説明

シリコーンゲル組成物

【課題】低粘度のシリコーン油をゲル化して、のび、肌なじみが良く、化粧持続性、安定性に優れたゲル組成物を提供すること。
【解決手段】次の成分(A)、(B)、(C)及び(D):(A)炭素数1〜3のアルコール、(B)特定の構造を有するポリN−アシルアルキルイミン変性シリコーン、(C)シクロジメチルポリシロキサン又は、100cs以下のジメチルポリシロキサン、(D)ポリオールを混合した後、成分(A)を除き、濃縮することにより得られるシリコーンゲル組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、肌なじみが良く、なめらかでさっぱりした使用感を有するシリコーンゲル組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
シリコーン油は、低い表面張力、優れた潤滑性や離型性、高い安定性を有していることから、べたつかずさっぱりすべすべとした感触を効果的に出すため、スキンケア剤、ファンデーション、ヘアシャンプー、ヘアコンディショナー等に多用されている。特に、スキンケア剤、ファンデーションでは、低粘度の鎖状又は環状のシリコーンオイルを用いることが多い。
【0003】
しかしながら、このようなシリコーンオイルは、他の化粧用油剤との相溶性が悪く、配合量によっては分層してしまうことがある。また、顔料等の粉体をシリコーンオイルと共に配合すると、それらの比重差から沈殿を生じることもある。このため、シリコーンオイルを自由に、安定に使いこなす技術開発が進められており、このような問題に対して、系の粘度を上げることが試みられている。
【0004】
例えば、特許文献1、2には、低粘度シリコーンオイルに三次元架橋構造を有するシリコーン重合体を混錬することで、シリコーンオイルの感触を損なうことなく系の粘度を増大させ、シリコーンゲルを製造する方法が提案されている。これらの発明において用いられる三次元架橋構造を有するシリコーン重合体は、オルガノポリシロキサン重合物の量が低粘度シリコーンオイルに対し少なくなると、流動粘性を帯び良好なゲル構造を維持できなくなるため、オルガノポリシロキサン重合物はシリコーンオイルに対して10質量%以上必要であった。また、三次元架橋構造を有するシリコーン重合体の含有量が多くなると、塗布時の伸びが重くなり、べたつき感が高くなるという問題があった。
【0005】
特許文献3には、ポリN−アシルアルキルイミン変性シリコーンによってシリコーンオイルをゲル化する方法が提案されている。これは、ポリN−アシルアルキルイミン変性シリコーンをアセトン等の溶媒に溶解し、更に鎖状のジメチルポリシロキサンと混合して均一にした後、減圧してアセトンを除去することにより、シリコーンオイルをゲル化する方法である。しかしながら、この方法で得られるゲル組成物は、降伏値が高く崩れにくいものであり、肌なじみの悪い化粧料となってしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特公平8−6035号公報
【特許文献2】特許第2582275号公報
【特許文献3】特開平7−173395号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、低粘度のシリコーン油を肌になじませやすいゲル状にし、更には、化粧持続性、安定性に優れたゲル組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、ポリN−アシルアルキルイミン変性シリコーンを炭素数1〜3のアルコール、低粘度のシリコーン油及びポリオールと混合して均一にした後、アルコールを除去することにより、のびが良く、肌になじませやすく、化粧持続性及び安定性に優れたシリコーンゲル組成物が得られることを見出した。
【0009】
本発明は、次の成分(A)、(B)、(C)及び(D):
(A)炭素数1〜3のアルコール、
(B)次式で表されるポリN−アシルアルキルイミン変性シリコーン、
【0010】
【化1】

【0011】
〔式中、nは1〜5の数を示し、R1は水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を示し、mはモノマーの重合度で、1〜1000の数を示し、rは平均で10〜2000、pは平均で0〜20、qは平均で1〜20の数を示し、X- は四級アンモニウムイオンの対イオンを示し、エチル硫酸イオン、メチル硫酸イオン、塩素イオン、ヨウ素イオン、硫酸イオン、p−トルエンスルホン酸イオン又は過塩素酸を示す。なお、N−アシルアルキレンイミンの繰り返し単位のN末端には、重合開始剤残基が結合する〕
(C)シクロジメチルポリシロキサン又は100cs 以下のジメチルポリシロキサン、
(D)ポリオール
を混合した後、成分(A)を除き、濃縮することにより得られるシリコーンゲル組成物を提供するものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明のシリコーンゲル組成物は、のびが良く、肌になじませやすく、なめらかでさっぱりした使用感で、化粧持続性及び安定性に優れるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明で用いる成分(A)は、炭素数1〜3のアルコールである。具体的には、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコールが挙げられる。これらの中で、安全性や使用性の観点から、エタノールが好ましい。
【0014】
本発明で用いる成分(B)は、前記式で表されるポリN−アシルアルキルイミン変性シリコーンである。
このようなポリN−アシルアルキルイミン変性シリコーンは、例えば、特許第2716831号公報、特許第2716850号公報、特許第2716851号公報に記載の方法に従って、製造することができる。
製造の際には、重合開始剤として、ジエチル硫酸、ジメチル硫酸、塩酸、ヨウ化水素、硫酸、p−トルエンスルホン酸、過塩素酸等が用いられ、これらの残基が重合後のN−末端に結合する。
【0015】
成分(B)のポリマーは、平均重量分子量1000〜15万のものが好ましい。また、(B)ポリマー中の(b1)N−アシルアルキレンイミンを繰り返し単位とする親水性セグメントと、(b2)アミノ基を有するオルガノポリシロキサンセグメント質量比率は8〜25:92〜75が好ましく、更には、10〜20:90〜80であることが好ましい。
成分(B)としては、特に、POLYSILICONE−9(INCI名、花王社製)が好ましい。
【0016】
成分(B)のポリマーは、本発明のシリコーンゲル組成物中に2〜10質量%、特に3〜5質量%含有されるのが、安定なゲルが得られ、組成物ののびが良く、べたつきもなく、化粧持続性も高いので好ましい。
【0017】
成分(C)は、シクロジメチルポリシロキサン又は鎖状のジメチルポリシロキサンで、25℃における粘度が100cs以下、好ましくは1〜6csのものである。100csより粘度が高いシリコーン油の場合には、十分なゲル化が起こらず、べたつきなどの感触の低下がある。
【0018】
かかるシリコーン油としては、例えば、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、ジメチルポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン等が挙げられる。
【0019】
成分(C)は、1種以上を用いることができ、本発明のシリコーンゲル組成物中に30〜97質量%、特に40〜95質量%、更に50〜90質量%含有されるのが、塗布時に適度に乾燥が速いゲル組成物が得られるので好ましい。
【0020】
成分(D)のポリオールとしては、例えば、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリン、マルチトール、ソルビトール、ポリエチレングリコール等が挙げられ、1,3−ブチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコールが好ましい。
【0021】
成分(D)のポリオールは、1種以上を用いることができ、本発明のシリコーンゲル組成物中に1〜20質量%、特に2〜8質量%含有されるのが、化粧持続性に優れたゲル組成物を得ることができるので好ましい。成分(D)は、成分(B)が作る架橋点に作用して、柔軟な架橋点を作ると考えられる。そのため、得られたゲルが崩れやすく、なめらかなでのびの良いゲルになると考えられる。
【0022】
本発明のシリコーンゲル組成物は、例えば、成分(B)ポリN−アシルアルキルイミン変性シリコーンを成分(A)炭素数1〜3のアルコールと混合し、十分に溶解した後、成分(C)シクロジメチルポリシロキサン又は100cs以下のジメチルポリシロキサン及び(D)ポリオールと混合し、均一にする。この後、減圧又は加熱し、成分(A)の炭素数1〜3のアルコールを除去することにより、製造することができる。従って、得られるシリコーンゲル組成物中、成分(A)は、ほとんど含まれない。なお、成分(A)と(B)を混合する際には、成分(A)を成分(B)の質量に対して2〜10質量倍用いるのが好ましい。
また、成分(A)を除去する際には、エバポレーターを用いて減圧濃縮する。または、真空ポンプ等を用い減圧し、場合によっては、加熱することで蒸発させ、除去することができる。
【0023】
得られるシリコーンゲル組成物は、成分(B)を2〜10質量%、成分(C)を30〜97質量%、成分(D)を1〜20質量%を含有するものとなる。なお、後述するように、化粧料として適用する場合には、成分(C)の一部を他の化粧品原料と置き換えることになるため、含有量が少なくできる。
【0024】
本発明のシリコーンゲル組成物は、化粧料等として好適である。化粧料とする場合には、更に粉体や顔料、その他、化粧料に用いられる成分を含有することができる。
粉体としては、通常の化粧料に用いられるものであれば特に制限されず、無機粉体、有機粉体などの何れでも用いることができる。
無機粉体としては、タルク、マイカ、セリサイト、カオリン等の板状無機粉体や、シリカ、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、硫酸マグネシウム、塩化ナトリウム等の球状もしくは不定形無機粉体などが挙げられ、有機粉体としては、ポリアミド樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリメタクリル酸メチル樹脂、セルロース系樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレンとアクリル酸の共重合体、シリコーン樹脂等が挙げられる。
【0025】
これらの粉体は、1種を単独で用いても、2種以上を混合して用いても良く、美しい仕上がりを得て、適度なぼかし効果を得る観点から、本発明のゲル組成物中に0.1〜50質量%、特に1〜20質量%、更に1〜8質量%含有されるのが好ましい。
【0026】
また、顔料としては、通常の化粧料に用いられるものであれば特に制限されず、無機顔料、有機顔料などの何れでも用いることができる。
無機顔料としては、酸化チタン、黒酸化チタン、雲母チタン、亜鉛華、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、群青等が挙げられ、有機顔料としては、タール色素等が挙げられる。
顔料は、本発明のゲル組成物中に0.1〜20質量%、特に1〜8質量%含有されるのが好ましい。
【0027】
上記粉体及び顔料は、表面処理したものを用いることもでき、例えば、シリカ処理、アルミナ処理、シリカ−アルミナ処理、ポリアクリル酸処理等の親水化表面処理、シリコーン処理、フッ素化合物処理、金属石鹸処理、レシチン処理、油脂処理等の疎水化表面処理を施したものを使用することができる。
【0028】
本発明のゲル組成物は、更に保湿剤として、ヒアルロン酸ナトリウム、ピロリドンカルボン酸塩等を含有することができる。
また、細胞間脂質(セラミド等)、収斂剤、酸化防止剤、防腐剤、皮膜剤(トリメチルシロキシケイ酸等)、香料、クエン酸、クエン酸ナトリウム、乳酸、乳酸ナトリウム、紫外線吸収剤等を含有することもできる。
【0029】
本発明のシリコーンゲル組成物は、種々のゲル状化粧料とすることができる。特に、ゲル状ファンデーション、ゲル状アイライナー、ゲル状アイシャドウ、ゲル状チーク、ゲル状日焼け止め、ゲル状美容液等として好適である。
【0030】
合成例1
硫酸ジエチル3.13g(0.0203モル)と2−エチル−2−オキサゾリン48.8g(0.493モル)を脱水した酢酸エチル104gに溶解し、窒素雰囲気下6時間過熱還流し、末端反応性ポリ(N−プロピオニルエチレンイミン)を合成した。ここに、側鎖1級アミノプロピル変性ポリジメチルシロキサン(分子量11万、アミン当量9,840)200g(アミノ基にして0.0203gモル)の50%酢酸エチル溶液を一括して加え、4時間加熱還流した。反応混合物を減圧濃縮し、N−プロピオニルエチレンイミン−ジメチルシロキサン共重合体を無色ゴム状固体(247g、収率98%)として得た。シリコーンセグメントの含有率は81%、重量平均分子量は121,000であった。
【0031】
合成例2
硫酸ジエチル3.13g(0.0203モル)と2−エチル−2−オキサゾリン48.8g(0.493モル)を脱水した酢酸エチル104gに溶解し、窒素雰囲気下6時間過熱還流し、末端反応性ポリ(N−プロピオニルエチレンイミン)を合成した。ここに、側鎖1級アミノプロピル変性ポリジメチルシロキサン(分子量28万、アミン当量9,840)200g(アミノ基にして0.0203gモル)の50%酢酸エチル溶液を一括して加え、4時間加熱還流した。反応混合物を減圧濃縮し、N−プロピオニルエチレンイミン−ジメチルシロキサン共重合体を無色ゴム状固体(247g、収率98%)として得た。シリコーンセグメントの含有率は81%、重量平均分子量は121,000であった。
【0032】
合成例3
硫酸ジエチル3.56g(0.0230モル)と2−エチル−2−オキサゾリン27.5g(0.277モル)を脱水した酢酸エチル60gに溶解し、窒素雰囲気下4時間過熱還流し、末端反応性ポリ(N−プロピオニルエチレンイミン)を合成した。ここに、側鎖1級アミノプロピル変性ポリジメチルシロキサン(分子量11万、アミン当量20,800)400g(アミノ基にして0.0192gモル)の50%酢酸エチル溶液を一括して加え、8時間加熱還流した。反応混合物を減圧濃縮し、N−プロピオニルエチレンイミン−ジメチルシロキサン共重合体を白色ゴム状固体(247g、収率98%)として得た。シリコーンセグメントの含有率は92%、重量平均分子量は115,000であった。
【0033】
実施例1
合成例1で得られたN−プロピオニルエチレンイミン−ジメチルシロキサン共重合体の30%エタノール溶液10.0gを、デカメチルシクロペンタンシロキサン93g、及びグリセリン4gと混合し、この混合物を1mmHgの圧力下、約50℃で濃縮して、白色半透明のゲルを得た。
【0034】
実施例2
合成例1で得られたN−プロピオニルエチレンイミン−ジメチルシロキサン共重合体の30%エタノール溶液10.0gを、デカメチルシクロペンタンシロキサン93g、及び1,3ブチレングリコール4gと混合し、この混合物を1mmHgの圧力下、約50℃で濃縮して、白色半透明のゲルを得た。
【0035】
実施例3
合成例2で得られたN−プロピオニルエチレンイミン−ジメチルシロキサン共重合体の30%エタノール溶液10.0gを、鎖状ポリジメチルシロキサン(粘度2cs)93g、及びプロピレングリコール4gと混合し、この混合物を1mmHgの圧力下、約50℃で濃縮して、白色半透明のゲルを得た。
【0036】
実施例4
合成例3で得られたN−プロピオニルエチレンイミン−ジメチルシロキサン共重合体の30%エタノール溶液16.6gを、鎖状ポリジメチルシロキサン(粘度6cs)91g、及びPEG400 4gと混合し、この混合物を1mmHgの圧力下、約50℃で濃縮して、白色半透明のゲルを得た。
【0037】
比較例1
合成例1で得られたN−プロピオニルエチレンイミン-ジメチルシロキサン共重合体の30%エタノール溶液10.0gを、デカメチルシクロペンタンシロキサン97gと混合し、この混合物を1mmHgの圧力下、約50℃で濃縮して、白色半透明のゲルを得た。
【0038】
比較例2
合成例1で得られたN−プロピオニルエチレンイミン−ジメチルシロキサン共重合体の30%エタノール溶液10.0gを、デカメチルシクロペンタンシロキサン93gと混合し、この混合物を1mmHgの圧力下、約50℃で濃縮して、白色半透明のゲルを得た。この後、グリセリン4gと混合した。しかし、グリセリンは溶解せず、分離してしまった。従って、その他の評価はできなかった。
【0039】
比較例3
デカメチルシクロペンタシロキサン50g、架橋型メチルポリシロキサン(信越シリコーン社製、KSG16)50gを攪拌混合して、透明の組成物を得た。
得られた組成物は、ゲル状にならず、流動性のある液体となった。
【0040】
比較例4
デカメチルシクロペンタシロキサン46g、架橋型メチルポリシロキサン(信越シリコーン社製、KSG16)50g、グリセリン4gを攪拌混合して、透明の組成物を得た。
得られた組成物は、ゲル状にならず、流動性のある液体となった。
【0041】
試験例1
実施例1〜4及び比較例1〜4で得られた組成物について、ゲル化、肌なじみ、さっぱり感、化粧持続性を評価した。結果を、得られた組成物の組成とともに、表1に示す。
【0042】
(評価方法)
(1)ゲル化:
各組成物の状態について目視で観察し、以下の基準で判定を行った。
○;半固体状の軟ゲル〜固体状のゲルを呈する。
×;液体〜粘性液状を呈する。
【0043】
(2)肌なじみ、さっぱり感:
女性パネル20名により、各ゲル組成物を肌に塗布し、肌なじみ及びさっぱり感を官能評価した。評価は、非常に良いを3点、良い又は普通を2点、悪いを1点として行ない、それぞれの平均点を求めた。
【0044】
(3)化粧持続性:
女性パネル10名により、各ゲル組成物を化粧下地として顔面に塗布し、以下に示す組成のパウダーファンデーションを重ね、6時間後の状態を評価した。評価は、非常に良いを3点、良い又は普通を2点、悪いを1点として行ない、それぞれの平均点を求めた。
【0045】
(評価用パウダーファンデーション)
(3−1)組成:
(1)ジメチルポリシロキサン(粘度2cs) 2(質量%)
(2)ジメチルポリシロキサン(粘度6cs) 6
(3)メトキシケイ皮酸エチルヘキシル 2
(4)シリコーン処理マイカ 60
(5)シリコーン処理微粒子酸化チタン(テイカ社製) 3
(6)シリコーン処理球状シリカ 2
(7)シリコーン処理酸化チタン 5
(8)シリコーン処理酸化鉄(赤、黄、黒) 2
(9)シリコーン処理雲母チタン 6
(10)シリコーン処理微粒子酸化亜鉛 10
(11)ナイロンパウダー 2
【0046】
(3−2)製造方法:
成分(4)〜(11)をヘンシェルミキサーで混合した後、成分(1)〜(3)を加え、更にヘンシェルミキサーにて混合する。この混合物を金皿(5cmφ×0.5cm)に充填し、50kgf/cm2の圧力でプレスし、評価用ファンデーションを得た。
【0047】
【表1】

【0048】
実施例5(ゲル状ファンデーション)
(成分)
(1)合成例1で得られたN−プロピオニルエチレンイミン−
ジメチルシロキサン共重合体の20%エタノール溶液 15(質量部)
(2)デカメチルシクロペンタンシロキサン 42
(3)ジメチルポリシロキサン(粘度2cs) 20
(4)ジメチルポリシロキサン(粘度10cs) 10
(5)イソパラフィン(C10〜C12) 5
(6)グリセリン 5
(7)シリコーン処理微粒子酸化チタン(テイカ社製) 3
(8)シリコーン処理球状シリカ 2
(9)シリコーン処理酸化チタン 5
(10)シリコーン処理酸化鉄(赤、黄、黒) 2
(11)シリコーン処理雲母チタン 1
(11)ナイロンパウダー 2
【0049】
成分(7)〜(12)をヘンシェルミキサーで混合し、これをあらかじめ混合しておいた成分(1)〜(6)に加え、攪拌機で分散混合する。この混合物を1mmHgの圧力下、約50℃で濃縮して、ゲル状ファンデーションを得た。
【0050】
比較例5(ゲル状ファンデーション)
(1)合成例1で得られたN−プロピオニルエチレンイミン−
ジメチルシロキサン共重合体の20%エタノール溶液 15(質量部)
(2)デカメチルシクロペンタンシロキサン 47
(3)ジメチルポリシロキサン(粘度2cs) 20
(4)ジメチルポリシロキサン(粘度10cs) 10
(5)イソパラフィン(C10〜C12) 5
(6)シリコーン処理微粒子酸化チタン(テイカ社製) 3
(7)シリコーン処理球状シリカ 2
(8)シリコーン処理酸化チタン 5
(9)シリコーン処理酸化鉄(赤、黄、黒) 2
(10)シリコーン処理雲母チタン 1
(11)ナイロンパウダー 2
【0051】
成分(6)〜(11)をヘンシェルミキサーで混合し、これをあらかじめ混合しておいた成分(1)〜(5)に加え、攪拌機で分散混合する。この混合物を1mmHgの圧力下、約50℃で濃縮して、ゲル状ファンデーションを得た。
【0052】
試験例
実施例5及び比較例5で得られたゲル状ファンデーションについて、実施例1〜4と同様にして、肌なじみ、さっぱり感、化粧持続性を評価した。また、化粧膜の均一性について、評価した。結果を表2に示す。
【0053】
(評価方法)
化粧膜の均一性:
女性パネル20名により、各ファンデーションを塗布したとき、化粧膜の均一性について、非常に良いを3点、良い又は普通を2点、悪いを1点として行ない、それぞれの平均点を求めた。
【0054】
【表2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の成分(A)、(B)、(C)及び(D):
(A)炭素数1〜3のアルコール、
(B)次式で表されるポリN−アシルアルキルイミン変性シリコーン、
【化1】

〔式中、nは1〜5の数を示し、R1は水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を示し、mはモノマーの重合度で、1〜1000の数を示し、rは平均で10〜2000、pは平均で0〜20、qは平均で1〜20の数を示し、X- は四級アンモニウムイオンの対イオンを示し、エチル硫酸イオン、メチル硫酸イオン、塩素イオン、ヨウ素イオン、硫酸イオン、p−トルエンスルホン酸イオン又は過塩素酸を示す。なお、N−アシルアルキレンイミンの繰り返し単位のN末端には、重合開始剤残基が結合する〕
(C)シクロジメチルポリシロキサン又は100cs 以下のジメチルポリシロキサン、
(D)ポリオール
を混合した後、成分(A)を除き、濃縮することにより得られるシリコーンゲル組成物。
【請求項2】
成分(B)を2〜10質量%、成分(C)を30〜97質量%、成分(D)を1〜20質量%を含有するものである請求項1記載のシリコーンゲル組成物。
【請求項3】
次の成分(A)、(B)、(C)及び(D):
(A)炭素数1〜3のアルコール、
(B)次式で表されるポリN−アシルアルキルイミン変性シリコーン、
【化2】

〔式中、nは1〜5の数を示し、R1は水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を示し、mはモノマーの重合度で、1〜1000の数を示し、rは平均で10〜2000、pは平均で0〜20、qは平均で1〜20の数を示し、X- は四級アンモニウムイオンの対イオンを示し、エチル硫酸イオン、メチル硫酸イオン、塩素イオン、ヨウ素イオン、硫酸イオン、p−トルエンスルホン酸イオン又は過塩素酸を示す。なお、N−アシルアルキレンイミンの繰り返し単位のN末端には、重合開始剤残基が結合する〕
(C)シクロジメチルポリシロキサン又は100cs 以下のジメチルポリシロキサン、
(D)ポリオール
を混合した後、成分(A)を除き、濃縮することにより得られるシリコーンゲル化粧料。

【公開番号】特開2011−105639(P2011−105639A)
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−261895(P2009−261895)
【出願日】平成21年11月17日(2009.11.17)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】