説明

サーバ、サーバユニット、デバイスユニット、サーバユニットの制御方法、及びデバイスユニットの制御方法

【課題】装置内でユニット間に予め配線されるシリアル伝送路の柔軟な利用を可能にする。
【解決手段】サーバユニットは、サーバユニットにインターフェースカードが増設されたならば、増設されたインターフェースカードのハードウェア規格に基づいてインターフェースカードが通信に使用するシリアル伝送路の本数を取得し、複数のシリアル伝送路のうち、取得した本数のシリアル伝送路を該インターフェースカードに内部接続し、内部接続したインターフェースカード及びシリアル伝送路該デバイスユニットに通知し、デバイスユニットは、サーバユニットにより通知されたシリアル伝送路に、複数の通信デバイスのうち、サーバユニットにより通知されたインターフェースカードと通信するための通信デバイスを内部接続する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シリアル伝送路を介してユニット間でデータを伝送する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
サーバや周辺装置といったデバイスをコンパクトにユニット化してラックに収納する形態の高密度サーバが用いられている。サーバの機能を備えたユニットはサーバユニットと呼ばれる。また、以下、周辺装置の機能を備えたユニットをデバイスユニットと称する。サーバユニットおよびデバイスユニットを収納するラックは、収納ユニットや収納ケースとも呼ばれる。
【0003】
デバイスユニットには、通信パケットをスイッチングする機能を備えたスイッチユニットや、データを格納する機能を備えたストレージユニットなどがある。サーバユニットやデバイスユニットの形状は一般に平板型である。
【0004】
この種のサーバではサーバ装置および周辺装置が1つのラックに集約されるので高密度化が可能である。またオプションの追加により、システム規模を拡大することができる。
【0005】
収納ユニットの内部には、サーバユニットやデバイスユニットなどの各ユニットを挿入するためのシャーシが複数設けられている。
【0006】
収納ユニットの内部でサーバユニット用のシャーシとデバイスユニット用のシャーシとの間には予め複数のシリアル伝送路が配線されている。ユーザが、これらのシャーシに各ユニットを挿入するだけで、サーバユニットとデバイスユニットとがシリアル伝送路で接続された状態となる。
【0007】
スイッチユニットを設けると、サーバユニットは、オンボードのネットワークコントローラを使用して、スイッチユニットを介して収納ユニット外部の通信機器と通信を行うことができる。
【0008】
スイッチユニットには複数の通信ポートが備えられている。またサーバユニットにはオンボードのネットワークコントローラの他にオプションのインターフェースカードを追加することができる。サーバユニットにオプションのインターフェースカードを追加することにより、使用するユイッチユニットの通信ポートを増やすことができる。
【0009】
図12に収納ユニットにサーバユニットやデバイスユニットを収納する構成のブロック図を示す。この情報処理装置は、サーバユニット201と、デバイスユニット221とを収納している。
【0010】
図12を参照すると、サーバユニット201には、サーバユニット201をデバイスユニット221に接続するためのインターフェースであるシリアル接続部204および205が搭載されている。サーバユニット201には、複数のスロット(不図示)が設けられており、それらのスロットにオプションインターフェースカードを装着することができる。
【0011】
図12では、オプションインターフェースカード202および203がそれぞれ、2つのスロットに装着されている。各スロットへの各カードの装着により、オプションインターフェースカード202とシリアル接続部204とが接続される。そして、オプションインターフェースカード203とシリアル接続部205とが接続される。
【0012】
デバイスユニット221には、接続デバイス224および225が設けられている。接続デバイス224および225は、それぞれが準拠する通信規格に従って、サーバユニット201と他の通信機器と間の通信を制御する通信モジュールである。そして、デバイスユニット221には、接続デバイス224および225のそれぞれをサーバユニット201に接続するためのインターフェースであるシリアル接続部222および225が設けられている。
【0013】
サーバユニット201のシリアル接続部204とデバイスユニット221のシリアル接続部222との間には、予め規定された数(例えば、4本)のシリアル伝送路が配線されている。この、シリアル接続部204とシリアル接続部221との間のシリアル伝送路の数は、オプションも含めて予め想定される通信規格に対応することができるような数に設定されている。同様に、シリアル接続部205とシリアル接続部223との間にも規定の数のシリアル伝送路が配線されている。オプションインターフェースカードが装着されると、サーバユニット201は、これらのシリアル伝送路を介して、接続デバイスとの間でデータ伝送を行うことができる。
【0014】
このような構成を採用することにより、ユーザは所望の通信規格に準拠したオプションインターフェースカードを装着するだけで容易にサーバユニットの機能を拡張できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】特開平6−197144号公報
【特許文献2】特開平8−23429号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
しかし、図12に記載された情報処理装置では、ユニット間のシリアル伝送路をサーバユニットやデバイスユニットの構成に応じて柔軟に活用することができない。
【0017】
前述したように、収納ユニット内部のシャーシ間に規定数のシリアル伝送路が予め配線されているので、ユーザは、オプションインターフェースカードの増設時にも、ユニット間の配線を行う必要はない。ところが、オプションインターフェースカードが準拠する規格の種類によって使用するシリアル伝送路の本数が異なることがある。そのため、装着されたオプションインターフェースカードによっては、予め配線されているシリアル伝送路のうち一部が使用されず、無駄が生じる場合があった。
【0018】
限られた数の通信路を効率良く利用して通信を行うものとして、特許文献1に記載された通信機器は、トランザクションが発生するたびに、優先度の高いトランザクションから順に、空いている通信路を割り当てている。トランザクションの数に応じた数だけの通信路を通信機器が使用するので、常に全ての通信路を使用する場合と比較して通信路を有効に利用することができる。
【0019】
特許文献2に記載されたコントローラは、プリンタのデータ処理能力に応じて、配線されたデータ通信路のうち、プリンタとの間のデータ伝送に使用する本数を変化させている。プリンタの性能に応じた数だけのデータ通信路をコントローラが使用するので、プリンタの性能に関わらず使用する本数を固定する場合と比較してデータ通信路を有効に利用することができる。
【0020】
しかし、特許文献1、2に記載された技術は予め配線されている通信路を有効に利用しようとするものであり、使用されない通信路を削減するものではない。そのため、上述したような、ユニット化によって高密度化された情報処理装置の内部に予め配線されるシリアル伝送路の無駄を低減することには寄与しない。
【0021】
また、図12に記載された装置では、当初から想定されていた規格とは異なる新しいハードウェア規格のデバイスユニットをサーバユニット201に接続したいという要求が生じ得る。しかし、そのハードウェア規格で必要なシリアル伝送路の本数が規定の本数より多いと、その規格に対応するオプションインターフェースカードを増設できない。このように図12に示した構成では、サーバユニットに増設可能なオプションインターフェースカードの種類が限られるので、サーバユニットに接続可能なデバイスユニット(周辺装置)の種類も限られてしまう。
【0022】
このように、ユニット間で予め配線済のシリアル伝送路が柔軟に利用されていないという問題があった。
【0023】
本発明は、装置内でユニット間に予め配線されるシリアル伝送路の柔軟な利用を可能にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0024】
上記目的を達成するために、本発明のサーバは、インターフェースカードを増設可能なサーバ装置であって、通信デバイスを利用してサーバとしての通信を行うサーバ装置をユニット化したサーバユニットと、前記サーバユニットが利用する複数の通信デバイスを備えた装置をユニット化したデバイスユニットと、前記サーバユニットと前記デバイスユニットが収納される収納ユニット内で、装着された前記サーバユニットと、装着された前記デバイスユニットとが接続されるように、予め配線された複数のシリアル伝送路とを有し、前記サーバユニットは、該サーバユニットに前記インターフェースカードが装着されたならば、装着された該インターフェースカードのハードウェア規格を取得し、該ハードウェア規格に基づいて該インターフェースカードが通信に使用するシリアル伝送路の本数を取得し、前記収納ユニット内に予め配線されている前記複数のシリアル伝送路のうち、取得した本数のシリアル伝送路を該インターフェースカードに内部接続し、内部接続した該インターフェースカード及び該シリアル伝送路を示す接続情報を該デバイスユニットに送信し、前記デバイスユニットは、前記サーバユニットから前記接続情報を受けると、自身の前記複数の通信デバイスから、前記接続情報の示す前記インターフェースカードと対応する通信デバイスを、前記接続情報の示す前記シリアル伝送路に内部接続する、サーバである。
【0025】
本発明のサーバユニットは、インターフェースカードを増設可能なサーバ装置であって、通信デバイスを利用してサーバとしての通信を行うサーバ装置をユニット化したサーバユニットと、前記サーバユニットが利用する複数の通信デバイスを備えた装置をユニット化したデバイスユニットと、前記サーバユニットと前記デバイスユニットが収納される収納ユニット内で、装着された前記サーバユニットと、装着された前記デバイスユニットとが接続されるように、予め配線された複数のシリアル伝送路とを有するサーバに収納されるサーバユニットであって、前記サーバユニットに前記インターフェースカードが装着されたならば、装着された該インターフェースカードのハードウェア規格を取得し、該ハードウェア規格に基づいて該インターフェースカードが通信に使用するシリアル伝送路の本数を取得する伝送路本数取得手段と、前記収納ユニット内に予め配線されている前記複数のシリアル伝送路のうち、前記伝送路本数取得手段により取得された本数のシリアル伝送路を前記インターフェースカードに内部接続する第1の接続手段と、前記第1の接続手段により内部接続された前記インターフェースカード及び前記シリアル伝送路を示す接続情報を該デバイスユニットに送信する送信手段と、を有するサーバユニットである。
【0026】
本発明のデバイスユニットは、インターフェースカードを増設可能なサーバ装置であって、通信デバイスを利用してサーバとしての通信を行うサーバ装置をユニット化したサーバユニットと、前記サーバユニットが利用する複数の通信デバイスを備えた装置をユニット化したデバイスユニットと、前記サーバユニットと前記デバイスユニットが収納される収納ユニット内で、装着された前記サーバユニットと、装着された前記デバイスユニットとが接続されるように、予め配線された複数のシリアル伝送路とを有するサーバに収納するためのデバイスユニットであって、複数の通信デバイスと、サーバユニットにより内部接続されたシリアル伝送路及びインターフェースカードを示す接続情報を受信する受信手段と、前記受信手段により受信された前記接続情報の示す前記伝送路に、前記複数の通信デバイスのうち、該接続情報の示す前記インターフェースカードと対応する通信デバイスを内部接続する接続手段と、を有するデバイスユニットである。
【0027】
本発明のインターフェースカードを増設可能なサーバ装置であって、通信デバイスを利用してサーバとしての通信を行うサーバ装置をユニット化したサーバユニットと、前記サーバユニットが利用する複数の通信デバイスを備えた装置をユニット化したデバイスユニットと、前記サーバユニットと前記デバイスユニットが収納される収納ユニット内で、装着された前記サーバユニットと、装着された前記デバイスユニットとが接続されるように、予め配線された複数のシリアル伝送路とを有するサーバに収納するためのサーバユニットが、前記サーバユニットに前記インターフェースカードが装着されたならば、装着された該インターフェースカードのハードウェア規格を取得し、該ハードウェア規格に基づいて該インターフェースカードが通信に使用するシリアル伝送路の本数を取得し、前記収納ユニット内に予め配線されている前記複数のシリアル伝送路のうち、取得した本数のシリアル伝送路を前記インターフェースカードに内部接続し、内部接続した前記インターフェースカード及び前記シリアル伝送路を示す接続情報を該デバイスユニットに送信する、サーバユニットの制御方法である。
【0028】
本発明のデバイスユニットの制御方法は、インターフェースカードを増設可能なサーバ装置であって、通信デバイスを利用してサーバとしての通信を行うサーバ装置をユニット化したサーバユニットと、前記サーバユニットが利用する複数の通信デバイスを備えた装置をユニット化したデバイスユニットと、前記サーバユニットと前記デバイスユニットが収納される収納ユニット内で、装着された前記サーバユニットと、装着された前記デバイスユニットとが接続されるように、予め配線された複数のシリアル伝送路とを有するサーバに収納するためのデバイスユニットが、サーバユニットにより内部接続されたシリアル伝送路及びインターフェースカードを示す接続情報を受信し、受信した前記接続情報の示す前記伝送路に、前記複数の通信デバイスのうち、該接続情報の示す前記インターフェースカードと対応する通信デバイスを内部接続する、デバイスユニットの制御方法である。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、サーバユニットは、インターフェースカードが装着されると、そのインターフェースカードが通信に使用するシリアル伝送路の本数を取得して、デバイス間のシリアル伝送路のうち、その本数のシリアル伝送路を接続し、デバイスユニットは、インターフェースカードが接続されたシリアル伝送路を、対応する通信デバイスに接続する。
【0030】
この構成によれば、サーバユニットは、装着する各インターフェースカードの通信に必要な本数だけのシリアル伝送路をそれぞれのカードに接続できる。また、インターフェースカードに必要な本数が、ユニット間のシリアル伝送路の数以下である限り、インターフェースカードを装着できる。このため、ユニット間に予め配線されたシリアル伝送路を柔軟に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の第1の実施形態における情報処理装置の一構成例を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施形態におけるテーブルに記載される内容の一例を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施形態における接続情報の示す内容の一例を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施形態のシリアルインターフェース制御部の動作の一例を示すフローチャートである。
【図5】本発明の第1の実施形態のインターフェース整合部の動作の一例を示すフローチャートである。
【図6】本発明の第1の実施形態のシリアルインターフェース制御部の動作の一例を示すフローチャートである。
【図7】本発明の第2の実施形態の情報処理装置の一構成例を示すブロック図である。
【図8】本発明の第3の実施形態のデバイスの一構成例を示すブロック図である。
【図9】本発明の第3の実施形態のシリアルインターフェース制御部の動作の一例を示すフローチャートである。
【図10】本発明の第3の実施形態のシリアルインターフェース制御部の動作結果の一例を示すタイミングチャートである。
【図11】本発明の第4の実施形態における情報処理装置の一構成例を示すブロック図である。
【図12】本発明の第4の実施形態のシリアルインターフェース制御部の動作の一例を示すフローチャートである。
【図13】一般的な情報処理装置の一構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
(第1の実施形態)
本発明を実施するための第1の実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本実施形態の情報処理装置1の一構成例を示すブロック図である。同図を参照すると、情報処理装置1は、ブレード形態のサーバユニットやスイッチユニットなどの多数のデバイスを収納する収納ユニットまたは収納ケースであり、通信システムにおいて高密度サーバとして動作する。
【0033】
本実施形態では、情報処理装置1は、サーバユニット10、インターフェース整合部30、およびデバイスユニット40を収納する。サーバユニット10とデバイスユニット40との間には、ユニット同士が接続されるように、複数のシリアルインターフェース伝送路20が予め配線されている。
【0034】
サーバユニット10は、ブレード形態にユニット化されたサーバ装置であり、サーバブレード、CPU(Central Processing Unit)ブレードなどとも呼ばれる。デバイスユニット40は、ブレード形態にユニット化された周辺装置であり、具体的には、スイッチユニットやストレージユニットなどである。
【0035】
サーバユニット10は、サーバユニット10は、CPUなどの処理装置、メモリおよび補助記憶装置に加え、シリアルインターフェース制御部104を有する。本実施形態では、シリアルインターフェース制御部104以外の構成については省略する。そして、サーバユニット10には、オプションインターフェースカードを装着するためのスロット(不図示)が設けられている。
【0036】
このスロットにユーザがオプションインターフェースカードを挿入することにより、複数枚のオプションインターフェースカードをサーバユニット10に増設できる。増設可能なオプションインターフェースカードのハードウェア規格は、複数あり、各ハードウェア規格は、オプションインターフェースカードと接続デバイスとの間の通信に必要な通信速度や、通信プロトコルなどを定めている。
【0037】
本実施形態では、オプションインターフェースカード101、102および103がスロットに装着されている。
【0038】
シリアルインターフェース制御部104は、シリアル本数判定部105、106、および107と、シリアル接続切替制御部108とを有する。
【0039】
デバイスユニット40は、シリアルインターフェース制御部401と、接続デバイス403、404および405とを有する。シリアルインターフェース制御部401は、シリアル接続切替制御部402を有する。
【0040】
接続デバイス403、404および405は、所定の通信規格に従って、サーバユニット10と周辺装置または外部の通信機器と間の通信を制御するデバイスである。接続デバイス403、404および405は、例えば、1以上の外部ポートを備えた光通信モジュールである。インターフェースカードおよび接続デバイス間の通信規格として、イーサネット(登録商標)、ファイバーチャネル、PCI Express、SCSI(Small Computer System Interface)などが使用される。
【0041】
オプションインターフェースカード101、102および103は、サーバユニット10に装着されるインターフェースカードである。図1では、オプションインターフェースカードが3枚設けられているが、2枚であってもよく、4枚以上に増設することも可能である。
【0042】
サーバユニット10は、オプションインターフェースカード(101、102、または103)が装着されると、サーバユニット10は、シリアルインターフェース伝送路20を介して、装着されたカードに対応する接続デバイス(403、404、または405)との間で通信を行うことができる。
【0043】
シリアル本数判定部105、106および107は、オプションインターフェースカードのハードウェア規格ごとに、そのインターフェースカードが通信に使用するシリアル伝路の本数を記載したテーブルを予め記憶しておく。
【0044】
図2は、シリアル本数判定部が記憶するテーブルに記載される内容の一例を示す図である。同図に示すように、テーブルには、ハードウェア規格ごとに、必要なシリアル伝送路の本数が記載される。シリアル伝送路の本数は、ハードウェア規格で定められた通信速度と、各シリアル伝送路が保証する通信速度とから、決定される。
【0045】
図1に戻り、各オプションインターフェースカードが各スロットに挿入されると、そのオプションインターフェースカードは、自身のハードウェア規格を示す情報を対応するシリアル本数判定部へ送信し、各シリアル本数判定部はその情報を受信する。
【0046】
各シリアル本数判定部は、受信した情報からハードウェア規格を取得し、そのハードウェア規格に対応するシリアル伝送路の本数を、テーブルから読み出して取得する。
【0047】
増設されたオプションインターフェースカード(101、102、または103)に必要なシリアル伝送路の総数がシリアルインターフェース伝送路20の本数より大きければ、シリアル接続切替制御部108は、接続できない旨を通知するエラー通知をオプションインターフェースカードへ101〜103へ送信する。
【0048】
増設された各オプションインターフェースカード101〜103に必要なシリアル伝送路の総数が、使用可能なシリアルインターフェース伝送路20の本数以下であれば、シリアル接続切替制御部108は、増設されたオプションインターフェースカードに、使用可能なシリアルインターフェース伝送路20のうち、必要な本数を内部接続する。
【0049】
例えば、各シリアルインターフェース伝送路に識別番号を設定しておき、シリアル接続切替制御部108は、新しく増設されたオプションインターフェースカードに、未使用の伝送路を、識別番号の小さいものから順に割りあてる。
【0050】
シリアル接続切替制御部108は、各オプションインターフェースカードにシリアルインターフェース伝送路20をどのように接続したかを示す接続情報を生成し、インターフェース整合部30へ送信する。
【0051】
図3は、接続情報の示す内容の一例をまとめた図である。同図を参照すると接続情報は、シリアルインターフェース伝送路201〜212を示す情報と、オプションインターフェースカード101〜103を示す情報とを含む。接続された伝送路およびインターフェースは、対応付けて格納される。
【0052】
図3の接続情報は、シリアルインターフェース伝送路201〜203とオプションインターフェースカード101とが接続され、シリアルインターフェース伝送路204〜208とオプションインターフェースカード102とが接続されていることを示している。また、この接続情報は、シリアルインターフェース伝送路209および210とオプションインターフェースカード103とが接続され、シリアルインターフェース伝送路211および212には、オプションインターフェースカードが接続されておらず、未使用の状態であることを示している。
【0053】
図1に戻り、インターフェース整合部30は、シリアル接続切替制御部108から接続情報を受信し、記憶する。そして、サーバユニット10に、デバイスユニット40などの別のデバイスが接続されたとき、インターフェース整合部30は、接続情報を接続先のデバイス(40)へ送信する。
【0054】
また、インターフェース整合部30は、接続先のデバイス(40)からエラー通知を受信すると、そのエラー通知をオプションインターフェースカード101〜103へ転送する。エラー通知は、例えば、オプションインターフェースカードに対応する接続デバイスがない旨の通知である。
【0055】
続いて接続先のデバイスユニット40について説明する。デバイスユニット40のシリアル接続切替制御部402は、インターフェース整合部30から接続情報を受信する。シリアル接続切替制御部402は、受信した接続情報に基づいて、各シリアルインターフェース伝送路に接続されているオプションインターフェースカードを確認する。
【0056】
シリアル接続切替制御部402は、オプションインターフェースカードおよび接続デバイスの各ハードウェア規格に基づいて、接続されている各オプションインターフェースカードに接続可能な接続デバイスがデバイスユニット40内に設けられているか否かを判断する。
【0057】
対応する接続デバイスがある場合、シリアル接続切替制御部402は、オプションインターフェースカードが接続されたシリアルインターフェース伝送路に、そのオプションインターフェースカードに対応する接続デバイスを内部接続する。
【0058】
対応する接続デバイスがない場合、シリアル接続切替制御部402は、その旨を示すエラー通知をインターフェース整合部30へ送信する。
【0059】
接続デバイス403〜405は、シリアルインターフェース伝送路20を介して、オプションインターフェースカードとデータ伝送を行う。
【0060】
図4〜図6を参照して、サーバユニット10、インターフェース整合部30およびデバイスユニット40のそれぞれの動作について説明する。
【0061】
図4は、サーバユニット10のシリアルインターフェース制御部104の動作の一例を示すフローチャートである。この動作は、サーバユニット10に電源が投入されたときに開始する。同図を参照すると、シリアルインターフェース制御部104は、オプションインターフェースカードが増設されたか否かを判断する(ステップS1)。
【0062】
オプションインターフェースカードが増設されたのであれば(ステップS1:YES)、シリアルインターフェース制御部104は、増設された各オプションインターフェースカードのハードウェア規格に対応する本数をテーブルから読み出すことにより、それらのカードに必要なシリアル伝送路の本数を取得する(ステップS2)。
【0063】
シリアルインターフェース制御部104は、増設されたオプションインターフェースカードに必要なシリアル伝送路の総数が、使用可能なシリアルインターフェース伝送路20の本数以下であるか否かを判断する(ステップS3)。
【0064】
各オプションインターフェースカードに必要なシリアル伝送路の総数が、シリアルインターフェース伝送路20の本数以下である場合(ステップS3:YES)、シリアルインターフェース制御部104は、それぞれのオプションインターフェースカードに、使用可能なシリアルインターフェース伝送路20のうち、必要な本数を内部接続する(ステップS4)。
【0065】
シリアルインターフェース制御部104は、接続情報を生成し、インターフェース整合部30へ送信する(ステップS5)。
【0066】
増設された各オプションインターフェースカードに必要なシリアル伝送路の総数が、使用可能なシリアルインターフェース伝送路20の本数以下でない場合(ステップS3:NO)、シリアルインターフェース制御部104は、エラー通知をオプションインターフェースカードに送信する(ステップS6)。
【0067】
オプションインターフェースカードが増設されていない場合(ステップS1:NO)、またはステップS5、S6の後、シリアルインターフェース制御部104はステップS1に戻る。
【0068】
図5は、インターフェース整合部30の動作の一例を示すフローチャートである。同図を参照すると、インターフェース整合部30は、接続情報を受信したか否かを判断する(ステップT1)。
【0069】
接続情報を受信したのであれば(ステップT1:YES)、インターフェース整合部30は、その接続情報を記憶する(ステップT2)。
【0070】
接続情報を受信していない場合(ステップT1:NO)、またはステップT2の後、インターフェース整合部30は、オプションインターフェースカードが増設されたサーバユニット10に別のデバイスユニット(例えば、デバイスユニット40)が接続されているか否かを判断する(ステップT3)。
【0071】
デバイスが接続されていれば(ステップT3:YES)、インターフェース整合部30は、デバイスユニット40などの、接続されたデバイスに接続情報を送信する(ステップT4)。
【0072】
デバイスが接続されていない場合(ステップT3:NO)、またはステップT4の後、インターフェース整合部30は、接続されたデバイスからエラー通知を受信したか否かを判断する(ステップT5)。
【0073】
エラー通知を受信したならば(ステップT5:YES)、インターフェース整合部30は、そのエラー通知をオプションインターフェースカードへ転送する(ステップT6)。
【0074】
エラー通知を受信していない場合(ステップT5:NO)、またはステップT6の後、インターフェース整合部30は、ステップT1に戻る。
【0075】
図6は、デバイスユニット40のシリアルインターフェース制御部401の動作を示すフローチャートである。この動作は、デバイスユニット40がサーバユニット10およびインターフェース整合部30に接続されたときに開始する。
【0076】
シリアルインターフェース制御部401は、インターフェース整合部30から接続情報を受信する(ステップU1)。シリアルインターフェース制御部401は、接続情報から、各シリアルインターフェース伝送路に接続されているオプションインターフェースカードを確認する(ステップU2)。
【0077】
シリアルインターフェース制御部401は、接続されている各オプションインターフェースカードに対応する接続デバイスが、デバイスユニット40内にあるか否かを判断する(ステップU3)。
【0078】
対応する接続デバイスがある場合(ステップU3:YES)、シリアルインターフェース制御部401は、オプションインターフェースカードが接続されたシリアルインターフェース伝送路に、そのオプションインターフェースカードに対応する接続デバイスを内部接続する(ステップU4)。
【0079】
対応する接続デバイスがない場合(ステップU3:NO)、シリアルインターフェース制御部401は、その旨を示すエラー通知をインターフェース整合部30へ送信する(ステップU5)。
【0080】
ステップU4、またはU5の後、シリアルインターフェース制御部401は、ステップU1に戻る。
【0081】
なお、本実施形態では、オプションインターフェースカードが当初から3枚増設されている構成としているが、オプションインターフェースカードは、当初は1枚も増設されていなくともよい。増設できるオプションインターフェースカードの数は、1枚以上であれば、3枚に限られないのは勿論である。
【0082】
また、本実施形態では、デバイスユニット40の接続デバイスの数は3つとしているが、接続デバイスの数は、複数であればよく、3つに限定されないのは勿論である。
【0083】
本実施形態では、シリアル伝送路を介して接続されるユニットは、サーバユニット10およびデバイスユニット40の2つとしているが、サーバユニット10は複数であってもよく、デバイスユニット40も複数とすることができる。
【0084】
サーバユニット10が複数である場合、デバイスユニット40のシリアルインターフェース制御部401は、接続デバイスにシリアルインターフェース伝送路を接続した後、どの伝送路をどの接続デバイスに接続したかをインターフェース整合部30に通知する。インターフェース整合部30は、その通知内容を接続情報に追加して記憶しておき、デバイスユニット40以外のデバイスユニットがサーバユニット10に接続されたときに、その接続情報を送信する。
【0085】
本実施形態の情報処理装置1が本発明のサーバに相当する。本実施形態のオプションインターフェースカードが本発明のインターフェースカードに相当し、本実施形態のシリアルインターフェース伝送路が本発明のシリアル伝送路に該当する。本実施形態の接続デバイスが本発明の通信デバイスに相当する。本実施形態のインターフェース整合部が、本発明の接続情報記憶部に相当する。
【0086】
本実施形態では、サーバユニット10、デバイスユニット40をブレード形態のユニットとしているが、ラックマウント形態のユニットとしてもよいのは勿論である。
【0087】
以上説明したように、本実施形態によれば、サーバユニットは、インターフェースカードが増設されると、そのインターフェースカードが通信に使用するシリアル伝送路の本数を取得して、デバイス間のシリアル伝送路のうち、その本数のシリアル伝送路を接続し、デバイスユニットは、インターフェースカードが接続されたシリアル伝送路を、対応する接続デバイスに接続する。
【0088】
この構成によれば、サーバユニットは、装着する各インターフェースカードの通信に必要な本数だけのシリアル伝送路をそれぞれのカードに接続できる。
【0089】
例えば、デバイス間のシリアル伝送路が12本あり、データ伝送に必要な本数が3本のオプションインターフェースカードを増設する場合について考える。図13に示したように、ユニット間のシリアル伝送路をオプションインターフェースカードに固定的に4本ずつ割り当てる構成では、最大で3枚しか増設できず、未使用のインターフェース伝送路が3本も残る。これに対し、本実施形態のサーバユニットは、各オプションインターフェースカードにダイナミックに必要な本数(3本)だけ伝送路を割り当てるので、カードを最大で4枚も増設でき、その場合、未使用のインターフェース伝送路が0本となる。
【0090】
また、本実施形態によれば、インターフェースカードに必要な本数が、ユニット間のシリアル伝送路の数以下である限り、インターフェースカードを増設できる。このため、ユニット間に予め配線されたシリアル伝送路を柔軟に利用できる。
【0091】
例えば、各オプションインターフェースカードに固定的にシリアル伝送路4本を割り当てる構成では、シリアル伝送路5本を必要とするオプションインターフェースカードを増設できない。
【0092】
しかし、本実施形態では、ユニット間のシリアル伝送路をオプションインターフェースカードにダイナミックに割り当てているので、使用可能なシリアル伝送路が5本以上ある限り、そのようなカードであっても増設することができる。
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態について図7を参照して説明する。本実施形態の情報処理装置の構成は、インターフェース整合部をデバイス内に設けている点で、第1の実施形態の情報処理装置の構成と異なる。なお、本実施形態の通信処理装置について、図1〜図6で説明した構成と同様な構成の詳細な説明を省略し、第1の実施形態と異なる点について詳しく説明する。
【0093】
図7は、本実施形態の情報処理装置1aの一構成例を示すブロック図である。同図を参照すると、情報処理装置1aは、インターフェース整合部30の代わりに、サーバユニット10内にインターフェース整合部109を設け、デバイスユニット40内にインターフェース整合部406を設けた点で、第1の実施形態の情報処理装置1と異なる。
【0094】
インターフェース整合部109の構成は、第1の実施形態のインターフェース整合部30と同様である。
【0095】
インターフェース整合部406は、インターフェース整合部109から接続情報を受信してシリアルインターフェース制御部401へ転送する。また、インターフェース整合部406は、シリアルインターフェース制御部401からエラー通知を受信し、インターフェース整合部109へ転送する。
【0096】
以上説明したように、本実施形態によれば、各デバイスはインターフェース整合部を内蔵するので、インターフェース整合部を備えていない既存の情報処理装置に対しても、シリアルインターフェース伝送路のダイナミックなグルーピングによる使用効率の向上を実現できる。
(第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態について図8〜図10を参照して説明する。本実施形態の情報処理装置は、時分割多重化方式でデバイス間の伝送路を論理的に多重化する点で、第1の実施形態と異なる。なお、本実施形態の通信処理装置について、図1〜図5で説明した構成と同様な構成の詳細な説明を省略し、第1の実施形態と異なる点について詳しく説明する。
【0097】
図8は、本実施形態のサーバユニット10bの一構成例を示すブロック図である。同図を参照すると、サーバユニット10bは、I/Fキュー110〜112およびオプションインターフェース選択制御部113を更に有する点以外は、第1の実施形態のサーバユニット10と同様の構成である。
【0098】
I/Fキュー110〜112は、それぞれオプションインターフェースカード101〜103に接続されている。また、I/Fキュー110〜112は、オプションインターフェース選択制御部に接続されている。
【0099】
I/Fキュー110〜112は、オプションインターフェース選択制御部の制御に従って、それぞれオプションインターフェースカード101〜103のトランザクションを一時的に保持する。
【0100】
オプションインターフェース選択制御部113は、シリアル本数判定部105〜107、I/Fキュー110〜112およびシリアル接続切替制御部108に接続される。オプションインターフェース選択制御部113は、シリアル本数判定部105〜107から各オプションインターフェースカードに必要なシリアル伝送路の本数を取得する。
【0101】
増設された各オプションインターフェースカードに必要なシリアル伝送路の総数が、デバイス間の、使用可能なシリアルインターフェース伝送路(20)の本数以下でない場合、オプションインターフェース選択制御部113は、I/Fキュー110〜112を制御して、シリアルインターフェース伝送路を時分割方式で論理的に多重化する。
【0102】
増設された各オプションインターフェースカードに必要なシリアル伝送路の総数が、デバイス間の使用可能なシリアルインターフェース伝送路(20)の本数以下である場合、シリアルインターフェース制御部401は、オプションインターフェースカードが接続されたシリアルインターフェース伝送路に、そのオプションインターフェースカードに対応する接続デバイスを内部接続する。
【0103】
図9は、サーバユニット10bのシリアルインターフェース制御部401の動作を示すフローチャートである。同図を参照すると、本実施形態のシリアルインターフェース制御部104の動作は、ステップS5の代わりに、ステップS5bを実行する点以外は、第1の実施形態のシリアルインターフェース制御部104の動作と同様である。
【0104】
増設された各オプションインターフェースカードに必要なシリアル伝送路の総数が、使用可能なシリアルインターフェース伝送路20の本数以下でない場合(ステップS1:NO)、オプションインターフェース選択制御部113は、I/Fキュー110〜112を制御して、シリアルインターフェース伝送路を時分割方式で論理的に多重化する。時分割多重化を行っても、各オプションインターフェースカードに必要なシリアル伝送路の数が足りない場合、オプションインターフェース選択制御部113は、エラー通知を送信する(ステップS5b)。
【0105】
図10を参照して、時分割多重化を行った結果の一例について説明する。同図は、シリアルインターフェース制御部104の動作結果の一例を示すタイミングチャートである。ここで、オプションインターフェースカード101〜103のそれぞれが、シリアルインターフェース伝送路を4本必要とし、デバイス間のシリアルインターフェース伝送路は、201〜208の8本しかない場合について考える。
【0106】
この場合、シリアルインターフェース伝送路が足りず、シリアルインターフェース制御部104は、いずれかのオプションインターフェースカードを、シリアルインターフェース伝送路に接続できなくなる。
【0107】
そこで、オプションインターフェース選択制御部113は、シリアルインターフェース伝送路を論理的に多重化する。
【0108】
オプションインターフェース選択制御部113は、8本のシリアルインターフェース伝送路を、201〜204と205〜208との、2つのグループに分ける。
【0109】
時刻t1のタイミングで、オプションインターフェースカード101〜103のそれぞれからトランザクションの要求a1、b1、c1があると、オプションインターフェース選択制御部113は、時刻t2のタイミングでシリアルインターフェース伝送路201〜204にオプションインターフェースカード101を接続してトランザクションa1を実行する。同時に、オプションインターフェース選択制御部113は、シリアルインターフェース伝送路205〜208にオプションインターフェースカード102を接続してトランザクションb1を実行する。
【0110】
時刻t2のタイミングでは、オプションインターフェースカード103に接続可能な伝送路がないため、トランザクションc1は、時刻t3までI/Fキュー112に一時的に保持される。
【0111】
時刻t3のタイミングでは、オプションインターフェースカード102の後続のトランザクションがないため、シリアルインターフェース伝送路205〜208が解放される。そして、代わりに、オプションインターフェースカード103が接続され、I/Fキュー112に保持されていたトランザクションc1が実行される。
【0112】
時刻t4以降の動作については、省略する。図10の例では、オプションインターフェース選択制御部113は、各トランザクションの待ち時間が平均化されるように、制御を行う。
【0113】
以上説明したように、本実施形態によれば、オプションインターフェース選択制御部113は、シリアルインターフェース伝送路を時分割多重化するので、シリアルインターフェース伝送路の物理的な本数が足りない場合であっても、オプションインターフェースカードを増設できる。
【0114】
(第4の実施形態)
図11および図12を参照して、本発明の第4の実施形態について説明する。本実施形態の情報処理装置1cは、シリアルインターフェース伝送路の故障を検知して、オプションインターフェースカードおよびシリアルインターフェース伝送路を接続し直す点で、第1の実施形態と異なる。
【0115】
図11は、本実施形態の情報処理装置1cの一構成例を示すブロック図である。同図を参照すると、情報処理装置1cは、シリアル接続切替制御部108の代わりにシリアル接続切替制御部108cを有する点以外は第1の実施形態の情報処理装置1の構成と同様である。
【0116】
シリアル接続切替制御部108cは、故障検知部113を有する。故障検知部113は、各シリアルインターフェース伝送路を監視し、伝送路の障害を検知する。故障検知部113は、障害が生じた伝送路を特定して記憶する。
【0117】
シリアル接続切替制御部108cは、故障検知部113が故障を検知したとき、またはオプションインターフェースカードが増設されたとき、オプションインターフェースカードとシリアルインターフェース伝送路とを接続する。
【0118】
図12は、本実施形態のインターフェース制御部104の動作を示すフローチャートである。同図を参照すると、本実施形態のインターフェース制御部104の動作は、ステップS3およびS4の代わりにステップS3cおよびS4cを実行し、ステップS7を更に実行する点以外は、図4で示した、第1の実施形態のインターフェース制御部104の動作と同様である。
【0119】
図12を参照すると、インターフェース制御部104は、デバイス間のシリアルインターフェース伝送路の故障の有無を監視し、故障を検知したか否かを判断する(ステップS7)。
【0120】
故障を検知したのであれば(ステップS7:YES)、インターフェース制御部104は、故障の生じたシリアルインターフェース伝送路を記憶する(ステップS8)。
【0121】
故障を検知していなければ(ステップS7:NO)、シリアルインターフェース制御部104は、オプションインターフェースカードが増設されたか否かを判断する(ステップS1)。
【0122】
オプションインターフェースカードが増設された場合(ステップS1:YES)、またはステップS8の後、シリアルインターフェース制御部104は、接続された各オプションインターフェースカードのハードウェア規格から、増設された各オプションインターフェースカードに必要なシリアル伝送路の本数を取得する(ステップS2)。
【0123】
シリアルインターフェース制御部104は、各オプションインターフェースカードに必要なシリアル伝送路の総数が、使用可能なシリアルインターフェース伝送路20の本数以下であるか否かを判断する(ステップS3c)。本実施形態では、故障がなく、未使用の伝送路が、使用可能な伝送路とされる。
【0124】
増設された各オプションインターフェースカードに必要なシリアル伝送路の総数が、使用可能なシリアルインターフェース伝送路20の本数以下である場合(ステップS3c:YES)、シリアルインターフェース制御部104は、それぞれのオプションインターフェースカードに必要な本数を内部接続する(ステップS4c)。
【0125】
シリアルインターフェース制御部104は、接続情報を生成し、インターフェース整合部30へ送信する(ステップS5)。
【0126】
増設された各オプションインターフェースカードに必要なシリアル伝送路の総数が、使用可能なシリアルインターフェース伝送路20の本数以下でない場合(ステップS3c:NO)、シリアルインターフェース制御部104は、エラー通知をオプションインターフェースカードに送信する(ステップS6)。
【0127】
オプションインターフェースカードが増設されていない場合(ステップS1:NO)、またはステップS5、S6の後、シリアルインターフェース制御部104はステップS7に戻る。
【0128】
なお、本実施形態では、シリアルインターフェース制御部104が故障検知を行う構成としているが、管理ブレードユニットなど、他のデバイスが故障を検知して、シリアルインターフェース制御部104に通知する構成とすることもできる。
【0129】
以上説明したように、本実施形態によれば、シリアルインターフェース制御部104は、シリアルインターフェース伝送路に障害が生じた場合、障害のある伝送路を避けて、オプションインターフェースカードおよびシリアルインターフェース伝送路を接続し直す。このため、障害が生じても、シリアルインターフェース伝送路の切り替えにより、各ユニットは、オプションインターフェースカードおよび接続デバイス間の通信を継続することができる。この結果、耐障害性が向上する。
【0130】
(付記1)
請求項8:前記デバイスユニットは、
前記送信手段により送信された前記接続情報を受信する受信手段と、
前記受信手段により受信された前記接続情報の示す前記伝送路に、該接続情報の示す前記インターフェースカードと対応する通信デバイスを内部接続する第2の接続手段と、
を有する、請求項7に記載のサーバ。
【符号の説明】
【0131】
1、1a 情報処理装置
10、10b、10c サーバユニット
40 デバイスユニット
20 シリアルインターフェース伝送路
30、109、406 インターフェース整合部
101〜103 オプションインターフェースカード
104 シリアルインターフェース制御部
105〜107 シリアル本数判定部
108、108c シリアル接続切替制御部
110〜112 I/Fキュー
113 オプションインターフェース選択制御部
401 シリアルインターフェース制御部
402 シリアル接続切替制御部
403〜405 接続デバイス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
インターフェースカードを増設可能なサーバ装置であって、通信デバイスを利用してサーバとしての通信を行うサーバ装置をユニット化したサーバユニットと、
前記サーバユニットが利用する複数の通信デバイスを備えた装置をユニット化したデバイスユニットと、
前記サーバユニットと前記デバイスユニットが収納される収納ユニット内で、装着された前記サーバユニットと、装着された前記デバイスユニットとが接続されるように、予め配線された複数のシリアル伝送路とを有し、
前記サーバユニットは、該サーバユニットに前記インターフェースカードが装着されたならば、装着された該インターフェースカードのハードウェア規格を取得し、該ハードウェア規格に基づいて該インターフェースカードが通信に使用するシリアル伝送路の本数を取得し、前記収納ユニット内に予め配線されている前記複数のシリアル伝送路のうち、取得した本数のシリアル伝送路を該インターフェースカードに内部接続し、内部接続した該インターフェースカード及び該シリアル伝送路を示す接続情報を該デバイスユニットに送信し、
前記デバイスユニットは、前記サーバユニットから前記接続情報を受けると、自身の前記複数の通信デバイスから、前記接続情報の示す前記インターフェースカードと対応する通信デバイスを、前記接続情報の示す前記シリアル伝送路に内部接続する、サーバ。
【請求項2】
前記情報処理装置は、接続情報記憶部を更に有し、
前記サーバユニットは、前記接続情報記憶部へ、前記接続情報を送信し、
前記接続情報記憶部は、前記サーバユニットにより送信された前記接続情報を記憶しておき、該サーバユニットに前記デバイスユニットが接続されたならば、記憶しておいた該接続情報を前記デバイスユニットに送信する、請求項1に記載のサーバ。
【請求項3】
前記サーバユニットは、前記接続情報を記憶するための接続情報記憶部を更に有し、
前記接続情報を前記接続情報記憶部に記憶しておき、前記サーバユニットに前記デバイスユニットが接続されたならば、該接続情報を該接続情報記憶部から読み出して該デバイスユニットに送信する、請求項1に記載のサーバ。
【請求項4】
前記サーバユニットは、取得したシリアル伝送路の本数が、前記収納ユニット内に予め配線されている前記複数のシリアル伝送路の本数以下でなければ、該複数のシリアル伝送路を時分割多重化し、時分割多重化したシリアル伝送路を前記インターフェースカードに内部接続する、請求項1乃至3のいずれか1項に記載のサーバ。
【請求項5】
前記サーバユニットは、インターフェースカードが装着された場合、または前記シリアル伝送路に障害が生じた場合、装着されているオプションインターフェースカードのハードウェア規格を取得し、該ハードウェア規格に基づいて該インターフェースカードが通信に使用するシリアル伝送路の本数を取得し、前記収納ユニット内に予め配線されている前記複数のシリアル伝送路の中で障害が生じていない伝送路のうち、取得した該本数のシリアル伝送路を該インターフェースカードに内部接続する、請求項1乃至4のいずれか1項に記載のサーバ。
【請求項6】
前記サーバユニットは、
前記サーバユニットに前記インターフェースカードが装着されたならば、装着された該インターフェースカードのハードウェア規格を取得し、該ハードウェア規格に基づいて該インターフェースカードが通信に使用するシリアル伝送路の本数を取得する伝送路本数取得手段と、
前記収納ユニット内に予め配線されている前記複数のシリアル伝送路のうち、前記伝送路本数取得手段により取得された本数のシリアル伝送路を前記インターフェースカードに内部接続する第1の接続手段と、
前記第1の接続手段により内部接続された前記インターフェースカード及び前記シリアル伝送路を示す接続情報を該デバイスユニットに送信する送信手段と、
を有する、請求項1乃至5のいずれか1項に記載のサーバ。
【請求項7】
インターフェースカードを増設可能なサーバ装置であって、通信デバイスを利用してサーバとしての通信を行うサーバ装置をユニット化したサーバユニットと、
前記サーバユニットが利用する複数の通信デバイスを備えた装置をユニット化したデバイスユニットと、
前記サーバユニットと前記デバイスユニットが収納される収納ユニット内で、装着された前記サーバユニットと、装着された前記デバイスユニットとが接続されるように、予め配線された複数のシリアル伝送路とを有するサーバに収納されるサーバユニットであって、
前記サーバユニットに前記インターフェースカードが装着されたならば、装着された該インターフェースカードのハードウェア規格を取得し、該ハードウェア規格に基づいて該インターフェースカードが通信に使用するシリアル伝送路の本数を取得する伝送路本数取得手段と、
前記収納ユニット内に予め配線されている前記複数のシリアル伝送路のうち、前記伝送路本数取得手段により取得された本数のシリアル伝送路を前記インターフェースカードに内部接続する第1の接続手段と、
前記第1の接続手段により内部接続された前記インターフェースカード及び前記シリアル伝送路を示す接続情報を該デバイスユニットに送信する送信手段と、
を有するサーバユニット。
【請求項8】
インターフェースカードを増設可能なサーバ装置であって、通信デバイスを利用してサーバとしての通信を行うサーバ装置をユニット化したサーバユニットと、
前記サーバユニットが利用する複数の通信デバイスを備えた装置をユニット化したデバイスユニットと、
前記サーバユニットと前記デバイスユニットが収納される収納ユニット内で、装着された前記サーバユニットと、装着された前記デバイスユニットとが接続されるように、予め配線された複数のシリアル伝送路とを有するサーバに収納するためのデバイスユニットであって、
複数の通信デバイスと、
サーバユニットにより内部接続されたシリアル伝送路及びインターフェースカードを示す接続情報を受信する受信手段と、
前記受信手段により受信された前記接続情報の示す前記伝送路に、前記複数の通信デバイスのうち、該接続情報の示す前記インターフェースカードと対応する通信デバイスを内部接続する接続手段と、
を有するデバイスユニット。
【請求項9】
インターフェースカードを増設可能なサーバ装置であって、通信デバイスを利用してサーバとしての通信を行うサーバ装置をユニット化したサーバユニットと、
前記サーバユニットが利用する複数の通信デバイスを備えた装置をユニット化したデバイスユニットと、
前記サーバユニットと前記デバイスユニットが収納される収納ユニット内で、装着された前記サーバユニットと、装着された前記デバイスユニットとが接続されるように、予め配線された複数のシリアル伝送路とを有するサーバに収納するためのサーバユニットが、
前記サーバユニットに前記インターフェースカードが装着されたならば、装着された該インターフェースカードのハードウェア規格を取得し、該ハードウェア規格に基づいて該インターフェースカードが通信に使用するシリアル伝送路の本数を取得し、
前記収納ユニット内に予め配線されている前記複数のシリアル伝送路のうち、取得した本数のシリアル伝送路を前記インターフェースカードに内部接続し、
内部接続した前記インターフェースカード及び前記シリアル伝送路を示す接続情報を該デバイスユニットに送信する、サーバユニットの制御方法。
【請求項10】
インターフェースカードを増設可能なサーバ装置であって、通信デバイスを利用してサーバとしての通信を行うサーバ装置をユニット化したサーバユニットと、
前記サーバユニットが利用する複数の通信デバイスを備えた装置をユニット化したデバイスユニットと、
前記サーバユニットと前記デバイスユニットが収納される収納ユニット内で、装着された前記サーバユニットと、装着された前記デバイスユニットとが接続されるように、予め配線された複数のシリアル伝送路とを有するサーバに収納するためのデバイスユニットが、
サーバユニットにより内部接続されたシリアル伝送路及びインターフェースカードを示す接続情報を受信し、
受信した前記接続情報の示す前記伝送路に、前記複数の通信デバイスのうち、該接続情報の示す前記インターフェースカードと対応する通信デバイスを内部接続する、デバイスユニットの制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−38074(P2012−38074A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−177484(P2010−177484)
【出願日】平成22年8月6日(2010.8.6)
【出願人】(390001395)NECシステムテクノロジー株式会社 (438)
【Fターム(参考)】