説明

サーバ装置、及び救助支援方法

【課題】位置標定システムを用いた救助支援方法において、被救助者の所在を正確に把握して二次災害を防ぐ。
【解決手段】隣接配置された複数のアンテナの夫々からの無線信号の位相差に基づき自身の現在位置を標定する被救助者端末400を救助者4に所持させ、現在位置の標定を行うと共に人感センサ等のセンサ317を備える被救助者端末300を被救助者3に所持させる。サーバ装置100は、救助者端末400の現在位置、被救助者端末300の現在位置、及びセンサ情報800を受信し、被救助者端末300から所定範囲内に被救助者3が存在するか否かを判断する。存在すると判断した場合に、救助者端末300の現在位置から被救助者端末300の現在位置に至る救助経路を生成し、救助経路を示す情報を救助者端末400に送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、救助支援システムに用いるサーバ装置、及び救助支援方法に関し、とくに被救助者の位置を正確に把握して救助者に提供するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
利用者属性に対応した移動に関する情報を提供すべく、高精度での位置特定が可能な自律移動システムの研究/開発が盛んに行われている。自律移動システムに関し、例えば非特許文献1には、基地局に設置した複数のアンテナから歩行者が携帯する携帯端末に無線信号を送信し、各アンテナから送信されてくる無線信号の位相差によって携帯端末とアンテナとの相対的な位置関係を求め、求めた位置関係と予め知れている基地局の絶対位置とに基づき歩行者の現在位置を取得するように構成した位置標定システムが開示されている。
【0003】
特許文献1には、電力及び信号を送受する非接触接合部と、対向熱材料で構成した認識文字を記入した認識部分と、携帯用手段を備えたICカードシステムにおいて、ICカードのケースの内、ICカードシステムが設けられていない部分に装着された緊急通信機能部等を有し、ICカードを挿入してリード、ライト、印字などの機能を処理する超小型端末、を備え、緊急時に必要に応じ緊急信号を発信して被救助者の所在を通報し、救助者が送信する接近信号を受信したとき接近を表示し、救助の際に超小型端末から出力した応急処置情報をラベルに出力してICカードに貼付可能とした携帯型ICカードシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平2−143612号公報
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】武内 保憲,河野 公則,河野 実則、” 2.4GHz帯を用いた場所検知システムの開発”、平成17年度 電気・情報関連学会中国支部第56回連合大会
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、高層ビル等の建物内で火災等の災害が発生した場合、レスキュー隊員等の救助者は、建物内に居る被救助者の存在有無や現在位置を正確に把握して救助にあたる必要がある。
【0007】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたもので、被救助者の位置を正確に把握して救助者に提供することを可能とする、救助支援システムに用いるサーバ装置、及び救助支援方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するための主たる発明は、サーバ装置であって、建物の所定位置に設けられ、隣接配置された複数のアンテナを備える基地局と、
被救助者に所持され、前記アンテナの夫々から送信される前記無線信号の位相差に基づき自身の現在位置を標定する機能を備える被救助者端末と、
救助者に所持され、前記アンテナの夫々から送信される前記無線信号の位相差に基づき自身の現在位置を標定する機能を備える救助者端末と、
前記基地局、前記被救助者端末、及び前記救助者端末と通信可能に接続されるサーバ装置と、
を備え、
前記被救助者端末は、当該被救助者端末が備えるセンサによって取得される、当該被救助者端末から所定範囲内に前記被救助者が存在するか否かの判断に用いる情報であるセンサ情報を前記サーバ装置に送信し、
前記サーバ装置は、
前記救助者端末から送信されてくる、前記救助者端末の現在位置を受信し、
前記被救助者端末から送信されてくる、前記被救助者端末の現在位置を受信し、
前記被救助者端末から送信されてくる、前記センサ情報を受信し、
前記センサ情報に基づき、前記被救助者端末から所定範囲内に前記被救助者が存在するか否かを判断し、前記被救助者端末から所定範囲内に前記被救助者が存在すると判断した場合に、前記救助者端末の現在位置から前記被救助者端末の現在位置に至る経路である救助経路を生成し、生成した前記救助経路を示す情報を前記救助者端末に送信し、
前記救助者端末は、前記情報を受信すると前記救助経路を案内する情報を出力する救助支援システムにおける、前記サーバ装置である。
【0009】
本発明によれば、サーバ装置は、被救助者端末から所定範囲内に被救助者が存在すると判断した場合にのみ、救助者端末の現在位置から被救助者端末の現在位置に至る経路である救助経路を生成して救助者端末に提供する。このため、例えば、被救助者が避難中に被救助者端末を落とすなどして既に被救助者が被救助者端末の周辺に存在しないにも拘わらず、救助者が被救助者端末の位置を手がかりとして被救助者の救助に向かうような事態を避けることができ、二次災害を防ぐことができる。
【0010】
本発明の他の一つでは、前記サーバ装置は、前記被救助者端末から所定範囲内に前記被救助者が存在するか否かの判断を、前記センサ情報と、前記被救助者端末の現在位置から取得される前記被救助者端末の移動履歴とに基づき行う。
【0011】
本発明によれば、センサ情報と被救助者端末の移動履歴とに基づき被救助者端末から所定範囲内に被救助者が存在するか否かを判断するので、被救助者端末から所定範囲内に被救助者が存在するか否かを確実に判断することができる。
【0012】
本発明の他の一つでは、前記センサ情報は、前記被救助者端末から送信されてくる、当該被救助者端末が備える加速度センサによって取得される加速度を含み、
前記被救助者端末から所定範囲内に前記被救助者が存在するか否かの判断を、前記センサ情報と、前記加速度とに基づき行う。
【0013】
本発明によれば、センサ情報と被救助者端末に作用する加速度とに基づき被救助者端末から所定範囲内に被救助者が存在するか否かを判断するので、被救助者端末から所定範囲内に被救助者が存在するか否かを確実に判断することができる。
【0014】
本発明の他の一つでは、前記サーバ装置は、前記建物に設置されている監視カメラと通信可能に接続し、
前記監視カメラの設置位置を記憶し、
前記被救助者端末の現在位置と前記設置位置とを比較することにより、前記被救助者端末を撮影可能な前記監視カメラを特定し、
前記被救助者端末から所定範囲内に前記被救助者が存在するか否かの判断を、前記センサ情報と、前記特定した前記監視カメラから送られてくる映像とに基づき行う。
【0015】
本発明によれば、センサ情報と被救助者端末を撮影可能な監視カメラの映像とに基づき被救助者端末から所定範囲内に被救助者が存在するか否かを判断するので、被救助者端末から所定範囲内に被救助者が存在するか否かを確実に判断することができる。
【0016】
その他、本願が開示する課題、及びその解決方法は、発明を実施するための形態の欄、及び図面により明らかにされる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、被救助者の位置を正確に把握して救助者に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】情報処理システム1の概略的な構成を示す図である。
【図2】サーバ装置100のハードウエア構成を示す図である。
【図3】サーバ装置100が備える主な機能を示す図である。
【図4】基地局200のハードウエア構成を示す図である。
【図5】基地局200が備える主な機能を示す図である。
【図6】被誘導者端末300(被救助者端末300)のハードウエア構成を示す図である。
【図7】被誘導者端末300(被救助者端末300)が備える主な機能を示す図である。
【図8】センサ情報800の一例を示す図である。
【図9】救助者端末400のハードウエア構成を示す図である。
【図10】救助者端末400が備える主な機能を示す図である。
【図11】位置標定信号のデータフォーマットを示す図である。
【図12】基地局200と被誘導者端末300との位置関係を説明する図である。
【図13】アンテナ群215を構成しているアンテナ2151と被誘導者端末300との位置関係を説明する図である。
【図14】位置標定システム10の利用現場における、基地局200と被誘導者端末300の位置関係を示す図である。
【図15】位置標定処理S1500を説明するフローチャートである。
【図16】サーバ装置100の表示装置115に表示される画面である。
【図17】基地局位置情報131の一例を示す図である。
【図18】フロアマップ情報134の一例を示す図である。
【図19】チェックポイント情報135の一例を示す図である。
【図20】避難経路情報136の一例を示す図である。
【図21】災害情報137の一例を示す図である。
【図22】避難経路使用情報138の一例を示す図である。
【図23】監視カメラ設置情報140の一例を示す図である。
【図24】被誘導者端末現在位置受信処理S2400を説明するフローチャートである。
【図25】データフォーマット2500を示す図である。
【図26】被誘導者端末位置情報132の一例を示す図である。
【図27】避難誘導情報提供処理S2700を説明するフローチャートである。
【図28】S2725の処理を詳細に説明したフローチャートである。
【図29】被誘導者端末300に避難誘導情報が表示されている様子を示す図である。
【図30】センサ情報蓄積処理S3000を説明するフローチャートである。
【図31】救助支援処理S3100を説明するフローチャートである。
【図32】救助支援情報取得要求2600のデータ構造を示す図である。
【図33】救助者端末位置情報139の一例を示す図である。
【図34】被救助者存在判断処理S3124を説明するフローチャートである。
【図35】データフォーマット3500を示す図である。
【図36】監視カメラ映像受信処理S3518を示すフローチャートである。
【図37】救助者端末400に救助支援情報が表示されている様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の一実施形態につき図面を参照しつつ説明する。
=情報処理システム=
図1は実施形態として説明する情報処理システム1の概略的な構成を示している。情報処理システム1は、火災、ガス漏れ、地震などの災害発生時に被災者の安全地帯への誘導が必要な施設(例えば、ホテル等の宿泊施設、オフィスビル、病院、校舎、ショッピングセンター、デパート、高層マンション、大型客船)に設けられる。以下の説明では、高層階のホテル2を施設の一例として説明する。
【0020】
同図に示すように、情報処理システム1は、ホテル2の所定位置に設けられる、サーバ装置100と、サーバ装置100と通信ネットワーク50を介して通信可能に接続される一台以上の基地局200と、ホテル2の宿泊客や従業員等(以下、被誘導者3と称する。)によって所持される被誘導者端末300と、被誘導者3を救助するレスキュー隊員などの救助者4によって所持される救助者端末400と、ホテル2内の随所に設けられサーバ装置100と通信可能に接続される複数の災害検知センサ500(火災検知センサ、地震計、ガス漏れ検知センサ等)及び監視カメラ600とを含む。
【0021】
尚、以下では、被誘導者3を被救助者3とも称し、被誘導者端末300を被救助者端末300とも称する。
【0022】
通信ネットワーク50は有線通信方式又は無線通信方式で機器間を通信可能に接続する。通信ネットワーク50は、例えば、LAN(Local Area Network)、インターネットなどである。
【0023】
サーバ装置100は、例えば、耐火対策が施されたホテル2の防災センターなどに設けられる。基地局200は、ホテル2内の空間を見下ろせる位置、例えば、通路や階段の天井、客室の天井、エレベータホールの天井などに設けられる。尚、基地局200の数や設置位置は、被誘導者3の現在位置の特定(後述)を最適な状態で行えるように適宜調整される。
【0024】
図2にサーバ装置100のハードウエア構成を示している。同図に示すように、サーバ装置100は、CPU111、メモリ112、ハードディスク113、キーボードやマウスなどの入力装置114、液晶ディスプレイなどの表示装置115、通信ネットワーク50に接続して基地局200と通信するための通信インタフェース116、及びRTC(Real Time Clock)等を用いて構成され、現在日時等の日時情報(タイムスタンプ)を生成する計時装置117を備える。
【0025】
このうちCPU111は、メモリ112に格納されているプログラムを実行することによりサーバ装置100が提供する様々な機能を実現する。入力装置114は、操作入力を受け付けるユーザインタフェースである。表示装置115は、ユーザに視覚的な情報を提供するユーザインタフェースであり、表示装置115には例えば被誘導者3の現在位置や移動方向等の情報がリアルタイムに表示される。通信インタフェース116は、サーバ装置100や他の基地局200との間で通信ネットワーク50を介して情報の授受を行う。
【0026】
図3にサーバ装置100の主な機能を示している。同図に示すように、サーバ装置100は、被誘導者端末現在位置管理部121、避難誘導情報提供部122、災害情報管理部123、救助者現在位置管理部124、監視カメラ管理部125、センサ情報管理部126、及び救助支援情報提供部127の各機能を備えている。
【0027】
被誘導者端末現在位置管理部121は、基地局200と通信して被誘導者端末300の現在位置(被誘導者3の現在位置)を取得する。
【0028】
避難誘導情報提供部122は、基地局200を介して被誘導者端末300と通信し、被誘導者端末300に避難経路を案内する情報(以下、避難誘導情報と称する。)を提供する。
【0029】
災害情報管理部123は、火災検知センサ500から送られてくる情報に基づきホテル2内に現在生じている災害に関する情報を後述の災害情報137として管理する。尚、これらの機能の詳細については後述する。
【0030】
救助者現在位置管理部124は、基地局200と通信して救助者端末400の現在位置(救助者4の現在位置)を取得する。
【0031】
監視カメラ管理部125は、後述する監視カメラ設置情報140を管理する。
【0032】
センサ情報管理部126は、基地局200を介して救助者端末400と通信し、後述するセンサ情報800を受信する。
【0033】
救助支援情報提供部127は、基地局200を介して救助者端末400と通信し、救助者端末400に救助支援に関する情報(以下、救助支援情報と称する。)を提供する。
【0034】
また同図に示すように、サーバ装置100は、基地局位置情報131、被誘導者端末位置情報132、フロアマップ情報134、チェックポイント情報135、避難経路情報136、災害情報137、避難経路使用情報138、救助者端末位置情報139、及び監視カメラ設置情報140の各情報を管理している。サーバ装置100は、これらの情報をデータベースとして管理している。これらの情報の詳細については後述する。
【0035】
図4に基地局200のハードウエア構成を示している。同図に示すように、基地局200は、CPU211、メモリ212、通信インタフェース213、無線通信インタフェース214、及びアンテナ群215を備えている。
【0036】
このうちCPU211は、メモリ212に記憶されているプログラムを実行し、基地局200が備える各種の機能を実現する。通信インタフェース213は、サーバ装置100との間で通信ネットワーク50を介して通信する。無線通信インタフェース214は、後述する位置標定のための無線信号を送信する。アンテナ群215は、複数の円偏波指向性アンテナ2151からなる。アンテナ群215の詳細については後述する。
【0037】
CPU211、メモリ212、通信インタフェース213、及びアンテナ群215は、バス220を介して互いに通信可能に接続されている。アンテナ群215には切替スイッチ2152が併設されている。切替スイッチ2152は、アンテナ群215を構成しているアンテナ2151のうちのいずれか一つを設定により又は自動的に選択して無線通信インタフェース214に接続する。
【0038】
図5に基地局200が備える主な機能を示している。通信部261は通信インタフェース213を制御してサーバ装置100と各種情報の送受信を行う。位置標定信号送信部263は被誘導者端末300の現在位置の標定に用いられる無線信号(以下、位置標定信号と称する)を送信する。設定情報記憶部264は、基地局200を特定するための情報である基地局IDなどの設定情報を記憶する。
【0039】
図6に被誘導者端末300のハードウエア構成を示している。同図に示すように、被誘導者端末300は、CPU311、メモリ312、無線通信インタフェース313、指向性アンテナ314、タッチパネルや操作ボタン等の入力装置315、液晶ディスプレイ等の表示装置316、及びセンサ317を備える。CPU311は、メモリ312に記憶されているプログラムを実行することにより被誘導者端末300が備える各種の機能を実現する。
【0040】
センサ317は、被誘導者端末300に作用する加速度を検知する加速度センサ3171(例えば3軸加速度センサ)、所定範囲内にいる人の存在を検知する人感センサ3172、所定範囲内にいる人の体温を検出する体温センサ3173、及び所定範囲内にいる人の脈拍を検知する脈拍センサ3174、を含んで構成されている。
【0041】
尚、被誘導者端末300は、携帯電話機等の他の用途に用いられる携帯機器のハードウエアを用いて構成してもよい。また携帯電話機等の無線通信を行うハードウエアを用いる場合には、通話やデータ通信等の他の用途で使用する無線信号の周波数帯と、後述する位置標定に用いる無線信号の周波数帯を分けるようにしてもよい(この場合は夫々の周波数帯の波長に適合するアンテナを用意する必要がある。)。救助者端末400についても同様である。
【0042】
図7に被誘導者端末300が備える主な機能を示している。同図において、位置標定信号受信部331は、無線通信インタフェース313により基地局200から送信される位置標定信号を受信する。情報送受信部332は、通信ネットワーク50を介してサーバ装置100と通信し、ファームウエア等の被誘導者端末300で実行されるプログラムやデータの更新情報や被誘導者3に提示するための情報の受信(ダウンロード)、及びサーバ装置100において用いられる各種情報についての被誘導者端末300からサーバ装置100への送信(アップロード)を行う。
【0043】
情報表示部333は、被誘導者3に提示する情報を表示装置316に出力する。位置標定部334は、位置標定信号受信部331によって受信された位置標定信号に基づき被誘導者端末300の現在位置を標定する。必要な場合には、標定された被誘導者端末300の現在位置は、無線通信により被誘導者端末300から基地局200に送信され、基地局200から通信ネットワーク50を介してサーバ装置100に送信される。位置標定の具体的な仕組みについては後述する。
【0044】
センサ情報取得部335は、センサ317からの出力情報(以下、センサ情報と称する。)を夫々取得する。
【0045】
図8は、センサ情報800の一例を示している。センサ情報800には、加速度センサの検知値811(X軸方向加速度、Y軸方向加速度、Z軸方向加速度)、人感センサの検知値814、体温センサの検知値815、脈拍センサの検知値816、及び取得時刻817等の情報が含まれる。
【0046】
加速度センサの検知値811には、加速度センサ3171から取得される、被救助者端末300に作用する加速度(X軸方向加速度、Y軸方向加速度、Z軸方向加速度)が設定される。人感センサの検知値814には、人感センサ3172から取得される赤外線信号の受信強度が設定される。体温センサの検知値815には、体温センサ3173から取得される、被救助者3の体温を示す情報が設定される。脈拍センサの検知値816には、脈拍センサ3174から取得される、被救助者3の脈拍数を示す情報が設定される。取得時刻817には、被救助者端末300が当該センサ情報800を取得した時刻が設定される。
【0047】
図9に救助者端末400のハードウエア構成を示している。同図に示すように、救助者端末400は、CPU411、メモリ412、無線通信インタフェース413、指向性アンテナ414、タッチパネルや操作ボタン等の入力装置415、液晶ディスプレイ等の表示装置416、及び計時装置417を備える。CPU411は、メモリ412に記憶されているプログラムを実行することにより救助者端末400が備える各種の機能を実現する。
【0048】
図10に救助者端末400が備える主な機能を示している。救助者端末400が備える位置標定信号受信部431、情報送受信部432、情報表示部433、及び位置標定部434の各機能は、被誘導者端末300における、位置標定信号受信部331、情報送受信部332、情報表示部333、及び位置標定部334と同様である。
【0049】
<位置標定機能>
本実施形態の情報処理システム1における、被誘導者端末300及び救助者端末400の位置標定に関する仕組みは、基地局200と当該基地局200の周辺に存在している被誘導者端末300(救助者端末400)とを含んで構成される位置標定システムが備える機能を用いて実現される。以下では、被誘導者端末300を例として、位置標定に関する仕組みを説明する。
【0050】
前述した基地局200の無線通信インタフェース214は、アンテナ群215を構成している複数のアンテナ2151を周期的に切り換えながら、スペクトル拡散された無線信号を送信する。一方、被誘導者端末300の位置標定信号受信部331は、アンテナ314によって基地局200の各アンテナ2151から送信される信号を受信する。尚、隣接基地局間での電波の干渉を防ぐべく、各基地局200は、基地局200間で同期信号を共有することにより、隣接する基地局200から同時期に位置標定信号が送信されないように送信タイミングの制御を行っている。
【0051】
図11に基地局200から送信される位置標定信号のデータフォーマットを示している。同図に示すように、位置標定信号は、上述した同期信号1011、場所コード1012(UCODE)、アンテナ情報1013、測定信号1014、及び基地局情報1015を含んで構成されている。尚、同期信号1011は、32bitのプリアンブル信号と16bitの同期信号の合計48bitのデータで構成されている。
【0052】
このうち場所コード1012(UCODE)は、基地局200の設置場所を特定する情報である。場所コード1012は、統一基準に従って位置毎に割り当てられる128bitのコードからなる。
【0053】
アンテナ情報1013は、アンテナ2151の高さやアンテナ2151の識別子、アンテナ2151の指向方向を示す16bitのデータ等で構成されている。
【0054】
測定信号1014は、被誘導者端末300の存在する方向と被誘導者端末300までの相対距離を検出するための信号を含み、基点となる4つのアンテナ2151を順次切り替えながら送信される2048チップの拡散符号を含む。
【0055】
基地局情報1015は、送信先の基地局200を特定する基地局IDからなる情報である。
【0056】
図12は被誘導者端末300を所持するユーザが、基地局200が設置された電柱の傍に居る状況を示している。同図に示すように、被誘導者端末300は、地上高1(m)の位置に存在し、基地局200は地上高H(m)の位置に設けられている。基地局200の直下から被誘導者端末300までの地表面に沿う距離はL(m)である。
【0057】
図13に基地局200のアンテナ群215を構成している各アンテナ2151と被誘導者端末300との相対的な位置関係を示している。基地局200のアンテナ群215を構成している各アンテナ2151は、夫々の指向方向が斜め下方向に向くように設置されている。同図示すアンテナ群215は、3cmの間隔(この間隔は位置標定信号として2.4GHz帯の電波を用いた場合における1/4波長に相当)をあけて略正方形状に隣接配置された4つの円偏波指向性アンテナを含む。
【0058】
ここでアンテナ群215の高さ位置における水平方向とアンテナ群215に対する被誘導者端末300の方向とのなす角をαとすれば、
α=arcTan(D(m)/L(m))=arcSin(ΔL(cm)/3(cm))
となる。尚、上式におけるΔL(cm)はアンテナ群215を構成しているアンテナ2151のうちの特定の2基と被誘導者端末300との間の伝搬路長差である。
【0059】
アンテナ群215を構成している特定の2基のアンテナ2151から送信される位置標定信号の位相差をΔθとすれば、上記ΔLは、
ΔL(cm)=Δθ/2π/λ(cm)
となる。位置標定信号として、例えば2.4GHz帯の電波を用いる場合は波長λ≒12(cm)であるので
α=arcSin(2Δθ/π)
となる。ここで測定可能範囲(−π/2<Δθ<π/2)ではα=Δθ(ラジアン)であるので、上式から基地局200が存在する方向を特定することができる。
【0060】
次に上記結果を利用して被誘導者端末300の位置を標定する仕組みについて説明する。
図14に位置標定システム10の利用現場における、基地局200と被誘導者端末300の位置関係を示している。同図に示すように、基地局200のアンテナ群215の地上高をH(m)、被誘導者端末300の地上高をh(m)、基地局200の直下の地表面の位置を原点として直交座標軸(X軸、Y軸)を設定した場合における、基地局200から被誘導者端末300の方向とX軸とがなす角をΔΦ(x)、基地局200から被誘導者端末300の方向とY軸とがなす角をΔΦ(y)とすれば、原点に対する被誘導者端末300の位置は次式から求めることができる。
Δd(x)=(H−h)×Tan(ΔΦ(x))
Δd(y)=(H−h)×Tan(ΔΦ(y))
また原点の位置を(X1,Y1)とすれば、被誘導者端末300の現在位置(Xx,Yy)は、
Xx=X1+Δd(x)
Yy=Y1+Δd(y)
から求めることができる。
【0061】
尚、以上に説明した位置標定の原理は、例えば特開2004−184078号公報、特開2005−351877号公報、特開2005−351878号公報、特開2006−23261号公報、及び特開2008−256559号公報等に開示されている。
【0062】
次に被誘導者端末300の位置標定部334によって行われる、被誘導者端末300の現在位置の標定処理(以下、位置標定処理S1500と称する。)の具体例について説明する。尚、現在位置の標定処理は、例えばサーバ装置100に被誘導者端末300の現在位置を報告するタイミング、被誘導者端末300のユーザが入力装置315に対して所定の操作を行った場合などに随時実行される。
【0063】
図15は位置標定処理S1500を説明するフローチャートである。同図に示すように、位置標定に際しては、まず位置標定部334が、位置標定信号受信部331によって受信される位置標定信号を取得する(S1511)。次に位置標定部334は、前述した仕組により位置標定信号を用いて被誘導者端末300の現在位置を標定する(S1512)。以下、この現在位置を示す情報のことを端末位置情報と称する。尚、被誘導者端末300の現在位置は、前述した原点を基地局200の設置位置に設定して求める。
【0064】
<サーバ装置の機能>
図16は、サーバ装置100の表示装置115に表示される画面(以下、メニュー画面70と称する。)である。ホテル2の防災センターの管理者等は、この画面を利用して情報処理システム1に様々な情報を設定する。また管理者等は、この画面を利用して情報処理システム1によって提供される様々な情報を収集する。
【0065】
同図に示すように、メニュー画面70には、基地局位置情報管理71、フロアマップ管理72、チェックポイント管理73、避難経路設定74、災害情報表示76、避難経路使用状況表示77、及び監視カメラ管理78の選択欄が設けられている。管理者等が、入力装置114を操作していずれかの選択欄を選択すると、選択した選択欄に対応づけられて用意されているサーバ装置100の機能が起動する。
【0066】
選択欄のうち、基地局位置情報管理71は、前述した基地局位置情報131を設定する場合に選択する。
【0067】
図17に基地局位置情報131の一例を示している。同図に示すように、基地局位置情報131は、基地局ID1311、階数1312、及び座標1313の各項目を有する一つ以上のレコードで構成されている。
【0068】
基地局ID1311には、基地局200を特定する情報(基地局ID)が設定される。階数1312には、その基地局200が被誘導者端末300の位置標定を担当する、ホテル2のフロアの階数が設定される。座標1313には、基地局200が設置されている位置に対応する座標(例えばフロア毎に設定される平面座標系における座標)が設定される。
【0069】
図16における選択欄のうちフロアマップ管理72は、前述したフロアマップ情報134を設定する場合に選択する。
【0070】
図18にフロアマップ情報134の一例を示している。同図に示すように、フロアマップ情報134は、階数1341及びマップデータ名1342の各項目を有する一つ以上のレコードで構成されている。
【0071】
階数1341には、ホテル2のフロアの階数が設定される。マップデータ名1342には、そのフロアのフロアマップを表示するためのデータ(以下、マップデータと称する。)のデータ名が設定される。マップデータには、例えばフロアマップを被誘導者端末300の表示装置316に表示するため画面データ(動画データ、静止画データ)と、そのフロアに存在する施設(例えば、客室、売店、自動販売機、給湯室、洗面所、エレベータ、階段、非常口、火災報知器など)の種類や位置を示す情報などが含まれる。
【0072】
図16における選択欄のうちチェックポイント管理73は、前述したチェックポイント情報135を設定する場合に選択する。
【0073】
図19にチェックポイント情報135の一例を示している。同図に示すように、チェックポイント情報135は、チェックポイントID1351、階数1352、及び座標1353の各項目を有する一つ以上のレコードで構成されている。
【0074】
チェックポイントID1351には、チェックポイントを特定する情報(以下、チェックポイントIDと称する。)が設定される。ここでチェックポイントとは、管理者等が避難経路の設定に用いる、ホテル2内に設定された所定の位置(目印位置)を示す情報である。本実施形態では、チェックポイントは、ホテル2のフロアの階数と座標(例えばフロア毎に設定される平面座標系における座標)とで表される。階数1352にはチェックポイントの階数が、座標1353にはチェックポイントの座標が設定される。
【0075】
図16における選択欄のうち避難経路設定74は、前述した避難経路情報136を設定する場合に選択する。
【0076】
図20に避難経路情報136の一例を示している。同図に示すように、避難経路情報136は、避難経路ID1361、避難経路1362、適用階数1363、適用範囲1364、及び最大許容人数1365の各項目を有する一つ以上のレコードで構成されている。
【0077】
避難経路ID1361には、避難経路を特定する情報(以下、避難経路IDと称する。)が設定される。避難経路は、被誘導者3を安全にホテル2外に誘導するために設定される経路である。尚、本実施形態では、避難経路は管理者等が設定するものとしているが、公知の経路探索アルゴリズム等を用いてサーバ装置100が自動生成するようにしてもよい。
【0078】
避難経路1362には、避難経路を示す情報が設定される。同図に示すように、避難経路は、チェックポイント(チェックポイントID1361)の連結(リスト)で表現される。適用階数1363にはその避難経路が適用されるフロアの階数を示す情報が設定される。
【0079】
適用範囲1364には、その避難経路が適用される範囲を示す情報が設定される。適用階数1363と適用範囲1364とで特定される範囲内に被誘導者3(被誘導者端末300)が存在する場合にその避難経路が候補として採用される。最大許容人数1365には、その避難経路を同時に利用可能な許容人数を示す情報が設定される。例えば、狭い避難経路には少ない許容人数が設定される。
【0080】
図16における選択欄のうち災害情報表示76は、管理者等が災害情報137に格納されている情報を確認する場合に選択する。
【0081】
図21に災害情報137の一例を示している。災害情報137には、ホテル2にて現在生じている災害に関する情報が格納されている。同図に示すように、災害情報137は、発生時刻1371、種類1372、階数1373、及び座標1374の各項目を有する一つ以上のレコードで構成されている。
【0082】
発生時刻1371には、災害が発生した時刻(例えば、災害検知センサ500に基づき災害の発生を検知した時刻)が設定される。種類1372には、その災害の種類(火災、ガス漏れ、地震等)を示す情報が設定される。階数1373には、その災害現場のフロア(階数)が設定される。座標1374には、そのフロアの災害の発生現場の位置を示す座標(例えばフロア毎に設定される平面座標系における座標)が設定される。
【0083】
図16における選択欄のうち避難経路使用状況表示77は、管理者等が、被誘導者3が現在使用している避難経路に関する情報(以下、避難経路使用情報と称する。)を確認する場合に選択する。
【0084】
図22に避難経路使用情報138の一例を示している。同図に示すように、避難経路使用情報138は、避難経路ID1381、及び使用人数1382の各項目を有する一つ以上のレコードで構成されている。
【0085】
避難経路ID1381には、避難経路を特定する情報(以下、避難経路IDと称する。)が設定される。使用人数1382には、その避難経路を現在使用している被誘導者3の数が設定される。
【0086】
図16における選択欄のうち監視カメラ管理78は、管理者等が、ホテル2に設置されている監視カメラ600の設置位置に関する情報(以下、監視カメラ設置情報と称する。)を確認する場合に選択する。
【0087】
図23に監視カメラ設置情報140の一例を示している。同図に示すように、監視カメラ設置情報140は、カメラID1401、階数1402、及び座標1403の各項目を有する一つ以上のレコードで構成される。
【0088】
カメラID1401には、監視カメラ600を特定する情報(以下、カメラIDと称する。)が設定される。階数1402には、その監視カメラ600が設置されている、建物内の階数が設定される。座標1403には、その監視カメラ600が設置されているフロアにおける、その監視カメラ600の設置位置を示す座標(例えばフロア毎に設定される平面座標系における座標)が設定される。
【0089】
<避難誘導>
次に情報処理システム1において行われる避難誘導に関する処理について説明する。
【0090】
図24は、サーバ装置100が、被誘導者端末300から送信されてくる、被誘導者端末300の現在位置を受信する処理(以下、被誘導者端末現在位置受信処理S2400と称する。)を説明するフローチャートである。被誘導者端末現在位置受信処理S2400は、例えば、所定の時間間隔で、又はリアルタイムで繰り返し行われる。
【0091】
同図に示すように、被誘導者端末300は、前述した位置標定処理を行って自身の端末位置情報を取得し(S2411)、取得した端末位置情報を記憶する(S2412)。
【0092】
被誘導者端末300は、S2411で取得した端末位置情報をサーバ装置100に送信する(S2413)。
【0093】
図25にこのとき送信される端末位置情報のデータフォーマットを示している。同図に示すように、このデータフォーマット2500には、S2411にて取得した端末位置情報2511と、被誘導者端末300を特定する情報である端末ID2512と、当該被誘導者端末300の位置標定を行った基地局200(当該標定位置記憶要求2500をサーバ装置100に送信した基地局200)を特定する情報である基地局ID2513とが含まれる。
【0094】
サーバ装置100は、端末位置情報を受信すると(S2421)、被誘導者端末300の現在位置を取得して被誘導者端末位置情報132に登録する(S2422)。図26に被誘導者端末位置情報132の一例を示している。サーバ装置100は、基地局位置情報131から、標定位置記憶要求2500に含まれている基地局ID2513に対応する階数を取得し、取得した階数と標定位置記憶要求2500の端末位置情報2511とを、標定位置記憶要求2500の端末ID2512に対応づけて被誘導者端末位置情報132に登録する。
【0095】
図27は、サーバ装置100が避難誘導端末300に避難誘導に関する情報を提供する処理(以下、避難誘導情報提供処理S2700と称する。)を説明するフローチャートである。同図に示す処理は、例えば、火災報知器の警報やホテル2の館内放送などによりホテル2内で災害が発生したことを知った被誘導者3が、入力装置315に対して所定の操作を行うことにより開始される。尚、災害発生時にサーバ装置100から自動的に被誘導者端末300に災害が発生した事を示す情報を表示して被誘導者3に災害の発生を通知するようにしてもよい。
【0096】
まず被誘導者端末300の位置標定部334が自身の現在位置、即ち端末位置情報を標定する(S2711)。
【0097】
被誘導者端末300は、避難誘導情報の取得を要求する信号(以下、避難誘導情報取得要求と称する。)を、基地局200を経由してサーバ装置100に送信する(S2712)。尚、避難誘導情報取得要求には、被誘導者端末300を特定する情報である端末IDが含まれる。
【0098】
サーバ装置100は、避難誘導情報取得要求を受信すると(S2721)、被誘導者端末位置情報132を参照して、被誘導者端末300の現在位置を取得する(S2722)。
【0099】
次にサーバ装置100は、避難経路情報136に登録されている避難経路のうち、被誘導者端末300の現在位置(S2722で取得した階数と端末位置情報2511とで特定される位置)に対応する避難経路(以下、避難経路候補と称する。)を抽出する(S2723)。より具体的には、避難経路情報136に登録されている避難経路のうち、適用階数1363と適用範囲1364とで特定される範囲に被誘導者端末300の現在位置を含む避難経路(避難経路ID1361)を抽出する。
【0100】
次にサーバ装置100は、S2723にて抽出した避難経路候補のうち、災害発生現場を通る経路を除外する(S2724)。この処理は、例えば避難経路候補の避難経路1362とチェックポイント情報135とに基づき、各避難経路候補が災害情報137から取得される災害発生現場を通るか否かを判断することにより行う。
【0101】
次にサーバ装置100は、S2724にて除外されずに残った避難経路候補の夫々について、さらに条件を課して最終的に1つの避難経路を決定する(S2725)。
【0102】
図28は、S2725の処理を詳細に説明したフローチャートである。まずサーバ装置100は、S2724にて除外されずに残った避難経路候補が1つであるか否かを判断する(S2811)。S2724にて除外されずに残った避難経路候補が1つである場合は(S2811:1つ)、その避難経路候補に決定する(S2821)。
【0103】
一方、S2724にて除外されずに残った避難経路候補が複数である場合は(S2811:複数)、そのうち経路長が最短のものを1つ選択する(S2812)。尚、経路長が同じものが複数ある場合は他の条件(例えば災害発生現場から最も遠い経路を選択する。)を課して1つに絞り込む。
【0104】
次にサーバ装置100は、S2812にて選択した避難経路候補の使用人数(避難経路使用情報138の使用人数1382から取得する)が、最大許容人数(避難経路情報136の最大許容人数1365から取得する)を超えているか否かを判断する(S2813)。S2812にて選択した避難経路候補の使用人数が最大許容人数を超えていない場合は(S2813:YES)、避難経路をその避難経路候補に決定する(S2821)。一方、S2812にて選択した避難経路候補の使用人数が最大許容人数を超えている場合は(S2813:NO)、S2814に進む。
【0105】
S2814では、サーバ装置100は、現在選択している避難経路候補以外の避難経路候補があるか否かを判断する。存在する場合は(S2814:YES)、現在選択している避難経路候補以外の避難経路候補を1つ選択し(S2815)、S2813から処理を繰り返す。存在しない場合は(S2814:NO)、避難経路を現在選択中の避難経路候補に決定する(S2821)。
【0106】
尚、以上の処理では、避難経路候補が複数存在する場合、避難経路候補の使用人数が最大許容人数を超えているか否かを判断して避難経路を決定しているが、この判断は必ずしも行わなくてもよい(この場合は経路長が最短のものに決定する)。また逆に経路長を判断せずに、避難経路候補の使用人数が最大許容人数を超えているか否かのみによって避難経路を決定するようにしてもよい。
【0107】
図27のS2726では、S2725の結果に基づき避難経路使用情報138を更新する(決定した避難経路ID1381の使用人数1382に1を加える。)。
【0108】
次にサーバ装置100は、S2725にて決定した避難経路を案内する避難誘導情報を生成する(S2727)。ここで生成される避難誘導情報には、例えば、フロアマップ情報134から取得されるマップデータに、S2725にて決定した避難経路を案内するための画面データや、避難経路の周囲に存在する施設(例えば、客室、売店、自動販売機、給湯室、洗面所、エレベータ、階段、非常口、火災報知器など)の種類や位置を示す情報などが含まれる。
【0109】
次にサーバ装置100は、生成した避難誘導情報を、避難誘導情報取得要求を送信してきた被誘導者端末300に送信する(S2728)。
【0110】
被誘導者端末300は、サーバ装置100から避難誘導情報を受信すると(S2713)、受信した情報に基づく画面や音声案内を被誘導者3に提供する(S2714)。 図29に、被誘導者端末300に避難誘導情報が表示されている様子を示す。同図に示すように、表示装置316には、被誘導者3の現在位置3161、施設の位置3163、災害発生場所3164、及び避難経路3165が表示される。
【0111】
以上によれば、サーバ装置100は、携帯端末(被誘導者端末300)による位置標定によって取得される正確な現在位置を用いて、被誘導者3に正確な避難経路を提供することができる。これによれば、被誘導者3は、正確な避難経路の情報を利用して、安全な場所に効率よく避難することができる。
【0112】
また、サーバ装置100は、避難経路のうちから災害発生現場を通らない経路を取得するので、安全な避難経路を被誘導者3に提供することができる。これにより、被誘導者3はより確実に避難することができる。
【0113】
また、サーバ装置100は、避難経路の候補のうち最短の経路を避難経路として自動的に取得するので、被誘導者を災害発生場所から迅速に避難させることができる。
【0114】
また、サーバ装置100は、避難経路の候補のうち利用者数が許容人数に満たない避難経路を取得して携帯端末(被誘導者端末300)に送信するので、被誘導者3をより迅速に避難させることができる。
【0115】
また、サーバ装置100により、避難経路を示す情報が画像データによって視覚的に被誘導者に提供されるので、被誘導者3は迅速かつ確実に避難経路を把握することができる。
【0116】
<救助支援>
次に、情報処理システム1において行われる救助支援に関する処理について説明する。
【0117】
図30は、被救助者端末300が、センサ317から取得したセンサ情報800を自身のメモリ312に蓄積記憶する処理(以下、センサ情報蓄積処理S3000と称する。)を説明するフローチャートである。
【0118】
同図に示すように、被救助者端末300は、センサ317から所定の時間間隔もしくはリアルタイムにセンサ情報800を取得し(S3011)、取得したセンサ情報800をメモリ312に蓄積記憶する(S3012)。尚、センサ情報800の時間的な変化が把握できるように、被救助者端末300は、予め設定された所定時間範囲内における、取得時刻817が異なる複数のセンサ情報800をFIFO(First In First Out)で蓄積記憶する。またセンサ317から入力されるセンサ情報800に所定時間以上変化が無い場合にセンサ情報800の記憶を中断するようにしてもよい。
【0119】
図31は、情報処理システム1によって行われる、救助者4による救助作業を支援する処理(以下、救助支援処理S3100と称する。)を説明するフローチャートである。同図に示す処理は、例えば、救助者端末400を所持する救助者4が、現場に到着して入力装置415に所定の操作を行うことにより開始される。
【0120】
まず救助者端末400の位置標定部434が自身の現在位置を標定して端末位置情報を取得する(S3111)。
【0121】
次に救助者端末400は、救助支援情報の取得を要求する信号(以下、救助支援情報取得要求3200と称する。)を、基地局200を経由してサーバ装置100に送信する(S3112)。
【0122】
図32に救助支援情報取得要求3200のデータ構造を示す。同図に示すように、救助支援情報取得要求3200には、S3111にて取得した端末位置情報3211と、救助者端末400を特定する情報である端末ID3212と、当該救助者端末400の位置標定を行った基地局200(当該救助支援情報取得要求3200をサーバ装置100に送信した基地局200)を特定する情報である基地局ID3213とが含まれる。
【0123】
図31に戻り、サーバ装置100は、救助支援情報取得要求3200を受信すると(S3121)、救助者端末400の現在位置を取得して救助者端末位置情報139に登録する(S3122)。具体的には、サーバ装置100は、基地局位置情報131から、救助支援情報取得要求3200に含まれている基地局ID3213に対応する階数を取得し、取得した階数と救助支援情報取得要求3200の端末位置情報3211とを、救助支援情報取得要求3200の端末ID3212に対応づけて救助者端末位置情報139に登録する。図33に救助者端末位置情報139の一例を示す。
【0124】
次にサーバ装置100は、被誘導者端末位置情報132から端末ID1321を1つ取得する(S3123)。尚、以下の説明において、ここで取得した端末ID1321を有する被救助者端末300のことを選択端末と称する。
【0125】
次に、サーバ装置100は、選択端末から所定範囲内に被救助者3が存在するか否かを判断する(以下、この処理を被救助者存在判断処理S3124と称する)。
【0126】
図34は、被救助者存在判断処理S3124を説明するフローチャートである。まずサーバ装置100は、選択端末に対し、当該選択端末に蓄積記憶されているセンサ情報の送信を要求し、この要求に応じて選択端末から送られてくるセンサ情報を記憶する(S3410)。
【0127】
図35はこの要求に応じて選択端末から送信されるセンサ情報のデータフォーマットである。同図に示すように、このデータフォーマット3500には、当該選択端末の端末ID3511、センサ情報(加速度センサの検知値811、人感センサの検知値814、体温センサの検知値815、脈拍センサの検知値816、取得時刻817)が含まれている。
【0128】
次にサーバ装置100は、被誘導者端末位置情報132から、選択端末のレコードのうち、時刻1323が現在から所定時間内(例えば5分前から現在までの間)であるレコードを複数抽出する(S3411)。そしてサーバ装置100は、抽出した複数のレコード(被救助者端末300(選択端末)の移動履歴)の階数1322又は座標1323を比較し、上記所定時間内に選択端末が移動したか否かを判断する(S3412)。上記所定時間内に選択端末が移動していると判断した場合には(S3412:YES)、S3425に進み、移動していないと判断した場合には(S3412:NO)、S3414に進む。S3425では、サーバ装置100は、判断結果を示すフラグ(以下、存在フラグと称する。)をオンに設定し、その後は図31のS3125に進む。
【0129】
S3414では、サーバ装置100は、S3410で取得した加速度センサの検知値811(選択端末に蓄積記憶されていた所定時間内に取得された全ての加速度センサの検知値811)に基づき、選択端末が所定時間内に落下した可能性があるか否かを判断する。この判断は、例えば、所定時間内に選択端末に大きな衝撃(所定の閾値以上の衝撃)が加わったか否か、所定時間内に選択端末が自由落下したか否か、自由落下した後に選択端末に大きな衝撃が加わったか否か等を調べることにより行う。選択端末が所定時間内に落下した可能性があると判断した場合には(S3414:YES)、S3415に進み、落下した可能性がないと判断した場合には(S3414:NO)、S3425に進む。
【0130】
S3415では、サーバ装置100は、S3410で取得した人感センサの検知値814に基づき、人感センサ3172が反応しているか否かを判断する。人感センサ3172が反応していると判断した場合には(S3415:YES)、S3425に進み、人感センサ3172が反応していないと判断した場合には(S3415:NO)、S3416に進む。
【0131】
S3416では、サーバ装置100は、S3410で取得した体温センサの検知値815に基づき、体温センサ3173が反応しているか否かを判断する。体温センサ3173が反応していると判断した場合には(S3416:YES)、S3425に進み、体温センサ3173が反応していないと判断した場合には(S3416:NO)、S3417に進む。
【0132】
S3417では、サーバ装置100は、S3410で取得した脈拍センサの検知値816に基づき、脈拍センサ3174が反応しているか否かを判断する。脈拍センサ3174が反応していると判断した場合には(S3417:YES)、S3425に進み、脈拍センサ3174が反応していないと判断した場合には(S3417:NO)、S3418に進む。
【0133】
S3418では、サーバ装置100は、監視カメラ600から監視映像を受信する処理(以下、監視カメラ映像受信処理S3418と称する。)を行う。
【0134】
図36は、監視カメラ映像受信処理S3418を示すフローチャートである。まずサーバ装置100は、被誘導者端末位置情報132から選択端末の現在位置を取得する(S3611)。
【0135】
次にサーバ装置100は、取得した選択端末の現在位置と、監視カメラ設置情報140とを対照(比較)することにより、選択端末を撮影可能な(選択端末から所定範囲内に存在する)監視カメラ600(以下、この監視カメラ600を撮影カメラと称する。)を特定する(S3612)。次にサーバ装置100は、撮影カメラに接続して撮影カメラから監視映像を取得する(S3613)。
【0136】
図34に戻り、サーバ装置100は、撮影カメラの監視映像について画像認識を行い、選択端末の側に被救助者3が存在するか否かを判断する(S3419)。被救助者3が存在すると判断した場合には(S3419:YES)、存在フラグをオンに設定し、その後は図31のS3125に進む。存在しないと判断した場合には(S3419:NO)、存在フラグをオフに設定し、その後は図31のS3125に進む。
【0137】
図31のS3125では、サーバ装置100は、存在フラグがオンか否かを判断する。存在フラグがオンであれば(S3125:オン)、S3126に進み、オフであれば(S3125:オフ)、S3129に進む。
【0138】
S3126では、サーバ装置100は、救助者4の現在位置(S3122にて取得した救助者端末400の現在位置)から、選択端末の現在位置までの経路の候補(以下、救助経路候補と称する。)を生成する。尚、救助経路候補の生成は、所定の経路探索アルゴリズムを用いて行う。
【0139】
サーバ装置100は、災害情報137を参照し、S3126にて生成した救助経路候補のうち、災害発生現場を通る経路を除外する(S3127)。
【0140】
サーバ装置100は、S3127にて除外されずに残った救助経路候補を救助経路として決定する(S3128)。尚、除外されずに残った救助経路候補が複数存在する場合には、例えば残った救助経路候補のうち経路が最短のものを選択する。
【0141】
サーバ装置100は、S3123にて未選択の他の被救助者端末300があるか否かを判断する(S3129)。未選択の他の被救助者端末300がある場合には(S3129:YES)、S3123に戻り、未選択の他の被救助者端末300がない場合には(S3129:NO)、S3130に進む。
【0142】
S3130では、サーバ装置100は、S3128にて決定した救助経路を案内する救助支援情報を生成する。ここで生成される救助支援情報には、例えば、フロアマップ情報134から取得されるマップデータに、S3128にて決定した救助経路を案内するための画面データや、救助経路の周囲に存在する施設(例えば、客室、売店、自動販売機、給湯室、洗面所、エレベータ、階段、非常口、火災報知器など)の種類や位置を示す情報などが含まれる。また救助支援情報には、他の救助者4が所持する救助者端末400からの救助支援情報取得要求3200によって取得され救助者端末位置情報139に登録されている、他の救助者4の現在位置を示す情報が含まれる。
【0143】
サーバ装置100は、生成した救助支援情報を、救助支援情報取得要求3300を送信してきた救助者端末400に送信する(S3131)。
【0144】
救助者端末400は、サーバ装置100から救助者支援情報を受信すると(S3113)、受信した情報に基づく画面や音声案内を被救助者3に提供する(S3114)。
【0145】
図37に、救助者端末400に救助支援情報が表示されている様子を示す。同図に示すように、救助者端末400の表示装置416には、救助者4の現在位置4161、S3124にて存在フラグをオンにした(被救助者端末300から所定範囲内に被救助者3が存在すると判断した)被救助者端末300(1)の現在位置4162が表示される。また、表示装置416には、救助者端末4の現在位置から被救助者端末300(1)に至る経路を案内する画像4164などが表示される。表示装置416に表示される画像イメージ(フロアマップ)は、スクロールボタン4151(入力装置415)を利用して自由にスクロールさせることができる。
【0146】
また同図に示すように、救助者端末400の表示装置416には、S3124にて存在フラグをオフにした(被救助者端末300から所定範囲内には被救助者3が存在しないと判断した)被救助者端末300(2)の現在位置4163も表示される。このため、例えば救助者4が現場において安全と判断したような場合には、サーバ装置100が当該現在位置4163には被救助者3(2)が存在しないと判断している場合であっても、念のため被救助者端末300(2)の現在位置4163を確認するといったことが可能になる。
【0147】
以上によれば、サーバ装置100は、被救助者端末300から所定範囲内に被救助者3が存在すると判断した場合にのみ、救助者端末400の現在位置から被救助者端末300の現在位置に至る経路である救助経路を生成して救助者端末400に提供する。このため、例えば、被救助者3が避難中に被救助者端末300を落とすなどして既に被救助者3が被救助者端末300の周辺に存在しないにも拘わらず、救助者4が被救助者端末300の位置を手がかりとして被救助者3の救助に向かうような事態を避けることができ、二次災害を防ぐことができる。
【0148】
また、センサ情報800と被救助者端末300の移動履歴とに基づき被救助者端末300から所定範囲内に被救助者3が存在するか否かを判断するので、被救助者端末300から所定範囲内に被救助者3が存在するか否かを確実に判断することができる。
【0149】
また、センサ情報800と被救助者端末300に作用する加速度とに基づき被救助者端末300から所定範囲内に被救助者3が存在するか否かを判断するので、被救助者端末300から所定範囲内に被救助者3が存在するか否かを確実に判断することができる。
【0150】
また、センサ情報800と被救助者端末300を撮影可能な監視カメラ600の映像とに基づき被救助者端末300から所定範囲内に被救助者3が存在するか否かを判断するので、被救助者端末300から所定範囲内に被救助者3が存在するか否かを確実に判断することができる。
【0151】
尚、救助者端末400の表示装置316に被救助者3の避難経路を表示するようにしても良い。具体的には、サーバ装置100が、S2725にて決定した避難経路を救助支援情報として救助者端末400に提供するようにする。そのようにすれば、救助者4は、被救助者3の通る予定の避難経路を把握しつつ救助にあたることができ、被救助者3を迅速に救出することができる。
【0152】
ところで、以上の実施形態の説明は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明はその趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に本発明にはその等価物が含まれることは勿論である。
【0153】
例えば、被誘導者端末300の位置標定は、上記実施形態で説明したように基地局200から送信される位置標定信号を被誘導者端末300側で受信することにより被誘導者端末300側で行うようにする方法の他、被誘導者端末300側にアンテナ群を設けて被誘導者端末300側から基地局200に向けて位置標定信号を送信し、この位置標定信号を基地局200側で受信して基地局200側で位置標定を行うようにすることもできる。救助者端末400についても同様である。
【0154】
また、サーバ装置100の全部又は一部の機能を、被救助者端末300又は救助者端末400に設けるようにしても良い。
【0155】
また、存在フラグをオンにするかオフにするかの判断は、加速度センサ1371、人感センサ1372、体温センサ1373、脈拍センサ1374、及び監視カメラ600の全てに基づいて行う必要はなく、これらの一部に基づいて行っても良い。
【符号の説明】
【0156】
1 情報処理システム
2 ホテル
3 被誘導者(被救助者)
4 救助者
100 サーバ装置
200 基地局
300 被誘導者端末
317 センサ
400 救助者端末
600 監視カメラ
334 位置標定部
335 センサ情報取得部
434 位置標定部
S1500 位置標定処理
S2700 避難誘導情報提供処理
S3000 センサ情報蓄積処理
S3100 救助支援処理
S3124 被救助者存在判断処理

【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の所定位置に設けられ、隣接配置された複数のアンテナを備える基地局と、
被救助者に所持され、前記アンテナの夫々から送信される前記無線信号の位相差に基づき自身の現在位置を標定する機能を備える被救助者端末と、
救助者に所持され、前記アンテナの夫々から送信される前記無線信号の位相差に基づき自身の現在位置を標定する機能を備える救助者端末と、
前記基地局、前記被救助者端末、及び前記救助者端末と通信可能に接続されるサーバ装置と、
を備え、
前記被救助者端末は、当該被救助者端末が備えるセンサによって取得される、当該被救助者端末から所定範囲内に前記被救助者が存在するか否かの判断に用いる情報であるセンサ情報を前記サーバ装置に送信し、
前記サーバ装置は、
前記救助者端末から送信されてくる、前記救助者端末の現在位置を受信し、
前記被救助者端末から送信されてくる、前記被救助者端末の現在位置を受信し、
前記被救助者端末から送信されてくる、前記センサ情報を受信し、
前記センサ情報に基づき、前記被救助者端末から所定範囲内に前記被救助者が存在するか否かを判断し、前記被救助者端末から所定範囲内に前記被救助者が存在すると判断した場合に、前記救助者端末の現在位置から前記被救助者端末の現在位置に至る経路である救助経路を生成し、生成した前記救助経路を示す情報を前記救助者端末に送信し、
前記救助者端末は、前記情報を受信すると前記救助経路を案内する情報を出力する救助支援システムにおける、前記サーバ装置。
【請求項2】
請求項1に記載のサーバ装置であって、
前記被救助者端末から所定範囲内に前記被救助者が存在するか否かの判断を、前記センサ情報と、前記被救助者端末の現在位置から取得される前記被救助者端末の移動履歴とに基づき行う
ことを特徴とするサーバ装置。
【請求項3】
請求項1に記載のサーバ装置であって、
前記センサ情報は、前記被救助者端末から送信されてくる、当該被救助者端末が備える加速度センサによって取得される加速度を含み、
前記被救助者端末から所定範囲内に前記被救助者が存在するか否かの判断を、前記センサ情報と、前記加速度とに基づき行う
ことを特徴とするサーバ装置。
【請求項4】
請求項1に記載のサーバ装置であって、
前記建物に設置されている監視カメラと通信可能に接続し、
前記監視カメラの設置位置を記憶し、
前記被救助者端末の現在位置と前記設置位置とを比較することにより、前記被救助者端末を撮影可能な前記監視カメラを特定し、
前記被救助者端末から所定範囲内に前記被救助者が存在するか否かの判断を、前記センサ情報と、前記特定した前記監視カメラから送られてくる映像とに基づき行う
ことを特徴とするサーバ装置。
【請求項5】
救助支援方法であって、
隣接配置された複数のアンテナを備える基地局を建物の所定位置に設け、
前記アンテナの夫々から無線信号を送信し、
前記アンテナの夫々から送信される前記無線信号の位相差に基づき自身の現在位置を標定する機能を備える被救助者端末を、被救助者に所持させ、
前記アンテナの夫々から送信される前記無線信号の位相差に基づき自身の現在位置を標定する機能を備える救助者端末を、救助者に所持させ、
前記基地局、前記被救助者端末、及び前記救助者端末とサーバ装置とを通信可能に接続し、
前記被救助者端末は、当該被救助者端末が備えるセンサによって取得される、当該被救助者端末から所定範囲内に前記被救助者が存在するか否かの判断に用いる情報であるセンサ情報を前記サーバ装置に送信し、
前記サーバ装置が、
前記救助者端末から送信されてくる、前記救助者端末の現在位置を受信し、
前記被救助者端末から送信されてくる、前記被救助者端末の現在位置を受信し、
前記被救助者端末から送信されてくる、前記センサ情報を受信し、
前記センサ情報に基づき、前記被救助者端末から所定範囲内に前記被救助者が存在するか否かを判断し、前記被救助者端末から所定範囲内に前記被救助者が存在すると判断した場合に、前記救助者端末の現在位置から前記被救助者端末の現在位置に至る経路である救助経路を生成し、生成した前記救助経路を示す情報を前記救助者端末に送信し、
前記救助者端末は、前記情報を受信すると前記救助経路を案内する情報を出力する
ことを特徴とする救助支援方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【公開番号】特開2012−78971(P2012−78971A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−221966(P2010−221966)
【出願日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【Fターム(参考)】