説明

システム監視装置及びシステム監視方法及びプログラム

【課題】エレベーターシステムにより収集された動作状態データの中から、動作モードごとに記録すべき動作状態データを選択して読み出す。
【解決手段】エレベーターシステム100は、複数の動作モードで動作可能であり、動作中に複数種の動作状態データを収集し、収集した複数種の動作状態データを記憶する。エレベーター監視装置101は、複数種の動作状態データが収集された際の動作モードを判定するための判定基準を特定の動作状態データと対応付けて定義し、また、複数種の動作状態データのうち読出しの対象として選択すべき動作状態データを動作モードごとに定義しており、エレベーター監視装置101から動作モード判定のための動作状態データを読み出し、読み出した動作状態データと判定基準とを照合して、動作モードを判定し、判定した動作モードに対して定義されている動作状態データをエレベーターシステム100から選択して読み出す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の動作モードで動作可能であり、動作中に複数種の動作状態データ(動作状態信号ともいう)を収集する監視対象システムから、動作状態データを読み出す技術に関する。
特に、エレベーターシステムを監視対象システムとし、エレベーターシステムから、動作モードごとに、特定の動作状態データを選択して読み出す技術に関する。
【背景技術】
【0002】
ここでは、エレベーターシステムの動作状態データの管理について説明する。
【0003】
エレベーターの運行状況を確認する目的で、エレベーターの通常運行時に、エレベーターの監視カメラ映像とエレベーターの動作状態データ(操作盤の操作状態、各種センサの検知状態等のエレベーター動作中のエレベーターの状態を示す信号)をハードディスクなどの不揮発性メモリに記録することが行われている。
例えばエレベーターに異常があった場合に、エレベーター保守員が、異常が発生した時間帯の監視カメラ映像とエレベーター動作状態信号を時系列に確認することで、映像と信号とエレベーターの映像からどのような異常が発生したのかをより詳細に理解することができる。
【0004】
また、エレベーター保守員による保守作業の妥当性を詳細に検証するため、保守作業時のエレベーターの動作履歴と操作履歴を記録する保守作業評価手段がある(例えば、特許文献1)。
この保守作業評価手段は、保守員が所持する保守端末装置からの作業開始入力で起動し、作業終了入力で停止するタイマーを備える。
また、この保守作業評価手段は、外部回線を介し保守会社の保守情報データベースと情報を授受する通信手段を備える。
また、この保守作業評価手段は、予め記憶した保守作業で発生する作業予定動作と、保全作業時の昇降機制御装置から得る昇降機の動作履歴と、携帯端末からの入力情報から成る操作履歴とを自動的に記憶する記憶手段と、記憶手段の作業予定動作と動作履歴並びに操作履歴を照合する照合手段を備える。
そして、照合手段は、結果がすべて一致した場合タイマーの計測時間を作業完了情報の作業時間として保守作業データベースに登録し、結果が不一致の場合にタイマーをリセットし携帯端末に保守作業内容が不備である事を通知する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−154106号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
エレベーターシステムの各動作モードの性格は異なるため、動作モードごとに、記録しておくべき動作状態信号の種類は異なる。
例えば、エレベーターの通常運行モード時に記録しておくべき動作状態信号の種類と、昇降機の保全作業評価のために保守作業モード時に記録しておくべき動作状態信号の種類は自ずと異なる。
しかしながら、エレベーターシステムでは、動作モードによって収集する動作状態信号を区別しておらず全種類の動作状態信号が一律に収集されている。
このため、エレベーターシステム外から動作状態情報を取り出す際に、動作モードごとに特定の動作状態信号のみを選択して取り出すことはできず、エレベーターシステムで収集された全種類の動作状態信号を一括して取り出し、記録することになる。
このように、全種類の動作状態信号を取り出さなければならないため、記憶装置の記憶リソースや通信回線を無駄に使用してしまうという課題がある。
【0007】
本発明では、このような課題を解決することを主な目的としており、監視対象システムにより収集された動作状態信号の中から、動作モードごとに記録すべき動作状態信号を選択し、選択した動作状態信号のみを読み出し、記憶装置の記憶リソースや通信回線の効率的な活用を可能にする構成を実現することを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るシステム監視装置は、
複数の動作モードで動作可能であり、動作中に複数種の動作状態信号を収集し、収集した前記複数種の動作状態信号を記憶する監視対象システムに接続され、
前記監視対象システムで記憶されている前記複数種の動作状態信号が収集された際の動作モードを判定するための判定基準が前記複数種の動作状態信号のうちの特定の照合対象動作状態信号と対応付けて示される判定基準情報と、前記複数種の動作状態信号のうち読出しの対象として選択される1つ以上の選択動作状態信号が動作モードごとに定義される信号定義情報とを記憶する情報記憶部と、
前記判定基準情報に基づき、前記監視対象システムから前記照合対象動作状態信号を読み出し、読み出した前記照合対象動作状態信号と前記判定基準とを照合して、前記複数種の動作状態信号が収集された際の動作モードを判定する動作モード判定部と、
前記信号定義情報に基づき、前記監視対象システムから、前記動作モード判定部により判定された動作モードに対して定義されている各選択動作状態信号を選択して読み出す動作状態選択読出し部とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、監視対象システムに記憶されている動作状態信号が収集された際の動作モードを判定し、判定した動作モードに対して定義されている読出しの対象の動作状態信号を選択して読み出すため、動作モードごとに必要な動作状態信号のみを選択して読み出すことができ、記憶装置の記憶リソースや通信回線の効率的な活用が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施の形態1に係る全体システムの構成例を示す図。
【図2】実施の形態1に係るエレベーターシステムの構成例を示す図。
【図3】実施の形態1に係るエレベーター監視システム及び監視記録装置の構成例を示す図。
【図4】実施の形態1に係るかご操作盤の例を示す図。
【図5】実施の形態1に係る乗り場操作盤の例を示す図。
【図6】実施の形態1に係る点検操作盤の例を示す図。
【図7】実施の形態1に係るモード定義テーブルの例を示す図。
【図8】実施の形態1に係るデータ出力定義テーブルの例を示す図。
【図9】実施の形態1に係る動作状態選択読出し部及び動作モード判定部の動作例を示すフローチャート図。
【図10】実施の形態1に係る動作状態選択読出し部及び動作モード判定部の動作例を示すフローチャート図。
【図11】実施の形態1に係る動作状態データ出力部の動作例を示すフローチャート図。
【図12】実施の形態1に係る出力負荷調整部の動作例を示すフローチャート図。
【図13】実施の形態1に係る出力データ形式の例を示す図。
【図14】実施の形態1に係る監視記録装置の動作例を示すフローチャート図。
【図15】実施の形態2に係る全体システムの構成例を示す図。
【図16】実施の形態2に係るエレベーターシステムの構成例を示す図。
【図17】実施の形態2に係るエレベーター監視システム、監視記録装置及び音声診断記録装置の構成例を示す図。
【図18】実施の形態2に係るモード定義テーブルの例を示す図。
【図19】実施の形態2に係る動作状態選択読出し部及び動作モード判定部の動作例を示すフローチャート図。
【図20】実施の形態2に係る動作状態選択読出し部及び動作モード判定部の動作例を示すフローチャート図。
【図21】実施の形態2に係る動作状態データ出力部の動作例を示すフローチャート図。
【図22】実施の形態2に係る監視記録装置の動作例を示すフローチャート図。
【図23】実施の形態2に係る音声診断記録装置の動作例を示すフローチャート図。
【図24】実施の形態2に係る保守端末装置を含む全体システムの構成例を示す図。
【図25】実施の形態1及び2に係るエレベーター監視装置のハードウェア構成例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
実施の形態1.
本実施の形態では、エレベーターシステムを監視するエレベーター監視装置について説明を行う。
図1は、本実施の形態に係るシステムの全体構成例を示す。
本実施の形態に係るエレベーター監視装置101は、エレベーターシステム100に接続されている。
また、エレベーター監視装置101は、監視記録装置102にも接続されている。
エレベーターシステム100は、複数の動作モードで動作可能であり、動作中に複数種の動作状態データ(動作状態信号ともいう)を収集し、収集した複数種の動作状態データを記憶する。
エレベーター監視装置101は、エレベーターシステム100の動作モードに応じて動作状態データを選択してエレベーターシステム100から読み出し、読み出した動作状態信号を監視記録装置102に出力し、監視記録装置102が動作状態データを記録する。
エレベーターシステム100は、監視対象システムの例である。
また、エレベーター監視装置101は、システム監視装置の例である。
また、監視記録装置102は、記録装置の例である。
【0012】
エレベーターシステム100で収集される動作状態データは、エレベーターの動作状態を表すデータであり、具体的にはエレベーターを構成する操作盤の信号値、センサの信号値、スイッチの信号値、エレベーター制御のための内部状態(かご走行中/停止中、かご階床、走行方向、戸開/戸閉中、次停止階床、かご内インジケータ表示内容など)である。
エレベーターの動作モードには、通常運行を行っている通常運行モード、保守点検を行っている点検モードがある。
エレベーター監視装置101は、エレベーターシステム100の動作モードごとに、動作状態データを切り換えて動作状態データを読み出す。
動作モードは、所定の動作状態データの値から判別する。
より具体的には、通常/点検スイッチという動作状態データが通常側のとき通常運行モード、点検側のとき点検モードと判断する。
エレベーター監視装置101は、通常運行モードでは、例えば、呼び登録ボタン、戸開閉ボタンなど利用者の操作、ドアセーフティスイッチ、戸開閉センサ、かご位置センサの各センサの信号値、かご走行中/停止中、かご階床、走行方向、戸開/戸閉中、次停止階のエレベーター制御のための内部状態を読み出す。
また点検モードでは、例えば、上スイッチ、下スイッチ、扉スイッチ、照明スイッチ、ファンスイッチ、自動/手動スイッチ、運転/休止スイッチ、通常/点検スイッチなど保守員の操作、戸開閉センサ、かご位置センサの各センサの信号値、かご内インジケータ表示内容のエレベーター制御のための内部状態を読み出す。
【0013】
動作モード及び読み出す動作状態信号は一例であって、動作モード及び読み出す動作状態信号に、任意の信号値、内部状態を割り当ててよい。
その他の動作モードには、例えば、地震を検知した場合に、かご内インジケータに管制運転を行っていることを表示し、登録済みの呼び登録をキャンセルし、最寄階に停止し、戸開する地震時管制運転モードがある。
また、火災発生ボタンを押した場合に、かご内インジケータに管制運転を行っていることを表示し、登録済みの呼び登録をキャンセルし、避難階に停止し、戸開する火災時管制運転モードがある。
更に、ピットへの浸水を冠水検出装置が検知した場合に、エレベーターを休止させる冠水時管制運転モードなどがある。
これらの動作モードにおいても、エレベーター監視装置101は、動作モードごとに動作状態信号を選択して読み出す。
【0014】
図2は、エレベーターシステム100の構成例を示す図であり、図3は、エレベーター監視装置101及び監視記録装置102の構成例を示す図である。
【0015】
エレベーターシステム100は、エレベーター監視装置101と監視I/F122を介して接続される。
監視記録装置102は、エレベーター監視装置101と通信回線121を介して接続される。
監視記録装置102は、エレベーター監視装置101が読み出したエレベーターの動作状態信号を記録するとともに、監視カメラ145と映像信号線150を介して接続され、監視カメラ145の撮影した映像を記録する。
【0016】
エレベーターシステム100では、制御盤103から巻上げ機104を駆動して、ロープ149で吊ったかご105、釣合いおもり106を昇降させる。
また、制御盤103は、扉107を駆動して開閉させ、かご照明147を点灯/消灯させ、かご内の換気を行うファン148を運転/停止させる。
巻上げ機104、扉107は制御信号線116を介して制御盤103と接続する。
乗り場操作盤(1)108、乗り場操作盤(2)109、乗り場操作盤(3)146は、乗り場に設置してエレベーター利用者に呼び登録を行わせる操作盤である。
かご操作盤110は、かご105に設置してエレベーター利用者に呼び登録、戸開閉操作を行わせる操作盤である。
点検操作盤111は、エレベーター点検者にエレベーター点検のための必要な操作を行わせるスイッチ群である。
また、戸開閉センサ112は、扉107の開閉有無を検知するセンサ、ドアセーフティスイッチ113は扉107の戸閉動作を妨害の有無を検知するスイッチで戸閉動作による人や物の挟み込みを検知し、かご位置センサ114はかごの上下方向の移動におけるかご位置を検出するセンサである。
これらは操作・センサ信号線115を関して、制御盤103と接続する。
【0017】
制御盤103では、操作・センサ信号入出力部120を介して接続する操作盤、センサ、スイッチの信号値を、エレベーター制御部117が動作状態記憶部118に動作状態データとして記憶する。
エレベーター制御部117は、動作状態データを用いて制御信号入出力部119を介して接続する巻上げ機104、扉107を制御する。
【0018】
エレベーター監視装置101は、制御盤103の動作状態記憶部118の動作状態データを参照して、エレベーターシステム100の正常動作を監視するともに、通信回線121を介して監視記録装置102に動作状態データを出力する。
【0019】
動作状態選択読出し部130は、動作状態記憶部118の動作状態データのうち、監視データ定義記憶部132で定義した所定の動作状態データを選択して読み出す。
つまり、動作状態選択読出し部130は、後述の監視データ定義記憶部132に記憶されている定義情報(信号定義情報)に基づき、エレベーターシステム100から、動作モード判定部131により判定された動作モードに対して定義されている動作状態データ(選択動作状態信号)を選択して読み出す。
より具体的には、動作状態選択読出し部130は、動作モード判定部131により判定された動作モードに対して監視データ定義記憶部132の定義情報に示されている読み出し対象の動作状態データのアドレスに従い、エレベーター監視装置101から動作状態データを選択して読み出す。
【0020】
動作モード判定部131は、動作状態選択読出し部130に動作状態記憶部118から読み出させた動作状態データと監視データ定義記憶部132の定義情報から、制御盤103がエレベーターシステム100をどのような状態で動作させているかを示す動作モードを判定する。
つまり、動作モード判定部131は、動作状態選択読出し部130を介して、動作状態記憶部118に記憶されている動作状態データのうち動作モードの判別に用いられる特定の動作状態データ(照合対象動作状態信号)を読み出し、読み出した動作状態データと監視データ定義記憶部132の定義情報(判定基準情報)とを照合して、対象としているレコードの複数の動作状態データがエレベーターシステム100において収集された際の動作モードを判定する。
なお、監視データ定義記憶部132の定義情報には、動作モードの判別に用いられる特定の動作状態データが記憶されている動作状態記憶部118内のメモリアドレスが定義されており、動作モード判定部131は、この定義情報のメモリアドレスに従い、特定の動作状態データを読み出す。
【0021】
エレベーターシステム100の動作モードには、利用者の呼びで動作する通常運行モードとエレベーター保守員が点検を行う点検モードとがあり、動作モードは前記操作盤、センサ、スイッチの信号値、エレベーター制御部117の内部状態など、すなわち動作状態データの値によって決まる。
換言すれば、動作モード判定部131は、このような動作状態データを用いて、動作モードを判別する。
【0022】
動作状態データ出力部133は、動作モードに応じて動作状態選択読出し部130が読み出した動作状態データを通信回線121に出力するとともに、出力負荷調整部134から得る監視記録装置102の負荷状態に応じて出力する動作状態データ量を減らす。
つまり、動作状態データ出力部133は、出力負荷調整部134が調整した出力信号量の範囲内で、動作状態選択読出し部130が読み出した動作状態データを通信回線121を通して監視記録装置102に出力する。
動作状態データ出力部133は、信号出力部の例である。
【0023】
監視データ定義記憶部132は定義情報を記憶する。
定義情報としては、モード定義テーブルとデータ出力定義テーブルがある。
モード定義テーブルには、動作モードの判定のために読み出す動作状態データと動作モード判定部131が判定する動作モードの判定条件が定義されている。
データ出力定義テーブルには、動作モード判定部131により判定された動作モードに応じて、動作状態選択読出し部130が動作状態記憶部118から読み出す動作状態データが定義されている。
モード定義テーブルとデータ出力定義テーブルの詳細は後述する。
なお、監視データ定義記憶部132は、情報記憶部の例である。
【0024】
出力負荷調整部134は、負荷監視部144から監視記録装置102の記録負荷状況を示す負荷情報を入力し、負荷情報に基づいて動作状態データ出力部133からの出力データ量を調整する。
【0025】
監視記録装置102は、監視カメラ145が撮影した映像とともに、動作状態データを記録する。
【0026】
監視記録装置102では、映像入力部142が監視カメラ145の映像信号を入力し、映像記録部143が映像を記録する。
また、動作状態入力部140がエレベーター監視装置101から動作状態データを入力し、動作状態記録部141が動作状態データを記録する。
動作状態記録部141、映像記録部143は、RAM(Random Access Memory)、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(登録商標)カード、フラッシュ・ソリッド・ステート・ドライブ、ハードディスク・ドライブなどの記憶媒体で構成する。
動作状態記録部141、映像記録部143に各データを記録する際に、所定時点の映像と動作状態を確認することができるよう、時刻情報を同時に記録することで、監視記録装置102に記録する。
負荷監視部144は、動作状態記録部141の記録動作を監視し、記録負荷を算出し、算出した記録負荷を示す負荷情報を通信回線121を介して、エレベーター監視装置101の出力負荷調整部134に送信する。
【0027】
図4は、かご操作盤110の外観図である。
エレベーターシステム100が3階床に停止する仕様の場合、かご操作盤110は、戸開ボタン201、戸閉ボタン202、呼び登録ボタン(1)203、呼び登録ボタン(2)204、呼び登録ボタン(3)205を含む。
これらのボタンは接点スイッチを内蔵しており、利用者の要求を操作・センサ信号線115を介して制御盤103に通知する。
戸開ボタン201は利用者が押すことでスイッチがONになり、制御盤103に扉を開ける要求を通知する。
戸閉ボタン202は利用者が押すことでスイッチがONになり、制御盤103に扉を閉める要求を通知する。
各呼び登録ボタンは呼び登録ボタンの示す階床への呼び登録要求を受け付け、利用者がボタンを押すことでスイッチがONになり、制御盤103に対応した要求を通知する。
このように3階床に停止する仕様の場合、呼び登録ボタンは3つであるが、停止階床数に応じて呼び登録ボタンの数も変わる。
【0028】
図5は、乗り場操作盤(1)108、乗り場操作盤(2)109、乗り場操作盤(3)146の外観図である。
エレベーターシステム100が3階床に停止する仕様の場合、乗り場操作盤は各階床にひととづつで、3箇所に設置する。
乗り場操作盤(1)108は、1階に設置し、上方向呼び登録ボタン301を備える。
乗り場操作盤(2)109は2階に設置し、上方向呼び登録ボタン301と下方向呼び登録ボタン302とを備える。
乗り場操作盤(3)146は3階に設置し、下方向呼び登録ボタン302を備える。
上方向呼び登録ボタン301、下方向呼び登録ボタン302は、接点スイッチを内蔵しており、利用者の要求を操作・センサ信号線115を介して制御盤103に通知する。
上方向呼び登録ボタン301は上方向への乗り場呼び登録要求を、下方向呼び登録ボタン302は下方向への乗り場呼び登録要求を、それぞれ受け付け、利用者がボタンを押すことでスイッチがONになり、制御盤103に対応した要求を通知する。
このように乗り場操作盤は各階床の乗り場に設置するもので、3階床に停止する場合、乗り場操作盤は3箇所に設置して、最下階は上方向のみ呼び登録可能、中間階は上下方向の呼び登録可能、最上階は下方向のみ呼び登録可能の乗り場操作盤をそれぞれ設置する。
階床数が増減する場合、中間階用の操作盤の設置数を変える。
【0029】
図6は、点検操作盤111の外観図である。
点検操作盤111は、エレベーター保守員による点検やエレベーター管理者による維持運行管理に使用するもので、通常は錠付きのスイッチカバーで覆い、エレベーター利用者が操作できないようにかご内に設置する。
これらのスイッチは接点スイッチを内蔵しており、操作者の要求を操作・センサ信号線115を介して制御盤103に通知する。
上スイッチ401、下スイッチ402は保守員が点検を行う際にかごを上下させるスイッチ、通過ボタン403は乗り場呼びに応答せずに通過させるスイッチで、それぞれスイッチ押下でONとなる。
上スイッチ401、下スイッチ402は、自動/手動スイッチ407が手動のときに有効となる。
扉スイッチ404は、スイッチが扉位置で戸開閉制御を有効にさせ、切位置で戸開閉制御を無効にさせる。
照明スイッチ405は、スイッチが照明位置でかご照明147を点灯させ、切位置でかご照明147を消灯させる。
ファンスイッチ406は、スイッチがファン位置でファン148を運転、切位置で停止させる。
自動/手動スイッチ407は、自動位置で自動運転、手動位置で手動運転にさせる。
運転/休止スイッチ406は、運転位置でエレベーターシステム100を運転、休止位置で休止させる。
通常/点検スイッチ407は、通常位置でエレベーターシステム100を通常運行モード、点検位置で点検モードとさせる。
これら各スイッチはトグルスイッチである。
【0030】
エレベーターシステム100の保守点検を行う場合、保守員は通常/点検スイッチ409を点検位置にして点検モードにさせ、自動/手動スイッチ407を手動位置にして手動運転にさせ、照明スイッチ405を切位置にしてかご照明147を消灯させ、点検を開始する。
扉107の点検は、上スイッチ401、下スイッチ402を操作してかご位置を調整、運転/休止スイッチ408を切位置にしてエレベーターシステム100を休止させ、扉スイッチ404を切位置にして戸開閉制御を無効にさせ、扉107を手動で開閉して行う。
また、扉107の点検が終了の際には、扉スイッチ404を扉位置にして戸開閉制御を有効にさせ、運転/休止スイッチ408を運転位置にしてエレベーターシステム100を運転させる。
またかご上、ピットの点検の際も、保守員は上スイッチ401、下スイッチ402を操作してかご位置を調整して、かご上(かごの天井部の上)、ピット(かごが移動する昇降路の最下部)、昇降路天井に移動して点検を行う。
保守点検を終了する際は、照明スイッチ405を照明位置にしてかご照明147を点灯させ、自動/手動スイッチ407を自動位置にして自動運転にさせ、通常/点検スイッチ409を通常位置にして通常運行モードにさせる。
【0031】
図7はモード定義テーブル501の例を示す。
また、図8はデータ出力定義テーブル601の例を示す。
前述のように、モード定義テーブル501およびデータ出力定義テーブル601は、監視データ定義記憶部132で記憶されている。
【0032】
モード定義テーブル501は、動作状態選択読出し部130が動作状態記憶部118から動作モード判定のために読み出す動作状態データ(照合対象動作状態信号)と動作モード判定部131が判定するエレベーターシステム100の動作モードの判定条件を規定する。
モード定義テーブル501は、モード優先順位502、入力動作状態データ名503、入力動作状態データアドレス504、条件505、条件値506、モード名507、モード番号508を含む。
モード優先順位502は、モード定義テーブル501における同モードの選択の優先順位を、1から始まる数値で示し、数値の低いモードが優先順位が高い。
入力動作状態データ名503は、動作モードの判定のために動作状態記憶部118から読み出す動作状態データ(照合対象動作状態信号)との名称を示す。
入力動作状態データアドレス504は、動作モードの判定のために読み出す動作状態データを記憶している動作状態記憶部118でのアドレスを示す。
入力動作状態データアドレス504は、動作状態記憶部118が例えば所定の複数個の動作状態データを1レコードとして管理している場合には、動作モードの判定のために読み出す動作状態データがレコード中のどの列に格納されているかを表すアドレス(例えばレコード先頭からのオフセット値)である。
条件505は、条件値506と合わせて、動作モードを判定する条件を示し、入力動作状態データアドレス504が示す動作状態データ値との比較に用いる。
条件505は等号、不等号などの符号を、条件値506は条件505により動作状態データと比較する値を示す。
モード名507はモードの名称、モード番号508はモードの番号を示す。
【0033】
本実施の形態では、モード定義テーブル501に、動作モードとして、通常運行モードと点検モードを設定する。
通常運行モードを判別するためのレコードでは、入力動作状態データ名503に「通常/点検スイッチ」の動作状態データ、入力動作状態データアドレス504に「通常/点検スイッチ」の動作状態データが格納されているアドレス、条件505に「1(通常側を示す)」、条件値506に「等しい」、モード名507に「通常運行モード」、モード番号508に「1(通常運行モードを示す)」と設定する。
また、点検モードを判別するためのレコードでは、入力動作状態データ名503に「通常/点検スイッチ」の動作状態データ、入力動作状態データアドレス504に「通常/点検スイッチ」の動作状態データが格納されているアドレス、条件505に「0(点検側を示す)」、条件値506に「等しい」、モード名507に「点検運行モード」、モード番号508に「2(点検運行モードを示す)」と設定する。
モード優先順位502は通常運行モードが1、点検モードが2と設定する。定義するモードは、3つ以上あってもかまわない。
つまり、これから読み出そうとする動作状態記憶部118のレコードがいずれの動作モードの際に収集されたものであるかを判定するために、動作状態選択読出し部130は、まず、入力動作状態データアドレス504に示されているアドレスに格納されている動作状態データを読み出す。
【0034】
図5の例では、動作状態選択読出し部130は「通常/点検スイッチ」の動作状態データを読み出し、動作モード判定部131が動作状態選択読出し部130により読み出された「通常/点検スイッチ」の動作状態データの値が1と等しいか、0と等しいかを判断し、1と等しい場合は、これから読み出そうとしているレコードの動作状態データが収集された際の動作モードが「通常運行モード」であると判別することができる。
一方、0と等しい場合は、これから読み出そうとしているレコードの動作状態データが収集された際の動作モードが「点検運行モード」であると判別することができる。
このように、モード定義テーブル501は、これから読み出そうとしているレコードの動作状態データが収集された際の動作モードを判定するための判定基準が複数種の動作状態データのうちの特定の動作状態データ(照合対象動作状態信号)(図5の例では「通常/点検スイッチ」)と対応付けて示される。
モード定義テーブル501は判定基準情報の例である。
【0035】
データ出力定義テーブル601は、エレベーターシステム100の動作モードに応じて、動作状態選択読出し部130が動作状態記憶部118から読み出すデータと動作状態データ出力部133が出力する動作状態データを規定する。
データ出力定義テーブル601は、出力優先順位602、モード番号503、出力動作状態データ名604、出力動作状態データアドレス605を含む。
出力優先順位602は、データ出力定義テーブル601における出力動作状態データの優先順位を、1から始まる数値で示し、数値の低い動作状態データが優先順位が高い。
モード番号603はモードの番号を示し、出力動作状態データ名604はモードに応じて出力する動作状態データの名称を示し、出力動作状態データアドレス605は出力動作状態データ名604に示される出力動作状態データを記憶している動作状態記憶部118でのアドレスを示す。
なお、出力動作状態データアドレス605は、入力動作状態データアドレス504と同様に、動作状態記憶部118が例えば所定の複数個の動作状態データを1レコードとして管理している場合には、各出力動作状態データがレコード中のどの列に格納されているかを表すアドレス(例えばレコード先頭からのオフセット値)である。
【0036】
本実施の形態では、データ出力定義テーブル601に、通常運行モードの際に出力する動作状態データとして、呼び登録ボタン、戸開閉ボタン、ドアセーフティスイッチ、戸開閉センサ、かご位置センサ、かご走行中/停止中、かご階床、走行方向、戸開/戸閉中、次停止階のそれぞれの動作状態データを出力動作状態データ名604に設定し、また、これらの出力動作状態データが格納されているアドレスを出力動作状態データアドレス605に設定する。
また、モード番号603の値に「1(通常運行モードを示す)」を設定する。
また、点検モードの際に出力する動作状態データとして、上スイッチ、下スイッチ、扉スイッチ、照明スイッチ、ファンスイッチ、自動/手動スイッチ、運転/休止スイッチ、通常/点検スイッチ、戸開閉センサ、かご位置センサ、かご内インジケータ表示内容のそれぞれの動作状態データを出力動作状態データ名604に設定し、また、これらの出力動作状態データが格納されているアドレスを出力動作状態データアドレス605に設定する。
また、モード番号603の値に「2(点検運行モードを示す)」を設定する。
【0037】
例えば、動作モード判定部131により通常運行モードと判定された場合は、動作状態選択読出し部130は、読み出そうとしている動作状態記憶部118のレコードから、出力動作状態データアドレス605に従って、呼び登録ボタン、戸開閉ボタン、ドアセーフティスイッチ、戸開閉センサ、かご位置センサ、かご走行中/停止中、かご階床、走行方向、戸開/戸閉中、次停止階のそれぞれの動作状態データを読み出す。
また、動作モード判定部131により点検運行モードと判定された場合は、動作状態選択読出し部130は、読み出そうとしている動作状態記憶部118のレコードから、上スイッチ、下スイッチ、扉スイッチ、照明スイッチ、ファンスイッチ、自動/手動スイッチ、運転/休止スイッチ、通常/点検スイッチ、戸開閉センサ、かご位置センサ、かご内インジケータ表示内容のそれぞれの動作状態データを読み出す。
このように、データ出力定義テーブル601は、動作モードごとに、複数種の動作状態データのうち読出しの対象として選択される1つ以上の出力動作状態データ(選択動作状態信号)を定義している。
データ出力定義テーブル601は、信号定義情報の例である。
【0038】
図9及び図10は、動作状態選択読出し部130及び動作モード判定部131の動作を示すフローチャートである。
【0039】
動作状態選択読出し部130は、ステップS701で規定時間(この時間は動作状態データ出力部133が動作状態データを出力する間隔を決定する)待つ。
ステップS702からステップS709まではエレベーター動作モードを決定するステップである。
動作モード判定部131は、ステップS702でモード定義テーブル501において処理するレコードを示すモード優先順位変数に1をセットする。
ステップS703で、動作モード判定部131が、モード定義テーブル501から、モード優先順位502がモード優先順位変数と等しいレコードを読み取る(情報読み取りステップ)。
次に、動作状態選択読出し部130が、ステップS704で、動作状態記憶部118から、S703で読み取られたレコードの入力動作状態データアドレス504に示されるアドレスに格納されている動作状態データを読み出す(動作モード判定ステップ)。
次に、動作モード判定部131が、ステップS705で、S704で読み出された動作状態データを条件505と条件値506により評価する(動作モード判定ステップ)。
ステップS706(動作モード判定ステップ)で条件が成立しない場合、動作モード判定部131は、ステップS707でモード優先順位変数をインクリメントする。
そして、ステップS708で、動作モード判定部131は、モード定義テーブル501の全レコードのチェックが完了したか判断し、全レコードのチェックが完了している場合は、S704で読み出された動作状態データが規定の条件を満たしていないことになり、ステップS701に戻る。
また全レコードのチェックが完了していない場合は、動作モード判定部131は、ステップS703に戻り、モード定義テーブル501の次のレコードを処理する。
一方、ステップS706で条件が成立した場合、ステップS709で、動作モード判定部131が、処理対象レコード(S703で読み取ったレコード)のモード番号508の値を、エレベーター動作モードとして決定し、エレベーター動作モード変数にセットする(動作モード判定ステップ)。
【0040】
ステップS710からステップS719までは、動作状態データ出力部133が出力する動作状態データを設定するステップである。
動作状態選択読出し部130は、ステップS710で、動作状態データ出力部133に出力する動作状態データの設定開始を意味するデータ開始を通知する。
次に、動作状態選択読出し部130は、ステップS711で、動作状態データ出力部133にエレベーター動作モード変数の値を通知する。
次に、エレベーター動作状態選択読出し部130は、ステップS712で、データ出力定義テーブル601において処理するレコードを示す出力優先順位変数に1をセットする。
次に、エレベーター動作状態選択読出し部130は、ステップS713で、データ出力定義テーブル601から出力優先順位602が出力優先順位変数と等しいレコードを読み取る(情報読取りステップ)。
次に、エレベーター動作状態選択読出し部130は、ステップS714で、S709でセットされたエレベーター動作モード変数がS713で読み取ったレコードのモード番号603と等しいか、即ち、動作モード判定部131が判別した動作モードにおける出力対象の動作状態データがS713で読み取ったレコードの出力動作状態データ名604に示される動作状態データであるかを判定する。
S709において等しいと判断した場合に、エレベーター動作状態選択読出し部130は、ステップS715で、S713で読み取ったレコードの出力動作状態データアドレス605に示されるアドレスに格納されている動作状態データを動作状態記憶部118から読み出す(動作状態選択読み出しステップ)。
次に、エレベーター動作状態選択読出し部130は、ステップS716で、動作状態データ出力部133に読み出した出力動作状態データを通知する。
次に、エレベーター動作状態選択読出し部130は、ステップS717で出力優先順位変数をインクリメントして対象を次のレコードに移し、S718でデータ出力定義テーブル601の全レコードを処理完了したかをチェックし、そうでない場合にステップS713に戻り次のレコードを処理する。
全レコードの処理が完了した場合は、エレベーター動作状態選択読出し部130は、ステップS719において動作状態データ出力部133に動作状態データの設定開始を意味するデータ終了を通知する。
【0041】
図11は、動作状態データ出力部133の動作を示すフローチャートである。
【0042】
動作状態データ出力部133は、このフローにおいて、動作状態選択読出し部130が動作状態データ出力部133に通知した動作状態データをバッファリングし、通信回線121に出力するとともに、監視記録装置102の負荷が高い場合に出力するデータを間引く処理を行う。
データ間引きの処理のため動作状態データ出力部133は、最大データサイズ変数をもち、出力データが最大データサイズ変数を超えないように制御し、また最大データサイズ変数を監視記録装置102の負荷に合わせて増減させる。
【0043】
動作状態データ出力部133は、ステップS801で、出力データサイズのカウントを行うため出力データサイズ変数に0を設定する。
次に、動作状態データ出力部133は、ステップS802において、動作状態選択読出し部130からのデータ開始通知待ちとなる。
次に、動作状態データ出力部133は、データ開始通知を受信したら、ステップS803で、エレベーター動作モードを受信する。
次に、動作状態データ出力部133は、ステップS804で、エレベーター動作モードをバッファに追加する。
次に、動作状態データ出力部133は、ステップS805で、出力データサイズ変数をエレベーター動作モードのデータサイズ分インクリメントする。
次に、動作状態データ出力部133は、ステップS806で、次のデータを受信する。
次に、動作状態データ出力部133は、ステップS807で、受信データがデータ終了通知でない場合はステップS808で出力データサイズ変数にステップS806で受信したデータサイズとを加えたものが、最大データ変数未満である場合、負荷から送信可能であると判定して、ステップS809で受信データをバッファに追加する。
次に、ステップS810で出力データサイズ変数を受信データサイズ分インクリメントして、ステップS806に戻り、次のデータの受信待ちをする。
また、ステップS807で受信データがデータ終了通知である場合、またはステップS808で負荷から送信不可能になると判断した場合に、動作状態データ出力部133は、ステップS811で出力データサイズ変数の値を通信回線121に送信する。
次に、動作状態データ出力部133は、ステップS812で、バッファした全データを通信回線121に送信して、ステップS801に戻る。
【0044】
図12は、出力負荷調整部134の動作を示すフローチャートである。
【0045】
出力負荷調整部134は、ステップS901で、通信回線121を介して監視記録装置102の負荷監視部144から負荷情報(正負の整数値)を受信する。
次に、出力負荷調整部134は、ステップS902で、動作状態データ出力部133の最大出力データサイズ変数を負荷情報で加算する。
【0046】
図13は、動作状態データ出力部133の出力データ形式を示す。
【0047】
出力データ形式1001は、先頭に出力データのサイズを示すデータ長1002、次に出力データがどのエレベーター動作モードの動作状態データであるのかを示すモード番号1003、次に動作状態データがデータ(1)1004、データ(2)1005、データ(3)1006と以降繰り返されて構成される。
【0048】
図14は、監視記録装置102の動作状態入力部140、動作状態記録部141、負荷監視部144の動作を示すフローチャートである。
【0049】
ステップS1101で、動作状態入力部140はデータ長1002を受信し、ステップS1102でデータ長1002の分だけデータを読み込み、ステップS1103で動作状態記録部141にデータを書き込む。
ステップS1104で、負荷監視部144はデータ長1002の受信間隔を示す受信間隔カウンタ変数(受信間隔カウンタ変数は自動的にインクリメントするカウンタである)をリセットし、次のデータ長1002の受信待ちとなる。
ステップS1105で、データ長1002を受信したら、負荷監視部144はステップS1106で受信間隔カウンタ変数から負荷情報を算出し、ステップS1107で算出した負荷情報を通信回線121を介して、エレベーター監視装置101の出力負荷調整部134に送信する。
負荷情報の算出は、受信間隔カウンタ変数が所定の高負荷判定しきい値以下であれば、ステップS1103の処理終了後に次のデータの処理までに十分な時間間隔がないことから負荷が高いと判断して、負荷情報が所定の負荷情報値を負の値であると決定する。
また、受信間隔カウンタ変数が所定の低負荷判定しきい値以上であれば、ステップS1103の処理終了後に次のデータの処理までに十分な時間間隔があることから負荷が低いと判断して、負荷情報が所定の負荷情報値を先とは逆に正の値として決定する。
高負荷判定しきい値、低負荷判定しきい値、負荷情報値は、システムに合わせて決定する。
【0050】
ステップS1103で動作状態記録部141にデータを書き込む際にタイムスタンプを付加することもできる。
映像入力部142は監視カメラ145の映像信号を入力し、映像記録部143が映像を記録する際に、同じくタイムスタンプを付加すれば、動作状態記録部141と映像記録部143とを時間軸を合わせて時系列に表示することができる。
【0051】
以上、本実施の形態では、
エレベーターの動作状態信号を記録するエレベーター監視装置において、動作状態信号が条件を満たした場合に決定するエレベーター動作モードに応じて、動作状態信号を選択的に記録するエレベーター監視装置を説明した。
より具体的には、以下の要素を備えるエレベーター監視装置を説明した。
動作モード判定部:動作状態信号により動作モードを判定する。
動作状態選択読出し部:動作モードの決定条件及び判定した動作モードに応じてエレベーター制御盤から動作状態信号を選択的に読み出す。
動作状態データ出力部:選択した動作状態データを監視記録装置に出力する。
【0052】
また、本実施の形態に係るエレベーター監視装置の動作モード判定部は、動作モードを、動作状態信号のうち通常/点検スイッチが通常側の場合に通常運行モード、点検側の時に点検モードと判定することを説明した。
【0053】
また、本実施の形態では、監視記録装置の記録負荷に応じて監視記録装置に送信する動作状態信号の数を増減させるエレベーター監視装置を説明した。
より具体的には、以下の要素を備えるエレベーター監視装置を説明した。
出力負荷調整部:監視記録装置の記録負荷に応じて最大送信データサイズ決定する。
負荷監視部:監視記録装置の記録負荷を監視する。
【0054】
実施の形態2.
本実施の形態のエレベーター監視装置は、エレベーターの動作モードに応じて動作状態とエレベーターに設置したマイクから入力してデジタル化した音声を記録する。
エレベーターの動作モードには、通常運行を行っている通常運行モード、診断運転を行っている診断運転モードがある。
動作モードは、所定の動作状態データの値から判別する。
より具体的には、通常/点検スイッチが通常側のとき通常運行モードと判断し、エレベーター制御のための内部状態のひとつである診断運転フラグが真のとき診断運転モードと判断する。
通常運行モードでは、呼び登録ボタン、戸開閉ボタンなど利用者の操作、ドアセーフティスイッチ、戸開閉センサ、かご位置センサの各センサの信号値、かご走行中/停止中、かご階床、走行方向、戸開/戸閉中、次停止階のエレベーター制御のための内部状態を記録する。
また、診断運転モードでは、音声データを記録する。
なお、動作モード及び記録する動作状態信号は一例であって、動作モード及び記録する動作状態信号に、任意の信号値、内部状態を割り当ててよい。
【0055】
エレベーターの診断運転は、例えば、エレベーターを走行・戸開閉などを行うと同時にエレベーターに搭載したセンサを使用して期待した動作となっているかを自動的に診断する。
診断運転の実行は、乗客がいない時に行い、例えば夜間定期的にスケジューリングして自動的に、あるいは保守員が保守用端末装置を接続して実行を指令して、行う。
【0056】
本実施の形態のエレベーター監視装置はエレベーター診断運転中の音声を録音する。
録音した音声は、保守員や音声診断装置が異常音診断を行う。
前記診断運転と異常音診断を組み合わせることで、異常検出の正確性を高める。
このため、診断運転の時だけ音声を録音することにより、通常運行中の乗客の会話音声や歩行音などを録音せず、乗客のプライバシー保護を実現するとともに、機械音異常音診断に不要な音の排除を実現する。
【0057】
以下では、図面を参照して、本実施の形態に係るエレベーター監視装置を説明するが、主に、実施の形態1に対する差分について説明する。
【0058】
図15は、本実施の形態に係るシステムの全体構成例を示す。
実施の形態1の図1と比較して、エレベーター監視装置1201は、音声診断記録装置1203と接続されている。
本実施の形態では、音声診断記録装置1203も記録装置の例となる。
【0059】
図16は本実施の形態に係るエレベーターシステム100の構成例を示し、図17は本実施の形態に係るエレベーター監視装置1201、監視記録装置1202及び音声診断記録装置1203の構成例を示す。
【0060】
実施の形態1と異なり、エレベーターシステム100の動作状態データと監視カメラ145の映像を監視記録装置102に記録するのではなく、動作状態データを監視記録装置1202に、マイク1252の音声をデータとして音声診断記録装置1203にと、それぞれ異なる装置に記録する。
また、本実施の形態では、エレベーター動作モードに応じて、動作状態データ出力部133が監視記録装置102に出力する動作状態データを切り換えることに加えて、動作状態データ出力部1213が動作状態データと音声データとを監視記録装置1202と音声診断記録装置1203に出力先を切り換えながら出力する。
【0061】
また、本実施の形態のエレベーターシステム100では、エレベーターシステム100が所定の時間帯に正常動作できるかどうかを自動的に点検する診断運転を行う。
診断運転は、エレベーターシステム100の制御盤103から巻上げ機104を駆動して、ロープ149で吊ったかご105、釣合いおもり106を昇降させ、また制御盤103は扉107を駆動して開閉し、制御盤103がかご105の位置が期待した位置にあるか、扉107の戸が期待した開閉状態であるかを判定して、期待通りの動作でない場合、異常判定を行う。
このような診断運転を実行する動作モードを診断運転モードと呼び、エレベーター制御部117は、動作状態記憶部118に診断運転実行中か否かを示す診断運転フラグ(エレベーターシステム100が診断運転コマンドを受信したことを示すフラグ)を書き込む。
診断運転モードでは、後述するように、診断運転中の音をマイク1252により集音し、集音結果を動作状態データとともに記録する。
診断運転モードは、集音対象モードの例である。
【0062】
エレベーターシステム100に設置したマイク1252は、音声信号線1253を介して、エレベーター監視装置1201のアナログデジタル変換部1214に音声データを出力する。
そして、アナログデジタル変換部1214は、アナログデータである音声データをデジタルデータに変換して、音声一時記憶部1215に蓄積する。
音声一時記憶部1215は、サイクリック型のメモリで構成しており、アナログデジタル変換部1214が連続的に出力するデジタル化した音声データを古いデータからアドレスを変えながら順に記録して、全てのメモリ領域にを書き込んだら、一番古いデータから順に上書きしていく特性を持つ。
音声一時記憶部1215は、音声データ記憶装置の例である。
【0063】
監視記録装置1202は、エレベーター監視装置1201と通信回線1204を介して接続し、動作状態データ出力部1213が出力した動作状態データを、動作状態入力部1220から入力し、動作状態記録部1221に記録する。
【0064】
音声診断記録装置1203は、エレベーター監視装置1201と通信回線1204を介して接続し、動作状態データ出力部1213が出力した音声データを、音声データ入力部1230から入力し、音声診断記録部1231に記録する。
音声診断記録部1231は、エレベーターシステム100から収集した音声データを記録、診断する。
本実施の形態のエレベーター監視装置の音声データの診断とは、先に示した診断運転の際に収集した音声データの音圧のピーク値が基準値を超えるか否かを判定することであり、基準値を超える場合をエレベーターシステム100内で部位間(例えばかご105とロープ149など)の接触がある可能性から異常と診断し、そうでない場合を正常と診断する。
【0065】
図18は、本実施の形態に係るモード定義テーブル1301を示す。
監視データ定義記憶部1212は、図18のモード定義テーブル1301および図8データ出力定義テーブル601を記憶している。
【0066】
モード定義テーブル1301は、モード定義テーブル501の規定(動作状態選択読出し部130が動作状態記憶部118から読み出すデータと動作モード判定部131が判定するエレベーターシステム100の動作モードの判定条件を規定する)に加えて、動作モードに応じたデータの出力先を規定する。
出力先1302はこの出力先を示す。
出力先としては、図15の構成の場合は監視記録装置1202又は音声診断記録装置1203が規定される。
【0067】
図19及び図20は、本実施の形態に係る動作状態選択読出し部1210と動作モード判定部1211の動作例を示すフローチャートである。
【0068】
図19では、ステップS702からステップS709までのエレベーター動作モードを決定するステップに、ステップS1501のデータの出力先を決定するステップを追加する。
【0069】
ステップS709が完了すると、動作モード判定部1211が、ステップS1501で処理対象レコードの出力先1302の出力先(本実施の形態では監視記録装置1202か音声診断記録装置1203のいずれかである)を、データ出力先変数にセットする。
【0070】
また、図20において、ステップS710からステップS719までの動作状態データ出力部1213が出力する動作状態データを設定するステップに、ステップS1502の動作状態データ出力部1213にデータ出力先を通知するステップを追加し、ステップS715をステップS1503に置き換える。
【0071】
ステップS710が完了すると、動作状態選択読出し部1210は、ステップS1502で、動作状態データ出力部133にデータ出力先変数の値を通知する。
また、ステップS714でYESの場合、動作状態選択読出し部1210は、ステップS1503で、同レコードの出力動作状態データ名604が出力動作状態を示すものであれば出力動作状態データアドレス605の動作状態データを読み出し、また出力動作状態データ名604が音声データであれば音声一時記憶部1215からデータを読出す。
【0072】
図21は、動作状態データ出力部1213のフローチャートである。
【0073】
動作状態データ出力部1213は、このフローにおいて、動作状態選択読出し部1210が動作状態データ出力部1213に通知した動作状態データ及び音声データをバッファリングし、通信回線1204から監視記録装置1202か音声診断記録装置1203のいずれかに出力する。
ステップS801からステップS812のステップにステップS1601のデータ出力先を受信するステップを追加し、ステップS811とステップS812をそれぞれデータを出力先に対して出力するステップS1602とステップS1603に置き換える。
【0074】
ステップS802が完了すると、動作状態データ出力部1213は、ステップS1601で、動作状態選択読出し部1210からデータ出力先を受信してデータ出力先変数に格納する。
また、ステップS807又はステップS808でYESの場合、動作状態データ出力部1213は、ステップS1602で、出力データサイズ変数の値を通信回線1204を通じてデータ出力先変数の示すデータ出力先に送信し、ステップS1603でバッファした全データを通信回線1204を通じてデータ出力先変数の示すデータ出力先に送信する。
【0075】
図22は、監視記録装置1202の動作状態入力部1220と動作状態記録部1221の動作例を示すフローチャートである。
【0076】
ステップS1701で、動作状態入力部1220がデータ長1002を受信し、ステップS1702でデータ長1002の分だけデータを読み込み、ステップS1703で動作状態記録部1221にデータを書き込む。
【0077】
図23は、音声診断記録装置1203の音声データ入力部1230と音声診断記録部1231の動作例を示すフローチャートである。
【0078】
ステップS1801で、音声データ入力部1230がデータ長1002を受信し、ステップS1802でデータ長1002の分だけデータを読み込み、ステップS1803で音声診断記録部1231にデータを書き込む。
【0079】
図24は、エレベーターの動作状態データを保守端末装置から変更する場合のシステム構成図である。
【0080】
エレベーターシステム100とエレベーター監視装置1201は監視I/F122を介して接続し、エレベーター監視装置1201は、マイク1252と音声信号線1253と接続し、通信回線1204を介して監視記録装置1202および音声診断記録装置1203と接続する。
また、エレベーターシステム100は操作・センサ信号線115を介して保守端末装置1300を接続する。
【0081】
保守端末装置1300は、エレベーター保守員が使用してエレベーター保守を行う端末装置で、PC(Personal Computer)やPDA(登録商標)(Personal Digital Assistant)(登録商標)、携帯電話、専用ハードウェアに保守端末用アプリケーションを搭載して構成する。
保守端末装置1300からエレベーターシステム100に診断運転開始信号(診断運転コマンド)を送ることで、エレベーター制御部117は診断運転を開始し、エレベーター動作状態記憶部118の診断運転フラグが真になる。
また、図15〜図17において、監視記録装置1202と音声診断記録装置1203は、エレベーターシステム100がある建物内に設置してもよいし、エレベーター監視センターなど遠隔地に設置してもよい。
【0082】
また、保守端末装置1300の操作内容(保守端末用アプリケーションの起動/終了、入力データ、メニュー選択など)を操作・センサ信号線115を介してエレベーター制御盤103に送ることにより、エレベーター制御部117が動作状態記憶部118に操作内容を記録するようにしてもよい。
この時、保守端末装置1300の操作内容も、エレベーター監視装置1201を経由して、監視記録装置1202に選択的に記録することができる。
【0083】
以上、本実施の形態では、
エレベーター動作モードに応じて、動作状態信号と音声状態信号を選択的に記録するエレベーター監視装置を説明した。
より具体的には、以下の要素を備えるエレベーター監視装置を説明した。
アナログデジタル変換部・音声一時記憶部:アナログの音声信号をデジタル信号に変換して一時記憶する。
音声診断記録装置:音声データを記録する。
【0084】
また、本実施の形態に係るエレベーター監視装置の動作モード判定部は、動作モードを、動作状態信号のうち、診断運転中の場合に、診断運転モードと判定することを説明した。
【0085】
また、本実施の形態に係るエレベーター監視装置は、監視記録装置が複数ある場合に、動作モードに応じて送信先の記録装置を切り換えることを説明した。
【0086】
なお、実施の形態1及び2では、エレベーターシステムを監視対象システムの例として説明した。
しかし、エレベーターシステム以外でも、複数の動作モードで動作可能であり、動作中に複数種の動作状態信号を収集し、収集した複数種の動作状態信号を記憶するシステムであれば、監視対象システムとすることができる。
例えば、エスカレーターシステム、空調システム、ビル管理システム、ファクトリーオートメーションシステム、鉄道や航空機等の運行管理システム等を監視対象システムとするようにしてもよい。
【0087】
最後に、実施の形態1及び2に示したエレベーター監視装置101、1201のハードウェア構成例について説明する。
図25は、実施の形態1及び2に示すエレベーター監視装置101、1201のハードウェア資源の一例を示す図である。
なお、図25の構成は、あくまでもエレベーター監視装置101、1201のハードウェア構成の一例を示すものであり、エレベーター監視装置101、1201のハードウェア構成は図25に記載の構成に限らず、他の構成であってもよい。
【0088】
図25において、エレベーター監視装置101、1201は、プログラムを実行するCPU911(Central Processing Unit、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、プロセッサともいう)を備えている。
CPU911は、バス912を介して、例えば、ROM(Read Only Memory)913、RAM(Random Access Memory)914、通信ボード915、表示装置901、キーボード902、マウス903、磁気ディスク装置920と接続され、これらのハードウェアデバイスを制御する。
更に、CPU911は、FDD904(Flexible Disk Drive)、コンパクトディスク装置905(CDD)、プリンタ装置906、スキャナ装置907と接続していてもよい。また、磁気ディスク装置920の代わりに、光ディスク装置、メモリカード(登録商標)読み書き装置などの記憶装置でもよい。
RAM914は、揮発性メモリの一例である。ROM913、FDD904、CDD905、磁気ディスク装置920の記憶媒体は、不揮発性メモリの一例である。これらは、記憶装置の一例である。
実施の形態1及び2で説明した「監視データ定義記憶部132、1212」は、RAM914、磁気ディスク装置920等により実現される。
通信ボード915、キーボード902、マウス903、スキャナ装置907、FDD904などは、入力装置の一例である。
また、通信ボード915、表示装置901、プリンタ装置906などは、出力装置の一例である。
【0089】
通信ボード915は、例えば、LAN(ローカルエリアネットワーク)、インターネット、WAN(ワイドエリアネットワーク)、SAN(ストレージエリアネットワーク)などに接続されている。
【0090】
磁気ディスク装置920には、オペレーティングシステム921(OS)、ウィンドウシステム922、プログラム群923、ファイル群924が記憶されている。
プログラム群923のプログラムは、CPU911がオペレーティングシステム921、ウィンドウシステム922を利用しながら実行する。
【0091】
また、RAM914には、CPU911に実行させるオペレーティングシステム921のプログラムやアプリケーションプログラムの少なくとも一部が一時的に格納される。
また、RAM914には、CPU911による処理に必要な各種データが格納される。
【0092】
また、ROM913には、BIOS(Basic Input Output System)プログラムが格納され、磁気ディスク装置920にはブートプログラムが格納されている。
エレベーター監視装置101、1201の起動時には、ROM913のBIOSプログラム及び磁気ディスク装置920のブートプログラムが実行され、BIOSプログラム及びブートプログラムによりオペレーティングシステム921が起動される。
【0093】
上記プログラム群923には、実施の形態1及び2の説明において「〜部」(「監視データ定義記憶部132、1212」以外、以下同様)として説明している機能を実行するプログラムが記憶されている。プログラムは、CPU911により読み出され実行される。
【0094】
ファイル群924には、実施の形態1及び2の説明において、「〜の判断」、「〜の計算」、「〜の加算」、「〜の算出」、「〜の導出」、「〜の比較」、「〜の評価」、「〜の読み取り」、「〜の読み出し」、「〜の更新」、「〜のセット」、「〜の設定」、「〜の登録」、「〜の選択」等として説明している処理の結果を示す情報やデータや信号値や変数値やパラメータが、「〜ファイル」や「〜データベース」の各項目として記憶されている。
「〜ファイル」や「〜データベース」は、ディスクやメモリなどの記録媒体に記憶される。ディスクやメモリなどの記憶媒体に記憶された情報やデータや信号値や変数値やパラメータは、読み書き回路を介してCPU911によりメインメモリやキャッシュメモリに読み出され、抽出・検索・参照・比較・演算・計算・処理・編集・出力・印刷・表示などのCPUの動作に用いられる。
抽出・検索・参照・比較・演算・計算・処理・編集・出力・印刷・表示のCPUの動作の間、情報やデータや信号値や変数値やパラメータは、メインメモリ、レジスタ、キャッシュメモリ、バッファメモリ等に一時的に記憶される。
また、実施の形態1及び2で説明しているフローチャートの矢印の部分は主としてデータや信号の入出力を示し、データや信号値は、RAM914のメモリ、FDD904のフレキシブルディスク、CDD905のコンパクトディスク、磁気ディスク装置920の磁気ディスク、その他光ディスク、ミニディスク、DVD等の記録媒体に記録される。また、データや信号は、バス912や信号線やケーブルその他の伝送媒体によりオンライン伝送される。
【0095】
また、実施の形態1及び2の説明において「〜部」として説明しているものは、「〜回路」、「〜装置」、「〜機器」であってもよく、また、「〜ステップ」、「〜手順」、「〜処理」であってもよい。
すなわち、実施の形態1及び2で説明したフローチャートに示すステップ、手順、処理により、本発明に係るシステム監視方法を実現することができる。
また、「〜部」として説明しているものは、ROM913に記憶されたファームウェアで実現されていても構わない。或いは、ソフトウェアのみ、或いは、素子・デバイス・基板・配線などのハードウェアのみ、或いは、ソフトウェアとハードウェアとの組み合わせ、さらには、ファームウェアとの組み合わせで実施されても構わない。ファームウェアとソフトウェアは、プログラムとして、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、DVD等の記録媒体に記憶される。プログラムはCPU911により読み出され、CPU911により実行される。すなわち、プログラムは、実施の形態1及び2の「〜部」としてコンピュータを機能させるものである。あるいは、実施の形態1及び2の「〜部」の手順や方法をコンピュータに実行させるものである。
【0096】
このように、実施の形態1及び2に示すエレベーター監視装置101、1201は、処理装置たるCPU、記憶装置たるメモリ、磁気ディスク等、入力装置たるキーボード、マウス、通信ボード等、出力装置たる表示装置、通信ボード等を備えるコンピュータであり、上記したように「〜部」として示された機能をこれら処理装置、記憶装置、入力装置、出力装置を用いて実現するものである。
【符号の説明】
【0097】
100 エレベーターシステム、101 エレベーター監視装置、102 監視記録装置、103 制御盤、104 巻上げ機、105 かご、106 釣合いおもり、107 扉、108 乗り場操作盤(1)、109 乗り場操作盤(2)、110 かご操作盤、111 点検操作盤、112 戸開閉センサ、113 ドアセーフティスイッチ、114 かご位置センサ、115 操作・センサ信号線、116 制御信号線、117 エレベーター制御部、118 動作状態記憶部、119 制御信号入出力部、120 操作・センサ信号入出力部、121 通信回線、122 監視I/F、130 動作状態選択読出し部、131 動作モード判定部、132 監視データ定義記憶部、133 動作状態データ出力部、134 出力負荷調整部、140 動作状態入力部、141 動作状態記録部、142 映像入力部、143 映像記録部、144 負荷監視部、145 監視カメラ、146 乗り場操作盤(3)、147 かご照明、148 ファン、149 ロープ、150 映像信号線、1201 エレベーター監視装置、1202 監視記録装置、1203 音声診断記録装置、1204 通信回線、1210 動作状態選択読出し部、1211 動作モード判定部、1212 監視データ定義記憶部、1213 動作状態データ出力部、1214 アナログデジタル変換部、1215 音声一時記憶部、1220 動作状態入力部、1221 動作状態記録部、1230 音声データ入力部、1231 音声診断記録部、1252 マイク、1253 音声信号線、1300 保守端末装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の動作モードで動作可能であり、動作中に複数種の動作状態信号を収集し、収集した前記複数種の動作状態信号を記憶する監視対象システムに接続され、
前記監視対象システムで記憶されている前記複数種の動作状態信号が収集された際の動作モードを判定するための判定基準が前記複数種の動作状態信号のうちの特定の照合対象動作状態信号と対応付けて示される判定基準情報と、前記複数種の動作状態信号のうち読出しの対象として選択される1つ以上の選択動作状態信号が動作モードごとに定義される信号定義情報とを記憶する情報記憶部と、
前記判定基準情報に基づき、前記監視対象システムから前記照合対象動作状態信号を読み出し、読み出した前記照合対象動作状態信号と前記判定基準とを照合して、前記複数種の動作状態信号が収集された際の動作モードを判定する動作モード判定部と、
前記信号定義情報に基づき、前記監視対象システムから、前記動作モード判定部により判定された動作モードに対して定義されている各選択動作状態信号を選択して読み出す動作状態選択読出し部とを有することを特徴とするシステム監視装置。
【請求項2】
前記情報記憶部は、
前記照合対象動作状態信号が記憶されている前記監視対象システム内のメモリのアドレスが示される判定基準情報と、動作モードごとに各選択動作状態信号が記憶されている前記監視対象システム内のメモリのアドレスが示される信号定義情報とを記憶し、
前記動作モード判定部は、
前記判定基準情報に示される前記照合対象動作状態信号のアドレスに従い、前記監視対象システムから前記照合対象動作状態信号を読み出し、
前記動作状態選択読出し部は、
前記動作モード判定部により判定された動作モードに対して前記信号定義情報に示されている各選択動作状態信号のアドレスに従い、前記監視対象システムから各選択動作状態信号を選択して読み出すことを特徴とする請求項1に記載のシステム監視装置。
【請求項3】
前記システム監視装置は、更に、
前記動作状態選択読出し部により読み出された選択動作状態信号を、所定の記録装置に出力する信号出力部を有することを特徴とする請求項1又は2に記載のシステム監視装置。
【請求項4】
前記信号出力部は、
複数の記録装置に接続されており、
前記動作モード判定部により判定された動作モードに応じて、前記動作状態選択読出し部により読み出された選択動作状態信号の出力先の記録装置を切り換えることを特徴とする請求項3に記載のシステム監視装置。
【請求項5】
前記システム監視装置は、更に、
前記記録装置の記録負荷状況に応じて、前記信号出力部からの出力信号量を調整する出力負荷調整部を有し、
前記信号出力部は、
前記出力負荷調整部が調整した出力信号量の範囲内で、前記動作状態選択読出し部により読み出された選択動作状態信号を前記記録装置に出力することを特徴とする請求項4に記載のシステム監視装置。
【請求項6】
前記動作状態選択読出し部は、
前記監視対象システムが集音対象モードで動作している際に集音された音声データを記憶する音声データ記憶装置と接続されており、
前記情報記憶部は、
前記集音対象モードに対して1つ以上の選択動作状態信号の読み出しを定義するとともに、前記音声データ記憶装置で記憶されている音声データの読み出しを定義する信号定義情報を記憶しており、
前記動作状態選択読出し部は、
前記動作モード判定部により判定された動作モードが前記集音対象モードである場合に、前記信号定義情報で定義されている前記集音対象モードの選択動作状態信号を前記監視対象システムから読み出とともに、前記音声データ記憶装置から音声データを読み出すことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のシステム監視装置。
【請求項7】
前記システム監視装置は、
前記監視対象システムを、通常運行モードと点検モードで動作可能であり、通常運行モードと点検モードとを切り換えるためのスイッチが設けられているエレベーターシステムとし、
前記情報記憶部は、
前記スイッチの動作状態信号を前記照合対象動作状態信号とし、前記スイッチが通常運行モード側にある動作状態信号であれば通常運行モードと判定され、前記スイッチが点検モード側にある動作状態信号であれば点検モードと判定される判定基準が示される判定基準情報を記憶していることを特徴とする請求項1〜6のいずれかのシステム監視装置。
【請求項8】
前記システム監視装置は、
前記監視対象システムを、通常運行モードと診断運転モードで動作可能なエレベーターシステムとし、
前記情報記憶部は、
前記診断運転モードでの運行を指示する診断運転コマンドの受信有無が示される動作状態信号を前記照合対象動作状態信号とし、前記エレベーターシステムが前記診断運転コマンドを受信していれば診断運転モードと判定される判定基準が示される判定基準情報を記憶していることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のシステム監視装置。
【請求項9】
複数の動作モードで動作可能であり、動作中に複数種の動作状態信号を収集し、収集した前記複数種の動作状態信号を記憶する監視対象システムに接続されたコンピュータが行うシステム監視方法であって、
前記監視対象システムで記憶されている前記複数種の動作状態信号が収集された際の動作モードを判定するための判定基準が前記複数種の動作状態信号のうちの特定の照合対象動作状態信号と対応付けて示される判定基準情報と、前記複数種の動作状態信号のうち読出しの対象として選択される1つ以上の選択動作状態信号が動作モードごとに定義される信号定義情報とを、前記コンピュータが所定の記憶領域から読み取る情報読取りステップと、
前記コンピュータが、前記判定基準情報に基づき、前記監視対象システムから前記照合対象動作状態信号を読み出し、読み出した前記照合対象動作状態信号と前記判定基準とを照合して、前記複数種の動作状態信号が収集された際の動作モードを判定する動作モード判定ステップと、
前記コンピュータが、前記信号定義情報に基づき、前記監視対象システムから、前記動作モード判定ステップにより判定された動作モードに対して定義されている各選択動作状態信号を選択して読み出す動作状態選択読出しステップとを有することを特徴とするシステム監視方法。
【請求項10】
複数の動作モードで動作可能であり、動作中に複数種の動作状態信号を収集し、収集した前記複数種の動作状態信号を記憶する監視対象システムに接続されたコンピュータに、
前記監視対象システムで記憶されている前記複数種の動作状態信号が収集された際の動作モードを判定するための判定基準が前記複数種の動作状態信号のうちの特定の照合対象動作状態信号と対応付けて示される判定基準情報と、前記複数種の動作状態信号のうち読出しの対象として選択される1つ以上の選択動作状態信号が動作モードごとに定義される信号定義情報とを所定の記憶領域から読み取る情報読取り処理と、
前記判定基準情報に基づき、前記監視対象システムから前記照合対象動作状態信号を読み出し、読み出した前記照合対象動作状態信号と前記判定基準とを照合して、前記複数種の動作状態信号が収集された際の動作モードを判定する動作モード判定処理と、
前記信号定義情報に基づき、前記監視対象システムから、前記動作モード判定処理により判定された動作モードに対して定義されている各選択動作状態信号を選択して読み出す動作状態選択読出し処理とを実行させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2011−251827(P2011−251827A)
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−127817(P2010−127817)
【出願日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【出願人】(000236056)三菱電機ビルテクノサービス株式会社 (1,792)
【Fターム(参考)】