説明

サーボモータの健康警告装置およびその計算方法

【課題】本発明は、サーボモータの健康警告装置およびその計算方法に関する。
【解決手段】
サーボモータの健康警告装置およびその計算方法は、コンピュータ数値制御工作機械の振動状況の推測に使用される。まず、振動検出ユニットによって、振動信号が生成され、その後、該振動信号がデータバッファに順次伝送される。続いて、時間周波数領域変換ユニットによって、振動信号の時間周波数領域変換が行われる。最後に、悪化指数計算ユニットによって、悪化指数が計算され、健康指数計算ユニットを利用して、健康指数が得られる。したがって、内蔵の振動検出ユニットを利用して、余分な検出器の取付けおよび配線を省くことができる。さらに、健康指数の大小によって、サーボモータがコンピュータ数値制御工作機械において回転することによる振動状況を推測する。非線形および非定常の振動特性に対して、好適な解析を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サーボモータの健康警告装置およびその計算方法に関する。振動信号の時間周波数領域変換を行う、サーボモータの健康警告装置およびその計算方法である。
【背景技術】
【0002】
近年、高効率、高品質の生産技術が向上するのに伴って、機械設備を全面的に大型化、高速化、システム化、複雑化および自動化する傾向がある。また、工場の設備規模はますます大きくなり、各システムの関連性もますます密接になり、設備本体もさらに複雑になっている。したがって、考えられる故障の発生を早期に予測できない場合は、設備の検査、メンテナンスを行う。一旦、故障すると、それに伴う経済損失は相当なものである。
【0003】
コンピュータ数値制御工作機械の操作を例とする。ホストコンピュータは、位置コマンドを多軸サーボ駆動装置に送信し、サーボモータを駆動して回転させ、伝動システム(伝導ソレノイド、ガイド・・・・・・など)の動作によって、平面台を移動させることができる。しかしながら、長時間の操作によって、機械の消耗、潤滑条件、中心ずれなどの問題は、マシンのスムーズな稼働に影響を及ぼす。したがって、マシンが不規則な振動やエネルギー消耗を起こすことは、避けることができない。設備の回転過程において、設備内で異常な振動が長期間生じ、すぐに改善を行わない場合、短時間は正常な動作を維持することができるが、長時間では必ず設備の損害を招き、その機能に影響を及ぼす。
【0004】
システム演算によって、サーボモータ全体の健康指数を推計することについて述べると、パソコンベースの計算機を用いて、駆動装置の電圧、電流、実質消耗、およびマシンの加速度計から伝えられる振動値を収集する。これらの時間領域データは、高速フーリエ変換(Fast Fourier transform、FFT)またはウェーブレット変換(Wavelet Transform、WT)によって、周波数領域または時間周波数領域に変換することができる。ただ、これらの時間周波数領域変換技術は、統計学およびパターン学習を利用して、現在の健康状態の指標値を得ることができるが、計算量が大きいため、単独の計算機で行う必要がある。したがって、これらの計算機を取り付けるコストおよび空間が増す。さらに、異なるメーカーの駆動装置の機能の違いに制限を受け、読み取った信号源および即時性が制約される。
【0005】
回転機械の故障診断の研究は、長年にわたって発展している。現在までのところ、振動信号を検査、測定する方法は多種類ある。信号処理およびデータ解析について、高速フーリエ変換(FFT)は、現在最も普及している方法であり、周波数領域解析法のうち、最も代表的なものの1つとなっている。従来のフーリエスペクトル解析(Fourier spectral analysis)は、敏捷な方法であり、周波数領域(frequency domain)のエネルギー分布で、データを解析することができる。その原理は、信号の組み合わせに基づいて、異なる周波数、振幅、および位相の正弦または余弦関数の線形重ね合わせで組み合わされ、時間領域で表すのが難しい信号の特徴を、周波数領域ではっきりと示すことができる。信号が定常(stationary)分布で、線形(linear)時系列であれば、スペクトル変換によって、効果的に信号の特性を示すことができる。しかし、非線形(nonlinear)および非定常(nonstationary)のデータについては、フーリエ解析は主に以下に挙げる欠点が生じることがある。
【0006】
1、積分の過程で、いくつかの情報が容易に消去される。さらに積分により、エネルギーが高周波部分に散らばり、スペクトルの仮相を引き起こすことがあり、正確な周波数を曖昧にし、判断上の誤解が生じる。
【0007】
2、信号が周波数領域に変換されるとき、時間領域のデータが消失することがある。つまり、周波数領域で、特定の周波数が発生した時間を確定することができず、信号を解析する上で不便が増す。
【0008】
ウェーブレット変換(WT)について述べると、エネルギー−周波数−時間の3次元空間の分布で、信号を解析することができる。これは、異なる周波数が組み合わさった混合信号を、異なる周波数成分の信号に分解することができ、効果的に信号およびノイズを分離する。しかし、ウェーブレット変換は、フーリエ変換を修正したもののため、依然としてエネルギー分散、バンド幅増加の欠点が存在し、さらに適応性が欠乏する。なおかつ、信号を分解する前に、まず適切なウェーブレット基底関数を選択する必要がある。この基底関数は一旦選択されると、それを使用してあらゆるデータを分析しなければならないため、使用範囲が制限される。
【0009】
したがって、サーボモータの健康警告装置およびその計算方法を設計し、外部検出器の取付けおよび配線を減らすことができる。さらに、非線形および非定常の振動特性に対して、好適な解析を提供することは、本発明の発明者が克服および解決したい大きな課題である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の問題を解決するため、本発明は、コンピュータ数値制御工作機械の振動状況を推測するのに使用する、サーボモータの健康警告装置を提供する。
【0011】
サーボモータの健康警告装置は、サーボモータおよびサーボ駆動装置を含む。サーボモータは、サーボモータの回転パラメータを検出し、振動信号を生成する振動検出ユニットを少なくとも1つ内蔵している。
【0012】
サーボ駆動装置はサーボモータと接続し、マイクロプロセッサを含む。マイクロプロセッサは、時間周波数領域変換ユニット、解析ユニット、悪化指数計算ユニット、および健康指数計算ユニットを含む。時間周波数領域変換ユニットは振動信号を受信し、振動信号の時間領域および周波数領域間の変換を行う。解析ユニットは、時間周波数領域変換ユニットと接続し、振動信号を受信して、振動信号を複数の分解信号に分解する。悪化指数計算ユニットは、解析ユニットと接続し、選択した分解信号および評価曲線の比較に基づいて、悪化指数を算出する。健康指数計算ユニットは、悪化指数計算ユニットと接続し、悪化指数に基づいて、健康指数を算出する。
【0013】
したがって、内蔵の振動検出ユニットを利用して、余分な検出器の取付けおよび配線を省くことができる。さらに、健康指数の大小によって、サーボモータがコンピュータ数値制御工作機械において回転することによる振動状況を推測する。非線形および非定常の振動特性に対して、好適な解析を提供する。
【0014】
上記の問題を解決するため、本発明は、コンピュータ数値制御工作機械の振動状況を推測するのに使用する、サーボモータの健康警告の計算方法を提供する。
【0015】
サーボモータの健康警告の計算方法は、以下の段階を含む。まず、振動検出ユニットによって振動信号が生成され、その後、振動信号がデータバッファに順次送信される。その後、時間周波数領域変換ユニットによって、振動信号の時間周波数領域変換が行われる。最後に、悪化指数計算ユニットによって、悪化指数が計算され、健康指数計算ユニットを利用して、健康指数が得られる。
【0016】
本発明が予定した目的を達成するのに用いた技術、手段、効果をさらに理解するため、以下の本発明に関する詳細な説明および図を参照されたい。本発明の目的、特徴、長所を踏まえて、これによって、深く具体的に理解できる。しかしながら、添付した図は参考および説明用に提供したものであり、本発明を制限するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1A】図1Aは、本発明のサーボモータおよびサーボ駆動装置の接続概要図である。
【図1B】図1Bは、本発明のサーボモータをコンピュータ数値制御工作機械に使用した立体図である。
【図2】図2は、本発明のサーボモータおよびサーボ駆動装置のブロック図である。
【図3】図3は、本発明のサーボモータの健康警告の計算方法における、フローチャート図である。
【図4】図4は、本発明の健康警告の計算方法における、時間周波数領域変換段階のフローチャート図である。
【図5A】図5Aは、本発明の初期時間領域振動信号および複数の時間領域分解信号のオシログラムである。
【図5B】図5Bは、本発明の時間領域分解信号の振幅−周波数−時間の3次元分布図である。
【図6】図6は、本発明の時間領域分解信号および評価曲線比較の概要図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明に関する技術内容および詳細な説明を、図を組み合わせて以下のように説明する。
【実施例】
【0019】
図1Aおよび図1Bを参照されたい。図1Aおよび図1Bはそれぞれ、本発明のサーボモータおよびサーボ駆動装置の接続概要図と、サーボモータをコンピュータ数値制御工作機械に使用した立体図である。コンピュータ数値制御工作機械のマシンへの使用を例とすると、角度の位置測定を必要とする場合、モータにはエンコーダが必要であり、回転子の角度を測定する。さらには、角速度および角加速度値を推算する。実際の操作では、モータ回転子によって直接伝動したり、軸継手によって伝動したりする。軸継手は、回転子の軸の中心方向(Z方向)で、比較的弾性を有し、前後の移動または振動に対応する。また、軸の中心方向と垂直のX−Y平面の振動は、ほとんどが構造の発生点からエンコーダに伝わる。したがって、サーボモータ10のエンコーダ内に振動検出ユニット102を取り付ける。振動検出ユニット102は、G−sensorである。振動検出ユニット102は、サーボモータ10、スクリュー、ガイド、作業台稼働の振動およびノイズを検出する。そのほか、サーボモータ10の固定子溝内にもう1つの振動検出ユニット102を固定する。サーボモータ10は、ボルトで構造に固定されるため、振動検出ユニット102は、あらゆる平面台の振動を詳細に検出することができる。つまり、エンコーダに固定される振動検出ユニット102は、伝動システムの振動波の検出に使用され、固定子溝に固定される振動検出ユニット102は、上下平面台の振動波の検出に使用される。
【0020】
図2を参照されたい。図2は、本発明のサーボモータおよびサーボ駆動装置のブロック図である。コンピュータ数値制御工作機械のサーボ駆動システムは、主にサーボモータ10およびサーボ駆動装置20を含む。サーボモータ10は、主に回転子(図示せず)、固定子(図示せず)、回転子上に設置されるエンコーダ(図示せず)、および少なくとも1つの振動検出ユニット102を含む。振動検出ユニット102は、サーボモータ10のエンコーダ内に設置され、コンピュータ数値制御工作機械の伝動システムの振動状況を推測する。あるいは、サーボモータ10の固定子溝内に設置され、コンピュータ数値制御工作機械のマシンの振動状況を推測する。
【0021】
実際の操作において、サーボモータ10は、複数の振動検出ユニット102をエンコーダ内および固定子溝内に同時に内蔵し、それぞれ工作機械の伝動システムおよびマシンのX、Y、Z方向の振動状況の検出に使用される。しかしながら、説明を簡便にするため、本実施例では、1つの振動検出ユニット102を例に挙げて説明する。振動検出ユニット102は、サーボモータ10の回転パラメータを検出することで、振動信号Svを生成する。サーボ駆動装置20はサーボモータ10と接続しており、高速直列通信インターフェース202、データバッファ204、およびマイクロプロセッサ206を含む。データバッファ204は、高速直列通信インターフェース202と接続し、振動検出ユニット102が生成する振動信号Svの受信および保存に使用される。データバッファ204は、キューバッファ(queue buffer)である。
【0022】
マイクロプロセッサ206は、データバッファ204と接続しており、時間周波数領域変換ユニット2062、解析ユニット2064、悪化指数計算ユニット2066、および健康指数計算ユニット2068を含む。時間周波数領域変換ユニット2062は、データバッファ204が出力した振動信号Svを受信し、振動信号Svの時間領域および周波数領域間の変換を行う。解析ユニット2064は、時間周波数領域変換ユニット2062と接続し、振動信号Svを受信して、振動信号Svを複数の分解信号St1〜St9に分解する(図5Aを参照)。悪化指数計算ユニット2066は、解析ユニット2064と接続し、選択した分解信号St1〜St9および評価曲線の比較によって、悪化指数を算出する。評価曲線は、実作業の経験則によって得られたものである。健康指数計算ユニット2068は、悪化指数計算ユニット2066と接続し、悪化指数に基づいて健康指数を算出する。悪化指数および健康指数の計算については、後に詳細に述べる。このように、健康指数の大小により、サーボモータ10がコンピュータ数値制御工作機械において回転することによる振動状況を推測する。
【0023】
図3を参照されたい。図3は、本発明のサーボモータの健康警告の計算方法における、フローチャート図である。サーボモータの健康警告の計算方法は、以下の段階を含む。まず初期振動信号を得るS100。続いて、振動信号がデータバッファに順次伝送されるS200。続いて、振動信号の時間周波数領域変換が行われるS300。振動信号の時間周波数領域変換は、ヒルベルト−ホワン変換(Hilbert−Huang Transform、HHT)、高速フーリエ変換(Fast Fourier Transform、FFT)、ウェーブレット変換(Wavelet Transform、WT)、またはその他の時間周波数領域変換技術が採用される。最後に、悪化指数が計算され、健康指数が得られるS400。サーボモータの健康警告の計算方法のさらに詳しい説明については、後の文を参照されたい。
【0024】
図4を参照されたい。図4は、本発明の健康警告の計算方法における、時間周波数領域変換段階のフローチャート図である。ヒルベルト−ホワン変換(HHT)を例にして、段階S300をさらに詳細に説明する。すなわち、振動信号の時間周波数領域変換が行われるS300において、振動信号は、データバッファによって読み出された後、経験的モード分解(Empirical Mode Decomposition、EMD)によって分解され、複数の固有モード関数(Intrinsic Mode Function、IMF)成分が得られるS310。続いて、主な固有モード関数(IMF)成分が選択されS320、これらの主な固有モード関数(IMF)成分のヒルベルト−ホワン変換(HTT)が行われ、複数の瞬間分解信号が得られるS330。最後に、この瞬間分解信号を組み合わせて、ヒルベルトスペクトル(Hilbert Spectrum)が得られるS340。ヒルベルトスペクトル(Hilbert Spectrum)は、振幅−周波数−時間の3次元分布図であり、時間およびスペクトル上で、信号のエネルギーおよび強度を同時に示すことができるように、主に時間変化における信号のスペクトル成分を表す。
【0025】
図5Aおよび図5Bを合わせて参照されたい。図5Aおよび図5Bは、それぞれ本発明の初期時間領域振動信号および複数の時間領域分解信号のオシログラムと、この時間領域分解信号の振幅−周波数−時間の3次元分布図である。図5Aに示す初期時間領域振動信号Svから、ヒルベルト−ホワン変換(HTT)によって、対応する複数の時間領域分解信号St1〜St9が得られる。これにより、複雑な初期時間領域振動信号Svが、有限の複数の異なる時間スケールの信号に分解され、解析される。つまり、これらの主要な(関連性が大きい)時間領域分解信号St1〜St9が重なると、ほとんどが初期時間領域振動信号Svに還元される。図1Bを組み合わせて、サーボモータ10の振動検出を例として説明する。また、サーボモータ10の回転速度をw(t)と仮定する。振動検出ユニット102から送信される初期時間領域振動信号Svから、ヒルベルト−ホワン変換(HHT)によって、対応する時間領域分解信号St1〜St9が得られる。下から上に(図5Aを参照)、第1時間領域分解信号St1は200Hz、第2時間領域分解信号St2は100Hz、第3時間領域分解信号St3は、サーボモータ10の回転速度w(t)の第2高調波であり、第4時間領域分解信号St4は、w(t)の第1高調波である。図5Bに示すのは、時間領域分解信号St1〜St9の振幅−周波数−時間の3次元分布図であり、対応するヒルベルトスペクトル(Hilbert Spectrum)である。図の高度は、時間領域分解信号St1〜St9の強度(またはエネルギー)を示す。
【0026】
図6を参照されたい。図6は、本発明の時間領域分解信号および評価曲線比較の概要図である。時間周波数領域変換ユニット2062が生成する、ヒルベルトスペクトル(Hilbert Spectrum)に基づいて、時間領域分解信号St1〜St9の、ある瞬間の強度を読み出す。本実施例を例とすると、9個の瞬間強度値が読み出される(図の黒丸)。さらに、この瞬間強度値および評価曲線の比較を行い、相対数の強度差□g1〜□g9が得られる。つまり、これらの強度差□g1〜□g9の計算において、周波数に対応する瞬間強度値は、対応する評価曲線を差し引いたものである。評価曲線の値は、サーボモータの回転健康状況を判断する境界とみなす。図から明らかにわかることは、第1強度差□g1および第2強度差□g2は正の値であり、初期振動信号Svについて、周波数が1,200rpsの第1時間領域分解信号St1、および周波数が800rpsの第2時間領域分解信号St2の振動強度と、評価曲線の値を比較すると、悪化(異常)の回転状況であることを反映している。この他、残りの強度差□g3〜□g9はすべて負の値であり、同様に、初期振動信号Svについて、これらの時間領域分解信号St3〜St9の振動強度と、評価曲線の値を比較すると、正常(健康)の回転状況であることを反映している。注意すべきことは、サーボモータ振動の悪化の程度に関して、悪化指数Diによって数値化していることである。最大許容値Tmを定義すると、悪化指数Diの計算は、これらの正の値の強度差(本実施例では、第1強度差□g1および第2強度差□g2)の和であり、さらに最大許容値Tmとの比である。最大許容値Tmは、実作業の経験則によって得られたものである。つまり、
悪化指数Di=(正の値の強度差□g1〜□g9)/最大許容値Tm
悪化指数Diが1を超える場合は、1とみなす。さらに健康指数Hiは、
健康指数Hi=1−悪化指数Di
と定義される。
【0027】
このように、直接的に知ることができる。サーボモータ10の振動の悪化の程度が比較的ひどいとき、評価曲線の値を超える強度差□g1〜□g9の総和は、ますます大きくなり、算出される悪化指数Diは比較的大きくなる。相対に、健康指数Hiも比較的小さくなる。
【0028】
総合して述べると、本発明は以下の利点を有する。
【0029】
1、内蔵の振動検出ユニットを利用して、余分な検出器の取付けおよび配線を省くことができる。
【0030】
2、サーボモータの固定子溝およびエンコーダに、それぞれ振動検出ユニット(G−sensor)を設置して、対応する駆動装置およびサーボモータにより、単独でマシン振動および伝動システム振動の推測を行うことができる。
【0031】
3、サーボモータの健康警告装置は、多方向のマシン振動および伝動システム振動の異なる健康指標を提供する。
【0032】
しかし、以上述べた内容は、本発明の好適な具体的実施例の詳細な説明および図にすぎない。本発明の特徴はこれに限定されず、本発明を制約するものでもない。本発明のすべての範囲は、以下に述べる特許請求の範囲を基準とするべきであり、本発明の特許請求の範囲の趣旨および類似の変化に合致する実施例は、すべて本発明の範疇に含まれるべきである。本技術を熟知する者が、本発明の分野において、容易に考えうる変化または修飾は、すべて以下の本発明の特許請求の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0033】
10 サーボモータ
102 振動検出ユニット
20 サーボ駆動装置
202 高速直列通信インターフェース
204 データバッファ
206 マイクロプロセッサ
2062 時間周波数領域変換ユニット
2064 解析ユニット
2066 悪化指数計算ユニット
2068 健康指数計算ユニット
S100 段階
S200 段階
S300 段階
S400 段階
S310 段階
S320 段階
S330 段階
S340 段階
Sv 時間領域振動信号
St1 時間領域分解信号
St2 時間領域分解信号
St3 時間領域分解信号
St4 時間領域分解信号
St5 時間領域分解信号
St6 時間領域分解信号
St7 時間領域分解信号
St8 時間領域分解信号
St9 時間領域分解信号
□g1 強度差
□g2 強度差
□g3 強度差
□g4 強度差
□g5 強度差
□g6 強度差
□g7 強度差
□g8 強度差
□g9 強度差

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータ数値制御工作機械の振動状況の推測に使用される、サーボモータの健康警告装置であって、
サーボモータの回転パラメータを検出し、振動信号を生成する、振動検出ユニットを少なくとも1つ含むサーボモータ、ならびに
該サーボモータと接続する、サーボ駆動装置を含み、該サーボ駆動装置が、
マイクロプロセッサを含み、該マイクロプロセッサが、
該振動信号を受信し、該振動信号の時間領域および周波数領域間の変換を行う、時間周波数領域変換ユニットと、
該時間周波数領域変換ユニットと接続し、該振動信号を受信して、該振動信号を複数の分解信号に分解する解析ユニットと、
該解析ユニットと接続し、選択した該分解信号および評価曲線の比較により、悪化指数を算出する悪化指数計算ユニットと、
該悪化指数計算ユニットと接続し、該悪化指数により、健康指数を算出する健康指数計算ユニット、
を含み、
これにより、該内蔵の振動検出ユニットを利用して、余分な検出器の取付けおよび配線を省くことができ、さらに、該健康指数の大小により、該サーボモータが、コンピュータ数値制御工作機械において回転することによる振動状況を推測し、非線形および非定常の振動特性に対して好適な解析を提供する
ことを特徴とする、健康警告装置。
【請求項2】
該サーボ駆動装置が、該振動信号を伝送する通信インターフェースを提供する、高速直列通信インターフェースをさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載のサーボモータの健康警告装置。
【請求項3】
該サーボ駆動装置が、該高速直列通信インターフェースおよび該マイクロプロセッサとそれぞれ接続し、該振動検出ユニットが生成する該振動信号を受信および保存するデータバッファをさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載のサーボモータの健康警告装置。
【請求項4】
該振動検出ユニットが、該サーボモータのエンコーダ内に設置され、該コンピュータ数値制御工作機械の伝動システムの振動状況を推測することを特徴とする、請求項1に記載のサーボモータの健康警告装置。
【請求項5】
該振動検出ユニットが、該サーボモータの固定子溝に設置され、該コンピュータ数値制御工作機械のマシンの振動状況を推測することを特徴とする、請求項1に記載のサーボモータの健康警告装置。
【請求項6】
該データバッファがキューバッファであることを特徴とする、請求項1に記載のサーボモータの健康警告装置。
【請求項7】
該振動検出ユニットがG−sensorであることを特徴とする、請求項1に記載のサーボモータの健康警告装置。
【請求項8】
該評価曲線が経験則によって得られたものであることを特徴とする、請求項1に記載のサーボモータの健康警告装置。
【請求項9】
該悪化指数が、該悪化指数計算ユニットにより、該分解信号および該評価曲線を比較して算出されることを特徴とする、請求項1に記載のサーボモータの健康警告装置。
【請求項10】
コンピュータ数値制御工作機械の振動状況の推測に使用される、サーボモータの健康警告の計算方法であって、以下の
(a)振動検出ユニットによって、振動信号が生成される段階と、
(b)該振動信号が、データバッファに順次伝送される段階と、
(c)時間周波数領域変換ユニットによって、該振動信号の時間周波数領域変換が行われる段階と、
(d)悪化指数計算ユニットによって悪化指数が計算され、健康指数計算ユニットを利用して健康指数が得られる段階、
を含むことを特徴とする、計算方法。
【請求項11】
該段階(c)が、
(c1)経験的モード分解(EMD)によって、複数の固有モード関数(IMF)成分が得られる段階と、
(c2)主な該固有モード関数(IMF)成分が選択される段階と、
(c3)該主な固有モード関数(IMF)成分の、ヒルベルト−ホワン変換(HHT)が行われ、複数の瞬間分解信号が得られる段階と、
(c4)これらの瞬間分解信号を組み合わせ、ヒルベルトスペクトル(Hilbert Spectrum)が得られる段階、
をさらに含むことを特徴とする、請求項10に記載の健康警告の計算方法。
【請求項12】
該振動信号の時間周波数領域変換が、ヒルベルト−ホワン変換(HHT)であることを特徴とする、請求項10に記載の健康警告の計算方法。
【請求項13】
該振動信号の時間周波数領域変換が、高速フーリエ変換(FFT)であることを特徴とする、請求項10に記載の健康警告の計算方法。
【請求項14】
該振動信号の時間周波数領域変換が、ウェーブレット変換(WT)であることを特徴とする、請求項10に記載の健康警告の計算方法。

【図1A】
image rotate

【図1B】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5A】
image rotate

【図5B】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2011−259579(P2011−259579A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−130839(P2010−130839)
【出願日】平成22年6月8日(2010.6.8)
【出願人】(510160443)デルタ エレクトロニクス,インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】