ショーケース
【課題】超音波センサを水位センサとして使用してドレン水受けに貯留したドレン水の満水を検知する場合に、ドレン水の水面に波が発生していてもこの波の影響を排除して水位センサと水面との距離を測定でき、正確な距離測定ができて測定精度を向上できるショーケースを得る。
【解決手段】ドレン水受け4が設置され、このドレン水受け4の上方に超音波センサをドレン水受け4の受水状態を検知する水位センサとして配設し、この超音波センサから発信する超音波の反射時間でドレン水の水面位置と超音波センサとの距離すなわち水位を測定するショーケースにおいて、前記ドレン水受け4の上方を通過する風の通り道の外側の範囲に、距離を測定する水面距離測定範囲10を形成した。
【解決手段】ドレン水受け4が設置され、このドレン水受け4の上方に超音波センサをドレン水受け4の受水状態を検知する水位センサとして配設し、この超音波センサから発信する超音波の反射時間でドレン水の水面位置と超音波センサとの距離すなわち水位を測定するショーケースにおいて、前記ドレン水受け4の上方を通過する風の通り道の外側の範囲に、距離を測定する水面距離測定範囲10を形成した。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ショーケースに関するものである。
【背景技術】
【0002】
スーパーマーケットなどの店舗に設置されるオープンタイプの縦型冷凍冷蔵ショーケースは、図8に示すようにショーケース本体の下部に形成される機械室3内に凝縮器2や圧縮機(図示せず)などにより構成される冷凍装置を配設し、ショーケース本体の背面側に設置した冷却器で冷却した冷気で商品収納庫1内に収納した商品を冷却するもので、冷気は循環される。図中5は凝縮器冷却用のファン、6はドレン水を蒸発させるための蒸発板、7はショーケースコントローラ、8はドレン水の満水を報知する満水警報ランプを示す。
【0003】
冷気は前記のように庫内の空気が循環されるものであるが、商品収納庫1の全面が商品の出入口として開放されているため、ここから暖かい外気が流入し、これに含まれる湿気が冷却器で結露し霜となる。
【0004】
そして、この着霜により冷却器の能力が低下することを防ぐため、適宜除霜するが、除霜された水分がドレン水として発生する。
【0005】
このドレン水は、通常は排水用のパイプが接続されてこのパイプで店舗外の排水溝に導かれるが、パイプが固定されるとこの配管によってショーケースの設置位置が固定される。そこで、移動が容易なように圧縮機が組み込まれているショーケースでは、移動性が損なわれないようドレン水もショーケース内に設置したドレンタンクやドレンパンなどのドレン水受け4に貯留している。
【0006】
このようにドレン水受け4にドレン水を溜める場合、定期的に排水する必要が生じるが、ドレン水の発生量は天候や、ショーケースのサイズや温度帯、庫内に収納している商品の量などによって左右される。
【0007】
このため、ドレン水の貯留量を把握して溢水する前に排水する必要があり、
機械的ではない非接触方式でドレン水の満水を検知する方法として、超音波センサ9を水位センサとして使用する方法があり、ドレン水受け4の上方に超音波センサ9を設置し、ここから水面に向けて発信した超音波が水面に反射して戻り受信されるまでの時間を計測して超音波センサ9と水面との距離、すなわち水位を計測するものである(例えば特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平3−195880号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
超音波センサ9を使用する方法は、図9に示すように超音波センサ9のパルス発振部である送信回路部から発信されたパルス信号が水面で反射されて受信回路部に戻るまでの時間を計測し、この時間をもとに演算処理回路部で超音波センサ9と水面との距離、すなわち水位を算出するものである。
【0009】
そして、図11のフローチャートに示すようにドレン水液面までの距離を測定して(ステップ1)、超音波センサ9と水面との距離が80mmより近くなったならば(ステップ2)満水水位に達したもと判断して、ショーケースコントローラ7からの出力で満水警報ランプ8に出力し満水報知を開始する(ステップ3)。この満水報知は距離が80mmよりも遠くなるまで継続する(ステップ4)。
【0010】
ところが、ドレン水受け4が配設される機械室3内には、凝縮器2や圧縮機が設置され、凝縮器2の冷却用のファン5から発生する空冷用の風や、圧縮機の振動により、図12に示すようにドレン水受け4内のドレン水の水面には波が常時発生している。このため、波の角度によっては超音波の反射方向が変換され超音波センサの受信回路部に信号が戻らない場合があり、距離測定が不能な状態が発生する。
【0011】
ドレン水受け4内に図10に示すような蒸発板6を設置するタイプのショーケースでは、ドレン水受け4の方向に回り込むファン5からの風を積極的に利用してドレン水を蒸発させ、ドレン水の貯水量を減らそうとするもので、かかるタイプのショーケースではドレン水の水面に波が発生することを阻止することは困難である。
【0012】
本発明の目的は前記従来例の不都合を解消し、超音波センサを水位センサとして使用してドレン水受けに貯留したドレン水の満水を検知する場合に、ドレン水の水面に波が発生していてもこの波の影響を排除して水位センサと水面との距離を測定でき、正確な距離測定ができて測定精度を向上できるショーケースを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は前記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、ドレン水受けが設置され、このドレン水受けの上方に超音波センサをドレン水受けの受水状態を検知する水位センサとして配設し、この超音波センサから発信する超音波の反射時間でドレン水の水面位置と超音波センサとの距離すなわち水位を測定するショーケースにおいて、前記ドレン水受けの上方を通過する風の通り道の外側の範囲に、距離を測定する水面距離測定範囲を形成したことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0014】
以上述べたように本発明のショーケースは、超音センサによる距離測定を行う場合に、ドレン水受けの上方を通過する風の通り道の外側の範囲を、水面距離測定の範囲に形成したから、風の影響の無い範囲で距離測定ができ、波の発生していない水面との距離を測定できる。よって、正確な距離を得られるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、図面について本発明の実施形態を詳細に説明する。図1は本発明のショーケースの第1実施形態を示すドレン水検知装置の平面図で、本発明方法が実施されるショーケースの全体構成は図8について説明したとおりであるから同一の参照符号を付してここでの詳細な説明は省略する。
【0016】
本発明におけるドレン水検知装置も図9に示したように水位センサとして超音波センサ9を用いるものであるが、図1に示すようにファン5はドレン水受け4の側方の中央に配設されており、ここからの風はドレン水受け4の上方を通過して、扇状に拡散する。
【0017】
本発明では、この扇状の風の通り道の外側の範囲、例えば風の通り道の最も外側よりも、45度さらに外側のラインからその外側の範囲(図示の例ではドレン水受け4の角部に近い範囲)を、波の発生のない液面静止状態の水面として、水面との距離を測定する水面距離測定範囲10に設定する。
【0018】
よって、この水面距離測定範囲10に向けて超音波センサ9から超音波を発信すれば、超音波は静止状態の水面に反射して超音波センサ9の受信部に戻るから超音波センサ9と水面との距離を正確に計測でき、正しい水位を算出できる。
【0019】
図2は第2実施形態を示し、ファン5によりドレン水受け4内の水面で発生する波の進行方向に、波をさえぎる板による波侵入防止壁11で方形に区画された水面範囲を形成し、この範囲を距離を測定する水面距離測定範囲10に設定した。
【0020】
この場合の波の進行方向は、ファン5から送られる風の進行方向とは反対の方向になるが、これは蒸発板6の端部とドレン水受け4の側壁との間に隙間が存在することによるものであり、すなわち、複数枚が並列して配設される蒸発板6の間をぬって蒸発板6にそって進行した風により蒸発板6間の隙間で発生した波が、蒸発板6相互の間の隙間から出て、ドレン水受け4の側壁に当り、ここから蒸発板6の端部とドレン水受け4の側壁との間に形成されている隙間にそって90度方向変換して進行し、さらにドレン水受け4の側壁にそって進行方向を90度変換するためである。
【0021】
前記波侵入防止壁11は、防波堤構造で上端が水面より上方に突出する高さのものとし、例えばドレン水受け4の角部を利用し、平面L字形の側壁の一方の壁部に間隔を設けて平板状の側壁を互い違いに重ね合わせた構造として、この側壁で波を減衰させ水面距離測定範囲10への波の侵入を阻止する。よって、この水面距離測定範囲10内の水面との距離を測定すれば、正確な水位が得られる。
【0022】
図3は第3実施形態を示し、前記第2実施形態と同様にドレン水受け4の角部を利用し、ここに側壁で防波堤構造の水面距離測定範囲10を形成するものであるが、側壁の構造としてドレン水受け4の角部に平面四角形に閉塞された水面距離測定範囲10が形成されるよう、L字形の壁体を波侵入防止壁11として配置する。
【0023】
この波侵入防止壁11は、ドレン水受け4の底部に達するものではなく、図4(a)に示すように底部との間に隙間を設け、この隙間を水面距離測定範囲10内への水の流入口11aとする。なお、この流入口11aは、ドレン水受け4の容器の底面から高さh(40mm)の1/2以内の20mmの範囲内に設け、図4(b)で示すように幅も同様に高さh(40mm)の1/2以内の20mmの範囲以内として、これにより流入口11aから水面距離測定範囲10内に流入して水の影響によりこの水面距離測定範囲10内の水面に波が発生することを阻止する。
【0024】
この水面距離測定範囲10内の水面との距離を測定すれば、正確な水位が得られる。
【0025】
図5は第4実施形態を示し、前記第3実施形態と同様にドレン水受け4の角部に平面四角形に閉塞された水面距離測定範囲10が形成されるよう、L字形の壁体による波侵入防止壁11を配設するものであるが、この壁体は材質を多孔質またはメッシュ構造とした。
【0026】
これにより、波侵入防止壁11は波の減衰による防波機能を備えるとともに同時に水の流入機能を備えるものになる。
【0027】
図6は第5実施形態を示し、蒸発板6はドレン水受け4内でファン5による風の通り道に配置されるものであることから、風の通り道の全長にわたり、すなわちドレン水受け4の一方の側壁側から対向する位置の側壁側まで蒸発板6を配設して、蒸発板6の端部とドレン水受け4の側壁との間に隙間が生じないようにした。
【0028】
そして、蒸発板6の側方の、風の通り道でない範囲を水面距離測定範囲10とした。これにより、ファン5からの風による波は風の通り道である複数の蒸発板6の間でのみ発生することになり、水面距離測定範囲10の方向へは蒸発板6に遮断されて波は進行できない。この水面距離測定範囲10内の水面との距離を測定すれば、正確な水位が得られる。
【0029】
図7は第6実施形態を示し、前記第6実施形態の構成に加えて水面距離測定範囲10の、ドレン水受け4の側壁内側にメッシュ状またはスポンジ状の波反射防止材12を配設した。
【0030】
ファン5からの風などの影響や圧縮機の振動などを受けて、蒸発板6が揺れると、水面距離測定範囲10内であっても微小な波が発生する。かかる場合、前記波反射防止材12の存在によりこの停在波の発生が防止される。よって、この水面距離測定範囲10内の水面は静止状態となり、ここの水面との距離を測定すれば、正確な水位が得られる。
【0031】
なお、本発明のショーケースは縦型の冷凍冷蔵ショーケースに限定されるものではなく、上面が開口する平型のものや、冷凍専門、冷蔵専門のショーケースにも実施可能なものである。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明のショーケースの第1実施形態を示すドレン水検知装置の平面図である。
【図2】本発明のショーケースの第2実施形態を示すドレン水検知装置の平面図である。
【図3】本発明のショーケースの第3実施形態を示すドレン水検知装置の平面図である。
【図4】本発明のショーケースの第3実施形態を示すドレン水検知装置の縦断正面図および横断正面図である。
【図5】本発明のショーケースの第4実施形態を示すドレン水検知装置の平面図である。
【図6】本発明のショーケースの第5実施形態を示すドレン水検知装置の平面図である。
【図7】本発明のショーケースの第6実施形態を示すドレン水検知装置の平面図である。
【図8】本発明のショーケースの斜視図である。
【図9】本発明のショーケースのドレン水検知装置の水位センサとドレン水受けの正面図である。
【図10】蒸発板の斜視図である。
【図11】ドレン水検知の動作を示すフローチャートである。
【図12】水面に波が発生した場合のショーケースのドレン水検知装置の正面図である。
【符号の説明】
【0033】
1 商品収納庫 2 凝縮器
3 機械室 4 ドレン水受け
5 ファン 6 蒸発板
7 ショーケースコントローラ 8 満水警報ランプ
9 超音波センサ 10 水面距離測定範囲
11 波侵入防止壁 11a 流入口
12 波反射防止材
【技術分野】
【0001】
本発明は、ショーケースに関するものである。
【背景技術】
【0002】
スーパーマーケットなどの店舗に設置されるオープンタイプの縦型冷凍冷蔵ショーケースは、図8に示すようにショーケース本体の下部に形成される機械室3内に凝縮器2や圧縮機(図示せず)などにより構成される冷凍装置を配設し、ショーケース本体の背面側に設置した冷却器で冷却した冷気で商品収納庫1内に収納した商品を冷却するもので、冷気は循環される。図中5は凝縮器冷却用のファン、6はドレン水を蒸発させるための蒸発板、7はショーケースコントローラ、8はドレン水の満水を報知する満水警報ランプを示す。
【0003】
冷気は前記のように庫内の空気が循環されるものであるが、商品収納庫1の全面が商品の出入口として開放されているため、ここから暖かい外気が流入し、これに含まれる湿気が冷却器で結露し霜となる。
【0004】
そして、この着霜により冷却器の能力が低下することを防ぐため、適宜除霜するが、除霜された水分がドレン水として発生する。
【0005】
このドレン水は、通常は排水用のパイプが接続されてこのパイプで店舗外の排水溝に導かれるが、パイプが固定されるとこの配管によってショーケースの設置位置が固定される。そこで、移動が容易なように圧縮機が組み込まれているショーケースでは、移動性が損なわれないようドレン水もショーケース内に設置したドレンタンクやドレンパンなどのドレン水受け4に貯留している。
【0006】
このようにドレン水受け4にドレン水を溜める場合、定期的に排水する必要が生じるが、ドレン水の発生量は天候や、ショーケースのサイズや温度帯、庫内に収納している商品の量などによって左右される。
【0007】
このため、ドレン水の貯留量を把握して溢水する前に排水する必要があり、
機械的ではない非接触方式でドレン水の満水を検知する方法として、超音波センサ9を水位センサとして使用する方法があり、ドレン水受け4の上方に超音波センサ9を設置し、ここから水面に向けて発信した超音波が水面に反射して戻り受信されるまでの時間を計測して超音波センサ9と水面との距離、すなわち水位を計測するものである(例えば特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平3−195880号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
超音波センサ9を使用する方法は、図9に示すように超音波センサ9のパルス発振部である送信回路部から発信されたパルス信号が水面で反射されて受信回路部に戻るまでの時間を計測し、この時間をもとに演算処理回路部で超音波センサ9と水面との距離、すなわち水位を算出するものである。
【0009】
そして、図11のフローチャートに示すようにドレン水液面までの距離を測定して(ステップ1)、超音波センサ9と水面との距離が80mmより近くなったならば(ステップ2)満水水位に達したもと判断して、ショーケースコントローラ7からの出力で満水警報ランプ8に出力し満水報知を開始する(ステップ3)。この満水報知は距離が80mmよりも遠くなるまで継続する(ステップ4)。
【0010】
ところが、ドレン水受け4が配設される機械室3内には、凝縮器2や圧縮機が設置され、凝縮器2の冷却用のファン5から発生する空冷用の風や、圧縮機の振動により、図12に示すようにドレン水受け4内のドレン水の水面には波が常時発生している。このため、波の角度によっては超音波の反射方向が変換され超音波センサの受信回路部に信号が戻らない場合があり、距離測定が不能な状態が発生する。
【0011】
ドレン水受け4内に図10に示すような蒸発板6を設置するタイプのショーケースでは、ドレン水受け4の方向に回り込むファン5からの風を積極的に利用してドレン水を蒸発させ、ドレン水の貯水量を減らそうとするもので、かかるタイプのショーケースではドレン水の水面に波が発生することを阻止することは困難である。
【0012】
本発明の目的は前記従来例の不都合を解消し、超音波センサを水位センサとして使用してドレン水受けに貯留したドレン水の満水を検知する場合に、ドレン水の水面に波が発生していてもこの波の影響を排除して水位センサと水面との距離を測定でき、正確な距離測定ができて測定精度を向上できるショーケースを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は前記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、ドレン水受けが設置され、このドレン水受けの上方に超音波センサをドレン水受けの受水状態を検知する水位センサとして配設し、この超音波センサから発信する超音波の反射時間でドレン水の水面位置と超音波センサとの距離すなわち水位を測定するショーケースにおいて、前記ドレン水受けの上方を通過する風の通り道の外側の範囲に、距離を測定する水面距離測定範囲を形成したことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0014】
以上述べたように本発明のショーケースは、超音センサによる距離測定を行う場合に、ドレン水受けの上方を通過する風の通り道の外側の範囲を、水面距離測定の範囲に形成したから、風の影響の無い範囲で距離測定ができ、波の発生していない水面との距離を測定できる。よって、正確な距離を得られるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、図面について本発明の実施形態を詳細に説明する。図1は本発明のショーケースの第1実施形態を示すドレン水検知装置の平面図で、本発明方法が実施されるショーケースの全体構成は図8について説明したとおりであるから同一の参照符号を付してここでの詳細な説明は省略する。
【0016】
本発明におけるドレン水検知装置も図9に示したように水位センサとして超音波センサ9を用いるものであるが、図1に示すようにファン5はドレン水受け4の側方の中央に配設されており、ここからの風はドレン水受け4の上方を通過して、扇状に拡散する。
【0017】
本発明では、この扇状の風の通り道の外側の範囲、例えば風の通り道の最も外側よりも、45度さらに外側のラインからその外側の範囲(図示の例ではドレン水受け4の角部に近い範囲)を、波の発生のない液面静止状態の水面として、水面との距離を測定する水面距離測定範囲10に設定する。
【0018】
よって、この水面距離測定範囲10に向けて超音波センサ9から超音波を発信すれば、超音波は静止状態の水面に反射して超音波センサ9の受信部に戻るから超音波センサ9と水面との距離を正確に計測でき、正しい水位を算出できる。
【0019】
図2は第2実施形態を示し、ファン5によりドレン水受け4内の水面で発生する波の進行方向に、波をさえぎる板による波侵入防止壁11で方形に区画された水面範囲を形成し、この範囲を距離を測定する水面距離測定範囲10に設定した。
【0020】
この場合の波の進行方向は、ファン5から送られる風の進行方向とは反対の方向になるが、これは蒸発板6の端部とドレン水受け4の側壁との間に隙間が存在することによるものであり、すなわち、複数枚が並列して配設される蒸発板6の間をぬって蒸発板6にそって進行した風により蒸発板6間の隙間で発生した波が、蒸発板6相互の間の隙間から出て、ドレン水受け4の側壁に当り、ここから蒸発板6の端部とドレン水受け4の側壁との間に形成されている隙間にそって90度方向変換して進行し、さらにドレン水受け4の側壁にそって進行方向を90度変換するためである。
【0021】
前記波侵入防止壁11は、防波堤構造で上端が水面より上方に突出する高さのものとし、例えばドレン水受け4の角部を利用し、平面L字形の側壁の一方の壁部に間隔を設けて平板状の側壁を互い違いに重ね合わせた構造として、この側壁で波を減衰させ水面距離測定範囲10への波の侵入を阻止する。よって、この水面距離測定範囲10内の水面との距離を測定すれば、正確な水位が得られる。
【0022】
図3は第3実施形態を示し、前記第2実施形態と同様にドレン水受け4の角部を利用し、ここに側壁で防波堤構造の水面距離測定範囲10を形成するものであるが、側壁の構造としてドレン水受け4の角部に平面四角形に閉塞された水面距離測定範囲10が形成されるよう、L字形の壁体を波侵入防止壁11として配置する。
【0023】
この波侵入防止壁11は、ドレン水受け4の底部に達するものではなく、図4(a)に示すように底部との間に隙間を設け、この隙間を水面距離測定範囲10内への水の流入口11aとする。なお、この流入口11aは、ドレン水受け4の容器の底面から高さh(40mm)の1/2以内の20mmの範囲内に設け、図4(b)で示すように幅も同様に高さh(40mm)の1/2以内の20mmの範囲以内として、これにより流入口11aから水面距離測定範囲10内に流入して水の影響によりこの水面距離測定範囲10内の水面に波が発生することを阻止する。
【0024】
この水面距離測定範囲10内の水面との距離を測定すれば、正確な水位が得られる。
【0025】
図5は第4実施形態を示し、前記第3実施形態と同様にドレン水受け4の角部に平面四角形に閉塞された水面距離測定範囲10が形成されるよう、L字形の壁体による波侵入防止壁11を配設するものであるが、この壁体は材質を多孔質またはメッシュ構造とした。
【0026】
これにより、波侵入防止壁11は波の減衰による防波機能を備えるとともに同時に水の流入機能を備えるものになる。
【0027】
図6は第5実施形態を示し、蒸発板6はドレン水受け4内でファン5による風の通り道に配置されるものであることから、風の通り道の全長にわたり、すなわちドレン水受け4の一方の側壁側から対向する位置の側壁側まで蒸発板6を配設して、蒸発板6の端部とドレン水受け4の側壁との間に隙間が生じないようにした。
【0028】
そして、蒸発板6の側方の、風の通り道でない範囲を水面距離測定範囲10とした。これにより、ファン5からの風による波は風の通り道である複数の蒸発板6の間でのみ発生することになり、水面距離測定範囲10の方向へは蒸発板6に遮断されて波は進行できない。この水面距離測定範囲10内の水面との距離を測定すれば、正確な水位が得られる。
【0029】
図7は第6実施形態を示し、前記第6実施形態の構成に加えて水面距離測定範囲10の、ドレン水受け4の側壁内側にメッシュ状またはスポンジ状の波反射防止材12を配設した。
【0030】
ファン5からの風などの影響や圧縮機の振動などを受けて、蒸発板6が揺れると、水面距離測定範囲10内であっても微小な波が発生する。かかる場合、前記波反射防止材12の存在によりこの停在波の発生が防止される。よって、この水面距離測定範囲10内の水面は静止状態となり、ここの水面との距離を測定すれば、正確な水位が得られる。
【0031】
なお、本発明のショーケースは縦型の冷凍冷蔵ショーケースに限定されるものではなく、上面が開口する平型のものや、冷凍専門、冷蔵専門のショーケースにも実施可能なものである。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明のショーケースの第1実施形態を示すドレン水検知装置の平面図である。
【図2】本発明のショーケースの第2実施形態を示すドレン水検知装置の平面図である。
【図3】本発明のショーケースの第3実施形態を示すドレン水検知装置の平面図である。
【図4】本発明のショーケースの第3実施形態を示すドレン水検知装置の縦断正面図および横断正面図である。
【図5】本発明のショーケースの第4実施形態を示すドレン水検知装置の平面図である。
【図6】本発明のショーケースの第5実施形態を示すドレン水検知装置の平面図である。
【図7】本発明のショーケースの第6実施形態を示すドレン水検知装置の平面図である。
【図8】本発明のショーケースの斜視図である。
【図9】本発明のショーケースのドレン水検知装置の水位センサとドレン水受けの正面図である。
【図10】蒸発板の斜視図である。
【図11】ドレン水検知の動作を示すフローチャートである。
【図12】水面に波が発生した場合のショーケースのドレン水検知装置の正面図である。
【符号の説明】
【0033】
1 商品収納庫 2 凝縮器
3 機械室 4 ドレン水受け
5 ファン 6 蒸発板
7 ショーケースコントローラ 8 満水警報ランプ
9 超音波センサ 10 水面距離測定範囲
11 波侵入防止壁 11a 流入口
12 波反射防止材
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドレン水受けが設置され、このドレン水受けの上方に超音波センサをドレン水受けの受水状態を検知する水位センサとして配設し、この超音波センサから発信する超音波の反射時間でドレン水の水面位置と超音波センサとの距離すなわち水位を測定するショーケースにおいて、
前記ショーケース内蔵のファンで発生する流体の流路の周囲に、距離を測定するための水面距離測定範囲を形成したことを特徴とするショーケース。
【請求項2】
ドレン水受けが設置され、このドレン水受けの上方に超音波センサをドレン水受けの受水状態を検知する水位センサとして配設し、この超音波センサから発信する超音波の反射時間でドレン水の水面位置と超音波センサとの距離すなわち水位を測定するショーケースにおいて、ドレン水受け内のドレン水の水面に発生する波をさえぎる板で区画された水面範囲を、距離を測定する水面距離測定範囲に形成したことを特徴とするショーケース。
【請求項3】
前記距離を測定する水面距離測定範囲への水の流入箇所を、ドレン水受けの容器の底面から前記ドレン水受けの容器の上端部までの距離において、1/2の範囲の部位に形成したことを特徴とする請求項2記載のショーケース。
【請求項4】
前記1/2の範囲に形成した部位の開口は、水入路に必要な極小面積とした事を特徴とする請求項3記載のショーケース。
【請求項5】
前記極小面積に必要な開口の一辺の辺長は、10mm以内とした事を特徴とする請求項4記載のショ−ケース。
【請求項6】
前記ドレン水をさえぎる板は、多孔質またはメッシュ構造とすることを特徴とする請求項2記載のショーケース。
【請求項7】
ドレン水受けが設置され、このドレン水受けの上方に超音波センサをドレン水受けの受水状態を検知する水位センサとして配設するとともに、ドレン水受け内にドレン水を蒸発させる蒸発装置を設置し、前記超音波センサから発信する超音波の反射時間でドレン水の水面位置と超音波センサとの距離すなわち水位を測定するショーケースにおいて、前記蒸発装置をドレン水との距離を測定する水面距離測定範囲内に水面の波をさえぎる方向に取付けたことを特徴とするショーケース。
【請求項8】
ドレン水受けが設置され、このドレン水受けの上方に超音波センサをドレン水受けの受水状態を検知する水位センサとして配設し、この超音波センサから発信する超音波の反射時間でドレン水の水面位置と超音波センサとの距離すなわち水位を測定するショーケースにおいて、ドレン水との距離を測定する水面距離測定範囲の外周に、反射波抑制部材を配設したことを特徴とするショーケース。
【請求項1】
ドレン水受けが設置され、このドレン水受けの上方に超音波センサをドレン水受けの受水状態を検知する水位センサとして配設し、この超音波センサから発信する超音波の反射時間でドレン水の水面位置と超音波センサとの距離すなわち水位を測定するショーケースにおいて、
前記ショーケース内蔵のファンで発生する流体の流路の周囲に、距離を測定するための水面距離測定範囲を形成したことを特徴とするショーケース。
【請求項2】
ドレン水受けが設置され、このドレン水受けの上方に超音波センサをドレン水受けの受水状態を検知する水位センサとして配設し、この超音波センサから発信する超音波の反射時間でドレン水の水面位置と超音波センサとの距離すなわち水位を測定するショーケースにおいて、ドレン水受け内のドレン水の水面に発生する波をさえぎる板で区画された水面範囲を、距離を測定する水面距離測定範囲に形成したことを特徴とするショーケース。
【請求項3】
前記距離を測定する水面距離測定範囲への水の流入箇所を、ドレン水受けの容器の底面から前記ドレン水受けの容器の上端部までの距離において、1/2の範囲の部位に形成したことを特徴とする請求項2記載のショーケース。
【請求項4】
前記1/2の範囲に形成した部位の開口は、水入路に必要な極小面積とした事を特徴とする請求項3記載のショーケース。
【請求項5】
前記極小面積に必要な開口の一辺の辺長は、10mm以内とした事を特徴とする請求項4記載のショ−ケース。
【請求項6】
前記ドレン水をさえぎる板は、多孔質またはメッシュ構造とすることを特徴とする請求項2記載のショーケース。
【請求項7】
ドレン水受けが設置され、このドレン水受けの上方に超音波センサをドレン水受けの受水状態を検知する水位センサとして配設するとともに、ドレン水受け内にドレン水を蒸発させる蒸発装置を設置し、前記超音波センサから発信する超音波の反射時間でドレン水の水面位置と超音波センサとの距離すなわち水位を測定するショーケースにおいて、前記蒸発装置をドレン水との距離を測定する水面距離測定範囲内に水面の波をさえぎる方向に取付けたことを特徴とするショーケース。
【請求項8】
ドレン水受けが設置され、このドレン水受けの上方に超音波センサをドレン水受けの受水状態を検知する水位センサとして配設し、この超音波センサから発信する超音波の反射時間でドレン水の水面位置と超音波センサとの距離すなわち水位を測定するショーケースにおいて、ドレン水との距離を測定する水面距離測定範囲の外周に、反射波抑制部材を配設したことを特徴とするショーケース。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2008−45832(P2008−45832A)
【公開日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−223149(P2006−223149)
【出願日】平成18年8月18日(2006.8.18)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【出願人】(000004422)日本建鐵株式会社 (152)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年8月18日(2006.8.18)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【出願人】(000004422)日本建鐵株式会社 (152)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]