説明

シロキサンベースのポリアミドエラストマー

シロキサンベースのポリアミドエラストマーは、オレフィン酸および有機アミンを含有する反応混合物を加熱して有機アミドを形成すること、および上記有機アミドを、ヒドリド官能性ポリオルガノシロキサンと、ヒドロシリル化触媒の存在下で反応させて上記シロキサンベースのポリアミドエラストマーを形成することにより調製することができる。ヒドリド官能性ポリオルガノシロキサンは、少なくとも1つのペンダント水素を含有する。上記エラストマーは、パーソナルケア製品において有用な添加剤であり、毛髪、皮膚または腋下に塗布することができる。また、上記エラストマーは、熱可塑性ナイロンを改質するのに、ならびにエアバッグ、カーペットおよび衣服のような織布および不織布を処理するために使用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば米国特許第5,981,680号(これ以降では、’680特許と称する)に記載されるようなシロキサンベースのポリアミドを作製する方法の改善および変更である。
【0002】
シリコーンエラストマーは、多種多様な架橋反応により、直鎖状シリコーンポリマーから生産することができる。例えばシリコーン浴槽コーキング剤の場合では、架橋反応は、反応性シラノール基(≡SiOH)とアセトキシ基(≡SiOCOCH)との間で行われる。形成される各架橋に関して、酢酸の分子が放出され、コーキング剤が硬化すると、特徴的なビネガーの臭いを生じる。かかるシナリオにおけるアセトキシ基は、架橋が形成される際に、脱離する、すなわち蒸発する酢酸に変換されることから脱離基と呼ばれる。シリコーンエラストマーを調製するための多くの他の異なる架橋が存在する一方で、パーソナルケア用途での使用に関して設計されるシリコーンエラストマーは通常すべて架橋反応としてヒドロシリル化を使用する。
【0003】
架橋反応としてヒドロシリル化を使用することには、多くの利点が存在する。ヒドロシリル化は、非常に迅速に進行し、ヒドロシリル化は、非常に少量の当該技術分野で既知であるような白金触媒、すなわち、通常カルステッド(Karstedt)触媒を要し、またヒドロシリル化は、脱離基を包含しない。しかし、その人気の最も重要な理由は、シリコーンエラストマーの調製において、架橋剤およびポリマーとして使用することができる材料のタイプについて制限が非常に少ないことである。例えば、SiH官能性は、ポリオルガノシロキサンポリマー、シリコーン樹脂、あるいは幾つか他のタイプのシリコーンまたは有機ケイ素組成物の一部であり得る。同様に、R基は、シリコーン、炭化水素、または幾つか他のタイプの有機化合物に結合させることができる。この柔軟性は、当業者が多くのかつ多様なタイプの官能基をエラストマーにグラフトすることを可能にする。
【0004】
シロキサンベースのポリアミドエラストマーは一般的に、米国特許第4,675,372号(1987年6月23日)(これ以降では、’372特許と称する)により明らかなように、当該技術分野で既知である一方で、シロキサンベースのポリアミドエラストマーは、反応のメカニズムとしてヒドロシリル化を使用しておらず、また’372特許においてシロキサンベースのポリアミドエラストマーを形成するのに使用される構成成分は、本発明による構成成分と同じでなく、また本発明による構成成分の等価物でもない。したがって、’372特許により調製されるエラストマーは、必然的に本発明で調製されるエラストマーと同じではない。
【0005】
’680特許は、架橋された分子を調製する方法について言及する一方で、’680特許が、ビニル官能性アミドの調製において、有機ジアミンの代わりにトリアミン、すなわち三官能性アミンを使用すること、および’680特許におけるヒドリド官能性ポリオルガノシロキサンが、≡SiHで末端ブロックされ、本発明の方法で見られるようなペンダント水素を含有しないという点で、’680特許は本発明の方法と異なる。これらの違いは、有機ビニル官能性トリアミドを使用する場合に、架橋剤が有機アミドではなくヒドリド官能性ポリオルガノシロキサンである(すなわち、’680特許における式IVを参照)ことにおいて意義深い。しかしながら、本発明による方法では、有機ジアミンが、ペンダント水素含有ヒドリド官能性ポリオルガノシロキサンの分子鎖間の架橋剤である。したがって、’680特許により調製されるエラストマーは、必然的に本発明で調製されるエラストマーと同じではない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、有機アミドを、ヒドリド官能性ポリオルガノシロキサンと、ヒドロシリル化触媒の存在下で反応させ、シロキサンベースのポリアミドエラストマーを形成することにより、シロキサンベースのポリアミドエラストマーを作製する方法に関する。ヒドリド官能性ポリオルガノシロキサンは、少なくとも1つのペンダント水素を含有するポリマーまたはコポリマーである。
【0007】
有機アミンは、ヘキサメチレンジアミン、エチレンジアミンおよびデカメチレンジアミンのような化合物であり得る。オレフィン酸は、ウンデシレン酸、アクリル酸、3−ブテン酸および4−ペンテン酸のような化合物であり得る。
【0008】
望ましい場合には、指定量の連鎖停止剤を含ませることができる。適切な連鎖停止剤は、シリコーン−有機コポリマーを作製する方法(Methods for Making Silicone-Organic Copolymers)という表題の米国特許公報第20030105260 A1号に記載されている。
【0009】
この方法により調製されるシロキサンベースのポリアミドエラストマーは、パーソナルケアタイプの製品の有用な構成成分であり、シロキサンベースのポリアミドエラストマーは、ヒトの身体の毛髪、皮膚または腋下領域に塗布することができる。また、シロキサンベースのポリアミドエラストマーは、熱可塑性ナイロンを改質するのに、ならびにエアバッグ、カーペットおよび衣服のような織布および不織布を処理するために使用することができる。
【0010】
<ヒドリド官能性ポリオルガノシロキサン>
本発明のプロセスで使用されるヒドリド官能性ポリオルガノシロキサン(HFPOS)は、以下に示す式I〜式IVのうちの1つに相当する式を有するポリマーまたはコポリマーに概して一致するHYPOSである。
【0011】
【化1】

【0012】
これらの式では、R1は、(i)1〜20個の炭素原子を含有するアルキル基、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、ドデシルおよびオクタデシル、(ii)アリール基、例えばフェニル、キセニル(すなわちジフェニル)、ナフチルおよびアントラシル、(iii)アルカリール(すなわち、アルキルアリール)基、例えばトリルおよびキシリル、(iv)アラルキル(すなわち、アリールアルキル)基、例えばベンジル(すなわち、フェニルメチル)、フェニルエチル(すなわち、フェネチル)および2−フェニルプロピルを表し、(v)nおよびmはそれぞれ、1〜1,000の値を有する。式I〜式IVにおけるHFPOSは、少なくとも1つのペンダント水素を含有する。
【0013】
<オレフィン酸>
使用することができる適切なオレフィン酸の幾つかの代表例としては、ウンデシレン酸HC=CH(CHCOOH、アクリル酸HC=CHCOOH、3−ブタン酸(ビニル酢酸)HC=CHCHCOOH、4−ペンテン酸HC=CHCHCHCOOH、および様々な長さの炭素鎖を有する他のオレフィン酸が挙げられる。
【0014】
<有機アミン>
使用することができる適切な有機アミンの幾つかの代表例としては、ヘキサメチレンジアミン、エチレンジアミンのような直鎖状アルキルジアミン、かかる直鎖状アルキルジアミンの混合物、ならびにデカメチレンジアミンのような他のアミンが挙げられる。
【0015】
<有機アミド>
以下に図示するように、本発明のプロセスの工程の1つが、オレフィン酸を有機ジアミンと反応させて、有機ジアミドを生成する反応シナリオを包含するため、特定の有機ジアミドは、使用する特定のオレフィン酸および有機ジアミンに必然的に依存する。
【0016】
【化2】

【0017】
これに関して、シリコーン−有機コポリマーを作製する方法(Methods for Making Silicone-Organic Copolymers)を表題とする米国特許公報第20030105260 A1号によれば、架橋密度を制限するのに、ある程度の飽和すなわち非ビニル末端オレフィン酸を必要とする場合があることに留意すべきである。
【0018】
続いて、有機アミドを順にヒドロシリル化触媒の存在下でヒドリド官能性ポリオルガノシロキサンと反応させて、シロキサンベースのポリアミドエラストマーを形成する。
【0019】
<触媒>
上述のように、触媒によるヒドロシリル化反応が本発明により使用され、したがってプロセスは、ヒドリド官能性ポリオルガノシロキサンと不飽和を含有する材料、すなわち本発明の場合では有機ジアミドとの反応を達成するための触媒を必要とする。適切な触媒は、第VIII族遷移金属、すなわち貴金属である。かかる貴金属触媒は、米国特許第3,923,705号に記載されている。1つの好ましい白金触媒は、カルステッド触媒であり、これは、カルステッド(Karstedt)の米国特許第3,715,334号および同第3,814,730号に記載されている。カルステッド触媒は、通常トルエンのような溶媒中に1重量%の白金を含有する白金ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体である。別の好ましい白金触媒は、米国特許第3,419,593号に記載されるように、クロロ白金酸と末端脂肪族不飽和を含有する有機ケイ素化合物との反応生成物である。例えば、米国特許第5,175,325号に記載されるように、二塩化白金とジビニルテトラメチルジシロキサンとの被中和複合体が、白金触媒として最も好ましい。
【0020】
貴金属触媒は、ヒドリド官能性ポリオルガノシロキサン100重量部につき0.00001〜0.5部の量で使用することができる。好ましくは、触媒は、組成物全体につき5〜15ppmのPt金属を提供するのに十分な量で使用すべきである。
【0021】
<溶媒>
米国特許第5,811,487号(1998年9月22日)および同第5,889,108号(1999年3月30日)は、使用することができる適切な組成物の広範囲のリストを含んでおり、その中には例えば、(i)揮発性ポリジメチルシロキサン、例えばヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサンおよびデカメチルシクロペンタシロキサン、(ii)概して5〜1,000センチストークス(mm/s)の範囲の粘度を有する不揮発性ポリジメチルシロキサン、(iii)芳香物質、例えばジャコウおよびミルラ、および(iv)それらの混合物がある。
【0022】
動物、植物または鉱物源に由来する天然油のような有機油もまた適切である。扁桃油、杏仁油、アボガド油、カカオバター(カカオ油)、ニンジン種子油、ヒマシ油、シトラス種子油、ヤシ油、トウモロコシ油、綿実油、キュウリ油、卵油、ホホバ油、ラノリン油、アマニ油、鉱油、ミンク油、オリーブ油、パーム核油、桃仁油、落花生油、ナタネ油、サフラワー油、ゴマ油、サメ肝油、ダイズ油、ヒマワリ種子油、甘扁桃油、獣脂(ウシ)脂、獣脂(ヒツジ)油、カメ油、植物油、鯨油、および麦芽油のような化粧品目的で安全であることが知られている現代の化粧品油が最も好ましい。
【0023】
非水性極性溶媒であると当該技術分野でみなされている溶媒を使用することができるが、パーソナルケア用途用に意図されるかかる溶媒を含有する組成物は、化粧品的に許容可能であると一般的に認識される非水性極性溶媒のみに限定されるべきである。使用することができる化粧品的に許容可能な非水性極性溶媒の幾つかの代表例は、エチルアルコールおよびイソピロピルアルコールのようなモノヒドロキシアルコール、プロピレングリコール、1,2−ヘキサンジオールCH(CHCH(OH)CHOHおよびグリセロールのようなジオールならびにトリオール、グリセリルトリアセテート(トリアセチン)、グリセリルトリプロピオネート(トリプロピオニン)およびグリセリルトリブチレート(トリブチリン)のようなグリセロールエステル、ならびにポリエチレングリコールのようなポリグリコールである。しかしながら、パーソナルケア以外の用途では、これらおよび他の非水性極性溶媒を使用することができる。
【0024】
溶媒の使用は、多くの場合で有益である一方で、1つまたはそれ以上の溶媒の使用は、絶対に必要とされるわけではない。例えば、当該技術分野のシロキサンベースのポリアミド系の通常の状態では、トルエンおよびキシレンが一般的に使用されているが、シロキサンベースのポリアミドが、臭気、健康および/または環境規制が懸案事項である用途用に意図される場合に、トルエンおよびキシレンは、さらなる除去プロセスによる除去を要するという点で不都合が生じる。かかる状況では、溶媒を使用しないか、またはデカメチルシクロペンタシロキサンおよびフェニルトリス(トリメチルシロキシ)シランのような組成物の使用が一般的に考慮される溶液である。同様に、ミリスチルアルコールのような直鎖状アルコールのポリプロピレングリコールエーテルもまた使用してもよい。これらのグリコールエーテルの典型例は、PPG−3ミリスチルエーテルおよびPPG−4ミリスチルエーテルのような組成物である。
【0025】
溶媒を省略する場合、重合中に十分混合すると、外観がほぼ透明であり、かつ色彩の薄い高分子量のシロキサンベースのポリアミドを作製することができる。本明細書中で使用する場合の無溶媒は、(i)微量の残留溶媒が触媒調製物の一部として導入される状況、ならびに(ii)さらなる溶媒が存在しない状況を網羅するように意図される。
【0026】
上記プロセスの実施は、単に、ヒドリド官能性ポリオルガノシロキサン(複数可)、不飽和を含有する材料、すなわち有機アミドおよび触媒を組み合わせることおよびこれらの成分を混合することである。反応温度は、広範囲にわたって様々であることができ、最適温度は、触媒の濃度および反応物の性質に依存する。通常、300℃以下の反応温度を維持することが最良である。大抵の反応物を用いた場合の最良の結果は、80℃〜180℃で反応を開始すること、およびこの範囲の合理的な限界内で反応を維持することにより得ることができる。
【0027】
通常、上記プロセスは、およそ1:1のモル比のポリオルガノシロキサン内のヒドリド官能性および不飽和を含有する材料を用いて実施される。有用な材料はまた、過剰量のヒドリド官能性ポリオルガノシロキサンまたは不飽和を含有する材料を用いて上記プロセスを実施することにより調製され得ることが予期されるが、これは、材料のあまり効率的でない使用とみなされる。上記プロセスが溶媒(複数可)の使用を包含する場合、溶媒は、組成物の総重量に基づいて、1〜85重量%の量で存在する。しかしながら、上述のように、上記プロセスの溶媒(複数可)構成成分は任意であり、したがって、望ましい場合には、溶媒を省略することができる。
【実施例】
【0028】
以下の実施例は、本発明をより詳細に説明するために記載される。
【0029】
これらの実施例で使用されるヒドリド官能性ポリオルガノシロキサンは、上述の式IIに相当する構造を有するコポリマーであった。実施例1では、mの値は93であり、nの値は6であった。実施例2では、mの値は396であり、nの値は4であった。分子量は、重量平均(M)として報告される。
【0030】
(実施例1)
温度プローブ、電気スターラおよび冷却管を装備した500mlの3つ口丸底フラスコに、ウンデシレン酸とヘキサメチレンジアミンを反応させることにより調製した有機ジアミド7.6グラム、PPG−4ミリスチルエーテル(溶媒)7.6グラム、およびデカメチルシクロペンタシロキサン(溶媒)160グラムを入れた。混合物を130℃に15分間加熱して、有機ジアミドを溶解させた。次に、ヒドリド官能性ポリオルガノシロキサン40グラムを、添加漏斗により滴下した。ヒドリド官能性ポリオルガノシロキサン5グラムを添加した後に、白金触媒0.2グラムを添加した。残りのシロキサン(複数可)を添加した後、白金触媒をさらに0.2グラム添加した。反応混合物を1時間攪拌して、ポリマーを成長および架橋させた。最終組成物の分析により、最終組成物は、分子量107,500を有するエラストマー部分を伴うゲル様材料であることが示された。このエラストマーの多分散性は、3.66であった。
【0031】
(実施例2)
温度プローブ、電気スターラおよび冷却管を装備した500mlの3つ口丸底フラスコに、ウンデシレン酸とヘキサメチレンジアミンを反応させることにより調製した有機ジアミド6.35グラム、PPG−4ミリスチルエーテル(溶媒)3.24グラム、およびデカメチルシクロペンタシロキサン(溶媒)52グラムを入れた。混合物を130℃に15分間加熱して、有機ジアミドを溶解させた。次に、ヒドリド官能性ポリオルガノシロキサン212グラムを、添加漏斗により滴下した。ヒドリド官能性ポリオルガノシロキサン5グラムを添加した後に、白金触媒0.2グラムを添加した。残りのシロキサン(複数可)を添加した後、白金触媒をさらに0.2グラム添加した。反応混合物を1時間攪拌して、ポリマーを成長および架橋させた。最終組成物の分析により、最終組成物は、分子量151,000を有するエラストマー部分を伴うゲル様材料であることが示された。このエラストマーの多分散性は、3.05であった。
【0032】
本発明によるシロキサンベースのポリアミドエラストマーは、パーソナルケアにおいて、例えば制汗剤および消臭剤の調製において特に有用である。本発明によるシロキサンベースのポリアミドは、スキンクリーム、スキンケアローション、保湿剤、フェイシャルトリートメント(例えば、にきびまたはしわリムーバー)、パーソナルクレンザーおよびフェイシャルクレンザー、バスオイル、香水、オーデコロン、サシェ(sachet)、日焼け防止剤、プレシェーブローションおよびアフターシェーブローション、ひげそり用石鹸、ならびにひげそり用泡で使用することができる。本発明によるシロキサンベースのポリアミドエラストマーは、ヘアシャンプー、ヘアコンディショナー、ヘアスプレー、ムース、パーマネント、脱毛剤、およびキューティクルコートで使用することができる。化粧品では、本発明によるシロキサンベースのポリアミドエラストマーは、メーキャップ、カラーコスメティック、ファンデーション、ほお紅、口紅、アイライナー、マスカラ、オイルリムーバー、カラーコスメティックリムーバー、およびパウダーに添加することができる。かかる用途では、本発明によるシロキサンベースのポリアミドエラストマーは、油溶性、極性溶媒溶性、および水溶性成分(例えば、ビタミン)を含んでもよい。
【0033】
また、シロキサンベースのポリアミドエラストマーは、医薬品、殺生物剤、除草剤、殺虫剤、およびその他の生物学的に活性な物質用のキャリアとして機能することも可能であり、シロキサンベースのポリアミドエラストマーは、一般的に個人的な衛生および家庭の清掃作業用に売買されている湿式クレンジングワイプ(例えばウェットワイプ)、ティッシュおよびタオルで使用されるセルロース系物質または合成不織キャリア物質用の添加剤として有用である。シロキサンベースのポリアミドエラストマーはまた、熱可塑性ナイロンを改質するのに、ならびにエアバッグ、カーペットおよび衣服のような織布および不織布を処理するために使用することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)有機アミドを(ii)ヒドリド官能性ポリオルガノシロキサンと、任意に(iii)溶媒および(iv)ヒドロシリル化触媒の存在下で、加熱して反応させ、シロキサンベースのポリアミドエラストマーを形成することを含む、シロキサンベースのポリアミドエラストマーを作製する方法であって、前記ヒドリド官能性ポリオルガノシロキサンは、以下の:
【化1】

(式中、R1は、(i)1〜20個の炭素原子を含有するアルキル基、(ii)アリール基、(iii)アルカリール基または(iv)アラルキル基を表し、(v)nおよびmはそれぞれ、1〜1,000の値を有する)から選択される式を有するポリマーまたはコポリマーである方法。
【請求項2】
前記有機アミドは、ヘキサメチレンジアミン、エチレンジアミンおよびデカメチレンジアミンからなる群から選択される有機ジアミンと、オレフィン酸とから調製されるジアミドである請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記オレフィン酸は、ウンデシレン酸、アクリル酸、3−ブテン酸および4−ペンテン酸からなる群から選択される化合物である請求項2に記載の方法。
【請求項4】
請求項1で規定される方法により調製されるシロキサンベースのポリアミドエラストマー。
【請求項5】
請求項4に記載のシロキサンベースのポリアミドエラストマーを含有する製品であって、制汗剤、消臭剤、スキンクリーム、スキンケアローション、保湿剤、フェイシャルトリートメント、ニキビリムーバー、しわリムーバー、パーソナルクレンザー、フェイシャルクレンザー、バスオイル、香水、オーデコロン、サシェ、日焼け防止剤、プレシェーブローション、アフターシェーブローション、ひげそり用石鹸、ひげそり用泡、ヘアシャンプー、ヘアコンディショナー、ヘアスプレー、ムース、パーマネント、脱毛剤、キューティクルコート、メーキャップ、カラーコスメティック、ファンデーション、ほお紅、口紅、アイライナー、マスカラ、オイルリムーバー、カラーコスメティックリムーバー、バスパウダー、ボディパウダー、医薬品、殺生物剤、除草剤、殺虫剤、生物学的に活性な物質、セルロース系物質、合成不織物質、湿式クレンジングワイプ、ティッシュおよびタオルからなる群から選択される製品。
【請求項6】
毛髪、皮膚または腋下を処理する方法であって、請求項4に記載のシロキサンベースのポリアミドエラストマーを、毛髪、皮膚または腋下に塗布することを含む方法。
【請求項7】
熱可塑性ナイロンを改質する方法であって、請求項4に記載のシロキサンベースのポリアミドエラストマーを、前記熱可塑性ナイロンに塗布することを含む方法。
【請求項8】
織布および不織布を処理する方法であって、請求項4に記載のシロキサンベースのポリアミドエラストマーを、前記布に塗布することを含む方法。

【公表番号】特表2006−520411(P2006−520411A)
【公表日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−503415(P2006−503415)
【出願日】平成16年2月9日(2004.2.9)
【国際出願番号】PCT/US2004/003650
【国際公開番号】WO2004/072152
【国際公開日】平成16年8月26日(2004.8.26)
【出願人】(596012272)ダウ・コーニング・コーポレイション (347)
【Fターム(参考)】