説明

シンボル読取装置及びプログラム

【課題】シンボルの読み取りの精度を向上させ、且つ、シンボル読み取りの操作性を向上させる技術を実現すること。
【解決手段】被写体を撮像して撮像画像を出力するカメラ部14と、カメラ部14から出力される撮像画像を表示する表示部16と、表示部16に表示された撮像画像において、読取対象のシンボルSを含む読取範囲を指示するためのタッチパネル16Aと、タッチパネル16Aにより指示された読取範囲へカメラ部14の焦点位置を移動させるカメラ制御部16Cと、カメラ制御部16Cにより移動された焦点位置でカメラ部14に被写体を撮像させ、当該撮像された撮像画像から、タッチパネル16Aにより指示された読取範囲に含まれるシンボルSを解析してシンボルデータを取得し、当該取得されたシンボルデータを表示部16に表示させるCPU11と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はシンボル読取装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、シンボル(一次元バーコード、二次元コード等)を撮像して当該シンボルに含まれる文字列等の情報を読み取るシンボル読取装置が知られている。シンボル読取装置は、カメラ等の撮像装置でシンボルを含む被写体を撮像し、当該撮像した撮像画像をデコードエンジンが解析することで、シンボルの内容を読み取る。
【0003】
シンボル読取装置は、被写体(商品棚、積載されたダンボール箱又はバーコードブック等)に含まれる複数のシンボルを読み取る必要のある状況において用いられる。この状況下において、シンボル読取装置の操作者は、シンボル読取装置本体を持ち、エミングライトなどを用いて個々のシンボルに狙いを定めて撮影(撮像)を行っていた。また、シンボル読取装置がプレビュー表示機能(撮像画像をリアルタイムに表示する機能)を有する場合、操作者は、シンボルが撮像画面内に収まるようにシンボル読取装置の位置や向きを調整した上で個々のシンボルの撮像を行っていた。
【0004】
また、近年の撮像画素数の向上により、高画素の撮像装置を有するシンボル読取装置も知られている。当該シンボル読取装置では、被写体を撮像する際に複数のシンボルが撮像範囲に入った場合、撮像画像の1度のスキャンにより、複数のシンボルを同時に読み取ることができる。したがって、高画素の撮像装置を有するシンボル装置を用いて撮像する場合、操作者は、個々のシンボルを撮像する必要がなかった。
【0005】
また、同一面に存在する複数個のバーコードを正面から撮像し、撮像した画像と予め設定されたバーコードの位置パターンとを重ね合わせた後に、バーコードをデコードするバーコード読取装置も知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−240874号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述のいずれの場合(個々のシンボルを撮像する場合、高画素の撮像装置でシンボルを撮像する場合、特許文献1のバーコード読取装置でバーコードを撮像する場合)においても、操作者は、シンボルを真正面から撮像しなければならなかった。通常、被写体を撮像する現場(例えば、商品棚のあるスーパー、ダンボールが積載された倉庫等)では撮像のためのスペースが限られている。このため操作者は、シンボルを真正面から撮像するために撮像スペースを確保する必要があり、上述のいずれの場合においても操作性が悪いという問題点があった。
【0008】
また、複数のシンボルを含む被写体を斜めから撮像した場合、撮像画像は奥行きがあるため、撮像画像から個々のシンボルを読み取ることは困難である。この場合、シンボルのスキャンの効率(読み取りの精度)を向上させることができれば、斜めから被写体を撮像した場合でも個々のシンボルを読み取ることが可能となる。
このため、シンボルの読み取り精度を向上させ、且つ、シンボルの読み取りの操作性を向上させる技術を実現する要請があった。
【0009】
本発明の課題は、シンボルの読み取りの精度を向上させ、且つ、シンボル読み取りの操作性を向上させる技術を実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明のシンボル読取装置は、
被写体を撮像して撮像画像を出力する撮像手段と、
前記撮像手段から出力される撮像画像を表示する表示手段と、
前記表示手段に表示された撮像画像において、読取対象のシンボルを含む読取範囲を指示するための指示入力手段と、
前記指示入力手段により指示された読取範囲へ前記撮像手段の焦点位置を移動させる焦点移動手段と、
前記焦点移動手段により移動された焦点位置で前記撮像手段に前記被写体を撮像させ、当該撮像された撮像画像から、前記指示入力手段により指示された読取範囲に含まれるシンボルを解析してシンボルデータを取得し、当該取得されたシンボルデータを前記表示手段に表示させる制御手段と、
を備える。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のシンボル読取装置において、
前記シンボルは、
一次元バーコード又は二次元コードである。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のシンボル読取装置において、
前記指示入力手段は、
前記表示手段と一体に構成されたタッチパネルである。
【0013】
請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載のシンボル読取装置において、
前記指示入力手段は、
前記読取対象のシンボルを含む所定の範囲を囲むことにより前記読取範囲を指示する。
【0014】
請求項5に記載の発明は、請求項1から4のいずれか一項に記載のシンボル読取装置において、
前記制御手段は、
前記シンボルデータと前記シンボルデータに対応するシンボルとを対応付けて前記表示手段に表示させる。
【0015】
請求項6に記載の発明のプログラムは、
コンピュータを、
被写体を撮像して撮像画像を出力する撮像手段、
前記撮像手段から出力される撮像画像を表示する表示手段、
前記表示手段に表示された撮像画像において、読取対象のシンボルを含む読取範囲を指示するための指示入力手段、
前記指示入力手段により指示された読取範囲へ前記撮像手段の焦点位置を移動させる焦点移動手段、
前記焦点移動手段により移動された焦点位置で前記撮像手段に前記被写体を撮像させ、当該撮像された撮像画像から、前記指示入力手段により指示された読取範囲に含まれるシンボルを解析してシンボルデータを取得し、当該取得されたシンボルデータを前記表示手段に表示させる制御手段、
として機能させる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、シンボルの読み取りの精度を向上させ、且つ、シンボル読み取りの操作性を向上させる技術を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明に係る実施の形態のシンボル読取装置の概略構成を示す図である。
【図2】シンボル読取装置の内部構成を示す図である。
【図3】シンボルスキャン処理を示すフローチャートである。
【図4】シンボルスキャン処理を示すフローチャートである。
【図5】操作者により読取範囲を指示する入力がされたことを示す図である。
【図6】(A)は、タッチパネル入力がされたタッチパネルの表示画面を示す図である。(B)は、タッチパネル入力に基づいて特定されたデコード範囲を示す図である。
【図7】読取対象のシンボルが3個存在する場合、操作者により3個の読取範囲を指示する入力がされたことを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付図面を参照して本発明に係る実施の形態の一例を詳細に説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。
【0019】
図1〜図6を参照して、本発明に係る実施の形態を説明する。先ず、図1を参照して、シンボル読取装置1の概略図を説明する。シンボル読取装置1は、被写体(例えば、商品棚、積載されたダンボール箱又はバーコードブック等)を撮像し、撮像した撮像画像に含まれるシンボルをデコード(解析)してシンボルデータを取得する装置である。図1に示すように、シンボル読取装置1は、カメラ部14と、入力部15と、表示部16と、を備える。シンボル読取装置1の各部については後述する。シンボルSは、一次元バーコード又は二次元コードである。本実施の形態では、シンボルSは二次元コードとして説明する。シンボルデータは、シンボルSを解析(デコード)することにより取得されるデータを示す。具体的には、シンボルデータは、シンボルSの内容を示す読取データ(例えば、文字列データ、数字列データ、桁数、シンボルSの種類を示すデータ等)、表示部16に表示された撮像画像内におけるシンボルSの位置を示す座標データ、シンボルSを識別するための識別番号等を含む。
また、本実施の形態では、被写体として複数のダンボールを撮像するものとし、各ダンボールには、それぞれシンボルSが印刷あるいは貼付されているものとする。
【0020】
次に、図2を参照して、シンボル読取装置1の内部構成を説明する。シンボル読取装置1は、制御手段としてのCPU(Central Processing Unit)11と、RAM(Random Access Memory)12と、ROM(Read Only Memory)13と、撮像手段としてのカメラ部14と、入力部15と、表示手段としての表示部16と、電源部17と、を備えて構成されている。
【0021】
CPU11は、シンボル読取装置1の各部を中央制御する。具体的には、CPU11は、ROM13に記憶されているシステムプログラム及び各種アプリケーションプログラムの中から指定されたプログラムをRAM12に展開し、RAM12に展開されたプログラムとの協働で、各種処理を実行する。
【0022】
具体的には、CPU11は、後述するシンボルスキャンプログラムとの協働により、タッチパネル16Aを介しての読取対象のシンボルSを含む読取範囲の指示入力に基づいて、指示された読取範囲へ焦点位置を移動させる命令をカメラ制御部14Cに出力する。そして、カメラ制御部14Cの指示により焦点位置が移動された後(レンズ14Bの位置が移動された後)、CPU11は、移動された焦点位置で被写体を撮像する命令をカメラ制御部14Cに出力する。そして、カメラ制御部14Cの指示により、センサー14Aで被写体が撮像され、撮像画像が生成される。そして、CPU11は、当該撮像画像から、読取範囲に含まれるシンボルSを解析してシンボルデータを取得し、当該取得されたシンボルデータを表示部16に表示させる。
【0023】
RAM12は、情報を一時的に格納する揮発性のメモリであり、実行される各種プログラムやこれら各種プログラムに係るデータ等を格納する複数のワークエリアを有する。具体的には、RAM12には、カメラ部14により撮像された撮像画像(画像データ)が記憶される。
【0024】
ROM13は、情報を格納する不揮発性のメモリであり、各種プログラム及び各種データを記憶する。具体的には、ROM13には、後述するシンボルスキャンプログラムが記憶される。
【0025】
カメラ部14は、センサー14Aと、レンズ14Bと、焦点移動手段としてのカメラ制御部14Cと、を有する。センサー14Aは、イメージセンサーであり、例えば、CCD(Charge Coupled Devices)、CMOS(Complementary Metal-oxide Semiconductor)等の撮像素子により構成され、レンズ14Bを介して入力される被写体の像を電気信号に変換して撮像画像を生成する。レンズ14Bは、センサー14Aの撮像素子に被写体の像を結像する。カメラ制御部14Cは、CPU11の指示に基づいて、カメラ部14の各部を制御する。具体的には、カメラ制御部14Cは、撮像の開始又は終了を切り替える機能、操作者により指示(指定)された範囲(フォーカスエリア)に焦点(フォーカス)を合わせる機能等を有する。
【0026】
入力部15は、トリガキー、数字・文字入力キー、各種機能キー等の各種キーを含み、操作者からの各種情報の入力を各種キーから受け付け、その情報をCPU11に出力する。
【0027】
表示部16は、LCD(Liquid Crystal Display)、ELD(ElectroLuminescent Display)等で構成され、CPU11からの表示信号に従って画面表示を行う。また、表示部16は、指示入力手段としてのタッチパネル16Aと一体的に構成される。タッチパネル16Aは、表示部16の表示画面に接触する操作者の指の接触位置を検出する。即ち、タッチパネル16Aは、例えば、表示部16の表示画面上或いは表示画面よりも内側に設けられ、抵抗膜方式、超音波表面弾性波方式、静電容量方式等の方式により、表示画面上における接触位置のXY座標を検出する。電源部17は、シンボル読取装置1の各部に駆動電力を供給する。
【0028】
次に、シンボル読取装置1の動作を説明する。
図3〜図6を参照して、シンボル読取装置1で実行されるシンボルスキャン処理を説明する。シンボルスキャン処理は、操作者により指示された読取範囲に焦点位置を移動させて被写体を撮像し、当該撮像された撮像画像から読取範囲に含まれるシンボルを解析してシンボルデータを取得する処理である。
【0029】
以下、図1に示すようにシンボル読取装置1は、被写体として複数のダンボールを撮像するものとする。
【0030】
シンボル読取装置1において、例えば、操作者により入力部15を介してシンボルスキャン処理の実行指示が入力されたことをトリガとして、ROM13から読み出されて適宜RAM12に展開されたシンボルスキャンプログラムと、CPU11との協働でシンボルスキャン処理が実行される。
【0031】
先ず、オートフォーカスのためのフォーカスエリアの初期値として、画像の真ん中付近のエリアがフォーカスエリアとして設定される(ステップS1)。このとき、フォーカスエリアの初期値は、デフォルト値として予め設定されているものとする。
【0032】
そして、シンボルSをデコードする範囲を示すデコード範囲が「なし」に設定される(ステップS2)。そして、設定されたフォーカスエリアに焦点位置が合わされる(ステップS3)。具体的には、設定されたフォーカスエリアにカメラ部14の焦点位置を移動させる命令がCPU11からカメラ制御部14Cに出力される。そして、カメラ制御部14Cにより設定されたフォーカスエリアに焦点位置が移動され(レンズ14Bの位置が移動され)、フォーカスエリアに焦点位置が合わされる。そして、移動された焦点位置で被写体を撮像する命令(撮像命令)がCPU11からカメラ制御部14Cに出力される。そして、カメラ制御部14Cの指示によりセンサー14Aで被写体が撮像される(ステップS4)。
【0033】
ステップS4の実行後、撮像された撮像画像(画像データ)がRAM12に保存(記憶)される(ステップS5)。具体的には、CPU11の指示に基づいて、カメラ制御部14Cにより画像データがRAM12に出力(転送)され、転送された画像データがRAM12に記憶される。画像データは、例えば、0〜255の輝度値からなるピクセルデータ(例えば、横1600ピクセル、縦1200ピクセルのグレースケールビットマップデータ)の集合体である。
【0034】
そして、画像データが適当な大きさにリサイズされ、リサイズされた画像データが表示部16に転送される。そして、転送された画像データが表示部16に表示される(ステップS6)。ステップS6の処理は連続して繰り返し行われ、画像データは動画のように表示部16にリアルタイムに表示(プレビュー表示)される。
【0035】
そして、タッチパネル入力待ち状態となる(ステップS7)。具体的には、操作者によるタッチパネル16Aを介してのシンボルSの選択入力待ち状態となる。そして、操作者により入力部15を介して終了ボタン(シンボルスキャン処理を終了するボタン)が押下されたか否かが判別される(ステップS8)。ステップS8において、終了ボタンが押下されたと判別された場合(ステップS8;YES)、シンボルスキャン処理は終了される。ステップS8において、終了ボタンが押下されていないと判別された場合(ステップS8;NO)、デコード範囲があるか否かが判別される(ステップS9)。具体的には、操作者によるタッチパネル16Aを介してのシンボルSの指示入力により、デコード範囲が指定(特定)されたか否かが判別される。
【0036】
ステップS9において、デコード範囲があると判別された場合(ステップS9;あり)、後述するステップS12に移行される。ステップS9において、デコード範囲がないと判別された場合(ステップS9;なし)、タッチパネル入力があるか否かが判別される(ステップS10)。例えば、被写体が撮像された後、撮像された撮像画像が表示部16に表示されているとする。このとき、表示されている撮像画像の中に操作者が読み取りたいシンボルS(読取対象のシンボルS)が存在したとする。この場合、図5に示すように、操作者によりタッチパネル16Aを介して、読取対象のシンボルSを含む読取範囲を指示するための入力(タッチパネル入力)が受け付けられる。具体的には、操作者によりタッチパネル16Aを介して、読取対象のシンボルSを含む所定の範囲が囲まれることによりタッチパネル入力が受け付けられる。タッチパネル16Aを介してタッチパネル入力が受け付けられると、タッチパネル入力が受け付けられたことを示す信号がタッチパネル16AからCPU11に出力される。したがって、本ステップでは、タッチパネル入力が受け付けられたことを示す信号をCPU11が検知したか否かに基づいて、タッチパネル入力があるか否かが判別される。
【0037】
ステップS10において、タッチパネル入力がないと判別された場合(ステップS10;入力なし)、ステップS3に移行される。ステップS10において、タッチパネル入力があると判別された場合(ステップS10;入力あり)、タッチパネルによる選択部分(タッチパネル入力された部分)の範囲がデコード範囲として特定される(ステップS11)。ここで、図6を参照して、デコード範囲を特定する動作について説明する。図6(A)は、タッチパネル入力がされたタッチパネル16Aの表示画面を示す図である。図6(B)は、タッチパネル入力に基づいて特定されたデコード範囲を示す図である。例えば、図6(A)に示すように、操作者によりタッチパネル入力がされると、タッチパネル入力された部分(図6(A)の円の部分)の左上、右下座標に基づいて、タッチパネルによる選択部分の範囲(図6(A)の四角の部分)が特定される。そして、このタッチパネルによる選択部分の範囲がデコード範囲として特定される。例えば、図6(B)の例では、デコード範囲として(50、600)〜(500、900)が特定される。
【0038】
ステップS11の実行後、デコード範囲の画像がデコードされる(ステップS12)。
画像のデコード(解析)は、デコード範囲を走査してシンボルSを抽出し、当該抽出されたシンボルSを解析することにより行われる。シンボルSの抽出・解析においては、公知の技術(例えば、特開2005−148786号公報の技術)を用いて、斜めから撮像されて歪んだシンボルSを補正等することにより行われる。
【0039】
ステップS12の実行後、デコードが成功したか否かが判別される(ステップS13)。具体的には、シンボルSのシンボルデータが取得されたか否かに基づいて、デコードが成功したか否かが判別される。ステップS13において、デコードが失敗したと判別された場合(ステップS13;失敗)、フォーカスエリアがデコード範囲に設定される(ステップS15)。具体的には、ステップS11において特定されたデコード範囲がフォーカスエリアとして設定される。ステップS15の実行後、ステップS3に移行される。
【0040】
ステップS13において、デコードが成功と判別された場合(ステップS13;成功)、デコード結果が出力される(ステップS14)。例えば、図5に示すように、操作者により指示されたシンボルSのシンボルデータ(シンボルSの解析により取得された読取データ)と当該シンボルデータに対応するシンボルS(解析されたシンボルS)とが対応付けられて表示部16に表示される。ステップS14の実行後、ステップS3に移行される。
【0041】
以上、本実施の形態によれば、読取範囲(デコード範囲)へカメラ部14の焦点位置を移動させて被写体を撮像し、当該撮像された被写体の撮像画像から、読取範囲に含まれるシンボルSを解析してシンボルデータを取得する。このため、読取範囲に焦点が合った状態で撮像されるので、シンボルSの読み取りの精度(シンボルSを解析してシンボルデータを取得する精度)を向上させることができる。また、シンボルSの読み取りの精度を向上させることができるので、斜めからシンボルSを撮像した場合であっても、シンボルSの読み取りを行うことが可能となる。このため、操作者はわざわざシンボルSの真正面から撮像を行う必要がなくなるので、シンボルSの読み取りの操作性を向上させることができる。
【0042】
また、被写体に複数のシンボルSが含まれる場合、複数のシンボルSを同時に読み取る(シンボルSを解析してシンボルデータを取得する)ことができるので、操作者は個々のシンボルSを撮像する必要がない。このため、シンボルSの撮像位置を変えることなく、複数のシンボルSに対するシンボルデータの取得が可能となるので、操作者の操作性を向上させることができる。
【0043】
また、タッチパネル入力により、操作者が読み取りたいシンボルS(読取対象のシンボルS)を含む読取範囲を指定し、当該指定された読取範囲をデコードするので、操作者が読み取りたいシンボルSの読み取りを正確且つ高速に行うことができる。
【0044】
また、シンボルとして一次元バーコード又は二次元コードを対象とするので、多種のシンボルSの解析を行うことができる。
【0045】
また、操作者は、表示部16と一体に構成されたタッチパネル16Aを操作することにより、読取範囲を指示することができる。
【0046】
また、操作者は、タッチパネル16Aを介してシンボルSを含む所定の範囲を囲むことにより読取範囲を指示することができる。
【0047】
また、操作者により指示されたシンボルSのシンボルデータ(例えば、シンボルSの解析により取得された読取データ)と当該シンボルデータに対応するシンボルS(解析されたシンボルS)とが対応付けられて表示部16に表示されるので、操作者は、指示したシンボルSのシンボルデータと当該シンボルデータに対応するシンボルSとを対応付けて把握することができる。
【0048】
なお、上記実施の形態における記述は、本発明に係るシンボル読取装置及びプログラムの一例であり、これに限定されるものではない。
【0049】
例えば、操作者は、読取対象のシンボルSを複数選択することとしてもよい。例えば、図7に示すように、読取対象のシンボルが3個存在する場合、タッチパネル16Aを介して3個のシンボルSを指示することとしてもよい。
【0050】
また、上記の実施の形態におけるシンボル読取装置1の各構成要素の細部構成及び細部動作に関しては、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0051】
1 シンボル読取装置
11 CPU
12 RAM
13 ROM
14 カメラ部
14A センサー
14B レンズ
14C カメラ制御部
15 入力部
16 カメラ部
16 表示部
16A タッチパネル
17 電源部
S シンボル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体を撮像して撮像画像を出力する撮像手段と、
前記撮像手段から出力される撮像画像を表示する表示手段と、
前記表示手段に表示された撮像画像において、読取対象のシンボルを含む読取範囲を指示するための指示入力手段と、
前記指示入力手段により指示された読取範囲へ前記撮像手段の焦点位置を移動させる焦点移動手段と、
前記焦点移動手段により移動された焦点位置で前記撮像手段に前記被写体を撮像させ、当該撮像された撮像画像から、前記指示入力手段により指示された読取範囲に含まれるシンボルを解析してシンボルデータを取得し、当該取得されたシンボルデータを前記表示手段に表示させる制御手段と、
を備えるシンボル読取装置。
【請求項2】
前記シンボルは、
一次元バーコード又は二次元コードである請求項1に記載のシンボル読取装置。
【請求項3】
前記指示入力手段は、
前記表示手段と一体に構成されたタッチパネルである請求項1又は2に記載のシンボル読取装置。
【請求項4】
前記指示入力手段は、
前記読取対象のシンボルを含む所定の範囲を囲むことにより前記読取範囲を指示する請求項1から3のいずれか一項に記載のシンボル読取装置。
【請求項5】
前記制御手段は、
前記シンボルデータと前記シンボルデータに対応するシンボルとを対応付けて前記表示手段に表示させる請求項1から4のいずれか一項に記載のシンボル読取装置。
【請求項6】
コンピュータを、
被写体を撮像して撮像画像を出力する撮像手段、
前記撮像手段から出力される撮像画像を表示する表示手段、
前記表示手段に表示された撮像画像において、読取対象のシンボルを含む読取範囲を指示するための指示入力手段、
前記指示入力手段により指示された読取範囲へ前記撮像手段の焦点位置を移動させる焦点移動手段、
前記焦点移動手段により移動された焦点位置で前記撮像手段に前記被写体を撮像させ、当該撮像された撮像画像から、前記指示入力手段により指示された読取範囲に含まれるシンボルを解析してシンボルデータを取得し、当該取得されたシンボルデータを前記表示手段に表示させる制御手段、
として機能させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−176619(P2010−176619A)
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−21513(P2009−21513)
【出願日】平成21年2月2日(2009.2.2)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】