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シリカナノ構造体を含有する化粧品
説明

シリカナノ構造体を含有する化粧品

【課題】 工業的生産が容易なシリカの構造体を含有する化粧品であって、光散乱性と使用時の好感覚とを両立できる化粧品を提供すること。
【解決手段】 直鎖状ポリエチレンイミン骨格を有するポリマーを水性媒体中で会合させる工程、水性媒体の存在下で、得られたポリマーの会合体にアルコキシシランを加えることにより、前記ポリマーとシリカとの複合体を得る工程、これを複合体を焼成し、ポリマーを除去する工程で得られた、太さ又は厚みが5〜100nmでアスペクト比が2以上のファイバー状又はリボン状の基本構造体の集合体であって、該集合体の大きさ(TEM画像で観測したときの、最も長い部分)が1μm〜20μmの範囲であるシリカナノ構造体を含有してなることを特徴とする化粧品、さらには。前記シリカナノ構造体のファイバー状またはリボン状のシリカ表面に、2〜10nmの大きさの金属酸化物ナノ結晶が結合しているものを含有する化粧品

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はシリカを含有する化粧品に関し、より詳しくはナノメートルオーダーの大きさを基本構造として有する異方性形状のシリカナノ構造体を配合してなる化粧品に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ファンデーション等の化粧品には、肌触りを滑らかにし、汗や望ましくない光沢感の元となる皮脂を吸収する目的などにより、無機粉末が配合されている。このような粉末としては、合成粉末としてのシリカが多く使用されてきた。
【0003】
シリカの屈折率は酸化チタンほど高くはないため、これを化粧品として用いるとマット調にはならずに自然な仕上がり感を与えることは可能であるが、球状粒子では皮膚への付着性に劣るため化粧崩れを起こしやすく、また球状粒子が均一になることによる分光効果を発現させるには大きな粒子であることが必要であり、肌触り感との両立ができず、単に肌の凹凸を隠す効果による化粧品となるものであった。更に、その他の成分からなる粉末と混合して使用する際には、組成物としての均一性を保つことが困難であり、特に固形のファンデーションとする場合には保存中にクラックが生じやすいという問題もあった。
【0004】
また、不定形シリカでは、吸油性が大きく、化粧品に配合した時には、使用時の感覚の一つである伸展性が悪く、皮膚上で乾燥感が強いという問題がある。吸油性の少ない無水珪酸を配合する方法も提案されているものの、液状の油分を含む化粧品では、使用の際の脂っぽさやべたつき感が生じ、やはり皮膚の乾燥を十分に防ぐことはできていない。
【0005】
近年、このような形状に由来する不都合を改善するため、鱗片形状のシリカを基本構造とし、これが球状に凝集してなるシリカを用いることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。鱗片状を基本構造とすることにより、伸展性、つや、透明感の点で、球状のシリカよりも優れていることが記載されているが、鱗片形状を持たせるには、オートクレーブ等の加熱圧力容器中で加熱して水熱処理を行う必要があり、製造上の問題がある。
【0006】
また、さらに化粧品への紫外線遮蔽効果等を付与するために、上述のシリカに加え、酸化亜鉛等の金属酸化物を併用することが提案されており、シリカへの金属酸化物の担持による複合化(例えば、特許文献2参照。)や、シリカによる金属酸化物微粒子の内包による複合化(例えば、特許文献3参照。)によって、高機能化を図っているものが散見される。しかしながら、前記特許文献2で示された方法で得られるものは球状であり、前述のように化粧品として配合した際の皮膚への付着性が十分ではなく、また前記特許文献3で示された方法は、前記特許文献1と同様、オートクレーブを用いた製造方法であり、かつ原料としてすでにナノメートルオーダーに微細化された金属酸化物微粒子を必要とするため、原料の入手困難性、取扱い困難性等の観点により工業的生産には不向きである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平11−005716号公報
【特許文献2】特開平07−291615号公報
【特許文献3】特開平11−011927号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は従来技術の有していた上記問題点に鑑みてなされたものであり、本発明が解決しようとする課題は、工業的生産が容易なシリカの構造体を含有する化粧品であって、光散乱性と使用時の好感覚とを両立できる化粧品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、ナノメートルオーダーのシート状、ファイバー状等を基本構造とするシリカナノ構造体を用いることによって、化粧品としての光散乱性による自然な被覆感と使用時の感覚が両立できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち本発明は、太さ又は厚みが5〜100nmでアスペクト比が2以上のファイバー状又はリボン状の基本構造体の集合体であって、該集合体の大きさ(TEM画像で観測したときの、最も長い部分)が1μm〜20μmの範囲であるシリカナノ構造体を含有してなることを特徴とする化粧品を提供するものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明の化粧品は、含有させるシリカナノ構造体が、シート状またはファイバーが複合化してなる円盤状等の異方性構造を有することにより、皮膚への密着性、伸展性に優れ、また比表面積が大きいことにより汗や皮脂を吸収する効果をも有し、化粧崩れを起こしにくいものである。また、球状粒子と比較した場合の光散乱性が良好であるとともに、酸化亜鉛等の機能性の金属酸化物との複合体を用いた場合には、単に被覆や担持させたのみでは十分ではなかったそれらの機能を、シリカと金属酸化物との「ナノ界面」の生成により、効果的に発現させうるものである。また、用いるシリカナノ構造体は、穏やかな条件下での製造が可能であり、用いる原料の汎用性(工業的入手容易性)に優れ、大量生産によっても容易に得ることができるものである点においても、化粧品としての有用性がある。更にまた、近年化粧品に配合させることが注目されている金属イオンや金属のナノ粒子をも当該シリカナノ構造体の一部として取り込むことが可能であり、目的とする用途や効果に応じて種々の組成・構造を容易に調整することができ、かつ、その他の配合物との相溶性の調整のためにシリカナノ構造体の表面を親水性から疎水性まで種々調整することも可能であり、汎用性にも優れるものである。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】合成例1で得られたシリカとポリマーとの複合体のSEM写真である。
【図2】合成例1で得られたシリカナノ構造体(1)のSEM写真である。
【図3】合成例2で得られたシリカとポリマーとの複合体のSEM写真である。
【図4】合成例2で得られたシリカナノ構造体(2)のSEM写真である。
【図5】合成例3で得られた複合ナノファイバー会合体のSEM写真である。
【図6】合成例3で得られた酸化チタンが結合した複合体のTEM写真である。
【図7】合成例3で得られた酸化チタンが結合した複合体のSEM写真である。
【図8】合成例3で得られた粉体のX線回折測定結果である。
【図9】合成例3で得られた粉体のTEM写真である。
【図10】合成例4で得られた粉体のTEM写真である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明は、従来シリカ等の体質顔料(無機系粉末)を含む化粧品において、当該シリカとして特定構造を有するものを用いることを特徴とするものである。以下、本発明について詳細に説明する。
【0014】
〔シリカナノ構造体〕
本発明で用いるシリカナノ構造体は、これをそのまま化粧品に配合して、または後述するように、その表面を化粧品に含まれるその他の成分との相溶性等の調整のために、疎水化あるいは親水化処理をしてから化粧品に配合して用いるものである。その製造方法は、直鎖状ポリエチレンイミン骨格を有するポリマーが水性媒体中で形成する結晶性会合体を鋳型とし、シリカ前駆体であるアルコキシシランのゾルゲル反応または特定pHでの水ガラスとの混合によるシリカ析出法を用いるものであり、具体的には、既に本発明者らによって、特開2005−264421号、特開2005−336440号、特開2006−63097号、特開2007−51056、特開2009−24124号、並びに特許第4759661号にて提供している何れのシリカナノ構造体であっても本発明の化粧品の材料として用いることができる。化粧品としたときのこれらのシリカナノ構造体はシリカゲル等の一般的なマクロサイズシリカと比較し、ナノメートルオーダーの基本ユニットを構成単位として有し、これが三次元空間で集合してなるものであることを特徴とする。又、これらの特許文献において提供されているシリカナノ構造体中に金属イオンや金属ナノ粒子が含まれている場合もあるが、金属イオン・金属ナノ粒子は化粧品としての付加的な機能を与えるものであるため(金属種によっては、皮膚へのキラキラ感の付与やいわゆるエイジングケアとしての機能を有するとして積極的に添加されるものもある)、そのまま本発明のシリカナノ構造体として好適に用いることができる。
【0015】
より具体的には、太さが5〜100nm、好ましくは20〜80nmであり、アスペクト比が2以上、好ましくは4以上のファイバー状の構造体(以下、ナノファイバー)を基本ユニットとしているものや、厚さが5〜100nm、好ましくは15〜50nmであり、この厚みに対する長さをアスペクト比とした場合のその値が2以上、好ましくは4以上のリボン状/シート状の構造体(以下、ナノリボン/ナノシート)を基本ユニットとしているものが挙げられる。そして、この基本ユニットを構成単位として集合してなる集合体の大きさ(TEM画像で観測したときの、最も長い部分)は、通常1μm〜20μm、好ましくは3〜15μmである。
【0016】
製造方法としては、例えば、直鎖状ポリエチレンイミン骨格を有するポリマーを水中に懸濁させ、80℃付近の温度で溶解させる。ポリマーの溶解を確認した後、室温で静置冷却を行う。30分程度の静置冷却でナノファイバー構造を基本ユニットとするポリエチレンイミン含有の沈殿物が得られる。又は、水中に氷を投入し、急冷させることによっても、ナノメートルオーダーの基本構造を有するポリマーの沈殿物が得られる。このようにして得られたポリエチレンイミン骨格を有するポリマーのナノファイバーやナノリボン、ナノシート等が沈殿した水溶液にテトラアルコキシシラン(縮合物を含む)を含んだエタノール溶液を混合させることで、ポリマーのナノファイバー/ナノリボン/ナノシート等の上に均一にシリカを析出させるとともに、これら同士が会合体を形成し、ポリマーとシリカとの複合体を得ることができる。
【0017】
また、上記の直鎖状ポリエチレンイミン骨格を有するポリマーを80℃の加温で溶解させる際に、ポリエチレングリコール等の他のポリマーを混合させることにより、異なった形状を持つ沈殿物を得ることが可能である。この場合も直鎖状ポリエチレンイミン部分の結晶性により、ナノファイバー又はナノリボン/ナノシート状などの構造体を基本ユニットとしており、該ポリエチレンイミン部の周辺でシリカが析出すると共に会合して全体形状(二次形状)を作り上げ、ポリマー鎖を内部に有する、複雑形状の(比表面積の高い)ポリマーとシリカとの複合体が得られる。
【0018】
また、直鎖状ポリエチレンイミン骨格を有するポリマーを溶解させる方法としては、加温による溶解のみでなく、酸添加による溶解も可能であり、溶解後に塩基を添加することで析出するナノメートルオーダーの基本構造を有する沈殿物に対して、前記と同様の方法でシリカを複合化させることも可能である。
【0019】
また、水ガラスを用いる場合には、直鎖状ポリエチレンイミン骨格を有するポリマーを水中で結晶性会合体とし、これとあらかじめpHを8.5以上に調整した水ガラスと混合することにより、水ガラスの珪素が該会合体周辺でシリカとして析出しポリマーとシリカとが複合したナノ構造体を得ることができる。
【0020】
上記の方法で調製したポリマーとシリカとの複合体の内部に存在する、鋳型として使用した直鎖状ポリエチレンイミン鎖を有するポリマーは、該複合体を例えば、400〜900℃で焼成することにより除去することが可能である。このとき、全体形状は焼成の前後で変化が無いため、シリカを主構成成分とするシリカナノ構造体を得ることができる。尚、シリカを主構成成分とするということは、焼成温度・雰囲気等によってポリマーが炭化した成分が残ることもあるが、意図的に第三成分を併用しない場合において、シリカ以外の成分を含まないことを示すものである。
【0021】
また、本発明においては、得られる化粧品へ紫外線遮蔽効果等を付与するために、シリカナノ構造体中におけるシリカ表面に金属酸化物ナノ結晶を結合させたものを使用することが好ましい。このような金属酸化物ナノ結晶を結合させる方法としては、例えば、前述のポリマーとシリカとの複合体に、加水分解可能な金属化合物とを水性媒体中で混合し、複合体の表面に金属酸化物を析出させた後、これを400℃以上、好ましくは1250℃以下で焼成し、当該複合体に含まれていたポリマーの除去と、金属酸化物をナノ結晶と成長させてシリカ表面へ結合させる工程によって得ることができる。
【0022】
特に、直鎖状ポリエチレンイミン骨格を有するポリマーを水性媒体中で会合させるときに、当該ポリマーを70〜100℃の熱水中に0.5〜10質量%で溶解させた熱水溶液とし、これと氷とを質量割合で10/90〜90/10の範囲で混合すると、前記ポリマーがファイバー状になるとともに、これが絡み合って自発的に網構造の円盤状構造体を基本構造とする会合体になる。このような円盤状構造体を基本構造とするものを用いると、化粧品としたときの伸展性、皮膚への付着性等が良好となり、また皮脂等の吸収効果も高く、より高品位の化粧品を得ることができる。
【0023】
〔直鎖状ポリエチレンイミン骨格を有するポリマー〕
前述のシリカナノ構造体を調整する際に用いる直鎖状ポリエチレンイミン骨格を有するポリマーにおける当該直鎖状ポリエチレンイミンとは、二級アミンのエチレンイミン単位を主たる構造単位とする直鎖状のポリマー骨格をいう。該骨格中においては、エチレンイミン単位以外の構造単位が存在していてもよいが、結晶性のポリマーナノファイバーを形成させるためには、ポリマー鎖の一定鎖長が連続的なエチレンイミン単位からなることが好ましい。該直鎖状ポリエチレンイミン骨格の長さは、該骨格を有するポリマーが結晶性ポリマーナノファイバーを形成できる範囲であれば特に制限されないが、好適に結晶性のポリマーナノファイバーを形成するためには、該骨格部分のエチレンイミン単位の繰り返し単位数が10以上であることが好ましく、20〜10,000の範囲であることが特に好ましい。
【0024】
ポリマーとしては、その構造中に上記直鎖状ポリエチレンイミン骨格を有するものであればよく、その全体形状が線状、星状または櫛状であっても、水性媒体中で結晶性ポリマーナノファイバーを与えることができるものであればよい。
【0025】
また、これら線状、星状または櫛状のポリマーは、直鎖状ポリエチレンイミン骨格のみからなるものであっても、直鎖状ポリエチレンイミン骨格からなるブロックと他のポリマーブロックとのブロックコポリマーからなるものであってもよい。他のポリマーブロックとしては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピオニルエチレンイミン、ポリアクリルアミドなどの水溶性のポリマーブロック、あるいは、ポリスチレン、ポリオキサゾリン類のポリフェニルオキサゾリン、ポリオクチルオキサゾリン、ポリドデシルオキサゾリン、ポリアクリレート類のポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレートなどの疎水性のポリマーブロックを使用できる。これら他のポリマーブロックとのブロックコポリマーとすることで、結晶性ポリマーナノファイバーの形状を調整することができる。
【0026】
直鎖状ポリエチレンイミン骨格を有するポリマーが、他のポリマーブロック等を有する場合の該ポリマー中における直鎖状ポリエチレンイミン骨格の割合は結晶性ポリマーナノファイバーを形成できる範囲であれば特に制限されないが、好適にはポリマー中の直鎖状ポリエチレンイミン骨格の割合が25モル%以上であることが好ましく、40モル%以上であることがより好ましく、50モル%以上であることがさらに好ましい。
【0027】
上記直鎖状ポリエチレンイミン骨格を有するポリマーは、その前駆体となるポリオキサゾリン類からなる直鎖状の骨格を有するポリマー(以下、前駆体ポリマーと略記する。)を、酸性条件下またはアルカリ条件下で加水分解することで容易に得ることができる。従って、直鎖状ポリエチレンイミン骨格を有するポリマーの線状、星状、または櫛状などの全体形状は、この前駆体ポリマーの形状を制御することで容易に設計することができる。また、重合度や末端構造も、前駆体ポリマーの重合度や末端機能団を制御することで容易に調整できる。さらに、直鎖状ポリエチレンイミン骨格を有するブロックコポリマーを形成する場合には、前駆体ポリマーをブロックコポリマーとし、該前駆体中のポリオキサゾリン類からなる直鎖状の骨格を選択的に加水分解することで得ることができる。
【0028】
〔シリカ〕
本発明で用いるシリカナノ構造体は、前述のように、前記直鎖状ポリエチレンイミン骨格を有するポリマーが水中で形成する会合体に、シリカ形成可能なシリカソースを混合して当該会合体中のポリマーをシリカで被覆したものを焼成して得られるものである。
【0029】
前記シリカの形成に必要なシリカソースとしては、例えば、アルコキシシラン類、水ガラス、ヘキサフルオロシリコンアンモニウム等を用いることができる。
【0030】
アルコキシシラン類としては、テトラメトキシシラン、メトキシシラン縮合体のオリゴマー、テトラエトキシシラン、エトキシシラン縮合体のオリゴマーを好適に用いることができる。さらに、アルキル置換アルコキシシラン類の、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、iso−プロピルトリメトキシシラン、iso−プロピルトリエトキシシラン等、更に、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトトリエトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、p−クロロメチルフェニルトリメトキシシラン、p−クロロメチルフェニルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン等を、単一で、又は混合して用いることができる。
【0031】
また、上記シリカソースに、他のアルコキシ金属化合物を混合して用いることもできる。例えば、テトラブトキシチタン、テトライソプロポキシチタン、または水性媒体中安定なチタニウムビス(アンモニウムラクテート)ジヒドロキシド水溶液、チタニウムビス(ラクテート)の水溶液、チタニウムビス(ラクテート)のプロパノール/水混合液、チタニウム(エチルアセトアセテート)ジイソプロポオキシド、硫酸チタン、ヘキサフルオロチタンアンモニウム等を用いることができる。
【0032】
得られる会合体の基本構造であるファイバーの太さを10nm以下にするためには、ポリマー(質量)に対し、シリカソース(アルコキシシラン)中のケイ素の量(質量)が1〜1.5倍であることが望ましい。ポリマーに対し、シリカソース中のケイ素量を2倍以上に上げると、ファイバーの太さを15nm以上まで増大させることができる。
【0033】
複合体を与えるゾルゲル反応は、水、あるいは親水性有機溶剤が含まれた水性媒体中、水性液体相では起こらず、ポリマー結晶体表面でのみ進行する。従って、複合化反応条件はポリマー結晶体が溶解することがなければ、反応条件は任意に選定できる。
【0034】
ゾルゲル反応が進行する過程で、ポリマー結晶体を安定させるためには、媒体は水単独であることが最も好ましいが、水と任意混合可能な親水性の有機溶剤を含んでいても良い。このとき、媒体中における水の割合は20質量%以上であることが好ましく、40質量%以上であればさらに好ましい。
【0035】
ゾルゲル反応においては、ポリエチレンイミンのモノマー単位であるエチレンイミンに対し、シリカソース(アルコキシシラン)の量を過剰とすれば好適に複合体を得ることができる。過剰の度合いとしては、エチレンイミンに対し1〜20倍当量の範囲であることが好ましく、得られる複合体の太さ(厚さ)を10nm前後に制御するためには、シリカソース(アルコキシシラン)の量がエチレンイミンに対し1〜10倍当量の範囲であることがより好ましい。
【0036】
また、ゾルゲル反応液中ポリマー結晶体(会合体)の濃度はそのポリマー中に含まれるポリエチレンイミン骨格の量を基準に、0.1〜5wt%にすることが好ましい。
【0037】
[金属イオン]
前述のように本発明の化粧品においては、シリカナノ構造体中に金属イオンを含有させてもよい。前記ポリマー中の直鎖状ポリエチレンイミン骨格は金属イオンに対して強い配位能力を有するため、金属イオンは該骨格中のエチレンイミン単位と配位結合して金属イオン錯体を形成する。該金属イオン錯体は金属イオンがエチレンイミン単位に配位されることにより得られるものであり、イオン結合等の過程と異なり、該金属イオンがカチオンでも、またはアニオンでも、エチレンイミン単位への配位により錯体を形成することができる。従って、金属イオンの金属種は、ポリマー中のエチレンイミン単位と配位結合できるものであれば制限されず、アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属、半金属、ランタン系金属、ポリオキソメタレート類の金属化合物等のいずれでも良く、単独種であっても複数種が混合されていても良い。
【0038】
上記アルカリ金属としては、Li,Na,K,Cs等が挙げられ、該アルカリ金属のイオンの対アニオンとしては、Cl,Br,I,NO,SO,PO,ClO,PF,BF,FCsOなどが挙げられる。
【0039】
アルカリ土類金属としては、Mg,Ba,Ca等が挙げられる。
【0040】
遷移金属系の金属イオンとしては、それが遷移金属カチオン(Mn)であっても、または遷移金属が酸素との結合からなる酸根アニオン(MOn−)、またはハロゲン類結合からなるアニオン(MLn−)であっても、好適に用いることができる。なお、本明細書において遷移金属とは、周期表第3族のSc,Y、及び、第4〜12族で第4〜6周期にある遷移金属元素を指す。
【0041】
遷移金属カチオンとしては、各種の遷移金属のカチオン(Mn)、例えば、Ti,V,Cr,Mn,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,Y,Zr,Mo,Ru,Rh,Pd,Ag,Cd,W,Os,Ir,Pt,Au,Hgの一価、二価、三価または四価のカチオンなどが挙げられる。これら金属カチオンの対アニオンは、Cl,NO,SO、またはポリオキソメタレート類アニオン、あるいはカルボン酸類の有機アニオンのいずれであってもよい。ただし、Ag,Au,Ptなど、エチレンイミン骨格により還元されやすいものは、pHを酸性条件にする等、還元反応を抑制してイオン錯体を調製することが好ましい。
【0042】
また遷移金属アニオンとしては、各種の遷移金属アニオン(MOn−)、例えば、MnO,MoO,ReO,WO,RuO,CoO,CrO,VO,NiO,UOのアニオン等が挙げられる。
【0043】
金属イオンとしては、前記遷移金属アニオンが、ポリマー中のエチレンイミン単位に配位した金属カチオンを介してシリカ中に固定された、ポリオキソメタレート類の金属化合物の形態であってもよい。該ポリオキソメタレート類の具体例としては、遷移金属カチオンと組み合わせられたモリブデン酸塩、タングステン酸塩、バナジン酸塩類等を挙げることができる。
【0044】
さらに、各種の金属が含まれたアニオン(MLn−)、例えば、AuCl,PtCl,RhCl,ReF,NiF,CuF,RuCl,InCl等、金属がハロゲンに配位されたアニオンもイオン錯体形成に好適に用いることができる。
【0045】
また、半金属系イオンとしては、Al,Ga,In,Tl,Ge,Sn,Pb,Sb,Biのイオンが挙げられ、なかでもAl,Ga,In,Sn,Pb,Tlのイオンが好ましい。
【0046】
ランタン系金属イオンとしては、例えば、La,Eu,Gd,Yb,Euなどの3価のカチオンが挙げられる。
【0047】
〔金属ナノ粒子〕
上記した通り、本発明では金属イオンをシリカナノ構造体に取り込むことができる。従って、これらの金属イオンのなかでも、還元反応により還元されやすい金属イオンは、金属ナノ粒子に変換させることで、金属ナノ粒子を含有したシリカナノ構造体を得ることもできる。
【0048】
金属ナノ粒子の金属種としては、例えば、銅、銀、金、白金、パラジウム、マンガン、ニッケル、ロジウム、コバルト、ルテニウム、レニウム、モリブデン、鉄等が挙げられ、超疎水性粉体中の金属ナノ粒子は一種であっても、二種以上であってもよい。これら金属種の中でも、特に、銀、金、白金、パラジウムは、その金属イオンがエチレンイミン単位に配位された後、室温または加熱状態で自発的に還元されるため特に好ましい。
【0049】
シリカナノ構造体中の金属ナノ粒子の大きさは、1〜20nmの範囲に制御できる。また、金属ナノ粒子は、ポリマーとシリカとの複合体の内部、または外表面に固定することができる。
【0050】
〔焼成工程〕
上述したポリマーとシリカとの複合体、あるいはこれに金属イオン、金属ナノ粒子が含まれている複合体を加熱焼成すると、形状を維持したまま、その内部に含まれていたポリマーが除去され、シリカを主構成成分とするシリカナノ構造体を得ることができる。
【0051】
焼成温度は400℃以上であればよく、焼成時間は温度により適宜に設定することができる。400℃よりもっと高い温度では1時間であればよく、400℃付近では2時間以上焼成することが望まれる。
【0052】
焼成して得られる構造体の基本構造、全体形状は焼成前と変わりがない。焼成後は比表面積が焼成前より大きく、概ね100〜400m/gである。
【0053】
〔金属酸化物ナノ結晶が結合したシリカナノ構造体〕
前述のように、より高品位の化粧品とする場合には、前述のシリカナノ構造体のシリカ表面に金属酸化物のナノ結晶を結合させたものを使用することが好ましい。
【0054】
前述の方法で得られた、ポリマーとシリカとが複合した複合体に、加水分解可能な金属化合物の溶液を混合または接触させることで、複合体中のエチレンイミンユニットの触媒効果により、シリカ表面部分に金属酸化物を析出させることができる。
【0055】
前記金属化合物は水溶液またはアルコール類を含む水性溶液として用いることができる。溶液の濃度は特に限定することではないが、0.1〜80wt%であればよく、1〜40wt%であれば更に好ましい。
【0056】
ポリマーとシリカからなる複合体に対し、金属化合物の使用量(質量基準)は同量であってもよく、過剰であってもよい。
【0057】
上記の加水分解による金属酸化物の析出の反応時間は、原料として用いる金属化合物の種類と濃度によるが、一般的に、10分〜5時間である。
【0058】
ポリマーとシリカからなる複合体を金属化合物と接触させる方法として、バッチ法以外に、連続流動式を用いることもできる。すなわち、複合体を乾式または湿式でカラム状容器に充填し、それに金属化合物の溶液を流す方法でも良い。好ましくは、複合体を水中あるいは有機溶媒中に分散し、これをカラム中に充填し、複合体の全体積の10倍程度の体積の金属化合物の溶液を循環式でカラムを通させる方法である。循環回数は3〜10回でればよく、それ以上であってもよい。
【0059】
金属化合物としては、例えば金属アルコキシド類、酢酸金属類、硝酸金属類、塩化金属類であり、加水分解反応を経由して金属酸化物を形成する。
【0060】
前記金属化合物としては、例えば、チタン、バナジウム、マンガン、鉄、亜鉛、ゲルマニウム等の金属のアルコキシドを挙げることができる。このときアルコキシドの種類は特に限定されることなく、例えば、メトキシド、エトキシド、プロポキシド、イソプロポキシド、ブトキシド等が挙げられ、さらには、アルコキシ基の一部をβ−ジケトン、β−ケトエステル、アルカノールアミン、アルキルアルカノールアミン等で置換したアルコキシド誘導体であってもよい。これら金属アルコキシド類は単独で用いても良いし、これらの2種以上を組み合わせて用いても良い。
【0061】
また、チタン、バナジウム、マンガン、鉄、亜鉛、ゲルマニウム等の金属の酢酸塩も好適に用いることもできる。
【0062】
さらに、チタン、バナジウム、マンガン、鉄、亜鉛、ゲルマニウム等の金属の硝酸塩または塩化物であっても良い。
【0063】
金属化合物の溶液を循環させた後、親水性有機溶剤、例えば、メタノール、エタノール、アセトンなどを流して、複合体を洗浄することが好ましい。
【0064】
金属化合物の溶液と混合または接触させる際には、金属化合物として複数種類混合した溶液を用いることができる。また、それぞれ異なる金属化合物の溶液を順次混合または接触させることもできる。
【0065】
上記で得られた、複合体の表面に金属酸化物が析出している構造体を熱焼成することで、シリカの表面に金属酸化物ナノ結晶を結合させることができる。
【0066】
焼成条件として、まず焼成温度範囲としては400℃以上、好ましくは1250℃以下に設定すればよく、複合ナノファイバー中のポリマー成分を効率よく除去できることから450〜900℃に設定することがより好ましい。焼成過程から、金属酸化物の結晶化が進行し、ナノ結晶の成長と共に、シリカと金属酸化物の界面にてSi−O−Mの結合も形成する。
【0067】
焼成の際、ポリマーの除去と結晶生長の効率を上げるためには、空気雰囲気または酸素雰囲気で行なうことが好ましい。焼成時間は、温度にも関係するが、概ね1時間〜5時間である。
【0068】
焼成において、温度上昇速度、一定温度での保持時間などの条件は温度プログラムにより設定できる。
【0069】
また、焼成で得られたシリカナノ構造体に対して、アミン系化合物を吸着させた後、或いは、吸着と同時に、更に前記工程で用いた金属化合物と同じ、又は異なる金属化合物と接触させると、既に形成されていた金属酸化物ナノ結晶を核として更に金属酸化物を成長させたり、異なる金属酸化物を複合化させたりすることが可能である。この後、前述と同様の焼成工程を経ることにより、吸着したアミン系化合物を除去すると共に、新たに析出した金属酸化物をナノ結晶とすることができ、複合体中の金属酸化物ナノ結晶の含有率を効果的に高めることができる。
【0070】
このときに使用できるアミン系化合物は、金属化合物の加水分解が可能である化合物であれば良く、特に限定されるものではないが、シリカへの吸着が容易である点や、加水分解反応をより促進させることができる点から、直鎖状又は分岐状のポリアルキレンイミン、ポリアリールアミン、ポリビニルアミン等のポリアミンや、エチレンジアミン、ジアミノエチルアミン、アミノエタノール等の低分子アミン等であること好ましい。又、シリカへのこれらアミン系化合物の吸着方法についても特に限定されるものではなく、例えば、アミン系化合物の1〜20質量%の水性媒体溶液に浸漬し、30分〜1日、室温〜100℃以下で攪拌することにより、吸着させることができる。この吸着を行う工程と同時に金属酸化物と接触させてもよく、また、吸着の後に金属酸化物と改めて接触させる方法でも良い。金属酸化物との接触や、その後に行なう焼成工程に関しては、前述と同様である。
【0071】
このようにして得られるシリカ表面に金属酸化物ナノ結晶が結合してなるシリカナノ構造体において、当該金属酸化物ナノ結晶の含有率は2〜80質量%の範囲であり、目的とする用途、性能に応じて調整可能である。
【0072】
〔表面処理〕
本発明の化粧品は、油性のものであっても、水性のものであってもよく、またW/O型エマルジョン、O/W型エマルジョンのような液体タイプ、乳液状、クリーム状、固形状、ペースト状、ゲル状、粉末状、多層状、ムース状、及びスプレー状のいずれの形態であってもよい。
【0073】
本発明においては、前述のシリカナノ構造体をそのまま化粧品に含まれるその他の成分と混合してもよいが、化粧品の形態に応じて、さまざまなその他の成分を含有させることになる点から、それらとの相溶性を向上させるために、シリカナノ構造体の表面を親水性あるいは疎水性に表面処理してから用いることもできる。
【0074】
表面処理の方法としては、例えば、疎水性基/親水性基を有する化合物との接触で容易に行なうことができ、化学結合による導入と、物理吸着による導入が挙げられる。
【0075】
前記疎水性基としては、例えば、炭素数1〜22のアルキル基、置換基を有していても良い芳香族基(置換基としては、炭素数1〜22のアルキル基、フッ素化アルキル基、部分フッ素化アルキル基等の疎水性基)、炭素数1〜22のフッ素化アルキル基、炭素数1〜22の部分フッ素化アルキル基等が挙げられる。また、前記親水性基としては、例えば、水酸基やアルキレングリコール鎖等が挙げられる。
【0076】
これらの疎水性基/親水性基を有する化合物を効率的にシリカナノ構造体の表面に導入するためには、当該化合物が、疎水性基/親水性基を有するシランカップリング剤を単独、又は混合したものであることが好ましい。このとき、疎水性基/親水性基を有するシランカップリング剤との接触量を調整することによって、得られる粉体を超疎水性〜超親水性と調整することも可能である。
【0077】
表面処理は、シリカナノ構造体を媒体中に分散し、疎水性基/親水性基を有する化合物と混合すればよく、好ましくは、疎水性基/親水性基を有するシランカップリング剤の溶液と混合する方法である。
【0078】
疎水性基を有するシランカップリング剤はクロロホルム、塩化メチレン、シクロヘキサノン、キシレン、トルエン、エタノール、メタノールなどの溶剤に溶解させて用いることができる。これらの溶剤は単独または混合して用いることもできる。親水性基を有するシランカップリング剤は水や親水性溶剤、あるいはこれらの混合媒体に溶解させて用いることができる。
【0079】
上記溶液中、シランカップリング剤の濃度は1〜5質量%であれば好適に用いることができ、特に1〜5質量%アンモニア水のエタノール溶液と混合して用いることがより好ましい。混合する際の体積比としては、シランカップリング剤の溶液に対し、アンモニア水エタノール溶液は5〜10倍量であれば好適である。
【0080】
シリカナノ構造体の分散液を上記混合溶液と混合することで、シランカップリング剤のシランが構造体表面にあるシリカにSi−O−Si結合で導入されることで表面処理が行われる。
【0081】
混合時間は2時間以上であれば、容易に疎水性基/親水性基を導入することができる。一定時間攪拌混合を行なった後、得られた粉対を濾過または遠心分離して、固形分をトルエン、クロロホルム、ヘキサン、シクロヘキサン、水、アルコールなどの溶剤で洗浄し、それを常温乾燥させることで表面処理されたシリカナノ構造体を得ることができる。
【0082】
また前述のシリカナノ構造体表面を形成するシリカには、疎水性基/親水性基を有する化合物を物理吸着する能力がある。この能力を応用することで、表面処理を行うこともできる。
【0083】
疎水性基を有する化合物としては、例えば、疎水性ポリマー、長鎖アルキル基含有化合物、またはフッ素含有化合物が挙げられる。親水性基を有する化合物としては、親水性ポリマーが挙げられる。
【0084】
前記疎水性ポリマーとしては、例えば、ポリ(メタ)アクリレート類を好適に用いることができる。具体的には、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリエチル(メタ)アクリレート、ポリブチル(メタ)アクリレート、ポリベンジル(メタ)アクリレート、ポリシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ポリt−ブチル(メタ)アクリレート、ポリグリシジル(メタ)アクリレート、ポリペンタフルオロプロピル(メタ)アクリレート等であり、また、汎用のポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリビニル酢酸エステル、エポキシ樹脂、ポリエステル、ポリイミド、ポリカーボネート等の、水に容易に溶解しないポリマーを挙げることができる。
【0085】
前記長鎖アルキル基含有化合物としては、炭素数6〜22のアルキル基を有する化合物であるアルキルアミン、アルキルカルボン酸、アルキルスルホン酸、アルキルリン酸などを好適に用いることができる。
【0086】
前記フッ素含有化合物として、例えば、2,3,4−ヘプタフルオロブチルメタクリレート、DIC株式会社製のFLUONATE K−700,K702,K703,K−704,K−705,K−707,K−708などを好適に用いることができる。
【0087】
前記親水性ポリマーとしては、例えば、ポリアルキレングリコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール等が挙げられる。
【0088】
物理吸着させるためには、これらの化合物を単独、又は数種類を溶剤中に溶解させ、その溶液中にシリカナノ構造体を分散し、室温、例えば20〜30℃で1〜24時間攪拌することで十分可能である。
【0089】
一定時間攪拌混合を行なった後、混合物を濾過または遠心分離して、固形分をトルエン、クロロホルム、ヘキサン、シクロヘキサン、水、アルコールなどの溶剤で洗浄し、それを常温乾燥させることで表面処理されたシリカナノ構造体を得ることができる。
【0090】
本発明の化粧品は、以上で得られたシリカナノ構造体をその他の配合物と混合して得られるものであり、化粧品としての保存安定性、伸展性等の観点より、当該化粧品中に通常3〜70質量%、好ましくは3〜60質量%、さらに好ましくは5〜50質量%で含まれるものである。
【0091】
本発明の化粧品に含まれるその他の成分としては、特に限定されるものではなく、目的、性状に応じて適宜選択して用いることができる。
【0092】
例えば、油分としては、ジメチルポリシロキサン、ジメチルシクロポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、アルキル変性シリコーン、アクリルシリコーン、架橋型シリコーン、メチルハイドロジェンポリシロキサン,高級脂肪酸変性オルガノポリシロキサン、高級アルコール変性オルガノポリシロキサン、トリメチルシロキシシリケート、アミノ変性シリコーン、ピロリドン変性シリコーン等のシリコーン系オイルやシリコーンワックス、流動パラフィン、スクワラン、ワセリン、ポリイソブチレン、イソパラフィン、マイクロクリスタリンワックス、イソプロピルミリステート、ミリスチルオクチルドデカノール、ジ−(2−エチルヘキシル)サクシネート、ジイソオクタン酸ネオペンチルグリコール、モノステアリン酸グリセリン、イソステアリン酸トリグリセライド、ヤシ油脂肪酸トリグリセライド、ヒマシ油、オクチルドデカノール、ヘキサデシルアルコール、セチルアルコール、オレイルアルコール、ステアリルアルコール、ラウリン酸、パルミチン酸、オレイン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、ラノリン、ミツロウ、オリーブ油、エステル、グリセライド、高級アルコール、高級脂肪酸、サフラワー油、大豆油、月見草油、ブドウ種子油、ローズヒップ油、ククイナッツ油、アルモンド油、ゴマ油、コムギ胚芽油、トウモロコシ油、綿実油、アボガド油、ツバキ油、パーシック油、ヒマシ油、ラッカセイ油、ヘーゼルナッツ油、マカデミアナッツ油、メドフォーム油、カカオ脂、シア脂、木ロウ、ヤシ油、パーム油、パーム核油、牛脂、馬脂、ミンク油、乳脂、卵黄油、タートル油、ミツロウ、鯨ロウ、ラノリン、カルナウバロウ、キャンデリラロウ、ホホバ油、流動パラフィン、流動イソパラフィン、セレシン、マイクロクリスタリンワックス、α−オレフィンオリゴマー、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、リノール酸、ウンデシレン酸、ヒドロキシステアリン酸、ラノリン脂肪酸、ミリスチルアルコール、セトステアリルアルコール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、ホホバアルコール、バチルアルコール、コレステロール、フィトステロール、ラノリンアルコール、イソステアリルアルコール、シトステロール、フィトステロール、ラノステロール、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、リンゴ酸ジイソステアリル、トリカプリル酸グリセリル、環状シリコーン5量体、環状シリコーン6量体、メチルトリメチコン、カプリリルメチコン、ジエチコン、トリメチコン、アルキルメチコン、トコフェリルトリシロキサン、フルオロカーボンシリコーン、パーフルオロポリエーテルオイル、パーフルオロカーボン、ハイドロフルオロエーテル、酢酸エチル、酢酸ブチル、トルエン等の有機溶剤などが例示される。このような油分の合計量は、化粧品全量中の10.0〜95.0質量%の範囲であることが好ましい。
【0093】
また、水性成分としては、エタノール、イソプロパノール等の低級アルコール、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、トレハロース、エリスリトール、マンニトール、キシリトール、ソルビトール、マルトース等の多価アルコール、並びにアラビアゴム、トラガカント、ガラクタン、キャロブガム、グアーガム、カラヤガム、カラギーナン、ペクチン、寒天、クインスシード(マルメロ)、デンプン(コメ、トウモロコシ、バレイショ、コムギ)、デキストリン、デキストラン、アルゲコロイド、トラントガム、ローカストビーンガム等の植物系水溶性高分子、キサンタンガム、デキストラン、サクシノグルカン、プルラン等の微生物系水溶性高分子、コラーゲン、カゼイン、アルブミン、ゼラチン等の動物系水溶性高分子、カルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデンプン等のデンプン系水溶性高分子、メチルセルロース、エチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ニトロセルロース、セルロース硫酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、結晶セルロース、セルロース末のセルロース系水溶性高分子、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等のアルギン酸系水溶性高分子、ポリビニルメチルエーテル、カルボキシビニルポリマー等のビニル系水溶性高分子、ポリオキシエチレン系水溶性高分子、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体系水溶性高分子、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチルアクリレート、ポリアクリルアミド等のアクリル系水溶性高分子、ポリエチレンイミン、カチオンポリマーなど他の合成水溶性高分子、ベントナイト、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、無水ケイ酸等の無機系水溶性高分子などがある。また、これらの水溶性高分子には、ポリビニルアルコールやポリビニルピロリドン等の皮膜形成剤も含まれる。
【0094】
さらにまた、アニオン界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤などの界面活性剤を用いることができ、特に非イオン界面活性剤が望ましい。非イオン界面活性剤としては、炭化水素系のものやシリコーン系のものが用いられる。具体的にはポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ソルビット脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ジグリセリン脂肪酸エステル、エチレングリコール脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステルや、ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン、(ポリ)グリセリン変性シリコーン、架橋型や分岐型のポリオキシアルキレン変性シリコーンやポリグリセリン変性シリコーンなどのシリコーン系活性剤が例示される。シリコーン活性剤の具体例としては、ABIL−EM−90(ゴールドシュミット社製)、信越化学社製の、KF−6000シリーズ(ペンダント型や分岐型などのポリエーテル変性シリコーンやポリエーテル・アルキル共変性シリコーン)、KF−6100シリーズ(ペンダント型や分岐型などのポリグリセリン変性シリコーンやポリグリセリン・アルキル共変性シリコーン)、KSG−210、310、710、810(架橋型ポリエーテルまたはポリグリセリン変性シリコーン)が挙げられる。その他、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンプロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンフィトスタノールエーテル、ポリオキシエチレンフィトステロールエーテル、ポリオキシエチレンコレスタノールエーテル、ポリオキシエチレンコレステリルエーテル、ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン、ポリオキシアルキレン・アルキル共変性オルガノポリシロキサン、ポリグリセリン変性オルガノポリシロキサン、アルカノールアミド、糖エーテル、糖アミド等の界面活性剤などであってもよい。
【0095】
その他の界面活性剤としては、ステアリン酸ナトリウムやパルミチン酸トリエタノールアミン等の脂肪酸セッケン、アルキルエーテルカルボン酸及びその塩、アミノ酸と脂肪酸の縮合物塩、アルカンスルホン酸塩、アルケンスルホン酸塩、脂肪酸エステルのスルホン酸塩、脂肪酸アミドのスルホン酸塩、ホルマリン縮合系スルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、第二級高級アルコール硫酸エステル塩、アルキル及びアリルエーテル硫酸エステル塩、脂肪酸エステルの硫酸エステル塩、脂肪酸アルキロールアミドの硫酸エステル塩、ロート油等の硫酸エステル塩類、アルキルリン酸塩、エーテルリン酸塩、アルキルアリルエーテルリン酸塩、アミドリン酸塩、N−アシルアミノ酸系活性剤等からなるアニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩、ポリアミン及びアミノアルコール脂肪酸誘導体等のアミン塩、アルキル四級アンモニウム塩、芳香族四級アンモニウム塩、ピリジウム塩、イミダゾリウム塩等からなるカチオン性界面活性剤、及びベタイン、アミノカルボン酸塩、イミダゾリン誘導体等からなる両性界面活性剤が挙げられる。
【0096】
本発明の化粧品には上記した構成成分の他に本発明の効果を損なわない範囲において、通常化粧品や医薬品等の皮膚外用剤に用いられる他の成分、例えば、他の粉末成分、保湿剤、水溶性高分子、増粘剤、有機変性粘土鉱物、皮膜剤、金属イオン封鎖剤、低級アルコール、多価アルコール、糖、アミノ酸、有機アミン、高分子エマルジョン、pH調整剤、皮膚栄養剤、ビタミン、酸化防止剤、酸化防止助剤、香料、水等を必要に応じて適宜配合し、目的とする剤形に応じて製造することができる。
【0097】
例えば、日焼け防止性を高めるためには、有機系の紫外線吸収剤を含むことが好ましい。紫外線吸収剤としては、例えば、安息香酸系紫外線吸収剤(例えば、パラアミノ安息香酸(以下、PABAと略す)、PABAモノグリセリンエステル、N,N−ジプロポキシPABAエチルエステル、N,N−ジエトキシPABAエチルエステル、N,N−ジメチルPABAエチルエステル、N,N−ジメチルPABAブチルエステル、N,N−ジメチルPABAエチルエステル等);アントラニル酸系紫外線吸収剤(例えば、ホモメンチル−N−アセチルアントラニレート等);サリチル酸系紫外線吸収剤(例えば、アミルサリシレート、メンチルサリシレート、ホモメンチルサリシレート、オクチルサリシレート、フェニルサリシレート、ベンジルサリシレート、p−イソプロパノールフェニルサリシレート等);桂皮酸系紫外線吸収剤(例えば、オクチルメトキシシンナメート、エチル−4−イソプロピルシンナメート、メチル−2,5−ジイソプロピルシンナメート、エチル−2,4−ジイソプロピルシンナメート、メチル−2,4−ジイソプロピルシンナメート、プロピル−p−メトキシシンナメート、イソプロピル−p−メトキシシンナメート、イソアミル−p−メトキシシンナメート、オクチル−p−メトキシシンナメート(2−エチルヘキシル−p−メトキシシンナメート)、2−エトキシエチル−p−メトキシシンナメート、シクロヘキシル−p−メトキシシンナメート、エチル−α−シアノ−β−フェニルシンナメート、2−エチルヘキシル−α−シアノ−β−フェニルシンナメート、グリセリルモノ−2−エチルヘキサノイル−ジパラメトキシシンナメート等);ベンゾフェノン系紫外線吸収剤(例えば、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−4’−メチルベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸塩、4−フェニルベンゾフェノン、2−エチルヘキシル−4’−フェニル−ベンゾフェノン−2−カルボキシレート、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、4−ヒドロキシ−3−カルボキシベンゾフェノン等);3−(4’−メチルベンジリデン)−d,l−カンファー、3−ベンジリデン−d,l−カンファー;2−フェニル−5−メチルベンゾキサゾール;2,2’−ヒドロキシ−5−メチルフェニルベンゾトリアゾール;2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール;2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニルベンゾトリアゾール;ジベンザラジン;ジアニソイルメタン;4−メトキシ−4’−t−ブチルジベンゾイルメタン;5−(3,3−ジメチル−2−ノルボルニリデン)−3−ペンタン−2−オン、ジモルホリノピリダジノン等が挙げられる。
【0098】
あるいは、ヒトまたは動物の体細胞を、酸化ストレスから防御するため、特に皮膚の老化を抑制するための活性薬剤、たとえば1種または複数の抗酸化剤が含まれていてもよい。
【0099】
抗酸化剤としては、たとえばアミノ酸(たとえばグリシン、ヒスチジン、チロシン、トリプトファン)およびその誘導体、イミダゾール(たとえばウロカニン酸)およびその誘導体、ペプチド、たとえばD,L−カルノシン、D−カルノシン、L−カルノシンおよびそれらの誘導体(たとえばアンセリン)、カロチノイド、カロチン(たとえばα−カロチン、β−カロチン、リコピン)およびそれらの誘導体、クロロゲン酸およびその誘導体、リポ酸およびその誘導体(たとえばジヒドロリポ酸)、アウロチオグルコース、プロピルチオウラシルおよびその他のチオール(たとえばチオレドキシン、グルタチオン、システイン、シスチン、シスタミンならびにそれらのグリコシル、N−アセチル、メチル、エチル、プロピル、アミル、ブチルおよびラウリル、パルミトイル、オレイル、γ−リノレイル、コレステリルおよびグリセリルエステル)およびそれらの塩、ジラウリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、チオジプロピオン酸およびそれらの誘導体(エステル、エーテル、ペプチド、脂質、ヌクレオチド、ヌクレオシド、および塩)、ならびに極めて低い耐量(たとえばpmol〜μmol/kg)のスルホキシミン化合物(たとえばブチオニンスルホキシミン、ホモシステインスルホキシミン、ブチオニンスルホン、ペンタ、ヘキサおよびヘプタチオニンスルホキシミン)、ならびに、さらには、(金属)キレート化剤(たとえばα−ヒドロキシ脂肪酸、パルミチン酸、フィチン酸、ラクトフェリン)、α−ヒドロキシ酸(たとえばクエン酸、乳酸、リンゴ酸)、フミン酸、胆汁酸、胆汁抽出物、ビリルビン、ビリベルジン、EDTA、EGTAおよびそれらの誘導体、不飽和脂肪酸およびその誘導体、ビタミンCおよび誘導体(たとえばパルミチン酸アスコルビル、リン酸アスコルビルマグネシウム、酢酸アスコルビル)、トコフェロールおよび誘導体(たとえばビタミンEアセテート)、ビタミンAおよび誘導体(たとえばビタミンAパルミテート)、ならびにベンゾイン樹脂の安息香酸コニフェリル、ルチン酸およびその誘導体、α−グリコシルルチン、フェルラ酸、フルフリリデングルシトール、カルノシン、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ノルジヒドログアイアレチン酸、トリヒドロキシブチロフェノン、ケルセチン、尿酸およびその誘導体、マンノースおよびその誘導体、亜鉛およびその誘導体(たとえばZnO、ZnSO4)、セレンおよびその誘導体(たとえばセレノメチオニン)、スチルベンおよびその誘導体(たとえばスチルベンオキシド、trans−スチルベンオキシド)等が挙げられる。
【0100】
抗酸化剤の混合物も、本発明の化粧品において同様に適している。市販されている混合物としては、たとえば活性成分として以下のものを含む混合物がある:レシチン、L−(+)−パルミチン酸アスコルビルおよびクエン酸(たとえばOxynex(登録商標)AP)、天然トコフェロール、L−(+)−パルミチン酸アスコルビル、L−(+)−アスコルビン酸およびクエン酸(たとえばOxynex(登録商標)K LIQUID)、天然由来のトコフェロール抽出物、L−(+)−パルミチン酸アスコルビル、L−(+)−アスコルビン酸およびクエン酸(たとえばOxynex(登録商標)L LIQUID)、DL−α−トコフェロール、L−(+)−パルミチン酸アスコルビル、クエン酸およびレシチン(たとえばOxynex(登録商標)LM)、またはブチルヒドロキシトルエン(BHT)、L−(+)−パルミチン酸アスコルビルおよびクエン酸(Oxynex(登録商標)2004)等が挙げられる。
【0101】
本発明の化粧品には、さらなる成分としてビタミンを含んでいてもよい。例えば、ビタミンA、ビタミンAプロピオネート、ビタミンAパルミテート、ビタミンAアセテート、レチノール、ビタミンB、塩化チアミン塩酸塩(ビタミンB1)、リボフラビン(ビタミンB)、ニコチン酸アミド、ビタミンC(アスコルビン酸)、ビタミンD、エルゴカルシフェロール(ビタミンD2)、ビタミンE、DL−α−トコフェロール、トコフェロールPアセテート、トコフェロールモノコハク酸、ビタミンK1、エスクリン(ビタミンP活性成分)、チアミン(ビタミンB1)、ニコチン酸(ナイアシン)、ピリドキシン、ピリドキサール、ピリドキサミン(ビタミンB0)、パントテン酸、ビオチン、葉酸およびコバラミン(ビタミンB12)、特に好ましくはビタミンAパルミテート、ビタミンCおよびその誘導体、DL−α−トコフェロール、トコフェロールPアセテート、ニコチン酸、パントテン酸およびビオチン等が挙げられる。
【0102】
本発明の化粧品の適用としては、通常の化粧品であれば、特段の限定無く適用することが出来、例えば、リップカラー、チークカラー、アイカラー、アイライナー、ファンデーション、コンシーラーなどのメークアップ化粧品や、紫外線防護化粧品などの保護化粧品などが例示できる。特に好ましいものは、その効果が最も高い紫外線防護化粧品などの保護化粧品である。
【実施例】
【0103】
以下、実施例によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。特に断らない限り、「%」は「質量%」を表す。
【0104】
〔走査型電子顕微鏡〕
走査型電子顕微鏡はKEYENCE製のVE−9800を使用した。
【0105】
〔X線回折法(XRD)〕
単離乾燥した試料を測定試料用ホルダーにのせ、それを株式会社リガク製広角X線回折装置「Rint−Ultma」にセットし、Cu/Kα線、40kV/30mA、スキャンスピード1.0°/分、走査範囲10〜70°の条件で測定を行った。
【0106】
〔透過型電子顕微鏡による構造観察〕
透過型電子顕微鏡はJEOL製のTEM2200FSを使用し、電圧200keVの条件で行った。
【0107】
〔BET法による比表面積測定〕
比表面積測定はSHIMADZU製のTriStarを使用し、BET法を用いて行った。
【0108】
〔示差走査熱量分析〕
単離乾燥した試料を測定パッチにより秤量し、それをSIIナノ技術示差走査熱量分析測定装置(TG−TDA6300)にセットし、昇温速度を10℃/分として、20℃から800℃の温度範囲にて測定を行った。
【0109】
〔シリカナノ構造体の製造〕
特許文献(特開2005−264421号公報、特開2005−336440号公報、特開2006−063097号公報、特開2007−051056号公報、及び特許第4759661号)に開示した方法により、形状が異なる粉体を作製した。
【0110】
合成例1〔シリカナノ構造体(1)の製造〕
市販のポリエチルオキサゾリン(平均分子量50,000,平均重合度約500,Aldrich社製)30gを、5Mの塩酸水溶液150mLに溶解させた。その溶液をオイルバスにて90℃に加熱し、その温度で10時間攪拌した。反応液にアセトン500mLを加え、ポリマーを完全に沈殿させ、それを濾過し、メタノールで3回洗浄し、白色のポリエチレンイミンの粉末を得た。得られた粉末をH−NMR(重水)にて同定したところ、ポリエチルオキサゾリンの側鎖エチル基に由来したピーク1.2ppm(CH)と2.3ppm(CH)が完全に消失していることが確認された。即ち、ポリエチルオキサゾリンが完全に加水分解され、ポリエチレンイミンに変換されたことが示された。
【0111】
その粉末を50mLの蒸留水に溶解し、攪拌しながら、その溶液に15%のアンモニア水500mLを滴下した。その混合液を一晩放置した後、沈殿したポリマー会合体粉末を濾過し、そのポリマー会合体粉末を冷水で3回洗浄した。洗浄後の結晶粉末をデシケータ中で室温乾燥し、線状のポリエチレンイミン(LPEI)粉末を得た。収量は22g(結晶水含有)であった。ポリオキサゾリンの加水分解により得られるポリエチレンイミンは、側鎖だけが反応し、主鎖には変化がない。従って、LPEIの重合度は加水分解前の約500と同様である。
【0112】
一定量のLPEIを蒸留水中に混合し、それを90℃に加熱し透明溶液を得た後、全体3%の水溶液に調製した。該水溶液を室温で自然冷却し、真っ白のLPEIの会合体液を得た。攪拌しながら、その会合体液100mL中に、70mLのTMOS(テトラメトキシシラン)のエタノール溶液(体積濃度50%)を加え、室温で1時間攪拌続けた。析出した沈殿物をろ過し、それをエタノールで3回洗浄した後、40℃で加熱下乾燥することにより、粉体15gを得た。図1に得られた粉体のSEM写真を示す。ナノファイバーの会合体であることを確認した。
【0113】
これで得た粉体の熱重量損失分析(SII Nano Technology Inc社製のTG/DTA6300)から、ポリマー成分である直鎖状ポリエチレンイミンの含有率が7%であることを確認した。また、比表面積測定(Micrometrics社製 Flow Sorb II 2300)を行なった結果、112m/gであった。
【0114】
前記で得られたポリマーとシリカとの複合体を600℃で1時間焼成することで、ポリマー成分を除去したシリカナノ構造体を得た。図2に焼成後のシリカナノ構造体のSEM写真を示す。得られたシリカナノ構造体は焼成処理においても形状の変化等は見られず、シリカで構成されたナノファイバーの会合体であることを確認した。また、比表面積測定を行った結果、315m/gであった。上記で得られた粉体をシリカナノ構造体(1)とする。
【0115】
合成例2〔シリカナノ構造体(2)の製造〕
合成例1の直鎖状ポリエチレンイミンの合成の前段と同様にしてポリエチルオキサゾリンの加水分解を行い、直鎖状ポリエチレンイミンの塩酸塩を得た。この塩酸塩5gを90mLの蒸留水に溶解し、攪拌しながら、その溶液に1.4mol/Lのアンモニア水溶液29.5mLを混合した。その混合液を12時間攪拌後、再び1.4mol/Lのアンモニア水溶液12.5mLを10時間おき5回に分けて滴下し、その後1時間攪拌を行うことで、白色の沈殿物を得た。析出した沈殿物を遠心分離にて3回洗浄した。洗浄後、得られた粉末を120mLの蒸留水中に分散した。その分散液中に、15mLのメチルシリケート(MS51)を加え、室温下(20〜25℃)4時間攪拌した。反応液を遠心分離にて処理し、析出した固形物をエタノールで洗浄後、室温にて乾燥することにより、ポリエチレンイミンとシリカとからなる複合体を得た。収量:9.7g。図3には、得られた複合体のSEM写真を示した。ナノシートの構造を持つ集合体であることが確認できる。XRDから直鎖状ポリエチレンイミンの結晶体由来のピークが観測された。
【0116】
前記工程で得られたナノシート状の複合体0.5gをアルミナ坩堝に加え、それを電気炉内にて焼成した。炉内温度は、1時間かけて800℃まで上げ、その温度にて2時間保持した。これを自然冷却し、ポリマー成分を除去し、粉末を得た。これで得た粉末の比表面積は319.0m/gであった。図4にはSEM観察のイメージ写真を示した。ナノシートが重なり、構造は800℃焼成後でも変化しなかった。このナノシートの集合体である粉体をシリカナノ構造体(2)とする。
【0117】
合成例3〔シリカナノ構造体(3)の製造〕
合成例1で得られたLPEI粉末を10g秤量し、それを500gの蒸留水中に分散させてLPEI分散液を作成した。これら分散液をオイルバスにて、90℃に加熱し、濃度が2%の完全透明な水溶液を得た。激しく攪拌しながらその熱水溶液に500gの小切り氷を一気に加えた。このときの水媒体の温度は4℃であった。これにより、LPEIの透明水溶液は一瞬で濁り、不透明のミルク状コロイド液に変化した(LPEIの濃度は事実上1%になった)。
【0118】
上記で得られたLPEI会合体のコロイド液20mL中に、10体積%のMS51を含むエタノール溶液10mLを加え、軽く一分間かき混ぜた後、そのまま60分放置した後、過剰なエタノールで洗浄し、それを遠心分離器にて3回洗浄した。固形物を回収、室温乾燥し、LPEIを芯としこれをシリカが被覆してなる複合ナノファイバーの会合体を得た。
【0119】
上記で得られた複合ナノファイバーの会合体を走査型顕微鏡(図5)により観察したところ、会合体は多くのナノファイバーが会合して形成されたインスタントラーメンのような網構造の円盤状構造体であることを確認した。複合ナノファイバーの平均直径値は10nmであった。熱分析の測定結果によると、重量損失は24.4%であった。
【0120】
上記で得た会合体の粉末1gを100mlの5体積%TC310(水溶性乳酸チタン、松本製薬工業株式会社製)の水溶液に加え、軽く攪拌した後、室温(20〜25℃)で2時間放置した。その後、遠心分離、蒸留水洗浄、室温一晩乾燥を経て、白色の粉末を得た。走査型電子顕微鏡にて観察したところ、複合ナノファイバーの集合体であってその表面に酸化チタンが複合している構造であることを確認した(図6)。また透過電子顕微鏡観察から、複合ナノファイバー上で極めて小さい黒い斑点が観察された(図7)。このサンプルを、大気中1200℃まで焼成したにもかかわらず、酸化チタンの結晶子サイズがやや増大するだけで、酸化チタンの結晶構造はアナターゼのまま、ルチル結晶に転化しなかった(図8)。1200℃の高温で1時間焼成後、LPEIが完全に除去されたサンプルの透過電子顕微鏡観察から、酸化チタン結晶縞を示すドメインが観察された(図9)。これで推定すると、結晶縞の大きさは10nm以下である。これで得られた粉体をシリカナノ構造体(3)とする。
【0121】
合成例4〔シリカナノ構造体(4)の製造〕
合成例1で得られたLPEI粉末0.5gを10mLのZn(OAc)水溶液(0.1mol/L)と混合し、室温下1時間反応した。粉末を洗浄乾燥後、400℃で1時間焼成した。この粉末を再び20mLのZn(NO水溶液(0.1mol/L)と5mLのポリエチレンイミン(SP−200、日本触媒製)水溶液(0.2mol/L)と混合し、この混合物を80℃で90分攪拌した。粉末を水、エタノールで洗浄後、室温乾燥した。乾燥後の粉末を500℃にて3時間焼成した。蛍光X線元素分析結果、酸化亜鉛が13.9%含まれていることを確認した。透過電子顕微鏡観察から、シリカナノファイバー表面に酸化亜鉛由来の黒い斑点を確認した(図10)。その大きさは、2−3nmであった。これで得られた粉体をシリカナノ構造体(4)とする。
【0122】
実施例1、2
合成例で得られたシリカナノ構造体(1)、(2)を用いて、下記の配合でパウダーファンデーションを作った。
(i)タルク:35.0 シリカナノ構造体:35.0 酸化チタン:12.0 黄色酸化鉄:3.5 黒色酸化鉄:0.5 弁柄:2.0
(ii)流動パラフィン:5.0 ステアリルアルコール:3.0 ミツロウ:3.0 スクワラン:1.0
混合物(i)88部と、混合物(ii)12部とをヘンシルミキサーで混合し、アトマイザーで粉砕し、中皿に充填成形して製品とした。
【0123】
実施例3、4
合成例で得られたシリカナノ構造体(3)、(4)を用いて、下記の配合でパウダーファンデーションを作った。
(iii)タルク:35.0 シリカナノ構造体:47.0 黄色酸化鉄:3.5 黒色酸化鉄:0.5 弁柄:2.0
実施例1において、混合物(i)の代わりに混合物(iii)を用いる以外は実施例1と同様にして、製品を作った。
【0124】
実施例5〜8
合成例で得られたシリカナノ構造体20.0、ワセリン5.0、流動パラフィン15.0、蒸留水57.0、トリエタノールアミン3.0で混合し、液状の下地剤を作った。
【0125】
実施例9〜12
合成例で得られたシリカナノ構造体37.0、ステアリン酸アルミニウム2.0、酸化鉄0.1、群青0.3、赤色226号0.3、雲母チタン30.0、酸化チタン被覆フレーク状ガラス(日本板硝子社製)20.0、メチルパラベン0.2、デヒドロ酢酸ナトリウム0.1、流動イソパラフィン8.0、パラフィンワックス2.0で混合し、アイシャドウを作った。
【0126】
実施例13〜16
合成例で得られたシリカナノ構造体40.5、タルク13.7、マイカ20.0、黄色酸化鉄0.3、黒色酸化鉄0.1、赤色202号1.2、雲母チタン12.0、酸化チタン被覆フレーク状ガラス4.0、メチルパラベン0.1、デヒドロ酢酸ナトリウム0.1、流動イソパラフィン6.4、ポリエチレンワックス1.6で混合し、チークを作った。
【0127】
比較例1〜4
実施例において、シリカナノ構造体の代わりに、セリサイト及び球状シリカゲル(粒子径12μm)の1:3混合物を用いる以外は実施例と同様にして、パウダーファンデーション、液状下地剤、アイシャドウ、チークを作った。
【0128】
評価方法と結果
実施例、比較例で得られた化粧品について、10名のパネリストで、1)伸展性(のび、なめらかさ)、2)光沢付与効果、3)仕上がりの自然さ、4)透明感、5)1時間経過後の化粧崩れの度合い、を5段階で評価を行った。その結果、実施例で得られた化粧品は、同一化粧品の比較例と比べて、いずれの評価項目でも良好な結果を得た。特に合成例3及び合成例4で得られたシリカナノ構造体を用いた化粧品は、2)の光沢付与効果が最も高い評価であった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
太さ又は厚みが5〜100nmでアスペクト比が2以上のファイバー状又はリボン状の基本構造体の集合体であって、該集合体の大きさ(TEM画像で観測したときの、最も長い部分)が1μm〜20μmの範囲であるシリカナノ構造体を含有してなることを特徴とする化粧品。
【請求項2】
前記シリカナノ構造体のファイバー状またはリボン状のシリカ表面に、2〜10nmの大きさの金属酸化物ナノ結晶が結合しているものである請求項1記載の化粧品。
【請求項3】
前記シリカナノ構造体が
(1−1)直鎖状ポリエチレンイミン骨格を有するポリマーを水性媒体中で会合させる工程、
(1−2)水性媒体の存在下で、工程(1−1)で得られたポリマーの会合体にアルコキシシランを加えることにより、前記ポリマーとシリカとの複合体を得る工程、
(1−3)工程(1−2)で得られた複合体を焼成し、ポリマーを除去する工程、
を有する製造方法で得られたものである請求項1または2記載の化粧品。
【請求項4】
前記シリカナノ構造体が
(2−1)直鎖状ポリエチレンイミン骨格を有するポリマーを水性媒体中で会合させる工程、
(2−2)水性媒体の存在下で、工程(1−1)で得られたポリマーの会合体にアルコキシシランを加えることにより、前記ポリマーとシリカとの複合体を得る工程、
(2−3)工程(2−2)で得られた複合体と、加水分解可能な金属化合物とを水性媒体中で混合し、複合体の表面に金属酸化物を析出させる工程、
(2−4)工程(2−3)で得られた、金属酸化物が複合体表面に析出している構造体を400〜1250℃で焼成し、該複合体中のポリマーを除去してシリカとしながら、金属酸化物をナノ結晶とし、前記シリカへ該金属酸化物ナノ結晶を結合させる工程、
を有する製造方法で得られたものである請求項2記載の化粧品。
【請求項5】
前記工程(2−1)が、直鎖状ポリエチレンイミン骨格を有するポリマーを予め70〜100℃の熱水中に0.5〜10質量%で溶解させた熱水溶液と氷とを質量割合で10/90〜90/10の範囲で混合することによるものである請求項4記載の化粧品。
【請求項6】
前記金属化合物が、金属アルコキシド、酢酸金属、硝酸金属又は塩化金属である請求項4又は5記載の化粧品。
【請求項7】
シリカナノ構造体中に金属酸化物ナノ結晶が2〜80質量%で含まれているものである請求項2記載の化粧品。
【請求項8】
シリカナノ構造体の含有率が3〜70質量%である請求項1〜7の何れか1項記載の化粧品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−95745(P2013−95745A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−243367(P2011−243367)
【出願日】平成23年11月7日(2011.11.7)
【出願人】(000002886)DIC株式会社 (2,597)
【出願人】(000173751)一般財団法人川村理化学研究所 (206)
【Fターム(参考)】