説明

サーモクロミックセンサを有する工業用布

本発明は、工業的熱プロセス、そのようなプロセスにおいて使用される工業用布、その工業用布の製造、及び/又は製造されたあるいはその布の上に運ばれた製品の熱プロファイルを調べる際に使用されることが可能な、プロセス制御の助けとして用いられるポリチオフェンなどのサーモクロミック材料が組み込まれた、エンドレスベルト及び布に向けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、温度プロファイルを調べるためにサーモクロミック材料を利用する工業用布に関する。
【背景技術】
【0002】
工業用布とは、例えば、形成布、プレス布、乾燥布又はプロセスベルト(抄紙分野)として使用されるエンドレスベルトを意味している。また、それは、圧印布(impression fabric)、TAD布、エンボス布、メルトブロー法などの工程によって不織布を製造する際に使用される布、又は布仕上げ工程において使用される布、として使用されることが可能である。
【0003】
一般的に、抄紙工程においては、繊維のスラリー、すなわちセルロース繊維の水性分散体を、抄紙機の形成区間にある移動形成布の上に配置することによって、セルロース繊維のウェブが形成される。スラリーからは形成布を通して大量の水が排出され、その後には形成布の表面上にセルロースの繊維ウェブが残っている。
【0004】
新しく形成されたセルロース繊維のウェブは、形成区間から、一続きのプレスニップが設けられているプレス区間へと進む。セルロース繊維のウェブは、プレス布によって、又は、場合によっては、2つのそのようなプレス布の間によって支持されているプレスニップを通過する。プレスニップでは、セルロース繊維のウェブが圧縮力を受けて水を搾り取られる。そして、セルロース繊維のウェブが紙シートになるようにウェブ状のセルロース繊維はくっつき合う。絞り取られた水は、1つ又は複数のプレス布によって吸収され、理想的には紙シートに戻ってくることがない。
【0005】
紙シートは最後に乾燥区間へと進む。その乾燥区間には、蒸気によって内部から加熱された、一続きの回転乾燥ドラム又はシリンダが少なくとも1つ設けられている。新たに形成された紙シートは、乾燥布によって、一続きのドラムのそれぞれの周囲に連続的に存在している曲がりくねった通路へと運ばれる。ここで、乾燥布は、ドラムの表面に近接するように紙シートを保持している。加熱されたドラムは、紙シートの水分を蒸発させることによって、紙シートの水分含有量を望ましいレベルにまで減少させる。
【0006】
通常において、形成布、プレス布及び乾燥布は全て抄紙機上にてエンドレスループの形態をしており、コンベアベルトのように働く。さらに、一般的に、紙の製造は高速で進行する連続的なプロセスを有している。すなわち、新しく製造された紙シートが乾燥区間から出た後にローラ上に連続的に巻かれる間、繊維のスラリーは形成区間において形成布上に連続的に配置されるのである。
【0007】
工業用布を使用する際、しばしば、装置へと移送される工業用布及び/又は製品の操作状況に関する情報を装置の操作者が得ることは有益であり、そういった情報のなかでも最も重要なのが製品を作る際の熱条件である。特に、操作者には、製品を生み出す熱プロセスが機械の幅方向及び/又は走行方向において確実に均一に熱を加えることが可能なように、布又はベルトの熱プロファイルを監視することが求められる。
【0008】
サーモクロミック材料は温度の変化によって色が変化するものとして知られている。温度の変化にしたがって色が変わるという固有の性質は、例えば、医療、自動車、保存、玩具製造などの多くの分野において応用されている。
【0009】
特許文献1には、患者に流体物を投与する前に、その流体物の温度を視覚的に示す装置及び方法が記載されている。温度センサ装置は、押し出し成形された又は流体投与チューブの中に成形されたサーモクロミック液晶性ポリマーを有している。そのポリマーは、温度変化に反応して色を少なくとも一色変化させることが可能である。
【0010】
特許文献2は、玩具の温度が変化するにつれて色が変わるサーモクロミック材料を含有する塗料で塗装された玩具について教示している。温度変化に反応して色を変える、様々なパターン、デザイン、数字、文字又は印しを提供するために、玩具の選択された箇所がサーモクロミック材料で塗装される。加えて、玩具の様々な箇所が、様々な色を有するサーモクロミック材料を含有する様々な塗料で塗装されてもよい。
【0011】
特許文献3は、電子供給有機色化合物、電子受容化合物及びエステルの色記憶染料を有する少なくとも1つの領域を備えた玩具セットに関する。色記憶染料は、t(C度)よりも温度が低いときの第一の色と、t(C度)よりも温度が高いときの第二の色とを有している。第一の色及び第二の色は、tとtの間の温度で表示される。色特性のための適切な温度範囲を決定するために、温度感受視覚インジケータが設けられており、そのインジケータは樹脂固溶体の形状で可逆サーモクロミック顔料からなる可逆サーモクロミック材料よりなる。
【0012】
特許文献4は、腐りやすい製品の時間−温度保管履歴、すなわち保管寿命を監視するための色変化装置について記載している。その装置は、アクチベータ組成マトリックスを有するアクチベータテープと、表示組成マトリックスを有する表示テープと、そのアクチベータテープと表示テープの間にある選択バリアマトリックスと、から構成されている。アクチベータ組成、例えば、クエン酸などの有機酸は、管理された温度にて視覚的に観察可能な色変化を生じさせるために、バリア及び/又は表示マトリックスの中へと、例えば酸塩基染料インジケータなどの表示組成と連続的に接触するように拡散する。アクチベータ組成が表示マトリックスの中に拡散するにつれて、時間及び温度にしたがって色は濃くなる。そのマトリックスは水分不浸透性である。また、装置は色変化のための活性化エネルギー及び速度定数値を有しており、それらは崩壊生成物におけるものと実質的に同じである。これによって、腐りやすい製品の保管寿命を正確に及び連続して監視することが可能である。
【0013】
特許文献5は、60℃以上70℃以下という安全な範囲にある容器内の食物の温度を表示する容器表面のサーモクロミック層を有する、食物温度容器又は他の器具に関する。この温度範囲の下限は、細菌の胞子形成を抑制するために特定の微生物における可逆的なタンパク質変性を生じさせるための最小温度範囲よりも高いという、食物にとって安全な温度条件である。また、その温度範囲の上限は、不可逆的なタンパク質の変性、及び飲食者の舌、唇又は喉の組織の負傷を防ぐことが可能な、安全な温度条件となっている。サーモクロミック層は、その温度範囲において赤から黒へと色を変える。
【0014】
特許文献6は、ポリチオフェン及びキャリア媒体からなる、サーモクロミック高分子基温度表示組成物に関する。その組成物は、ポリチオフェンが組成物の全重量に対して約0.05%から5.0%ほど媒体中に存在していることを特徴としている。組成物の構造は、その組成物が、ある物品と熱交換関係にあるように配置されている場合、設計温度又はその設計温度を越えた温度にその物品が到達するときに組成物は色変化を示すように設計されている。
【0015】
特許文献7及び特許文献8は、芳香族ポリマー骨格、及び繊維、フィルム、かつ他の物品の内部にチオフェン環を有する、ポリアリーレンエーテルケトン、ポリアミド、及びポリベンゾオキザゾールなどのチオフェン基ポリマーに関係している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】米国特許第5806528号明細書
【特許文献2】米国特許第5503583号明細書
【特許文献3】米国特許第5085607号明細書
【特許文献4】米国特許第5053339号明細書
【特許文献5】米国特許第4156365号明細書
【特許文献6】米国特許第6706218号明細書
【特許文献7】米国特許第5420224号明細書
【特許文献8】米国特許第5266677号明細書
【特許文献9】国際公開第97/02360号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
しかし、例えば、抄紙工業で用いられる工業用布において使用するのに適したサーモクロミック材料はほとんどない。なぜなら、サーモクロミック材料は、押し出し性が弱く(押し出し成形される間に壊れる)、必要とされる温度における色の可逆性が弱く、厳しい化学的及び熱的環境における生存性が弱く、可視波長及び強度における可変性が弱く、この材料を有する糸又は繊維を使用する工業用布の色の安定性も弱いからである。
【0018】
したがって、工業用布として使用できるサーモクロミック材料は非常に限定されている。例えば、特許文献9には、サーモクロミック材料からなるポリマーマトリックスを有する工業用ベルトが記載されている。サーモクロミック材料は、様々な方法で布構造の中へと組み込まれる。例えば、サーモクロミック材料を含んでいるポリマーマトリックスから糸を押し出し成形する方法、マイクロカプセル形態のサーモクロミック染料を中空の繊維の中に充填する方法、鞘−芯構造の糸の鞘の部分にサーモクロミック材料を用いる方法などがある。また、様々な温度において色を変化させる様々な材料が、ポリマーマトリックスの中に混ぜ入れられて使用され、フィラメント及び糸へと押し出し成形される。
【0019】
よって、従来の技術においては、工業用布でサーモクロミック材料を使用する方法についてはほとんど何も教示されておらず、そのような工業用布においてサーモクロミック材料を使用することができない。
【0020】
本発明は、工業用布が使用されるプロセスにとって又はその製造の際においてプロセス制御の助けになるサーモクロミック材料で作られた又はコーティングされた糸を有する工業用布に関する。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明の目的は、プロセス制御の助けとして用いられる、ポリチオフェンなどのサーモクロミック材料が組み込まれた工業用布又はその構成要素を提供することである。
【0022】
本発明のさらに別の目的は、工業用布又はベルトの様々な領域が受ける熱エネルギーの程度を監視する手段を提供することである。
【0023】
本発明のさらなる目的は、熱プロファイル及び熱設定あるいはコーティングの乾燥かつ硬化といった布を製造する際の様々なことがらを監視するといった、ベルト製造の際の布又はベルトの硬化温度の管理をするための手段を提供することである。
【0024】
本発明の他の目的は、以下の開示によって明らかとなるであろう。
【0025】
本発明は、限定されはしないが、形成、プレス又は乾燥布及び他の工業応用品として、抄紙工程で使用される工業用布に関する。その布は、例えば、可逆サーモクロミックポリマー、特にはポリチオフェンを含有する又はそれでコーティングされたモノフィラメントから形成される。可逆サーモクロミック材料は温度の変化にしたがって色が変化し、全てのサーモクロミックポリマー又は材料は、その色が変化するサーモクロミック変移温度を有している。この変化における変移温度は、側鎖にある分子の長さ及び/又は位置あるいは方向を変更することで修正されることが可能である。このようにして、布の温度は監視される。例えば、熱プロファイル、特には、そのプロファイルの非均一性が、使用者の目によって又は画像技術の助けによって探査されることで観察又は監視される。プロセスの監視又は制御を目的として使用される場合、布自体はアクティブセンサとなる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明にしたがう工業用布を示す。
【発明を実施するための形態】
【0027】
これより、本発明は、図面を参照しながらより完全にその詳細が説明される。
【0028】
サーモクロミックセンサは、色を変化させることによって熱環境に反応する材料である。そのような材料は、抄紙及び他の工業分野において使用される工業用布として様々に応用される。ポリチオフェンは、導電特性にほとんどの関心が向けられているが、サーモクロミック材料としても知られている。
【0029】
本発明に関連する技術は、側鎖を持つチオフェンポリマーを用いる。側鎖は温度変移を決定する際に重要である。側鎖の長さ及び配置を変化させることによって、ポリマーのサーモクロミック変移温度は決定される。例えば、変移温度は、室温以下の温度から180℃という高温にまで範囲を有することが可能である。その変移は、狭い幅、例えば、約10℃の幅、又は20℃あるいはそれ以上のより大きな幅を越えて生じるように調整されることも可能である。それは可逆的であり、その変化は非常に速い。ポリチオフェン固有の特徴として、色変移がポリマーにおける構造変化の結果として生じるということがあり、これは、染料、液晶又は金属錯体といった他のサーモクロミック材料における色変移のメカニズムとは大きく異なる。構造変化は物理的効果であるため、位置規則性、すなわち、温度変移における形状の変化を制御することは、求められている適用に係る利点を有する。さらに、サーモクロミックコーティングの持続性はそれ自体問題を有しているのであるが、これは、可逆サーモクロミック材料又はコーティングを、工業用繊維や、その糸、繊維あるいはモノフィラメントや、その表面に使用すること、形成されたフィラメントや繊維の表面上に直接的に使用すること、又は構成要素の1つとして保持される押し出し成形された樹脂に使用することを妨げることを意味しているのではない。
【0030】
理想的には、繊維、糸又はフィルムへサーモクロミック材料を組み込むことによって、それらが摩耗する場合でもサーモクロミック材料が存在し続けることが可能となる。しかし、高温サーモクロミック材料を除いた、ほとんどのサーモクロミック材料は、押し出し成形条件に耐えることができないので、サーモクロミック材料の工業用布分野への応用はある程度限定されている。チオフェンは非常に良い熱安定性を有しており、発明者はポリエチレンテレフタラートPETを含む熱可塑性材料へと連続的に押し出し成形することができた。例えば、0.35mmのモノフィラメントが、105°のサーモクロミックポリマーを押し出し成形することによって得られた。繊維が引き炉(draw ovens)から出るにつれ、黄色の高温色から赤紫色の低(周辺)温色へと色の変移が観察されるであろう。この観察によって、炉へと入る及びそこから出るときにおける色変化の可逆性と、色変移の速度とが確かめられた。
【0031】
本発明は、工業用布の構成要素として前述のような材料を使用することに向けられている。1つの例として、サーモクロミックポリマー含有モノフィラメント糸を織る際に使うことで、又は部分的に用いることで、CD方向においてストリップが形成される。図1に示されているように、CD糸12、14、16及びMD糸18によって形成されている布10は、CD方向における複数のモノフィラメント糸のストリップで構成されることが可能であり、そのストリップにおいては、例えば、順に95℃(16)、105℃(14)、115℃(12)と温度が徐々に変移するように、サーモクロミックポリマーを配置することも容易に可能である。ストリップの走行方向又はMD方向における長さは、直接的に目によって、又は画像技術、例えば、布を見るためのストローブ(strobe)又はカメラあるいはビデオ装置の助けを借りて、布を操作して検知することができるだけの十分な長さにされていればよい。換言すれば、各々のCDストリップは、サーモクロミックポリマー材料を含有する、少なくとも1つの又は好ましくはそれ以上の糸を有する。このようにして、熱プロファイル、特にはプロファイルの非均一性が観察される又は監視される。
【0032】
一例として、105℃のサーモクロミック変移を備えたチオフェンを有するコーティングを、スプレー塗布器を用いて乾燥布にCDストリップが形成されるように適用した。そのサーモクロミックコーティングを全て包むように、保護層としてポリウレタンを適用した。このサンプル布を、温度及び時間が容易にプログラム及び制御されることが可能なマチス炉(Mathis oven)(標準的な実験炉)に配置した。まず、布を一分間ほど85℃の温度で熱し、次に、温度を5℃づつ上昇させた。サーモクロミック変移が約100℃で始まり110℃で完了した様子が観察された。
【0033】
本願発明の布は、操作中においてアクティブセンサとなる。サーモクロミック要素を利用する多くの他のコンセプトが、前述の例から引き出される。また、その例は織布についてのものだが、サーモクロミック要素を有する他の布が前述の例のようになされてもよいし、例えば、MD及び/又はCD糸の配列、網、ニット、押し出し成形されたメッシュ、スパイラルリンク又はラミネートなどの不織構造を有する布でもよい。
【0034】
これまで「布」について言及してきたのであるが、本発明にしたがう構造は、糸又はフィルム、さらには、サーモクロミック材料を一部又は全体に用いる適用に基づいて、モノフィラメント、マルチフィラメント繊維、複合(鞘/芯)繊維、又はステープルファイバーからなる群から選択されるフィラメント状の材料から構成することも可能である。その構造は、サーモクロミック材料を含有する材料を一部又は全体に有することが可能な、1つ以上の層を有することができる。例えば、サーモクロミック材料の薄い層は、同じ材料から又は異なる材料から形成された鞘と芯と備えた鞘−芯形態で押し出し成形された複合糸を使用することによって製造されることが可能である。別法として、サーモクロミック材料の薄い層は、当業者に知られている手段によって糸の上にてコーティングされていてもよく、その手段としては、限定されはしないが、ディップ又はバスコーティング(dip or bath coating)、スプレー法、ジェット噴射法、ブレードコーティング、スクリーンプリント、染料適用又は目的に適した他の手段などが存在する。コーティングの厚い層もそれらの技術を用いることで作られ得るが、本発明においては薄い層の方が好ましい。さらなる別法として、布自体が、上記技術のいずれかを用いることでサーモクロミック材料の薄い層で覆われることも可能である。
【0035】
チオフェンポリマーによる色変移は、その化学的構造の結果であり、その材料に本来的に備わっているものである。一般的に、ある色から次の色への温度上昇にしたがう色の変移は、ポリマーの側鎖の構造変化によるものである。しかし、モノフィラメントの場合では、その押し出し成形の間に、顔料をポリチオフェンの中に加えることによって、色の変移を調整することも可能である。例えば、青い顔料を加えることで、サーモクロミック変移温度を過ぎて温度が高くなるにつれて、赤紫から始まって緑色へと最終的に変移する。
【0036】
また、サーモクロミック材料は、布又はベルトの製造におけるコーティングの硬化温度を監視する助けになるなど、工業用布のためのオンラインプロセスで使用することも可能である。
【0037】
上記の実施形態の修正態は当業者には明らかであろうが、本願の範囲を越えた修正がなされることはないであろう。以下の請求項はそういった状況もカバーするように構成されている。
【符号の説明】
【0038】
10 布
12、14、16 CD糸
18 MD糸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
形成布、プレス布、乾燥布、抄紙において使用されるプロセスベルト、圧印又はエンボス布、通気乾燥(through−air−dryer)(TAD)布、不織布の製造において使用される布、及び布仕上げにおいて使用される布からなる群から選ばれる工業用布であって、
前記布は、プロセス制御の助けとして使用される、サーモクロミック材料を含有する繊維、糸又はフィルムを有する、工業用布。
【請求項2】
前記サーモクロミック材料は、繊維、糸あるいはフィルムの一部として形成される、又はコーティング形態をなしていることを特徴とする請求項1に記載の布。
【請求項3】
前記サーモクロミック材料は、モノフィラメント、マルチフィラメント繊維、複合繊維、及びステープルファイバーからなる群から選択されるフィラメント状材料の形態をしていることを特徴とする請求項2に記載の布。
【請求項4】
前記サーモクロミック材料は、サーモクロミックポリマーであることを特徴とする請求項1に記載の布。
【請求項5】
前記サーモクロミックポリマーは、ポリチオフェンであることを特徴とする請求項4に記載の布。
【請求項6】
前記糸又は繊維はパターンに組み込まれており、及び前記サーモクロミックポリマーは異なる複数のサーモクロミック変移温度を有することを特徴とする請求項4に記載の布。
【請求項7】
前記パターンは、サーモクロミック変移温度が上昇する順でクロスマシン方向(CD)に配列されたストリップの形態であることを特徴とする請求項6に記載の布。
【請求項8】
前記パターンは、サーモクロミック変移温度が低下する順でクロスマシン方向(CD)に配列されたストリップの形態であることを特徴とする請求項7に記載の布。
【請求項9】
前記パターンは、サーモクロミック変移温度が上昇する又は低下する以外の順でクロスマシン方向(CD)に配列されたストリップの形態であることを特徴とする請求項7に記載の布。
【請求項10】
サーモクロミックポリマーの変移色は、顔料を使用することによって修正されることを特徴とする請求項4に記載の布。
【請求項11】
サーモクロミックポリマーの変移色は、顔料を使用することによって修正されることを特徴とする請求項5に記載の布。
【請求項12】
前記糸は、鞘−芯の形態で押し出し成形された複合糸であることを特徴とする請求項1に記載の布。
【請求項13】
前記鞘及び芯は、同じ材料又は異なる材料から形成されることを特徴とする請求項12に記載の布。
【請求項14】
サーモクロミック材料のコーティングは、ディップ又はバスコーティング、スプレー法、ジェット噴射法、ブレードコーティング、スクリーンプリント、及び染料適用のいずれかによってなされることを特徴とする請求項2に記載の布。
【請求項15】
サーモクロミック材料のコーティングをさらに有することを特徴とする請求項1に記載の布。
【請求項16】
サーモクロミック材料のコーティングは、ディップ又はバスコーティング、スプレー法、ジェット噴射法、ブレードコーティング、スクリーンプリント、及び染料適用のいずれかによってなされることを特徴とする請求項15に記載の布。
【請求項17】
形成布、プレス布、乾燥布、抄紙において使用されるプロセスベルト、圧印又はエンボス布、通気乾燥(TAD)布、不織布の製造において使用される布からなる群から選ばれる工業用布の形成方法であって、
前記布は、プロセス制御の助けとして使用される、サーモクロミック材料を含有する繊維、糸又はフィルムを有する、工業用布の形成方法。
【請求項18】
前記サーモクロミック材料は、繊維、糸あるいはフィルムの一部として形成される、又はコーティング形態をなしていることを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記サーモクロミック材料は、モノフィラメント、マルチフィラメント繊維、複合繊維、及びステープルファイバーからなる群から選択されるフィラメント状材料の形態をしていることを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記サーモクロミック材料は、サーモクロミックポリマーから作られることを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項21】
前記サーモクロミックポリマーは、ポリチオフェンであることを特徴とする請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記糸又は繊維はパターンに組み込まれており、及び前記サーモクロミックポリマーは異なる複数のサーモクロミック変移温度を有することを特徴とする請求項20に記載の方法。
【請求項23】
前記パターンは、サーモクロミック変移温度が上昇する順でクロスマシン方向(CD)に配列されたストリップの形態であることを特徴とする請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記パターンは、サーモクロミック変移温度が低下する順でクロスマシン方向(CD)に配列されたストリップの形態であることを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項25】
前記パターンは、サーモクロミック変移温度が上昇する又は低下する以外の順でクロスマシン方向(CD)に配列されたストリップの形態であることを特徴とする請求項20に記載の方法。
【請求項26】
サーモクロミックポリマーの変移色は、顔料を使用することによって修正されることを特徴とする請求項20に記載の布。
【請求項27】
サーモクロミックポリマーの変移色は、顔料を使用することによって修正されることを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項28】
サーモクロミック変移温度は、予め決められた範囲にあることを特徴とする請求項20に記載の方法。
【請求項29】
前記糸は、鞘−芯の形態で押し出し成形された複合糸であることを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項30】
前記鞘及び芯は、同じ材料又は異なる材料から形成されることを特徴とする請求項29に記載の方法。
【請求項31】
サーモクロミック材料のコーティングは、ディップ又はバスコーティング、スプレー法、ジェット噴射法、ブレードコーティング、スクリーンプリント、及び染料適用のいずれかによってなされることを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項32】
サーモクロミック材料を前記布の上に適用する工程をさらに有することを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項33】
サーモクロミック材料は、ディップ又はバスコーティング、スプレー法、ジェット噴射法、ブレードコーティング、スクリーンプリント、及び染色適用のいずれかによってなされることを特徴とする請求項32に記載の方法。
【請求項34】
モノフィラメント、マルチフィラメント、フィルム、複合繊維又はステープルファイバーであって、それらには、それらの一構成要素として又はそれらの上に適用されたコーティングとしてポリチオフェンが組み込まれている、モノフィラメント、マルチフィラメント、フィルム、複合繊維又はステープルファイバー。
【請求項35】
押し出し成形が可能な樹脂であって、前記樹脂には、該樹脂の一構成要素としてポリチオフェンが組み込まれている、押し出し成形が可能な樹脂。

【図1】
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【公表番号】特表2010−522283(P2010−522283A)
【公表日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−554626(P2009−554626)
【出願日】平成20年2月29日(2008.2.29)
【国際出願番号】PCT/US2008/055457
【国際公開番号】WO2008/115682
【国際公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【出願人】(591097414)アルバニー インターナショナル コーポレイション (110)
【氏名又は名称原語表記】ALBANY INTERNATIONAL CORPORATION
【Fターム(参考)】