説明

シートクッションの剛性調整装置

【課題】本発明は、車両の挙動をドライバーの身体に伝達しやすくするシートクッションの剛性調整装置の提供を目的とする。
【解決手段】加速度センサ1、車速センサ2及びヨーレートセンサ3によって検出された車両の挙動状態に基づいて車両の挙動が不安定である状態を判定するECU10と、車両のシートクッションの剛性を可変するシートクッション剛性可変機構20とを備え、車両の挙動が不安定である状態と判定したECU10がシートクッション剛性可変機構20に対しシートクッションの剛性を高める指令を出力することを特徴とする、シートクッションの剛性調整装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用座席のクッション剛性を調整するシートクッションの剛性調整装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、車両の走行環境に応じて乗員の姿勢制御を行う乗員姿勢制御装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この乗員姿勢制御装置は、車両の進行方向にカーブが多い、または、多くなると予測される場合、シートのクッション圧を上げてシートが硬くなるように制御するものである。このように制御することによって、カーブによるドライバーの身体的な負担を軽減している。
【特許文献1】特開2005−119559号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、高度な運転技能を有するテストドライバー等のベテランドライバーは、車両の挙動を把握する場合、車両の挙動が不安定な状態に近づくほど、視覚から得られる情報よりも身体で感じる情報を重視する傾向がある。したがって、車両の挙動を身体で感じることに長けているベテランドライバーの運転技能に一般ドライバーの運転技能を近づけるためには、車両の挙動が不安定な状態になるほど、車両の挙動をできるだけドライバーの身体で感じやすくさせることが望ましい。
【0004】
この点、上述の従来技術のようにシートを硬くすればドライバーに車両の挙動を身体で感じやすくすることができる。しかしながら、上述の従来技術では、車両がカーブを走行する場面でなければシートが硬くならないため、車両がカーブを走行する場面以外ではドライバーが車両の挙動を身体で感じやすくなるようにすることができなかった。
【0005】
そこで、本発明は、車両の挙動をドライバーの身体に伝達しやすくするシートクッションの剛性調整装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明として、
車両の挙動状態を検出する検出手段と、
前記検出手段により検出された挙動状態に基づいて車両の挙動が不安定である状態を判定する判定手段と、
車両のシートクッションの剛性を可変する剛性可変手段とを備え、
前記剛性可変手段は、前記判定手段により車両の挙動が不安定である状態と判定された場合にシートクッションの剛性を高めることを特徴とする、シートクッションの剛性調整装置を提供する。
【0007】
また、本発明において、前記検出手段は、車両の挙動状態として車体スリップ角を検出し、前記判定手段は、車体スリップ角が所定値を超えた場合に車両の挙動が不安定である状態と判定すると好適である。
【0008】
また、本発明において、前記剛性可変手段は、シート側部のシートクッションの剛性を高めると好適である。
【0009】
また、本発明において、前記剛性可変手段は、シートクッションの圧力を可変すると好適である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、車両の挙動をドライバーの身体に伝達しやすくすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための最良の形態の説明を行う。図1は、本発明におけるシートクッションの剛性調整装置の一実施形態を示すブロック図である。本実施形態のシートクッション剛性調整装置は、加速度センサ1、ヨーレートセンサ2、車速センサ3、電子制御ユニット10(以下、ECU10という)及びシートクッション剛性可変機構20を備えている。ECU10は、加速度センサ1、車速センサ2及びヨーレートセンサ3からの情報に基づいて車両の挙動を把握し、車両の挙動に応じてシートクッションの剛性を可変するようにシートクッション剛性可変機構20を制御する。具体的には、ECU10は、加速度センサ1、ヨーレートセンサ2及び車速センサ3によって検出された車両の挙動状態に基づいて車両の挙動が不安定である状態を判定し、不安定である状態と判定した場合にシートクッションの剛性を高めるようにシートクッション剛性可変機構20を制御する。
【0012】
ここで、車両の挙動が不安定である状態について図2を参照しながら説明する。図2は、ベテランドライバー(つまり、高度の運転技能を有するドライバー)の運転する車両がダブルレーンチェンジをした場合のその車両の挙動を示す図である。図2において、横軸は走行距離Xを示し、左側の縦軸はドライバーによるステアリング操舵角θを示し、右側の縦軸は車体スリップ角βを示す。また、P*はパイロン(コーン)を表し、パイロンPの配置を図2上に模式的に示している。つまり、図2には、ダブルレーンチェンジした場合のドライバーが操舵するステアリングの操舵角θと車体スリップ角βの走行距離Xに対する変化が示されている。
【0013】
車両は、図2上の左側から右側に走行するものとする。ダブルレーンチェンジとは、車両が図2に示されるように配置されたパイロンPに沿って走行することである。図2上に模式的に示したダブルレーンチェンジのコースは、20m付近まで並べられたP1〜P10のパイロンから構成される第1パイロン群と、40m〜70m付近まで並べられたP11〜P17のパイロンから構成される第2パイロン群と、70m〜90m付近まで並べられたP18〜P27のパイロンから構成される第3パイロン群によってレイアウトされている。車両は、第1パイロン群に沿って直進した後、左側(図2上では上側)にオフセットして配置された第2パイロン群のパイロンP11とP17の間を通過し、壁とみなした第2パイロン群のパイロンP11からP16にぶつからないように、右側(図2上では下側)にオフセットして配置された第3パイロン群のパイロンP18とP23の間を通過する必要がある。これによって、ステアリング操舵を2回連続して繰り返すダブルレーンチェンジをした場合と同様の状況を模擬できる。
【0014】
図2に示したステアリングの操舵角θは、ステアリングの中立位置から右側への操舵(図2上の下側への操舵)が正値となり、ステアリングの中立位置から左側への操舵(図2上の上側への操舵)が負値となる。
【0015】
また、図2に示した車体スリップ角βは、横滑り角とも言われ、図4に示されるように、車体の向きと車両重心の進行方向とのなす角をいう。車両はコーナリング速度を上げるほど車体スリップ角βが大きくなる特性を有する。そして、車体スリップ角βが大きくなるにつれて車両の挙動は不安定の度合が増し、車体スリップ角βが或る値以上になると車両はスピン等の操舵不能状態に陥る。操縦不能状態に陥る車体スリップ角βは、車種や路面状態といった周辺環境によって異なる。
【0016】
或る車両は、車体スリップ角βが10°を超えると、車両の挙動が不安定になり操縦不能に陥りやすい状態になる(図2に示した点線より上の領域)。図2において、車体スリップ角βが10°を超えている55m付近で車体スリップ角βとステアリング操舵角θのピークが重なっている。これは、車体スリップ角βが10°を超えたとしても、ベテランドライバーが左に操舵していたステアリングを車体スリップ角βが小さくなる(車両が安定方向に戻る)のに合わせて右に戻していることを示している。さらに、それ以後の走行では、車体スリップ角βとステアリング操舵角θの位相変化がほぼ対応していることから、ベテランドライバーは車両のスリップ状態に合わせてステアリングを巧みに操舵できていることを示している。つまり、車体スリップ角βを減らして車両の挙動が安定状態に向かうようにステアリング操舵を行うことができていることを示している。
【0017】
ところが、ベテランドライバーではない一般のドライバーでは、車体スリップ角βが10°を超えると、図2に示されるような巧みなステアリング操舵を行うことができず、車体スリップ角βとステアリング操舵角θの位相変化が対応しない波形となる。これは、一般のドライバーは、ベテランドライバーに比べ、このような車両が不安定な状態であっても視覚から得られる情報に大きく依存してステアリング操舵をしがちであったり、車両の挙動を身体で感じることに長けていなかったりするからである。一般のドライバーであっても車両の挙動を身体で感じやすくするためには、シートのクッションを通常より硬めにするのがよい。しかしながら、一般に、車両のシートのクッションは車両の振動や挙動を感じにくくするために柔らかめにされているので、シートのクッションを予め硬めにしてしまうと、シート着座時の普段の快適性が損なわれてしまう。
【0018】
そこで、本実施形態のシートクッション剛性調整装置は、車両の挙動が不安定な状態である場合や不安定な状態に陥りそうな場合において、シートクッションの剛性を高めるように制御する。本実施形態のシートクッション剛性調整装置の構成について図1を参照しながら説明する。
【0019】
加速度センサ1は、自車の車幅方向の加速度(横G)を検出する。自車の車幅方向の加速度(いわゆる、横G)を表す信号がECU10に出力される。したがって、ECU10は、加速度センサ1が出力する信号に基づいて自車の横Gを演算することができる。
【0020】
車速センサ2は、自車の車速を検出する。自車の車速を表す信号がECU10に出力される。したがって、ECU10は、車速センサ5が出力する信号に基づいて自車の車速を演算することができる。車速が零であることを表す信号が入力されれば停車中であるとECU10は認識することができる。
【0021】
ヨーレートセンサ3は、車両のヨー方向の回転を検出する回転検出手段である。ヨーレートセンサ3は、車両に搭載され、ヨー運動によって発生する車両の重心点回りの角速度(ヨーレート)を検出するものである。ヨーレートセンサ3によれば、操舵等により走行中の車両がヨー運動していることを検知することができる。ヨーレートセンサ3によって検出された角速度を表す信号がECU10に出力される。したがって、ECU10はヨーレートセンサ1が出力する信号に基づいて自車の重心点回りの角速度(ヨーレート)を演算することができる。
【0022】
また、車両のヨー方向の回転を検出する回転検出手段として、ヨーレートセンサ1ではなく、ジャイロセンサでもよい。ジャイロセンサは、X(ロール),Y(ピッチ),Z(ヨー)の3軸の角度、角速度、加速度等を検出するものである。したがって、ジャイロセンサの場合には、Z軸についての検出値を利用することにより、車両のヨー方向の回転を検出することができる。
【0023】
ECU10は、加速度センサ1、車速センサ2及びヨーレートセンサ3からの信号に基づいて車両の挙動状態を把握し、車両の挙動状態を表すデータとして車体スリップ角βを演算する。車体スリップ角βは、例えば、
[数1]
β=∫{(横G−ヨーレート×車速)/車速}dt
によって演算可能である。
【0024】
ECU10は、[数1]に従い演算した車体スリップ角βに基づいて車両の挙動が不安定である状態を判定する。例えば、ECU10は、車両の挙動が不安定である状態を判定するための車体スリップ角βの閾値を10°と設定し、演算された車体スリップ角βが10°を超えた場合に車両の挙動が不安定である状態と判定する。車両の挙動が不安定である状態と判定したECU10は、シートクッション剛性可変機構20に対してシートクッションの剛性を所定値まで高める指令を出力する。
【0025】
また、ECU10は、[数1]に従い演算した車体スリップ角βに基づいて車両の挙動が安定である状態を判定することもできる。例えば、ECU10は、車両の挙動が安定である状態を判定するための車体スリップ角βの閾値を5°と設定し、演算された車体スリップ角βが5°を下回った場合に車両の挙動が安定である状態と判定する。車両の挙動が安定である状態と判定したECU10は、シートクッション剛性可変機構20に対してシートクッションの剛性を所定値まで低くする指令を出力する。
【0026】
したがって、ECU10は、例えば図3に示されるような閾値関係に従ってシートクッション剛性可変機構20に対して出力する指令内容を決定する。すなわち、ECU10は、シートクッションの剛性が低い場合に車体スリップ角βが10°を超えた場合にシートクッションの剛性を所定値まで高くする指令を出力し、シートクッションの剛性が高い場合に車体スリップ角βが5°を下回った場合にシートクッションの剛性を所定値まで低くする指令を出力する。
【0027】
なお、シートクッションの剛性を所定値まで高くする車体スリップ角βの閾値を高めに設定しておくことによって、実際に車両の挙動が不安定になった状態でシートクッションの剛性を高くすることができるし、シートクッションの剛性を所定値まで高くする車体スリップ角βの閾値を低めに設定しておくことによって、車両の挙動が不安定な状態に陥る前の状態でシートクッションの剛性を高くすることができる。
【0028】
また、ECU10は、制御プログラムや制御データを記憶するROM、制御プログラムの処理データを一時的に記憶するRAM、制御プログラムを処理するCPU、外部と情報をやり取りするための入出力インターフェースなどの複数の回路要素によって構成されたものである。また、ECU10は一つの電子制御ユニットとは限らず、制御が分担されるように複数の制御ユニットであってよい。
【0029】
図1に示されるシートクッション剛性可変機構20は、ECU10からの指令信号に基づいて図5に示されるようなシートのクッションの剛性を可変する手段である。シートクッション剛性可変機構20は、例えば、シートのクッション内に内蔵されたスプリングのばね定数を可変させたり、シートクッションの反発係数を可変させたり、シートクッション内の圧力をアキュムレータなどにより可変させたりすることによって、シートクッションの剛性を可変させる。
【0030】
図5は、シート全体の一概略図である。図5に示されるシートのクッションは、乗員の頭部を支える枕部30と、乗員の上半身を支える背もたれ部40と、乗員の下半身を支える着座部50とから構成される。また、枕部30は側部31,32と中央部33から構成されるクッション部位を有し、背もたれ部40は側部41,42と中央部43から構成されるクッション部位を有し、着座部50は側部51,52と中央部53から構成されるクッション部位を有する。側部31,32,41,42,51,52によって、シートに着座した乗員のサポート性が向上する。
【0031】
図6は、アキュムレータ21によって図5に示されるシートのクッション内の圧力を可変させるシートクッション剛性可変機構20の一例を示す図である。図6に示されるように、枕部30の側部31,32と中央部33、背もたれ部40の側部41,42と中央部43、着座部50の側部51,52と中央部53に、アキュムレータ21によって流体等の媒体が供給される加圧部(31a等のa,b,cが符号に付された箇所)がそれぞれ設置されている。加圧部の圧力値を変化させることにより各クッション部位の剛性が変化する。例えば、加圧部31aの圧力値を増加させると枕部30の側部31の剛性が高まり、加圧部43bの圧力値を増加させると背もたれ部40の中央部43の剛性が高まる。各加圧部の圧力値は、一律に変化させてもよいし、それぞれ異なるように変化させてもよい。
【0032】
図6に示されたシートクッション剛性可変機構20は、ECU10からの指令信号に基づいて各加圧部の圧力値を可変させる。例えば、車両の挙動が不安定であると判定したECU10が各クッション部位の剛性(各加圧部の圧力値)を所定値まで高める指令を出力した場合、その出力指令に従ってシートクッション剛性可変機構20は各加圧部の圧力値を高くする。車両の挙動が安定であると判定したECU10が各クッション部位の剛性(各加圧部の圧力値)を所定値まで低くする指令を出力した場合、その出力指令に従ってシートクッション剛性可変機構20は各加圧部の圧力値を低くする。
【0033】
また、全てのクッション部位の剛性を一律に可変させるのではなく、一部のクッション部位のみの剛性を可変させてもよい。例えば、クッション部位のうち側部31,32,41,42,51,52のみを可変させる。車両の挙動が不安定であると判定したECU10が側部31,32,41,42,51,52の剛性を所定値(例えば、それぞれの中央部33,43,53より高い剛性となる値)まで高める指令を出力した場合、その出力指令に従ってシートクッション剛性可変機構20は、側部31,32,41,42,51,52に設置される加圧部の圧力値を中央部33,43,53に設置される加圧部の圧力値よりも高くする。一方、圧力値を低くする場合には、車両の挙動が安定であると判定したECU10が側部31,32,41,42,51,52の剛性を所定値(例えば、通常時の剛性となる値)まで低くする指令を出力した場合、その出力指令に従ってシートクッション剛性可変機構20は、側部31,32,41,42,51,52に設置される加圧部の圧力値を通常値まで低くする。
【0034】
なお、本発明は、シートクッションの剛性を可変させる機構について詳細に特定するものではなく、また、如何なる構成や特徴を有するシートクッション剛性可変機構に対しても適用可能であるため、当業者には明らかであるシートクッション剛性可変機構については詳しい説明を省略する。
【0035】
したがって、本実施形態のシートクッション剛性調整装置によれば、車両の挙動が不安定な状態である場合や不安定な状態に陥りそうな場合といった異常時において、シートのクッション剛性を通常時より高めることができるので、ドライバーは車両の挙動を通常時より感じやすくなる。その結果、一般のドライバーであっても、そのような異常時において車両の挙動が感じやすくなるので、車両の挙動を安定方向にする運転操作を行うことができるようになる。一方、通常時にはシートのクッション剛性は低いので、通常時の乗車中の快適性は損なわないようにすることができる。
【0036】
また、本実施形態のシートクッション剛性調整装置によれば、車体スリップ角βに基づいて車両の挙動を判断するので、ヨーレートに基づいて車両の挙動を判断する場合に比べて、より正確に車両の挙動が不安定な状態を判断することができる。ヨーレートの値が大きくても車両の挙動が不安定な状態であるとは限らないからである。
【0037】
また、本実施形態のシートクッション剛性調整装置によれば、シートクッション全体の剛性を可変するのではなく、シートクッションの一部の剛性を可変することができる。シート側部のクッションの剛性を高めることによって、乗員は車両の挙動を把握しやすくなるだけでなく、乗員のサポート性が一層良くなって安全性も増す。
【0038】
以上、本発明の好ましい実施例について詳説したが、本発明は、上述した実施例に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施例に種々の変形及び置換を加えることができる。
【0039】
例えば、運転席や助手席等のフロントシートのクッション剛性を可変させる場合に限らず、リヤシートのクッション剛性を可変させる場合でもよい。
【0040】
また、シートのクッション剛性は高低の2段階ではなくさらに細分化してもよい。例えば、シートクッション剛性可変機構20が設定可能な加圧部の圧力値を複数設けることによって、クッション剛性を多様に変化させることができる。
【0041】
また、上述の実施例のように車体スリップ角βが所定値を下回った場合にシートクッションの剛性を低くするのではなく、車両が停止したことを検出した場合に、シートのクッション剛性を低くしてもよい。ECU10は、例えば、車速センサ2が車速零を検出したり、シフトポジションセンサがパーキング「P」の状態を検出したり、イグニッションキーのOFFを検出したりした場合に、車両が停止したとみなせばよい。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明におけるシートクッションの剛性調整装置の一実施形態を示すブロック図である。
【図2】ベテランドライバーの運転する車両がダブルレーンチェンジをした場合のその車両の挙動を示す図である。
【図3】シートクッションの剛性を可変させる車体スリップ角βの閾値関係を示す図である。
【図4】車体スリップ角βを説明するための図である。
【図5】シート全体の一概略図である。
【図6】アキュムレータ21によって図5に示されるシートのクッション内の圧力を可変させるシートクッション剛性可変機構20の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0043】
1 加速度センサ
2 車速センサ
3 ヨーレートセンサ
10 ECU
20 シートクッション剛性可変機構
21 アキュムレータ
30 枕部
40 背もたれ部
50 着座部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の挙動状態を検出する検出手段と、
前記検出手段により検出された挙動状態に基づいて車両の挙動が不安定である状態を判定する判定手段と、
車両のシートクッションの剛性を可変する剛性可変手段とを備え、
前記剛性可変手段は、前記判定手段により車両の挙動が不安定である状態と判定された場合にシートクッションの剛性を高めることを特徴とする、シートクッションの剛性調整装置。
【請求項2】
前記検出手段は、車両の挙動状態として車体スリップ角を検出し、
前記判定手段は、車体スリップ角が所定値を超えた場合に車両の挙動が不安定である状態と判定する、請求項1記載のシートクッションの剛性調整装置。
【請求項3】
前記剛性可変手段は、シート側部のシートクッションの剛性を高める、請求項1または2記載のシートクッションの剛性調整装置。
【請求項4】
前記剛性可変手段は、シートクッションの圧力を可変する、請求項1記載のシートクッションの剛性調整装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−196814(P2007−196814A)
【公開日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−16791(P2006−16791)
【出願日】平成18年1月25日(2006.1.25)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】