説明

シンボル表示方法及びシンボル表示プログラム

【課題】シンボルの分析等の作業を容易にする技術を提供する。
【解決手段】データが示す座標位置にデータのシンボルを配置して表示させるシンボル表示プログラムにおいて、シンボルを配置する座標位置を記録する。シンボルを移動させる指示を受けると、指示により示される座標位置にシンボルを移動させる。移動前の座標位置と移動後の座標位置とを結線させる。移動前及び移動後の座標間の距離に応じて、線の太さまたは移動後のシンボルの大きさを変える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データが示す座標位置にそのデータのアイコンや画像等のシンボルを配置させて表示する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、データが示す座標位置にそのデータのアイコンや画像等のシンボルを配置させ、データとデータの座標位置、すなわちデータの属性値との関係を表示する技術が存在する。
【0003】
図14は、従来におけるグラフ表示の事例を説明する図である。病院や診療所等の医療機関において、患者の診療費の明細をレセプトとして記載して保険者に請求するときに、グラフの縦軸及び横軸にそれぞれ合計点数及び診療日数をとり、レセプトデータをグラフ上に配置させる。
【0004】
レセプト電算システムから読み込んだファイルを、診療日数及び合計点数を座標軸にレセプトデータを表示させる。ユーザは、表示された明細の内容を参照しつつ、診療日数や合計点数との関係等を検索・分析する。
【0005】
上記の図14のグラフ表示の例をとると、従来においては、診療日数及び合計点数が同一あるいは互いに近いレセプトが存在する場合、それらのレセプトについては、グラフ上に重ねて表示するのが一般的である。
【0006】
グラフ画面上に表示されたデータの視認性やユーザの操作性を高めるための公知の技術として、例えば、CAD(Computer Aided Design)システムにより作成される図形(部品)を移動させた際に、その軌跡を表示する技術について提供されている(例えば、特許文献1)。
【0007】
また、表示画面上での図形の重なりを排除するために、図形間の相対的な位置関係を保ったまま移動させる技術について提供されている(例えば、特許文献2)。
更には、配置したオブジェクト間に重なりがあると、全体の縮尺を小さくしたり、オブジェクトを縮小したりして表示する技術について提供されている(例えば、特許文献3)。
【特許文献1】特開平5−266164号公報
【特許文献2】特開2001−134261号公報
【特許文献3】特開2000−298679号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記のとおり、データの属性値に応じてシンボルをグラフ画面に表示させると、同じ座標値をとるシンボルが複数存在し、シンボル間に重なりが生じることとなる。上記の特許文献1や特許文献2に係る技術によれば、手動でシンボルを元の座標位置から移動させて表示させることは可能である。しかし、シンボルを元の座標からずれた位置に移動させてしまうと、元の座標位置がグラフ画面上では確認できなくなり、属性値による分析等がしにくくなるという問題があった。
【0009】
イメージマイニング等の分野においても、画像等のマルチメディア情報を検索・分析するために、仮想三次元空間x軸、y軸、z軸に属性を割り当ててグラフとして画像等を
表示させて検索・分析を行う際に、同様の問題が生じる。
【0010】
グラフ画面上の画像データ等のシンボルを移動させた場合であっても、画面上で元の座標値を容易に確認できることが望ましい。
開示のシンボル表示プログラムは、シンボルの分析等の作業を容易にする技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
開示のシンボル表示プログラムは、データが示す座標位置に該データのシンボルを配置して表示させるシンボル表示プログラムであって、前記シンボルを配置する座標位置を記録し、前記シンボルを移動させる指示を受けると、該指示により示される座標位置に該シンボルを移動させ、移動前の座標位置と移動後の座標位置とを結線し、前記移動前及び移動後の座標間の距離に応じて、線の太さまたは移動後の前記シンボルの大きさを変える処理をコンピュータに実行させる構成とする。
【0012】
属性値等に応じてグラフ表示させたシンボルを移動させた場合に、移動前のシンボルの位置と移動後のそれとの間を結んだ線をグラフ画面に表示させる。シンボルを移動させた場合であっても、移動前のシンボルの位置が示されており、グラフの視認性が向上する。
【0013】
前記指示により移動すべきシンボルが複数存在する場合には、該複数のシンボルを、移動前の座標を中心とする円の周縁部に移動させる構成としてもよい。更には、前記移動すべき複数のシンボル以外のシンボルのうち、該複数のシンボルと最も近い距離に配置されているシンボルとの距離を求め、求めた距離に基づき、前記移動すべき複数のシンボルについての移動前の座標を中心とする円の半径を求める構成としてもよい。
【0014】
あるいは、前記指示により移動すべきシンボルが複数存在する場合には、該複数のシンボルが升目状になるよう移動させる構成としてもよい。
【発明の効果】
【0015】
開示のシンボル表示プログラムによれば、表示されたシンボルを移動させた場合であっても、移動前の(元の)シンボルの位置が示されているため、視認性が向上し、また、ユーザによるシンボルの分析等の作業を容易にする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。ここで前記シンボルの例として画像を用いる。
図1は、本実施形態に係るマルチメディア検索装置の構成図である。図1に示すマルチメディア検索装置1は、画像データベース(画像DB)11及び属性値データベース(属性値DB)12と接続され、画像選択部2、画像移動部3、移動後画像位置取得部4、移動前画像位置取得部5及び結線描画部6を有する。
【0017】
画像データベース11には、グラフ表示すべき画像データが格納されている。属性値データベースには、画像データベース11の画像データのそれぞれについての属性値データが格納されている。マルチメディア検索装置1は、画像データベース11に格納されている画像データ等のマルチメディア情報を読み込む。これとともに、属性値データベース12に格納されている属性値データを読み込む。そして、属性を、それぞれx軸及びy軸に割り当てて、画像をグラフ上に表示させる。
【0018】
画像選択部2は、画像データベース11から入力された画像をグラフ表示した場合に、属性値によりグラフ上で重なって表示されてしまう複数の画像を選択する。画像選択部2
は、例えば、重なりのある画像を移動させる旨の指示がユーザにより入力された場合に、移動すべき複数の画像の選択を行う。実施例では、同じ属性値をとる画像のほか、属性値が互いに近いために一部に重なりが生じる画像についても、画像選択部2の選択の対象とする。以下の説明においては、画像選択部2により選択された画像であって、移動させるべき複数の画像を、「画像群」とする。
【0019】
画像移動部3は、画像選択部2により選択された画像群を、互いに重なりが生じないように、所定の位置に移動させる。画像を移動させる具体的な方法については、後述する。
移動後画像位置取得部4及び移動前画像位置取得部5は、それぞれ画像移動部3により画像群を移動させた後及び移動させる前の画像の位置座標を取得する。取得した移動前後の画像の位置座標は、不図示の記録手段に記録される。
【0020】
結線描画部6は、記録手段に記録されている移動前後の位置座標に基づき、移動の前後の位置座標間を結ぶ線等をグラフ画面上に描画させる。
このように、本実施形態に係るマルチメディア検索装置1によれば、属性値により画像をグラフ上に表示させた場合に重なって表示される画像群については、他の画像と重なりがない位置に移動させるとともに、移動前の位置座標と移動後の位置座標とを結線させる。属性値が同一あるいは近いため、表示が重なる画像がある場合には、それらの画像を移動させて各画像をグラフに表示するとともに、元の(移動前の)位置座標すなわち画像の属性値についても、グラフ画面上に結線により示す。ユーザは、画像の内容及びその属性値を、グラフを通じて容易に確認することができるようになる。
【0021】
なお、図1においては、画像データベース11及び属性値データベース12は、マルチメディア検索装置1の外部に設けられ、これらデータベースから画像データおよび属性値データをそれぞれ読み込んで利用する構成を示しているが、これには限らない。これらデータベースをマルチメディア検索装置1内に設ける構成としてもよい。
【0022】
また、画像群の表示位置を移動させておく期間については、ユーザにより、重なりのある画像については移動させる旨の指示を受けてから所定の期間内に限り、所定の期間の経過後は、元の位置に戻す構成としてもよい。
【0023】
図2は、本実施形態に係るマルチメディア検索装置1により画像群を移動させた場合の画面の例である。図2においては、属性値(x,y)が同じ値(10,20)をとる画像が3つ存在する場合を示す。
【0024】
図2に示すように、本実施形態に係るマルチメディア検索装置1によれば、これらの画像群については、重なりが生じない位置に各画像を移動させた上で、元の(移動前の)画像の位置座標と移動後の画像の位置座標との間を線で結ぶ。属性値により重なりが生じる画像群については、移動させて重ならないように表示させるとともに、移動前の位置座標をグラフ画面上に示すことで、ユーザは、グラフ画面上に表示されている画像の分析等がし易くなるという利点を有する。
【0025】
図3は、本実施形態に係るマルチメディア検索装置1により画像群を移動させた場合の画面の他の例である。図3に示すグラフ画面では、移動後の画像群が他の画像と重ならないよう、縮小表示した上で、図2に示す表示例と同様に、移動前及び移動後の位置座標を結線して表示している。
【0026】
このように、移動後の画像群の表示サイズを変更することで、移動しない画像との間で重なりを生じさせずに所望の画像群を移動させることができる。
以下、移動しない画像との間で重なりを生じさせずに画像群を移動させる方法について
具体的に説明する。
【0027】
図4は、画像の配置を決定する方法を説明する図である。図4に示すとおり、ここでは、図1の画像選択部2により選択された画像群の他に、5つの画像P_1〜P_5が画面上に表示されている場合を例に説明する。
【0028】
なお、選択された画像群すなわち表示位置を移動すべき画像以外の画像(P_1〜P_5)は、実際には複数の画像を含む場合もあるが、ここでは、配置を決定すべき画像群以外については、説明の簡単のため、「画像」と表記している。
【0029】
画像群に含まれる画像を、それぞれA_N(Nは1以上の整数)とする。図4では、画像群には8つの画像A_1〜A_8が含まれる場合を示す。画像群の元の位置座標を、(x,y)=(x_A,y_A)とする。ここでは、画像の位置座標は、画像の中心の座標を示すものとする。
【0030】
移動後も他の画像P_1〜P_5と重ならずに表示させるために、元の位置座標(x_A,y_A)から最短距離にある画像P_i(P=1、2、…、M、Mは選択されなかった画像数)との距離rを求め、半径rの円の周縁部に画像群を移動させる。画像P_iの一座標を、(x_Pi,y_Pi)とする。また、画像P_iは矩形で、その大きさは、横(x軸方向)は2s_x(P_i)、縦(y軸方向)は2s_y(P_i)とする。図4の例では、座標(x_P1,y_P1)に位置する画像P_1が、画像群に最も近い画像である。
【0031】
最も近い画像との距離rは、以下の(1)式から求める。
【数1】

右辺第1項は、画像群と最も近い画像との中心位置間の距離を表す。右辺第2項は、画像の中心位置と画像の角までの距離を表す。
【0032】
なお、元の(移動前の)位置座標については、画像群に含まれる複数の画像の位置座標が一致する場合には限らない。各画像の位置座標が互いに異なる場合であっても、例えば各画像の位置座標の平均や重心等を求めてこれを元の位置座標(x_A,y_A)として上記の計算を行うことで足りる。
【0033】
図5は、移動後の各画像の表示位置及び表示サイズの決定方法を説明する図である。例えば、上記(1)式より求めた半径rの円に画像群が配置されるように、画像の表示位置及び表示サイズを決定する。
【0034】
図5に示す方法によれば、画像群の中心の座標(x_A,y_A)を中心とする半径rの円を、画像群の中心に関して画像数Nで等分に分割する。図5に示すように、円をその中心に関してN等分して得られる扇形は、角度2θ(θ=360°/2N)の扇形となる。得られた扇形領域に内接する正方形を求め、画像が正方形に収まるように、アスペクト比を一定に保って画像サイズを変更する。
【0035】
具体的には、まず、直角三角形HJAを考える。∠HJA=90°、∠HAJ=θであるから、(AJの長さ)=z/tanθとなる。その結果、(AKの長さ)=(AJの長さ)+(JKの長さ)すなわち、線分AKについて、(AKの長さ)=z/tanθ+2zとなる。
【0036】
次に、直角三角形LKAを考える。∠LKA=90°であるから、ピタゴラスの定理より、(ALの長さの2乗)=(AKの長さの2乗)+(LKの長さの2乗)が成り立つ。すなわち、以下の(2)式が成り立つ。
【0037】
【数2】

(2)式をzについて解くと、以下のとおりとなる。
【数3】

【0038】
このように、一辺の長さが2zの正方形を求めて正方形の内側に収まるように画像サイズを求め、画像のそれぞれに扇形の領域を割り当て、割り当てられた位置に応じて、画像の表示位置を求める。
【0039】
以上説明した画像群の表示方法について、フローチャートを参照して説明する。
図6は、本実施形態に係るマルチメディア検索装置1において、画像群をグラフ表示する処理の全体を示すフローチャートである。まず、ステップS1で、グラフに表示される画像の重なりが解消したか否かを判定する。グラフに表示される画像間に重なりがないと判定した場合には、特に処理を行わず、処理を終了する。グラフに表示される画像のうち、互いに重なり合う画像が存在する場合には、ステップS2に進む。
【0040】
ステップS2で、重なりのある複数の画像(画像群)を選択する。そして、ステップS3で、選択された画像群の各画像の位置座標を記録手段に格納すると、ステップS4で、選択された画像群を移動させる。ステップS4の画像群の移動処理の詳細については、図7を参照して説明する。
【0041】
ステップS5で、移動した画像群について、各画像の移動後の位置座標を記録手段に格納し、ステップS6で、記録手段から読み出した移動前及び移動後の画像の位置座標の間を結線し、ステップS1に戻る。
【0042】
図7は、画像群の移動処理(図6のステップS4)の詳細を示したフローチャートである。まず、ステップS11で、図6のステップS2で選択された画像群について、移動前の座標位置Aから最短距離にある非選択画像までの距離を求める。移動前の座標位置から最も近い位置の非選択画像までの距離の計算方法については、図4を参照して先に説明したとおりである。
【0043】
ステップS12で、移動前の画像群の位置Aを中心とする半径rの円を、選択された画像数(画像群に含まれる画像数)Nで等分に分割し、N個の扇形を得る。
最後に、ステップS13で、得られた扇形に内接する正方形に収まるように、画像サイズを変更し、画像を移動して、処理を終了する。
【0044】
なお、画像群が複数存在する場合には、ステップS11において非選択画像のうち最短
距離にある画像までの距離を求めるときに、選択された画像群以外の画像群であって、すでに移動させたものが存在する場合には、記録手段に格納されている移動後の位置座標を参照して、最も近い画像までの距離を計算する。
【0045】
図8は、画像の配置を決定する他の方法を説明する図である。画像群に最も近い画像との距離rを求め、半径rの円を分割して画像ごとに等しい領域を割り当て、それぞれの領域に画像を移動させる点では図4に示す方法と同様である。ただし、図4に示す方法においては、半径rの円の周縁部に沿って画像が配置されるのに対し、図8に示す方法においては、円に内接する矩形を縦方向にn分割、横方向にm分割(n及びmは自然数)し、各画像の領域は、得られた矩形の内部に升目状に割り当てられる点で異なる。
【0046】
図8に示す例では、画像群には8つの画像A_1〜A_8が含まれ、選択された画像群の他には、5つの画像P_1〜P_5があるものとする。半径rの算出方法については、上述のとおりである。半径rに内接する矩形を3×3分割し、このうち8つの領域のそれぞれに画像A_1〜A_8を移動する。
【0047】
図に示すように、画像群を升目状に配置する場合には、移動前の座標の上に画像が表示されることも起こり得る。このような場合には、必ずしも移動前と移動後の座標位置を結線する必要はなく、元の座標位置をグラフ上に示しておくこととしてもよい。
【0048】
画像群の移動処理を実行するときに、図7のステップS12及びステップS13の処理は実行しない。その代わりに、ステップS11の最も近い非選択画像までの距離を算出した後に、上記の処理を実行することで、画像群に含まれる画像を升目状に再配置することができる。
【0049】
上記においては、画像群を移動させたときに他の画像と重なりが生じないように、非選択画像のうち画像群と最も近い画像との距離rを求め、半径rの円に沿って画像群を移動させている。しかし、画像群の移動先については、これには限らない。他の画像(非選択画像)の表示位置を参照して、グラフ上の画像が表示されていない位置に画像群の画像をそれぞれ移動させる構成としてもよい。あるいは、画像群の移動後は移動させた画像間の隙間の面積が最小となるように、各画像を移動させる構成としてもよい。更には、所定のタイミングでユーザにより指定された所定の箇所に各画像を移動させる構成としてもよい。
【0050】
図9は、画面表示の他の例を示す図である。図9に示すように、画像群を移動するときに、画像の移動距離に応じて、移動後の画像の表示サイズを変更する構成としてもよい。図9においては、移動距離が大きくなるほど表示サイズは小さくする例を示している。
【0051】
このように、画像の移動距離が大きいほど画像の表示サイズを小さく表示することで、グラフの視認性が向上し、これにより、ユーザは、グラフ画面を通じての分析等の作業がし易くなる。
【0052】
他の例としては、画像の移動距離に応じて、移動距離が大きいほど画像を薄くあるいは画像を透明に表示する構成としてもよい。更には、移動距離が大きい場合にはグラフ上に点で表示する構成としてもよい。これらの構成をとる場合であっても、図9に示すように、移動距離に応じて画像サイズを変更する場合と同様の効果を有する。
【0053】
図10は、画面表示の更に他の例を示す図である。図10に示すように、画像群を移動するときに、画像の移動距離に応じて、移動前の座標と移動後の座標とを結ぶ線の太さを変更する構成としてもよい。図10においては、移動距離が大きくなるほど線を細く表示
する例を示している。
【0054】
このように、遠くに移動させた場合には線の長さは長くなるが、このような場合であっても、画像の移動距離が大きいほど線を細く表示することで、線が他の画像の表示を妨げることを最小限に抑えることができる。これにより、グラフの視認性が向上し、ユーザは、グラフ画面を通じての分析等の作業がし易くなる。
【0055】
図11は、画面表示の更に他の例を示す図である。図11に示すように、画像群を移動する方向を1方向に限定する構成としてもよい。図11においては、x軸方向に移動方向を制限した例を示している。
【0056】
このように、画像群の移動方向をある方向に限定することで、ユーザは、その方向についてのみ注意を払えばよいこととなる。これにより、ユーザの負担を軽減し、グラフ画面を通じての分析等の作業がし易くなる。
【0057】
ところで、図1のマルチメディア検索装置1は、例えば、図12に示すような情報処理装置(コンピュータ)を用いて構成することができる。図12の情報処理装置は、CPU(中央処理装置)1001、メモリ1002、入力装置1003、出力装置1004、外部記憶装置1005、媒体駆動装置1006、ネットワーク接続装置1007を備え、それらはバス1008により互いに接続されている。
【0058】
メモリ1002は、例えば、ROM(read only memory)、RAM(random access memory)等を含み、処理に用いられるプログラムおよびデータを格納する。CPU1001は、メモリ1002を利用してプログラムを実行することにより、必要な処理を行う。
【0059】
移動の前後の座標位置を格納する記録手段は、メモリ1002に対応する。また、図1の画像選択部2、画像移動部3、移動後画像位置取得部4、移動前画像位置取得部5及び結線描画部6は、メモリ1002に格納されたプログラムを実行することにより実現される機能に対応する。
【0060】
入力装置1003は、例えば、キーボード、ポインティングデバイス、タッチパネル等であり、オペレータからの指示や情報の入力に用いられる。出力装置1004は、例えば、ディスプレイ、プリンタ、スピーカ等であり、処理結果であるグラフ等の出力に用いられる。
【0061】
外部記憶装置1005は、例えば、磁気ディスク装置、光ディスク装置、光磁気ディスク装置、テープ装置等である。情報処理装置は、この外部記憶装置1005に、上記プログラムおよびデータを格納しておき、必要に応じて、それらをメモリ1002にロードして使用する。
【0062】
媒体駆動装置1006は、可搬記録媒体1009を駆動し、その記録内容にアクセスする。可搬記録媒体1009は、メモリカード、フレキシブルディスク、CD−ROM(compact disk read only memory )、光ディスク、光磁気ディスク等の任意のコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。オペレータは、この可搬記録媒体1009に上記プログラムおよびデータを格納しておき、必要に応じて、それらをメモリ1002にロードして使用する。
【0063】
ネットワーク接続装置1007は、LAN(local area network)、インターネット等の任意の通信ネットワークに接続され、通信に伴うデータ変換を行う。情報処理装置は、必要に応じて、上記プログラムおよびデータを外部の装置からネットワーク接続装置10
07を介して受け取り、それらをメモリ1002にロードして使用する。
【0064】
図13は、図12の情報処理装置にプログラムおよびデータを供給することのできるコンピュータ読み取り可能な記録媒体を示している。可搬記録媒体1009やサーバ1101のデータベース1103に格納されたプログラムおよびデータは、情報処理装置1102のメモリ1002にロードされる。サーバ1101は、そのプログラムおよびデータを搬送する搬送信号を生成し、ネットワーク上の任意の伝送媒体を介して情報処理装置1102に送信する。CPU1001は、そのデータを用いてそのプログラムを実行し、必要な処理を行う。
【0065】
以上の実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)
データが示す座標位置に該データのシンボルを配置して表示させるシンボル表示プログラムであって、
前記シンボルを配置する座標位置を記録し、
前記シンボルを移動させる指示を受けると、該指示により示される座標位置に該シンボルを移動させ、
移動前の座標位置と移動後の座標位置とを結線し、
前記移動前及び移動後の座標間の距離に応じて、線の太さまたは移動後の前記シンボルの大きさを変える
処理をコンピュータに実行させることを特徴とするシンボル表示プログラム。
(付記2)
前記指示により移動すべきシンボルが複数存在する場合には、該複数のシンボルを、移動前の座標を中心とする円の周縁部に移動させる
ことを特徴とする付記1記載のシンボル表示プログラム。
(付記3)
前記移動すべき複数のシンボル以外のシンボルのうち、該複数のシンボルと最も近い距離に配置されているシンボルとの距離を求め、
求めた距離に基づき、前記移動すべき複数のシンボルについての移動前の座標を中心とする円の半径を求める
ことを特徴とする付記2記載のシンボル表示プログラム。
(付記4)
前記移動前の座標を中心とする円を、前記移動すべきシンボル数で扇形に分割し、
各扇形に内接する矩形を求め、
前記移動すべきシンボルのそれぞれを、前記矩形に収まる位置に移動させ、該シンボルの大きさを該矩形の大きさに応じて変更する
ことを特徴とする付記2記載のシンボル表示プログラム。
(付記5)
前記指示により移動すべきシンボルが複数存在する場合には、該複数のシンボルが升目状になるよう移動させる
ことを特徴とする付記1記載のシンボル表示プログラム。
(付記6)
前記移動すべき複数のシンボル以外のシンボルのうち、該複数のシンボルと最も近い距離に配置されているシンボルとの距離を求め、
求めた距離に基づき、前記移動すべき複数のシンボルについての移動前の座標を中心とする円の半径を求め、
前記求めた半径の円に内接する矩形内に、該移動すべきシンボルのそれぞれを升目状に移動させ、該シンボルの大きさを該矩形の大きさに応じて変更する
ことを特徴とする付記5記載のシンボル表示プログラム。
(付記7)
前記指示により移動すべきシンボルの移動後、シンボル間の隙間面積が最小となるようにシンボルを移動させる
ことを特徴とする付記1記載のシンボル表示プログラム。
(付記8)
前記指示により移動すべきシンボルは、ユーザにより指定された箇所に移動させる
ことを特徴とする付記1記載のシンボル表示プログラム。
(付記9)
前記シンボルの移動距離が大きいほど、該シンボルの大きさを小さくする、あるいは該シンボルの透明度を高くする
ことを特徴とする付記1記載のシンボル表示プログラム。
(付記10)
前記シンボルの移動方向は、ある所定の方向に限定される
ことを特徴とする付記1記載のシンボル表示プログラム。
(付記11)
前記シンボルを移動させる指示を受けると、所定の期間内は、該シンボルを前記移動指示が示す座標に移動させ、該所定の期間が経過すると、該シンボルを移動前の座標に戻す
ことを特徴とする付記1記載のシンボル表示プログラム。
(付記12)
データが示す座標位置に該データのシンボルを配置して表示させるシンボル表示方法であって、
前記シンボルを配置する座標位置を記録し、
前記シンボルを移動させる指示を受けると、該指示により示される座標位置に該シンボルを移動させ、
移動前の座標位置と移動後の座標位置とを結線し、
前記移動前及び移動後の座標間の距離に応じて、線の太さまたは移動後の前記シンボルの大きさを変える
処理を有することを特徴とするシンボル表示方法。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本実施形態に係るマルチメディア検索装置の構成図である。
【図2】画像群を移動させた場合の画面の例(その1)である。
【図3】画像群を移動させた場合の画面の例(その2)である。
【図4】画像の配置を決定する方法を説明する図である。
【図5】移動後の各画像の表示位置及び表示サイズの決定方法を説明する図である。
【図6】画像群をグラフ表示する処理の全体を示すフローチャートである。
【図7】画像群の移動処理の詳細を示したフローチャートである。
【図8】画像の配置を決定する他の方法を説明する図である。
【図9】画像群を移動させた場合の画面の例(その3)である。
【図10】画像群を移動させた場合の画面の例(その4)である。
【図11】画像群を移動させた場合の画面の例(その5)である。
【図12】情報処理装置の構成図である。
【図13】情報処理装置にプログラムおよびデータを供給することのできるコンピュータ読み取り可能な記録媒体を示す図である。
【図14】従来におけるグラフ表示の事例を説明する図である。
【符号の説明】
【0067】
1 マルチメディア検索装置
2 画像選択部
3 画像移動部
4 移動後画像位置取得部
5 移動前画像位置取得部
6 結線描画部
11 画像データベース
12 属性値データベース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
データが示す座標位置に該データのシンボルを配置して表示させるシンボル表示プログラムであって、
前記シンボルを配置する座標位置を記録し、
前記シンボルを移動させる指示を受けると、該指示により示される座標位置に該シンボルを移動させ、
移動前の座標位置と移動後の座標位置とを結線し、
前記移動前及び移動後の座標間の距離に応じて、線の太さまたは移動後の前記シンボルの大きさを変える
処理をコンピュータに実行させることを特徴とするシンボル表示プログラム。
【請求項2】
前記指示により移動すべきシンボルが複数存在する場合には、該複数のシンボルを、移動前の座標を中心とする円の周縁部に移動させる
ことを特徴とする請求項1記載のシンボル表示プログラム。
【請求項3】
前記移動すべき複数のシンボル以外のシンボルのうち、該複数のシンボルと最も近い距離に配置されているシンボルとの距離を求め、
求めた距離に基づき、前記移動すべき複数のシンボルについての移動前の座標を中心とする円の半径を求める
ことを特徴とする請求項2記載のシンボル表示プログラム。
【請求項4】
前記指示により移動すべきシンボルが複数存在する場合には、該複数のシンボルが升目状になるよう移動させる
ことを特徴とする請求項1記載のシンボル表示プログラム。
【請求項5】
データが示す座標位置に該データのシンボルを配置して表示させるシンボル表示方法であって、
前記シンボルを配置する座標位置を記録し、
前記シンボルを移動させる指示を受けると、該指示により示される座標位置に該シンボルを移動させ、
移動前の座標位置と移動後の座標位置とを結線し、
前記移動前及び移動後の座標間の距離に応じて、線の太さまたは移動後の前記シンボルの大きさを変える
処理を有することを特徴とするシンボル表示方法。

【図1】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図12】
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【図13】
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【図2】
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【図3】
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【図11】
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【図14】
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【公開番号】特開2010−49572(P2010−49572A)
【公開日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−214476(P2008−214476)
【出願日】平成20年8月22日(2008.8.22)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】