説明

シート搬送装置、画像読取装置、及び画像形成装置

【課題】シートの分離後の斜行を抑制できるシート搬送装置、画像読取装置、及び画像形成装置を提供する。
【解決手段】複合機は画像読取装置を備えている。画像読取装置は、読取部にシートを給紙するADF10を備えている。ADF10は、給紙トレイ11上に載置されたシートの幅方向の位置を規制する為のシートガイド21、22を備えている。シートガイド21、22は、給紙トレイ11上において幅方向に移動可能である。シートガイド21、22は、分離ローラ31を有する分離部よりもシートの搬送方向の少なくとも下流側まで延設されている。これにより、シートの搬送経路において分離部の上流側のみならず、特に分離部よりも下流側の狭い空間内においてもシートの幅方向の位置を規制できる。故に、分離部によるシートの分離後に起こるシートの斜行を確実に抑制できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート搬送装置、画像読取装置、及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
スキャナなどの原稿読取装置は、複数枚のシートを1枚ずつ繰り出して、読取位置に自動的に供給するADF(Auto Document Feeder)と称されるシート搬送装置を備えている。特許文献1が開示する原稿給紙装置は、原稿が載置されるトレイと、トレイから繰り出された原稿を1枚ずつ分離する分離ローラ及び分離パッドを含む分離部と、1枚ずつ分離された原稿を読取位置に搬送する搬送ローラとを備えている。トレイ上で原稿の搬送方向に直交する方向である原稿の幅方向にスライドするガイド部がトレイに設けられている。サイドガイドは、トレイから繰り出される原稿の両側面を規制することで原稿の斜行を防止する。
【0003】
特許文献1に開示されているシート搬送装置のガイド部は、トレイから分離ローラの手前まで延出している。この延出により、トレイから分離ローラの手前までの間にある部材により斜行が引き起こされる可能性を低減できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−81475号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示されている原稿給紙装置のサイドガイドは、トレイから分離ローラの手前までの長さしかない。原稿の斜行は、トレイから分離ローラの手前までの間にある部材のみにより引き起こされる訳ではなく、分離ローラ、及び搬送ローラ等の傾き、分離ローラ、及び搬送ローラ等の幅方向における摩耗度のばらつき、及び分離パッドなどのニップ圧の幅方向におけるばらつき等によっても斜行は起きる。それ故、シートの分離後の原稿の斜行を抑制できないという問題点があった。シートの分離後の斜行発生の可能性を低減するために、例えば、分離ローラを幅方向に対し複数個設けるなどの方法が考えられる。しかし、このような方法を用いると、部品点数、及びコスト等の問題が発生してしまっていた。従って、シートの分離後に原稿の斜行が発生する可能性を低減できないという問題点が依然として残った。
【0006】
本発明の目的は、シートの分離後の斜行を抑制できるシート搬送装置、画像読取装置、及び画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1態様に係るシート搬送装置は、シートを搬送するシート搬送装置であって、前記シートが載置されるトレイと、前記トレイに載置された前記シートの前記シートの搬送方向に直交する幅方向の位置を規制しつつ前記シートの搬送を案内するガイド部と、前記トレイに載置された前記シートを分離する分離部と、前記分離部によって分離された前記シートを搬送する搬送部とを備え、前記ガイド部の前記シートの搬送方向における上流側端部は前記トレイ上に設けられ、前記ガイド部の前記搬送方向の下流側端部は、少なくとも前記分離部よりも前記搬送方向の下流側まで延設されている。
【0008】
第1態様に係るシート搬送装置では、ガイド部の上流側端部はトレイ上に設けられているので、トレイに載置されたシートの搬送を良好に案内できる。ガイド部の下流側端部は、少なくとも分離部よりも搬送方向の下流側まで延設されているので、シートの分離後の斜行を抑制できる。
【0009】
また、第1態様において、前記ガイド部は、前記トレイに載置された前記シートの両面のうち前記トレイの載置面側の面とは反対側の面である前記シートの上面に接触して、前記シートの、前記シートの面に直交する高さ方向の位置を規制する上面規制部を備えてもよい。シートの剛性によってシートが跳ね上がっても、上面規制部がシートの高さ方向の位置を規制する。それ故、シートがガイド部から外れないので、シートの分離後のシートの幅方向の位置を確実に規制できる。
【0010】
また、第1態様において、前記シートが搬送される搬送経路は、前記搬送方向に対して屈曲して形成され、前記ガイド部は、前記搬送経路の屈曲形状に沿って屈曲してもよい。故に、シート搬送装置を搬送方向に対してコンパクトに構成できる。
【0011】
また、第1態様において、前記上面規制部は、少なくとも前記分離部が前記シートを分離するニップ点よりも前記搬送方向の上流側から前記下流側端部まで延設されてもよい。故に、分離部のニップ点で分離された直後からシートの高さ方向の位置を規制できる。
【0012】
また、第1態様において、前記上面規制部は、前記ガイド部に案内される前記シートの前記上面に対して平行な面を有し、前記上面規制部の前記搬送方向の上流側の端部は、前記シートの前記上面に対して、前記搬送方向の下流側から前記搬送方向の上流側に向けて斜め上方に延設された傾斜部を備えてもよい。故に、傾斜部により、ニップ点で分離されたシートを上面規制部の下方に確実に案内できる。
【0013】
また、第1態様において、前記上面規制部は、前記シートの前記高さ方向の位置を、少なくとも前記シート1枚分の搬送を許容する高さに規制してもよい。故に、シートを1枚毎にガイド部に沿って良好に案内できる。
【0014】
本発明の第2態様に係る画像読取装置は、請求項1から6の何れかに記載のシート搬送装置と、前記シート搬送装置によって搬送される前記シートの画像を読み取る読取部と、を備えている。
【0015】
第2態様に係る画像読取装置では、請求項1から6の何れかに記載のシート搬送装置を備えているので、請求項1から6の何れかに記載の効果を得ることができる。つまり、シートの分離後のシートの斜行を抑制できる。従って、シートの幅方向のずれを低減できるので、読取部においてシートの画像を良好に読み取ることができる。
【0016】
また、第2態様において、前記ガイド部の前記下流側端部は、前記読取部まで延設されてもよい。シートの斜行を抑制しつつシートを読取部まで確実に案内できるので、シートと読取部との互いの位置関係のずれを小さくできる。故に、読取部においてシートの画像を正常に読み取ることができる。
【0017】
本発明の第3態様に係る画像形成装置は、請求項7又は8に記載の画像読取装置と、前記読取部によって読み取られた画像に基づいて記録媒体に画像形成を行う画像形成部と、を備えている。
【0018】
第3態様に係る画像形成装置では、請求項7又は8に記載の画像読取装置を備えているので、請求項7又は8に記載の効果を得ることができる。つまり、シートの画像を良好に読み取ることができるので、読み取ったシートの画像を記録媒体に良好に形成できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施形態である複合機1の斜視図である。
【図2】上記複合機1の操作パネル5を取り外した状態における斜視図である。
【図3】図2の二点鎖線W1で囲まれた領域内における上記複合機1の部分拡大図である。
【図4】上記複合機1の図1に示す前後方向に沿った縦断面図である。
【図5】上記複合機1のシートガイド21と各種ローラとの位置関係を示す図である。
【図6】上記複合機1のシートガイド21、22を組み合わせた状態の斜視図である。
【図7】上記シートガイド21の斜視図である。
【図8】図7の二点鎖線W2で囲まれた領域内における上記シートガイド21の部分拡大図である。
【図9】上記シートガイド22の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の一実施形態である複合機1について、図面を参照して説明する。参照する図面は、本開示が採用し得る技術的特徴を説明する為に用いるものであり、記載している装置の構成等は、それのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例である。以下説明において、図1に示すように、図1、図2の右斜め上方、左斜め下方、左斜め上方、右斜め下方を、複合機1の前方、後方、右方、左方とする。図4の右方、左方、紙面奥行き方向、紙面手前方向を、複合機1の前方、後方、右方、左方とする。また、図1において、後方から前方へ向けてシートが搬送される方向を搬送方向(図1中A方向)とする。また、図1において、シートの面上であって、且つシートの搬送方向に直交する方向を幅方向(図1中B方向)とする。また、図1において、シートの面に直交する方向を高さ方向(図1中C方向)とする。また、図1において、搬送方向の後方を上流側、搬送方向の前方を下流側とする。
【0021】
複合機1の構成について、図1を参照して説明する。複合機1は、電話機能、プリンタ機能、スキャナ機能、コピー機能、ファクシミリ機能等を備えた多機能周辺装置である。複合機1は、本体部2の上部にシートの画像を読み取る為の画像読取装置3を備えている。画像読取装置3は、本体部2内に設けられ、シートの一面に形成された画像を読み取る読取部8(図4参照)と、該読取部8にシートを給紙する自動原稿給紙装置10(以下、ADF10という)とを備えている。本実施形態における複合機1が、本発明の「画像形成装置」の一例である。本実施形態における画像読取装置3が、本発明の「画像読取装置」の一例である。本実施形態におけるADF10が、本発明の「シート搬送装置」の一例である。
【0022】
複合機1は、給紙トレイ11と、伸縮ガイド12と、排紙トレイ14と、延長ガイド15と、を備える。給紙トレイ11は、図1に示すように、本体部2の上部後ろ側に設けられている。給紙トレイ11は、前方から後方に対して緩やかに傾斜している。給紙トレイ11は、シートを載置する為の板状のトレイである。伸縮ガイド12は、給紙トレイ11の上端部の幅方向中央部の上方に設けられている。伸縮ガイド12は、搬送方向に伸縮可能な板状のガイドである。排紙トレイ14は、本体部2の前方に設けられる。排紙トレイ14は、後方から前方に対して斜め上方に傾斜している。排紙トレイ14は、読取部8により読み取られたシートを排紙する為の板状のトレイである。延長ガイド15は、排紙トレイ14の上端部の幅方向中央部の上方に延設されている。
【0023】
複合機1は、操作パネル5と、受話器7と、を備える。操作パネル5は、本体部2の上部において給紙トレイ11と排紙トレイ14との間に挟まれた位置に保守作業上、着脱可能に設けられる。操作パネル5は、複合機1を操作する為の平面視略長方形状のパネルである。受話器7は、操作パネル5の左隣に設けられている。例えば、利用者が操作パネル5のスタートボタン53を押すと、画像読取装置3のADF10は、給紙トレイ11に載置されたシートを1枚ずつ繰り出して読取部8に搬送する。読取部8に読み取られたシートの画像は、本体部2内の非図示のメモリに記憶される。読取部8において画像を読み取られたシートは、排紙トレイ14に排出される。
【0024】
図4に示すように、複合機1は、本体部2の内部にプリンタ部4を備えている。プリンタ部4は、OHPシートや、用紙等の記録媒体(以下、用紙という)に現像剤像を転写して画像を形成する。本体部2は用紙排出部16を備えている。用紙排出部16は、本体部2の上部における排紙トレイ14の下方に設けられている。用紙排出部16はプリンタ部4にて画像形成が終了した用紙を受け取る。
【0025】
プリンタ部4は、画像形成部120、フィーダ部130、及び搬送ユニット140等を備えている。画像形成部120は、複合機1の非図示のメモリに記憶された画像を用紙に形成する。用紙に形成する画像は、読取部8で読み取った画像である。フィーダ部130は画像形成部120に用紙を供給する。搬送ユニット140は画像形成部120にて画像形成が終了した用紙を上方側に略180度転向させて用紙排出部16まで搬送する。
【0026】
図4に示すように、フィーダ部130は、給紙トレイ34、給紙ローラ35、分離ローラ36及び分離パッド37、一対の搬送ローラ38、一対のレジストローラ39等を備えている。給紙トレイ34は本体部2の最下部に着脱可能に装着されている。給紙ローラ35は給紙トレイ34の前端部上方に設けられ、画像形成部120に用紙を搬送する。分離ローラ36及び分離パッド37は給紙ローラ35にて搬送される用紙を1枚毎に分離する。
【0027】
一対の搬送ローラ38は分離ローラ36より用紙の搬送方向の下流側に設けられている。一対の搬送ローラ38は給紙ローラ35により搬送される用紙を画像形成部120に向けて搬送する。一対のレジストローラ39は画像形成部120の入口側に設けられている。一対のレジストローラ39は搬送される用紙に所定の搬送抵抗を付与して用紙の搬送状態を整える。
【0028】
画像形成部120は、露光装置121、現像装置122及び定着器123等を備えている。露光装置121は本体部2内の最上部に設けられている。画像形成部120は非図示のレーザ光源、ポリゴンミラー、fθレンズ、及び反射鏡等を備えている。画像形成部120は後述する感光ドラム24の表面に静電潜像を形成する。
【0029】
現像装置122は露光装置121の下方側において本体部2内に着脱可能に収納されている。現像装置122は、感光ドラム24、帯電器25、及び現像剤収容部26を備えている。感光ドラム24は用紙に転写される現像剤像を担持する。帯電器25は感光ドラム24の表面を帯電させる。現像剤収容部26は現像剤を収容する。供給ローラ27及び現像ローラ29は、現像剤収容部26と感光ドラム24との間に設けられている。供給ローラ27及び現像ローラ29は、現像剤収容部26から搬出された現像剤を感光ドラム24に供給する。
【0030】
現像剤収容部26から搬出された現像剤は、供給ローラ27の回転によって現像ローラ29側に供給される。現像ローラ29側に供給された現像剤は、現像ローラ29の表面に担持された後、露光装置121にて露光された感光ドラム24の表面に供給される。転写ローラ28は搬送されている用紙を挟んで感光ドラム24と対向する位置に設けられている。転写ローラ28は感光ドラム24に帯電した電荷と反対の電荷を帯びている。転写ローラ28は感光ドラム24と同期して回転する。感光ドラム24の表面に生成された現像剤像が用紙の印刷面に転写される。
【0031】
定着器123は、加熱ローラ67、加圧ローラ68、及びケーシング69等を備えている。加熱ローラ67は用紙の印刷面側に配設されて現像剤像を加熱する。加圧ローラ68は用紙を挟んで加熱ローラ67と反対側に設けられて用紙を加熱ローラ67側に押圧する。ケーシング69は加熱ローラ67及び加圧ローラ68を収納する。
【0032】
搬送ユニット140は定着器123に対して用紙の搬送方向の下流側に設けられている。搬送ユニット140は定着器123から排出口9側に至る略U字状の搬送経路を構成する。搬送ユニット140は、一対の搬送ローラ45、46、転向ガイド47、一対の排出ローラ48、49等を備えている。
【0033】
搬送ローラ45、46は定着器123から排出された用紙に接触して回転することにより用紙を送り出す。転向ガイド47は搬送ローラ45、46より搬送方向下流側に設けられている。転向ガイド47は略U字状に湾曲した搬送経路の折り返し部に設けられている。転向ガイド47は搬送ローラ45、46から排出された用紙の搬送方向を上方側に略180度転向させる。排出ローラ48、49は搬送経路の排出口9側に設けられている。排出ローラ48、49は用紙を用紙排出部16に排出する。
【0034】
複合機1は、一対のシートガイド21、22、溝部17、及び溝部18を備える。一対のシートガイド21、22は、図1、及び図2に示すように、給紙トレイ11のシートの載置面においてシートの搬送方向の下流側に設けられる。一対のシートガイド21、22は、給紙トレイ11に載置されたシートの幅方向の位置を規制する。溝部17は、図3に示すように、給紙トレイ11の載置面の右側領域においてシートの搬送方向の下流側に設けられている。溝部17は、給紙トレイ11の幅方向に平行である。溝部18は、シートの搬送方向の下流側における給紙トレイ11の載置面の左側に設けられている。溝部18は、給紙トレイ11の幅方向に平行である。シートガイド21は、溝部17に係合し、且つ溝部17に沿って幅方向に移動可能である。シートガイド22は、溝部18に係合し、且つ溝部18に沿って幅方向に移動可能である。
【0035】
シートガイド21、22は、本体部2内に設けられた非図示のギア機構によって互いに連結している。例えば、シートガイド21を給紙トレイ11の右方から中央に手動で移動すると、シートガイド22もシートガイド21の移動に連動して左方から中央に移動する。その反対に、シートガイド21を給紙トレイ11の中央から右方に手動で移動すると、シートガイド22もシートガイド21の移動に連動して中央から左方に移動する。この連動により、給紙トレイ11上に載置されたシートの幅方向の両端部に対して、シートガイド21、22を簡単かつ速やかに合わせることができ、且つシートを給紙トレイ11の幅方向における中央に確実にセットできる。なお、本実施形態におけるシートガイド21、22が、本発明の「ガイド部」の一例である。
【0036】
操作パネル5は、図1、図2に示すように、本体部2から取り外し可能である。操作パネル5が本体部2から取り外されると、図2に示すように、本体部2の上部においてADF10を構成する各種ローラ部品が露出する。
【0037】
複合機1は、分離ローラ31と、搬送ローラ41と、ピンチローラ42と、排出部50A、50Bと、を備える。分離ローラ31は、図3に示すように、本体部2の上部において、給紙トレイ11のシートの搬送方向の下流側近傍に設けられている。搬送ローラ41、及びピンチローラ42は、分離ローラ31のさらに下流側に、各々設けられている。排出部50A、50Bは、搬送ローラ41及びピンチローラ42のさらに下流側に、各々設けられている。排出部50A、50Bは、本体部2の左右方向に間隔を空けて各々設けられている。排出部50A、50Bは、上下一対の排出ローラ51及びピンチローラ52で構成されている。
【0038】
ADF10の構成について説明する。ADF10は、図4に示すように、給紙トレイ11と、シートガイド21、22と、分離部30と、搬送部40とを備えている。シートガイド21、22は、給紙トレイ11上に一部を重ねて設けられている。分離部30は、図4中のD方向に示す給紙トレイ11のシートの搬送方向の下流側に設けられる。分離部30は、給紙トレイ11に載置されたシートを1枚ずつ分離して繰り出す。搬送部40は、分離部30の下流側に設けられる。搬送部40は、分離部30により分離されたシートを読取部8に向けて搬送する。
【0039】
分離部30は、図4、図5に示すように、分離パッド32と、分離ローラ31と、を備える。分離部30は、操作パネル5の裏面に設けられた図5に示す固定部材55に固定される。分離パッド32は、給紙トレイ11に積載された複数枚のシートからなるシート束6のうち最上部のシートの上面に接触してシートに所定の搬送抵抗を付与する。分離ローラ31は、シートを分離パッド32に押し付けながら回転することにより、最下方に位置するシートから順に1枚ずつ分離して繰り出す。なお、分離部30の存在下においてもシートを完全に1枚ずつに分離することができないことがある。しかし、この場合においても、複数枚のシートをある程度の少ない枚数に分離することは可能である。以後、シートを1枚ずつ、或いはある程度の少ない枚数に分離することを、シートを分離する、と記す。分離ローラ31は、分離ローラ31に駆動力を供給する非図示の駆動源により駆動される。搬送部40は、搬送ローラ41と、ピンチローラ42と、を備える。搬送ローラ41は、分離部30によって分離されたシートの上面に接触してシートに搬送力を付与する。ピンチローラ42は、シートを搬送ローラ41に下方から押し付ける。
【0040】
排出部50A、50Bについて説明する。排出部50A、50Bは、図3、図4に示すように、排出ローラ51と、ピンチローラ52とを備えている。排出ローラ51は、読取部8によって読み取られたシートの上面に接触してシートを排紙トレイ14に向けて排出する。ピンチローラ52は、シートを排出ローラ51に対して下方から押し付ける。排出ローラ51は、非図示の駆動源により駆動される。排出ローラ51は、分離ローラ31及び搬送ローラ41と同期駆動される。この同期駆動により排紙トレイ14上に載置されたシートを1枚ずつ分離して繰り出し、読取部8まで搬送し、読取部8で読み取られたシートを排紙トレイ14に排紙する一連の動作を良好に行うことができる。
【0041】
ADF10におけるシートの給紙トレイ11から読取部8までの搬送経路の形状について説明する。ADF10の搬送経路は、図5に示すように、分離ローラ31と分離パッド32とが接触するニップ点を境に搬送方向に対して下方に屈曲している。ADF10の搬送経路は、さらに搬送ローラ41及びピンチローラ42を境に斜め上方に折り返して再度屈曲している。このようにシートの搬送経路が長くとも、搬送経路を搬送方向に対して上下に屈曲させることで、複合機1の前後方向の長さをコンパクトに構成できる。本実施形態では、後述するシートガイド21、22の形状を、ADF10の搬送経路の屈曲形状に対応させている。
【0042】
シートガイド21、22について説明する。シートガイド21、22は、図6に示すように、図6の紙面手前方向から見た形状が略L字形状の板部材であり且つ互いに左右対称形状である。シートガイド21、22は、図4に示す給紙トレイ11上に載置されたシートを幅方向両側から挟み込むことでシートの幅方向の位置を規制しつつ図4に示す読取部8までの搬送を案内する。以下、各ガイド形状について個々に説明する。
【0043】
シートガイド21の形状について説明する。シートガイド21は、載置部61と、壁部62と、延設部63とを備えている。載置部61は、図7に示すように、前方から後方に向けて延びる長方形状をしている。壁部62は、載置部61の右側一端部に略垂直に設けられている。延設部63は、搬送方向における載置部61の略中央部から搬送方向に直交する方向であって壁部62側とは反対方向に延出している。
【0044】
載置部61は、シートの下面の右端部側を下方から支持する。載置部61は、シートが搬送される方向の上流側から順に、第1載置部71と、第2載置部72と、第3載置部73と、第4載置部74と、第5載置部75と、を備える。第1載置部71は、シートの搬送方向に沿って延出している。第2載置部72は、第1載置部71の下流側一端部に連接される。第2載置部72は、第1載置部71の上面に対して斜め上方に傾斜している。第3載置部73は、第2載置部72の下流側一端部に連接される。第3載置部73は、第1載置部71の上面に対して平行な面を有する。第4載置部74は、第3載置部73の下流側一端部に連接される。第4載置部74は、第3載置部73の上面に対して斜め下方に傾斜している。第5載置部75は、第4載置部74の下流側一端部に連接される。第5載置部75は、第4載置部74の上面に対して斜め上方に延設されている。載置部61は、第1載置部71、第2載置部72、第3載置部73、第4載置部74、及び第5載置部75の各連接部分において上下に屈曲している。載置部61の屈曲形状は、ADF10の上下に屈曲する搬送経路に対応している。
【0045】
壁部62は、シートの右端部に右側方から接触することで、シートの右端部の位置を規制する。壁部62は、第1壁部77と、第2壁部78とを備えている。第1壁部77は、載置部61の右端部であって第1、第2載置部71、72に対応する部分に設けられている。第1壁部77は、幅方向から見た際に、シートの搬送方向の上流側から下流側にかけて徐々に右側方に膨出した略三角形状をしている。第2壁部78は、第3載置部73、第4載置部74、及び第5載置部75に対応する部分に設けられる。第2壁部78の高さ方向における大きさは、第1壁部77の高さ方向における大きさよりも小さい。第2壁部78は、幅方向から見た際に、横長長方形状をしている。第1壁部77の幅方向右側の面には、使用者がシートガイド21をシートの幅方向にスライドさせる際に指をかける為の非図示のV字状切り欠き部が設けられている。
【0046】
シートガイド21は、図7などに示すように、上面規制部101を備える。上面規制部101は、第2壁部78の上端部において、第4載置部74、第5載置部75に対応する部分に設けられる。上面規制部101は、左側方に突出し且つ載置部61の上面に対して平行に延設される。上面規制部101は、載置部61に沿って案内されるシートの上面に接触することでシートの高さ方向の位置を規制する。上面規制部101の高さ、即ち上面規制部101の下面と載置部61の上面との距離は、少なくともシート1枚分の搬送を許容する高さに調整されている。それ故、分離部30によって1枚ずつ分離されたシートの高さ方向の位置と幅方向の位置とを共に規制しながら読取部8まで良好に案内できる。なお、上面規制部101の高さはシートが重送しても詰まらない程度にするのが好ましい。上面規制部101の各寸法の一例として、右側方に突出する幅を3mm、高さを2mm程度にするのがよい。
【0047】
上面規制部101におけるシートの搬送方向の上流側の端部の位置は、図5、図8に示すように、第3載置部73におけるシートの搬送方向の下流側に対応する部分にまで及ぶ。上面規制部101は、上面規制部101の上流側の端部に、傾斜部102を備える。傾斜部102は、上面規制部101の延出方向に対してシートの搬送方向の下流側から上流側に向かって斜め上方に傾斜している。傾斜部102は、分離部30によって1枚ずつ分離されたシートの右端部側を、上面規制部101の下方に誘導する入口として機能する。
【0048】
延設部63は、搬送方向における大きさが載置部61の搬送方向における大きさより小さい細長の板状に形成されている。延設部63は、歯部63Aを備える。歯部63Aは、延設部63のシートの搬送方向の上流側に向く一端部において、一端部の幅方向の中央部から幅方向の先端部にかけて非図示のギアに噛合する。歯部63Aは、シートガイド22の後述する延設部83に設けられた歯部83Aに搬送方向において対向している。
【0049】
シートガイド22の形状について説明する。図9に示すように、シートガイド22の形状はシートガイド21に対して左右対称である。シートガイド22は、載置部81と、壁部82と、延設部83とを備えている。載置部81は、前方から後方に向けて延びる長方形状をしている。壁部82は、載置部81の左側一端部に略垂直に設けられている。延設部83は、搬送方向における載置部81の略中央部から搬送方向に直交する方向であって壁部82側とは反対方向に延出している。
【0050】
載置部81は、シートの下面の左端部側を下方から支持する。載置部81は、シートガイド21の載置部61と同様に、搬送方向の上流側から順に、第1載置部91と、図6に示す第2載置部92と、第3載置部93と、第4載置部94と、第5載置部95と、を備える。載置部81は、第1載置部91、第2載置部92、第3載置部93、第4載置部94、及び第5載置部95の各連接部分において上下に屈曲している。載置部81の屈曲形状もADF10の上下に屈曲する搬送経路に対応している。
【0051】
壁部82は、シートの左端部に左側方から接触することで、シートの左端部の位置を規制する。壁部82は、第1壁部97と、第2壁部98とを備えている。第1壁部97は、載置部81の左端部であって第1載置部91及び第2載置部92に対応する部分に設けられている。第1壁部97は、幅方向から見た際に、シートの搬送方向の上流側から下流側にかけて徐々に左側方に膨出した略三角形状をしている。第2壁部98は、第3載置部93、第4載置部94、及び第5載置部95に対応する部分に設けられる。第2壁部98の高さ方向における大きさは、第1壁部97の高さ方向における大きさよりも小さい。第2壁部98は、幅方向から見た際に、横長長方形状をしている。第1壁部97の幅方向左側の面には、使用者がシートガイド22をシートの幅方向にスライドさせる際に指をかける為のV字状切り欠き部85が設けられている。
【0052】
シートガイド22は、図9などに示すように、上面規制部111を備える。上面規制部111は、第2壁部98の上端部において、第4載置部74、及び第5載置部75に対応する部分に設けられる。上面規制部111は、右側方に突出し且つ載置部81の上面に対して並行に延設される。上面規制部111は、載置部81に沿って案内されるシートの上面に接触することでシートの高さ方向の位置を規制する。上面規制部111の高さ、即ち上面規制部111の下面と載置部81の上面との距離も、少なくともシート1枚分の搬送を許容する高さに調整されている。それ故、分離部30によって1枚ずつ分離されたシートの高さ方向の位置と幅方向の位置とを共に規制しながら読取部8まで良好に案内できる。なお、上面規制部111の高さもシートが重送しても詰まらない程度にするのが好ましい。上面規制部111の各寸法の一例として、左側方に突出する幅を3mm、高さを2mm程度にするのがよい。
【0053】
上面規制部111におけるシートの搬送方向の上流側の端部の位置は、シートガイド21の上面規制部101と同様に、第3載置部93におけるシートの搬送方向の下流側に対応する部分にまで及ぶ。上面規制部111は、上面規制部111の上流側の端部に、傾斜部112を備える。傾斜部112は、上面規制部111の延出方向に対してシートの搬送方向の下流側から上流側に向かって斜め上方に傾斜している。傾斜部112も、分離部30によって分離されたシートの左端部側を、上面規制部111の下方に誘導する入口として機能する。
【0054】
延設部83は、シートガイド21の延設部63と同様に、搬送方向における大きさが小さい細長の板状に形成されている。延設部83は、歯部83Aを備える。歯部83Aは、延設部83のシートの搬送方向の下流側に向く一端部において、一端部の幅方向中央部から幅方向の先端部にかけて非図示のギアに噛合する。歯部83Aは、シートガイド21の延設部83に設けられた歯部83Aに対向している。
【0055】
シートガイド21、22の連動機構について説明する。シートガイド21、22は、図6に示す状態で図1などに示す複合機1に配置される。シートガイド21の延設部63と、シートガイド22の延設部83とは、図1に示す本体部2内において対向する。延設部63と延設部83との間に非図示のギアが配置される。ギアは、延設部63の歯部63Aと、延設部83の歯部83Aとに各々噛合する。上記したように、シートガイド21、22は、給紙トレイ11上に設けられた図3に示す溝部17、18に沿って案内されている。この構成において、例えば、シートガイド21をシートの幅方向中央から右側方に移動させる。すると、延設部63の歯部63Aに噛合するギアが上方から見た際の反時計回りに回転する。ギアの回転に伴い、シートガイド22は、延設部83を介してシートの幅方向中央から左側方に押し出されて移動する。つまり、シートガイド21、22は互いに離間する方向に移動する。
【0056】
これとは反対に、シートガイド21をシートの幅方向右側方から中央に移動させる。すると、延設部63の歯部63Aに噛合するギアが上方から見た際の時計回りに回転する。ギアの回転に伴い、シートガイド22は、延設部83を介してシートの幅方向左側方から中央に押し出されて移動する。つまり、シートガイド21、22は互いに近接する方向に移動する。このように、シートガイド22は、シートガイド21の移動方向とは反対方向に移動する。従って、給紙トレイ11上に載置されたシートの幅方向両端部に対して、シートガイド21、22を簡単かつ速やかに合わせることができる。
【0057】
シートガイド21、22のガイド形状によるシートの斜行抑制について説明する。なお、シートの斜行抑制は、シートガイド21、22の両方のガイド形状によるものであるが、説明の便宜上、ここではシートガイド21のガイド形状とシートとの位置関係で説明する。図3、図5に示すように、シートガイド21の載置部61は、図3に示す給紙トレイ11上に位置する第1載置部71のみならず、第2載置部72、第3載置部73、第4載置部74、及び第5載置部75を備えている。第3載置部73は、分離ローラ31が分離パッド32に接触するニップ点の下流側まで延設されている。これにより、たとえ分離ローラ31や搬送ローラ41の傾きや、摩耗度のばらつき、分離パッド32やピンチローラ42のニップ圧の左右のばらつき等があっても、分離部30による分離前のシートのみならず、分離後のシートに対しても幅方向の位置を規制できる。故に、分離部30による分離後に生じるシートの斜行を効果的に抑制できる。
【0058】
さらに図3、図5に示すように、シートガイド21の載置部61は、第1載置部71、第2載置部72、及び第3載置部73に加え、第4載置部74、及び第5載置部75を備えている。第5載置部75の先端部は、搬送部40を過ぎて読取部8まで、例えば、図5に示すように読取部8の上流側手前まで延設されている。これにより、分離部30による分離後のシートを幅方向の位置を規制しつつ読取部8まで確実に案内できる。それ故、読取部8の幅方向中央部に対して、シートの幅方向中央部を常にずれることなく位置合わせができる。従って、読取部8においてシートの画像を正確に読み取らせることができる。
【0059】
さらに図5、図7、図8に示すように、シートガイド21に、上面規制部101が設けられているので、シートの高さ方向の位置を規制できる。本実施例では特に、シートの搬送経路が上下に屈曲しているので、コシの強い、即ち剛性の強いシートの場合、シートガイド21から跳ね上がって離脱する可能性がある。しかしながら、上面規制部101が跳ね上がるシートの上面を押さえるので、シートはシートガイド21に沿って高さ方向の位置と幅方向の位置とを規制されながら読取部8まで案内される。これにより、分離後のシートの斜行をより確実に抑制できる。
【0060】
さらに図5に示すように、上面規制部101の入口である傾斜部102は、分離ローラ31が分離パッド32に接触するニップ点の上流側に位置している。さらに傾斜部102は、給紙トレイ11上に載置されたシートの上面に対して、シートの搬送方向の下流側から上流側に向かって斜め上方に傾斜している。それ故、分離部30による分離後のシートは、傾斜部102によって上面規制部101の下方に確実に誘導される。上面規制部101は、読取部8まで延設されている。故に、シートは、読取部8までの搬送経路において上面規制部101によって高さ方向の位置が規制されるので、読取部8に対してシートの幅方向の位置がずれるのを確実に抑制できる。
【0061】
以上説明したように、本実施形態の複合機1は、画像読取装置3を備えている。画像読取装置3は、読取部8にシートを給紙するADF10を備えている。ADF10は、給紙トレイ11上に載置されたシートの幅方向の位置を規制する為のシートガイド21、22を備えている。シートガイド21、22は、給紙トレイ11上において幅方向に移動可能である。シートガイド21、22は、分離部30よりもシートの搬送方向の少なくとも下流側まで延設されている。これにより、シートの搬送経路において特に分離部30よりも下流側の狭い空間内においても、シートの幅方向の位置を規制できる。従って、分離部30による分離後に起こるシートの斜行を確実に抑制できる。
【0062】
また、分離ローラ31や搬送ローラ41の傾きや、摩耗度のばらつき、分離パッド32やピンチローラ42のニップ圧の左右のばらつき等は、組み付け誤差等の微小なものであっても斜行の要因となるものである。本実施形態ではこれらの組み付け誤差等があっても、シートガイド21、22のガイド機能によって分離後の斜行を抑制できる。よって、例えば、分離ローラ31、分離パッド32、及び搬送ローラ41などの頻繁な交換、又は微調整等が不要となるので、組み付け作業、保守作業ともに容易となる。
【0063】
また本実施形態では特に、シートガイド21、22は、給紙トレイ11上に載置されたシートの上面に接触して、シートの高さ方向の位置を規制する上面規制部101を備えている。これによりシートのコシによってシートが跳ね上がっても、上面規制部101がシートの高さ方向の位置を規制する。それ故、シートがシートガイド21、22から外れないので、分離部30による分離後のシートの幅方向の位置を確実に規制できる。
【0064】
また本実施形態では特に、シートが搬送される搬送経路は、搬送方向に対して屈曲して形成されている。さらにシートガイド21、22は、搬送経路の屈曲形状に沿って屈曲している。故に、複合機1をシートの搬送方向に対してコンパクトに構成できる。
【0065】
また本実施形態では特に、上面規制部101は、少なくとも分離部30がシートを分離するニップ点よりも搬送方向の上流側から下流側端部まで延設されてもよい。故に、分離部30のニップ点で分離された直後からシートの高さ方向の位置を規制できる。
【0066】
また本実施形態では特に、上面規制部101は、シートガイド21、22に案内されるシートの上面に対して平行な面を有する。故に、シートガイド21、22に案内されるシートを、上面規制部101に接触させることによってシートの高さ方向の位置を規制しながら良好に案内できる。さらに上面規制部101のシートの搬送方向の上流側の端部には、傾斜部102が設けられている。傾斜部102は、シートの上面に対して、シートの搬送方向の下流側から搬送方向の上流側に向けて斜め上方に延設されている。故に、ニップ点で分離されたシートを上面規制部101の下方に確実に案内できる。
【0067】
また本実施形態では特に、上面規制部101は、シートの高さ方向の位置を、少なくともシート1枚分の搬送を許容する高さに規制する。故に、シートを1枚毎にシートガイド21、22に沿って良好に案内できる。
【0068】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されず、様々な変形が可能である。例えば、上記形態では、紙媒体であるシートを一例として説明したが、例えば、樹脂フィルムでもよく、シート状のものであれば材質については限定しない。
【0069】
また上記実施形態では、シートガイド21、22は、給紙トレイ11から読取部8まで延設されているが、少なくとも分離部30よりも下流側まで延設されていればよい。具体的には、例えば、少なくとも第3載置部73、93までを備えていればよい。
【0070】
また上記実施形態では、互いに連動して移動するシートガイド21、22について説明したが、例えば、一方を固定し、他方のシートガイドのみを移動するようにしてもよい。
【0071】
また上記実施形態では、シート搬送装置として複合機1、及び画像読取装置3のADF10として説明したが、シートの給紙が必要な装置であればこれ以外にも適用可能である。例えば、本発明は、単にシートを搬送するためのシート搬送装置に適用されてもよい。また、例えば、本発明は、画像形成部を備えないシートフィード型の画像読取装置に適用さてもよい。
【0072】
また上記実施形態では、ADF10は分離部30を1つ備えているが、分離部30を幅方向に複数設けてもよい。この場合、ADFはシートの分離後の斜行発生の可能性をさらに低減できる。
【0073】
また上記実施形態では、第5載置部75の先端部は、搬送部40を過ぎて読取部8の上流側手前まで延設されていた。しかし、これに限らず、例えば、第5載置部の先端部は、読取部の下流側まで延出していてもよい。
【符号の説明】
【0074】
1 複合機
3 画像読取装置
6 シート束
8 読取部
10 ADF
11 給紙トレイ
21 シートガイド
22 シートガイド
30 分離部
31 分離ローラ
32 分離パッド
40 搬送部
41 搬送ローラ
42 ピンチローラ
101 上面規制部
102 傾斜部
111 上面規制部
112 傾斜部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートを搬送するシート搬送装置であって、
前記シートが載置されるトレイと、
前記トレイに載置された前記シートの前記シートの搬送方向に直交する幅方向の位置を規制しつつ前記シートの搬送を案内するガイド部と、
前記トレイに載置された前記シートを分離する分離部と、
前記分離部によって分離された前記シートを搬送する搬送部とを備え、
前記ガイド部の前記シートの搬送方向における上流側端部は前記トレイ上に設けられ、
前記ガイド部の前記搬送方向の下流側端部は、少なくとも前記分離部よりも前記搬送方向の下流側まで延設されていることを特徴とするシート搬送装置。
【請求項2】
前記ガイド部は、前記トレイに載置された前記シートの両面のうち前記トレイの載置面側の面とは反対側の面である前記シートの上面に接触して、前記シートの、前記シートの面に直交する高さ方向の位置を規制する上面規制部を備えたことを特徴とする請求項1に記載のシート搬送装置。
【請求項3】
前記シートが搬送される搬送経路は、前記搬送方向に対して屈曲して形成され、
前記ガイド部は、前記搬送経路の屈曲形状に沿って屈曲していることを特徴とする請求項2に記載のシート搬送装置。
【請求項4】
前記上面規制部は、少なくとも前記分離部が前記シートを分離するニップ点よりも前記搬送方向の上流側から前記下流側端部まで延設されていることを特徴とする請求項2又は3に記載のシート搬送装置。
【請求項5】
前記上面規制部は、前記ガイド部に案内される前記シートの前記上面に対して平行な面を有し、
前記上面規制部の前記搬送方向の上流側の端部は、前記シートの前記上面に対して、前記搬送方向の下流側から前記搬送方向の上流側に向けて斜め上方に延設された傾斜部を備えることを特徴とする請求項4に記載のシート搬送装置。
【請求項6】
前記上面規制部は、
前記シートの前記高さ方向の位置を、少なくとも前記シート1枚分の搬送を許容する高さに規制することを特徴とする請求項2から5の何れかに記載のシート搬送装置。
【請求項7】
請求項1から6の何れかに記載のシート搬送装置と、
前記シート搬送装置によって搬送される前記シートの画像を読み取る読取部と、
を備えたことを特徴とする画像読取装置。
【請求項8】
前記ガイド部の前記下流側端部は、前記読取部まで延設されていることを特徴とする請求項7に記載の画像読取装置。
【請求項9】
請求項7又は8に記載の画像読取装置と、
前記読取部によって読み取られた画像に基づいて記録媒体に画像形成を行う画像形成部と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−206785(P2012−206785A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−71337(P2011−71337)
【出願日】平成23年3月29日(2011.3.29)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】