説明

シリカゲルの製法、このシリカゲルを用いたシリカゲル金属複合体及びその製法、及びナノ金属の製法

【課題】 シリカゲルの用途の拡大を図るために、ケイ酸アルカリ溶液からシリカゲルを筒状又は板状に析出させることのできるシリカゲルの製法を提供することにある。
【解決手段】 ケイ酸アルカリ溶液のpH値を硫酸で11.0以上12.0以下に調整し、調整後のケイ酸アルカリ溶液を電気分解して陽極線の表面にシリカゲルを円筒状に析出させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はシリカゲルの製法、このシリカゲルを用いたシリカゲル金属複合体及びその製法、及びシリカゲル金属複合体から容易に得ることのできるナノ金属の製法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
シリカゲルはメタケイ酸ナトリウムの水溶液に硫酸を加えて加水分解することにより得られるケイ酸ゲルを洗浄、脱水、乾燥させたものであり、組成式SiO2・nH2Oで表される。このシリカゲルは、多孔質構造を有し比表面積が大きいため、乾燥剤や各種吸着剤、各種触媒担体として広く利用されている。
【0003】
従来のシリカゲルの製法としては、例えばケイ酸アルカリ溶液と鉱酸溶液の混合溶液からシリカヒドロゲルに瞬間造粒する方法(特許文献1)が知られている。この製法はケイ酸アルカリ溶液と鉱酸溶液とを、混合時pHが8〜11.5となる条件下に混合して、シリカヒドロゲルに瞬間造粒する工程と、生成するシリカヒドロゲルを酸処理する工程と、酸処理されたヒドロゲルをpHが6以上になるまで水洗いする工程と、水洗い後のヒドロゲルを熱処理する工程とを備え、最終的に球状シリカゲルを得るものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−292529
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の製法では瞬間造粒工程によりシリカゲルを微粒化させるために、シリカゲルの最終形状が粒状又は塊状のものに限定されてしまい、その用途が限られたものとなっていた。
【0006】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、シリカゲルの用途の拡大を図るために、シリカゲルを筒状又は板状に形成することのできるシリカゲルの製法を提供するものである。
【0007】
また、本発明は生成されたシリカゲルを利用してシリカゲル金属複合体を製造するための製法及びナノ金属の製法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明に係るシリカゲルの製法は、ケイ酸アルカリ溶液のpH値を酸で調整し、調整後のケイ酸アルカリ溶液を電気分解して陽極表面にシリカゲルを析出させることを特徴とする。
【0009】
陽極表面にシリカゲルを効果的に析出させるために、ケイ酸アルカリ溶液のpH値は11.0以上12.0以下に調製されるのが望ましい。
【0010】
また、陽極が線状に形成されている場合にはシリカゲルを筒状に析出させることができ、陽極が板状に形成されている場合にはシリカゲルを板状に析出させることができる。なお、陽極には水素を発生する金属であれば用いることができるが、白金や水素吸蔵合金が好ましい。
【0011】
また、本発明に係るシリカゲル金属複合材の製法は、ケイ酸アルカリ溶液のpH値を酸で調整し、調整後のケイ酸アルカリ溶液を電気分解して陽極表面にシリカゲルを析出させたのち、シリカゲルを析出した状態の電極を電気めっき浴の中で陰極にして電気めっきを行い、シリカゲルの細孔内に金属を充填させることを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係るシリカゲル金属複合材は、ケイ酸アルカリ溶液の電気分解により陽極表面に析出されたシリカゲルの細孔内に金属が充填されていることを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係るナノ金属の製法は、生成されたシリカゲル金属複合材をアルカリ溶液の中に浸漬し、シリカゲルを溶解することでナノ金属粒子を得ることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係るシリカゲルの製法によれば、筒状又は板状のシリカゲルを簡易な手段で得ることができ、各種の用途に利用し易くなった。
【0015】
また、本発明に係るシリカゲル金属複合材及びその製法によれば、シリカゲルを導電体として簡易に利用することができる。
【0016】
また、本発明に係るナノ金属の製法によれば、ナノ金属粒子を簡易な手段で得ることができると共に、シリカゲルの細孔を鋳型としているので球状ではない様々な形状の金属粒子を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】陽極にシリカゲルが析出する状態を示す説明図である。
【図2】酸及びpH値とシリカゲル析出速度との関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明に係るシリカゲルの製法は、ケイ酸アルカリ溶液のpH値を酸で調整し、調整後のケイ酸アルカリ溶液を電気分解して陽極表面にシリカゲルを析出させるものである。ケイ酸アルカリ溶液としては、汎用性のケイ酸ナトリウム溶液が好ましいが、無水ケイ酸ソーダやメタケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウムなども用いることができる。また、ケイ酸ナトリウム溶液の濃度は特に限定されないが、生産性や作業性の面からSiO/wt%=30前後、NaO/wt%=15前後が好ましい。
【0019】
ケイ酸アルカリ溶液のpH値は特に重要である。電気分解する際にケイ酸アルカリ溶液のアルカリ度が強すぎるとシリカゲルを有効に析出させることができず、逆にアルカリ度が弱すぎるとケイ酸アルカリ溶液中にシリカゲルが生じて固形化し電解液として使用できないからである。例えば、pH値が10.92では溶液中にシリカ微粒子が生成し電解しても電極に全くシリカゲルが析出しない。したがって、本発明では酸を加えてゲル化直前の状態に保つことが望ましい。その状態はケイ酸アルカリ溶液のpH値が11.0以上12.0以下の範囲とほぼ一致し、その範囲内でシリカゲルが効率的に析出される。
【0020】
ケイ酸アルカリ溶液のpH値の調整には主に酸が利用される。硫酸、硝酸、塩酸、ホウ酸などの無機酸を用いることができるが、特に硫酸は析出されるシリカゲルにより小さな細孔を形成する場合に有効である。無機酸以外に有機酸によってケイ酸アルカリ溶液のpH値を調整することもできる。有機酸としては、メタ燐酸、ホウ酸、スルファミン酸、酒石酸などが適用される。有機酸はシリカゲルに大きな細孔を形成するような場合に有効である。上記の酸にアミノ酸などの添加物を加えることによってシリカゲルの細孔の大きさ、即ち比表面積を制御することもできる。比表面積の制御はケイ酸アルカリ溶液を電気分解する際に電流密度を変えることによっても可能である。電流密度を小さくすると細孔径が小さくなるため比表面積を大きくすることができ、逆に電流密度を大きくすると細孔径が大きくなるため比表面積を小さくすることができる。
【0021】
ケイ酸アルカリ溶液の電気分解は、図1に示したようなケイ酸アルカリ溶液4で満たされた電解槽1内に一対の電極(陽極2と陰極3)を差し込み、電極間に所定の電圧と電流を供給することによって、陽極2の表面にシリカゲル5を析出させるものである。シリカゲル5は電解時間に比例して陽極2の表面に次第に堆積し、陽極2の周りにシリカゲルを形成する。陽極2に図1に示すような線状又は棒状の電極を用いることで、円筒状のシリカゲル5を析出させることができ、陽極に平板状又は波板状の電極を用いることで、平板状のシリカゲルと波板状のシリカゲルをそれぞれ析出させることができる。
【0022】
陽極2の素材としては、白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、ニッケル、金、銀、亜鉛、鉄、クロム、モリブデンなどの金属単体や水素吸蔵合金を用いることができる。水素吸蔵合金を陽極に用いた場合には陽極から酸素ガスの放出を防げるため、析出するシリカゲルの透明性が高まる。また、シリカゲルの細孔径も小さく且つ孔径も揃っているので、ガラス様の緻密構造となって強度が大きくなるといった利点がある。なお、陽極には金属や合金の他に、金属酸化物やボロンドープダイヤモンドなどの導電性化合物、黒鉛、カーボンブラックとポリテトラフルオロエチレンとの複合材、カーボンペーパーなどのカーボン系材料などを使用することができ、また水素吸蔵合金には市販のものが使用される。
【0023】
ケイ酸アルカリ溶液のpH値を硫酸で調整し、溶液中に白金電極を挿入して電気分解した時の反応は(1)式のようになる。
NaSiO+HSO=HSiO+NaSO ・・・(1)
電気分解初期には陽極付近では先ず(2)式の反応が起こってHが生成し、シリカゲルの成長に伴い(3)式の反応に置き換わって、Hが生成する。そして、生成したHとケイ酸ナトリウムとが(4)式のように反応して陽極2の表面にシリカゲルが堆積する。
4OH→O+4e+4H ・・・(2)
2HO→O+4e+4H ・・・・(3)
NaSiO+2H=HSiO+2Na ・・・(4)
【0024】
陽極2の表面に堆積したシリカゲルは、2nm以上の連続した細孔が多数形成された多孔質構造であるため、水分子が自由に移動して上記(3)式の反応が進行する。そこで生じた水素イオンが堆積したシリカゲル5の細孔内を移動し、陽極2の表面に析出したシリカゲル5の上に次々に堆積して成長していく。シリカゲル5は陽極2の周りに均一に成長していくため、電解時間と共に次第に円筒状に形成されていく。
【0025】
陽極2の周囲に析出した円筒状のシリカゲル5は、白金線を強く引っ張ることで陽極2から抜き取ることもできるが、下記の(5)式に示したように、電極の極性を逆にして水素発生反応を起こさせ、電極表面のシリカゲルを一部溶解させることで、電極と堆積したシリカゲルとの間に形成される隙間を利用して、シリカゲルを電極から容易に抜き取ることができる。この場合はシリカゲルが一部溶解することで細孔径が若干大きくなる傾向がある。
SiO(固体)+2Na+2e→NaSiO(溶解)+H・・・(5)
【0026】
次にシリカゲル金属複合材について説明する。このシリカゲル金属複合材は、ケイ酸アルカリ溶液の電気分解によって陽極の表面に析出されたシリカゲルを鋳型として用い、シリカゲルの細孔内に様々な金属を充填することによって両者を一体構造としたものである。シリカゲルに金属めっきを施した様相となり、あたかもシリカゲルが導電性を有するように見える。
【0027】
シリカゲル金属複合材の製法は電気めっきと同じである。陽極の表面に析出されたシリカゲルを陽極と共に電解槽から抜き取り、そのまま電気めっき浴の中に挿入して陰極に接続する。陽極には複合材の対象金属、例えば白金、金、銀、鉄、銅など様々な金属を接続することができる。電解液には例えば硫酸銅や硝酸銀、塩化ニッケルなどが使用される。この状態で電気分解すると金属イオンや金属錯イオンが陰極側のシリカゲルの細孔内に内側から外側に向かって順に金属に還元され充填されることで、シリカゲル金属複合材ができる。なお、電解液に微酸性の2%硝酸銀水溶液を用いることでシリカゲル銀複合体を形成することができ、また硝酸銀水溶液の代わりにジニトロジアミン白金(II)硝酸溶液を用いることでシリカゲル白金複合体を形成することができる。
【0028】
シリカゲルの細孔は様々な形状を取り得るため、ここに充填される金属の形状も細孔の形状に対応した様々な形を取りうることができる。
【0029】
また、シリカゲルが苛性ソーダなどのアルカリ溶液に溶解することを利用して、シリカゲル金属複合材から金属のみを取り出すこともできる。即ち、シリカゲル金属複合材を苛性ソーダ溶液の中に浸漬し、シリカゲルを溶解することでシリカゲルの細孔内に充填されていた金属を金属粒子として得ることができる。前述したように、金属粒子はシリカゲルの細孔の形状に対応して様々な形状を取り得るのに加えて、シリカゲルの細孔径に対応したナノレベルの金属粒子を容易に得ることができる。また、シリカゲルの細孔径を調整することで金属粒子の大きさも容易に選択することができる。
【実施例】
【0030】
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に説明するが、本発明がこれらの実施例に限定されないことは勿論である。
【0031】
実施例1
SiO/wt%=36、NaO/wt%=18のケイ酸ナトリウム溶液(水ガラス)[ナカライテスク株式会社製]100gに、水76g、2モルの硫酸74gを加えてpH値を約11.0に調整したのちバイアル瓶に50ml入れた。この溶液中に直径1mm、長さ50mmの白金線2本を1cm間隔で挿入して陽極側と陰極側とし、この電極間に電解電流を流して電気分解した。電解電流を10〜400mAの間で様々に変え、陽極側の白金線の周りに析出するシリカゲルを試料1-1〜1-9について観察した。その間の浴電圧は約3〜4.5Vであった。電解時間は電解電流の大きさに応じて調整し、析出するシリカゲルの直径が2.5〜4.5の範囲内となるようにした。全ての電解電流10〜400mAの間でシリカゲルの析出が見られたが、電解電流が10mA,25mAのように小さいと比表面積が大きく、50mA以上のように電解電流が大きくなると比表面積が小さくしかもほぼ一定となることが分かった。表1に電解電流と析出したシリカゲルの比表面積および平均細孔径との関係を示す。
【0032】
【表1】

【0033】
実施例2
ケイ酸ナトリウム溶液のpH値及び酸の種類とシリカゲルの析出速度との関係を調べた。ケイ酸ナトリウム溶液は実施例1で使用したものと同じであり、pH値を調整する酸として硫酸、硝酸、塩酸の3種類を用いた。2本の白金線を電極として用い、100mAの定電流で電気分解した。その間の浴電圧は4V程度であった。シリカゲルの析出量は、超純水で十分水洗を繰りかえした後、80℃で18時間乾燥させてから測定した値である。試料2-1〜2-9について実験した結果を表2と図2に示す。なお、pH値が11.0より小さいと電解溶液の大部分がゲル状態となってシリカゲルの析出が僅かしか認められなかった。また、pH値が12.0より大きいと電気分解開始直後に電解電圧が20V以上に上昇してしまい、実用的な電圧での電気分解の継続ができなくなった。
【0034】
【表2】

【0035】
実施例3
実施例1においてシリカゲルを析出させた白金線を微酸性の2%硝酸銀水溶液が満たされた50mlのバイアル瓶に挿入し、この白金線を陰極にして10mAで電解した。電解を続けると白金線の近くが黒色になり、時間の経過と共に黒色部が次第に周囲に広がっていった。しかし、シリカゲルの外周部分は透明のままで、銀粒子が白金線の表面付近からシリカゲルの細孔内に順々に充填されていくことが観察された。約48時間後にはほぼ黒色となりシリカゲル銀複合体が形成された。このシリカゲル銀複合体は洗浄乾燥後も黒色であり、また300℃に加熱処理しても黒色のままである。このことからシリカゲル銀複合体は耐熱性を備えていることが分かった。
【0036】
実施例4
実施例3で得られたシリカゲル銀複合体を苛性ソーダなどのアルカリ溶液で処理するとシリカゲル部が溶解してナノレベルの銀の微粒子が得られた。この微粒子の粒径を粒度分布装置で測定すると74nm以下の微粒子が70%以上で比表面積は4.46m2/gであった。なお、白金、金、ルテニウムなどについても同様のシリカゲル金属複合体を形成することができ、例えば硝酸銀水溶液の代わりにジニトロジアミン白金(II)硝酸溶液で電解するとシリカゲル白金複合体が形成される。
【0037】
実施例5
白金の代わりに水素吸蔵合金としてのパラジウムを陽極に用いてシリカゲルを析出させた。実施例1においてpH値を調整したケイ酸ナトリウム溶液中に、直径1mm、長さ50mmのパラジウム線2本を1cm間隔で挿入し、10mAの定電流を200分間流して電解した。陽極側のパラジウムの周りにはシリカゲルが円筒状に析出した。このシリカゲルは少し不透明であった。次に、析出したシリカゲルをパラジウム線から除去し、そのパラジウム線を陰極側にすると共に、陰極側に接続されていたパラジウム線を陽極側に接続して電解した。陽極側に接続されたパラジウム線は先の電解で水素を吸蔵した状態にあるため、その周りには透明でガラス様のシリカゲルが析出された。また、電解電圧も1.5V程度減少した。このように、一対のパラジウム線の電極を交互に入れ替えることで、透明のシリカゲルを省電力で得ることが出来る。
【0038】
実施例6
SiO/wt%=31.4、NaO/wt%=15.4のケイ酸ナトリウム溶液100部に純水48.1部、グリシン10.1部を重量割合で混合し、24時間放置してからpH値が11.46の電解液を調製した。実施例1と同様に白金線に100mAの定電流でシリカゲルを析出させた。析出物を十分洗浄した後に乾燥した。このシリカゲルは比表面積が102.7m2/g、平均細孔径が12.5nmであり、細孔径の大きなシリカゲルを得ることが出来た。同様にアスコルビン酸、アラニン、イソニコチン酸、トリプトファン等のアミノ酸でpH値の調整をした場合にも細孔径の大きなシリカゲルが得られた。
【符号の説明】
【0039】
1 電解槽
2 陽極
3 陰極
4 ケイ酸アルカリ溶液
5 シリカゲル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケイ酸アルカリ溶液のpH値を酸で調整し、調整後のケイ酸アルカリ溶液を電気分解して陽極表面にシリカゲルを析出させることを特徴とするシリカゲルの製法。
【請求項2】
ケイ酸アルカリ溶液のpH値を11.0以上12.0以下に調製する請求項1に記載のシリカゲルの製法。
【請求項3】
前記酸が、硫酸、硝酸、塩酸、アミノ酸の中から選択される請求項1に記載のシリカゲルの製法。
【請求項4】
前記陽極が白金又は水素吸蔵金属からなる請求項1に記載のシリカゲルの製法。
【請求項5】
前記陽極が線状に形成されており、その周囲にシリカゲルが筒状に析出される請求項1記載のシリカゲルの製法。
【請求項6】
前記陽極が板状に形成されており、その表面にシリカゲルが板状に析出される請求項1記載のシリカゲルの製法。
【請求項7】
前記陽極表面に析出されるシリカゲルの物性が電気分解する際の電流密度及び酸の種類により調整される請求項1に記載のシリカゲルの製造方法。
【請求項8】
ケイ酸アルカリ溶液のpH値を酸で調整し、調整後のケイ酸アルカリ溶液を電気分解して陽極表面にシリカゲルを析出させたのち、シリカゲルを析出した状態の電極を電気めっき浴の中で陰極にして電気めっきを行い、シリカゲルの細孔内に金属を充填させることを特徴とするシリカゲル金属複合材の製法。
【請求項9】
ケイ酸アルカリ溶液の電気分解により陽極表面に析出されたシリカゲルの細孔内に金属が充填されていることを特徴とするシリカゲル金属複合材。
【請求項10】
前記請求項9におけるシリカゲル金属複合材をアルカリ溶液の中に浸漬し、シリカゲルを溶解することでシリカゲルの細孔内に充填されている金属を粒子として得ることを特徴とするナノ金属の製法。


【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2010−215937(P2010−215937A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−61236(P2009−61236)
【出願日】平成21年3月13日(2009.3.13)
【出願人】(304023994)国立大学法人山梨大学 (223)
【Fターム(参考)】