説明

シラン変性金属酸化物を含む組成物

本発明は、シラン変性金属酸化物を含む組成物に関し、このシラン変性金属酸化物は、少なくとも1つのシリル基が結合されている金属酸化物を含んでおり、このシリル基は、少なくとも1つの、−SO、−OSO、−SSO、−NHSCO、−NR’SO、−NR’、または−Q基を含んでいる。R'は、同じでも異なっていてもよく、分岐もしくは分岐していない、置換もしく非置換アルキル、アルケニル、またはアルキニル基、あるいは置換もしくは非置換アリール、ヘテロアリール、アルキルアリール、またはアリールアルキル基であり、Mは、カチオン性対イオンであり、そしてAは、アニオン性対イオンである。本発明は、更に開示された化学機械研磨組成物中で用いられるシラン変性金属酸化物に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シラン変性金属酸化物および、それを含む化学機械研磨(CMP)組成物を含めた組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータおよび電子工業で用いられる電子部品の小型化において、大きな進歩がなされている。電子部品の小型化は、典型的には、電子基板を作り上げるための、多数の金属および酸化物層の堆積、エッチングおよび/または研磨を含んでいる。しかしながら、小型化は、部品の品質への懸念を引き起こし、その多くは、コンピュータおよび電子基板材料を精確に研磨することによって克服されている。電子部品表面を精確に研磨するために、研磨される表面の組み合わせに適合する化学機械研磨(CMP)スラリーを開発することが必要となってきている。
【0003】
典型的には、金属酸化物研磨材が、化学機械研磨スラリーに用いられており、そして研磨材粒子の表面の化学的性質を改質する幾つかの方法が開示されている。例えば、米国特許第5,645,736号明細書には、研磨材粒子を、研磨される基板上の一時的な膜もしくはマトリックス中に分散させるために、オルガノポリシロキサンポリマーを用いた、加工品の研磨方法が開示されている。また、米国特許第5,767,016号明細書には、有機金属化合物、例えばアミノプロピルトリエトキシシランと組み合わせ研磨材粒子を含んだ、研磨組成物が開示されている。これらの粒子は、次いで、半導体装置を研磨するために、スラリー中で用いられる。更に、米国特許第6,582,623号明細書には、少なくとも1種の表面金属水酸化物を含んだ少なくとも1種の金属酸化物研磨材粒子と少なくとも1種の非加水分解性置換基を含む少なくとも1種のシラン化合物との組み合わせの生成物である、シラン変性研磨材粒子の分散液を含んだCMP組成物が開示されている。更に、米国特許第7,044,836号明細書には、金属酸化物粒子を含んだ研磨組成物を用いた基板の研磨方法であって、シラン化合物が金属酸化物粒子の表面の一部に付着しており、ポリマーがそのシラン化合物に付着している表面を有する金属酸化物粒子を含んだ研磨組成物を用いた基板の研磨方法が記載されている。このポリマーは、水溶性または水に乳化性のポリマーである。更に、国際特許出願公開第2007/146680号には、シリカ表面および、そのシリカ表面に共有結合している多数の両性イオン性官能基を含んだ、安定化されたシリカコロイドが記載されており、これはCMP組成物に用いることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような取り組みが、有用な研磨組成物を生み出す一方で、当工業界には、幅広いpH範囲にわたってコロイド安定性である金属酸化物研磨材を含んだ化学機械研磨組成物への要求が残っている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、少なくとも1種のシリル基が結合されている金属酸化物を含んだ、少なくとも1種のシラン変性金属酸化物を含む化学機械研磨組成物に関する。このシリル基は、少なくとも1つの−SO、−OSO、−SSO、−NHSO、−NR’SO、−NR’または−Q基を含んでおり、ここでR’は、同じでも異なっていてもよく、分岐した、もしくは分岐していない、置換もしくは非置換のアルキル、アルケニルまたはアルキニル基、あるいは置換もしくは非置換のアリール、ヘテロアリール、アルキルアリールまたはアリールアルキル基であり、Qは、複素環式もしくは芳香族複素環式第四級アンモニウム基であり、Mは、カチオン性対イオンであり、そしてAは、アニオン性対イオンである。好ましくは、このシリル基は、式−Si(X)[(R''−HET)L−(R−I)]3−nを有しており、ここでXは、独立して、同じでも異なっていてもよく、−OH、加水分解性置換基、非加水分解性置換基、または式−O−G−を有する酸素含有置換基であり、ここでGは、ケイ素含有基のSiもしくは金属酸化物の表面金属原子であり;RおよびR''は、独立して、分岐もしくは分岐していないアルキレン、アルケニレン、またはアルキニレン基あるいはアリーレン、ヘテロアリーレン、アルキルアリーレンまたはアリールアルキレン基であり;HETは、ヘテロ原子基であり;Lは結合基であり;mは0、1、2、3、4、5または6であり;nは0、1または2であり;そしてIは、−SO、−OSO、−SSO、−NHSO、−NR’SO、−NR’、または−Q基である。このシリル基は、非両性イオン性基であることができ、例えば、mが0ではなく、そしてHETがSまたはOである場合には、Iが−SO、−0S0、−SS0、−NHS0、−NR’S0、−NR’、または−Q基であり、あるいはHETがNR’である場合には、Iが−NR’または−Q基であるような基である。本発明は、更に、CMP組成物中に用いられるシラン変性金属酸化物に関する。
【0006】
前述の包括的な記載と、下記の詳細な説明は両方とも、典型的なものであり、そして説明のためだけのものであり、そして特許請求した本発明に更なる説明を提供することを意図したものであることが理解されなければならない。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明は、化学機械研磨組成物および、それに用いられるシラン変性金属酸化物に関する。
【0008】
本発明の化学機械研磨組成物は、研磨材成分として、少なくとも1種のシラン変性金属酸化物を含んでおり、そしてこの変性研磨材は、少なくとも1つのシリル基が結合されている金属酸化物を含んでいる。この金属酸化物は、シラン変性剤との反応を受けることができる表面ヒドロキシド基を有する、当技術分野で知られているいずれかの無機酸化物であることができる。例えば、この金属酸化物は、アルミナ、チタニア、ジルコニア、ゲルマニア、シリカ、セリア、酸化タンタル(TaO)、それらの混合物、およびそれらの化学混和剤(すなわち、原子的に混合されたまたはコーティングされた金属酸化物混合物を含む粒子)であることができる。好ましくは、金属酸化物研磨材は、シリカ(二酸化ケイ素)であり、フュームドシリカ、コロイド状シリカ、沈降シリカ、シリカゲル、またはシリカエーロゲルが挙げられる。より好ましくは、この金属酸化物は、フュームドシリカまたはコロイド状シリカである。
【0009】
この金属酸化物は、それらがどのように調製されたかに応じて、個別の単一の粒子または個別の粒子の凝集体であることができる。例えば、コロイド状シリカは、一般には単一の粒子の形態であり、一方でフュームドシリカは、典型的には一次粒子の凝集体である。従って、ここで用いられる用語「粒子」は、2個以上の一次粒子の凝集体、ならびに単一の粒子の両方を表している。この金属酸化物は、当業者に知られているいずれかの技術、例えば火炎プロセス、ゾル−ゲルプロセス、熱水プロセス、プラズマプロセス、エーロゲルプロセス、ヒューミングプロセス、沈降プロセス、メカノケミカル磨砕、採鉱、およびそれらのプロセスのいずれかの組み合わせによって、生成することができる。
【0010】
シラン変性金属酸化物は、少なくとも1つのシリル基が結合されている金属酸化物を含んでおり、このシリル基は、シリコン含有基であって、このシリコン含有基のケイ素原子で、この金属酸化物表面に結合されている。このシリル基は、金属酸化物の表面の一部に、1つもしくは2つ以上の共役結合、1つもしくは2つ以上の静電結合(すなわち、1つもしくは2つ以上のイオン性結合)、1つもしくは2つ以上の水素結合、1つもしくは2つ以上のファンデルワールス結合、またはそれらの組み合わせで、結合されていることができる。好ましくは、このシリル基は、1つもしくは2つ以上の共役結合で、金属酸化物粒子の一部に結合されている。
【0011】
このシリル基は、更に少なくとも1つの−SO、−OSO、−SSO、−NHSO、−NR’SO、−NR’または−Q基を含んでいる。R’は、同じでも異なっていてもよく、分岐もしくは分岐していない、置換もしくは非置換のアルキル、アルケニルまたはアルキニル基あるいは、置換もしくは非置換のアリール、ヘテロアリール、アルキルアリール、またはアリールアルキル基であり、Qは、複素環式もしくは芳香族複素環式第四級アンモニウム基(例えば、ピリジニウム基)であり、Mは、カチオン性対イオンであり、そしてAは、アニオン性対イオンである。対イオンとして、MとAは、イオン交換または他の既知の技術によって、シリル基から取り除くことができ、更に下記で議論される。カチオン性対イオンの好適な例としては、金属カチオン(例えば、Na、LiおよびK)、H、アンモニウムイオン(NH、ならびにプロトン化した第一級、第二級または第三級アルキルアミンおよびプロトン化した芳香族アミン、例えばピリジンを含めて)、第四級アンモニウムイオン(アルキル化第三級アミンおよび芳香族アミンを含めて)ならびにそれらの混合物が挙げられる。このカチオンは、好ましくはアンモニウムまたは第四級アンモニウムイオンである。アニオン性対イオンの好適な例としては、ハライド(F、Cl、BrまたはI)、ヒドロキシド、アセテート、ナイトレート、カルボキシレート、スルフェート、メタンスルホナート、メチルスルフェート、およびそれらの混合物が挙げられる。アニオン性対イオンは、好ましくはナイトレート、アセテート、カルボキシレート、メタンスルホナート、またはメチルスルフェートである。具体的なシリル基の例としては、−SO NHMe基、−SO NH基、−SSO Na基,−SSO NH基、−N(Me)SO NHMe基、−NHSO NHMe基、−NMe Cl基、−NMe Br基、−NEt Cl基、−NC Cl基、または−NC NO基が挙げられる。
【0012】
好ましくは、シラン変性金属酸化物のシリル基は、式−Si(X)[(R''−HET)L−(R−I)]3−nを有している。Xは、独立して、同じでも異なっていていてもよく、−OH、加水分解性置換基、非加水分解性置換基、または式−O−G−を有する酸素含有置換基、ここでGは、ケイ素含有基のSiまたは金属酸化物の表面金属原子である。ここで用いられる用語「加水分解性」は、水性の系中でSi−OH基を形成するであろう置換基、例えばアルコキシ基、を表している。用語「非加水分解性」は、水性の系中で、Si−OHを形成する加水分解を受けない置換基を表している。好適な例としては、アルキル基、シクロアルキル基、芳香族基、またはアルケニル基が挙げられ、それらは、それぞれが、更に1つもしくは2つ以上の官能基で置換されていてもよい。この式の中で、RおよびR''は、独立して、分岐もしくは分岐していないアルキレン(例えば、メチレン、エチレン、またはプロピレン)、アルケニレン、またはアルキニレン基、あるいはアリーレン、ヘテロアリーレン、アルキルアリーレン、またはアリールアルキレン基である。また、RおよびR''は、更なる官能基、例えばヒドロキシルまたはアルコキシ基を含んでいてもよい。HETは、ヘテロ原子基、例えばS、NR’またはOであり、ここでR’は、上記の通りである。Lは結合基であり、ここで用いられるのは、(R−I)基を金属酸化物に結合させる結合または化学基である。化学基の例としては、−CO−、−CONR’−、−SO−、−SO−、−SONR’−、−CHCHCO−、−CHCHCOO−、−CHCHCONR’−、−CHCH(OH)−などが挙げられるが、それらには限定されず、ここでR’は上記の通りである。この式中、mは0、1、2、3、4、5または6であり、そして好ましくは0、1または2であり、そしてnは0、1または2である。mが0でない場合は、それぞれのHETは同じかまたは異なっていてよい。従って、例えば、シリル基は、式−Si(X)[(R''−HET1)(R''−HET2)−(R−I)]3−nを有していてよく、ここでHET1およびHET2は、異なるヘテロ原子基であり、そしてp+q=mである。同様に、それぞれのR''はまた、mが0でない場合には、同じでも異なっていてもよい。Iは、−SO、−OSO、−SSO、−NHSO、−NR’SO、−NR’、または−Q基であり、ここでR’、M、AおよびQは、上記の通りである。具体的な例としては、mが0でない場合には、HETは、SまたはOであることができ、そしてIは、−SO、−OSO、−SSO、−NHSO、−NR’SO、−NR’または−Q基であることができ、あるいはHETは、NR’であることができ、そしてIは、−NR’、または−Q基であることができる。従って、これらの例によって示されるように、シリル基は、非両性イオン性基であることができ、そうして、同一の基の中に、隣接していない正に荷電した原子および負に荷電した原子を含む基である、両性イオン(また、分子内塩とも称される)を含まない。
【0013】
シラン変性金属酸化物は、当技術分野で知られているいずれかの方法を用いて調製することができる。例えば、改質研磨材は、金属酸化物とシラン化合物の結合(combination)生成品であることができ、このシラン化合物は金属酸化物の処理剤と考えることができる。用いることができるシラン化合物の好適な分類としては、アルコキシシラン、シラザン、ハロシラン、およびカルボキシシラン(例えばアセトキシシラン)が挙げられる。例えば、シラン変性金属酸化物は、少なくとも1つの表面金属水酸化物を有する金属酸化物と、式Y−Si(X’)[(R''−HET)L−(R−I)]3−nを有する少なくとも1つのシラン化合物およびその部分的加水分解誘導体との結合生成品であることができる。この式中、R、R''、HET、L、I、mおよびnは、上記の通りである。X’は、独立して、同じでも異なっていてもよく、−OH、加水分解性置換基、非加水分解性置換基、または式−O−G−を有する酸素含有置換基であることができ、ここでGは、ケイ素含有基のSi、または金属酸化物の表面金属原子であり、そしてXと同じでも異なっていてもよく、Yは、−OHまたは加水分解性置換基である。X’およびYの加水分解性置換基の好適な例としては、アルコキシ基、ハロゲン(例えば、Cl基)、カルボキシレート(例えば、アセテート基)、アミン、およびアミドが挙げられるがそれらには限定されない。
【0014】
あるいは、本発明のシラン変性金属酸化物は、少なくとも1種の表面金属水酸化物を有する金属酸化物と、反応性官能基を有する少なくとも1種の前駆体シラン化合物であって、この前駆体シラン化合物は次いで第2の処理剤と反応して、式−Si(X)[(R''−HET)L−(R−I)]3−nを有するシリル基を形成する前駆体シラン化合物との結合生成物として調製することができる。この2段法の1つの例としては、シラン変性金属酸化物は、少なくとも1つの表面金属水酸化物を有する金属酸化物と、式Y−Si(X’)[(R''−HET)L−(R−Z)3−nを有する少なくとも1つの前駆体シラン化合物およびその部分的加水分解誘導体との結合生成物であって、次いで反応して、上記のシリル基が結合しているシラン変性金属酸化物を形成する結合生成物であることができる。この式中、R、R''、HET、X’、m、nおよびYは上記の通りであり、そしてZは、−SO、−OSO、−SSO、−NHSO、−NR’SO、−NR’、または−Q基へと化学的に変換することができる基であり、ハロゲン(これらは、例えば、−SO、−OSO、−SSO、−NR’、または−Qへと変換することができる)、チオール基(これは、いずれかの好適な酸化剤を用いて、−SOへと変換することができる)、あるいはアミノ基(これは、例えば、アルキル化によって、−NR’基へと、またはスルホン化によって、−NR’SOもしくは−NR’SOへと変換することができる)が挙げられる。具体的な例としては、nが2であり、両方のX’がヒドロキシまたは加水分解性置換基である場合には、好適なシラン化合物としては、メルカプトプロピルトリアルコキシシラン、クロロプロピルトリアルコキシシラン、アミノプロピルトリアルコキシシラン、およびN−アルキルアザ−シラシクロペンタン(例えば、N−メチルアザ−2,2,4−トリメチル−2−シラシクロペンタン)が挙げられる。他の好適なシラン化合物は、当業者によく知られている。
【0015】
この2段法の第2の例としては、シラン変性金属酸化物は、少なくとも1つの表面金属水酸化物を有する金属酸物と、式Y−Si(X’)[(R''−HET)H]3−nを有する少なくとも1つの前駆体シラン化合物およびその部分的加水分解誘導体との結合生成物であって、次いで式Z’−(R−I)を有する化合物と反応して、上記のシリル基が結合されているシラン変性金属酸化物を形成する結合生成物であることができる。これらの式において、R、R''、HET、X’、m、n、YおよびIは、上記の通りであり、そしてこの具体的な例では、mは0ではない。この例では、mは0でないので、金属酸化物と前駆体シラン化合物との結合生成物は、末端HET−H求核基、例えばアルコール、チオール、またはアミン基(またはそれらの塩)を備えた結合された基を有している。Z’は電子吸引性の化学基であり、求核性のHET−H基と反応して結合基、Lを形成する。具体的な例としては、Z’は、エポキシ基(これは求核性HET−H基と反応して−CHCH(OH)−結合基を形成するであろう)、アルファ、ベータ−不飽和カルボニル基、例えばアクリルアミド基(これは求核性HET−H基と反応して−CHCHCO−、−CHCHCOO−、または−CHCHCONR’−結合基を形成するであろう)、またはカルボン酸誘導体(これは求核性HET−H基と反応して−CO−または−CONR’−結合基を形成するであろう)であることができる。
【0016】
この2段法の第3の例としては、シラン変性金属酸化物は、少なくとも1つの表面金属水酸化物を有する金属酸化物と、式Y−Si(X’)(R''−Z'')3−nを有する少なくとも1つの前駆体シラン化合物およびその部分加水分解誘導体との結合生成物であって、次いで式H−(HET−L−R−I)を有する化合物と反応して上記のシリル基が結合されているシラン変性金属酸化物を形成する結合生成物であることができる。これらの式中で、R、R''、HET、X’、L、n、YおよびIは、上記の通りである。Z''は、親電子基、例えばハロゲン、エポキシ、アルファ、ベータ−不飽和カルボニル基、またはカルボン酸誘導体であり、それらは求核性のH−HET、例えばアルコール、チオール、もしくはアミン基(またはそれらの塩)と反応する。また、他の具体的な組み合わせも可能であり、当業者には知られているであろう。
【0017】
これらの結合生成品は、シラン化合物と、表面金属水酸化物を有する金属酸化物とを会合させるための、いずれかの既知の方法によって調製することができる。例えば、シラン化合物は、溶媒、例えば水または水/アルコール混合物中に溶解して、そして金属酸化物の表面上に噴霧することができ、それをその後に乾燥してシラン変性金属酸化物を生成することができる。あるいは、シラン変性金属酸化物は、表面金属水酸化物を有する金属酸化物を、溶媒、例えば水また水/アルコール混合物(例えば、水とメタノールとの混合物)と混合し、そしてこの金属酸化物を溶媒中に機械的に分散させることによって調製することができる。一旦分散すると、シラン化合物は、単体で、または溶液としてのいずれでも、この分散液へ加えて、シラン変性金属酸化物を分散液として生成することができ、これを処理溶液から分離して、そして乾燥させるか、あるいは化学機械研磨スラリーの製造に直接に用いるかのいずれかとすることができる。更に、前駆体シラン化合物が、これらの例示した方法のいずれにおいても、シラン化合物の代わりに用いることができ、そしてシラン変性金属酸化物を形成する反応は、これらの成分が混合された後のいずれの段階でも起こる可能性があり、それによってシラン変性金属酸化物を形成し、それは化学機械研磨組成物を調製するために用いることができる。また、結合されたシリル基の対イオンは、当技術分野で知られているいずれかの方法、例えば中和、ダイアフィルトレーションを用いて、または種々の種類のイオン交換樹脂を用いて、変えることができる。
【0018】
シラン変性金属酸化物は、所望の分散安定性および研磨結果を得るために十分な量の結合されたシリル基を有している。例えば、シリル基の総量は、変性金属酸化物の表面積当たりに、約0.1〜約6.0マイクロモル/m、例えば約0.5〜約3.0マイクロモル/mであることができる。しかしながら、単層を超える被覆も許容することができる。
【0019】
シラン変性金属酸化物は、研磨材粒子の形態に応じて、当技術分野で知られているいずれかの方法を用いて、化学機械研磨組成物中に組み込むことができる。例えば、シラン変性金属酸化物は、固体の形態、例えば粉末もしくはペースト、であることができ、そして種々の既知の分散技術を用いて、例えば、シラン変性金属酸化物を適当な媒体、例えば脱イオン水、へ徐々に加えて、コロイド状分散液を形成させ、そしてこの分散液を、当業者に知られている高せん断混合条件に掛けることによって、化学機械研磨組成物中に混合することができる。あるいは、シラン変性金属酸化物は、液体媒体中の分散液またはスラリーの形態であることができ、そして希釈され、濃縮され、または更に化学機械研磨組成物中に配合することができる。分散液の形態では、液体媒体は、好ましくは水性媒体であり、これは50質量%超の水を含んでおり、そして、例えば水、もしくは水と水に混和性の溶媒、例えばアルコールとの混合物であることができる。好ましくは、シラン変性酸化物は、約3質量%〜約45質量%の固形分の範囲、そして好ましくは10質量%〜20質量%の固形分の範囲の濃縮された水性分散液として、化学機械研磨組成物中に混合される。
【0020】
本発明の化学機械研磨組成物は、所望の研磨結果を得るのに十分な量のシラン変性金属酸化物を含んでおり、例えば研磨される表面の種類に応じて変えることができる。一般には、シラン変性金属酸化物は、組成物の総質量を基準にして約15%以下の量で存在している。金属層の研磨のためには、シラン変性金属酸化物は、約0.1〜7質量%の量で存在していることが好ましく、酸化物層の研磨のためには、シラン変性金属酸化物は、シラン変性研磨材粒子が約5〜約15質量%の量で存在していることが好ましい。
【0021】
本発明の化学機械研磨組成物は、更に1種もしくは2種以上の所望による化学機械研磨スラリー添加剤、例えば、酸、錯化剤、酸化剤、触媒、安定剤、分散剤、界面活性剤、腐食抑制剤、緩衝剤、溶液のpHを調整するための化合物などを含むことができる。化学機械研磨スラリーおよび組成物中に有用であると当技術分野で知られているいずれかの成分を、上記のシラン変性金属酸化物と共に用いることができる。
【0022】
例えば、化学機械研磨組成物は、更に、酸、例えば無機酸(例えば、硝酸、リン酸、硫酸、それらの塩、およびそれらの組み合わせ)または有機酸(例えば、シュウ酸、マロン酸、酒石酸、酢酸、乳酸、プロピオン酸、フタル酸、安息香酸、クエン酸、コハク酸、それらの塩、およびそれらの組み合わせ)を含むことができる。また、化学機械研磨組成物は、更に界面活性剤を含むことができる。好適な界面活性剤としては、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、フッ素化界面活性剤、およびそれらの混合物が挙げられるが、それらには限定されない。
【0023】
更に、化学機械研磨組成物は、更に酸化剤を含むことができる。好適な酸化剤としては、無機および有機過−化合物、臭素酸塩、硝酸塩、塩素酸塩、クロム酸塩、ヨウ素酸塩、鉄および銅塩(例えば、硝酸塩、硫酸塩、EDTAおよびクエン酸塩)、希土類および遷移金属酸化物(例えば、四酸化オスミウム)、フェリシアン化カリウム、重クロム酸カリウム、ヨウ素酸など、が挙げられる。過−化合物は(Hawleyによる、Condensed Chemical Dictionaryで規定されているように)、少なくとも1つのペルオキシ基(−O−O−)を含む化合物または、元素をその最高の酸化状態で含んでいる化合物である。少なくとも1つのペルオキシ基を含む化合物の例としては、過酸化水素およびその付加物、例えば過酸化尿素、および過炭酸塩、有機過酸化物、例えば過酸化ベンゾイル、過酢酸、およびジターシャリブチルペルオキシド、単過硫酸塩(SO−2)、二過硫酸塩(S−2)、および過酸化ナトリウムが挙げられるが、それらには限定されない。元素をその最高の酸化状態で含む化合物の例としては、過ヨウ素酸、過ヨウ素酸塩、過臭素酸、過臭素酸塩、過塩素酸、過塩素酸塩、過ホウ素酸、過ホウ素酸塩、および過マンガン酸塩が挙げられるが、それらには限定されない。
【0024】
更に、化学機械研磨組成物は、更にキレート化剤もしくは錯化剤を含むことができ、これは、除去される基材層の除去速度を向上させる添加剤である。好適なキレート化剤もしくは錯化剤としては、例えば、カルボニル化合物(例えば、アセチルアセトネートなど)、単純なカルボキシレート(例えば、アセテート、アリールカルボキシレートなど)、1つもしくは2つ以上のヒドロキシル基を含むカルボキシレート(例えば、グリコラート、ラクテート、グリコナート、没食子酸およびその塩、など)、ジ−、トリ−、およびポリ−カルボキシレート(例えば、オキサレート、フタレート、シトレート、サクシネート、タルトレート、マレート、エデテート(例えば、EDTA二カリウム)、ポリアクリレート、それらの混合物など)、1つもしくは2つ以上のスルホン基および/またはホスホン基を含むカルボキシレートなど、を挙げることができる。また、好適なキレート化剤または錯化剤としては、例えば、ジ−、トリ−、もしくはポリアルコール(例えば、エチレングリコール、ピロカテコール、ピロガロール、タンニン酸など)およびアミン含有化合物(例えば、アンモニア、アミノ酸、アミノアルコール、ジ−、トリ−およびポリアミンなど)を挙げることができる。
【0025】
好ましくは、化学機械研磨組成物のpHは、2〜11であり、より好ましくは2〜8または3〜10である。驚くべきことに、上記のシラン変性金属酸化物を含む化学機械研磨組成物は、広範囲なpH範囲を通して安定であることが見出された。従って、シラン変性金属酸化物は、化学機械研磨組成物(粒子径が、フュームド金属酸化物では、好ましくは約300nm未満、例えば約200nm未満、そして約150nm未満であり、そして、コロイド状金属酸化物では、好ましくは約300nm未満、例えば約200nm未満、約150nm未満、約100nm未満、約50nm未満、そして約25nm未満である)中に良好に分散され、そして分散したままであり、pHが変化しても、集塊になったり、沈降したりする傾向にはない。従って、本発明の化学機械研磨組成物は、変性されていない研磨材粒子分散液に比べて、向上した貯蔵寿命安定性を有している。更に、これらのCMP組成物は、例えば研磨操作の間に発生する可能性があるpH変化に対して安定であるために、これらのCMP組成物はまた、目的の表面の向上された研磨特性を与えることが予期される。また、これらの組成物は、向上した配合の柔軟性を与え、研磨する人が、特定の表面または所望の研磨速度に対してこの組成物を誂えることを可能にする。
【0026】
本発明の化学機械研磨組成物は、少なくとも1つの金属層を含むいずれかの好適な基板を研磨するのに用いることができる。好適な基板としては、集積回路、メモリーもしくは硬質ディスク、金属、層間誘電体(ILD)装置、半導体、マイクロ電子機械システム、強誘電体、および磁気ヘッドが挙げられるが、それらには限定されない。この金属層は、いずれかの好適な金属を含んでいることができる。例えば、この金属層は、銅、タンタル、チタン、アルミニウム、ニッケル、白金、ルテニウム、イリジウム、またはロジウムを含むことができる。この基板は、更に少なくとも1つの絶縁層を含むことができる。この絶縁層は、金属酸化物、多孔質金属酸化物、ガラス、有機ポリマー、フッ化有機ポリマー、またはいずれかの他の好適な高kまたは低k絶縁層であることができる。
【0027】
基板層は、当技術分野で知られているいずれかの方法を用いて研磨することができる。例えば、本発明の化学機械研磨組成物は、プラテン(これは、使用時には、動き、そして軌道、直線または円運動からの結果である速度を有している)、このプラテンと接触しており、そして動作中は、プラテンと共に動く研磨パッド、ならびに研磨パッドの表面に対して接触しそして動くことによって研磨される、基板を保持する支持体、含む装置を用いた慣用の方法によって、基板のフィーチャー(features)を研磨するのに用いることができる。基板の研摩は、この基板を研磨パッドと本発明の研磨組成物とに接触させて配置して、そして次いで、この基板を研磨するようにこの基板の少なくとも一部を研摩するように、この研磨パッドを基材に対して動かすことによって起こる。本発明の化学機械研磨組成物は、基板に直接適用されてよく、研摩パッドに適用されてもよく、または基材の研摩の間に、制御された方法でそれらの両方に適用されてもよい。しかしながら、これらの研摩組成物は、研摩パッドに適用され、それがその後に基板表面に接触させられて、その後に、基板が研磨されるように、このパッドが基板表面に対して動かされることが好ましい。本発明の研摩組成物は、次いで、このパッド/基板表面で十分な量の研摩組成物を維持するために、連続して、または断続的に研摩パッドへと適用される。研摩の終点に達した場合には、研摩パッドへの研摩組成物の流れは遮断されて、そして過剰な研摩組成物は、脱イオン水または他の溶媒で、基板から洗い流される。
【実施例】
【0028】
本発明は、下記の例によって更に明確にされ、それらは本来、例示のためだけを意図している。
【0029】
例1〜15
下記の例は、本発明の化学機械研磨組成物中に用いるためのシラン変性金属酸化物の調製を説明している。これらの例では、試料のゼータ電位は、Brookhaven Instruments(ニューヨーク州、ホールトヴィル)のZeta Plus、またはColloidal Dynamics(ロードアイランド州、ウォーウィック)のZetaProbeのいずれかを用いて測定した。平均体積粒径(mv)は、脱イオン水中で、Microtrac(登録商標)Ultrafine Particle Analyzerを用いて、動的光散乱法によって測定した。
【0030】
例1
メルカプトプロピルトリメトキシシラン(7.07g)を、177.8g(45%固形分)のLudox CL-Xコロイド状シリカ分散液(Sigma-Aldrichから入手可能)、64gの水、および160gのメタノールの攪拌されている混合物へと加えた。この混合物を次いで、50℃で90時間加熱した。この混合物を室温に冷却し、そしてその一部200gを取り出した。過酸化水素(30%溶液を6.05g)を、その取り出した一部に加え、そしてこの混合物を50時間にわたり65℃で加熱した。更なる過酸化水素(30%溶液を6.12g)加え、そして加熱を15時間継続し、スルホネート基が結合されているシラン変性金属酸化物の水性分散液を形成した。この分散液のpHは、1.7であった。
【0031】
この水性シラン変性金属酸化物分散液の試料を、必要に応じて水酸化アンモニウムと硝酸で、3、6および10のpH値に調整した。また、対イオンは、例えばテトラメチルアンモニウムに、例えばこの試料を適正なイオン交換カラムに通すか、または他の既知の方法を用いることによって、変更可能であった。pHを調整されたそれぞれの試料のゼータ電位と平均体積粒径(mv)を測定し、そしてその結果を下記の表1中に示した。
【0032】
【表1】

【0033】
これらの結果が示すように、スルホネート基が結合されているシラン変性金属酸化物は、3〜10のpHで、良好な水性分散液を形成した。大きな負のゼータ電位は、結合されたスルホネート基が、これらのpH値では、負に荷電していることを表している。
【0034】
更に、これらの試料は、pH3および6で、45℃に97日間にわたりエージングさせ、そしてゼータ電位と粒子径を測定した。これらの結果を下記の表2に示した。
【0035】
【表2】

【0036】
これらの結果は、エージングの後でさえも、スルホネート基が結合されているシラン変性金属化合物は、これらのpH値で、良好に分散したままであることを示している。従って、このシラン変性金属酸化物は、化学機械研磨組成物中の研磨材として用いることができることが予期される。
【0037】
比較として、20%(固形分基準)の未処理のLudox CLXシリカ、40%の水および40%のメタノールの分散液を、硝酸と水酸化アンモニウムで3と6のpH値に調整することによって、試料を調製した。45℃で97日間にわたり、pH6でエージングしたこの比較試料は、ゲル化し、一方で、pH3でエージングした比較試料は、250nm超の大きさに成長した。
【0038】
例2
メルカプトプロピルトリメトキシシラン(7.07g)を、177.8g(45%固形分)のLudox CL-Xコロイド状シリカ分散液(Sigma- Aldrichから入手可能)、64gの水および160gのメタノールの攪拌されている混合物へと加えた。この混合物を、次いで50℃で90時間にわたって加熱した。この混合物を室温に冷却し、そしてその一部163gを取り出した。この取り出した一部に、過酸化水素(30%溶液を24.5g)を加えて、そしてこの混合物を51時間にわたり、65℃で加熱した。結果として得られた、スルホネート基が結合されているシラン変性金属酸化物の水性分散液は、1.1のpHを有していた。
【0039】
この水性のシラン変性金属酸化物分散液の試料を、必要に応じて水酸化アンモニウムと硝酸で、3、6および10のpH値に調整した。また、対イオンは、この試料を適当なイオン交換カラムに通すこと、または他の既知の方法を用いることによって、例えばテトラメチルアンモニウムへと変更することができた。pHを調整されたそれぞれの試料のゼータ電位および平均体積粒径(mv)を測定して、そしてそれらの結果を下記の表3中に示した。
【0040】
【表3】

【0041】
これらの結果が示すように、スルホネート基が結合されているシラン変性金属酸化物は、3〜10のpHで、良好な水性分散液を形成した。大きな負のゼータ電位は、結合されたスルホネート基が、これらのpH値では、負に荷電していることを表している。
【0042】
更に、pHを調整されたそれぞれの試料を、45℃で39日間に亘ってエージングして、そしてゼータ電位と粒子径を測定した。これらの結果を、下記の表4中に示した。
【0043】
【表4】

【0044】
これらの結果は、エージングの後でさえも、スルホネート基が結合されているシラン変性金属化合物は、これらのpH値で、良好に分散したままであることを示している。従って、このシラン変性金属酸化物は、化学機械研磨組成物中の研磨材として用いることができることが予期される。
【0045】
比較として、20%(固形分基準)の未処理のLudox CLXシリカ、40%の水および40%のメタノールの分散液を、硝酸と水酸化アンモニウムで3と6のpH値に調整することによって、試料を調製した。45℃で97日間にわたり、pH6でエージングしたこの比較試料は、ゲル化し、一方で、pH3でエージングした比較試料は、175nm超の大きさに成長した。
【0046】
例3
メルカプトプロピルトリメトキシシラン(10.67g)を、266.8g(45%固形分)のLudox CL-Xコロイド状シリカ分散液(Sigma- Aldrichから入手可能)、および233.8gの水の攪拌されている混合物へと加えた。この混合物を、次いで50℃で2時間にわたって加熱した。この混合物を室温に冷却し、そしてその一部402gを取り出した。この取り出した一部に、過酸化水素(30%溶液を28.9g)を加えて、そしてこの混合物を、室温で30分間振とうし、次いで17時間にわたり50℃で加熱して、そして更に5.5時間に亘って最終的に85℃で加熱した。結果として得られた、スルホネート基が結合されているシラン変性金属酸化物の水性分散液は、1.3のpHを有していた。
【0047】
この水性のシラン変性金属酸化物分散液の試料を、必要に応じて水酸化アンモニウムと硝酸で、3、6および10のpH値に調整した。また、対イオンは、この試料を適当なイオン交換カラムに通すこと、または他の既知の方法を用いることによって、例えばテトラメチルアンモニウムへと変更することができた。pHを調整されたそれぞれの試料のゼータ電位および平均体積粒径(mv)を測定して、そしてそれらの結果を下記の表5中に示した。
【0048】
【表5】

【0049】
これらの結果が示すように、スルホネート基が結合されているシラン変性金属酸化物は、3〜10のpHで、良好な水性分散液を形成した。大きな負のゼータ電位は、結合されたスルホネート基が、これらのpH値では、負に荷電していることを表している。
【0050】
更に、pHを調整されたそれぞれの試料を、45℃で67日間に亘ってエージングして、そしてゼータ電位と粒子径を測定した。これらの結果を、下記の表6中に示した。
【0051】
【表6】

【0052】
これらの結果は、エージングの後でさえも、スルホネート基が結合されているシラン変性金属化合物は、これらのpH値で、良好に分散したままであることを示している。従って、このシラン変性金属酸化物は、化学機械研磨組成物中の研磨材として用いることができることが予期される。
【0053】
比較として、20%(固形分基準)の未処理のLudox CLXシリカ、および80%の水の分散液を、硝酸と水酸化アンモニウムで3と6のpH値に調整することによって、試料を調製した。45℃で67日間にわたりエージングしたこれらの比較試料のそれぞれは、ゲル化した。
【0054】
例4
水(472g)および34gのCab-O-Sil M5フュームドシリカ(マサチューセッツ州、ボストン、Cabot Corp.から入手可能)を、1リットルのワーリングブレンダー中で、15分間混合した。更に、103gのCab-O-Sil M5フュームドシリカを加えて、そして混合を、更に15分間続けた。1Mの水酸化ナトリウム水溶液(56.5g)を、結果として得られるスラリーに少しずつ加え、そして更に30分間混合した。4.74gの濃硝酸の添加で、pHを10.0に低下させて、そして混合を更に25分間続けて、フュームドシリカ分散液を形成した。
【0055】
メルカプトプロピルトリメトキシシラン(5.46g)を、このフュームドシリカ分散液の一部196gに加えて、そして結果として得られた混合物を、65℃に加熱し、そして冷却した。その一部123gを取り出して、そして過酸化水素(30%溶液を11.9g)次いで加えた。この混合物を、次いで44時間に亘って50℃で、44時間に亘って78℃で、そして2時間に亘って85℃で加熱した。結果として得られた、スルホネート基が結合されているシリカ変性金属酸化物の水性分散液は、1.2のpHを有していた。
【0056】
この水性のシラン変性金属酸化物分散液の試料を、必要に応じて水酸化アンモニウムと硝酸で、3、6および10のpH値に調整した。また、対イオンは、この試料を適当なイオン交換カラムに通すこと、または他の既知の方法を用いることによって、例えばテトラメチルアンモニウムへと変更することができた。pHを調整されたそれぞれの試料のゼータ電位および平均体積粒径(mv)を測定して、そしてそれらの結果を下記の表7中に示した。
【0057】
【表7】

【0058】
これらの結果が示すように、スルホネート基が結合されているシラン変性金属酸化物は、3〜10のpHで、良好な水性分散液を形成した。大きな負のゼータ電位は、結合されたスルホネート基が、これらのpH値では、負に荷電していることを表している。
【0059】
更に、pHを調整されたそれぞれの試料を、45℃で44日間に亘ってエージングして、そしてゼータ電位と粒子径を測定した。これらの結果を、下記の表8中に示した。
【0060】
【表8】

【0061】
これらの結果は、エージングの後でさえも、スルホネート基が結合されているシラン変性金属化合物は、これらのpH値で、良好に分散したままであることを示している。従って、このシラン変性金属酸化物は、化学機械研磨組成物中の研磨材として用いることができることが予期される。
【0062】
比較として、20%(固形分基準)の未処理のCab-O-Sil M5シリカ、および80%の水の分散液を、硝酸と水酸化アンモニウムで3と6のpH値に調整することによって、試料を調製した。45℃で44日間にわたりエージングしたこれらの比較試料のそれぞれは、ゲル化した。
【0063】
例5
クロロプロピルトリメトキシシラン(16.0g)を、400g(45%固形分)のLudox CL-Xコロイド状シリカ分散液(Sigma- Aldrichから入手可能)、および424gのメタノールの攪拌されている混合物へと加えた。この混合物を、次いで65℃で一晩加熱した。Na(12.8g)を加えて、そしてこの混合物を65℃で2日間加熱した。結果として得られた、チオ硫酸ナトリウム基が結合されているシラン変性金属酸化物の水性分散液は、9.3のpHを有していた。
【0064】
この水性のシラン変性金属酸化物分散液の試料を、必要に応じて水酸化アンモニウムと硝酸で、3、6および10のpH値に調整した。また、対イオンは、この試料を適当なイオン交換カラムに通すこと、または他の既知の方法を用いることによって、例えばテトラメチルアンモニウムへと変更することができた。pHを調整されたそれぞれの試料のゼータ電位および平均体積粒径(mv)を測定して、そしてそれらの結果を下記の表9中に示した。
【0065】
【表9】

【0066】
これらの結果が示すように、チオ硫酸塩基が結合されているシラン変性金属酸化物は、3〜10のpHで、良好な水性分散液を形成した。大きな負のゼータ電位は、結合されたチオ硫酸塩基が、これらのpH値では、負に荷電していることを表している。
【0067】
更に、pHを調整されたそれぞれの試料を、45℃で14日間に亘ってエージングして、そしてゼータ電位と粒子径を測定した。これらの結果を、下記の表10中に示した。
【0068】
【表10】

【0069】
これらの結果は、エージングの後でさえも、チオ硫酸塩基が結合されているシラン変性金属化合物は、これらのpH値で、良好に分散したままであることを示している。従って、このシラン変性金属酸化物は、化学機械研磨組成物中の研磨材として用いることができることが予期される。
【0070】
比較として、20%(固形分基準)の未処理のLudox CLXシリカ、40%の水、および40%のメタノールの分散液を、硝酸と水酸化アンモニウムで3と6のpH値に調整することによって、試料を調製した。45℃で14日間にわたりpH6でエージングしたこの比較試料は、ゲル化し、一方で、pH3でエージングした比較試料は、75nm超の大きさに成長した。
【0071】
例6
N−メチル−アザ−2,2,4−トリメチル−2−シラシクロペンタン(5.91g)を、200.4g(45%固形分)のLudox CL-Xコロイド状シリカ分散液(Sigma-Aldrichから入手可能)、63gの水、および177gのメタノールの攪拌されている混合物に加えた。この混合物を、次いで50℃で15.5時間に亘って加熱して、そしてこの混合物を室温に冷却した。その一部128gを取り出し、そしてこれに硫黄トリオキシドトリメチルアミン錯体(25.78g)を加えた。結果として得られた混合物を、室温で、一晩攪拌した。結果として得た、スルファメート基が結合されているシラン変性金属酸化物の水性分散液は、7.9のpHを有していた。
【0072】
この水性のシラン変性金属酸化物分散液の試料を、必要に応じて水酸化アンモニウムと硝酸で、3、6および10のpH値に調整した。また、対イオンは、この試料を適当なイオン交換カラムに通すこと、または他の既知の方法を用いることによって、例えばテトラメチルアンモニウムへと変更することができた。pHを調整されたそれぞれの試料のゼータ電位および平均体積粒径(mv)を測定して、そしてそれらの結果を下記の表11中に示した。
【0073】
【表11】

【0074】
これらの結果が示すように、スルファメート基が結合されているシラン変性金属酸化物は、3〜10のpHで、良好な水性分散液を形成した。従って、このシラン変性金属酸化物は、化学機械研磨組成物中の研磨材として用いることができることが予期される。大きな負のゼータ電位は、結合されたスルファメート基が、これらのpH値では、負に荷電していることを表している。また、このシラン変性金属酸化物分散液の試料は、何回かのメタノールおよびメタノール/水洗浄を用いた遠心分離によって精製された。元素分析から、この材料は、固形分を基準として、0.10ミリモル/gの結合した硫黄を有していることが示された。
【0075】
例7
N−トリメトキシシリルプロピル−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロリドのメタノール中の50%溶液(12.4g)を、89g(45%固形分)のLudox CL-Xコロイド状シリカ分散液(Sigma-Aldrichから入手可能)、28.4gの水、および71gのメタノールの攪拌されている混合物に加えた。この混合物を、68℃で、24時間に亘って加熱した。結果として得た、第四級アンモニウムクロリド基が結合されているシラン変性金属酸化物の水性分散液は、8.4のpHを有していた。
【0076】
この水性のシラン変性金属酸化物分散液の試料を、必要に応じて水酸化アンモニウムと硝酸で、3、6および10のpH値に調整した。また、対イオンは、例えばこの試料を適当なイオン交換カラムに通すこと、または他の既知の方法を用いることによって、アセテートへと変更することができた。pHを調整されたそれぞれの試料のゼータ電位および平均体積粒径(mv)を測定して、そしてそれらの結果を下記の表12中に示した。
【0077】
【表12】

【0078】
これらの結果が示すように、第四級アンモニウム基が結合されているシラン変性金属酸化物は、3〜10のpHで、良好な水性分散液を形成した。従って、このシラン変性金属酸化物は、化学機械研磨組成物中の研磨材として用いることができることが予期される。大きな正のゼータ電位は、結合された第四級アンモニウム基が、これらのpH値では、正に荷電していることを表している。
【0079】
例8
(3−クロロプロピル)トリメトキシシラン(23.9g)を、444.5g(45%固形分)のLudox CL-Xコロイド状シリカ分散液(Sigma-Aldrichから入手可能)、145gの水および388gのメタノールの攪拌されている混合物へ加えた。この混合物を、次いで65℃で18時間に亘って加熱した。この混合物を室温に冷却して、そしてその一部103gを取り出した。3,4−ルチジン(2.69g)を加え、そしてこの混合物を151時間に亘って65℃で加熱した。結果として得た、第四級アンモニウム基が結合されているシラン変性金属酸化物の水性分散液は、7.0のpHを有していた。
【0080】
この水性シラン変性金属酸化物分散液のpHを、水酸化アンモニウムで、10に調整して、そしてゼータ電位と平均体積粒径(mv)を測定した。ゼータ電位は、30mVであることが分かり、そして平均体積粒径(mv)は、54nmであることが分かった。また、対イオンは、例えばこの試料を適正なイオン交換カラムに通すか、または他の既知の方法を用いることによって、アセテートに変更可能であった。これらの結果が示すように、第四級アンモニウム基が結合されているシラン変性金属酸化物は、pH10で、良好な水性分散液を形成し、そして、大きな正のゼータ電位は、このシラン変性金属酸化物が、このpH値では、正に荷電していることを表している。従って、このシラン変性金属酸化物は、化学機械研磨組成物中の研磨材として用いることができることが予期される。
【0081】
例9
(3−ブロモプロピル)トリメトキシシラン(4.39g)を、66.8g(45%固形分)のLudox CL-Xコロイド状シリカ分散液(Sigma-Aldrichから入手可能)、23.2gの水および60.0gのメタノールの攪拌されている混合物へ加えた。この混合物を、次いで65℃で5時間に亘って加熱した。トリメチルアミンの25%水溶液(4.39g)を加え、そしてこの混合物を、日中は室温で攪拌しながら、二晩に亘って65℃で加熱した。結果として得た、第四級アンモニウム基が結合されているシラン変性金属酸化物の水性分散液は、9.5のpHを有していた。
【0082】
この水性シラン変性金属酸化物分散液のpHを、水酸化アンモニウムで、10に調整して、そしてゼータ電位と平均体積粒径(mv)を測定した。ゼータ電位は、20mVであることが分かり、そして平均体積粒径(mv)は、40nmであることが分かった。また、対イオンは、例えばこの試料を適正なイオン交換カラムに通すか、または他の既知の方法を用いることによって、アセテートに変更可能であった。これらの結果が示すように、第四級アンモニウム基が結合されているシラン変性金属酸化物は、pH10で、良好な水性分散液を形成し、そして、大きな正のゼータ電位は、このシラン変性金属酸化物が、このpH値では、正に荷電していることを表している。従って、このシラン変性金属酸化物は、化学機械研磨組成物中の研磨材として用いることができることが予期される。
【0083】
例10
(3−メルカプトプロピル)トリメトキシシラン(15.98g)を、400.0g(45%固形分)のLudox CL-Xコロイド状シリカ分散液(Sigma-Aldrichから入手可能)および484.8gの水の攪拌されている混合物へ加えた。この混合物を、次いで65℃で23時間に亘って加熱した。この混合物を室温に冷却して、そしてその一部121gを取り出した。(3−アクリルアミドプロピル)トリメチルアンモニウムクロリドの75%(3.06g)水溶液をこの取り出した一部に加え、そしてこの混合物を43時間に亘って65℃で加熱した。結果として得た、第四級アンモニウム基が結合されているシラン変性金属酸化物の水性分散液は、8.5のpHを有していた。
【0084】
この水性のシラン変性金属酸化物分散液の試料を、必要に応じて水酸化アンモニウムと硝酸で、3、6および10のpH値に調整した。また、対イオンは、例えばこの試料を適当なイオン交換カラムに通すこと、または他の既知の方法を用いることによって、アセテートへと変更することができた。pHを調整されたそれぞれの試料のゼータ電位および平均体積粒径(mv)を測定して、そしてそれらの結果を下記の表13中に示した。
【0085】
【表13】

【0086】
これらの結果が示すように、第四級アンモニウム基が結合されているシラン変性金属酸化物は、3〜10のpHで、良好な水性分散液を形成した。大きな正のゼータ電位は、第四級アンモニウム基結合されているこのシラン変性金属酸化物が、これらのpH値では、正に荷電していることを表している。
【0087】
更に、水性のシラン変性金属酸化物分散液の試料を、pH8.5で175日間に亘って室温でエージングして、そして次いで必要に応じて水酸化アンモニウムと硝酸で、3、6および10のpH値に調整した。ゼータ電位および粒径を測定して、そしてそれらの結果を下記の表14中に示した。
【0088】
【表14】

【0089】
これらの結果は、エージングの後でさえも、第四級アンモニウム基が結合されているシラン変性金属化合物は、これらのpH値に調整された場合には、良好に分散したままであることを示している。従って、このシラン変性金属酸化物は、化学機械研磨組成物中の研磨材として用いることができることが予期される。
【0090】
例11
(3−メルカプトプロピル)トリメトキシシラン(18.86g)を、356.6g(45%固形分)のLudox CL-Xコロイド状シリカ分散液(Sigma-Aldrichから入手可能)、115.8gの水および311.1gのメタノールの攪拌されている混合物へ加えた。この混合物を、次いで65℃で12時間に亘って加熱した。この混合物を室温に冷却して、そしてその一部160gを取り出した。(3−アクリルアミドプロピル)トリメチルアンモニウムクロリドの75%水溶液(5.36g)を、この取り出した一部に加え、そしてこの混合物を23時間に亘って65℃で加熱した。結果として得た、第四級アンモニウム基が結合されているシラン変性金属酸化物の水性分散液は、8.2のpHを有していた。
【0091】
この水性シラン変性金属酸化物分散液のpHを、水酸化アンモニウムで、10に調整して、そしてゼータ電位と平均体積粒径(mv)を測定した。ゼータ電位は、22mVであることが分かり、そして平均体積粒径(mv)は、43nmであることが分かった。また、対イオンは、例えばこの試料を適正なイオン交換カラムに通すか、または他の既知の方法を用いることによって、アセテートに変更可能であった。これらの結果が示すように、第四級アンモニウム基が結合されているシラン変性金属酸化物は、pH10で、良好な水性分散液を形成し、そして、大きな正のゼータ電位は、このシラン変性金属酸化物が、このpH値では、正に荷電していることを表している。
【0092】
更に、水性のシラン変性金属酸化物分散液の試料を、pH8.2で115日間に亘って室温でエージングして、そして次いで必要に応じて水酸化アンモニウムと硝酸で、3、6および10のpH値に調整した。ゼータ電位および粒径を測定して、そしてそれらの結果を下記の表15中に示した。
【0093】
【表15】

【0094】
これらの結果は、エージングの後でさえも、第四級アンモニウム基が結合されているシラン変性金属化合物は、これらのpH値に調整された場合には、良好に分散したままであることを示している。従って、このシラン変性金属酸化物は、化学機械研磨組成物中の研磨材として用いることができることが予期される。
【0095】
例12
(3−メルカプトプロピル)トリメトキシシラン(15.98g)を、400.0g(45%固形分)のLudox CL-Xコロイド状シリカ分散液(Sigma-Aldrichから入手可能)および484.8gの水の攪拌されている混合物へ加えた。この混合物を、次いで65℃で23時間に亘って加熱した。この混合物を室温に冷却して、そしてその一部133gを取り出した。グリシジルトリメチルアンモニウムクロリドの90%水溶液(2.03g)を、この取り出した一部に加え、そしてこの混合物を43時間に亘って65℃で加熱した。結果として得た、第四級アンモニウム基が結合されているシラン変性金属酸化物の水性分散液は、8.0のpHを有していた。
【0096】
この水性のシラン変性金属酸化物分散液の試料を、必要に応じて水酸化アンモニウムと硝酸で、3、6および10のpH値に調整した。また、対イオンは、例えばこの試料を適当なイオン交換カラムに通すこと、または他の既知の方法を用いることによって、アセテートへと変更することができた。pHを調整されたそれぞれの試料のゼータ電位および平均体積粒径(mv)を測定して、そしてそれらの結果を下記の表16中に示した。
【0097】
【表16】

【0098】
これらの結果が示すように、第四級アンモニウム基が結合されているシラン変性金属酸化物は、3〜10のpHで、良好な水性分散液を形成し、そして大きな正のゼータ電位は、結合されている第四級アンモニウム基が、これらのpH値では正に荷電していることを表している。従って、このシラン変性金属酸化物は、化学機械研磨組成物中の研磨材として用いることができることが予期される。
【0099】
例13
(3−メルカプトプロピル)トリメトキシシラン(18.86g)を、356.6g(45%固形分)のLudox CL-Xコロイド状シリカ分散液(Sigma-Aldrichから入手可能)、115.8gの水および311.1gのメタノールの攪拌されている混合物へ加えた。この混合物を、次いで65℃で12時間に亘って加熱した。この混合物を室温に冷却して、そしてその一部114.4gを取り出した。グリシリルトリメチルアンモニウムクロリドの90%水溶液(2.44g)を、この取り出した一部に加え、そしてこの混合物を23時間に亘って65℃で加熱した。結果として得た、第四級アンモニウム基が結合されているシラン変性金属酸化物の水性分散液は、8.1のpHを有していた。
【0100】
この水性シラン変性金属酸化物分散液のpHを、水酸化アンモニウムで、10に調整して、そしてゼータ電位と平均体積粒径(mv)を測定した。ゼータ電位は、29mVであることが分かり、そして平均体積粒径(mv)は、43nmであることが分かった。また、対イオンは、例えばこの試料を適正なイオン交換カラムに通すか、または他の既知の方法を用いることによって、アセテートに変更可能であった。これらの結果が示すように、第四級アンモニウム基が結合されているシラン変性金属酸化物は、pH10で、良好な水性分散液を形成し、そして、大きな正のゼータ電位は、このシラン変性金属酸化物が、このpH値では、正に荷電していることを表している。
【0101】
更に、水性のシラン変性金属酸化物分散液の試料を、pH8.1で115日間に亘って室温でエージングして、そして次いで必要に応じて水酸化アンモニウムと硝酸で、3、6および10のpH値に調整した。ゼータ電位および粒径を測定して、そしてそれらの結果を下記の表17中に示した。
【0102】
【表17】

【0103】
これらの結果は、エージングの後でさえも、第四級アンモニウム基が結合されているシラン変性金属化合物は、これらのpH値に調整された場合には、良好に分散したままであることを示している。従って、このシラン変性金属酸化物は、化学機械研磨組成物中の研磨材として用いることができることが予期される。
【0104】
例14
(3−アミノプロピル)トリメトキシシラン(14.53g)を、400.1g(45%固形分)のLudox CL-Xコロイド状シリカ分散液(Sigma-Aldrichから入手可能)および484.8gの水の攪拌されている混合物へ加えた。この混合物を、次いで66℃で17時間に亘って加熱した。この混合物を室温に冷却して、そしてその一部99gを取り出した。(3−アクリルアミドプロピル)トリメチルアンモニウムクロリドの75%水溶液(2.46g)を、この取り出した一部に加え、そしてこの混合物を73時間に亘って65℃で加熱した。結果として得た、第四級アンモニウム基が結合されているシラン変性金属酸化物の水性分散液は、8.6のpHを有していた。
【0105】
この水性シラン変性金属酸化物分散液のpHを、水酸化アンモニウムで、10に調整して、そしてゼータ電位と平均体積粒径(mv)を測定した。ゼータ電位は、19mVであることが分かり、そして平均体積粒径(mv)は、116nmであることが分かった。また、対イオンは、例えばこの試料を適正なイオン交換カラムに通すか、または他の既知の方法を用いることによって、アセテートに変更可能であった。これらの結果が示すように、第四級アンモニウム基が結合されているシラン変性金属酸化物は、pH10で、良好な水性分散液を形成し、そして、大きな正のゼータ電位は、このシラン変性金属酸化物が、このpH値では、正に荷電していることを表している。従って、このシラン変性金属酸化物は、化学機械研磨組成物中の研磨材として用いることができることが予期される。
【0106】
例15
(3−アミノプロピル)トリメトキシシラン(20.07g)を、400.1g(45%固形分)のLudox CL-Xコロイド状シリカ分散液(Sigma-Aldrichから入手可能)、484.8gの水および359.0gのメタノールの攪拌されている混合物へ加えた。この混合物を、次いで65℃で17時間に亘って加熱した。この混合物を室温に冷却して、そしてその一部116gを取り出した。グリシジルトリメチルアンモニウムクロリドの90%水溶液(2.32g)を、この取り出した一部に加え、そしてこの混合物を5時間に亘って65℃で加熱した。結果として得た、第四級アンモニウム基が結合されているシラン変性金属酸化物の水性分散液は、10.0のpHを有していた。
【0107】
この水性シラン変性金属酸化物分散液のpHを、水酸化アンモニウムで、10に調整して、そしてゼータ電位と平均体積粒径(mv)を測定した。ゼータ電位は、22mVであることが分かり、そして平均体積粒径(mv)は、222nmであることが分かった。また、対イオンは、例えばこの試料を適正なイオン交換カラムに通すか、または他の既知の方法を用いることによって、アセテートに変更可能であった。これらの結果が示すように、第四級アンモニウム基が結合されているシラン変性金属酸化物は、pH10で、良好な水性分散液を形成し、そして、大きな正のゼータ電位は、このシラン変性金属酸化物が、このpH値では、正に荷電していることを表している。従って、このシラン変性金属酸化物は、化学機械研磨組成物中の研磨材として用いることができることが予期される。
【0108】
例16
例1〜15中に記載されているように、これらのシラン変性金属酸化物のそれぞれは、化学機械研磨組成物の研磨材として用いることができることが予期される。
【0109】
特に、例1〜15のシラン変性金属酸化物は、5質量%(固形分基準)の変性シリカ、4%の過酸化水素、0.018%の硝酸第二鉄9水和物、0.014%のマロン酸、および0.042%のピラジン、および残りは水を含むCMPスラリーを形成するのに用いることができた。pHは、必要に応じて硝酸と水酸化アンモニウムで2.3に調整することができ、そして結果として得られたスラリーは、パターン形成されたタングステンウエハを研磨するために用いることができた。
【0110】
更に、例1〜15のシラン変性金属酸化物は、3質量%(固形分基準)の変性シリカ、1%の過酸化水素、0.1%のベンゾトリアゾール、および0.5%のトリシン、および残りは水を含むCMPスラリーを形成するのに用いることができた。pHは、必要に応じて硝酸と水酸化アンモニウムで4.1に調整することができ、そして結果として得られたスラリーは、銅を研磨するために用いることができた。
【0111】
また、例1〜15のシラン変性金属酸化物は、6部(固形分基準)の変性シリカ、10部のエタノール、0.5部の過酸化水素、0.1部のベンゾトリアゾール、0.5部のマロン酸、および90部の水を含むCMPスラリーを形成するのに用いることができた。pHは、必要に応じて硝酸または水酸化アンモニウムで、4.1に調整することができ、そして結果として得られたスラリーは、銅を研磨するために用いることができる。
【0112】
本発明の好ましい態様の上述の説明は、例証と説明の目的で述べられたものである。網羅的であること、あるいは本発明を開示された正確な形に限定することを意図したものではない。変更および変化が、上記の教示に照らして可能であり、あるいは本発明の実施から取得できる。これらの態様は、意図される特定の目的に適合されるように種々の態様で、そして種々の変更を伴って、当業者が本発明を用いることができるように、本発明の原理およびその実際的な応用を説明するために、選択され、そして記載されている。本発明の範囲は、特許請求の範囲およびそれらの等価物によって規定されることが意図されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのシラン変性金属酸化物を含んでなる化学機械研磨組成物であって、該シラン変性金属酸化物は、式−Si(X)[(R''−HET)L−(R−I)]3−nを有する少なくとも1つの非両性イオン性シリル基が結合されている金属酸化物を含んでおり、ここでXは、独立して、同じでも異なっていてもよく、−OH、加水分解性置換基、非加水分解性置換基、または式−O−G−を有する酸素含有置換基であり、ここでGは、ケイ素含有基のSiまたは該金属酸化物の表面金属原子であり;RおよびR''は、独立して、分岐もしくは分岐していないアルキレン、アルケニレンまたはアルキニレン基あるいはアリーレン、ヘテロアリーレン、アルキルアリーレンまたはアリールアルキレン基であり;HETは、ヘテロ原子基であり;Lは結合基であり;mは0、1、2、3、4、5もしくは6であり;nは0、1、もしくは2であり;そしてIは、−SO、−OSO、−SSO、−NHSO、−NR’SO、−NR’、または−Q基であり、R’は、同じでも異なっていてもよく、分岐もしくは分岐していない、置換もしくは非置換アルキル、アルケニルまたはアルキニル基、あるいは置換もしくは非置換アリール、ヘテロアリール、アルキルアリールまたはアリールアルキル基であり、Qは、複素環式もしくは芳香族複素環式第四級アンモニウム基であり、Mは、カチオン性対イオンであり、およびAは、アニオン性対イオンである、
化学機械研磨組成物。
【請求項2】
HETが、S、NR’またはOである、請求項1記載の化学機械研磨組成物。
【請求項3】
mが、1、2、3、4、5または6であり、かつHETが、SまたはOであり、かつIが、−SO、−OSO、−SSO、−NHSO、−NR’SO、−NR’、または−Q基である、請求項1記載の化学機械研磨組成物。
【請求項4】
mが、1、2、3、4、5または6であり、かつHETが、NR’であり、かつIが、−NR’または−Q基である、請求項1記載の化学機械研磨組成物。
【請求項5】
Lが、結合あるいは−CO−、−CONR’−、−SO−、−SO−、−SONR’−、−CHCHCO−、−CHCHCOO−、−CHCHCONR’−、または−CHCH(OH)−基である、請求項1記載の化学機械研磨組成物。
【請求項6】
mが、0であり、かつLが結合である、請求項1記載の化学機械研磨組成物。
【請求項7】
前記シラン変性金属酸化物が、少なくとも1つの表面金属水酸化物を有する酸化金属と、式Y−Si(X’)[(R''−HET)L−(R−I)]3−nを有する少なくとも1つの前駆体シラン化合物およびその部分的加水分解誘導体との結合生成品であり、ここでX’は、独立して、同じでも異なっていてもよく、−OH、加水分解性置換基、非加水分解性置換基、または式O−G−を有する酸素含有置換基であり、ここでGは、ケイ素含有基のSiまたは前記金属酸化物の表面金属原子であり、かつYは、−OHまたは加水分解性置換基である、請求項1記載の化学機械研磨組成物。
【請求項8】
前記シラン変性金属酸化物が、少なくとも1つの表面金属水酸化物を有する金属酸化物と、式Y−Si(X’)[(R''−HET)L−(R−Z)3−nを有する少なくとも1つの前駆体シラン化合物およびその部分的加水分解誘導体との結合生成物であって、次いで反応して前記シラン変性金属酸化物を形成する結合生成物であり、ここでX’は、独立して、同じでも異なっていてもよく、−OH、加水分解性置換基、非加水分解性置換基、または式−O−G−を有する酸素含有置換基であり、ここでGは、ケイ素含有基のSiまたは前記金属酸化物の表面金属原子であり、Yは、−OHまたは加水分解性置換基であり、かつZは、ハロゲン、チオール基またはアミノ基である、請求項1記載の化学機械研磨組成物。
【請求項9】
前記シラン変性金属酸化物が、少なくとも1つの表面金属水酸化物を有する金属酸化物と、式Y−Si(X’)[(R''−HET)H]3−nを有する少なくとも1つの前駆体シラン化合物およびその部分的加水分解誘導体、との結合生成物であって、次いで式Z’−(R−I)を有する化合物と反応して前記シラン変性金属酸化物を形成する結合生成物であり、ここでX’は、独立して、同じでも異なっていてもよく、−OH、加水分解性置換基、非加水分解性置換基、または式−O−G−を有する酸素含有置換基であり、ここでGは、ケイ素含有基のSiまたは前記金属酸化物の表面金属原子であり、Yは、−OHまたは加水分解性置換基であり、mは0でなく、かつZ’は、親電子基である、請求項1記載の化学機械研磨組成物。
【請求項10】
前記シラン変性金属酸化物が、少なくとも1つの表面金属水酸化物を有する金属酸化物と、式Y−Si(X’)(R''−Z'')3−nを有する少なくとも1つの前駆体シラン化合物およびその部分的加水分解誘導体との結合生成品であって、次いで式H−(HET−L−R−I)を有する化合物と反応して前記シラン変性金属酸化物を形成する結合生成物であり、ここでX’は、独立して、同じでも異なっていてもよく、−OH、加水分解性置換基、非加水分解性置換基、または式−O−G−を有する酸素含有置換基であり、ここでGは、ケイ素含有基のSiまたは前記金属酸化物の表面金属原子であり、Yは、−OHまたは加水分解性置換基であり、かつZ''は、親電子基である、請求項1記載の化学機械研磨組成物。
【請求項11】
Iが、−SO基である、請求項1記載の化学機械研磨組成物。
【請求項12】
Iが、−SSO基である、請求項1記載の化学機械研磨組成物。
【請求項13】
Iが、−NHSOまたは−NR’SO基である、請求項1記載の化学機械研磨組成物。
【請求項14】
Iが、−NR’または−Q基である、請求項1記載の化学機械研磨組成物。
【請求項15】
前記金属酸化物が、アルミナ、チタニア、ジルコニア、ゲルマニア、シリカ、セリア、酸化タンタル、それらの混合物、およびそれらの化学混和剤である、請求項1記載の化学機械研磨組成物。
【請求項16】
前記金属酸化物が、フュームドシリカ、コロイド状シリカ、沈降シリカ、シリカゲルまたはシリカエーロゲルである、請求項1記載の化学機械研磨組成物。
【請求項17】
前記金属酸化物が、フュームドシリカまたはコロイド状シリカである、請求項1記載の化学機械研磨組成物。
【請求項18】
前記化学機械研磨組成物が、少なくとも1種の水性媒体を含む、請求項1記載の化学機械研磨組成物。
【請求項19】
前記水性媒体が、水である、請求項18記載の化学機械研磨組成物。
【請求項20】
前記化学機械研磨組成物が、2〜11のpHを有する、請求項1記載の化学機械研磨組成物。
【請求項21】
pHが、3〜10である、請求項20記載の化学機械研磨組成物。
【請求項22】
前記化学機械研磨組成物が、2〜8のpHを有する、請求項20記載の化学機械研磨組成物。
【請求項23】
少なくとも1つのシラン変性金属酸化物を含んでなる化学機械研磨組成物であって、該シラン変性金属酸化物は、少なくとも1つの非両性イオン性シリル基が結合されている金属酸化物を含んでおり、該シリル基は、少なくとも1つの−SSO、−OSO、−NHSO、−NR’SO、−NR’、または−Q基を含み、R’は、同じでも異なっていてもよく、分岐もしくは分岐していない、置換もしくは非置換の、アルキル、アルケニルまたはアルキニル基、あるいは置換もしくは非置換のアリール、ヘテロアリール、アルキルアリールまたはアリールアルキル基であり、Mはカチオン性対イオンであり、かつAはアニオン性対イオンである、化学機械研磨組成物。
【請求項24】
前記シリル基が、少なくとも1つの−SSO基を含む、請求項23記載の化学機械研磨組成物。
【請求項25】
前記シリル基が、少なくとも1つの−NHSOまたは−NR’SO基を含む、請求項23記載の化学機械研磨組成物。
【請求項26】
前記シリル基が、少なくとも1つの−NR’または−Q基を含む、請求項23記載の化学機械研磨組成物。
【請求項27】
少なくとも1つのシリル基が結合されている金属酸化物を含んでなるシラン変性金属酸化物であって、該シリル基が、少なくとも1つの−SSO、−OSO、−NHSO、または−NR’SO基を含み、R’は、同じでも異なっていてもよく、分岐もしくは分岐していない、置換もしくは非置換アルキル、アルケニルまたはアルキニル基あるいは置換もしくは非置換アリール、ヘテロアリール、アルキルアリールまたはアリールアルキル基であり、かつMは、カチオン性対イオンである、シラン変性金属酸化物。
【請求項28】
前記シリル基が、少なくとも1つの−SSO基を含む、請求項27記載のシラン変性金属酸化物。
【請求項29】
前記シリル基が、少なくとも1つの−NHSOまたは−NR’SO基を含む、請求項27記載のシラン変性金属酸化物。
【請求項30】
シラン変性金属酸化物であって、該シラン変性金属酸化物が、式−Si(X)[(R''−HET)L−(R−I)]3−nを有する少なくとも1つの非両性イオン性シリル基が結合されている金属酸化物を含んでおり、Xは、独立して、同じでも異なっていてもよく、−OH、加水分解性置換基、非加水分解性置換基または式−O−G−を有する酸素含有置換基であり、Gは、ケイ素含有基のSiまたは該金属酸化物の表面金属原子であり;RおよびR''は、独立して、分岐もしくは分岐していないアルキレン、アルケニレンまたはアルキニレン基あるいはアリーレン、ヘテロアリーレン、アルキルアリーレンまたはアリールアルキレン基であり;HETは、ヘテロ原子基であり;Lは、結合基であり;mは、1、2、3、4、5または6であり;nは、0、1または2であり;かつIは、−SO、−OSO、−OSO、−SSO、−NHSO、−NR’SO、−NR’、または−Q基であり、R’は、同じでも異なっていてもよく、分岐もしくは分岐していない、置換もしくは非置換のアルキル、アルケニルまたはアルキニル基あるいは置換もしくは非置換のアリール、ヘテロアリール、アルキルアリールまたはアリールアルキル基であり、Qは、複素環式または芳香族複素環式第四級アンモニウム基であり、Mは、カチオン性対イオンであり、かつAはアニオン性対イオンである、シラン変性金属酸化物。
【請求項31】
HETが、S、NR’またはOである、請求項30記載のシラン変性金属酸化物。
【請求項32】
HETが、SまたはOであり、かつIが、−SO、−OSO、−SSO、−NHSO、−NR’SO、−NR’、または−Q基である、請求項30記載のシラン変性金属酸化物。
【請求項33】
HETが、NR’であり、かつIが、−NR’、または−Q基である、請求項30記載のシラン変性金属酸化物。
【請求項34】
Lが、結合あるいは、−CO−、−CONR’−、−SO−、−SO−、−SONR’−、−CHCH−CO−、−CHCHCOO−,−CHCHCONR’−、または−CHCH(OH)−基である、請求項30記載のシラン変性金属酸化物。
【請求項35】
mが、0であり、かつLが、結合である、請求項30記載のシラン変性金属酸化物。
【請求項36】
前記シラン変性金属酸化物が、少なくとも1つの表面金属水酸化物を有する金属酸化物と、式Y−Si(X’)[(R''−HET)L−(R−I)]3−nを有する少なくとも1つのシラン化合物およびその部分的加水分解誘導体、との結合生成物であり、X’は、独立して、同じでも異なっていてもよく、−OH、加水分解性置換基、非加水分解性置換基、または式−O−G−を有する酸素含有置換基であり、Gは、ケイ素含有基のSiまたは前記金属酸化物の表面金属原子であり、かつYは、−OHまたは加水分解性置換基である、請求項30記載のシラン変性金属酸化物。
【請求項37】
前記シラン変性金属酸化物が、少なくとも1つの表面金属水酸化物を有する金属酸化物と、式Y−Si(X’)[(R''−HET)L−(R−Z)3−nを有する少なくとも1つの前駆体シラン化合物およびその部分的加水分解誘導体との結合生成物であって、次いで、反応して前記シラン変性金属酸化物を形成する結合生成物であり、X’は、独立して、同じでも異なっていてもよく、−OH、加水分解性置換基、非加水分解性置換基、または式−O−G−を有する酸素含有置換基であり、Gは、ケイ素含有基のSiまたは前記金属酸化物の表面金属原子であり、Yは、−OHまたは加水分解性置換基であり、かつZは、ハロゲン、チオール基またはアミノ基である、請求項30記載のシラン変性金属酸化物。
【請求項38】
前記シラン変性金属酸化物が、少なくとも1つの表面金属水酸化物を有する金属酸化物と、式Y−Si(X’)[(R''−HET)H]3−nを有する少なくとも1つの前駆体シラン化合物およびその部分的加水分解誘導体との結合生成物であって、次いで式Z’−(R−I)を有する化合物と反応して前記シラン変性金属酸化物を形成する結合生成物であり、X’は、独立して、同じでも異なっていてもよく、−OH、加水分解性置換基、非加水分解性置換基、または式−O−G−を有する酸素含有置換基であり、Gは、ケイ素含有基のSiまたは前記金属酸化物の表面金属原子であり、Yは、−OHまたは加水分解性置換基であり、mは0ではなく、かつZ’は、親電子基である、請求項30記載のシラン変性金属酸化物。
【請求項39】
前記シラン変性金属酸化物が、少なくとも1つの表面金属水酸化物を有する金属酸化物と、式Y−Si(X’)(R''−Z'')3−nを有する少なくとも1つの前駆体シラン化合物およびその部分的に加水分解された誘導体との結合生成物であって、次いで式H−(HET−L−R−I)を有する化合物と反応して前記シラン変性金属酸化物を形成する結合生成物であり、X’は、独立して、同じでも異なっていてもよく、−OH、加水分解性置換基、非加水分解性置換基、または式−O−G−を有する酸素含有置換基であり、Gは、ケイ素含有基のSiまたは前記金属酸化物の表面金属原子であり、Yは、−OHまたは加水分解性置換基であり、かつZ''は、親電子基である、請求項30記載のシラン変性金属酸化物。
【請求項40】
Iが、−SSO基である、請求項30記載のシラン変性金属酸化物。
【請求項41】
Iが、−NHSOまたは−NR’SO基である、請求項30記載のシラン変性金属酸化物。

【公表番号】特表2012−515806(P2012−515806A)
【公表日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−546269(P2011−546269)
【出願日】平成22年1月19日(2010.1.19)
【国際出願番号】PCT/US2010/000120
【国際公開番号】WO2010/085324
【国際公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【出願人】(391010758)キャボット コーポレイション (164)
【氏名又は名称原語表記】CABOT CORPORATION
【Fターム(参考)】