シロキサン誘導体およびシロキサン誘導体被覆無機酸化物
【課題】本発明は、新規なシロキサン誘導体を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明のシロキサン誘導体は、分岐シロキサン構造を有し要部となる化合物を有する。シロキサン誘導体はデンドリティックポリマーであることが好ましい。シロキサン誘導体は、要部となる化合物にモノマーを重合したポリマーであることが好ましい。要部となる化合物としては、1,1,3,3,3-ペンタメチル-ビニルジシロキサン、1,1,3,3-テトラメチル-3-フェニルビニルジシロキサン、1,1,3-トリメチル-3,3-ジフェニルビニルジシロキサン、トリメチルビニルシラン、ジメチルフェニルビニルシラン、1,3,3,5,5-ペンタメチル-3,5-ジフェニルビニルトリシロキサン、およびトリエトキシビニルシランを用いた。モノマーとしては1,1,3,5,5-ペンタメチル-1,5-ジビニルトリシロキサンを用いた。
【解決手段】本発明のシロキサン誘導体は、分岐シロキサン構造を有し要部となる化合物を有する。シロキサン誘導体はデンドリティックポリマーであることが好ましい。シロキサン誘導体は、要部となる化合物にモノマーを重合したポリマーであることが好ましい。要部となる化合物としては、1,1,3,3,3-ペンタメチル-ビニルジシロキサン、1,1,3,3-テトラメチル-3-フェニルビニルジシロキサン、1,1,3-トリメチル-3,3-ジフェニルビニルジシロキサン、トリメチルビニルシラン、ジメチルフェニルビニルシラン、1,3,3,5,5-ペンタメチル-3,5-ジフェニルビニルトリシロキサン、およびトリエトキシビニルシランを用いた。モノマーとしては1,1,3,5,5-ペンタメチル-1,5-ジビニルトリシロキサンを用いた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規なシロキサン誘導体に関する。また、本発明は、前記シロキサン誘導体を被覆する新規なシロキサン誘導体被覆無機酸化物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、シロキサン樹脂はゴム状材料としてパッキングに使用されたり、液状で塗料やオイルとして使用されてきた。このとき、直鎖状ポリシロキサンの末端や主鎖からペンダントされる形で反応性基を導入し、主に空気中の水分の助けによって硬化させる手法がとられてきた。
【0003】
近年、親水性と疎水性を同時に有する両親媒性物質としてミセル様挙動をする材料や、半導体素子において低波長領域の光で加工でき、サブミクロンの線幅を達成できる材料として新たな応用展開が進行しつつある。このような目的に好適な材料としては、疎水性のシロキサン構造に多くの親水性基を導入できたり、低波長領域の光にも透明なシロキサン構造に多くの光官能性基を導入できる材料である。
【0004】
しかし、従来の直鎖状シロキサンでは、末端は2個しかなく官能基導入には数が少なすぎる。また、直鎖状シロキサンの主鎖にペンダントする形で官能基を導入した場合には、シロキサンの主鎖の疎水性と官能基の親水性等、それぞれの機能を分離することが困難となる。
【0005】
このため、機能分離をより容易にでき、種々の機能を持たせることができるポリマーの開発が望まれていた。この要望に応えるべく開発されたのが、ABX型モノマーを自己重合させるハイパーブランチポリシロキシシラン(HBPS)である。ABX型モノマーの自己重合によってハイパーブランチポリシロキシシラン(HBPS)を合成するときには、白金系触媒を一般に使用するが、その使用量や反応温度等の反応条件によって分子量を制御していた(例えば、非特許文献1参照。)。
【0006】
【非特許文献1】Preparation of poly(N-isopropylacrylamide) grafted silica bead using hyperbranched polysiloxysilane as polymer brush and application to temperature-responsive HPLC, Makoto Seino, Kazutoshi Yokomachi, Teruaki Hayakawa, Ryohei Kikuchi, Masa-aki Kakimoto, Shin Horiuchi, Polymer, vol. 47, issue 6, pp. 1946-1952 (2006)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、この方法によれば反応条件と到達分子量との間にはもともと関連は無く、試行錯誤の結果目的とする分子量に到達できる。かつこの方法によっては、要部に機能性基を導入することはできないという問題がある。
【0008】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、新規なシロキサン誘導体を提供することを目的とする。
また、本発明は、前記シロキサン誘導体を被覆する新規なシロキサン誘導体被覆無機酸化物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決し、本発明の目的を達成するため、本発明のシロキサン誘導体は、分岐シロキサン構造を有し、要部となる化合物を有する。
【0010】
ここで、限定されるわけではないが、シロキサン誘導体はデンドリティックポリマーであることが好ましい。また、限定されるわけではないが、シロキサン誘導体は、要部となる化合物(化75)から選ばれる1種または2種以上のものに、モノマー(化81〜91)から選ばれる1種または2種以上のものを重合したポリマーであることが好ましい。
【0011】
本発明のシロキサン誘導体被覆無機酸化物は、シロキサン誘導体が分岐シロキサン構造を有しかつ要部となる化合物を有する。
【0012】
ここで、限定されるわけではないが、シロキサン誘導体はデンドリティックポリマーであることが好ましい。また、限定されるわけではないが、シロキサン誘導体が、要部となる化合物(化75)から選ばれる1種または2種以上のものに、モノマー(化81〜91)から選ばれる1種または2種以上のものを重合したポリマーであり、このポリマーの末端オレフィン基(化92)の一部または全部が、官能基(化93〜97および化108〜168)から選ばれる1種または2種以上のものに置換されていることが好ましい。また、限定されるわけではないが、無機酸化物が、ガラス、シリカゲル、酸化チタン、チタン酸バリウム、インジウムチンオキシド(ITO)、酸化アルミニウム、酸化ニッケル、酸化鉄、酸化ケイ素、酸化亜鉛の単独、もしくは2種以上を組み合わせたものであることが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、以下に記載されるような効果を奏する。
【0014】
本発明は、シロキサン誘導体が分岐シロキサン構造を有し要部となる化合物を有するので、新規なシロキサン誘導体を提供することができる。
【0015】
本発明は、シロキサン誘導体が分岐シロキサン構造を有しかつ要部となる化合物を有するので、新規なシロキサン誘導体被覆無機酸化物を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
まず、シロキサン誘導体にかかる発明を実施するための最良の形態について説明する。
【0017】
本発明のシロキサン誘導体は、分岐シロキサン構造を有し、要部となる化合物を有するものである。また、シロキサン誘導体はデンドリティックポリマーであることが好ましい。また、シロキサン誘導体は具体的な例として、要部となる化合物(化75)から選ばれる1種または2種以上のものに、モノマー(化81〜91)から選ばれる1種または2種以上のものを重合したポリマーを含むものなどがある。なお、「要部」とは、ハイパーブランチポリシロキシシラン(HBPS)の構造における、扇の要に相当する部分のことである。
【0018】
本発明のシロキサン誘導体の製造方法においては、要部となる化合物(化75)から選ばれる1種または2種以上のものと、モノマー(化81〜91)から選ばれる1種または2種以上のものを溶媒に溶解し、触媒の存在下、所定温度で所定時間反応させてポリマーを合成する。
【0019】
【化75】
(Rは、n-プロピル基、n-ブチル基、ペンチル基、イソプロピル基、イソブチル基、t-ブチル基、等のアルキル基。またはRは、フェニル基、o-トリル基、m-トリル基、p-トリル基、o-メトキシフェニル基、m-メトキシフェニル基、p-メトキシフェニル基、α-ナフチル基、β-ナフチル基、等のアリール基。またはRは、アリール基(化76)、シリル基(化77〜79)、アルコキシシリル基(化80)。)
【化76】
(Ar1, Ar2, Ar3のうち少なくとも1つは、フェニル基、o-トリル基、m-トリル基、p-トリル基、o-メトキシフェニル基、m-メトキシフェニル基、p-メトキシフェニル基、α-ナフチル基、β-ナフチル基、等のアリール基。他のAr1, Ar2, Ar3は水素原子。)
【化77】
(シリル基は、2つのうちいずれかである。R1, R2, R3は、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、t-ブチル基、フェニル基、等の置換基。)
【化78】
(シリル基は、2つのうちいずれかである。R1, R2, R3, R4, R5は、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、t-ブチル基、フェニル基、等の置換基。)
【化79】
(R1, R2, R3, R4, R5, R6, R7 は、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、t-ブチル基、フェニル基、等の置換基。)
【化80】
(アルコキシシリル基は、2つのうちいずれかである。R1, R2, R3は、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、t-ブチル基、フェニル基、等の置換基。)
【化81】
【化82】
【化83】
【化84】
【化85】
【化86】
【化87】
【化88】
【化89】
【化90】
【化91】
【0020】
この反応で、触媒としては、Karstedt触媒、塩化白金酸などを使用することができる。
【0021】
この反応で、溶媒としては、THF、ジエチルエ−テル、ジオキサン、ヘキサン、トルエ
ン、ベンゼン、キシレンなどを使用することができる。
【0022】
この反応で、反応温度は、0 〜150 ℃の範囲内にあることが好ましい。
【0023】
この反応で、反応時間は、10分〜72 時間の範囲内にあることが好ましい。
【0024】
以上のことから、本発明を実施するための最良の形態によれば、ABX型モノマーの自己重合によってハイパーブランチポリシロキシシラン(HBPS)合成するときに、ビニル化合物を共存させることによって分子量を制御したHBPSを作製することができる。
【0025】
HBPSをガラスやシリコンウェファ等の無機酸化物表面に吸着させる技術はすでにあるが、分子量が制御されたHBPSを使用すれば、無機酸化物表面に薄くHBPSをコートすることができる。
【0026】
ビニル化合物がHBPSの要部に挿入されることを利用して、あらかじめ機能性基を有するビニル化合物を使用することで、HBPSを機能化することができる。
【0027】
なお、本発明は上述の発明を実施するための最良の形態に限らず本発明の要旨を逸脱することなくその他種々の構成を採り得ることはもちろんである。
【0028】
つぎに、シロキサン誘導体被覆無機酸化物にかかる発明を実施するための最良の形態について説明する。
【0029】
まず、シロキサン誘導体被覆無機酸化物の出発原料について説明する。出発原料としては、無機酸化物とシロキサン誘導体を使用する。
【0030】
無機酸化物について説明する。無機酸化物としては、特に限定されるものではないが、例えばガラス、シリカゲル、酸化チタン、チタン酸バリウム、インジウムチンオキシド(ITO)、酸化アルミニウム、酸化ニッケル、酸化鉄、酸化ケイ素、酸化亜鉛の単独、もしくは2種以上を組み合わせたものが挙げられる。これらのものは目的に応じて使い分ければ良い。
【0031】
また、その形状も限定されるものではなく、粒状、糸状、板状の単独、もしくは2種以上を組み合わせたもので良い。
【0032】
また、無機酸化物は、化合物全体が酸化物である必要はない。例えば、マグネシウム、アルミニウム、チタン、クロム、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、銀、スズ、シリコンなどにおいて、その表面に形成された酸化物被膜であってもよい。
【0033】
シロキサン誘導体について説明する。本発明のシロキサン誘導体は、分岐シロキサン構造を有しかつ要部となる化合物を有している。シロキサン誘導体は、デンドリティックポリマーであることが好ましい。シロキサン誘導体は具体的な例として、シロキサン誘導体が、要部となる化合物(化75)のうちRがアルコキシシリル基(化80)であるものから選ばれる1種または2種以上のものに、モノマー(化81〜91)から選ばれる1種または2種以上のものを重合したポリマーであり、このポリマーの末端オレフィン基(化92)の一部または全部が、官能基(後述する。)から選ばれる1種または2種以上のものに置換されているものがある。
【0034】
シロキサン誘導体被覆無機酸化物の製造方法について説明する。シロキサン誘導体被覆無機酸化物の製造方法において、最初の工程では、要部となる化合物(化75)のうちRがアルコキシシリル基(化80)であるものから選ばれる1種または2種以上のものに、モノマー(化81〜91)から選ばれる1種または2種以上のものを重合したポリマーであるシロキサン誘導体の溶液に、酸またはアルカリの存在下、無機酸化物を浸すことにより作ることができる。
【0035】
その際に用いられる溶媒はシロキサン誘導体を溶解もしくは分散させるものであれば良く、例えば、アセトン、ヘキサン、トルエン、メチルエチルケトン、メチルアルコール、エチルアルコール、水の単独、もしくは2種以上を組み合わせたものが挙げられるが、特に制約されるものではない。
【0036】
反応温度はシロキサン誘導体と被覆させる無機酸化物との間で反応が起これば限定されるものではないが、溶液中で加熱する場合には、通常3〜200℃の範囲で行われ、好ましくは5〜180℃、さらに好ましくは10〜150℃の範囲内で行われる。
【0037】
本発明では、反応液中のシロキサン誘導体濃度についても特に制約されるものではないが、好ましくは0.1〜100質量%で行われ、さらに好ましくは5〜50質量%で行われる。
【0038】
酸としては、塩酸、硝酸、硫酸、メタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸、酢酸などを用いることができる。
【0039】
アルカリとしては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア水、水酸化テトラメチルアンモニウムなどを用いることができる。
【0040】
シロキサン誘導体被覆無機酸化物の製造方法は、無機酸化物をシロキサン誘導体溶液に浸すことに限定されない。このほか、シロキサン誘導体溶液を塗布したり、電界中で電着させるなどの方法を採用することができる。
【0041】
シロキサン誘導体と無機酸化物の結合状態は、つぎのようであると考えられる。アルコキシシランが加水分解され、無機表面の金属水酸基と脱水縮合する。このとき酸あるいはアルカリ性環境下で加水分解反応と脱水縮合反応が加速される。
【0042】
本発明のシロキサン誘導体被覆無機酸化物の製造方法において、つぎの工程では、シロキサン誘導体の末端オレフィン基(化92)の一部または全部に官能基を導入する。
【化92】
【0043】
ここで、具体的な官能基を列挙しながら説明する。
【0044】
末端がアルキル基であるシロキサン誘導体
【0045】
ここでは、シロキサン誘導体の末端オレフィン基(化92)を官能基(化93)に変換する。
【化93】
(nは0〜30の整数)
【0046】
この官能基を有するシロキサン誘導体は、はっ水性の性質を持っている。
【0047】
この官能基を有するシロキサン誘導体は、ガラスの防汚・防曇処理、自動車ガラスの雨対策用処理、クロマトグラフィー用ビーズの表面処理、ハードディスクの潤滑処理などの用途がある。
【0048】
シロキサン誘導体の末端オレフィン基(化92)を官能基(化93)に変換する方法は反応式(化94)に示すとおりである。この反応では、ポリマーの末端オレフィン基(化92)とリチウムヒドリドとの反応で生成するカルバニオンとアルキルハライドとの反応で末端アルキル基(化93)に変換する。
【化94】
【0049】
末端がパーフルオロアルキル基であるシロキサン誘導体
【0050】
ここでは、シロキサン誘導体の末端オレフィン基(化92)を官能基(化95)に変換する。
【化95】
(nは0〜30の整数)
【0051】
この官能基を有するシロキサン誘導体は、はっ水性の性質を持っている。
【0052】
この官能基を有するシロキサン誘導体は、ガラスの防汚・防曇処理、自動車ガラスの雨対策用処理、クロマトグラフィー用ビーズの表面処理、ハードディスクの潤滑処理などの用途がある。
【0053】
シロキサン誘導体の末端オレフィン基(化92)を官能基(化95)に変換する方法は反応式(化96)に示すとおりである。この反応では、ポリマーの末端オレフィン基(化92)とヨードニウム系のフッ化アルキル化試薬により末端にフッ化アルキル基を導入できる。
【化96】
【0054】
末端が芳香族基であるシロキサン誘導体
【0055】
ここでは、シロキサン誘導体の末端オレフィン基(化92)を官能基(化97)に変換する。
【化97】
(Arは、フェニル基、ナフタレン基、等の芳香族炭化水素およびその誘導体。フェニル基については化98〜106に示す。他の芳香族炭化水素については、化98〜106と同様である。また、Arはポルフィリン、フタロシアニン等の含窒素環状化合物。)
【化98】
【化99】
【化100】
【化101】
【化102】
【化103】
【化104】
【化105】
【化106】
【0056】
この官能基を有するシロキサン誘導体は、光機能性、導電性、耐熱性の性質を持っている。
【0057】
この官能基を有するシロキサン誘導体は、ゼロックス型コピー用感光剤、電解発光素子、有機トランジスター、帯電防止コートなどの用途がある。
【0058】
シロキサン誘導体の末端オレフィン基(化92)を官能基(化97)に変換する方法は反応式(化107)に示すとおりである。この反応では、まずポリマーの末端オレフィン基に塩化水素の作用で塩素を導入し、続いて芳香族求電子置換反応により末端芳香族基(化97)を導入する。
【化107】
【0059】
末端がヒドロキシル基であるシロキサン誘導体
【0060】
ここでは、シロキサン誘導体の末端オレフィン基(化92)を官能基(化108)に変換する。
【化108】
【0061】
この官能基を有するシロキサン誘導体は、親水性の性質を持っている。
【0062】
この官能基を有するシロキサン誘導体は、ガラスの防汚・防曇処理、帯電防止などの用途がある。
【0063】
シロキサン誘導体の末端オレフィン基(化92)を官能基(化108)に変換する方法は反応式(化109)に示すとおりである。ポリマーの末端オレフィン基(化92)のホウ素試薬によるヒドロボレーション反応により末端ヒドロキシル基(化108)に変換する。
【化109】
【0064】
この官能基には、さらに他の官能基を導入することができる。他の官能基としては、エーテル、カルボン酸エステルなどを挙げることができる。
【0065】
末端がエーテル基であるシロキサン誘導体
【0066】
ここでは、シロキサン誘導体の末端オレフィン基(化92)を官能基(化110)に変換する。
【化110】
(Rは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、等のアルキル基(C=1〜30)およびそのフッ素置換アルキル基,またはこれらのアルキル基を有する芳香族基)
【0067】
この官能基を有するシロキサン誘導体は、親油性、はっ水性の性質を持っている。
【0068】
この官能基を有するシロキサン誘導体は、ガラスの防汚・防曇処理、自動車ガラスの雨対策用処理、クロマトグラフィー用ビーズの表面処理、ハードディスクの潤滑処理などの用途がある。
【0069】
シロキサン誘導体の末端オレフィン基(化92)を官能基(化110)に変換する方法は反応式(化111)に示すとおりである。ポリマーの末端オレフィン基(化92)を(化109)により末端ヒドロキシル基(化108)とし、塩基の存在下にアルキルハライドと反応させて末端エーテル基(化110)に変換する。
【化111】
【0070】
末端がエポキシ基であるシロキサン誘導体
【0071】
ここでは、シロキサン誘導体の末端オレフィン基(化92)を官能基(化112)に変換する。
【化112】
【0072】
この官能基を有するシロキサン誘導体は、他の樹脂との親和性、特にエポキシ樹脂との良好な親和性の性質を持っている。
【0073】
この官能基を有するシロキサン誘導体は、フィラーの表面改質材、ガラス・セラミックスへのエポキシ樹脂の接着補強材などの用途がある。
【0074】
シロキサン誘導体の末端オレフィン基(化92)を官能基(化112)に変換する方法は反応式(化113)に示すとおりである。この反応はポリマーの末端オレフィン基(化92)を過酢酸やm−クロロ過安息香酸のような過酸で酸化することにより末端エポキシ基(化112)に変換する。
【化113】
【0075】
この官能基には、さらに他の官能基を導入することができる。他の官能基としては、1,2−グリコール、ヒドロキシエーテル、ヒドロキシアミン、ヒドロキシカルボン酸、ヒドロキシスルホン酸などを挙げることができる。
【0076】
末端がエステル基であるシロキサン誘導体
【0077】
ここでは、シロキサン誘導体の末端オレフィン基(化92)を官能基(化114)に変換する。
【化114】
(Rは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、等のアルキル基(C=1〜30)およびそのフッ素置換アルキル基,またはこれらのアルキル基を有する芳香族基)
【0078】
この官能基を有するシロキサン誘導体は、親油性、はっ水性、他の樹脂との親和性の性質を持っている。
【0079】
この官能基を有するシロキサン誘導体は、フィラーの表面改質材、ガラスの防汚・防曇処理、クロマトグラフィー用ビーズの表面処理、ハードディスクの潤滑処理などの用途がある。
【0080】
シロキサン誘導体の末端オレフィン基(化92)を官能基(化114)に変換する方法は反応式(化115)に示すとおりである。ポリマーの末端オレフィン基(化92)を(化109)により末端ヒドロキシル基(化108)とし、塩基の存在下に酸クロリドや酸無水物と反応させて末端エステル基(化114)に変換する。
【化115】
【0081】
末端が第2級ヒドロキシル基であるシロキサン誘導体
【0082】
ここでは、シロキサン誘導体の末端オレフィン基(化92)を官能基(化116)に変換する。
【化116】
この官能基を有するシロキサン誘導体は、親水性の性質を持っている。
【0083】
この官能基を有するシロキサン誘導体は、ガラスの防汚・防曇処理、帯電防止などの用途がある。
【0084】
シロキサン誘導体の末端オレフィン基(化92)を官能基方法は反応式(化117)に示すとおりである。ポリマーの末端オレフィン基(化92)に酢酸水銀を作用させて官能基(化116)に変換するか、末端エポキシ基(化112)を還元することで末端第2級ヒドロキシル基(化116)に変換する。
【化117】
【0085】
この官能基には、さらに他の官能基を導入することができる。他の官能基としては、エーテル、カルボン酸エステルなどを挙げることができる。
【0086】
末端がエーテル基であるシロキサン誘導体
【0087】
ここでは、シロキサン誘導体の末端オレフィン基(化92)を官能基(化118)に変換する。
【化118】
(Rは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、等のアルキル基(C=1〜30)およびそのフッ素置換アルキル基,またはこれらのアルキル基を有する芳香族基)
【0088】
この官能基を有するシロキサン誘導体は、親油性、はっ水性の性質を持っている。
【0089】
この官能基を有するシロキサン誘導体は、フィラーの表面改質材、ガラスの防汚・防曇処理、クロマトグラフィー用ビーズの表面処理、ハードディスクの潤滑処理などの用途がある。
【0090】
シロキサン誘導体の末端オレフィン基(化92)を官能基(化118)に変換する方法は反応式(化119)に示すとおりである。ポリマーの末端オレフィン基(化92)を(化117)により末端第2級ヒドロキシル基(化116)とし、塩基の存在下にアルキルハライドと反応させて末端エーテル基(化118)に変換する。
【化119】
【0091】
末端がエステル基であるシロキサン誘導体
【0092】
ここでは、シロキサン誘導体の末端オレフィン基(化92)を官能基(化120)に変換する。
【化120】
(Rは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、等のアルキル基(C=1〜30)およびそのフッ素置換アルキル基,またはこれらのアルキル基を有する芳香族基)
【0093】
この官能基を有するシロキサン誘導体は、親油性、はっ水性、他の樹脂との親和性の性質を持っている。
【0094】
この官能基を有するシロキサン誘導体は、フィラーの表面改質材、ガラスの防汚・防曇処理、クロマトグラフィー用ビーズの表面処理、ハードディスクの潤滑処理などの用途がある。
【0095】
シロキサン誘導体の末端オレフィン基(化92)を官能基(化120)に変換する方法は反応式(化121)に示すとおりである。ポリマーの末端オレフィン基(化92)を(化117)により末端第2級ヒドロキシル基(化116)とし、塩基の存在下に酸クロリドや酸無水物と反応させて末端エステル基(化120)に変換する。
【化121】
【0096】
末端が第1級アミノ基であるシロキサン誘導体
【0097】
ここでは、シロキサン誘導体の末端オレフィン基(化92)を官能基(化122)に変換する。
【化122】
【0098】
この官能基を有するシロキサン誘導体は、塩基性、酸性物質との親和性の性質を持っている。
【0099】
この官能基を有するシロキサン誘導体は、バイオチップ、界面活性剤などの用途がある。
【0100】
シロキサン誘導体の末端オレフィン基(化92)を官能基(化122)に変換する方法は反応式(化123)に示すとおりである。この反応では、末端オレフィン基(化92)をホウ素化合物によるヒドロボレーションアミノ化反応で末端第1級アミノ基(化122)に変換する。
【化123】
【0101】
この官能基には、さらに他の官能基を導入することができる。他の官能基としては、アミド、スルホンアミド、アンモニウム塩などを挙げることができる。
【0102】
末端が第2級および第3級アミンであるシロキサン誘導体
【0103】
ここでは、シロキサン誘導体の末端オレフィン基(化92)を官能基(化124)に変換する。
【化124】
(R1,R2は互いに独立に水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、
ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、等のアルキル基(C=1〜30)およびそのフッ素置換アルキル基、またはこれらのアルキル基を有する芳香族基)
【0104】
この官能基を有するシロキサン誘導体は、塩基性、酸性物質との親和性の性質を持っている。
【0105】
この官能基を有するシロキサン誘導体は、バイオチップ、界面活性剤などの用途がある。
【0106】
シロキサン誘導体の末端オレフィン基(化92)を官能基(化124)に変換する方法は反応式(化125)に示すとおりである。末端に第1級アミノ基を持つ官能基(化122)にアルキルハライドを反応させて合成する。あるいは、ポリマーの末端オレフィン基(化92)にヒドロボレーション反応を行い、アルキルアジドを反応させて、第2級アミン末端化合物、続いてアルキルハライドを反応させて第3級アミン化合物(化124)を合成する。
【化125】
【0107】
この官能基には、さらに他の官能基を導入することができる。他の官能基としては、アミド、スルホンアミド、アンモニウム塩などを挙げることができる。
【0108】
末端が4級アンモニウム塩基であるシロキサン誘導体
【0109】
ここでは、シロキサン誘導体の末端オレフィン基(化92)を官能基(化126)に変換する。
【化126】
(R1,R2,R3は互いに独立に水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、等のアルキル基(C=1〜30)およびそのフッ素置換アルキル基、またはこれらのアルキル基を有する芳香族基)
【0110】
この官能基を有するシロキサン誘導体は、親水性の性質を持っている。
この官能基を有するシロキサン誘導体は、界面活性剤などの用途がある。
【0111】
シロキサン誘導体の末端オレフィン基(化92)を官能基(化126)に変換する方法は反応式(化127)に示すとおりである。末端に第1級アミノ基を持つ官能基(化122)にアルキルハライドを反応させて合成する。あるいは、ポリマーの末端オレフィン基(化92)にヒドロボレーション反応を行い、アルキルアジドを反応させて、第2級アミン末端化合物、続いてアルキルハライドを反応させて第3級アミン化合物(化124)を合成し、次にアルキルハライドを反応させて4級アンモニウム塩化合物(化126)を合成する。
【化127】
【0112】
末端がアルデヒド基であるシロキサン誘導体
【0113】
ここでは、シロキサン誘導体の末端オレフィン基(化92)を官能基(化128)に変換する。
【化128】
【0114】
この官能基を有するシロキサン誘導体は、アルコールやアミンとの反応性を持っている。
【0115】
この官能基を有するシロキサン誘導体は、バイオチップや反応性コーティングなどの用途がある。
【0116】
シロキサン誘導体の末端オレフィン基(化92)を官能基(化128)に変換する方法は反応式(化129)に示すとおりである。この反応ではポリマーの末端オレフィン基(化92)をパラジウム触媒の存在下に一酸化炭素を反応させてアルデヒド官能基(化128)を合成する。
【化129】
【0117】
この官能基には、さらに他の官能基を導入することができる。他の官能基としては、アルコール、カルボン酸、アセタール、イミンなどを挙げることができる。
【0118】
末端がカルボキシル基であるシロキサン誘導体
【0119】
ここでは、シロキサン誘導体の末端オレフィン基(化92)を官能基(化130)に変換する。
【化130】
【0120】
この官能基を有するシロキサン誘導体は、親水性、抗菌性の性質を持っている。
【0121】
この官能基を有するシロキサン誘導体は、バイオチップ、界面活性剤、抗菌コート剤などの用途がある。
【0122】
シロキサン誘導体の末端オレフィン基(化92)を官能基(化130)に変換する方法は反応式(化131)に示すとおりである。この反応ではポリマーの末端オレフィン基(化92)をパラジウム触媒の存在下に一酸化炭素を反応させてアルデヒド官能基(化128)を合成し、次にクロム酸等の酸化剤で酸化することで末端カルボン酸官能基(化130)を合成する。
【化131】
【0123】
この官能基には、さらに他の官能基を導入することができる。他の官能基としては、エステル、アミドなどを挙げることができる。
【0124】
末端がイソシアナート基であるシロキサン誘導体
【0125】
ここでは、シロキサン誘導体の末端オレフィン基(化92)を官能基(化132)に変換する。
【化132】
【0126】
この官能基を有するシロキサン誘導体は、アルコールやアミンとの反応性を持っている。
【0127】
この官能基を有するシロキサン誘導体は、バイオチップや反応性コーティングなどの用途がある。
【0128】
シロキサン誘導体の末端オレフィン基(化92)を官能基(化132)に変換する方法は反応式(化133)に示すとおりである。この反応ではポリマーの末端オレフィン基(化92)をパラジウム触媒の存在下に一酸化炭素を反応させてアルデヒド官能基(化128)を合成し、次にクロム酸等の酸化剤で酸化することで末端カルボン酸官能基(化130)を合成し、次に塩化チオニル等で酸クロリドに変換した後に、アジ化ナトリウムと反応させ、ついで加熱することで末端イソシアナート官能基(化132)を合成する。
【化133】
【0129】
この官能基には、さらに他の官能基を導入することができる。他の官能基としては、ウレタン、ウレアなどを挙げることができる。
【0130】
末端がエステル基であるシロキサン誘導体
【0131】
ここでは、シロキサン誘導体の末端オレフィン基(化92)を官能基(化134)に変換する。
【化134】
(Rは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、等のアルキル基(C=1〜30)およびそのフッ素置換アルキル基,またはこれらのアルキル基を有する芳香族基)
【0132】
この官能基を有するシロキサン誘導体は、親油性、はっ水性、他の樹脂との親和性の性質を持っている。
【0133】
この官能基を有するシロキサン誘導体は、フィラーの表面改質材、ガラスの防汚・防曇処理、クロマトグラフィー用ビーズの表面処理、ハードディスクの潤滑処理などの用途がある。
【0134】
シロキサン誘導体の末端オレフィン基(化92)を官能基(化134)に変換する方法は反応式(化135)に示すとおりである。この反応ではポリマーの末端オレフィン基(化92)をパラジウム触媒の存在下に一酸化炭素を反応させてアルデヒド官能基(化128)を合成し、次にクロム酸等の酸化剤で酸化することで末端カルボン酸官能基(化130)を合成し、縮合剤の存在下にアルコールを反応させて、末端エステル官能基(化134)を合成する。
【化135】
【0135】
末端がアミド基であるシロキサン誘導体
【0136】
ここでは、シロキサン誘導体の末端オレフィン基(化92)を官能基(化136)に変換する。
【化136】
(R1,R2は互いに独立に水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、
ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、等のアルキル基(C=1〜30)およびそのフッ素置換アルキル基、またはこれらのアルキル基を有する芳香族基)
【0137】
この官能基を有するシロキサン誘導体は、親油性、はっ水性、他の樹脂との親和性の性質を持っている。
【0138】
この官能基を有するシロキサン誘導体は、フィラーの表面改質材、ガラスの防汚・防曇処理、クロマトグラフィー用ビーズの表面処理、ハードディスクの潤滑処理などの用途がある。
【0139】
シロキサン誘導体の末端オレフィン基(化92)を官能基(化136)に変換する方法は反応式(化137)に示すとおりである。この反応ではポリマーの末端オレフィン基(化92)をパラジウム触媒の存在下に一酸化炭素を反応させてアルデヒド官能基(化128)を合成し、次にクロム酸等の酸化剤で酸化することで末端カルボン酸官能基(化130)を合成し、縮合剤の存在下にアミンを反応させて、末端アミド官能基(化136)を合成する。
【化137】
【0140】
末端がアルデヒド基であるシロキサン誘導体
【0141】
ここでは、シロキサン誘導体の末端オレフィン基(化92)を官能基(化138)に変換する。
【化138】
【0142】
この官能基を有するシロキサン誘導体は、アルコールやアミンとの反応性を持っている。
この官能基を有するシロキサン誘導体は、バイオチップや反応性コーティングなどの用途がある。
【0143】
シロキサン誘導体の末端オレフィン基(化92)を官能基に変換する方法は反応式(化139)に示すとおりである。この反応ではポリマーの末端オレフィン基(化92)をクロム化合物で酸化することにより末端アルデヒド基(化138)に変換する。
【化139】
【0144】
この官能基には、さらに他の官能基を導入することができる。他の官能基としては、アルコール、カルボン酸、アセタール、イミンなどを挙げることができる。
【0145】
末端がカルボキシル基であるシロキサン誘導体
【0146】
ここでは、シロキサン誘導体の末端オレフィン基(化92)を官能基(化140)に変換する。
【化140】
【0147】
この官能基を有するシロキサン誘導体は、親水性、抗菌性の性質を持っている。
【0148】
この官能基を有するシロキサン誘導体は、バイオチップ、界面活性剤、抗菌コート剤などの用途がある。
【0149】
シロキサン誘導体の末端オレフィン基(化92)を官能基(化140)に変換する方法は反応式(化141)に示すとおりである。この反応ではポリマーの末端オレフィン基(化92)をホウ素化合物によるヒドロボレーション反応、続くクロム酸等による酸化反応で末端カルボキシル基(化140)を合成する。
【化141】
【0150】
この官能基には、さらに他の官能基を導入することができる。他の官能基としては、エステル、アミドなどを挙げることができる。
【0151】
末端がエステル基であるシロキサン誘導体
【0152】
ここでは、シロキサン誘導体の末端オレフィン基(化92)を官能基(化142)に変換する。
【化142】
(Rは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、等のアルキル基(C=1〜30)およびそのフッ素置換アルキル基,またはこれらのアルキル基を有する芳香族基)
【0153】
この官能基を有するシロキサン誘導体は、親油性、はっ水性、他の樹脂との親和性の性質を持っている。
【0154】
この官能基を有するシロキサン誘導体は、フィラーの表面改質材、ガラスの防汚・防曇処理、クロマトグラフィー用ビーズの表面処理、ハードディスクの潤滑処理などの用途がある。
【0155】
シロキサン誘導体の末端オレフィン基(化92)を官能基(化142)に変換する方法は反応式(化143)に示すとおりである。この反応ではポリマーの末端オレフィン基(化92)をホウ素化合物によるヒドロボレーション反応、続くクロム酸等による酸化反応で末端カルボン酸基(化140)を合成し、続いて縮合剤の存在下にアルコールを反応させて末端エステル基(化142)を合成する。
【化143】
【0156】
末端がアミド基であるシロキサン誘導体
【0157】
ここでは、シロキサン誘導体の末端オレフィン基(化92)を官能基(化144)に変換する。
【化144】
(R1,R2は互いに独立に水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、
ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、等のアルキル基(C=1〜30)およびそのフッ素置換アルキル基、またはこれらのアルキル基を有する芳香族基)
【0158】
この官能基を有するシロキサン誘導体は、親油性、はっ水性、他の樹脂との親和性の性質を持っている。
【0159】
この官能基を有するシロキサン誘導体は、フィラーの表面改質材、ガラスの防汚・防曇処理、クロマトグラフィー用ビーズの表面処理、ハードディスクの潤滑処理などの用途がある。
【0160】
シロキサン誘導体の末端オレフィン基(化92)を官能基(化144)に変換する方法は反応式(化145)に示すとおりである。この反応ではポリマーの末端オレフィン基(化92)をホウ素化合物によるヒドロボレーション反応、続くクロム酸等による酸化反応で末端カルボン酸基(化140)を合成し、続いて縮合剤の存在下にアミンを反応させて末端アミド基(化144)を合成する。
【化145】
【0161】
末端がシリル基であるシロキサン誘導体
【0162】
ここでは、シロキサン誘導体の末端オレフィン基(化92)を官能基(化146)に変換する。
【化146】
(R1,R2,R3は互いに独立に水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、等のアルキル基(C=1〜30)およびそのフッ素置換アルキル基、またはこれらのアルキル基を有する芳香族基)
【0163】
この官能基を有するシロキサン誘導体は、親油性、はっ水性の性質を持っている。
【0164】
この官能基を有するシロキサン誘導体は、フィラーの表面改質材、ガラスの防汚・防曇処理、クロマトグラフィー用ビーズの表面処理、ハードディスクの潤滑処理などの用途がある。
【0165】
シロキサン誘導体の末端オレフィン基(化92)を官能基(化146)に変換する方法は反応式(化147)に示すとおりである。この反応ではポリマーの末端オレフィン基(化92)と置換シリルヒドリド化合物を白金触媒の存在下に反応させて末端シリル基(化146)に変換する。
【化147】
【0166】
末端がチオール基であるシロキサン誘導体
【0167】
ここでは、シロキサン誘導体の末端オレフィン基(化92)を官能基(化148)に変換する。
【化148】
【0168】
この官能基を有するシロキサン誘導体は、親水性、金表面との密着性の性質を持っている。
【0169】
この官能基を有するシロキサン誘導体は、バイオチップ、ガラスと金との密着層などの用途がある。
【0170】
シロキサン誘導体の末端オレフィン基(化92)を官能基(化148)に変換する方法は反応式(化149)に示すとおりである。ポリマーの末端オレフィン基(化92)と硫化水素を反応させて末端チオール基(化148)に変換する )
【化149】
【0171】
この官能基には、さらに他の官能基を導入することができる。他の官能基としては、チオエ−テルなどを挙げることができる。
【0172】
末端がチオエ−テル基を含むシロキサン誘導体
【0173】
ここでは、シロキサン誘導体の末端オレフィン基(化92)を官能基(化150)に変換する。
【化150】
(Rは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、等のアルキル基(C=1〜30)およびそのフッ素置換アルキル基,またはこれらのアルキル基を有する芳香族基、フェニル基、ナフチル基、ヒドロキシメチル基、1−および2−ヒドロキシエチル基、1−,2−,および3−ヒドロキシプロピル基、1,2−ジヒドロキシエチル基、1,2−、1,3−、および2,3−ジヒドロキシプロピル基等の水酸基置換アルキル基、カルボキシメチル基、1−および2−カルボキシエチル基、1−,2−,および3−カルボキシプロピル基、1,2−ジカルボキシエチル基、1,2−、1,3−、および2,3−ジカルボキシプロピル基等のカルボキシル基置換アルキル基、アミノメチル基、1−および2−アミノエチル基、1−,2−,および3−アミノプロピル基、1,2−ジアミノエチル基、1,2−、1,3−、および2,3−ジアミノプロピル基等のアミノ基置換アルキル基)
【0174】
この官能基を有するシロキサン誘導体は、親油性、はっ水性、親水性、高屈折率の性質を持っている。
【0175】
この官能基を有するシロキサン誘導体は、フィラーの表面改質材、ガラスの防汚・防曇処理、クロマトグラフィー用ビーズの表面処理、ハードディスクの潤滑処理、バイオチップなどの用途がある。
【0176】
シロキサン誘導体の末端オレフィン基(化92)を官能基(化150)に変換する方法は反応式(化151)に示すとおりである。ポリマーの末端オレフィン基(化92)と硫化水素を反応させて末端チオール基(化148)に変換し、次に塩基とアルキルハライドを反応させて末端チオエーテル基(化150)に変換する。あるいは、すでに必要な官能基を有するチオール化合物をポリマーの末端オレフィン基(化92)にラジカル発生剤の存在下に反応させて末端チオエーテル基(化150)に変換する。
【化151】
【0177】
末端がハロゲン基であるシロキサン誘導体
【0178】
ここでは、シロキサン誘導体の末端オレフィン基(化92)を官能基(化152)に変換する。
【化152】
(Xはフッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子)
【0179】
この官能基を有するシロキサン誘導体は、エーテル基、チオエ−テル基等他の官能基への変換の性質を持っている。
【0180】
この官能基を有するシロキサン誘導体は、バイオチップなどの用途がある。
【0181】
シロキサン誘導体の末端オレフィン基(化92)を官能基(化152)に変換する方法は反応式(化153)に示すとおりである。この反応ではポリマーの末端オレフィン基(化92)のヒドロボレーション反応に臭素を反応させることで末端臭素(化152)に変換する。
【化153】
【0182】
この官能基には、さらに他の官能基を導入することができる。他の官能基としては、エーテル、チオエ−テルなどを挙げることができる。
【0183】
末端がグリコール基であるシロキサン誘導体
【0184】
ここでは、シロキサン誘導体の末端オレフィン基(化92)を官能基(化154)に変換する。
【化154】
【0185】
この官能基を有するシロキサン誘導体は、親水性の性質を持っている。
【0186】
この官能基を有するシロキサン誘導体は、ガラスの防汚・防曇処理、帯電防止などの用途がある。
【0187】
シロキサン誘導体の末端オレフィン基(化92)を官能基(化154)に変換する方法は反応式(化155)に示すとおりである。ポリマーの末端オレフィン基(化92)を4酸化オスミウムで酸化して末端グリコール基(化154)に変換する。
【化155】
【0188】
この官能基には、さらに他の官能基を導入することができる。他の官能基としては、エーテル、エステル、エポキシなどを挙げることができる。
【0189】
末端がエーテル基であるシロキサン誘導体
【0190】
ここでは、シロキサン誘導体の末端オレフィン基(化92)を官能基(化156)に変換する。
【化156】
(Rは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、等のアルキル基(C=1〜30)およびそのフッ素置換アルキル基,またはこれらのアルキル基を有する芳香族基)
【0191】
この官能基を有するシロキサン誘導体は、親油性、はっ水性、他の樹脂との親和性の性質を持っている。
【0192】
この官能基を有するシロキサン誘導体は、フィラーの表面改質材、ガラスの防汚・防曇処理、クロマトグラフィー用ビーズの表面処理、ハードディスクの潤滑処理などの用途がある。
【0193】
シロキサン誘導体の末端オレフィン基(化92)を官能基(化156)に変換する方法は反応式(化157)に示すとおりである。ポリマーの末端オレフィン基(化92)を4酸化オスミウムで酸化して末端グリコール基(化154)に変換し、次に塩基とアルキルハライドを反応させて末端エーテル基(化156)に変換する。
【化157】
【0194】
末端がエステル基であるシロキサン誘導体
【0195】
ここでは、シロキサン誘導体の末端オレフィン基(化92)を官能基(化158)に変換する。
【化158】
(Rは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、等のアルキル基(C=1〜30)およびそのフッ素置換アルキル基,またはこれらのアルキル基を有する芳香族基)
【0196】
この官能基を有するシロキサン誘導体は、親油性、はっ水性、他の樹脂との親和性の性質を持っている。
【0197】
この官能基を有するシロキサン誘導体は、フィラーの表面改質材、ガラスの防汚・防曇処理、クロマトグラフィー用ビーズの表面処理、ハードディスクの潤滑処理などの用途がある。
【0198】
シロキサン誘導体の末端オレフィン基(化92)を官能基(化158)に変換する方法は反応式(化159)に示すとおりである。ポリマーの末端オレフィン基(化92)を4酸化オスミウムで酸化して末端グリコール基(化154)に変換し、次に塩基とカルボン酸クロリドを反応させて末端エステル基(化158)に変換する。 )
【化159】
【0199】
末端がヒドロキシスルホン酸基であるシロキサン誘導体
【0200】
ここでは、シロキサン誘導体の末端オレフィン基(化92)を官能基(化160)に変換する。
【化160】
【0201】
この官能基を有するシロキサン誘導体は、親水性の性質を持っている。
【0202】
この官能基を有するシロキサン誘導体は、界面活性剤などの用途がある。
【0203】
シロキサン誘導体の末端オレフィン基(化92)を官能基(化160)に変換する方法は反応式(化161)に示すとおりである。ポリマーの末端オレフィン基(化92)を過酢酸やm−クロロ過安息香酸のような過酸で酸化することで末端エポキシ基(化112)を合成し、次に亜硫酸ナトリウムを反応させることで末端ヒドロキシスルホン酸基(化160)の合成を行う。
【化161】
【0204】
この官能基には、さらに他の官能基を導入することができる。他の官能基としては、エーテル、エステルなどを挙げることができる。
【0205】
末端がヒドロキシアミノ基であるシロキサン誘導体
【0206】
ここでは、シロキサン誘導体の末端オレフィン基(化92)を官能基(化162)に変換する。
【化162】
【0207】
この官能基を有するシロキサン誘導体は、親水性の性質を持っている。
【0208】
この官能基を有するシロキサン誘導体は、ガラスの防汚・防曇処理、帯電防止などの用途がある。
【0209】
シロキサン誘導体の末端オレフィン基(化92)を官能基(化162)に変換する方法は反応式(化163)に示すとおりである。ポリマーの末端オレフィン基(化92)を過酢酸やm−クロロ過安息香酸のような過酸で酸化することで末端エポキシ基(化112)を合成し、次にアンモニアを反応させることで末端ヒドロキシアミノ基(化162)の合成を行う。
【化163】
この官能基には、さらに他の官能基を導入することができる。他の官能基としては、エーテル、エステル、アミドなどを挙げることができる。
【0210】
末端がヒドロキシ−N置換アミノ基であるシロキサン誘導体
【0211】
ここでは、シロキサン誘導体の末端オレフィン基(化92)を官能基(化164)に変換する。
【化164】
(R1,R2は互いに独立に水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、
ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、等のアルキル基(C=1〜30)およびそのフッ素置換アルキル基、またはこれらのアルキル基を有する芳香族基)
【0212】
この官能基を有するシロキサン誘導体は、親水性の性質を持っている。
【0213】
この官能基を有するシロキサン誘導体は、ガラスの防汚・防曇処理、帯電防止などの用途がある。
【0214】
シロキサン誘導体の末端オレフィン基(化92)を官能基(化164)に変換する方法は反応式(化165)に示すとおりである。ポリマーの末端オレフィン基(化92)を過酢酸やm−クロロ過安息香酸のような過酸で酸化することで末端エポキシ基(化112)を合成し、次に第1級または第2級アミンを反応させることで末端ヒドロキシ−N置換アミノ基(化164)の合成を行う。
【化165】
【0215】
この官能基には、さらに他の官能基を導入することができる。他の官能基としては、エーテル、エステル、アミドなどを挙げることができる。
【0216】
末端がスルホン酸基であるシロキサン誘導体
【0217】
ここでは、シロキサン誘導体の末端オレフィン基(化92)を官能基(化166)に変換する。
【化166】
【0218】
この官能基を有するシロキサン誘導体は、親水性、強酸の性質を持っている。
【0219】
この官能基を有するシロキサン誘導体は、界面活性剤などの用途がある。
【0220】
シロキサン誘導体の末端オレフィン基(化92)を官能基(化166)に変換する方法は反応式(化167)に示すとおりである。ポリマーの末端オレフィン基(化92)と硫化水素を反応させて末端チオール基(化148)に変換し、次に過マンガン酸カリウム等の酸化剤で酸化して末端スルホン酸基(化166)に変換する。
【化167】
【0221】
末端がシアノ基であるシロキサン誘導体
【0222】
ここでは、シロキサン誘導体の末端オレフィン基(化92)を官能基(化168)に変換する。
【化168】
【0223】
この官能基を有するシロキサン誘導体は、加水分解性の性質を持っている。
【0224】
この官能基を有するシロキサン誘導体は、界面活性剤などの用途がある。
【0225】
シロキサン誘導体の末端オレフィン基(化92)を官能基(化168)に変換する方法は反応式(化169)に示すとおりである。この反応ではポリマーの末端オレフィン基(化92)のヒドロボレーション反応に臭素を反応させることで末端臭素(化152)に変換し、青酸カリウムと反応させて末端シアノ基(化168)に変換する。
【化169】
【0226】
この官能基には、さらに他の官能基を導入することができる。他の官能基としては、カルボン酸、アミンなどを挙げることができる。
【0227】
以上のことから、本発明を実施するための最良の形態によれば、例えばトリエトキシシリル基を有するビニル化合物を使用すれば、要部にトリエトキシシリル基を持つHBPSを合成することができ、このものを使用して共有結合によって無機酸化物表面と強固に結合させることができる。
【0228】
さらに無機酸化物表面上のHBPSの末端ビニル基を他の官能基に変換して、無機酸化物表面に種々の有機官能基を導入できる。
【0229】
なお、本発明は上述の発明を実施するための最良の形態に限らず本発明の要旨を逸脱することなくその他種々の構成を採り得ることはもちろんである。
【実施例】
【0230】
つぎに、本発明シロキサン誘導体にかかる実施例について具体的に説明する。ただし、本発明はこれら実施例に限定されるものではないことはもちろんである。
【0231】
実施例1( 要部となる化合物として1,1,3,3,3-ペンタメチル-ビニルジシロキサン(1)を用いた系)
【0232】
【化170】
【0233】
1,1,3,3,3-ペンタメチル-ビニルジシロキサン[1]の合成はScheme 1 に示したように、トリエチルアミン 1.2 mol, ジエチルエーテル1.6 Lの混合溶液中、クロロジメチルビニルシラン81.89 ml(0.6 mol)と水10.81 ml(0.6 mol)を 0 ℃で30分間かくはんし、直ちにクロロトリメチルシラン76.69 ml(0.6 mol)を滴下した。19時間かくはんした後、ろ過した。エバポレーターでエーテルを除去したのち、0.3 M 塩酸水溶液とジエチルエーテルで抽出することによりトリエチルアミンを除去し、次に塩化ナトリウム水溶液で抽出することにより中和した。次に、硫酸マグネシウムで脱水乾燥した後、エバポレーターで溶媒を除去した。精製は常圧蒸留により行った。沸点は108 ℃であった。収率は 5 %であった。化合物[1]のプロトンおよび炭素13のnmrスペクトルの結果を以下に示す。
【0234】
化合物1の 1H NMR スペクトル(CDCL3δ, ppm):0.05 - 0.21(SiCH3), 5.66 - 6.16(-CH=CH2)
化合物1の13C NMR スペクトル (CDCL3,δ, ppm):0.81 - 2.37(SiCH3), 131.9 - 132.1, 140.1(-CH=CH2)
【0235】
【化171】
【0236】
要部に化合物[1]を有するハイパーブランチポリシロキシシラン(HBPS)は、Scheme 2に示したように、プラチナ-1,3-ビニル-l-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン錯体 (Pt [dvs]) 0.1 M キシレン溶液(カールステッド触媒)存在下、AB2型モノマーである1,1,3,5,5-ペンタメチル-1,5-ジビニルトリシロキサンと化合物[1]を室温で3時間反応させた後、アセトニトリル中に再沈殿することにより得た。反応時のモル比は、AB2型モノマー:化合物[1] = 100 : 1, 100 : 10, 100:100, 100 : 200とした。得られたポリマーの構造解析は、1H , 13C NMR, MALDI-TOF-MSスペクトルにより行った。その結果、全てのシグナルが明確に帰属でき、目的物が得られていることがわかった。得られたポリマーの分子量はGPC測定とMALDI-TOF-MSスペクトルにより求めた。その結果、ビニル化合物の添加量に従い、得られるポリマーの分子量を1800 〜 4100程度で制御できることがわかった。分子量分布は、1.57 〜 3.16であった。AB2型モノマー:化合物[1]が、100 : 1、100 : 10、100:100、および100 : 200のプロトンおよび炭素13のnmrスペクトルの結果を以下に示す。また、MALDI-TOF-MSスペクトルを図1に、GPC測定の結果の表1と図2に示す。
【0237】
ポリマー (AB2 モノマー : 化合物 1 = 100 : 1)の 1H NMR スペクトル (CDCL3δ, ppm): -0.10 - 0.10 (-SiCH-(CH3)2) α付加 , 0.12 - 0.19(-SiCH3) β付加, 0.34 - 0.58 (-CH2-CH2-)β付加, 0.90 - 1.02 α, 5.67 - 6.18(-CH=CH2)
ポリマー (AB2 モノマー : 化合物 1= 100 : 1)の 13C NMR スペクトル (CDCL3δ, ppm): -0.71 - 2.00, 9.07 - 9.88(-CH2-CH2-)β, 8.36(-SiCH-(CH3)2)α, 12.45(-SiCH3) α, 132.0 - 132.8, 139.8 - 139.9(-CH=CH2)
ポリマー (AB2 モノマー : 化合物1 = 100 : 10)の 1H NMR スペクトル (CDCL3δ, ppm): -0.01 - 0.08 (-SiCH-(CH3)2) α, 0.13 - 0.18(-SiCH3) β, 0.23 - 0.57 (-CH2-CH2-)β, 0.94 - 1.00 α, 5.67 - 6.16(-CH=CH2)
ポリマー (AB2 モノマー : 化合物1 = 100 : 10)の13C NMR スペクトル (CDCL3δ, ppm): -1.12 - 1.99, 8.64 - 9.44(-CH2-CH2-)β, 7.93(-SiCH-(CH3)2)α, 11.8(-SiCH3) α, 131.6, 139.4 - 139.9(-CH=CH2)
ポリマー (AB2 モノマー : 化合物1 = 100 : 100)の1H NMR スペクトル (CDCL3δ, ppm): -0.18 - 0.09 (-SiCH-(CH3)2) α, 0.10 - 0.19(-SiCH3) β, 0.34 - 0.47 (-CH2-CH2-)β, 0.87 - 1.02 α, 5.67 - 6.17(-CH=CH2)
ポリマー (AB2 モノマー : 化合物1 = 100 : 100)の13C NMR スペクトル (CDCL3δ, ppm): -0.72 - 2.40, 9.31 - 10.0 (-CH2-CH2-)β, 8.32(-SiCH-(CH3)2)α, 12.2(-SiCH3)α, 132, 139.9 - 140.0(-CH=CH2)
ポリマー (AB2 モノマー : 化合物1 = 100 : 200)の1H NMR スペクトル (CDCL3δ, ppm): (CDCL3δ, ppm): 0.02 - 0.09 (-SiCH-(CH3)2) α, 0.14 - 0.19(-SiCH3) β, 0.38 - 0.58 (-CH2-CH2-)β, 0.87 - 1.01 α, 5.68 - 6.18s(-CH=CH2)
ポリマー (AB2 モノマー : 化合物1 = 100 : 200)の13C NMR スペクトル (CDCL3δ, ppm): -1.05 - 2.41, 9.06 - 10.2(-CH2-CH2-)β, 8.13 - 8.83(-SiCH-(CH3)2) α , 11.2 - 12.2(-SiCH3) α, 132.0 - 132.4, 139.6 - 140.3(-CH=CH2)
【0238】
【表1】
【0239】
実施例2(要部となる化合物として1,1,3,3-テトラメチル-3-フェニルビニルジシロキサンを用いた系)
【0240】
【化172】
【0241】
1,1,3,3-テトラメチル-3-フェニル-ビニルジシロキサン[3]の合成はScheme 3 に示したように、トリエチルアミン 1.2 mol, ジエチルエーテル1.6 Lの混合溶液中、ジメチルフェニルクロロシラン99.24 ml(0.6 mol)と水10.81 ml(0.6 mol)を 0 ℃で30分間かくはんし、直ちにクロロジメチルビニルシラン81.89 ml(0.6 mol)を滴下した。19時間かくはんした後、ろ過した。エバポレーターでエーテルを除去したのち、0.3 M 塩酸水溶液とジエチルエーテルで抽出することによりトリエチルアミンを除去し、次に塩化ナトリウム水溶液で抽出することにより中和した。次に、硫酸マグネシウムで脱水乾燥した後、エバポレーターで溶媒を除去した。精製は減圧蒸留により行った。沸点は75 ℃(5 mmHg)で、収率は37 %であった。化合物[3]のプロトンおよび炭素13のnmrスペクトルの結果を以下に示す。
【0242】
化合物 3の1H NMR スペクトル (CDCL3δ, ppm):0.15 - 0.18(Si(CH3)2Ph), 0.33 - 0.42(SiCH3), 5.70 - 6.15(-CH=CH2), 7.36 - 7.59 (Phenyl)
化合物 3の13C NMR スペクトル (CDCL3δ, ppm):0.39(Si(CH3)2Ph), 0.88(SiCH3), 131.8 , 139.3 (-CH=CH2), 127.7 - 127.9, 129.2 - 129.6, 133.0, 134.0(Phenyl)
【0243】
【化173】
【0244】
要部に化合物[3]を有するHBPSは、Scheme 4に示したように、カールステッド触媒存在下、AB2型モノマーである1,1,3,5,5-ペンタメチル-1,5-ジビニルトリシロキサンと化合物[3]を室温で3時間反応させた後、アセトニトリル中に再沈殿することにより得た。反応時のモル比は、AB2型モノマー:化合物3 = 100 : 1, 100 : 10, 100:100, 100 : 200とした。得られたポリマーの構造解析は、1H , 13C NMR, MALDI-TOF-MSスペクトルにより行った。その結果、全てのシグナルが明確に帰属でき、目的物が得られていることがわかった。得られたポリマーの分子量はGPC測定とMALDI-TOF-MSスペクトルにより求めた。その結果、ビニル化合物の添加量に従い、得られるポリマーの分子量を900 〜 5600程度で制御できることがわかった。分子量分布は、1.27 〜 2.55であった。AB2型モノマー:化合物[3]が、100 : 1、100 : 10、100:100、および100 : 200のプロトンおよび炭素13のnmrスペクトルの結果を以下に示す。また、MALDI-TOF-MSスペクトルを図3に、GPC測定の結果の表2と図4に示す。
【0245】
ポリマー (AB2 モノマー : 化合物3 = 100 : 1)の 1H NMR スペクトル (CDCL3δ, ppm): 0.00 - 0.05 (-SiCH-(CH3)2) α付加 , 0.10 - 0.20(-SiCH3) β付加, 0.39 - 0.44 (-CH2-CH2-)β付加, 0.88 - 1.03 α, 5.68 - 6.19(-CH=CH2), 7.20 - 7.58(Phenyl)
ポリマー (AB2 モノマー : 化合物3 = 100 : 1)の13C NMR スペクトル (CDCL3δ, ppm): -1.12 - 1.63, 8.66 - 9.47(-CH2-CH2-)β, 7.94(-SiCH-(CH3)2) α, 11.8(-SiCH3) α, 131.7, 139.4 - 139.5(-CH=CH2),12.7.7, 132.1 - 133.0, 139.3, 140.0(Phenyl)
ポリマー (AB2 モノマー : 化合物3 = 100 : 10)の 1H NMR スペクトル (CDCL3δ, ppm): -0.06 - 0.07 (-SiCH-(CH3)2) α付加 , 0.11 - 0.20(-SiCH3) β付加, 0.32 - 0.45 (-CH2-CH2-)β付加, 0.61 - 1.21 α, 5.69 - 6.19(-CH=CH2),7.35 - 7.58 (Phenyl)
ポリマー (AB2 モノマー : 化合物3 = 100 : 10)の13C NMR スペクトル (CDCL3δ, ppm): -1.01 - 1.63, 8.67 - 9.49(-CH2-CH2-)β, 7.95(-SiCH-(CH3)2) α, 11.9(-SiCH3) α, 131.6, 139.4 - 139.5(-CH=CH2), 127.7, 129.2, 133.0, 13.4(Phenyl)
ポリマー (AB2 モノマー : 化合物 3= 100 : 100)の1H NMR スペクトル (CDCL3δ, ppm): -0.12 - 0.08 (-SiCH-(CH3)2) α, 0.11 - 0.20(-SiCH3) β, 0.28 - 0.60 (-CH2-CH2-)β, 0.91 - 1.05 α, 5.68 - 6.19(-CH=CH2), 7.34 - 7.55 (Phenyl)
ポリマー (AB2 モノマー : 化合物3 = 100 : 100)の13C NMR スペクトル (CDCL3δ, ppm): -1.01 - 1.59, 8.93 - 9.54(-CH2-CH2-)β, 7.92(-SiCH-(CH3)2)α, 11.8(-SiCH3) α, 131.6, 139.4 (-CH=CH2), 127.7, 129.2, 133.0, 139.4(Phenyl)
ポリマー (AB2 モノマー : 化合物3 = 100 : 200)の1H NMR スペクトル (CDCL3δ, ppm): 0.01 - 0.10 (-SiCH-(CH3)2) α, 0.12 - 0.21(-SiCH3) β, 0.32 - 0.42 (-CH2-CH2-)β, 0.95 - 1.04 α, 5.69 - 6.19(-CH=CH2),7.35 - 7.62 (Phenyl)
ポリマー (AB2 モノマー : 化合物3 = 100 : 200)の13C NMR スペクトル (CDCL3δ, ppm): -1.15 - 1.56, 8.62 - 9.47(-CH2-CH2-)β, 7.91(-SiCH-(CH3)2)α, 11.8(-SiCH3) α, 131.6, 139.4 - 139.5(-CH=CH2), 127.7 - 127.9, 129.1 - 129.6, 132.9 - 133.0, 134.0(Phenyl)
【0246】
【表2】
【0247】
実施例3(要部となるモノマーとして1,1,3-トリメチル-3,3-ジフェニルビニルジシロキサンを用いた系)
【0248】
【化174】
【0249】
1,1,3-トリメチル-3,3-ジフェニルビニルジシロキサン[5]の合成はScheme 5 に示したように、トリエチルアミン 1.2 mol, ジエチルエーテル1.6 Lの混合溶液中、ジフェニルメチルクロロシラン123.9 ml(0.6 mol)と水10.81 ml(0.6 mol)を 0 ℃で30分間かくはんし、直ちにクロロジメチルビニルシラン81.89 ml(0.6 mol)を滴下した。19時間かくはんした後、ろ過した。エバポレーターでエーテルを除去したのち、0.3 M 塩酸水溶液とジエチルエーテルで抽出することによりトリエチルアミンを除去し、次に塩化ナトリウム水溶液で抽出することにより中和した。次に、硫酸マグネシウムで脱水乾燥した後、エバポレーターで溶媒を除去した。精製は減圧蒸留により行った。沸点は112 ℃(3 mmHg)で、収率は56 %であった。化合物[5]のプロトンおよび炭素13のnmrスペクトルの結果を以下に示す。
【0250】
化合物 5の1H NMR スペクトル (CDCL3δ, ppm):0.20 - 0.21(SiCH3), 0.65 - 0.71 (Si(CH3)2Ph), 5.73 - 6.23(-CH=CH2), 7.36 - 7.66 (Phenyl)
化合物 5の13C NMR スペクトル (CDCL3δ, ppm): -0.91(Si(CH3)2Ph), -0.02(SiCH3), 131.6 , 138.7 (-CH=CH2), 127.3 - 127.5, 129.1 - 129.5, 133.4 - 133.9, 137.6 (Phenyl)
【0251】
【化175】
【0252】
要部に化合物[5]を有するHBPSは、Scheme 6に示したように、カールステッド触媒存在下、AB2型モノマーである1,1,3,5,5-ペンタメチル-1,5-ジビニルトリシロキサンと1,1,3-トリメチル-3,3-ジフェニルビニルジシロキサン[5]を室温で3時間反応させた後、アセトニトリル中に再沈殿することにより得た。反応時のモル比は、AB2型モノマー:モノマー5 = 100 : 1, 100 : 10, 100:100, 100 : 200とした。得られたポリマーの構造解析は、1H , 13C NMR, MALDI-TOF-MSスペクトルにより行った。その結果、全てのシグナルが明確に帰属でき、目的物が得られていることがわかった。得られたポリマーの分子量はGPC測定とMALDI-TOF-MSスペクトルにより求めた。その結果、ビニル化合物の添加量に従い、得られるポリマーの分子量を1500 〜 4000程度で制御できることがわかった。分子量分布は、1.17 〜 2.65であった。AB2型モノマー:化合物[5]が、100 : 1、100 : 10、100:100、および100 : 200のプロトンおよび炭素13のnmrスペクトルの結果を以下に示す。また、MALDI-TOF-MSスペクトルを図5に、GPC測定の結果の表3と図6に示す。
【0253】
ポリマー (AB2 モノマー : 化合物 5 = 100 : 1)の1H NMR スペクトル (CDCL3δ, ppm): -0.09 - 0.01(-SiCH-(CH3)2) α , 0.01 - 0.16(-SiCH3), 0.31 - 0.52(-CH2-CH2-)β, 0.82 - 1.03 α, 5.67 - 6.18(-CH=CH2),7.20 - 7.59(phenyl)
ポリマー (AB2 モノマー : 化合物 5 = 100 : 1)の13C NMR スペクトル (CDCL3δ, ppm): -1. 56 - 1.16, 8.23 - 9.04(-CH2-CH2-)β, 7.52(-SiCH-(CH3)2) α, 11.4(-SiCH3) α, 131.2, 139.0(-CH=CH2), 127.7, 129.4, 133.9, 137.5 - 138.3(Phenyl)
ポリマー (AB2 モノマー : 化合物 5 = 100 : 10)の1H NMR スペクトル (CDCL3δ, ppm):-0.01 - 0.05(-SiCH-(CH3)2) α , 0.08 - 0.21(-SiCH3), 0.36 - 0.58(-CH2-CH2-)β, 0.98 - 1.01α, 5.66 - 6.18(-CH=CH2), 7.30 - 7.55(Phenyl)
ポリマー (AB2 モノマー : 化合物 5 = 100 : 10)の13C NMR スペクトル (CDCL3δ, ppm): -1. 10 - 1.60, 8.66 - 9.54(-CH2-CH2-)β, 7.95(-SiCH-(CH3)2) α, 11.8(-SiCH3) α, 131.6, 139.4(-CH=CH2), 127.2, 129.4, 133.9, 139.4(Phenyl)
ポリマー (AB2 モノマー : 化合物 5 = 100 : 100)の 1H NMR スペクトル (CDCL3δ, ppm):-0.01 - 0.05(-SiCH-(CH3)2) α , 0.08 - 0.21(-SiCH3), 0.36 - 0.58(-CH2-CH2-)β, 0.98 - 1.01α, 5.66 - 6.18(-CH=CH2), 7.32 - 7.63(Phenyl)
ポリマー (AB2 モノマー : 化合物 5 = 100 : 100)の13C NMR スペクトル (CDCL3δ, ppm): -0.70 - 0.82, 8.37 - 9.84(-CH2-CH2-)β, 6.36(-SiCH-(CH3)2) α, 12.2(-SiCH3) α, 132.4, 139.5(-CH=CH2), 128.1 - 128.9, 129.8 - 130.3, 132.0 - 132.1, 134.2 - 134.4(Phenyl)
ポリマー (AB2 モノマー : 化合物 5 = 100 : 200)の1H NMR スペクトル (CDCL3δ, ppm):-0.08 - 0.09(-SiCH-(CH3)2) α , 0.12 - 0.19(-SiCH3), 0.58 - 0.68(-CH2-CH2-)β, 0.92 - 1.02α, 5.67 - 6.18(-CH=CH2), 7.31 - 7.62(Phenyl)
ポリマー (AB2 モノマー : 化合物 5 = 100 : 200)の13C NMR スペクトル (CDCL3δ, ppm): -1.89 - 0.82, 9.33 - 10.5(-CH2-CH2-)β, 8.31(-SiCH-(CH3)2) α, 12.3(-SiCH3) α, 131.2, 139.0(-CH=CH2), 128.1 - 128.3, 129.8 - 130.3, 134.2 - 134.3, 138.4(Phenyl)
【0254】
【表3】
【0255】
実施例4(要部となるモノマーとしてトリメチルビニルシランを用いた系)
【0256】
【化176】
【0257】
要部にトリメチルビニルシラン[7]を有するHBPSは、Scheme 7に示したように、カールステッド触媒存在下、AB2型モノマーである1,1,3,5,5-ペンタメチル-1,5-ジビニルトリシロキサンとトリメチルビニルシランを室温で3時間反応させた後、アセトニトリル中に再沈殿することにより得た。反応時のモル比は、AB2型モノマー:トリメチルビニルシラン = 100 : 1, 100 : 10, 100:100, 100 : 200とした。ただし、AB2型モノマー:トリメチルビニルシラン = 100 : 200については再沈殿すると溶解し、精製できなかった。得られたポリマーの構造解析は、1H , 13C NMR, MALDI-TOF-MSスペクトルにより行った。その結果、全てのシグナルが明確に帰属でき、目的物が得られていることがわかった。得られたポリマーの分子量はGPC測定とMALDI-TOF-MSスペクトルにより求めた。その結果、ビニル化合物の添加量に従い、得られるポリマーの分子量を1800 〜 10000程度で制御できることがわかった。分子量分布は、2.00 〜 2.71であった。AB2型モノマー:化合物[7]が、100 : 1、100 : 10、および100:100のプロトンおよび炭素13のnmrスペクトルの結果を以下に示す。また、MALDI-TOF-MSスペクトルを図7に、GPC測定の結果の表4と図8に示す。
【0258】
ポリマー (AB2 モノマー : 化合物 7= 100 : 1)の1H NMR スペクトル (CDCL3δ, ppm): -0.01 - 0.05(-SiCH-(CH3)2) α , 0.09 - 0.19(-SiCH3), 0.37 - 0.59(-CH2-CH2-)β, 0.87 - 1.01α, 5.67 - 6.17(-CH=CH2)
ポリマー (AB2 モノマー : 化合物 7 = 100 : 1)の 13C NMR スペクトル (CDCL3δ, ppm): -1. 55 - 1.19, 8.20 - 9.06(-CH2-CH2-)β, 7.51(-SiCH-(CH3)2) α, 11.4(-SiCH3) α, 131.2, 139.0(-CH=CH2)
ポリマー (AB2 モノマー : 化合物 7 = 100 : 10)の1H NMR スペクトル (CDCL3δ, ppm): -0.11 - 0.04(-SiCH-(CH3)2) α , 0.09 - 0.19(-SiCH3), 0.37 - 0.42(-CH2-CH2-)β, 0.92 - 1.01α, 5.67 - 6.17(-CH=CH2)
ポリマー (AB2 モノマー : 化合物 7 = 100 : 10)の13C NMR スペクトル (CDCL3δ, ppm): -2.65 - 1.18, 8.21 - 9.02(-CH2-CH2-)β, 7.51(-SiCH-(CH3)2) α, 11.4(-SiCH3) α, 131.2, 139.0(-CH=CH2)
ポリマー (AB2 モノマー : 化合物 7 = 100 : 100)の1H NMR スペクトル (CDCL3δ, ppm): -0.11 - 0.05(-SiCH-(CH3)2) α , 0.08 - 0.18(-SiCH3), 0.34 - 0.41(-CH2-CH2-)β, 0.85 - 1.01α, 5.66 - 6.18(-CH=CH2)
ポリマー (AB2 モノマー : 化合物 7 = 100 : 100)の13C NMR スペクトル (CDCL3δ, ppm): -1.44 - 1.58, 8.63 - 9.75(-CH2-CH2-)β, 7.91(-SiCH-(CH3)2) α, 11.8(-SiCH3) α, 131.6, 139.4(-CH=CH2)
【0259】
【表4】
【0260】
実施例5(要部となるモノマーとしてジメチルフェニルビニルシランを用いた系)
【0261】
【化177】
【0262】
要部にジメチルフェニルビニルシラン[9]を有するHBPSは、Scheme 8に示したように、カールステッド触媒存在下、AB2型モノマーである1,1,3,5,5-ペンタメチル-1,5-ジビニルトリシロキサンとジメチルフェニルビニルシランを室温で3時間反応させた後、アセトニトリル中に再沈殿することにより得た。反応時のモル比は、AB2型モノマー:トリメチルビニルシラン = 100 : 1, 100 : 10, 100:100, 100 : 200とした。得られたポリマーの構造解析は、1H , 13C NMR, MALDI-TOF-MSスペクトルにより行った。その結果、全てのシグナルが明確に帰属でき、目的物が得られていることがわかった。得られたポリマーの分子量はGPC測定とMALDI-TOF-MSスペクトルにより求めた。その結果、ビニル化合物の添加量に従い、得られるポリマーの分子量を1400 〜 9300程度で制御できることがわかった。分子量分布は、1.32 〜 2.64であった。AB2型モノマー:化合物[9]が、100 : 1、100 : 10、100:100、および100 : 200のプロトンおよび炭素13のnmrスペクトルの結果を以下に示す。また、MALDI-TOF-MSスペクトルを図9に、GPC測定の結果の表5と図10に示す。
【0263】
ポリマー (AB2 モノマー : 化合物 9 = 100 : 1)の1H NMR スペクトル (CDCL3δ, ppm): -0.01 - 0.04(-SiCH-(CH3)2) α , 0.09 - 0.19(-SiCH3), 0.37 - 0.57(-CH2-CH2-)β, 0.87 - 1.01α, 5.67 - 6.16(-CH=CH2),7.19 - 7.53(Phenyl)
ポリマー (AB2 モノマー : 化合物 9 = 100 : 1)の13C NMR スペクトル (CDCL3δ, ppm): -1.18 - 1.60, 8.97 - 9.84(-CH2-CH2-)β, 8.19(-SiCH-(CH3)2) α, 11.8(-SiCH3) α, 131.6, 139.4(-CH=CH2), 132.0, 133.1, 138.1 - 138.3, 141.4(Phenyl)
ポリマー (AB2 モノマー : 化合物 9 = 100 : 10)の1H NMR スペクトル (CDCL3δ, ppm): -0.01 - 0.09(-SiCH-(CH3)2) α , 0.14 - 0.23(-SiCH3), 0.34 - 0.43(-CH2-CH2-)β, 0.87 - 1.01α, 5.68 - 6.18(-CH=CH2), 7.33 - 7.50(Phenyl)
ポリマー (AB2 モノマー : 化合物 9 = 100 : 10)の13C NMR スペクトル (CDCL3δ, ppm): -1.14 - 1.60, 8.56 - 9. 48(-CH2-CH2-)β, 7.92(-SiCH-(CH3)2)α, 11.8(-SiCH3) α, 131.2, 139.3(-CH=CH2), 127.7, 129.2, 133.0, 140.2(Phenyl)
ポリマー (AB2 モノマー : 化合物 9 = 100 : 100)の1H NMR スペクトル (CDCL3δ, ppm): -0.00 - 0.09(-SiCH-(CH3)2) α, 0.10 - 0.24(-SiCH3), 0.34 - 0.42(-CH2-CH2-)β, 0.93 - 1.02α, 5.68 - 6.18(-CH=CH2), 7.33 - 7.49(Phenyl)
ポリマー (AB2 モノマー : 化合物 9 = 100 : 100)の13C NMR スペクトル (CDCL3δ, ppm): -0.67 - 1.99, 8.32 - 10.0(-CH2-CH2-)β, 7.24 - 7.34(-SiCH-(CH3)2)α, 12.1 - 12.2(-SiCH3) α, 132.0, 139.9(-CH=CH2), 127.7, 129.1, 131.6 - 132.2, 140.0 - 140.2(Phenyl)
ポリマー (AB2 モノマー : 化合物 9= 100 : 200)の 1H NMR スペクトル (CDCL3δ, ppm): -0.00 - 0.09(-SiCH-(CH3)2) α , 0.10 - 0.24(-SiCH3), 0.34 - 0.42(-CH2-CH2-)β, 0.93 - 1.02α, 5.68 - 6.23(-CH=CH2), 7.32 - 7.49(Phenyl)
ポリマー (AB2 モノマー : 化合物 9 = 100 : 200)の13C NMR スペクトル (CDCL3δ, ppm): -1.13 - -0.14(-SiCH-(CH3)2) β, 0.20 - 1.61(-SiCH3) α, 7.93 - 9.49(-CH2-CH2-)β, 11.8α, 131.6 - 131.9, 139.4(-CH=CH2), 127.7, 127.8, 132.8, 133.8(Phenyl)
【0264】
【表5】
【0265】
実施例6(要部となるモノマーとして1,3,3,5,5-ペンタメチル-3,5-ジフェニルビニルトリシロキサンを用いた系)
【0266】
【化178】
【0267】
1,1,3,5,5-ペンタメチル-1,5-ジフェニル-3-ビニルトリシロキサン[11]の合成はScheme 9 に示したように、トリエチルアミン 1.2 mol, ジエチルエーテル1.6 Lの混合溶液中、ジメチルフェニルクロロシラン99.24 ml(0.6 mol)と水10.81 ml(0.6 mol)を 0 ℃で30分間かくはんし、直ちにジクロロメチルビニルシラン40.36 ml(0.3 mol)を滴下した。19時間かくはんした後、ろ過した。エバポレーターでエーテルを除去したのち、0.3 M 塩酸水溶液とジエチルエーテルで抽出することによりトリエチルアミンを除去し、次に塩化ナトリウム水溶液で抽出することにより中和した。次に、硫酸マグネシウムで脱水乾燥した後、エバポレーターで溶媒を除去した。精製はカラムクロマトグラフィーにより行った。展開溶媒は、ヘキサン:塩化メチレン = 1:2 とした。収率は54 %であった。化合物[11]のプロトンおよび炭素13のnmrスペクトルの結果を以下に示す。
【0268】
化合物 11の 1H NMR スペクトル (CDCL3δ, ppm): 0.16 - 0.22(-SiCH3), 0.36 - 0.44(-Si(CH3)2Ph) , 5.81 - 6.04(-CH=CH2), 7.37 - 7.59(Phenyl)
化合物 11の 13C NMR スペクトル (CDCL3δ, ppm): -0.86 - -0.47(-SiCH3), 0.73 - 0.86(-Si(CH3)2Ph) , 133, 140(-CH=CH2), 127.0 - 128.0, 129.2 - 130.0, 134.0 - 134.3, 136.1 - 137.1 (Phenyl)
【0269】
【化179】
【0270】
要部に化合物[11]を有するHBPSは、Scheme 10に示したように、カールステッド触媒存在下、AB2型モノマーである1,1,3,5,5-ペンタメチル-1,5-ジビニルトリシロキサンとモノマー [11]を室温で3時間反応させた後、アセトニトリル中に再沈殿することにより得た。反応時のモル比は、AB2型モノマー:化合物11 = 100 : 1, 100 : 10, 100:100, 100 : 200とした。得られたポリマーの構造解析は、1H , 13C NMR, MALDI-TOF-MSスペクトルにより行った。その結果、全てのシグナルが明確に帰属でき、目的物が得られていることがわかった。得られたポリマーの分子量はGPC測定とMALDI-TOF-MSスペクトルにより求めた。その結果、ビニル化合物の添加量に従い、得られるポリマーの分子量を400 〜 13000程度で制御できることがわかった。分子量分布は、1.22 〜 4.04であった。AB2型モノマー:化合物[11]が、100 : 1、100 : 10、100:100、および100 : 200のプロトンおよび炭素13のnmrスペクトルの結果を以下に示す。また、MALDI-TOF-MSスペクトルを図11に、GPC測定の結果の表6と図12に示す。
【0271】
ポリマー (AB2 モノマー : 化合物 11 = 100 : 1)の1H NMR スペクトル (CDCL3δ, ppm): 0.01 - 0.13(-SiCH-(CH3)2) α , 0.15 - 0.20(-SiCH3), 0.39 - 0.75(-CH2-CH2-)β, 0.88 - 1.03 α, 5.69 - 6.18(-CH=CH2), 7.26 - 7.54(Phenyl)
ポリマー (AB2 モノマー : 化合物 11= 100 : 1)の13C NMR スペクトル (CDCL3δ, ppm): -0.68 - 2.05(-SiCH-(CH3)2)β, 9.08 - 9.89(-SiCH3) β, 8.37 (-CH2-CH2-)α, 12.3 α, 132.0, 140.0(-CH=CH2), 128.1 - 128.3, 129.6, 133.4, 138.2 - 138.3(Phenyl)
ポリマー (AB2 モノマー : 化合物 11 = 100 : 10)の1H NMR スペクトル (CDCL3δ, ppm): -0.01 - 0.12(-SiCH-(CH3)2) α , 0.14 - 0.19(-SiCH3), 0.30 - 0.74(-CH2-CH2-)β, 0.85 - 1.02 α, 5.68 - 6.18(-CH=CH2), 7.34 - 7.54(Phenyl)
ポリマー (AB2 モノマー : 化合物 11 = 100 : 10)の13C NMR スペクトル (CDCL3δ, ppm): -1.15 - 1.56(-SiCH-(CH3)2)β, 8.56 - 9.42(-SiCH3) β, 7.91 (-CH2-CH2-)α, 11.8α, 131.6, 139.4(-CH=CH2), 127.7, 129.2, 131.9, 133.0 (Phenyl)
ポリマー (AB2 モノマー : 化合物 11 = 100 : 100)の1H NMR スペクトル (CDCL3δ, ppm): 0.05 - 0.13(-SiCH-(CH3)2) α , 0.14 - 0.22(-SiCH3), 0.34 - 0.77(-CH2-CH2-)β, 0.90 - 1.29 α, 5.70 - 6.21(-CH=CH2), 7.35 - 7.58(Phenyl)
ポリマー (AB2 モノマー : 化合物 11 = 100 : 100)の13C NMR スペクトル (CDCL3δ, ppm): -0.72 - 2.03(-SiCH-(CH3)2)β, 9.05 - 9.27(-SiCH3) β, 8.27 (-CH2-CH2-)α, 12.0 α, 132.0, 140.0(-CH=CH2), 128.0 - 128.3, 129.7 - 130.0, 133.4, 137.1 - 137.6(Phenyl)
ポリマー (AB2 モノマー : 化合物 11 = 100 : 200)の1H NMR スペクトル (CDCL3δ, ppm): 0.11 - 0.28(-SiCH-(CH3)2) α , 0.40 - 0.42(-SiCH3), 0.44 - 0.47(-CH2-CH2-)β, 1.01 - 1.12 α, 5.83 - 6.16(-CH=CH2), 7.41 - 7.63(Phenyl)
ポリマー (AB2 モノマー : 化合物 11= 100 : 200)の13C NMR スペクトル (CDCL3δ, ppm): -0.63 - 1.26(-SiCH-(CH3)2)β, 8.64 - 8.88(-SiCH3) β, 7.85 (-CH2-CH2-)α, 11.7 α, 131.7, 139.4 - 139.8(-CH=CH2), 127.7 - 127.9, 129.2 - 129.6, 133.0 - 133.9, 136.7 - 137.2(Phenyl)
【0272】
【表6】
【0273】
実施例7(要部となるモノマーとしてトリエトキシビニルシラン[13]を用いた系)
【0274】
【化180】
【0275】
要部にトリエトキシビニルシラン[13]を有するHBPSは、Scheme 11に示したように、カールステッド触媒存在下、AB2型モノマーである1,1,3,5,5-ペンタメチル-1,5-ジビニルトリシロキサンとトリエトキシビニルシランを室温で3時間反応させた後、アセトニトリル中に再沈殿することにより得た。反応時のモル比は、AB2型モノマー:トリエトキシビニルシラン = 100 : 1, 100 : 10, 100:100, 100 : 200とした。得られたポリマーの構造解析は、1H , 13C NMR, MALDI-TOF-MSスペクトルにより行った。その結果、全てのシグナルが明確に帰属でき、目的物が得られていることがわかった。得られたポリマーの分子量はMALDI-TOF-MSスペクトルにより求めた。その結果、ビニル化合物の添加量に従い、得られるポリマーの分子量を600 〜 2000程度で制御できることがわかった。分子量分布は、1.17 〜 1.80であった。AB2型モノマー:化合物[13]が、100 : 1、100 : 10、100:100、および100 : 200のプロトンおよび炭素13のnmrスペクトルの結果を以下に示す。また、GPC測定の結果の表7と図13に示す。
【0276】
ポリマー (AB2 モノマー : 化合物13 = 100 : 1)の1H NMR スペクトル (CDCL3δ, ppm): -0.00 - 0.09(-SiCH-(CH3)2) α , 0.12 - 0.19(-SiCH3), 0.37 - 0.42(-CH2-CH2-)β, 0.92 - 1.01α, 1.55 (CH3), 3.87 - 3.75(-CH2-), 5.67 - 6.17(-CH=CH2)
ポリマー (AB2 モノマー : 化合物13 = 100 : 1)の13C NMR スペクトル -1.13 - -0.14(-SiCH-(CH3)2) β, 0.20 - 1.61(-SiCH3) α, 7.93 - 9.49(-CH2-CH2-)β, 11.8α, 18.7(CH3),55.5(-CH2-) 131.6 - 131.9, 139.4(-CH=CH2)
ポリマー (AB2 モノマー : 化合物 13 = 100 : 10)の1H NMR スペクトル (CDCL3δ, ppm): -0.00 - 0.09(-SiCH-(CH3)2) α , 0.11 - 0.19(-SiCH3), 0.37 - 0.41(-CH2-CH2-)β, 0.87 - 1.01α, 1.17 - 1.25 (CH3), 3.79 - 3.86(-CH2-), 5.68 - 6.18(-CH=CH2)
ポリマー (AB2 モノマー : 化合物13 = 100 : 10)の 13C NMR スペクトル (CDCL3δ, ppm): -1.16 - -1.55(-SiCH-(CH3)2) β, 7.89(-SiCH3) α, 8.55 - 9.74(-CH2-CH2-)β, 11.6 - 11.8α, 18.2 - 18.3(CH3),58.3-58.5(-CH2-),131.6 - 131.9,139.0-139.4(-CH=CH2)
ポリマー (AB2 モノマー : 化合物 13 = 100 : 100)の1H NMR スペクトル (CDCL3δ, ppm): -0.01 - 0.09(-SiCH-(CH3)2) α , 0.11 - 0.18(-SiCH3), 0.37 - 0.41(-CH2-CH2-)β, 0.92 - 1.05α, 1.17 - 1.24 (CH3), 3.76 - 3.83(-CH2-), 5.66 - 6.18(-CH=CH2)
ポリマー (AB2 モノマー : 化合物13 = 100 : 100)の13C NMR スペクトル (CDCL3δ, ppm): -1.16 - 1.66(-SiCH-(CH3)2)β , 5.62(-SiCH3)α, 8.42 - 9.73(-CH2-CH2-)β, 11.8α, 18.3(CH3), 58.3(-CH2-), 131.6, 139.3 - 139.6(-CH=CH2)
ポリマー (AB2 モノマー : 化合物13 = 100 : 200)の 1H NMR スペクトル (CDCL3δ, ppm): -0.01 - 0.09(-SiCH-(CH3)2) α , 0.10 - 0.18(-SiCH3), 0.37 - 0.57(-CH2-CH2-)β, 0.92 - 1.05α, 1.17 - 1.24 (CH3), 3.76 - 3.83(-CH2-), 5.66 - 6.17(-CH=CH2)
ポリマー (AB2 モノマー : 化合物13 = 100 : 200)の 13C NMR スペクトル (CDCL3δ, ppm): -1.17 - 1.66(-SiCH-(CH3)2)β, 5.61(-SiCH3)α, 7.63 - 9.74(-CH2-CH2-)β, 11.6 - 11.8α, 18.2(CH3), 58.3 - 58.5(-CH2-), 131.6 - 131.9, 139.0 - 139.6(-CH=CH2)
【0277】
【表7】
【0278】
つぎに、本発明シロキサン誘導体被覆無機酸化物にかかる実施例について具体的に説明する。ただし、本発明はこれら実施例に限定されるものではないことはもちろんである。
【0279】
実施例8(Polymer 14 を修飾したシリコン基板の接触角の測定)
【0280】
合成したポリマー14をシリコン基板に吸着した後、シリコン基板の水の動的接触角および静的接触角を測定した。
シリコン基板の処理は次のように行った。
1.Piranha溶液(濃硫酸:過酸化水素水= 7 : 3 (vol/vol))に90℃、1時間、シリコン基板を浸漬した。
2.超純粋(10 ml)でシリコン基板を4回リンスした。
3.シリコン基板を窒素ガスで乾燥した。
4.10 wt%ポリマー、1 wt% 6N HCl(dry tolueneで希釈)を含むトルエン溶液中にシリコン基板を100 ℃、4時間浸漬した。
5.シリコン基板をろ過したtolueneで10分間洗浄した。
6.シリコン基板を窒素ガスで乾燥した。
【0281】
続いて、基板表面の水の動的接触角と静的接触角をウィルヘルミー天秤法により測定した。前進接触角θA は105.3°、後退接触角θRは33.3°であった。静的接触角θS は104.8°であった。なお、比較のためにPiranha溶液で処理したシリコン基板について接触角を測定した。その結果、前進接触角θA は21.0°、後退接触角θRは28.8°であった。静的接触角θS は32.0°であった。
【0282】
実施例9(polymer14を修飾したシリコン基板表面のビニル末端基をヒドロキシル基への変換および接触角の測定)
【0283】
合成したポリマー14をシリコン基板に吸着した後、ビニル末端基をヒドロキシル基に変換し、シリコン基板の水の動的接触角および静的接触角を測定した。
末端基の変化は以下のように行った。
1. polymer14が吸着しているシリコン基板をポリマー溶液に80℃で1晩浸漬した。ポリマー溶液は、2,2’-Azobis(isobutyronitrile) 0.6 mmol(0.0976 g), 2-Mercaptoethanol 18 mmol(1.1629 ml)を,フィルターでろ過したtoluene 10 mlに溶解して調製した。
2. シリコン基板をろ過したtolueneで3回リンスした。
3.シリコン基板を窒素ガスで乾燥した。
続いて、基板表面の水の動的接触角と静的接触角を測定した。前進接触角θA は109.7°、後退接触角θRは59.0°であった。静的接触角θS は82.2°であった。
【0284】
実施例10(polymer14を修飾したシリコン基板表面のビニル末端基をカルボキシル基への変換および接触角の測定)
【0285】
合成したポリマー14をシリコン基板に吸着した後、ビニル末端基をカルボキシル基に変換し、シリコン基板の水の動的接触角および静的接触角を測定した。
末端基の変化は以下のように行った。
1. polymer14が吸着しているシリコン基板をポリマー溶液に80℃で1晩浸漬した。ポリマー溶液は、2,2’-Azobis(isobutyronitrile) 0.3 mmol(0.049 g), Thioglycolic acid 9 mmol(0.625 ml)を,フィルターでろ過したtoluene 10 mlに溶解して調製した。
2. シリコン基板をろ過したtolueneで3回リンスした。
3.シリコン基板を窒素ガスで乾燥した。
続いて、基板表面の水の動的接触角と静的接触角を測定した。前進接触角θA は82.7°、後退接触角θRは49.3°であった。静的接触角θS は90.0°であった。
【図面の簡単な説明】
【0286】
【図1】要部となる化合物として1,1,3,3,3-ペンタメチル-ビニルジシロキサンを用いた系のMALDI-TOF-MSスペクトルを示す図である。
【図2】要部となる化合物として1,1,3,3,3-ペンタメチル-ビニルジシロキサンを用いた系のGPC測定結果を示す図である。
【図3】要部となる化合物として1,1,3,3-テトラメチル-3-フェニルビニルジシロキサンを用いた系のMALDI-TOF-MSスペクトルを示す図である。
【図4】要部となる化合物として1,1,3,3-テトラメチル-3-フェニルビニルジシロキサンを用いた系のGPC測定結果を示す図である。
【図5】要部となる化合物として1,1,3-トリメチル-3,3-ジフェニルビニルジシロキサンを用いた系のMALDI-TOF-MSスペクトルを示す図である。
【図6】要部となる化合物として1,1,3-トリメチル-3,3-ジフェニルビニルジシロキサンを用いた系のGPC測定結果を示す図である。
【図7】要部となる化合物としてトリメチルビニルシランを用いた系のMALDI-TOF-MSスペクトルを示す図である。
【図8】要部となる化合物としてトリメチルビニルシランを用いた系のGPC測定結果を示す図である。
【図9】要部となる化合物としてジメチルフェニルビニルシランを用いた系のMALDI-TOF-MSスペクトルを示す図である。
【図10】要部となる化合物としてジメチルフェニルビニルシランを用いた系のGPC測定結果を示す図である。
【図11】要部となる化合物として1,3,3,5,5-ペンタメチル-3,5-ジフェニルビニルトリシロキサンを用いた系のMALDI-TOF-MSスペクトルを示す図である。
【図12】要部となる化合物として1,3,3,5,5-ペンタメチル-3,5-ジフェニルビニルトリシロキサンを用いた系のGPC測定結果を示す図である。
【図13】要部となる化合物としてトリエトキシビニルシランを用いた系のGPC測定結果を示す図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規なシロキサン誘導体に関する。また、本発明は、前記シロキサン誘導体を被覆する新規なシロキサン誘導体被覆無機酸化物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、シロキサン樹脂はゴム状材料としてパッキングに使用されたり、液状で塗料やオイルとして使用されてきた。このとき、直鎖状ポリシロキサンの末端や主鎖からペンダントされる形で反応性基を導入し、主に空気中の水分の助けによって硬化させる手法がとられてきた。
【0003】
近年、親水性と疎水性を同時に有する両親媒性物質としてミセル様挙動をする材料や、半導体素子において低波長領域の光で加工でき、サブミクロンの線幅を達成できる材料として新たな応用展開が進行しつつある。このような目的に好適な材料としては、疎水性のシロキサン構造に多くの親水性基を導入できたり、低波長領域の光にも透明なシロキサン構造に多くの光官能性基を導入できる材料である。
【0004】
しかし、従来の直鎖状シロキサンでは、末端は2個しかなく官能基導入には数が少なすぎる。また、直鎖状シロキサンの主鎖にペンダントする形で官能基を導入した場合には、シロキサンの主鎖の疎水性と官能基の親水性等、それぞれの機能を分離することが困難となる。
【0005】
このため、機能分離をより容易にでき、種々の機能を持たせることができるポリマーの開発が望まれていた。この要望に応えるべく開発されたのが、ABX型モノマーを自己重合させるハイパーブランチポリシロキシシラン(HBPS)である。ABX型モノマーの自己重合によってハイパーブランチポリシロキシシラン(HBPS)を合成するときには、白金系触媒を一般に使用するが、その使用量や反応温度等の反応条件によって分子量を制御していた(例えば、非特許文献1参照。)。
【0006】
【非特許文献1】Preparation of poly(N-isopropylacrylamide) grafted silica bead using hyperbranched polysiloxysilane as polymer brush and application to temperature-responsive HPLC, Makoto Seino, Kazutoshi Yokomachi, Teruaki Hayakawa, Ryohei Kikuchi, Masa-aki Kakimoto, Shin Horiuchi, Polymer, vol. 47, issue 6, pp. 1946-1952 (2006)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、この方法によれば反応条件と到達分子量との間にはもともと関連は無く、試行錯誤の結果目的とする分子量に到達できる。かつこの方法によっては、要部に機能性基を導入することはできないという問題がある。
【0008】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、新規なシロキサン誘導体を提供することを目的とする。
また、本発明は、前記シロキサン誘導体を被覆する新規なシロキサン誘導体被覆無機酸化物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決し、本発明の目的を達成するため、本発明のシロキサン誘導体は、分岐シロキサン構造を有し、要部となる化合物を有する。
【0010】
ここで、限定されるわけではないが、シロキサン誘導体はデンドリティックポリマーであることが好ましい。また、限定されるわけではないが、シロキサン誘導体は、要部となる化合物(化75)から選ばれる1種または2種以上のものに、モノマー(化81〜91)から選ばれる1種または2種以上のものを重合したポリマーであることが好ましい。
【0011】
本発明のシロキサン誘導体被覆無機酸化物は、シロキサン誘導体が分岐シロキサン構造を有しかつ要部となる化合物を有する。
【0012】
ここで、限定されるわけではないが、シロキサン誘導体はデンドリティックポリマーであることが好ましい。また、限定されるわけではないが、シロキサン誘導体が、要部となる化合物(化75)から選ばれる1種または2種以上のものに、モノマー(化81〜91)から選ばれる1種または2種以上のものを重合したポリマーであり、このポリマーの末端オレフィン基(化92)の一部または全部が、官能基(化93〜97および化108〜168)から選ばれる1種または2種以上のものに置換されていることが好ましい。また、限定されるわけではないが、無機酸化物が、ガラス、シリカゲル、酸化チタン、チタン酸バリウム、インジウムチンオキシド(ITO)、酸化アルミニウム、酸化ニッケル、酸化鉄、酸化ケイ素、酸化亜鉛の単独、もしくは2種以上を組み合わせたものであることが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、以下に記載されるような効果を奏する。
【0014】
本発明は、シロキサン誘導体が分岐シロキサン構造を有し要部となる化合物を有するので、新規なシロキサン誘導体を提供することができる。
【0015】
本発明は、シロキサン誘導体が分岐シロキサン構造を有しかつ要部となる化合物を有するので、新規なシロキサン誘導体被覆無機酸化物を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
まず、シロキサン誘導体にかかる発明を実施するための最良の形態について説明する。
【0017】
本発明のシロキサン誘導体は、分岐シロキサン構造を有し、要部となる化合物を有するものである。また、シロキサン誘導体はデンドリティックポリマーであることが好ましい。また、シロキサン誘導体は具体的な例として、要部となる化合物(化75)から選ばれる1種または2種以上のものに、モノマー(化81〜91)から選ばれる1種または2種以上のものを重合したポリマーを含むものなどがある。なお、「要部」とは、ハイパーブランチポリシロキシシラン(HBPS)の構造における、扇の要に相当する部分のことである。
【0018】
本発明のシロキサン誘導体の製造方法においては、要部となる化合物(化75)から選ばれる1種または2種以上のものと、モノマー(化81〜91)から選ばれる1種または2種以上のものを溶媒に溶解し、触媒の存在下、所定温度で所定時間反応させてポリマーを合成する。
【0019】
【化75】
(Rは、n-プロピル基、n-ブチル基、ペンチル基、イソプロピル基、イソブチル基、t-ブチル基、等のアルキル基。またはRは、フェニル基、o-トリル基、m-トリル基、p-トリル基、o-メトキシフェニル基、m-メトキシフェニル基、p-メトキシフェニル基、α-ナフチル基、β-ナフチル基、等のアリール基。またはRは、アリール基(化76)、シリル基(化77〜79)、アルコキシシリル基(化80)。)
【化76】
(Ar1, Ar2, Ar3のうち少なくとも1つは、フェニル基、o-トリル基、m-トリル基、p-トリル基、o-メトキシフェニル基、m-メトキシフェニル基、p-メトキシフェニル基、α-ナフチル基、β-ナフチル基、等のアリール基。他のAr1, Ar2, Ar3は水素原子。)
【化77】
(シリル基は、2つのうちいずれかである。R1, R2, R3は、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、t-ブチル基、フェニル基、等の置換基。)
【化78】
(シリル基は、2つのうちいずれかである。R1, R2, R3, R4, R5は、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、t-ブチル基、フェニル基、等の置換基。)
【化79】
(R1, R2, R3, R4, R5, R6, R7 は、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、t-ブチル基、フェニル基、等の置換基。)
【化80】
(アルコキシシリル基は、2つのうちいずれかである。R1, R2, R3は、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、t-ブチル基、フェニル基、等の置換基。)
【化81】
【化82】
【化83】
【化84】
【化85】
【化86】
【化87】
【化88】
【化89】
【化90】
【化91】
【0020】
この反応で、触媒としては、Karstedt触媒、塩化白金酸などを使用することができる。
【0021】
この反応で、溶媒としては、THF、ジエチルエ−テル、ジオキサン、ヘキサン、トルエ
ン、ベンゼン、キシレンなどを使用することができる。
【0022】
この反応で、反応温度は、0 〜150 ℃の範囲内にあることが好ましい。
【0023】
この反応で、反応時間は、10分〜72 時間の範囲内にあることが好ましい。
【0024】
以上のことから、本発明を実施するための最良の形態によれば、ABX型モノマーの自己重合によってハイパーブランチポリシロキシシラン(HBPS)合成するときに、ビニル化合物を共存させることによって分子量を制御したHBPSを作製することができる。
【0025】
HBPSをガラスやシリコンウェファ等の無機酸化物表面に吸着させる技術はすでにあるが、分子量が制御されたHBPSを使用すれば、無機酸化物表面に薄くHBPSをコートすることができる。
【0026】
ビニル化合物がHBPSの要部に挿入されることを利用して、あらかじめ機能性基を有するビニル化合物を使用することで、HBPSを機能化することができる。
【0027】
なお、本発明は上述の発明を実施するための最良の形態に限らず本発明の要旨を逸脱することなくその他種々の構成を採り得ることはもちろんである。
【0028】
つぎに、シロキサン誘導体被覆無機酸化物にかかる発明を実施するための最良の形態について説明する。
【0029】
まず、シロキサン誘導体被覆無機酸化物の出発原料について説明する。出発原料としては、無機酸化物とシロキサン誘導体を使用する。
【0030】
無機酸化物について説明する。無機酸化物としては、特に限定されるものではないが、例えばガラス、シリカゲル、酸化チタン、チタン酸バリウム、インジウムチンオキシド(ITO)、酸化アルミニウム、酸化ニッケル、酸化鉄、酸化ケイ素、酸化亜鉛の単独、もしくは2種以上を組み合わせたものが挙げられる。これらのものは目的に応じて使い分ければ良い。
【0031】
また、その形状も限定されるものではなく、粒状、糸状、板状の単独、もしくは2種以上を組み合わせたもので良い。
【0032】
また、無機酸化物は、化合物全体が酸化物である必要はない。例えば、マグネシウム、アルミニウム、チタン、クロム、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、銀、スズ、シリコンなどにおいて、その表面に形成された酸化物被膜であってもよい。
【0033】
シロキサン誘導体について説明する。本発明のシロキサン誘導体は、分岐シロキサン構造を有しかつ要部となる化合物を有している。シロキサン誘導体は、デンドリティックポリマーであることが好ましい。シロキサン誘導体は具体的な例として、シロキサン誘導体が、要部となる化合物(化75)のうちRがアルコキシシリル基(化80)であるものから選ばれる1種または2種以上のものに、モノマー(化81〜91)から選ばれる1種または2種以上のものを重合したポリマーであり、このポリマーの末端オレフィン基(化92)の一部または全部が、官能基(後述する。)から選ばれる1種または2種以上のものに置換されているものがある。
【0034】
シロキサン誘導体被覆無機酸化物の製造方法について説明する。シロキサン誘導体被覆無機酸化物の製造方法において、最初の工程では、要部となる化合物(化75)のうちRがアルコキシシリル基(化80)であるものから選ばれる1種または2種以上のものに、モノマー(化81〜91)から選ばれる1種または2種以上のものを重合したポリマーであるシロキサン誘導体の溶液に、酸またはアルカリの存在下、無機酸化物を浸すことにより作ることができる。
【0035】
その際に用いられる溶媒はシロキサン誘導体を溶解もしくは分散させるものであれば良く、例えば、アセトン、ヘキサン、トルエン、メチルエチルケトン、メチルアルコール、エチルアルコール、水の単独、もしくは2種以上を組み合わせたものが挙げられるが、特に制約されるものではない。
【0036】
反応温度はシロキサン誘導体と被覆させる無機酸化物との間で反応が起これば限定されるものではないが、溶液中で加熱する場合には、通常3〜200℃の範囲で行われ、好ましくは5〜180℃、さらに好ましくは10〜150℃の範囲内で行われる。
【0037】
本発明では、反応液中のシロキサン誘導体濃度についても特に制約されるものではないが、好ましくは0.1〜100質量%で行われ、さらに好ましくは5〜50質量%で行われる。
【0038】
酸としては、塩酸、硝酸、硫酸、メタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸、酢酸などを用いることができる。
【0039】
アルカリとしては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア水、水酸化テトラメチルアンモニウムなどを用いることができる。
【0040】
シロキサン誘導体被覆無機酸化物の製造方法は、無機酸化物をシロキサン誘導体溶液に浸すことに限定されない。このほか、シロキサン誘導体溶液を塗布したり、電界中で電着させるなどの方法を採用することができる。
【0041】
シロキサン誘導体と無機酸化物の結合状態は、つぎのようであると考えられる。アルコキシシランが加水分解され、無機表面の金属水酸基と脱水縮合する。このとき酸あるいはアルカリ性環境下で加水分解反応と脱水縮合反応が加速される。
【0042】
本発明のシロキサン誘導体被覆無機酸化物の製造方法において、つぎの工程では、シロキサン誘導体の末端オレフィン基(化92)の一部または全部に官能基を導入する。
【化92】
【0043】
ここで、具体的な官能基を列挙しながら説明する。
【0044】
末端がアルキル基であるシロキサン誘導体
【0045】
ここでは、シロキサン誘導体の末端オレフィン基(化92)を官能基(化93)に変換する。
【化93】
(nは0〜30の整数)
【0046】
この官能基を有するシロキサン誘導体は、はっ水性の性質を持っている。
【0047】
この官能基を有するシロキサン誘導体は、ガラスの防汚・防曇処理、自動車ガラスの雨対策用処理、クロマトグラフィー用ビーズの表面処理、ハードディスクの潤滑処理などの用途がある。
【0048】
シロキサン誘導体の末端オレフィン基(化92)を官能基(化93)に変換する方法は反応式(化94)に示すとおりである。この反応では、ポリマーの末端オレフィン基(化92)とリチウムヒドリドとの反応で生成するカルバニオンとアルキルハライドとの反応で末端アルキル基(化93)に変換する。
【化94】
【0049】
末端がパーフルオロアルキル基であるシロキサン誘導体
【0050】
ここでは、シロキサン誘導体の末端オレフィン基(化92)を官能基(化95)に変換する。
【化95】
(nは0〜30の整数)
【0051】
この官能基を有するシロキサン誘導体は、はっ水性の性質を持っている。
【0052】
この官能基を有するシロキサン誘導体は、ガラスの防汚・防曇処理、自動車ガラスの雨対策用処理、クロマトグラフィー用ビーズの表面処理、ハードディスクの潤滑処理などの用途がある。
【0053】
シロキサン誘導体の末端オレフィン基(化92)を官能基(化95)に変換する方法は反応式(化96)に示すとおりである。この反応では、ポリマーの末端オレフィン基(化92)とヨードニウム系のフッ化アルキル化試薬により末端にフッ化アルキル基を導入できる。
【化96】
【0054】
末端が芳香族基であるシロキサン誘導体
【0055】
ここでは、シロキサン誘導体の末端オレフィン基(化92)を官能基(化97)に変換する。
【化97】
(Arは、フェニル基、ナフタレン基、等の芳香族炭化水素およびその誘導体。フェニル基については化98〜106に示す。他の芳香族炭化水素については、化98〜106と同様である。また、Arはポルフィリン、フタロシアニン等の含窒素環状化合物。)
【化98】
【化99】
【化100】
【化101】
【化102】
【化103】
【化104】
【化105】
【化106】
【0056】
この官能基を有するシロキサン誘導体は、光機能性、導電性、耐熱性の性質を持っている。
【0057】
この官能基を有するシロキサン誘導体は、ゼロックス型コピー用感光剤、電解発光素子、有機トランジスター、帯電防止コートなどの用途がある。
【0058】
シロキサン誘導体の末端オレフィン基(化92)を官能基(化97)に変換する方法は反応式(化107)に示すとおりである。この反応では、まずポリマーの末端オレフィン基に塩化水素の作用で塩素を導入し、続いて芳香族求電子置換反応により末端芳香族基(化97)を導入する。
【化107】
【0059】
末端がヒドロキシル基であるシロキサン誘導体
【0060】
ここでは、シロキサン誘導体の末端オレフィン基(化92)を官能基(化108)に変換する。
【化108】
【0061】
この官能基を有するシロキサン誘導体は、親水性の性質を持っている。
【0062】
この官能基を有するシロキサン誘導体は、ガラスの防汚・防曇処理、帯電防止などの用途がある。
【0063】
シロキサン誘導体の末端オレフィン基(化92)を官能基(化108)に変換する方法は反応式(化109)に示すとおりである。ポリマーの末端オレフィン基(化92)のホウ素試薬によるヒドロボレーション反応により末端ヒドロキシル基(化108)に変換する。
【化109】
【0064】
この官能基には、さらに他の官能基を導入することができる。他の官能基としては、エーテル、カルボン酸エステルなどを挙げることができる。
【0065】
末端がエーテル基であるシロキサン誘導体
【0066】
ここでは、シロキサン誘導体の末端オレフィン基(化92)を官能基(化110)に変換する。
【化110】
(Rは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、等のアルキル基(C=1〜30)およびそのフッ素置換アルキル基,またはこれらのアルキル基を有する芳香族基)
【0067】
この官能基を有するシロキサン誘導体は、親油性、はっ水性の性質を持っている。
【0068】
この官能基を有するシロキサン誘導体は、ガラスの防汚・防曇処理、自動車ガラスの雨対策用処理、クロマトグラフィー用ビーズの表面処理、ハードディスクの潤滑処理などの用途がある。
【0069】
シロキサン誘導体の末端オレフィン基(化92)を官能基(化110)に変換する方法は反応式(化111)に示すとおりである。ポリマーの末端オレフィン基(化92)を(化109)により末端ヒドロキシル基(化108)とし、塩基の存在下にアルキルハライドと反応させて末端エーテル基(化110)に変換する。
【化111】
【0070】
末端がエポキシ基であるシロキサン誘導体
【0071】
ここでは、シロキサン誘導体の末端オレフィン基(化92)を官能基(化112)に変換する。
【化112】
【0072】
この官能基を有するシロキサン誘導体は、他の樹脂との親和性、特にエポキシ樹脂との良好な親和性の性質を持っている。
【0073】
この官能基を有するシロキサン誘導体は、フィラーの表面改質材、ガラス・セラミックスへのエポキシ樹脂の接着補強材などの用途がある。
【0074】
シロキサン誘導体の末端オレフィン基(化92)を官能基(化112)に変換する方法は反応式(化113)に示すとおりである。この反応はポリマーの末端オレフィン基(化92)を過酢酸やm−クロロ過安息香酸のような過酸で酸化することにより末端エポキシ基(化112)に変換する。
【化113】
【0075】
この官能基には、さらに他の官能基を導入することができる。他の官能基としては、1,2−グリコール、ヒドロキシエーテル、ヒドロキシアミン、ヒドロキシカルボン酸、ヒドロキシスルホン酸などを挙げることができる。
【0076】
末端がエステル基であるシロキサン誘導体
【0077】
ここでは、シロキサン誘導体の末端オレフィン基(化92)を官能基(化114)に変換する。
【化114】
(Rは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、等のアルキル基(C=1〜30)およびそのフッ素置換アルキル基,またはこれらのアルキル基を有する芳香族基)
【0078】
この官能基を有するシロキサン誘導体は、親油性、はっ水性、他の樹脂との親和性の性質を持っている。
【0079】
この官能基を有するシロキサン誘導体は、フィラーの表面改質材、ガラスの防汚・防曇処理、クロマトグラフィー用ビーズの表面処理、ハードディスクの潤滑処理などの用途がある。
【0080】
シロキサン誘導体の末端オレフィン基(化92)を官能基(化114)に変換する方法は反応式(化115)に示すとおりである。ポリマーの末端オレフィン基(化92)を(化109)により末端ヒドロキシル基(化108)とし、塩基の存在下に酸クロリドや酸無水物と反応させて末端エステル基(化114)に変換する。
【化115】
【0081】
末端が第2級ヒドロキシル基であるシロキサン誘導体
【0082】
ここでは、シロキサン誘導体の末端オレフィン基(化92)を官能基(化116)に変換する。
【化116】
この官能基を有するシロキサン誘導体は、親水性の性質を持っている。
【0083】
この官能基を有するシロキサン誘導体は、ガラスの防汚・防曇処理、帯電防止などの用途がある。
【0084】
シロキサン誘導体の末端オレフィン基(化92)を官能基方法は反応式(化117)に示すとおりである。ポリマーの末端オレフィン基(化92)に酢酸水銀を作用させて官能基(化116)に変換するか、末端エポキシ基(化112)を還元することで末端第2級ヒドロキシル基(化116)に変換する。
【化117】
【0085】
この官能基には、さらに他の官能基を導入することができる。他の官能基としては、エーテル、カルボン酸エステルなどを挙げることができる。
【0086】
末端がエーテル基であるシロキサン誘導体
【0087】
ここでは、シロキサン誘導体の末端オレフィン基(化92)を官能基(化118)に変換する。
【化118】
(Rは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、等のアルキル基(C=1〜30)およびそのフッ素置換アルキル基,またはこれらのアルキル基を有する芳香族基)
【0088】
この官能基を有するシロキサン誘導体は、親油性、はっ水性の性質を持っている。
【0089】
この官能基を有するシロキサン誘導体は、フィラーの表面改質材、ガラスの防汚・防曇処理、クロマトグラフィー用ビーズの表面処理、ハードディスクの潤滑処理などの用途がある。
【0090】
シロキサン誘導体の末端オレフィン基(化92)を官能基(化118)に変換する方法は反応式(化119)に示すとおりである。ポリマーの末端オレフィン基(化92)を(化117)により末端第2級ヒドロキシル基(化116)とし、塩基の存在下にアルキルハライドと反応させて末端エーテル基(化118)に変換する。
【化119】
【0091】
末端がエステル基であるシロキサン誘導体
【0092】
ここでは、シロキサン誘導体の末端オレフィン基(化92)を官能基(化120)に変換する。
【化120】
(Rは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、等のアルキル基(C=1〜30)およびそのフッ素置換アルキル基,またはこれらのアルキル基を有する芳香族基)
【0093】
この官能基を有するシロキサン誘導体は、親油性、はっ水性、他の樹脂との親和性の性質を持っている。
【0094】
この官能基を有するシロキサン誘導体は、フィラーの表面改質材、ガラスの防汚・防曇処理、クロマトグラフィー用ビーズの表面処理、ハードディスクの潤滑処理などの用途がある。
【0095】
シロキサン誘導体の末端オレフィン基(化92)を官能基(化120)に変換する方法は反応式(化121)に示すとおりである。ポリマーの末端オレフィン基(化92)を(化117)により末端第2級ヒドロキシル基(化116)とし、塩基の存在下に酸クロリドや酸無水物と反応させて末端エステル基(化120)に変換する。
【化121】
【0096】
末端が第1級アミノ基であるシロキサン誘導体
【0097】
ここでは、シロキサン誘導体の末端オレフィン基(化92)を官能基(化122)に変換する。
【化122】
【0098】
この官能基を有するシロキサン誘導体は、塩基性、酸性物質との親和性の性質を持っている。
【0099】
この官能基を有するシロキサン誘導体は、バイオチップ、界面活性剤などの用途がある。
【0100】
シロキサン誘導体の末端オレフィン基(化92)を官能基(化122)に変換する方法は反応式(化123)に示すとおりである。この反応では、末端オレフィン基(化92)をホウ素化合物によるヒドロボレーションアミノ化反応で末端第1級アミノ基(化122)に変換する。
【化123】
【0101】
この官能基には、さらに他の官能基を導入することができる。他の官能基としては、アミド、スルホンアミド、アンモニウム塩などを挙げることができる。
【0102】
末端が第2級および第3級アミンであるシロキサン誘導体
【0103】
ここでは、シロキサン誘導体の末端オレフィン基(化92)を官能基(化124)に変換する。
【化124】
(R1,R2は互いに独立に水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、
ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、等のアルキル基(C=1〜30)およびそのフッ素置換アルキル基、またはこれらのアルキル基を有する芳香族基)
【0104】
この官能基を有するシロキサン誘導体は、塩基性、酸性物質との親和性の性質を持っている。
【0105】
この官能基を有するシロキサン誘導体は、バイオチップ、界面活性剤などの用途がある。
【0106】
シロキサン誘導体の末端オレフィン基(化92)を官能基(化124)に変換する方法は反応式(化125)に示すとおりである。末端に第1級アミノ基を持つ官能基(化122)にアルキルハライドを反応させて合成する。あるいは、ポリマーの末端オレフィン基(化92)にヒドロボレーション反応を行い、アルキルアジドを反応させて、第2級アミン末端化合物、続いてアルキルハライドを反応させて第3級アミン化合物(化124)を合成する。
【化125】
【0107】
この官能基には、さらに他の官能基を導入することができる。他の官能基としては、アミド、スルホンアミド、アンモニウム塩などを挙げることができる。
【0108】
末端が4級アンモニウム塩基であるシロキサン誘導体
【0109】
ここでは、シロキサン誘導体の末端オレフィン基(化92)を官能基(化126)に変換する。
【化126】
(R1,R2,R3は互いに独立に水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、等のアルキル基(C=1〜30)およびそのフッ素置換アルキル基、またはこれらのアルキル基を有する芳香族基)
【0110】
この官能基を有するシロキサン誘導体は、親水性の性質を持っている。
この官能基を有するシロキサン誘導体は、界面活性剤などの用途がある。
【0111】
シロキサン誘導体の末端オレフィン基(化92)を官能基(化126)に変換する方法は反応式(化127)に示すとおりである。末端に第1級アミノ基を持つ官能基(化122)にアルキルハライドを反応させて合成する。あるいは、ポリマーの末端オレフィン基(化92)にヒドロボレーション反応を行い、アルキルアジドを反応させて、第2級アミン末端化合物、続いてアルキルハライドを反応させて第3級アミン化合物(化124)を合成し、次にアルキルハライドを反応させて4級アンモニウム塩化合物(化126)を合成する。
【化127】
【0112】
末端がアルデヒド基であるシロキサン誘導体
【0113】
ここでは、シロキサン誘導体の末端オレフィン基(化92)を官能基(化128)に変換する。
【化128】
【0114】
この官能基を有するシロキサン誘導体は、アルコールやアミンとの反応性を持っている。
【0115】
この官能基を有するシロキサン誘導体は、バイオチップや反応性コーティングなどの用途がある。
【0116】
シロキサン誘導体の末端オレフィン基(化92)を官能基(化128)に変換する方法は反応式(化129)に示すとおりである。この反応ではポリマーの末端オレフィン基(化92)をパラジウム触媒の存在下に一酸化炭素を反応させてアルデヒド官能基(化128)を合成する。
【化129】
【0117】
この官能基には、さらに他の官能基を導入することができる。他の官能基としては、アルコール、カルボン酸、アセタール、イミンなどを挙げることができる。
【0118】
末端がカルボキシル基であるシロキサン誘導体
【0119】
ここでは、シロキサン誘導体の末端オレフィン基(化92)を官能基(化130)に変換する。
【化130】
【0120】
この官能基を有するシロキサン誘導体は、親水性、抗菌性の性質を持っている。
【0121】
この官能基を有するシロキサン誘導体は、バイオチップ、界面活性剤、抗菌コート剤などの用途がある。
【0122】
シロキサン誘導体の末端オレフィン基(化92)を官能基(化130)に変換する方法は反応式(化131)に示すとおりである。この反応ではポリマーの末端オレフィン基(化92)をパラジウム触媒の存在下に一酸化炭素を反応させてアルデヒド官能基(化128)を合成し、次にクロム酸等の酸化剤で酸化することで末端カルボン酸官能基(化130)を合成する。
【化131】
【0123】
この官能基には、さらに他の官能基を導入することができる。他の官能基としては、エステル、アミドなどを挙げることができる。
【0124】
末端がイソシアナート基であるシロキサン誘導体
【0125】
ここでは、シロキサン誘導体の末端オレフィン基(化92)を官能基(化132)に変換する。
【化132】
【0126】
この官能基を有するシロキサン誘導体は、アルコールやアミンとの反応性を持っている。
【0127】
この官能基を有するシロキサン誘導体は、バイオチップや反応性コーティングなどの用途がある。
【0128】
シロキサン誘導体の末端オレフィン基(化92)を官能基(化132)に変換する方法は反応式(化133)に示すとおりである。この反応ではポリマーの末端オレフィン基(化92)をパラジウム触媒の存在下に一酸化炭素を反応させてアルデヒド官能基(化128)を合成し、次にクロム酸等の酸化剤で酸化することで末端カルボン酸官能基(化130)を合成し、次に塩化チオニル等で酸クロリドに変換した後に、アジ化ナトリウムと反応させ、ついで加熱することで末端イソシアナート官能基(化132)を合成する。
【化133】
【0129】
この官能基には、さらに他の官能基を導入することができる。他の官能基としては、ウレタン、ウレアなどを挙げることができる。
【0130】
末端がエステル基であるシロキサン誘導体
【0131】
ここでは、シロキサン誘導体の末端オレフィン基(化92)を官能基(化134)に変換する。
【化134】
(Rは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、等のアルキル基(C=1〜30)およびそのフッ素置換アルキル基,またはこれらのアルキル基を有する芳香族基)
【0132】
この官能基を有するシロキサン誘導体は、親油性、はっ水性、他の樹脂との親和性の性質を持っている。
【0133】
この官能基を有するシロキサン誘導体は、フィラーの表面改質材、ガラスの防汚・防曇処理、クロマトグラフィー用ビーズの表面処理、ハードディスクの潤滑処理などの用途がある。
【0134】
シロキサン誘導体の末端オレフィン基(化92)を官能基(化134)に変換する方法は反応式(化135)に示すとおりである。この反応ではポリマーの末端オレフィン基(化92)をパラジウム触媒の存在下に一酸化炭素を反応させてアルデヒド官能基(化128)を合成し、次にクロム酸等の酸化剤で酸化することで末端カルボン酸官能基(化130)を合成し、縮合剤の存在下にアルコールを反応させて、末端エステル官能基(化134)を合成する。
【化135】
【0135】
末端がアミド基であるシロキサン誘導体
【0136】
ここでは、シロキサン誘導体の末端オレフィン基(化92)を官能基(化136)に変換する。
【化136】
(R1,R2は互いに独立に水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、
ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、等のアルキル基(C=1〜30)およびそのフッ素置換アルキル基、またはこれらのアルキル基を有する芳香族基)
【0137】
この官能基を有するシロキサン誘導体は、親油性、はっ水性、他の樹脂との親和性の性質を持っている。
【0138】
この官能基を有するシロキサン誘導体は、フィラーの表面改質材、ガラスの防汚・防曇処理、クロマトグラフィー用ビーズの表面処理、ハードディスクの潤滑処理などの用途がある。
【0139】
シロキサン誘導体の末端オレフィン基(化92)を官能基(化136)に変換する方法は反応式(化137)に示すとおりである。この反応ではポリマーの末端オレフィン基(化92)をパラジウム触媒の存在下に一酸化炭素を反応させてアルデヒド官能基(化128)を合成し、次にクロム酸等の酸化剤で酸化することで末端カルボン酸官能基(化130)を合成し、縮合剤の存在下にアミンを反応させて、末端アミド官能基(化136)を合成する。
【化137】
【0140】
末端がアルデヒド基であるシロキサン誘導体
【0141】
ここでは、シロキサン誘導体の末端オレフィン基(化92)を官能基(化138)に変換する。
【化138】
【0142】
この官能基を有するシロキサン誘導体は、アルコールやアミンとの反応性を持っている。
この官能基を有するシロキサン誘導体は、バイオチップや反応性コーティングなどの用途がある。
【0143】
シロキサン誘導体の末端オレフィン基(化92)を官能基に変換する方法は反応式(化139)に示すとおりである。この反応ではポリマーの末端オレフィン基(化92)をクロム化合物で酸化することにより末端アルデヒド基(化138)に変換する。
【化139】
【0144】
この官能基には、さらに他の官能基を導入することができる。他の官能基としては、アルコール、カルボン酸、アセタール、イミンなどを挙げることができる。
【0145】
末端がカルボキシル基であるシロキサン誘導体
【0146】
ここでは、シロキサン誘導体の末端オレフィン基(化92)を官能基(化140)に変換する。
【化140】
【0147】
この官能基を有するシロキサン誘導体は、親水性、抗菌性の性質を持っている。
【0148】
この官能基を有するシロキサン誘導体は、バイオチップ、界面活性剤、抗菌コート剤などの用途がある。
【0149】
シロキサン誘導体の末端オレフィン基(化92)を官能基(化140)に変換する方法は反応式(化141)に示すとおりである。この反応ではポリマーの末端オレフィン基(化92)をホウ素化合物によるヒドロボレーション反応、続くクロム酸等による酸化反応で末端カルボキシル基(化140)を合成する。
【化141】
【0150】
この官能基には、さらに他の官能基を導入することができる。他の官能基としては、エステル、アミドなどを挙げることができる。
【0151】
末端がエステル基であるシロキサン誘導体
【0152】
ここでは、シロキサン誘導体の末端オレフィン基(化92)を官能基(化142)に変換する。
【化142】
(Rは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、等のアルキル基(C=1〜30)およびそのフッ素置換アルキル基,またはこれらのアルキル基を有する芳香族基)
【0153】
この官能基を有するシロキサン誘導体は、親油性、はっ水性、他の樹脂との親和性の性質を持っている。
【0154】
この官能基を有するシロキサン誘導体は、フィラーの表面改質材、ガラスの防汚・防曇処理、クロマトグラフィー用ビーズの表面処理、ハードディスクの潤滑処理などの用途がある。
【0155】
シロキサン誘導体の末端オレフィン基(化92)を官能基(化142)に変換する方法は反応式(化143)に示すとおりである。この反応ではポリマーの末端オレフィン基(化92)をホウ素化合物によるヒドロボレーション反応、続くクロム酸等による酸化反応で末端カルボン酸基(化140)を合成し、続いて縮合剤の存在下にアルコールを反応させて末端エステル基(化142)を合成する。
【化143】
【0156】
末端がアミド基であるシロキサン誘導体
【0157】
ここでは、シロキサン誘導体の末端オレフィン基(化92)を官能基(化144)に変換する。
【化144】
(R1,R2は互いに独立に水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、
ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、等のアルキル基(C=1〜30)およびそのフッ素置換アルキル基、またはこれらのアルキル基を有する芳香族基)
【0158】
この官能基を有するシロキサン誘導体は、親油性、はっ水性、他の樹脂との親和性の性質を持っている。
【0159】
この官能基を有するシロキサン誘導体は、フィラーの表面改質材、ガラスの防汚・防曇処理、クロマトグラフィー用ビーズの表面処理、ハードディスクの潤滑処理などの用途がある。
【0160】
シロキサン誘導体の末端オレフィン基(化92)を官能基(化144)に変換する方法は反応式(化145)に示すとおりである。この反応ではポリマーの末端オレフィン基(化92)をホウ素化合物によるヒドロボレーション反応、続くクロム酸等による酸化反応で末端カルボン酸基(化140)を合成し、続いて縮合剤の存在下にアミンを反応させて末端アミド基(化144)を合成する。
【化145】
【0161】
末端がシリル基であるシロキサン誘導体
【0162】
ここでは、シロキサン誘導体の末端オレフィン基(化92)を官能基(化146)に変換する。
【化146】
(R1,R2,R3は互いに独立に水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、等のアルキル基(C=1〜30)およびそのフッ素置換アルキル基、またはこれらのアルキル基を有する芳香族基)
【0163】
この官能基を有するシロキサン誘導体は、親油性、はっ水性の性質を持っている。
【0164】
この官能基を有するシロキサン誘導体は、フィラーの表面改質材、ガラスの防汚・防曇処理、クロマトグラフィー用ビーズの表面処理、ハードディスクの潤滑処理などの用途がある。
【0165】
シロキサン誘導体の末端オレフィン基(化92)を官能基(化146)に変換する方法は反応式(化147)に示すとおりである。この反応ではポリマーの末端オレフィン基(化92)と置換シリルヒドリド化合物を白金触媒の存在下に反応させて末端シリル基(化146)に変換する。
【化147】
【0166】
末端がチオール基であるシロキサン誘導体
【0167】
ここでは、シロキサン誘導体の末端オレフィン基(化92)を官能基(化148)に変換する。
【化148】
【0168】
この官能基を有するシロキサン誘導体は、親水性、金表面との密着性の性質を持っている。
【0169】
この官能基を有するシロキサン誘導体は、バイオチップ、ガラスと金との密着層などの用途がある。
【0170】
シロキサン誘導体の末端オレフィン基(化92)を官能基(化148)に変換する方法は反応式(化149)に示すとおりである。ポリマーの末端オレフィン基(化92)と硫化水素を反応させて末端チオール基(化148)に変換する )
【化149】
【0171】
この官能基には、さらに他の官能基を導入することができる。他の官能基としては、チオエ−テルなどを挙げることができる。
【0172】
末端がチオエ−テル基を含むシロキサン誘導体
【0173】
ここでは、シロキサン誘導体の末端オレフィン基(化92)を官能基(化150)に変換する。
【化150】
(Rは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、等のアルキル基(C=1〜30)およびそのフッ素置換アルキル基,またはこれらのアルキル基を有する芳香族基、フェニル基、ナフチル基、ヒドロキシメチル基、1−および2−ヒドロキシエチル基、1−,2−,および3−ヒドロキシプロピル基、1,2−ジヒドロキシエチル基、1,2−、1,3−、および2,3−ジヒドロキシプロピル基等の水酸基置換アルキル基、カルボキシメチル基、1−および2−カルボキシエチル基、1−,2−,および3−カルボキシプロピル基、1,2−ジカルボキシエチル基、1,2−、1,3−、および2,3−ジカルボキシプロピル基等のカルボキシル基置換アルキル基、アミノメチル基、1−および2−アミノエチル基、1−,2−,および3−アミノプロピル基、1,2−ジアミノエチル基、1,2−、1,3−、および2,3−ジアミノプロピル基等のアミノ基置換アルキル基)
【0174】
この官能基を有するシロキサン誘導体は、親油性、はっ水性、親水性、高屈折率の性質を持っている。
【0175】
この官能基を有するシロキサン誘導体は、フィラーの表面改質材、ガラスの防汚・防曇処理、クロマトグラフィー用ビーズの表面処理、ハードディスクの潤滑処理、バイオチップなどの用途がある。
【0176】
シロキサン誘導体の末端オレフィン基(化92)を官能基(化150)に変換する方法は反応式(化151)に示すとおりである。ポリマーの末端オレフィン基(化92)と硫化水素を反応させて末端チオール基(化148)に変換し、次に塩基とアルキルハライドを反応させて末端チオエーテル基(化150)に変換する。あるいは、すでに必要な官能基を有するチオール化合物をポリマーの末端オレフィン基(化92)にラジカル発生剤の存在下に反応させて末端チオエーテル基(化150)に変換する。
【化151】
【0177】
末端がハロゲン基であるシロキサン誘導体
【0178】
ここでは、シロキサン誘導体の末端オレフィン基(化92)を官能基(化152)に変換する。
【化152】
(Xはフッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子)
【0179】
この官能基を有するシロキサン誘導体は、エーテル基、チオエ−テル基等他の官能基への変換の性質を持っている。
【0180】
この官能基を有するシロキサン誘導体は、バイオチップなどの用途がある。
【0181】
シロキサン誘導体の末端オレフィン基(化92)を官能基(化152)に変換する方法は反応式(化153)に示すとおりである。この反応ではポリマーの末端オレフィン基(化92)のヒドロボレーション反応に臭素を反応させることで末端臭素(化152)に変換する。
【化153】
【0182】
この官能基には、さらに他の官能基を導入することができる。他の官能基としては、エーテル、チオエ−テルなどを挙げることができる。
【0183】
末端がグリコール基であるシロキサン誘導体
【0184】
ここでは、シロキサン誘導体の末端オレフィン基(化92)を官能基(化154)に変換する。
【化154】
【0185】
この官能基を有するシロキサン誘導体は、親水性の性質を持っている。
【0186】
この官能基を有するシロキサン誘導体は、ガラスの防汚・防曇処理、帯電防止などの用途がある。
【0187】
シロキサン誘導体の末端オレフィン基(化92)を官能基(化154)に変換する方法は反応式(化155)に示すとおりである。ポリマーの末端オレフィン基(化92)を4酸化オスミウムで酸化して末端グリコール基(化154)に変換する。
【化155】
【0188】
この官能基には、さらに他の官能基を導入することができる。他の官能基としては、エーテル、エステル、エポキシなどを挙げることができる。
【0189】
末端がエーテル基であるシロキサン誘導体
【0190】
ここでは、シロキサン誘導体の末端オレフィン基(化92)を官能基(化156)に変換する。
【化156】
(Rは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、等のアルキル基(C=1〜30)およびそのフッ素置換アルキル基,またはこれらのアルキル基を有する芳香族基)
【0191】
この官能基を有するシロキサン誘導体は、親油性、はっ水性、他の樹脂との親和性の性質を持っている。
【0192】
この官能基を有するシロキサン誘導体は、フィラーの表面改質材、ガラスの防汚・防曇処理、クロマトグラフィー用ビーズの表面処理、ハードディスクの潤滑処理などの用途がある。
【0193】
シロキサン誘導体の末端オレフィン基(化92)を官能基(化156)に変換する方法は反応式(化157)に示すとおりである。ポリマーの末端オレフィン基(化92)を4酸化オスミウムで酸化して末端グリコール基(化154)に変換し、次に塩基とアルキルハライドを反応させて末端エーテル基(化156)に変換する。
【化157】
【0194】
末端がエステル基であるシロキサン誘導体
【0195】
ここでは、シロキサン誘導体の末端オレフィン基(化92)を官能基(化158)に変換する。
【化158】
(Rは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、等のアルキル基(C=1〜30)およびそのフッ素置換アルキル基,またはこれらのアルキル基を有する芳香族基)
【0196】
この官能基を有するシロキサン誘導体は、親油性、はっ水性、他の樹脂との親和性の性質を持っている。
【0197】
この官能基を有するシロキサン誘導体は、フィラーの表面改質材、ガラスの防汚・防曇処理、クロマトグラフィー用ビーズの表面処理、ハードディスクの潤滑処理などの用途がある。
【0198】
シロキサン誘導体の末端オレフィン基(化92)を官能基(化158)に変換する方法は反応式(化159)に示すとおりである。ポリマーの末端オレフィン基(化92)を4酸化オスミウムで酸化して末端グリコール基(化154)に変換し、次に塩基とカルボン酸クロリドを反応させて末端エステル基(化158)に変換する。 )
【化159】
【0199】
末端がヒドロキシスルホン酸基であるシロキサン誘導体
【0200】
ここでは、シロキサン誘導体の末端オレフィン基(化92)を官能基(化160)に変換する。
【化160】
【0201】
この官能基を有するシロキサン誘導体は、親水性の性質を持っている。
【0202】
この官能基を有するシロキサン誘導体は、界面活性剤などの用途がある。
【0203】
シロキサン誘導体の末端オレフィン基(化92)を官能基(化160)に変換する方法は反応式(化161)に示すとおりである。ポリマーの末端オレフィン基(化92)を過酢酸やm−クロロ過安息香酸のような過酸で酸化することで末端エポキシ基(化112)を合成し、次に亜硫酸ナトリウムを反応させることで末端ヒドロキシスルホン酸基(化160)の合成を行う。
【化161】
【0204】
この官能基には、さらに他の官能基を導入することができる。他の官能基としては、エーテル、エステルなどを挙げることができる。
【0205】
末端がヒドロキシアミノ基であるシロキサン誘導体
【0206】
ここでは、シロキサン誘導体の末端オレフィン基(化92)を官能基(化162)に変換する。
【化162】
【0207】
この官能基を有するシロキサン誘導体は、親水性の性質を持っている。
【0208】
この官能基を有するシロキサン誘導体は、ガラスの防汚・防曇処理、帯電防止などの用途がある。
【0209】
シロキサン誘導体の末端オレフィン基(化92)を官能基(化162)に変換する方法は反応式(化163)に示すとおりである。ポリマーの末端オレフィン基(化92)を過酢酸やm−クロロ過安息香酸のような過酸で酸化することで末端エポキシ基(化112)を合成し、次にアンモニアを反応させることで末端ヒドロキシアミノ基(化162)の合成を行う。
【化163】
この官能基には、さらに他の官能基を導入することができる。他の官能基としては、エーテル、エステル、アミドなどを挙げることができる。
【0210】
末端がヒドロキシ−N置換アミノ基であるシロキサン誘導体
【0211】
ここでは、シロキサン誘導体の末端オレフィン基(化92)を官能基(化164)に変換する。
【化164】
(R1,R2は互いに独立に水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、
ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、等のアルキル基(C=1〜30)およびそのフッ素置換アルキル基、またはこれらのアルキル基を有する芳香族基)
【0212】
この官能基を有するシロキサン誘導体は、親水性の性質を持っている。
【0213】
この官能基を有するシロキサン誘導体は、ガラスの防汚・防曇処理、帯電防止などの用途がある。
【0214】
シロキサン誘導体の末端オレフィン基(化92)を官能基(化164)に変換する方法は反応式(化165)に示すとおりである。ポリマーの末端オレフィン基(化92)を過酢酸やm−クロロ過安息香酸のような過酸で酸化することで末端エポキシ基(化112)を合成し、次に第1級または第2級アミンを反応させることで末端ヒドロキシ−N置換アミノ基(化164)の合成を行う。
【化165】
【0215】
この官能基には、さらに他の官能基を導入することができる。他の官能基としては、エーテル、エステル、アミドなどを挙げることができる。
【0216】
末端がスルホン酸基であるシロキサン誘導体
【0217】
ここでは、シロキサン誘導体の末端オレフィン基(化92)を官能基(化166)に変換する。
【化166】
【0218】
この官能基を有するシロキサン誘導体は、親水性、強酸の性質を持っている。
【0219】
この官能基を有するシロキサン誘導体は、界面活性剤などの用途がある。
【0220】
シロキサン誘導体の末端オレフィン基(化92)を官能基(化166)に変換する方法は反応式(化167)に示すとおりである。ポリマーの末端オレフィン基(化92)と硫化水素を反応させて末端チオール基(化148)に変換し、次に過マンガン酸カリウム等の酸化剤で酸化して末端スルホン酸基(化166)に変換する。
【化167】
【0221】
末端がシアノ基であるシロキサン誘導体
【0222】
ここでは、シロキサン誘導体の末端オレフィン基(化92)を官能基(化168)に変換する。
【化168】
【0223】
この官能基を有するシロキサン誘導体は、加水分解性の性質を持っている。
【0224】
この官能基を有するシロキサン誘導体は、界面活性剤などの用途がある。
【0225】
シロキサン誘導体の末端オレフィン基(化92)を官能基(化168)に変換する方法は反応式(化169)に示すとおりである。この反応ではポリマーの末端オレフィン基(化92)のヒドロボレーション反応に臭素を反応させることで末端臭素(化152)に変換し、青酸カリウムと反応させて末端シアノ基(化168)に変換する。
【化169】
【0226】
この官能基には、さらに他の官能基を導入することができる。他の官能基としては、カルボン酸、アミンなどを挙げることができる。
【0227】
以上のことから、本発明を実施するための最良の形態によれば、例えばトリエトキシシリル基を有するビニル化合物を使用すれば、要部にトリエトキシシリル基を持つHBPSを合成することができ、このものを使用して共有結合によって無機酸化物表面と強固に結合させることができる。
【0228】
さらに無機酸化物表面上のHBPSの末端ビニル基を他の官能基に変換して、無機酸化物表面に種々の有機官能基を導入できる。
【0229】
なお、本発明は上述の発明を実施するための最良の形態に限らず本発明の要旨を逸脱することなくその他種々の構成を採り得ることはもちろんである。
【実施例】
【0230】
つぎに、本発明シロキサン誘導体にかかる実施例について具体的に説明する。ただし、本発明はこれら実施例に限定されるものではないことはもちろんである。
【0231】
実施例1( 要部となる化合物として1,1,3,3,3-ペンタメチル-ビニルジシロキサン(1)を用いた系)
【0232】
【化170】
【0233】
1,1,3,3,3-ペンタメチル-ビニルジシロキサン[1]の合成はScheme 1 に示したように、トリエチルアミン 1.2 mol, ジエチルエーテル1.6 Lの混合溶液中、クロロジメチルビニルシラン81.89 ml(0.6 mol)と水10.81 ml(0.6 mol)を 0 ℃で30分間かくはんし、直ちにクロロトリメチルシラン76.69 ml(0.6 mol)を滴下した。19時間かくはんした後、ろ過した。エバポレーターでエーテルを除去したのち、0.3 M 塩酸水溶液とジエチルエーテルで抽出することによりトリエチルアミンを除去し、次に塩化ナトリウム水溶液で抽出することにより中和した。次に、硫酸マグネシウムで脱水乾燥した後、エバポレーターで溶媒を除去した。精製は常圧蒸留により行った。沸点は108 ℃であった。収率は 5 %であった。化合物[1]のプロトンおよび炭素13のnmrスペクトルの結果を以下に示す。
【0234】
化合物1の 1H NMR スペクトル(CDCL3δ, ppm):0.05 - 0.21(SiCH3), 5.66 - 6.16(-CH=CH2)
化合物1の13C NMR スペクトル (CDCL3,δ, ppm):0.81 - 2.37(SiCH3), 131.9 - 132.1, 140.1(-CH=CH2)
【0235】
【化171】
【0236】
要部に化合物[1]を有するハイパーブランチポリシロキシシラン(HBPS)は、Scheme 2に示したように、プラチナ-1,3-ビニル-l-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン錯体 (Pt [dvs]) 0.1 M キシレン溶液(カールステッド触媒)存在下、AB2型モノマーである1,1,3,5,5-ペンタメチル-1,5-ジビニルトリシロキサンと化合物[1]を室温で3時間反応させた後、アセトニトリル中に再沈殿することにより得た。反応時のモル比は、AB2型モノマー:化合物[1] = 100 : 1, 100 : 10, 100:100, 100 : 200とした。得られたポリマーの構造解析は、1H , 13C NMR, MALDI-TOF-MSスペクトルにより行った。その結果、全てのシグナルが明確に帰属でき、目的物が得られていることがわかった。得られたポリマーの分子量はGPC測定とMALDI-TOF-MSスペクトルにより求めた。その結果、ビニル化合物の添加量に従い、得られるポリマーの分子量を1800 〜 4100程度で制御できることがわかった。分子量分布は、1.57 〜 3.16であった。AB2型モノマー:化合物[1]が、100 : 1、100 : 10、100:100、および100 : 200のプロトンおよび炭素13のnmrスペクトルの結果を以下に示す。また、MALDI-TOF-MSスペクトルを図1に、GPC測定の結果の表1と図2に示す。
【0237】
ポリマー (AB2 モノマー : 化合物 1 = 100 : 1)の 1H NMR スペクトル (CDCL3δ, ppm): -0.10 - 0.10 (-SiCH-(CH3)2) α付加 , 0.12 - 0.19(-SiCH3) β付加, 0.34 - 0.58 (-CH2-CH2-)β付加, 0.90 - 1.02 α, 5.67 - 6.18(-CH=CH2)
ポリマー (AB2 モノマー : 化合物 1= 100 : 1)の 13C NMR スペクトル (CDCL3δ, ppm): -0.71 - 2.00, 9.07 - 9.88(-CH2-CH2-)β, 8.36(-SiCH-(CH3)2)α, 12.45(-SiCH3) α, 132.0 - 132.8, 139.8 - 139.9(-CH=CH2)
ポリマー (AB2 モノマー : 化合物1 = 100 : 10)の 1H NMR スペクトル (CDCL3δ, ppm): -0.01 - 0.08 (-SiCH-(CH3)2) α, 0.13 - 0.18(-SiCH3) β, 0.23 - 0.57 (-CH2-CH2-)β, 0.94 - 1.00 α, 5.67 - 6.16(-CH=CH2)
ポリマー (AB2 モノマー : 化合物1 = 100 : 10)の13C NMR スペクトル (CDCL3δ, ppm): -1.12 - 1.99, 8.64 - 9.44(-CH2-CH2-)β, 7.93(-SiCH-(CH3)2)α, 11.8(-SiCH3) α, 131.6, 139.4 - 139.9(-CH=CH2)
ポリマー (AB2 モノマー : 化合物1 = 100 : 100)の1H NMR スペクトル (CDCL3δ, ppm): -0.18 - 0.09 (-SiCH-(CH3)2) α, 0.10 - 0.19(-SiCH3) β, 0.34 - 0.47 (-CH2-CH2-)β, 0.87 - 1.02 α, 5.67 - 6.17(-CH=CH2)
ポリマー (AB2 モノマー : 化合物1 = 100 : 100)の13C NMR スペクトル (CDCL3δ, ppm): -0.72 - 2.40, 9.31 - 10.0 (-CH2-CH2-)β, 8.32(-SiCH-(CH3)2)α, 12.2(-SiCH3)α, 132, 139.9 - 140.0(-CH=CH2)
ポリマー (AB2 モノマー : 化合物1 = 100 : 200)の1H NMR スペクトル (CDCL3δ, ppm): (CDCL3δ, ppm): 0.02 - 0.09 (-SiCH-(CH3)2) α, 0.14 - 0.19(-SiCH3) β, 0.38 - 0.58 (-CH2-CH2-)β, 0.87 - 1.01 α, 5.68 - 6.18s(-CH=CH2)
ポリマー (AB2 モノマー : 化合物1 = 100 : 200)の13C NMR スペクトル (CDCL3δ, ppm): -1.05 - 2.41, 9.06 - 10.2(-CH2-CH2-)β, 8.13 - 8.83(-SiCH-(CH3)2) α , 11.2 - 12.2(-SiCH3) α, 132.0 - 132.4, 139.6 - 140.3(-CH=CH2)
【0238】
【表1】
【0239】
実施例2(要部となる化合物として1,1,3,3-テトラメチル-3-フェニルビニルジシロキサンを用いた系)
【0240】
【化172】
【0241】
1,1,3,3-テトラメチル-3-フェニル-ビニルジシロキサン[3]の合成はScheme 3 に示したように、トリエチルアミン 1.2 mol, ジエチルエーテル1.6 Lの混合溶液中、ジメチルフェニルクロロシラン99.24 ml(0.6 mol)と水10.81 ml(0.6 mol)を 0 ℃で30分間かくはんし、直ちにクロロジメチルビニルシラン81.89 ml(0.6 mol)を滴下した。19時間かくはんした後、ろ過した。エバポレーターでエーテルを除去したのち、0.3 M 塩酸水溶液とジエチルエーテルで抽出することによりトリエチルアミンを除去し、次に塩化ナトリウム水溶液で抽出することにより中和した。次に、硫酸マグネシウムで脱水乾燥した後、エバポレーターで溶媒を除去した。精製は減圧蒸留により行った。沸点は75 ℃(5 mmHg)で、収率は37 %であった。化合物[3]のプロトンおよび炭素13のnmrスペクトルの結果を以下に示す。
【0242】
化合物 3の1H NMR スペクトル (CDCL3δ, ppm):0.15 - 0.18(Si(CH3)2Ph), 0.33 - 0.42(SiCH3), 5.70 - 6.15(-CH=CH2), 7.36 - 7.59 (Phenyl)
化合物 3の13C NMR スペクトル (CDCL3δ, ppm):0.39(Si(CH3)2Ph), 0.88(SiCH3), 131.8 , 139.3 (-CH=CH2), 127.7 - 127.9, 129.2 - 129.6, 133.0, 134.0(Phenyl)
【0243】
【化173】
【0244】
要部に化合物[3]を有するHBPSは、Scheme 4に示したように、カールステッド触媒存在下、AB2型モノマーである1,1,3,5,5-ペンタメチル-1,5-ジビニルトリシロキサンと化合物[3]を室温で3時間反応させた後、アセトニトリル中に再沈殿することにより得た。反応時のモル比は、AB2型モノマー:化合物3 = 100 : 1, 100 : 10, 100:100, 100 : 200とした。得られたポリマーの構造解析は、1H , 13C NMR, MALDI-TOF-MSスペクトルにより行った。その結果、全てのシグナルが明確に帰属でき、目的物が得られていることがわかった。得られたポリマーの分子量はGPC測定とMALDI-TOF-MSスペクトルにより求めた。その結果、ビニル化合物の添加量に従い、得られるポリマーの分子量を900 〜 5600程度で制御できることがわかった。分子量分布は、1.27 〜 2.55であった。AB2型モノマー:化合物[3]が、100 : 1、100 : 10、100:100、および100 : 200のプロトンおよび炭素13のnmrスペクトルの結果を以下に示す。また、MALDI-TOF-MSスペクトルを図3に、GPC測定の結果の表2と図4に示す。
【0245】
ポリマー (AB2 モノマー : 化合物3 = 100 : 1)の 1H NMR スペクトル (CDCL3δ, ppm): 0.00 - 0.05 (-SiCH-(CH3)2) α付加 , 0.10 - 0.20(-SiCH3) β付加, 0.39 - 0.44 (-CH2-CH2-)β付加, 0.88 - 1.03 α, 5.68 - 6.19(-CH=CH2), 7.20 - 7.58(Phenyl)
ポリマー (AB2 モノマー : 化合物3 = 100 : 1)の13C NMR スペクトル (CDCL3δ, ppm): -1.12 - 1.63, 8.66 - 9.47(-CH2-CH2-)β, 7.94(-SiCH-(CH3)2) α, 11.8(-SiCH3) α, 131.7, 139.4 - 139.5(-CH=CH2),12.7.7, 132.1 - 133.0, 139.3, 140.0(Phenyl)
ポリマー (AB2 モノマー : 化合物3 = 100 : 10)の 1H NMR スペクトル (CDCL3δ, ppm): -0.06 - 0.07 (-SiCH-(CH3)2) α付加 , 0.11 - 0.20(-SiCH3) β付加, 0.32 - 0.45 (-CH2-CH2-)β付加, 0.61 - 1.21 α, 5.69 - 6.19(-CH=CH2),7.35 - 7.58 (Phenyl)
ポリマー (AB2 モノマー : 化合物3 = 100 : 10)の13C NMR スペクトル (CDCL3δ, ppm): -1.01 - 1.63, 8.67 - 9.49(-CH2-CH2-)β, 7.95(-SiCH-(CH3)2) α, 11.9(-SiCH3) α, 131.6, 139.4 - 139.5(-CH=CH2), 127.7, 129.2, 133.0, 13.4(Phenyl)
ポリマー (AB2 モノマー : 化合物 3= 100 : 100)の1H NMR スペクトル (CDCL3δ, ppm): -0.12 - 0.08 (-SiCH-(CH3)2) α, 0.11 - 0.20(-SiCH3) β, 0.28 - 0.60 (-CH2-CH2-)β, 0.91 - 1.05 α, 5.68 - 6.19(-CH=CH2), 7.34 - 7.55 (Phenyl)
ポリマー (AB2 モノマー : 化合物3 = 100 : 100)の13C NMR スペクトル (CDCL3δ, ppm): -1.01 - 1.59, 8.93 - 9.54(-CH2-CH2-)β, 7.92(-SiCH-(CH3)2)α, 11.8(-SiCH3) α, 131.6, 139.4 (-CH=CH2), 127.7, 129.2, 133.0, 139.4(Phenyl)
ポリマー (AB2 モノマー : 化合物3 = 100 : 200)の1H NMR スペクトル (CDCL3δ, ppm): 0.01 - 0.10 (-SiCH-(CH3)2) α, 0.12 - 0.21(-SiCH3) β, 0.32 - 0.42 (-CH2-CH2-)β, 0.95 - 1.04 α, 5.69 - 6.19(-CH=CH2),7.35 - 7.62 (Phenyl)
ポリマー (AB2 モノマー : 化合物3 = 100 : 200)の13C NMR スペクトル (CDCL3δ, ppm): -1.15 - 1.56, 8.62 - 9.47(-CH2-CH2-)β, 7.91(-SiCH-(CH3)2)α, 11.8(-SiCH3) α, 131.6, 139.4 - 139.5(-CH=CH2), 127.7 - 127.9, 129.1 - 129.6, 132.9 - 133.0, 134.0(Phenyl)
【0246】
【表2】
【0247】
実施例3(要部となるモノマーとして1,1,3-トリメチル-3,3-ジフェニルビニルジシロキサンを用いた系)
【0248】
【化174】
【0249】
1,1,3-トリメチル-3,3-ジフェニルビニルジシロキサン[5]の合成はScheme 5 に示したように、トリエチルアミン 1.2 mol, ジエチルエーテル1.6 Lの混合溶液中、ジフェニルメチルクロロシラン123.9 ml(0.6 mol)と水10.81 ml(0.6 mol)を 0 ℃で30分間かくはんし、直ちにクロロジメチルビニルシラン81.89 ml(0.6 mol)を滴下した。19時間かくはんした後、ろ過した。エバポレーターでエーテルを除去したのち、0.3 M 塩酸水溶液とジエチルエーテルで抽出することによりトリエチルアミンを除去し、次に塩化ナトリウム水溶液で抽出することにより中和した。次に、硫酸マグネシウムで脱水乾燥した後、エバポレーターで溶媒を除去した。精製は減圧蒸留により行った。沸点は112 ℃(3 mmHg)で、収率は56 %であった。化合物[5]のプロトンおよび炭素13のnmrスペクトルの結果を以下に示す。
【0250】
化合物 5の1H NMR スペクトル (CDCL3δ, ppm):0.20 - 0.21(SiCH3), 0.65 - 0.71 (Si(CH3)2Ph), 5.73 - 6.23(-CH=CH2), 7.36 - 7.66 (Phenyl)
化合物 5の13C NMR スペクトル (CDCL3δ, ppm): -0.91(Si(CH3)2Ph), -0.02(SiCH3), 131.6 , 138.7 (-CH=CH2), 127.3 - 127.5, 129.1 - 129.5, 133.4 - 133.9, 137.6 (Phenyl)
【0251】
【化175】
【0252】
要部に化合物[5]を有するHBPSは、Scheme 6に示したように、カールステッド触媒存在下、AB2型モノマーである1,1,3,5,5-ペンタメチル-1,5-ジビニルトリシロキサンと1,1,3-トリメチル-3,3-ジフェニルビニルジシロキサン[5]を室温で3時間反応させた後、アセトニトリル中に再沈殿することにより得た。反応時のモル比は、AB2型モノマー:モノマー5 = 100 : 1, 100 : 10, 100:100, 100 : 200とした。得られたポリマーの構造解析は、1H , 13C NMR, MALDI-TOF-MSスペクトルにより行った。その結果、全てのシグナルが明確に帰属でき、目的物が得られていることがわかった。得られたポリマーの分子量はGPC測定とMALDI-TOF-MSスペクトルにより求めた。その結果、ビニル化合物の添加量に従い、得られるポリマーの分子量を1500 〜 4000程度で制御できることがわかった。分子量分布は、1.17 〜 2.65であった。AB2型モノマー:化合物[5]が、100 : 1、100 : 10、100:100、および100 : 200のプロトンおよび炭素13のnmrスペクトルの結果を以下に示す。また、MALDI-TOF-MSスペクトルを図5に、GPC測定の結果の表3と図6に示す。
【0253】
ポリマー (AB2 モノマー : 化合物 5 = 100 : 1)の1H NMR スペクトル (CDCL3δ, ppm): -0.09 - 0.01(-SiCH-(CH3)2) α , 0.01 - 0.16(-SiCH3), 0.31 - 0.52(-CH2-CH2-)β, 0.82 - 1.03 α, 5.67 - 6.18(-CH=CH2),7.20 - 7.59(phenyl)
ポリマー (AB2 モノマー : 化合物 5 = 100 : 1)の13C NMR スペクトル (CDCL3δ, ppm): -1. 56 - 1.16, 8.23 - 9.04(-CH2-CH2-)β, 7.52(-SiCH-(CH3)2) α, 11.4(-SiCH3) α, 131.2, 139.0(-CH=CH2), 127.7, 129.4, 133.9, 137.5 - 138.3(Phenyl)
ポリマー (AB2 モノマー : 化合物 5 = 100 : 10)の1H NMR スペクトル (CDCL3δ, ppm):-0.01 - 0.05(-SiCH-(CH3)2) α , 0.08 - 0.21(-SiCH3), 0.36 - 0.58(-CH2-CH2-)β, 0.98 - 1.01α, 5.66 - 6.18(-CH=CH2), 7.30 - 7.55(Phenyl)
ポリマー (AB2 モノマー : 化合物 5 = 100 : 10)の13C NMR スペクトル (CDCL3δ, ppm): -1. 10 - 1.60, 8.66 - 9.54(-CH2-CH2-)β, 7.95(-SiCH-(CH3)2) α, 11.8(-SiCH3) α, 131.6, 139.4(-CH=CH2), 127.2, 129.4, 133.9, 139.4(Phenyl)
ポリマー (AB2 モノマー : 化合物 5 = 100 : 100)の 1H NMR スペクトル (CDCL3δ, ppm):-0.01 - 0.05(-SiCH-(CH3)2) α , 0.08 - 0.21(-SiCH3), 0.36 - 0.58(-CH2-CH2-)β, 0.98 - 1.01α, 5.66 - 6.18(-CH=CH2), 7.32 - 7.63(Phenyl)
ポリマー (AB2 モノマー : 化合物 5 = 100 : 100)の13C NMR スペクトル (CDCL3δ, ppm): -0.70 - 0.82, 8.37 - 9.84(-CH2-CH2-)β, 6.36(-SiCH-(CH3)2) α, 12.2(-SiCH3) α, 132.4, 139.5(-CH=CH2), 128.1 - 128.9, 129.8 - 130.3, 132.0 - 132.1, 134.2 - 134.4(Phenyl)
ポリマー (AB2 モノマー : 化合物 5 = 100 : 200)の1H NMR スペクトル (CDCL3δ, ppm):-0.08 - 0.09(-SiCH-(CH3)2) α , 0.12 - 0.19(-SiCH3), 0.58 - 0.68(-CH2-CH2-)β, 0.92 - 1.02α, 5.67 - 6.18(-CH=CH2), 7.31 - 7.62(Phenyl)
ポリマー (AB2 モノマー : 化合物 5 = 100 : 200)の13C NMR スペクトル (CDCL3δ, ppm): -1.89 - 0.82, 9.33 - 10.5(-CH2-CH2-)β, 8.31(-SiCH-(CH3)2) α, 12.3(-SiCH3) α, 131.2, 139.0(-CH=CH2), 128.1 - 128.3, 129.8 - 130.3, 134.2 - 134.3, 138.4(Phenyl)
【0254】
【表3】
【0255】
実施例4(要部となるモノマーとしてトリメチルビニルシランを用いた系)
【0256】
【化176】
【0257】
要部にトリメチルビニルシラン[7]を有するHBPSは、Scheme 7に示したように、カールステッド触媒存在下、AB2型モノマーである1,1,3,5,5-ペンタメチル-1,5-ジビニルトリシロキサンとトリメチルビニルシランを室温で3時間反応させた後、アセトニトリル中に再沈殿することにより得た。反応時のモル比は、AB2型モノマー:トリメチルビニルシラン = 100 : 1, 100 : 10, 100:100, 100 : 200とした。ただし、AB2型モノマー:トリメチルビニルシラン = 100 : 200については再沈殿すると溶解し、精製できなかった。得られたポリマーの構造解析は、1H , 13C NMR, MALDI-TOF-MSスペクトルにより行った。その結果、全てのシグナルが明確に帰属でき、目的物が得られていることがわかった。得られたポリマーの分子量はGPC測定とMALDI-TOF-MSスペクトルにより求めた。その結果、ビニル化合物の添加量に従い、得られるポリマーの分子量を1800 〜 10000程度で制御できることがわかった。分子量分布は、2.00 〜 2.71であった。AB2型モノマー:化合物[7]が、100 : 1、100 : 10、および100:100のプロトンおよび炭素13のnmrスペクトルの結果を以下に示す。また、MALDI-TOF-MSスペクトルを図7に、GPC測定の結果の表4と図8に示す。
【0258】
ポリマー (AB2 モノマー : 化合物 7= 100 : 1)の1H NMR スペクトル (CDCL3δ, ppm): -0.01 - 0.05(-SiCH-(CH3)2) α , 0.09 - 0.19(-SiCH3), 0.37 - 0.59(-CH2-CH2-)β, 0.87 - 1.01α, 5.67 - 6.17(-CH=CH2)
ポリマー (AB2 モノマー : 化合物 7 = 100 : 1)の 13C NMR スペクトル (CDCL3δ, ppm): -1. 55 - 1.19, 8.20 - 9.06(-CH2-CH2-)β, 7.51(-SiCH-(CH3)2) α, 11.4(-SiCH3) α, 131.2, 139.0(-CH=CH2)
ポリマー (AB2 モノマー : 化合物 7 = 100 : 10)の1H NMR スペクトル (CDCL3δ, ppm): -0.11 - 0.04(-SiCH-(CH3)2) α , 0.09 - 0.19(-SiCH3), 0.37 - 0.42(-CH2-CH2-)β, 0.92 - 1.01α, 5.67 - 6.17(-CH=CH2)
ポリマー (AB2 モノマー : 化合物 7 = 100 : 10)の13C NMR スペクトル (CDCL3δ, ppm): -2.65 - 1.18, 8.21 - 9.02(-CH2-CH2-)β, 7.51(-SiCH-(CH3)2) α, 11.4(-SiCH3) α, 131.2, 139.0(-CH=CH2)
ポリマー (AB2 モノマー : 化合物 7 = 100 : 100)の1H NMR スペクトル (CDCL3δ, ppm): -0.11 - 0.05(-SiCH-(CH3)2) α , 0.08 - 0.18(-SiCH3), 0.34 - 0.41(-CH2-CH2-)β, 0.85 - 1.01α, 5.66 - 6.18(-CH=CH2)
ポリマー (AB2 モノマー : 化合物 7 = 100 : 100)の13C NMR スペクトル (CDCL3δ, ppm): -1.44 - 1.58, 8.63 - 9.75(-CH2-CH2-)β, 7.91(-SiCH-(CH3)2) α, 11.8(-SiCH3) α, 131.6, 139.4(-CH=CH2)
【0259】
【表4】
【0260】
実施例5(要部となるモノマーとしてジメチルフェニルビニルシランを用いた系)
【0261】
【化177】
【0262】
要部にジメチルフェニルビニルシラン[9]を有するHBPSは、Scheme 8に示したように、カールステッド触媒存在下、AB2型モノマーである1,1,3,5,5-ペンタメチル-1,5-ジビニルトリシロキサンとジメチルフェニルビニルシランを室温で3時間反応させた後、アセトニトリル中に再沈殿することにより得た。反応時のモル比は、AB2型モノマー:トリメチルビニルシラン = 100 : 1, 100 : 10, 100:100, 100 : 200とした。得られたポリマーの構造解析は、1H , 13C NMR, MALDI-TOF-MSスペクトルにより行った。その結果、全てのシグナルが明確に帰属でき、目的物が得られていることがわかった。得られたポリマーの分子量はGPC測定とMALDI-TOF-MSスペクトルにより求めた。その結果、ビニル化合物の添加量に従い、得られるポリマーの分子量を1400 〜 9300程度で制御できることがわかった。分子量分布は、1.32 〜 2.64であった。AB2型モノマー:化合物[9]が、100 : 1、100 : 10、100:100、および100 : 200のプロトンおよび炭素13のnmrスペクトルの結果を以下に示す。また、MALDI-TOF-MSスペクトルを図9に、GPC測定の結果の表5と図10に示す。
【0263】
ポリマー (AB2 モノマー : 化合物 9 = 100 : 1)の1H NMR スペクトル (CDCL3δ, ppm): -0.01 - 0.04(-SiCH-(CH3)2) α , 0.09 - 0.19(-SiCH3), 0.37 - 0.57(-CH2-CH2-)β, 0.87 - 1.01α, 5.67 - 6.16(-CH=CH2),7.19 - 7.53(Phenyl)
ポリマー (AB2 モノマー : 化合物 9 = 100 : 1)の13C NMR スペクトル (CDCL3δ, ppm): -1.18 - 1.60, 8.97 - 9.84(-CH2-CH2-)β, 8.19(-SiCH-(CH3)2) α, 11.8(-SiCH3) α, 131.6, 139.4(-CH=CH2), 132.0, 133.1, 138.1 - 138.3, 141.4(Phenyl)
ポリマー (AB2 モノマー : 化合物 9 = 100 : 10)の1H NMR スペクトル (CDCL3δ, ppm): -0.01 - 0.09(-SiCH-(CH3)2) α , 0.14 - 0.23(-SiCH3), 0.34 - 0.43(-CH2-CH2-)β, 0.87 - 1.01α, 5.68 - 6.18(-CH=CH2), 7.33 - 7.50(Phenyl)
ポリマー (AB2 モノマー : 化合物 9 = 100 : 10)の13C NMR スペクトル (CDCL3δ, ppm): -1.14 - 1.60, 8.56 - 9. 48(-CH2-CH2-)β, 7.92(-SiCH-(CH3)2)α, 11.8(-SiCH3) α, 131.2, 139.3(-CH=CH2), 127.7, 129.2, 133.0, 140.2(Phenyl)
ポリマー (AB2 モノマー : 化合物 9 = 100 : 100)の1H NMR スペクトル (CDCL3δ, ppm): -0.00 - 0.09(-SiCH-(CH3)2) α, 0.10 - 0.24(-SiCH3), 0.34 - 0.42(-CH2-CH2-)β, 0.93 - 1.02α, 5.68 - 6.18(-CH=CH2), 7.33 - 7.49(Phenyl)
ポリマー (AB2 モノマー : 化合物 9 = 100 : 100)の13C NMR スペクトル (CDCL3δ, ppm): -0.67 - 1.99, 8.32 - 10.0(-CH2-CH2-)β, 7.24 - 7.34(-SiCH-(CH3)2)α, 12.1 - 12.2(-SiCH3) α, 132.0, 139.9(-CH=CH2), 127.7, 129.1, 131.6 - 132.2, 140.0 - 140.2(Phenyl)
ポリマー (AB2 モノマー : 化合物 9= 100 : 200)の 1H NMR スペクトル (CDCL3δ, ppm): -0.00 - 0.09(-SiCH-(CH3)2) α , 0.10 - 0.24(-SiCH3), 0.34 - 0.42(-CH2-CH2-)β, 0.93 - 1.02α, 5.68 - 6.23(-CH=CH2), 7.32 - 7.49(Phenyl)
ポリマー (AB2 モノマー : 化合物 9 = 100 : 200)の13C NMR スペクトル (CDCL3δ, ppm): -1.13 - -0.14(-SiCH-(CH3)2) β, 0.20 - 1.61(-SiCH3) α, 7.93 - 9.49(-CH2-CH2-)β, 11.8α, 131.6 - 131.9, 139.4(-CH=CH2), 127.7, 127.8, 132.8, 133.8(Phenyl)
【0264】
【表5】
【0265】
実施例6(要部となるモノマーとして1,3,3,5,5-ペンタメチル-3,5-ジフェニルビニルトリシロキサンを用いた系)
【0266】
【化178】
【0267】
1,1,3,5,5-ペンタメチル-1,5-ジフェニル-3-ビニルトリシロキサン[11]の合成はScheme 9 に示したように、トリエチルアミン 1.2 mol, ジエチルエーテル1.6 Lの混合溶液中、ジメチルフェニルクロロシラン99.24 ml(0.6 mol)と水10.81 ml(0.6 mol)を 0 ℃で30分間かくはんし、直ちにジクロロメチルビニルシラン40.36 ml(0.3 mol)を滴下した。19時間かくはんした後、ろ過した。エバポレーターでエーテルを除去したのち、0.3 M 塩酸水溶液とジエチルエーテルで抽出することによりトリエチルアミンを除去し、次に塩化ナトリウム水溶液で抽出することにより中和した。次に、硫酸マグネシウムで脱水乾燥した後、エバポレーターで溶媒を除去した。精製はカラムクロマトグラフィーにより行った。展開溶媒は、ヘキサン:塩化メチレン = 1:2 とした。収率は54 %であった。化合物[11]のプロトンおよび炭素13のnmrスペクトルの結果を以下に示す。
【0268】
化合物 11の 1H NMR スペクトル (CDCL3δ, ppm): 0.16 - 0.22(-SiCH3), 0.36 - 0.44(-Si(CH3)2Ph) , 5.81 - 6.04(-CH=CH2), 7.37 - 7.59(Phenyl)
化合物 11の 13C NMR スペクトル (CDCL3δ, ppm): -0.86 - -0.47(-SiCH3), 0.73 - 0.86(-Si(CH3)2Ph) , 133, 140(-CH=CH2), 127.0 - 128.0, 129.2 - 130.0, 134.0 - 134.3, 136.1 - 137.1 (Phenyl)
【0269】
【化179】
【0270】
要部に化合物[11]を有するHBPSは、Scheme 10に示したように、カールステッド触媒存在下、AB2型モノマーである1,1,3,5,5-ペンタメチル-1,5-ジビニルトリシロキサンとモノマー [11]を室温で3時間反応させた後、アセトニトリル中に再沈殿することにより得た。反応時のモル比は、AB2型モノマー:化合物11 = 100 : 1, 100 : 10, 100:100, 100 : 200とした。得られたポリマーの構造解析は、1H , 13C NMR, MALDI-TOF-MSスペクトルにより行った。その結果、全てのシグナルが明確に帰属でき、目的物が得られていることがわかった。得られたポリマーの分子量はGPC測定とMALDI-TOF-MSスペクトルにより求めた。その結果、ビニル化合物の添加量に従い、得られるポリマーの分子量を400 〜 13000程度で制御できることがわかった。分子量分布は、1.22 〜 4.04であった。AB2型モノマー:化合物[11]が、100 : 1、100 : 10、100:100、および100 : 200のプロトンおよび炭素13のnmrスペクトルの結果を以下に示す。また、MALDI-TOF-MSスペクトルを図11に、GPC測定の結果の表6と図12に示す。
【0271】
ポリマー (AB2 モノマー : 化合物 11 = 100 : 1)の1H NMR スペクトル (CDCL3δ, ppm): 0.01 - 0.13(-SiCH-(CH3)2) α , 0.15 - 0.20(-SiCH3), 0.39 - 0.75(-CH2-CH2-)β, 0.88 - 1.03 α, 5.69 - 6.18(-CH=CH2), 7.26 - 7.54(Phenyl)
ポリマー (AB2 モノマー : 化合物 11= 100 : 1)の13C NMR スペクトル (CDCL3δ, ppm): -0.68 - 2.05(-SiCH-(CH3)2)β, 9.08 - 9.89(-SiCH3) β, 8.37 (-CH2-CH2-)α, 12.3 α, 132.0, 140.0(-CH=CH2), 128.1 - 128.3, 129.6, 133.4, 138.2 - 138.3(Phenyl)
ポリマー (AB2 モノマー : 化合物 11 = 100 : 10)の1H NMR スペクトル (CDCL3δ, ppm): -0.01 - 0.12(-SiCH-(CH3)2) α , 0.14 - 0.19(-SiCH3), 0.30 - 0.74(-CH2-CH2-)β, 0.85 - 1.02 α, 5.68 - 6.18(-CH=CH2), 7.34 - 7.54(Phenyl)
ポリマー (AB2 モノマー : 化合物 11 = 100 : 10)の13C NMR スペクトル (CDCL3δ, ppm): -1.15 - 1.56(-SiCH-(CH3)2)β, 8.56 - 9.42(-SiCH3) β, 7.91 (-CH2-CH2-)α, 11.8α, 131.6, 139.4(-CH=CH2), 127.7, 129.2, 131.9, 133.0 (Phenyl)
ポリマー (AB2 モノマー : 化合物 11 = 100 : 100)の1H NMR スペクトル (CDCL3δ, ppm): 0.05 - 0.13(-SiCH-(CH3)2) α , 0.14 - 0.22(-SiCH3), 0.34 - 0.77(-CH2-CH2-)β, 0.90 - 1.29 α, 5.70 - 6.21(-CH=CH2), 7.35 - 7.58(Phenyl)
ポリマー (AB2 モノマー : 化合物 11 = 100 : 100)の13C NMR スペクトル (CDCL3δ, ppm): -0.72 - 2.03(-SiCH-(CH3)2)β, 9.05 - 9.27(-SiCH3) β, 8.27 (-CH2-CH2-)α, 12.0 α, 132.0, 140.0(-CH=CH2), 128.0 - 128.3, 129.7 - 130.0, 133.4, 137.1 - 137.6(Phenyl)
ポリマー (AB2 モノマー : 化合物 11 = 100 : 200)の1H NMR スペクトル (CDCL3δ, ppm): 0.11 - 0.28(-SiCH-(CH3)2) α , 0.40 - 0.42(-SiCH3), 0.44 - 0.47(-CH2-CH2-)β, 1.01 - 1.12 α, 5.83 - 6.16(-CH=CH2), 7.41 - 7.63(Phenyl)
ポリマー (AB2 モノマー : 化合物 11= 100 : 200)の13C NMR スペクトル (CDCL3δ, ppm): -0.63 - 1.26(-SiCH-(CH3)2)β, 8.64 - 8.88(-SiCH3) β, 7.85 (-CH2-CH2-)α, 11.7 α, 131.7, 139.4 - 139.8(-CH=CH2), 127.7 - 127.9, 129.2 - 129.6, 133.0 - 133.9, 136.7 - 137.2(Phenyl)
【0272】
【表6】
【0273】
実施例7(要部となるモノマーとしてトリエトキシビニルシラン[13]を用いた系)
【0274】
【化180】
【0275】
要部にトリエトキシビニルシラン[13]を有するHBPSは、Scheme 11に示したように、カールステッド触媒存在下、AB2型モノマーである1,1,3,5,5-ペンタメチル-1,5-ジビニルトリシロキサンとトリエトキシビニルシランを室温で3時間反応させた後、アセトニトリル中に再沈殿することにより得た。反応時のモル比は、AB2型モノマー:トリエトキシビニルシラン = 100 : 1, 100 : 10, 100:100, 100 : 200とした。得られたポリマーの構造解析は、1H , 13C NMR, MALDI-TOF-MSスペクトルにより行った。その結果、全てのシグナルが明確に帰属でき、目的物が得られていることがわかった。得られたポリマーの分子量はMALDI-TOF-MSスペクトルにより求めた。その結果、ビニル化合物の添加量に従い、得られるポリマーの分子量を600 〜 2000程度で制御できることがわかった。分子量分布は、1.17 〜 1.80であった。AB2型モノマー:化合物[13]が、100 : 1、100 : 10、100:100、および100 : 200のプロトンおよび炭素13のnmrスペクトルの結果を以下に示す。また、GPC測定の結果の表7と図13に示す。
【0276】
ポリマー (AB2 モノマー : 化合物13 = 100 : 1)の1H NMR スペクトル (CDCL3δ, ppm): -0.00 - 0.09(-SiCH-(CH3)2) α , 0.12 - 0.19(-SiCH3), 0.37 - 0.42(-CH2-CH2-)β, 0.92 - 1.01α, 1.55 (CH3), 3.87 - 3.75(-CH2-), 5.67 - 6.17(-CH=CH2)
ポリマー (AB2 モノマー : 化合物13 = 100 : 1)の13C NMR スペクトル -1.13 - -0.14(-SiCH-(CH3)2) β, 0.20 - 1.61(-SiCH3) α, 7.93 - 9.49(-CH2-CH2-)β, 11.8α, 18.7(CH3),55.5(-CH2-) 131.6 - 131.9, 139.4(-CH=CH2)
ポリマー (AB2 モノマー : 化合物 13 = 100 : 10)の1H NMR スペクトル (CDCL3δ, ppm): -0.00 - 0.09(-SiCH-(CH3)2) α , 0.11 - 0.19(-SiCH3), 0.37 - 0.41(-CH2-CH2-)β, 0.87 - 1.01α, 1.17 - 1.25 (CH3), 3.79 - 3.86(-CH2-), 5.68 - 6.18(-CH=CH2)
ポリマー (AB2 モノマー : 化合物13 = 100 : 10)の 13C NMR スペクトル (CDCL3δ, ppm): -1.16 - -1.55(-SiCH-(CH3)2) β, 7.89(-SiCH3) α, 8.55 - 9.74(-CH2-CH2-)β, 11.6 - 11.8α, 18.2 - 18.3(CH3),58.3-58.5(-CH2-),131.6 - 131.9,139.0-139.4(-CH=CH2)
ポリマー (AB2 モノマー : 化合物 13 = 100 : 100)の1H NMR スペクトル (CDCL3δ, ppm): -0.01 - 0.09(-SiCH-(CH3)2) α , 0.11 - 0.18(-SiCH3), 0.37 - 0.41(-CH2-CH2-)β, 0.92 - 1.05α, 1.17 - 1.24 (CH3), 3.76 - 3.83(-CH2-), 5.66 - 6.18(-CH=CH2)
ポリマー (AB2 モノマー : 化合物13 = 100 : 100)の13C NMR スペクトル (CDCL3δ, ppm): -1.16 - 1.66(-SiCH-(CH3)2)β , 5.62(-SiCH3)α, 8.42 - 9.73(-CH2-CH2-)β, 11.8α, 18.3(CH3), 58.3(-CH2-), 131.6, 139.3 - 139.6(-CH=CH2)
ポリマー (AB2 モノマー : 化合物13 = 100 : 200)の 1H NMR スペクトル (CDCL3δ, ppm): -0.01 - 0.09(-SiCH-(CH3)2) α , 0.10 - 0.18(-SiCH3), 0.37 - 0.57(-CH2-CH2-)β, 0.92 - 1.05α, 1.17 - 1.24 (CH3), 3.76 - 3.83(-CH2-), 5.66 - 6.17(-CH=CH2)
ポリマー (AB2 モノマー : 化合物13 = 100 : 200)の 13C NMR スペクトル (CDCL3δ, ppm): -1.17 - 1.66(-SiCH-(CH3)2)β, 5.61(-SiCH3)α, 7.63 - 9.74(-CH2-CH2-)β, 11.6 - 11.8α, 18.2(CH3), 58.3 - 58.5(-CH2-), 131.6 - 131.9, 139.0 - 139.6(-CH=CH2)
【0277】
【表7】
【0278】
つぎに、本発明シロキサン誘導体被覆無機酸化物にかかる実施例について具体的に説明する。ただし、本発明はこれら実施例に限定されるものではないことはもちろんである。
【0279】
実施例8(Polymer 14 を修飾したシリコン基板の接触角の測定)
【0280】
合成したポリマー14をシリコン基板に吸着した後、シリコン基板の水の動的接触角および静的接触角を測定した。
シリコン基板の処理は次のように行った。
1.Piranha溶液(濃硫酸:過酸化水素水= 7 : 3 (vol/vol))に90℃、1時間、シリコン基板を浸漬した。
2.超純粋(10 ml)でシリコン基板を4回リンスした。
3.シリコン基板を窒素ガスで乾燥した。
4.10 wt%ポリマー、1 wt% 6N HCl(dry tolueneで希釈)を含むトルエン溶液中にシリコン基板を100 ℃、4時間浸漬した。
5.シリコン基板をろ過したtolueneで10分間洗浄した。
6.シリコン基板を窒素ガスで乾燥した。
【0281】
続いて、基板表面の水の動的接触角と静的接触角をウィルヘルミー天秤法により測定した。前進接触角θA は105.3°、後退接触角θRは33.3°であった。静的接触角θS は104.8°であった。なお、比較のためにPiranha溶液で処理したシリコン基板について接触角を測定した。その結果、前進接触角θA は21.0°、後退接触角θRは28.8°であった。静的接触角θS は32.0°であった。
【0282】
実施例9(polymer14を修飾したシリコン基板表面のビニル末端基をヒドロキシル基への変換および接触角の測定)
【0283】
合成したポリマー14をシリコン基板に吸着した後、ビニル末端基をヒドロキシル基に変換し、シリコン基板の水の動的接触角および静的接触角を測定した。
末端基の変化は以下のように行った。
1. polymer14が吸着しているシリコン基板をポリマー溶液に80℃で1晩浸漬した。ポリマー溶液は、2,2’-Azobis(isobutyronitrile) 0.6 mmol(0.0976 g), 2-Mercaptoethanol 18 mmol(1.1629 ml)を,フィルターでろ過したtoluene 10 mlに溶解して調製した。
2. シリコン基板をろ過したtolueneで3回リンスした。
3.シリコン基板を窒素ガスで乾燥した。
続いて、基板表面の水の動的接触角と静的接触角を測定した。前進接触角θA は109.7°、後退接触角θRは59.0°であった。静的接触角θS は82.2°であった。
【0284】
実施例10(polymer14を修飾したシリコン基板表面のビニル末端基をカルボキシル基への変換および接触角の測定)
【0285】
合成したポリマー14をシリコン基板に吸着した後、ビニル末端基をカルボキシル基に変換し、シリコン基板の水の動的接触角および静的接触角を測定した。
末端基の変化は以下のように行った。
1. polymer14が吸着しているシリコン基板をポリマー溶液に80℃で1晩浸漬した。ポリマー溶液は、2,2’-Azobis(isobutyronitrile) 0.3 mmol(0.049 g), Thioglycolic acid 9 mmol(0.625 ml)を,フィルターでろ過したtoluene 10 mlに溶解して調製した。
2. シリコン基板をろ過したtolueneで3回リンスした。
3.シリコン基板を窒素ガスで乾燥した。
続いて、基板表面の水の動的接触角と静的接触角を測定した。前進接触角θA は82.7°、後退接触角θRは49.3°であった。静的接触角θS は90.0°であった。
【図面の簡単な説明】
【0286】
【図1】要部となる化合物として1,1,3,3,3-ペンタメチル-ビニルジシロキサンを用いた系のMALDI-TOF-MSスペクトルを示す図である。
【図2】要部となる化合物として1,1,3,3,3-ペンタメチル-ビニルジシロキサンを用いた系のGPC測定結果を示す図である。
【図3】要部となる化合物として1,1,3,3-テトラメチル-3-フェニルビニルジシロキサンを用いた系のMALDI-TOF-MSスペクトルを示す図である。
【図4】要部となる化合物として1,1,3,3-テトラメチル-3-フェニルビニルジシロキサンを用いた系のGPC測定結果を示す図である。
【図5】要部となる化合物として1,1,3-トリメチル-3,3-ジフェニルビニルジシロキサンを用いた系のMALDI-TOF-MSスペクトルを示す図である。
【図6】要部となる化合物として1,1,3-トリメチル-3,3-ジフェニルビニルジシロキサンを用いた系のGPC測定結果を示す図である。
【図7】要部となる化合物としてトリメチルビニルシランを用いた系のMALDI-TOF-MSスペクトルを示す図である。
【図8】要部となる化合物としてトリメチルビニルシランを用いた系のGPC測定結果を示す図である。
【図9】要部となる化合物としてジメチルフェニルビニルシランを用いた系のMALDI-TOF-MSスペクトルを示す図である。
【図10】要部となる化合物としてジメチルフェニルビニルシランを用いた系のGPC測定結果を示す図である。
【図11】要部となる化合物として1,3,3,5,5-ペンタメチル-3,5-ジフェニルビニルトリシロキサンを用いた系のMALDI-TOF-MSスペクトルを示す図である。
【図12】要部となる化合物として1,3,3,5,5-ペンタメチル-3,5-ジフェニルビニルトリシロキサンを用いた系のGPC測定結果を示す図である。
【図13】要部となる化合物としてトリエトキシビニルシランを用いた系のGPC測定結果を示す図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
分岐シロキサン構造を有し、要部となる化合物を有するシロキサン誘導体。
【請求項2】
デンドリティックポリマーである請求項1記載のシロキサン誘導体。
【請求項3】
要部となる化合物(化1)から選ばれる1種または2種以上のものに、モノマー(化7〜17)から選ばれる1種または2種以上のものを重合したポリマーである、請求項1記載のシロキサン誘導体。
【化1】
(Rは、n-プロピル基、n-ブチル基、ペンチル基、イソプロピル基、イソブチル基、t-ブチル基、等のアルキル基。またはRは、フェニル基、o-トリル基、m-トリル基、p-トリル基、o-メトキシフェニル基、m-メトキシフェニル基、p-メトキシフェニル基、α-ナフチル基、β-ナフチル基、等のアリール基。またはRは、アリール基(化2)、シリル基(化3〜5)、アルコキシシリル基(化6)。)
【化2】
(Ar1, Ar2, Ar3のうち少なくとも1つは、フェニル基、o-トリル基、m-トリル基、p-トリル基、o-メトキシフェニル基、m-メトキシフェニル基、p-メトキシフェニル基、α-ナフチル基、β-ナフチル基、等のアリール基。他のAr1, Ar2, Ar3は水素原子。)
【化3】
(シリル基は、2つのうちいずれかである。R1, R2, R3は、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、t-ブチル基、フェニル基、等の置換基。)
【化4】
(シリル基は、2つのうちいずれかである。R1, R2, R3, R4, R5は、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、t-ブチル基、フェニル基、等の置換基。)
【化5】
(R1, R2, R3, R4, R5, R6, R7 は、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、t-ブチル基、フェニル基、等の置換基。)
【化6】
(アルコキシシリル基は、2つのうちいずれかである。R1, R2, R3は、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、t-ブチル基、フェニル基、等の置換基。)
【化7】
【化8】
【化9】
【化10】
【化11】
【化12】
【化13】
【化14】
【化15】
【化16】
【化17】
【請求項4】
シロキサン誘導体が、分岐シロキサン構造を有しかつ要部となる化合物を有する、シロキサン誘導体被覆無機酸化物。
【請求項5】
デンドリティックポリマーである請求項4記載のシロキサン誘導体被覆無機酸化物。
【請求項6】
シロキサン誘導体が、要部となる化合物(化18)から選ばれる1種または2種以上のものに、モノマー(化20〜30)から選ばれる1種または2種以上のものを重合したポリマーであり、このポリマーの末端オレフィン基(化31)の一部または全部が、官能基(化32〜34および化44〜74)から選ばれる1種または2種以上のものに置換されている、請求項4記載のシロキサン誘導体被覆無機酸化物。
【化18】
(Rは、アルコキシシリル基(化19)。)
【化19】
(アルコキシシリル基は、2つのうちいずれかである。R1, R2, R3は、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、t-ブチル基、フェニル基、等の置換基。)
【化20】
【化21】
【化22】
【化23】
【化24】
【化25】
【化26】
【化27】
【化28】
【化29】
【化30】
【化31】
【化32】
(nは0〜30の整数)
【化33】
(nは0〜30の整数)
【化34】
(Arは、フェニル基、ナフタレン基、等の芳香族炭化水素およびその誘導体。フェニル基については化35〜43に示す。他の芳香族炭化水素については、化35〜43と同様である。また、Arはポルフィリン、フタロシアニン等の含窒素環状化合物。)
【化35】
【化36】
【化37】
【化38】
【化39】
【化40】
【化41】
【化42】
【化43】
【化44】
【化45】
(Rは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、等のアルキル基(C=1〜30)およびそのフッ素置換アルキル基,またはこれらのアルキル基を有する芳香族基)
【化46】
【化47】
(Rは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、等のアルキル基(C=1〜30)およびそのフッ素置換アルキル基,またはこれらのアルキル基を有する芳香族基)
【化48】
【化49】
(Rは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、等のアルキル基(C=1〜30)およびそのフッ素置換アルキル基,またはこれらのアルキル基を有する芳香族基)
【化50】
(Rは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、等のアルキル基(C=1〜30)およびそのフッ素置換アルキル基,またはこれらのアルキル基を有する芳香族基)
【化51】
【化52】
(R1,R2は互いに独立に水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、
ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、等のアルキル基(C=1〜30)およびそのフッ素置換アルキル基、またはこれらのアルキル基を有する芳香族基)
【化53】
(R1,R2,R3は互いに独立に水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、等のアルキル基(C=1〜30)およびそのフッ素置換アルキル基、またはこれらのアルキル基を有する芳香族基)
【化54】
【化55】
【化56】
【化57】
(Rは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、等のアルキル基(C=1〜30)およびそのフッ素置換アルキル基,またはこれらのアルキル基を有する芳香族基)
【化58】
(R1,R2は互いに独立に水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、
ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、等のアルキル基(C=1〜30)およびそのフッ素置換アルキル基、またはこれらのアルキル基を有する芳香族基)
【化59】
【化60】
【化61】
(Rは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、等のアルキル基(C=1〜30)およびそのフッ素置換アルキル基,またはこれらのアルキル基を有する芳香族基)
【化62】
(R1,R2は互いに独立に水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、
ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、等のアルキル基(C=1〜30)およびそのフッ素置換アルキル基、またはこれらのアルキル基を有する芳香族基)
【化63】
(R1,R2,R3は互いに独立に水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、等のアルキル基(C=1〜30)およびそのフッ素置換アルキル基、またはこれらのアルキル基を有する芳香族基)
【化64】
【化65】
(Rは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、等のアルキル基(C=1〜30)およびそのフッ素置換アルキル基,またはこれらのアルキル基を有する芳香族基、フェニル基、ナフチル基、ヒドロキシメチル基、1−および2−ヒドロキシエチル基、1−,2−,および3−ヒドロキシプロピル基、1,2−ジヒドロキシエチル基、1,2−、1,3−、および2,3−ジヒドロキシプロピル基等の水酸基置換アルキル基、カルボキシメチル基、1−および2−カルボキシエチル基、1−,2−,および3−カルボキシプロピル基、1,2−ジカルボキシエチル基、1,2−、1,3−、および2,3−ジカルボキシプロピル基等のカルボキシル基置換アルキル基、アミノメチル基、1−および2−アミノエチル基、1−,2−,および3−アミノプロピル基、1,2−ジアミノエチル基、1,2−、1,3−、および2,3−ジアミノプロピル基等のアミノ基置換アルキル基)
【化66】
(Xはフッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子)
【化67】
【化68】
(Rは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、等のアルキル基(C=1〜30)およびそのフッ素置換アルキル基,またはこれらのアルキル基を有する芳香族基)
【化69】
(Rは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、等のアルキル基(C=1〜30)およびそのフッ素置換アルキル基,またはこれらのアルキル基を有する芳香族基)
【化70】
【化71】
【化72】
(R1,R2は互いに独立に水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、
ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、等のアルキル基(C=1〜30)およびそのフッ素置換アルキル基、またはこれらのアルキル基を有する芳香族基)
【化73】
【化74】
【請求項7】
無機酸化物が、ガラス、シリカゲル、酸化チタン、チタン酸バリウム、インジウムチンオキシド(ITO)、酸化アルミニウム、酸化ニッケル、酸化鉄、酸化ケイ素、酸化亜鉛の単独、もしくは2種以上を組み合わせたものである、請求項4記載のシロキサン誘導体被覆無機酸化物。
【請求項1】
分岐シロキサン構造を有し、要部となる化合物を有するシロキサン誘導体。
【請求項2】
デンドリティックポリマーである請求項1記載のシロキサン誘導体。
【請求項3】
要部となる化合物(化1)から選ばれる1種または2種以上のものに、モノマー(化7〜17)から選ばれる1種または2種以上のものを重合したポリマーである、請求項1記載のシロキサン誘導体。
【化1】
(Rは、n-プロピル基、n-ブチル基、ペンチル基、イソプロピル基、イソブチル基、t-ブチル基、等のアルキル基。またはRは、フェニル基、o-トリル基、m-トリル基、p-トリル基、o-メトキシフェニル基、m-メトキシフェニル基、p-メトキシフェニル基、α-ナフチル基、β-ナフチル基、等のアリール基。またはRは、アリール基(化2)、シリル基(化3〜5)、アルコキシシリル基(化6)。)
【化2】
(Ar1, Ar2, Ar3のうち少なくとも1つは、フェニル基、o-トリル基、m-トリル基、p-トリル基、o-メトキシフェニル基、m-メトキシフェニル基、p-メトキシフェニル基、α-ナフチル基、β-ナフチル基、等のアリール基。他のAr1, Ar2, Ar3は水素原子。)
【化3】
(シリル基は、2つのうちいずれかである。R1, R2, R3は、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、t-ブチル基、フェニル基、等の置換基。)
【化4】
(シリル基は、2つのうちいずれかである。R1, R2, R3, R4, R5は、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、t-ブチル基、フェニル基、等の置換基。)
【化5】
(R1, R2, R3, R4, R5, R6, R7 は、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、t-ブチル基、フェニル基、等の置換基。)
【化6】
(アルコキシシリル基は、2つのうちいずれかである。R1, R2, R3は、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、t-ブチル基、フェニル基、等の置換基。)
【化7】
【化8】
【化9】
【化10】
【化11】
【化12】
【化13】
【化14】
【化15】
【化16】
【化17】
【請求項4】
シロキサン誘導体が、分岐シロキサン構造を有しかつ要部となる化合物を有する、シロキサン誘導体被覆無機酸化物。
【請求項5】
デンドリティックポリマーである請求項4記載のシロキサン誘導体被覆無機酸化物。
【請求項6】
シロキサン誘導体が、要部となる化合物(化18)から選ばれる1種または2種以上のものに、モノマー(化20〜30)から選ばれる1種または2種以上のものを重合したポリマーであり、このポリマーの末端オレフィン基(化31)の一部または全部が、官能基(化32〜34および化44〜74)から選ばれる1種または2種以上のものに置換されている、請求項4記載のシロキサン誘導体被覆無機酸化物。
【化18】
(Rは、アルコキシシリル基(化19)。)
【化19】
(アルコキシシリル基は、2つのうちいずれかである。R1, R2, R3は、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、t-ブチル基、フェニル基、等の置換基。)
【化20】
【化21】
【化22】
【化23】
【化24】
【化25】
【化26】
【化27】
【化28】
【化29】
【化30】
【化31】
【化32】
(nは0〜30の整数)
【化33】
(nは0〜30の整数)
【化34】
(Arは、フェニル基、ナフタレン基、等の芳香族炭化水素およびその誘導体。フェニル基については化35〜43に示す。他の芳香族炭化水素については、化35〜43と同様である。また、Arはポルフィリン、フタロシアニン等の含窒素環状化合物。)
【化35】
【化36】
【化37】
【化38】
【化39】
【化40】
【化41】
【化42】
【化43】
【化44】
【化45】
(Rは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、等のアルキル基(C=1〜30)およびそのフッ素置換アルキル基,またはこれらのアルキル基を有する芳香族基)
【化46】
【化47】
(Rは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、等のアルキル基(C=1〜30)およびそのフッ素置換アルキル基,またはこれらのアルキル基を有する芳香族基)
【化48】
【化49】
(Rは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、等のアルキル基(C=1〜30)およびそのフッ素置換アルキル基,またはこれらのアルキル基を有する芳香族基)
【化50】
(Rは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、等のアルキル基(C=1〜30)およびそのフッ素置換アルキル基,またはこれらのアルキル基を有する芳香族基)
【化51】
【化52】
(R1,R2は互いに独立に水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、
ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、等のアルキル基(C=1〜30)およびそのフッ素置換アルキル基、またはこれらのアルキル基を有する芳香族基)
【化53】
(R1,R2,R3は互いに独立に水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、等のアルキル基(C=1〜30)およびそのフッ素置換アルキル基、またはこれらのアルキル基を有する芳香族基)
【化54】
【化55】
【化56】
【化57】
(Rは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、等のアルキル基(C=1〜30)およびそのフッ素置換アルキル基,またはこれらのアルキル基を有する芳香族基)
【化58】
(R1,R2は互いに独立に水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、
ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、等のアルキル基(C=1〜30)およびそのフッ素置換アルキル基、またはこれらのアルキル基を有する芳香族基)
【化59】
【化60】
【化61】
(Rは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、等のアルキル基(C=1〜30)およびそのフッ素置換アルキル基,またはこれらのアルキル基を有する芳香族基)
【化62】
(R1,R2は互いに独立に水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、
ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、等のアルキル基(C=1〜30)およびそのフッ素置換アルキル基、またはこれらのアルキル基を有する芳香族基)
【化63】
(R1,R2,R3は互いに独立に水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、等のアルキル基(C=1〜30)およびそのフッ素置換アルキル基、またはこれらのアルキル基を有する芳香族基)
【化64】
【化65】
(Rは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、等のアルキル基(C=1〜30)およびそのフッ素置換アルキル基,またはこれらのアルキル基を有する芳香族基、フェニル基、ナフチル基、ヒドロキシメチル基、1−および2−ヒドロキシエチル基、1−,2−,および3−ヒドロキシプロピル基、1,2−ジヒドロキシエチル基、1,2−、1,3−、および2,3−ジヒドロキシプロピル基等の水酸基置換アルキル基、カルボキシメチル基、1−および2−カルボキシエチル基、1−,2−,および3−カルボキシプロピル基、1,2−ジカルボキシエチル基、1,2−、1,3−、および2,3−ジカルボキシプロピル基等のカルボキシル基置換アルキル基、アミノメチル基、1−および2−アミノエチル基、1−,2−,および3−アミノプロピル基、1,2−ジアミノエチル基、1,2−、1,3−、および2,3−ジアミノプロピル基等のアミノ基置換アルキル基)
【化66】
(Xはフッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子)
【化67】
【化68】
(Rは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、等のアルキル基(C=1〜30)およびそのフッ素置換アルキル基,またはこれらのアルキル基を有する芳香族基)
【化69】
(Rは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、等のアルキル基(C=1〜30)およびそのフッ素置換アルキル基,またはこれらのアルキル基を有する芳香族基)
【化70】
【化71】
【化72】
(R1,R2は互いに独立に水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、
ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、等のアルキル基(C=1〜30)およびそのフッ素置換アルキル基、またはこれらのアルキル基を有する芳香族基)
【化73】
【化74】
【請求項7】
無機酸化物が、ガラス、シリカゲル、酸化チタン、チタン酸バリウム、インジウムチンオキシド(ITO)、酸化アルミニウム、酸化ニッケル、酸化鉄、酸化ケイ素、酸化亜鉛の単独、もしくは2種以上を組み合わせたものである、請求項4記載のシロキサン誘導体被覆無機酸化物。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2007−302721(P2007−302721A)
【公開日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−129799(P2006−129799)
【出願日】平成18年5月9日(2006.5.9)
【出願人】(304021417)国立大学法人東京工業大学 (1,821)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年5月9日(2006.5.9)
【出願人】(304021417)国立大学法人東京工業大学 (1,821)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]