前記内部の底(5)の少なくとも一方と別個に形成されている、請求項6に記載のホモジェナイザー。
【請求項9】
前記ポート(24)は、粉砕された物質のみが前記容器(1)から前記シャフト(22)の前記内部通路(23)に流入するのに必要な大きさにされている、請求項1〜8のいずれか1項に記載のホモジェナイザー。
【請求項10】
前記ポート(24)は、前記シャフト(22)に形成されたスリットから構成されている、請求項1〜9のいずれか1項に記載のホモジェナイザー。
【請求項11】
前記ポート(24)は、前記磨砕ヘッド(21)に最も近くで前記シャフト(22)に配置されている、請求項1〜10のいずれか1項に記載のホモジェナイザー。
【請求項12】
前記シャフト(22)に複数のポート(24)が設けられている、請求項1〜11のいずれか1項に記載のホモジェナイザー。
【請求項13】
前記少なくとも1つのポート(24)を可逆的に閉止するための手段が設けられている、請求項1〜12のいずれか1項に記載のホモジェナイザー。
【請求項14】
前記少なくとも1つのポート(24)は、装置が異なる密度勾配により規定される少なくとも2つの層に分けられる確定体積の溶液と組み合わせて使用されるときに、前記少なくとも1つのポートの位置付けにより前記層のうちの少なくとも1つが前記内部スペース(23)中に出てゆくことが許容されると共に、前記層のうちの少なくとも1つが前記内部スペース(23)中に出てゆくのを防止することが許容されるように、前記シャフト(22)に配置されている、請求項1〜13のいずれか1項に記載のホモジェナイザー。
【請求項15】
前記シャフト(26)の上方部は係合手段(201)を備えており、該係合手段は、前記シャフト(22)を回転装置(203)、又は回転装置アダプタ、又は閉止手段(204)と取外し自在に係合させる手段を提供している、請求項1〜14のいずれか1項に記載のホモジェナイザー。
【請求項16】
前記係合手段(201)は前記シャフト(26)の前記上方部にある少なくとも1つの溝、突起又は凹みから構成されている、請求項15に記載のホモジェナイザー。
【請求項17】
前記係合手段(201)は、前記回転装置(203)、又は前記回転装置アダプタ、又は前記閉止手段(204)の形状を補完する形に作られている、請求項15又は16に記載のホモジェナイザー。
【請求項18】
前記係合手段(201)は、一対の180°のらせん部から構成されており、前記磨砕ヘッド(21)から最も遠くにある各らせん部の端は前記シャフト(22)の周囲(29)の半分だけ他のらせん部の端から離されている、請求項15〜17のいずれか1項に記載のホモジェナイザー。
【請求項19】
前記回転装置(203)、又は前記回転装置アダプタ、又は前記閉止手段(204)との前記係合手段(201)の係合により、少なくとも一方向への前記回転装置(203)、又は前記回転装置アダプタ、又は前記閉止手段(204)の運動が同じ少なくとも一方向への前記シャフト(22)の運動に変換される、請求項15〜18のいずれか1項に記載のホモジェナイザー。
【請求項20】
前記方向は前記シャフト(22)の中心軸線(A)を中心とする回転方向である、請求項19に記載のホモジェナイザー。
【請求項21】
前記係合手段(201)は、前記回転装置(203)、又は前記回転装置アダプタ、又は前記閉止手段(204)への前記シャフト(22)の可逆の且つ確実な接続を可能とする接続手段(202)を更に備えている、請求項15〜20のいずれか1項に記載のホモジェナイザー。
【請求項22】
前記接続手段(202)は、少なくとも2方向の1つへの前記回転装置(203)、又は前記回転装置アダプタ、又は前記閉止手段(204)の運動が同じ方向への前記シャフト(22)の運動に変換されるよう前記回転装置(203)、又は前記回転装置アダプタ、又は前記閉止手段(204)と係合すべく適応した溝、突起又は凹みから構成されている、請求項21に記載のホモジェナイザー。
【請求項23】
前記少なくとも2方向の第1は前記シャフト(22)を中心とする回転であり、前記少なくとも2方向の第2は前記シャフト(22)の軸線に実質的に平行である、請求項22に記載のホモジェナイザー。
【請求項24】
前記閉止手段(204)は、前記係合手段(201)に確実に且つ可逆に係合しうるよう適応されていると共に、そこに実質的に水密のシールをもたらしている、請求項15〜23のいずれか1項に記載のホモジェナイザー。
【請求項25】
前記閉止手段(204)は回転装置(203)又は回転装置アダプタを更に備える、請求項15〜24のいずれか1項に記載のホモジェナイザー。
【請求項26】
前記シャフト(22)は、前記磨砕ヘッド(21)を前記容器(1)の前記内部の底(5)に対して付勢する付勢手段を更に備えている、請求項1〜25のいずれか1項に記載のホモジェナイザー。
【請求項27】
前記磨砕ヘッド(21)が前記底(5)の最も近くにあり、粉砕可能物質のサンプルが前記磨砕ヘッド(21)と前記内部の底(5)との間に入ることができ、且つ前記容器に対する前記粉砕機(20)の運動が前記物質のサンプルを粉砕する結果となるように、前記粉砕機(20)は前記容器(1)内に入り込むことができる、請求項1〜26のいずれか1項に記載のホモジェナイザー。
【請求項28】
前記粉砕機(20)は、回転運動と前記中心軸線(A)に対して実質的に平行な方向の運動とから選ばれた少なくとも1方向に可動である、請求項27に記載のホモジェナイザー。
【請求項29】
キャップ(10)を更に備えており、該キャップ(10)は、天井部(15)と前記容器(4)の前記上方部に係合できるスカート部(14)とから構成されており、前記天井部(15)は開口(11)を更に含んでいて、該開口は、前記粉砕機(20)の前記シャフト(22)が該開口(11)を通り突き出るのを許容するよう適応している、請求項1〜28のいずれか1項に記載のホモジェナイザー。
【請求項30】
シャフト係合手段を更に備えており、前記シャフト(22)の一部は該シャフト係合手段に係合可能となるのに必要な大きさにされている、請求項29に記載のホモジェナイザー。
【請求項31】
前記シャフト係合手段は前記開口(11)の周囲から延びている、請求項30に記載のホモジェナイザー。
【請求項32】
前記シャフト係合手段は内部連続側壁(12)から構成されている、請求項30又は31に記載のホモジェナイザー。
【請求項33】
前記キャップ(10)は、該キャップを前記容器の前記上方部に可逆的に固定する固定手段を備えており、該固定手段は好ましくは、押込嵌め式機構、スナップロック式機構、ねじ式装置からなるグループのうちの少なくとも1つから選択されている、請求項29〜32のいずれか1項に記載のホモジェナイザー。
【請求項34】
前記シャフト(22)は、前記開口(11)を通る該シャフト(22)の運動を制限するための規制手段を備えている、請求項29〜33のいずれか1項に記載のホモジェナイザー。
【請求項35】
前記規制手段は、前記シャフト(22)に設けられたカラー(27)から構成されている、請求項34に記載のホモジェナイザー。
【請求項36】
前記規制手段は、前記シャフト(22)に設けられた肩部(27)から構成されており、該肩部は、前記シャフト(22)の半径内で階段状に変化して画成されている、請求項34に記載のホモジェナイザー。
【請求項37】
前記ホモジェナイザー、容器(1)、粉砕機(20)又はキャップ(10)からなるグループのうちの少なくとも1つは実質的に半透明である、請求項1〜36のいずれか1項に記載のホモジェナイザー。
【請求項38】
前記ホモジェナイザーは、熱可塑性樹脂又は金属から実質的に構成されると共に、固体又は塑性鋳物又は金属鋳物から好ましくは機械加工されるか、或いは射出成形される、請求項1〜37のいずれか1項に記載のホモジェナイザー。
【請求項39】
前記ホモジェナイザーは、ガラス又はセラミックから実質的に構成される、請求項1〜37のいずれか1項に記載のホモジェナイザー。
【請求項40】
前記ホモジェナイザーの少なくとも一部は、該ホモジェナイザー内での使用を企図された成分と反応するべく選択された反応物質から構成されるか、該反応物質が注入されるか、又は該反応物質で被覆されている、請求項1〜39のいずれか1項に記載のホモジェナイザー。
【請求項41】
前記反応物質は、均質化されたサンプル中に検出される可能性のある生体分子に付着するよう適応されている、請求項40に記載のホモジェナイザー。
【請求項42】
前記反応物質は、少なくとも1つの抗体種、少なくとも1つの酵素種、少なくとも1つの生体マーカー種(biological marker species)からなるグループから選ばれている、請求項40又は41に記載のホモジェナイザー。
【請求項43】
前記内部通路(23)から前記ホモジェナイザーを吸引するための手段を更に備える、請求項1〜42のいずれか1項に記載のホモジェナイザー。
【請求項44】
物質を前記ホモジェナイザー中に供給するための手段を更に備える、請求項1〜43のいずれか1項に記載のホモジェナイザー。
【請求項45】
保持装置を更に備える、請求項1〜44のいずれか1項に記載のホモジェナイザー。
【請求項46】
前記容器は更に、前記保持装置と係合可能な位置付け手段を備えていて、該位置付け手段により、前記容器(1)が前記保持装置に対して特定の向きで係合するのを許容するようになっている、請求項45に記載のホモジェナイザー。
【請求項47】
前記位置付け手段は前記上方部(4)の遠位に配置されている、請求項46に記載のホモジェナイザー。
【請求項48】
前記特定の向きにより前記容器(1)の特定領域(100)が識別リーダーに示されるのを可能にしている、請求項47に記載のホモジェナイザー。
【請求項49】
前記識別リーダーは前記保持装置に配置されている、請求項48に記載のホモジェナイザー。
【請求項50】
前記識別リーダーは、グローバル一意識別子のバーコードスキャナー又はリーダーである、請求項48又は49に記載のホモジェナイザー。
【請求項51】
回転装置を更に備える、請求項1〜50のいずれか1項に記載のホモジェナイザー。
【請求項52】
前記回転装置は更に、該回転装置が好適にはばねの形の前記係合手段と係合したときに、実質的に一定の力を前記粉砕機(22)にもたらす付勢手段を備えている、請求項55に記載のホモジェナイザー。
【請求項53】
前記回転装置は機械的に又は手動により作動されうる、請求項51又は52に記載のホモジェナイザー。
【請求項54】
前記回転装置更に、前記内部通路(23)から粉砕物質を吸引するための手段を備えている、請求項51〜53のいずれか1項に記載のホモジェナイザー。
【請求項55】
前記回転装置更に、物質を前記ホモジェナイザー中に供給する手段を備えている、請求項51〜54のいずれか1項に記載のホモジェナイザー。
【請求項56】
前記保持装置及び回転装置は一体的に形成されている、請求項45〜55のいずれか1項に記載のホモジェナイザー。
【請求項57】
粉砕機(20)を備えた、物質のサンプルを均質化するためのホモジェナイザーであって、前記粉砕機(20)は、
(i) 磨砕ヘッド(21)と、
(ii) 内部通路(23)を有する、前記磨砕ヘッド(21)に接続された中空シャフト(22)と、
(iii) 前記シャフト(22)にある少なくとも1つのポート(24)とを備え、該ポートを介して、粉砕された物質が前記シャフト(22)の前記内部通路(23)に流入しうる、ホモジェナイザー。
【請求項58】
請求項1〜57のいずれか1項に実質的に記載されたようなホモジェナイザーを複数備える、物質のサンプルを均質化するためのキット。
【請求項59】
請求項1〜57のいずれか1項に実質的に記載されたようなホモジェナイザーを少なくとも1つ備えると共に、回転装置、回転装置アダプタ、閉止手段又は保持装置からなるグループのうち少なくとも1つを更に備える、物質のサンプルを均質化するためのキット。
【請求項60】
請求項1〜57のいずれか1項に実質的に記載されたようなホモジェナイザーを使用することを含む、物質のサンプルを均質化する方法であって、
(i) 均質化すべきサンプルを、それを内部の底(5)により保持できるように容器の内部(2)内に配置し、
(ii) 磨砕ヘッドが前記サンプルに接触できるようにシャフト(20)を前記内部(2)内に挿入し、
(iii) 前記シャフト(22)の上方部(26)が開口(11)を貫いて延びるようにキャップ(10)を容器(1)上に配置し、
(iv) 係合手段(201)を回転装置と係合させると共に、選択的に保持装置により前記シャフト(22)に対する前記容器(1)の回転運動を随意に確実に抑止し、
(v) 前記容器(1)に対する前記シャフト(22)の運動により前記物質のサンプルを均質化し、
(vi) 均質化された物質を前記容器(1)の内部から前記シャフト(22)の内部スペース(23)中に少なくとも1つのポート(24)により除去する、方法。
【請求項61】
前記シャフト(22)の内部スペース(23)における粉砕組織を吸引により粉砕装置から取り出す、請求項60に記載の方法。
【請求項62】
請求項1〜61のいずれか1項に実質的に記載されたようなホモジェナイザー、均質化のためのキット、又はサンプルを粉砕する方法の使用。
【請求項63】
添付図面に関連してここに実質的に記載したような、物質を均質化するためのホモジェナイザー。
【請求項64】
添付図面に関連してここに実質的に記載したような、物質を均質化するための方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公表番号】特表2007−511759(P2007−511759A)
【公表日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−539066(P2006−539066)
【出願日】平成16年11月8日(2004.11.8)
【国際出願番号】PCT/IE2004/000152
【国際公開番号】WO2005/047866
【国際公開日】平成17年5月26日(2005.5.26)
【出願人】(506139277)エンファー・テクノロジー (1)
【Fターム(参考)】