説明

シート材搬送装置及びそれを備えた画像形成装置

【課題】複数の搬送路のうちのいずれかの搬送路でジャムが発生した場合、一つのジャム処理部材の操作にてジャムの解除を可能とするシート材搬送装置及びそれを備えた画像形成装置を提供する。
【解決手段】第1搬送ローラー62aが正回転すると上流側搬送ローラー61a及び第2搬送ローラー63aが夫々正回転し、第1搬送ローラー62aが逆回転すると第2搬送ローラー63aが正回転するように出力ギア89の回転方向を切り替える回転方向切り替え機構を備える。ジャム処理部材94の一方向への操作によって第1搬送ローラー62aが正回転させられたとき、用紙は第1搬送路P1を搬送可能となるとともに第2搬送路P2を搬送可能となり、ジャム処理部材94の他方向への操作によって第1搬送ローラー62aが逆回転させられたとき、用紙は第3搬送路P3を搬送可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、プリンター、ファクシミリ、それらの複合機等のシート材搬送装置及びそれを備えた画像形成装置に関し、特に、シート材のジャム処理が可能なシート材搬送装置及びそれを備えた画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
複写機やプリンター等に代表される画像形成装置には、その本体内で用紙を搬送するために各搬送路にローラーが設けられている。用紙のジャムが発生した時、ローラーを回転させて用紙をジャム位置から移動させるために、手動にて操作するジャム処理部材がこれらのローラーの一部に設けられている。
【0003】
例えば、特許文献1の画像形成装置は、トナー像が転写された用紙を定着処理する定着ローラーと加圧ローラーとを備える定着部においてジャムが発生したとき、ジャム処理レバーを一方向に操作することでジャム処理を行っている。すなわち、定着ローラーと一体に回転するギアと、回動操作可能であるジャム処理レバーとを備え、ギアはジャム処理レバーの回動方向により動力伝達の有無を切り替えるワンウェイクラッチを内蔵し、ワンウェイクラッチはスリーブに圧入され、またジャム処理レバーはスリーブに一体に設けられている。ジャム処理レバーを一方向に回動させると、ワンウェイクラッチによって回動力が伝達されギアも回動する。それに伴い定着ローラーが回動し、定着ローラーと加圧ローラーに挟まれている用紙が定着部から排出される。ジャム処理レバーを逆方向に回動させると、ワンウェイクラッチによって回動力がギアに伝達されず、定着ローラーは停止したままであり、用紙が逆方向に搬送されることがない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7−319315号公報(段落[0015]〜[0024]、第2図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、用紙の排出部が複数設けられ、例えば用紙の画像担持面を下にして排出するフェイスダウンで排出する排出部と、用紙の画像担持面を上にして排出するフェイスアップで排出する排出部とを夫々設けた画像形成装置が用いられるようになってきている。このような複数の排出部を備える場合、各排出部に用紙を搬送するために定着部から各排出部に至る複数の搬送路が必要であり、各搬送路においてジャムが発生することがある。各搬送路においてジャム処理を行うために、例えば特許文献1に記載のジャム処理レバーを各搬送路に配設すると、そのためのスペースが必要となり、装置が大型化し、また製造コストが上がることになる。また、ジャム用紙が残存する搬送路を確認し、その搬送路に対応するジャム処理レバーを操作することとなり、操作が煩雑になるという問題があった。
【0006】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、複数の搬送路のうちのいずれかの搬送路でジャムが発生した場合、一つのジャム処理部材の操作にてジャムの解除を可能とするシート材搬送装置及びそれを備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために第1の発明は、シート材のジャムが発生したときに手動でシート材を搬送してジャムの解除を行うシート材搬送装置において、シート材を搬送する上流側搬送ローラーと、該上流側搬送ローラーに対してシート材の搬送路の下流側に配設されシート材を搬送する第1搬送ローラー及び第2搬送ローラーと、前記上流側搬送ローラー及び第1搬送ローラーが正方向に回転することで前記上流側搬送ローラーから前記第1搬送ローラーへとシート材を搬送する第1搬送路と、前記上流側搬送ローラー及び第2搬送ローラーが正方向に回転することで前記上流側搬送ローラーから前記第2搬送ローラーへとシート材を搬送する前記第1搬送路とは異なる経路の第2搬送路と、前記第1搬送ローラーが逆方向に回転し前記第2搬送ローラーが正方向に回転することで前記第1搬送ローラーから第2搬送ローラーへとシート材を搬送する第3搬送路と、前記第1搬送ローラーを正逆回転可能とするジャム処理部材と、前記第1搬送ローラーが正回転または逆回転すると前記上流側搬送ローラー及び第2搬送ローラーが夫々正回転するように前記第1搬送ローラーの回転力を出力ギアによって前記第2搬送ローラー及び上流側搬送ローラーに伝達するギア列を含む回転方向切り替え機構と、を備え、前記ジャム処理部材の一方向への操作によって前記第1搬送ローラーを正回転させることにより前記第1搬送路及び前記第2搬送路に停止したシート材が搬送可能となり、前記ジャム処理部材の他方向への操作によって前記第1搬送ローラーを逆回転させることにより前記第3搬送路に停止したシート材が搬送可能となることを特徴としている。
【0008】
また、第2の発明では、上記のシート材搬送装置において、前記回転方向切り替え機構は、前記第1搬送ローラーの回転方向に応じて回転力の伝達を切り替えるワンウェイクラッチを内蔵する二つのギアと、ギアが偶数回噛合するギア列とギアが奇数回噛合するギア列との二つのギア列と、を有し、前記一方のワンウェイクラッチは前記第1搬送ローラーの正方向の回転力を前記一方のギア列を介して前記出力ギアに伝達し、前記他方のワンウェイクラッチは前記第1搬送ローラーの逆方向の回転力を前記他方のギア列を介して前記出力ギアに伝達することを特徴としている。
【0009】
また、第3の発明では、上記のシート材搬送装置において、前記回転方向切り替え機構は、前記第1搬送ローラーの回転により回転する入力ギアと、該入力ギアと噛み合い、前記入力ギアから伝達される回転駆動力によって第1の位置と第2の位置との間で揺動可能に構成された揺動ギアと、ギアが奇数回噛合するギア列とギアが偶数回噛合するギア列との二つのギア列とを有し、前記第1搬送ローラーが正回転したとき、前記揺動ギアが第1の位置に揺動し前記一方のギア列が回転力を前記出力ギアに伝達し、前記第1搬送ローラーが逆回転したとき、前記揺動ギアが第2の位置に揺動し前記他方のギア列が回転力を前記出力ギアに伝達することを特徴としている。
【0010】
また、第4の発明では、上記のシート材搬送装置において、前記出力ギアは、前記第2搬送ローラーと同軸に設けられるギアに噛合するとともに、前記上流側搬送ローラーと同軸に設けられるギアに噛合することを特徴としている。
【0011】
また、第5の発明では、上記のシート材搬送装置において、前記ジャム処理部材の操作方向を表示する表示部材と、前記第1〜第3搬送路におけるシート材の有無を検知するシート検知部材と、を更に備え、前記シート検知部材の検知結果に基づいて前記表示部材に前記ジャム処理部材の操作方向が表示されることを特徴としている。
【0012】
また、第6の発明では、上記のシート材搬送装置において、前記シート検知部材は、前記第1搬送ローラーに対して前記第1搬送路の上流側近傍に配設される第1シート検知部材を有し、前記第1シート検知部材がシート材を検知したとき、前記表示部材は前記ジャム処理部材の一方向への操作を表示し、その後、前記第1シート検知部材によるシート材の後端の通過の検知に応じて、前記表示部材は前記ジャム処理部材の他方向への操作を表示することを特徴としている。
【0013】
また、第7の発明では、上記の構成のシート材搬送装置を備えた画像形成装置である。
【発明の効果】
【0014】
第1の発明によれば、第1搬送路においてジャムが発生した場合、ジャム処理部材を一方向に操作すると、第1搬送ローラーが正回転し、第1搬送ローラーの回転力がギア列によって上流側搬送ローラーに伝達されることで、上流側搬送ローラーが正回転し、上流側搬送ローラー及び第1搬送ローラーによってシート材は第1搬送路を搬送可能となる。また、第2搬送路においてジャムが発生した場合、ジャム処理部材を一方向に操作すると、第1搬送ローラーの回転力がギア列によって上流側搬送ローラー及び第2搬送ローラーに伝達されることで、上流側搬送ローラー及び第2搬送ローラーが夫々正回転し、上流側搬送ローラー及び第2搬送ローラーによってシート材は第2搬送路を搬送可能となる。さらに、第3搬送路においてジャムが発生した場合、ジャム処理部材を他方向に操作すると、第1搬送ローラーが逆回転し、第1搬送ローラーの回転力がギア列によって第2搬送ローラーに伝達されることで、第2搬送ローラーが正回転し、第1搬送ローラー及び第2搬送ローラーによってシート材は第3搬送路を搬送可能となる。従って、第1〜第3搬送路のいずれかの搬送路でジャムが発生しても、一つのジャム処理部材にてジャムの解除が可能であり、ジャム処理操作が簡単であり、また、ジャム処理部材を各搬送路に配設する必要がなく、装置が小型になり、また製造コストを抑えられる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1実施形態に係る用紙搬送部を備えた画像形成装置を示す概略図
【図2】第1実施形態に係る用紙搬送部の第1〜第3搬送路を示す概略平面図
【図3】第1実施形態に係る駆動機構を備える用紙搬送部を示す斜視図
【図4】第1実施形態に係る駆動機構における第1搬送路または第2搬送路のジャム処理動作を示す斜視図
【図5】第1実施形態に係る駆動機構における第3搬送路のジャム処理動作を示す斜視図
【図6】第1実施形態に係るジャム処理操作を表示するブロック図
【図7】第2実施形態に係る駆動機構のギア列を示す概略側面図
【図8】第3実施形態に係る駆動機構のギア列を示す概略平面図
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に本発明の実施形態について図面を参照して説明するが、本発明は、この実施形態に限定されない。また発明の用途やここで示す用語等はこれに限定されるものではない。
【0017】
(第1実施形態)
図1は本発明の第1実施形態に係る画像形成装置を示す概略図である。画像形成装置1は、直方体状の装置本体1aを具備し、装置本体1a内の略中央部には画像形成部10が配設されている。画像形成部10は、像担持体である感光体11を備え、さらに感光体11の周辺にその回転方向(図中の矢印方向)に沿って順に、帯電部13と、露光ユニット12と、現像部2と、転写ローラー55と、クリーニング部14と、除電部15とを備える。現像部2へのトナーの供給は図示しないトナーコンテナから行われる。クリーニング部14は感光体11の表面に残留するトナーを剥ぎ取り回収し、除電部15は感光体11の表面の残留電荷を除去する。
【0018】
感光体11の表面が帯電部13によって所定の極性および電位で一様に帯電されると、 露光ユニット12は、図示しない原稿読取装置によって読み取られた原稿の画像データに基づいて、感光体11上に原稿画像の静電潜像を形成する。
【0019】
現像部2は、帯電したトナーを感光体11の表面に供給し、感光体11上の静電潜像を現像してトナー像を形成する。トナー像は転写ローラー55によってシート材である用紙上に転写される。用紙にトナー像が転写された後、感光体11の表面に残留するトナーがクリーニング部14によってクリーニングされて回収され、さらに除電部15によって感光体11の表面の残留電荷が除去される。
【0020】
給紙部46は給紙カセット47〜50等から構成される。給紙カセット47〜50が装置本体1aの底部に上下方向に並べて配設され、給紙カセット47〜50には用紙が積載して収容される。用紙が給紙カセット47の載置板47a上に載置され、載置板47a上の用紙がピックアップローラー47bによって1枚ずつ用紙搬送路に送り出される。
【0021】
用紙搬送部70は、装置本体1a内で用紙を搬送するためのものであり、給紙搬送路71と、画像形成搬送路72と、定着後搬送路73と、分岐搬送路74と、反転排出搬送路77と、反転搬送路75と、再搬送路76と、を備える。
【0022】
給紙搬送路71は、給紙部46からレジストローラー対53に至る搬送路であり、装置本体1aの右方で給紙部46から上方に延び途中から左方に湾曲して形成される。レジストローラー対53は、転写ローラー55の右方に配置され、用紙にトナー像を転写するタイミングと同期をとって転写ローラー55に向けて用紙を送り出す。
【0023】
画像形成搬送路72は、レジストローラー対53から定着部18に至る搬送路であり、装置本体1aの略水平方向に延び途中から上方に湾曲して形成される。画像形成搬送路72には、画像形成部10と定着部18が配置され、画像形成部10にて用紙上にトナー像が転写され、用紙に転写されたトナー像が定着部18にて用紙上に定着される。
【0024】
定着後搬送路73は、定着部18から分岐搬送路74に至る上方に延びる搬送路であり、定着後搬送路73では、トナー像が定着された用紙が分岐搬送路74に搬送される。
【0025】
分岐搬送路74は、トナー像が定着された用紙を反転排出搬送路77、或いは第2排出トレイ67に搬送するための搬送路であり、上流側搬送ローラー対61から右方向に湾曲し第1搬送ローラー対62に至る第1搬送路と、上流側搬送ローラー対61から左方向に湾曲し第2搬送ローラー対63に至る第2搬送路と、第1搬送ローラー対62から水平方向に延びて第2搬送ローラー対63に至る第3搬送路とからなる。
【0026】
反転排出搬送路77は、第1排出トレイ66に用紙を排出させるか、或いは用紙の裏面にもトナー像を形成するために反転した用紙を搬送する搬送路である。反転排出搬送路77の途中では下方から反転搬送路75が合流している。
【0027】
反転搬送路75は、用紙の表裏を反転させ、反転させた用紙を反転排出搬送路77に搬送するものであり、定着後搬送路73から分岐して右方へ反転ローラー対57に向かって延び、更に反転ローラー対57からU字状に上方に延び反転排出搬送路77に合流して形成される。
【0028】
再搬送路76は、反転搬送路75によって反転された用紙を、反転排出搬送路77から画像形成搬送路72に搬送するものであり、反転排出搬送路77から下方に分岐して形成され給紙搬送路71に合流している。
【0029】
給紙部46から供給される用紙は、給紙搬送路71を上方に向けて搬送され、さらにレジストローラー対53によって搬送のタイミングを取って転写ローラー55に搬送されると、転写ローラー55によりトナー像が用紙に転写される。トナー像が転写された用紙は、画像形成搬送路72上で定着部18に搬送され、定着部18により加熱および加圧されると、トナー像が用紙に溶融定着される。トナー像が定着された用紙は、定着後搬送路73及び分岐搬送路74(第1搬送路)を通って第1搬送ローラー対62、排出ローラー対64によって第1排出トレイ66に排出される。或いは、トナー像が定着された用紙は、定着後搬送路73及び分岐搬送路74(第2搬送路)を通って第2搬送ローラー対63によって第2排出トレイ67に排出される。
【0030】
両面印刷する場合には、定着部18で定着された用紙は、定着後搬送路73から反転搬送路75に搬送される。反転搬送路75にて用紙の後端が反転ローラー対57を通過する直前に、反転ローラー対57を逆回転させることで、用紙がスイッチバックされ、用紙の印刷面が表裏逆向きにされた状態で反転排出搬送路77に送られる。反転された用紙は、反転排出搬送路77から再搬送路76を介して再び給紙搬送路71に搬送される。給紙搬送路71を経由して画像形成搬送路72に搬送された用紙は、画像形成部10でその裏面にトナー像を転写され、定着部18によりトナー像を溶融定着されると、分岐搬送路74にて選択された搬送路を通って第1排出トレイ66または第2排出トレイ67に排出される。
【0031】
分岐搬送路74の構成を図2に示す。図2は分岐搬送路74を示す概略平面図であり、図2(a)は用紙が第1搬送路を搬送される状態であり、図2(b)は用紙が第2搬送路を搬送される状態であり、さらに図2(c)は用紙が第3搬送路を搬送される状態である。
【0032】
図2(a)に示すように、分岐搬送路74は、上流側搬送ローラー61aと上流側搬送コロ61bとを有する上流側搬送ローラー対61と、第1搬送ローラー62aと第1搬送コロ62bとを有する第1搬送ローラー対62と、第2搬送ローラー63aと第2搬送コロ63bとを有する第2搬送ローラー対63と、用紙の搬送方向を切り替える分岐爪21と、用紙の有無を夫々検知する上流側用紙検知部材95、第1用紙検知部材96、第2用紙検知部材97とを備える。
【0033】
上流側搬送ローラー61aは、後述するモーター98またはジャム処理部材94によって回転させられ、上流側搬送ローラー61aが回転すると、上流側搬送ローラー61aに圧接される上流側搬送コロ61bが従動回転する。また、第1搬送ローラー62aは、モーター98またはジャム処理部材94によって回転させられ、第1搬送ローラー62aが回転すると、第1搬送ローラー62aに圧接される第1搬送コロ62bが従動回転する。更に、第2搬送ローラー63aは、モーター98またはジャム処理部材94によって回転させられ、第2搬送ローラー63aが回転すると、第2搬送ローラー63aに圧接される第2搬送コロ63bが従動回転する。
【0034】
分岐爪21は、三角形状をなして図2(a)或いは図2(b)の位置に揺動可能に軸支持される。分岐爪21が図2(a)の位置に保持されたとき、上流側搬送ローラー対61と第1搬送ローラー対62とで形成される搬送路78を、用紙が通過することが可能となり、また、第1搬送ローラー対62と第2搬送ローラー対63とで形成される搬送路80を、用紙が通過することが可能となる(図3(c)参照)。一方、分岐爪21が図2(b)の位置に保持されたとき、上流側搬送ローラー対61と第2搬送ローラー対63とで形成される搬送路79を、用紙が通過することが可能となる。
【0035】
分岐爪21が図2(a)の位置に保持され、且つ、上流側搬送ローラー61a及び第1搬送ローラー62aが夫々矢印A方向に回転するとき、用紙は、上流側搬送ローラー対61から搬送路78を通過して第1搬送ローラー対62へ向かう第1搬送路P1を搬送される。従って、用紙は、定着後搬送路73から第1搬送路P1を経由して反転排出搬送路77(図1参照)へ搬送され、第1排出トレイ66(図1参照)にフェイスダウンで排出される。
【0036】
分岐爪21が図2(b)の位置に保持され、且つ、上流側搬送ローラー61a及び第2搬送ローラー63aが夫々矢印A方向に回転するとき、用紙は、上流側搬送ローラー対61から搬送路79を通過して第2搬送ローラー対63へ向かう第2搬送路P2を搬送される。従って、用紙は定着後搬送路73から第2搬送路P2を経由して第2排出トレイ67(図1参照)にフェイスアップで排出される。
【0037】
分岐爪21が図2(c)の位置に保持され、且つ、第1搬送ローラー62aが矢印Aの逆方向である矢印B方向に回転し、第2搬送ローラー63aが矢印A方向に回転するとき、用紙は、第1搬送ローラー対62から第2搬送ローラー対63へ向かう第2搬送路P3を搬送される。従って、用紙は定着後搬送路73から第1搬送路P1に搬送され、用紙の後端が上流側搬送ローラー対61を通過した後、第1搬送ローラー62aが矢印B方向に回転することで、用紙は第3搬送路P3を搬送され第2排出トレイ67にフェイスダウンで排出される。
【0038】
上流側用紙検知部材95は、上流側搬送ローラー対61に対して両搬送路78、79が重なる下流側近傍に配設され、用紙の先端或いは後端の通過を検知することで両搬送路78、79における用紙の有無を検知する。また、上流側用紙検知部材95は、搬送路上を出入り可能に支持されるカンチレバーと、光を照射しその光を受光する光センサーとを有する。用紙がカンチレバーの一端を通過するとカンチレバーが揺動し、カンチレバーの揺動によってカンチレバーの他端が光センサーの照射光を遮断することで、上流側用紙検知部材95は用紙の有無を検知する。尚、上流側用紙検知部材95を反射型の光センサーで構成してもよい。この光センサーの場合には、搬送路に光を照射し、光センサーの光を遮るように通過する用紙からの反射光を受光することにより用紙の有無を検知する。また、上流側用紙検知部材95は、搬送路を挟んで互いに対向して配置される投光部と受光部とを備える光センサーで構成してもよい。
【0039】
第1用紙検知部材96は、第1搬送ローラー対62に対して第1搬送路P1の上流側近傍に配設され、用紙の先端或いは後端の通過を検知することで第1搬送ローラー対62の近傍における用紙の有無を検知する。第1用紙検知部材96は、上記の上流側用紙検知部材95と同様の構成のものが用いられる。
【0040】
第2用紙検知部材97は、第2搬送ローラー対63に対して第2搬送路P2の下流側近傍に配設され、用紙の先端或いは後端の通過を検知することで第2搬送ローラー対63の近傍における用紙の有無を検知する。第2用紙検知部材97は、上記の上流側用紙検知部材95と同様の構成のものが用いられる。
【0041】
これらの用紙検知部材95〜97による用紙の有無の検知結果に基づいて用紙のジャム位置が検知される。或いは用紙検知部材95〜97による用紙の有無の検知結果と、用紙サイズ等の用紙や印刷モードの情報と操作指示とに基づいて、各搬送ローラー61a〜63aの回転駆動、分岐爪21の揺動位置が制御され、用紙搬送が行われる。
【0042】
例えば、第1排出トレイ66(図1参照)に用紙をフェイスダウンで排出する場合、分岐爪21が図2(a)の位置へ駆動し保持され、また、上流側搬送ローラー61a及び第1搬送ローラー62aが矢印A方向に回転駆動させられる。また、第2排出トレイ67に用紙をフェイスアップで排出する場合、分岐爪21が図2(b)の位置へ駆動し保持され、また、上流側搬送ローラー61a及び第2搬送ローラー63aが矢印A方向に回転駆動させられる。
【0043】
さらに、第2排出トレイ67に用紙をフェイスダウンで排出する場合、分岐爪21が図2(a)の位置へ駆動し保持され、上流側搬送ローラー61a及び第1搬送ローラー62aが矢印A方向に回転駆動させられる。これらの搬送ローラー61a、62aの回転によって用紙は第1搬送路P1を搬送される。上流側用紙検知部材95が用紙の後端の通過を検知した後、第1搬送路P1を搬送される用紙の後端が第1搬送ローラー対62の手前に至るまでに要する時間が経過すると、第1搬送ローラー62aは矢印A方向から矢印B方向(図2(c)参照)に回転方向を切り替えられる。第1搬送ローラー62aが矢印B方向に回転駆動され、第2搬送ローラー63aが矢印A方向に回転駆動されることで、用紙は第3搬送路P3を搬送され、第2排出トレイ67にフェイスダウンで排出される。
【0044】
搬送ローラー61a〜63aは図3の駆動機構によって回転する。図3は駆動機構を備える分岐搬送路を示す斜視図である。
【0045】
駆動機構は、ギア列にて構成され、モーター98或いはジャム処理部材94によって駆動させられる。モーター98は、長手方向(用紙搬送方向に対して直角方向)の後方に配設され、駆動機構を介して各搬送ローラー61a〜63aを回転させる。これによって、定着処理された用紙が第1排出トレイ66または第2排出トレイ67に排出される。ジャム処理部材94は、長手方向の前方に配設され、駆動機構を介して各搬送ローラー61a〜63aを回転させる。これによって、ジャムした用紙を手動にて搬送路から取り除くことができる。
【0046】
ジャム処理部材94は、正方向或いは逆方向へ回転操作可能に支持される回動ノブにて構成され、回動ノブの軸には第1ギア81が固設される。
【0047】
第1搬送ローラー62aは、長手方向に延びる第1ローラー軸62cに所定の個数(ここでは4個)だけ固設される。第1ローラー軸62cの一端部には第2ギア82が固設され、その他端部には第3ギア83が固設される。第2ギア82はジャム処理部材94の第1ギア81に噛合する。ジャム処理部材94が回転操作されると、第1ギア81と第2ギア82の噛合により第1ローラー軸62cを介して第1搬送ローラー62aが回転する。
【0048】
第3ギア83は第4ギア84に噛合し、第4ギア84は第5ギア85に噛合する。第5ギア85は第6ギア86とギア軸に一体回転可能に配設される。第6ギア86はワンウェイクラッチを内蔵する。第6ギア86のワンウェイクラッチは、第3ギア83(第1搬送ローラー62a)がA方向(図2(a)参照)に回転するとき、第5ギア85によるギア軸の回転力を第6ギア86に伝達しないが、第3ギア83(第1搬送ローラー62a)がB方向(図2(c)参照)に回転するとき、第5ギア85によるギア軸の回転力を第6ギア86に伝達する構成となっている。
【0049】
第5ギア85は第7ギア87に噛合し、更に第7ギア87は第8ギア88に噛合する一方、第6ギア86は第9ギア89に噛合する。第8ギア88と第9ギア89とはギア軸に一体回転可能に配設される。第8ギア88はワンウェイクラッチを内蔵する。第8ギア88のワンウェイクラッチは、第3ギア83(第1搬送ローラー62a)がA方向(図2参照(a)参照)に回転するとき、第8ギア88の回転力を第8ギア88のギア軸に伝達する一方、第3ギア83(第1搬送ローラー62a)がB方向(図2(c)参照)に回転するとき、第8ギア88の回転力を第8ギア88のギア軸に伝達しない構成となっている。
【0050】
従って、第9ギア89は、同軸に配設される第8ギア88によって回転させられるか、或いは第9ギア89に噛合する第6ギア86によって回転させられる。また、第9ギア89は、第10ギア90に噛合するとともに第11ギア91に噛合している。
【0051】
第2搬送ローラー63aは、長手方向に延びる第2ローラー軸63cに所定の個数(ここでは4個)だけ固設される。第2ローラー軸63cの一端部には第10ギア90が固設され、第10ギア90が回転駆動すると第2ローラー軸63cを介して第2搬送ローラー63aが回転する。
【0052】
上流側搬送ローラー61aは、長手方向に延びる上流側ローラー軸61cに所定の個数(ここでは4個)だけ固設される。上流側ローラー軸61cの一端部には第11ギア91が固設され、第11ギア91が回転駆動すると上流側ローラー軸61cを介して上流側搬送ローラー61aが回転する。
【0053】
これらの第1〜第11ギア81〜91は平歯車からなる。ジャム処理部材94を回転操作すると、第1ギア81と第2ギア82の噛合及び第1ローラー軸62cを介して、第1搬送ローラー62aが回転するとともに、第3ギア83が回転する。第3ギア83の回転力は第4ギア84〜第9ギア89に伝達される。出力ギアである第9ギア89の回転によって、第10ギア90を介して第2搬送ローラー63aが回転し、また、第11ギア91を介して上流側搬送ローラー61aが回転する。このように、第9ギア89は、第2搬送ローラー63aと同軸に設けられる第10ギア90に噛合するとともに、上流側搬送ローラー61aと同軸に設けられる第11ギア91に噛合することで、ギアの配置に大きなスペースを取らず、駆動機構が小型になる。
【0054】
尚。モーター98は、モーター軸に固設されるモーターギア93を有し、モーターギア93は第5ギア85に噛合している。従ってモーター98が回転駆動すると、第3〜第11ギア83〜91によってモーター98の回転力が伝達され、第1搬送ローラー62aと第2搬送ローラー63a及び上流側搬送ローラー61aが回転する。
【0055】
ジャム処理部材94またはモーター98の回転方向に応じて、第1及び第2搬送ローラー62a、63aと上流側搬送ローラー61aの回転方向が図4或いは図5に示すように切り替わる。図4は、ジャム処理部材94の一方向への操作によるギア列の各ギアの回転方向を示す斜視図であり、図5は、ジャム処理部材94の他方向への操作によるギア列の各ギアの回転方向を示す斜視図である。
【0056】
図4に示すように、ジャム処理部材94を一方向(図3の反時計回り方向)に回転操作すると、第1搬送ローラー62a(図3参照)はA方向(正方向)に回転するとともに第3ギア83がA方向に回転する。第3ギア83のA方向の回転力は、第4ギア84、第5ギア85、第7ギア87、ワンウェイクラッチを内蔵する第8ギア88、第9ギア89へと順に伝達される。このとき、各ギアの回転方向は図4に示す矢印方向に回転することで、第9ギアに噛合する第10ギア90はA方向に回転し、第2搬送ローラー63a(図3参照)はA方向(正方向)に回転する。また、第9ギアに噛合する第11ギア91はA方向に回転し、上流側搬送ローラー61a(図3参照)はA方向(正方向)に回転する。
【0057】
図5に示すように、ジャム処理部材94を他方向(図3の時計回り方向)に回転操作すると、第1搬送ローラー62a(図3参照)はB方向(逆方向)に回転するとともに第3ギア83がB方向に回転する。第3ギア83のB方向の回転力は、第4ギア84、第5ギア85、ワンウェイクラッチを内蔵する第6ギア86、第9ギア89へと順に伝達される。このとき、各ギアの回転方向は図5に示す方向に回転することで、第9ギアに噛合する第10ギア90はA方向に回転し、第2搬送ローラー63a(図3参照)はA方向(正方向)に回転する。また、第9ギアに噛合する第11ギア91はA方向に回転し、上流側搬送ローラー61a(図3参照)はA方向(正方向)に回転する。
【0058】
ここで、図4において回転力を伝達する第3ギア83と、第4ギア84と、第5ギア85と、第7ギア87と、第8ギア88は、一方のギア列を構成する。この一方のギア列では、第3ギア83と第4ギア84との間で噛合し、また、第4ギア84と第5ギア85との間、また第5ギア85と第7ギア87との間、また第7ギア87と第8ギア88との間で夫々噛合し、合計4回噛合する構成となっている。一方、図5において回転力を伝達する第3ギア83と、第4ギア84と、第5ギア85と、第6ギア86は、他方のギア列を構成する。この他方のギア列では、第3ギア83と第4ギア84との間で噛合し、また、第4ギア84と第5ギア85との間、また第6ギア86と第9ギア89との間で夫々噛合し合計3回噛合する構成となっている。
【0059】
上記のように、ワンウェイクラッチを内蔵する第6ギア86及び第8ギア88と、ギアが偶数回噛合するギア列、及びギアが奇数回噛合するギア列は、回転方向切り替え機構を構成し、回転方向切り替え機構は、第1搬送ローラー62aの回転方向が切り替わっても出力ギアである第9ギア89の回転方向を切り替えない。この構成によって、ジャム処理部材94を一方向或いは他方向に回転操作すると、第1搬送ローラー62aがA方向(正方向)或いはB方向(逆方向)に回転方向が切り替わるが、上流側搬送ローラー61aと第2搬送ローラー63aとは夫々A方向にのみ回転する。尚、一方のギア列が奇数回噛合し、他方のギア列が偶数回噛合する構成あってもよく、また、噛合回数は3回と4回に限られることはなく、駆動機構の構成によって適宜設定される。
【0060】
従って、第1搬送路P1においてジャムが発生した場合(図2(a)参照)、ジャム処理部材94を一方向に操作すると、上流側搬送ローラー61a及び第1搬送ローラー62aがA方向に回転し、ジャム用紙は第1搬送路P1から反転排出搬送路77(図1参照)方向に移動し、更に反転排出搬送路77を経由して第1排出トレイ66にジャム用紙を排出させることができる。また、第2搬送路P2においてジャムが発生した場合(図2(b)参照)、ジャム処理部材94を上記同様に一方向に操作すると、上流側搬送ローラー61a及び第2搬送ローラー63aがA方向に回転し、ジャム用紙は第2搬送路P2から第2排出トレイ67方向(図1参照)に移動し、第2排出トレイ67(図1参照)にジャム用紙を排出させることができる。一方、第3搬送路P3においてジャムが発生した場合(図2(c)参照)、ジャム処理部材94を他方向に操作すると、第1搬送ローラー62aがB方向に回転するとともに第2搬送ローラー63aがA方向に回転し、ジャム用紙は第3搬送路P3から第2排出トレイ67方向に移動し、第2排出トレイ67にジャム用紙を排出させることができる。
【0061】
このように、第1〜第3搬送路P1〜P3のうち、どの搬送路でジャムが発生しても、一つのジャム処理部材94にてジャムの解除が可能であり、ジャム処理操作が簡単であり、また、ジャム処理部材94を各搬送路に配設する必要がなく、装置が小型になり、また製造コストを抑えられる。
【0062】
図6はジャム処理操作を表示するブロック図である。用紙検知部材95〜97は用紙の有無を検知し、その検知結果がマイクロコンピューター等で構成される制御部100に入力される。用紙検知部材95〜97が用紙を検知したとき、制御部100は、用紙検知部材95〜97における用紙の検知時間を計数しその検知時間が所定時間以上であるなら、用紙ジャムと判定する。表示部材99は、液晶素子からなる操作部及び表示部を有する操作パネルで構成され、ジャム処理部材94(図3参照)の操作方向を表示する。例えば、第1搬送路P1或いは第2搬送路P2で用紙ジャムが発生している場合、表示部材99には一方向操作を促す表示が行われる。また、第3搬送路P3で用紙ジャムが発生している場合、表示部材99には他方向操作を促す表示が行われる。このように、一つのジャム処理部材94によって複数個所におけるジャム処理が行われても、表示部材99にジャム処理部材94の操作方向が表示されるため誤操作することがない。
【0063】
第1搬送路P1で用紙ジャムが発生している場合、ジャム用紙が反転排出搬送路77(図1参照)経由して第1排出トレイ66に排出されるが、反転排出搬送路77が長くなる構成では、ジャム処理に時間が掛かり、ジャム処理の操作が繁雑になる。そこで、第1搬送路P1でジャムした用紙を第2排出トレイ67(図1参照)に排出するように、ジャム処理部材94の操作方向を表示する。
【0064】
すなわち、上流側用紙検知部材95(図2参照)及び第1用紙検知部材96が用紙を所定時間以上検知していると、制御部100は、第1搬送路P1でジャムが発生していると判定し、表示部材99はジャム処理部材94の一方向の操作を示す表示を行う。使用者がジャム処理部材94を一方向に操作した結果、第1用紙検知部材96がジャム用紙を検知しなくなる。つまり、第1用紙検知部材96がジャム用紙の後端の通過を検知した後、表示部材99がジャム処理部材94の他方向の操作を表示するようにする。使用者は表示部材99の表示に従ってジャム処理部材94を他方向に操作すると、第1搬送ローラー対62がB方向(逆方向)に回転するとともに第2搬送ローラー対63がA方向(正方向)に回転し、ジャム用紙は第2搬送路P2を搬送され、短時間で簡単に第2排出トレイ67に排出される。
【0065】
尚、上記実施形態では、ジャム処理部材94の操作方向は、操作パネルからなる表示部材99に表示する構成を示したが、これに替えて、ジャム処理部材94の一面に液晶素子からなる表示部材99を配設し、この表示部材99に操作方向を表示すると操作性が向上する。
【0066】
(第2実施形態)
図7は第2実施形態に係るギア列のギアの配置を示す概略側面図である。第2実施形態は、第1実施形態に対してワンウェイクラッチを内蔵するギアの配置が異なり、以降第1実施形態と同じ部分の説明を省略する。
【0067】
第3ギア83は、第1実施形態と同様に、第1搬送ローラー62a(図3参照)から長手方向に延びる第1ローラー軸62cに固設され、ジャム処理部材94の操作に応じてA方向(正方向)とB方向(逆方向)に回転する。
【0068】
第9ギア89は、ギア列の出力ギアであって、第2搬送ローラー63a(図3参照)と同軸に設けられる第10ギア90と、上流側搬送ローラー61a(図3参照)と同軸に設けられる第11ギア91に噛合している。従って、第9ギア89が回転すると、第2搬送ローラー63aと上流側搬送ローラー61aは回転する。
【0069】
第3ギア83と第10ギア90との間には、二つのギア列が設けられる。各ギアは平歯車からなる。
【0070】
一方のギア列は、第3ギア83と、第3ギア83から回転力の伝達方向の順に、ギア101、ギア102、ギア103、ギア104と配列されて構成される。ギア101は、第3ギア83に噛合しギア102とギア軸に一体回転可能に配設され、さらにワンウェイクラッチを内蔵する。ギア101のワンウェイクラッチは、第3ギア83がA方向に回転したとき、その回転力を同軸のギア102に伝達する一方、第3ギア83がB方向に回転したとき、その回転力を同軸のギア102に伝達しない構成となっている。
【0071】
また、一方のギア列では、第3ギア83とギア101との間で噛合し、またギア102とギア103との間、またギア103とギア104との間、またギア104と第9ギア89との間で夫々噛合し、合計4回噛合する構成となっている。
【0072】
従って、第3ギア83がB方向に回転しても、ギア101のワンウェイクラッチによって、第3ギア83のB方向の回転力はギア102以降のギアに伝達されることがなく、第9ギア89は回転しない。しかし、第3ギア83がA方向に回転すると、ギア101〜104、第9ギア89の順に回転力が伝達される。これによって、第1搬送ローラー62aがA方向に回転すると、第3ギア83がA方向に回転し、ギア列を介して第10ギア90はA方向に回転することで、第2搬送ローラー63a(図3参照)はA方向(正方向)に回転する。また、第1搬送ローラー62aがA方向に回転すると、ギア列を介して第11ギア91はA方向に回転することで、上流側搬送ローラー61a(図3参照)はA方向(正方向)に回転する。
【0073】
他方のギア列は、第3ギア83と、第3ギア83から回転力の伝達方向の順に、ギア105、ギア106、ギア107と配列されて構成される。ギア105は、第3ギア83に噛合しギア106とギア軸に一体回転可能に配設され、さらにワンウェイクラッチを内蔵する。ギア105のワンウェイクラッチは、第3ギア83がB方向に回転したとき、その回転力を同軸のギア106に伝達する一方、第3ギア83がA方向に回転したとき、その回転力を同軸のギア106に伝達しない構成となっている。
【0074】
また、他方のギア列では、第3ギア83とギア105との間で噛合し、またギア106とギア107との間、またギア107と第9ギア89との間で夫々噛合し、合計3回噛合する構成となっている。
【0075】
従って、第3ギア83がA方向に回転しても、ギア105のワンウェイクラッチによって、第3ギア83のA方向の回転力はギア106以降のギアに伝達されることがなく、第9ギア89は回転しない。しかし、第3ギア83がB方向に回転すると、ギア105〜107、第9ギア89に回転力が伝達される。これによって、第1搬送ローラー62aがB方向に回転すると、第3ギア83がB方向に回転し、ギア列を介して第10ギア90はA方向に回転することで、第2搬送ローラー63a(図3参照)はA方向(正方向)に回転する。また、第1搬送ローラー62aがB方向に回転すると、ギア列を介して第11ギア91はA方向に回転することで、上流側搬送ローラー61a(図3参照)はA方向(正方向)に回転する。
【0076】
上記のように、ワンウェイクラッチを内蔵するギア101及びギア105と、偶数回噛合するギア列と奇数回噛合するギア列は、回転方向切り替え機構を構成し、回転方向切り替え機構は、第1搬送ローラー62aの回転方向が切り替わっても出力ギアである第9ギア89を同一方向に回転させる。この構成によって、ジャム処理部材94を一方向或いは他方向に回転操作すると、第1搬送ローラー62aがA方向(正方向)或いはB方向(逆方向)に回転方向が切り替わるが、上流側搬送ローラー61aと第2搬送ローラー63aとは夫々A方向にのみ回転する。尚、一方のギア列が奇数回噛合し、他方のギア列が偶数回噛合する構成あってもよく、また、噛合回数は3回と4回に限られることはなく、駆動機構の構成によって適宜設定される。
【0077】
従って、第1搬送路P1においてジャムが発生した場合、ジャム処理部材94を一方向に操作すると、ジャム用紙は第1搬送路P1から移動し、反転排出搬送路77(図1参照)を経由して第1排出トレイ66にジャム用紙を排出させることができる。また、第2搬送路P2においてジャムが発生した場合、ジャム処理部材94を上記同様に一方向に操作すると、ジャム用紙は第2搬送路P2から移動し、第2排出トレイ67(図1参照)にジャム用紙を排出させることができる。一方、第3搬送路P3においてジャムが発生した場合、ジャム処理部材94を他方向に操作すると、ジャム用紙は第3搬送路P3から移動し、第2排出トレイ67(図1参照)にジャム用紙を排出させることができる。
【0078】
このように、第1〜第3搬送路P1〜P3のいずれかの搬送路でジャムが発生した場合でも、一つのジャム処理部材94にてジャムの解除が可能であり、ジャム処理操作が簡単であり、また、ジャム処理部材94を各搬送路に配設する必要がなく、装置が小型になり、また製造コストを抑えられる。
【0079】
尚、モーター98(図3参照)によって各搬送ローラー61a〜63aを回転させる場合、モーター98に設けたモーターギア93は第3ギア83に噛合する構成にするとよい。モーター98が回転駆動すると、第3ギア83と、ギア101〜104と第9ギア89のギア列、或いは、第3ギア83と、ギア105〜107と第9ギア89のギア列によってモーター98の回転力が伝達され、第1搬送ローラー62aと第2搬送ローラー63a及び上流側搬送ローラー61aが回転する。また、駆動機構の構成により適宜モーターギア93を第3ギア83に代替してもよく、また、モーターギア93と第3ギア83との間にギアを介在させてもよい。
【0080】
(第3実施形態)
図8は第3実施形態に係る駆動機構を示す概略平面図である。図3(a)は第1搬送路または第2搬送路のジャム処理動作を示す図であり、図3(b)は第3搬送路のジャム処理動作を示す図である。第3実施形態は、回転方向切り替え機構に揺動ギアを用いたものである。
【0081】
第3ギア83は、第1実施形態と同様に、第1搬送ローラー62a(図3参照)から長手方向に延びる第1ローラー軸62cに固設され、ジャム処理部材94の操作に応じてA方向(正方向)とB方向(逆方向)に回転する。
【0082】
第9ギア89は、ギア列の出力ギアであって、第2搬送ローラー63a(図3参照)と同軸に設けられる第10ギア90と、上流側搬送ローラー61a(図3参照)と同軸に設けられる第11ギア91に噛合している。従って、第9ギア89が回転すると、第2搬送ローラー63aと上流側搬送ローラー61aは回転する。
【0083】
第3ギア83と第10ギア90との間には、複数のギア111〜116が設けられる。各ギアは平歯車からなる。
【0084】
ギア111は、ギア列の入力ギアである第3ギア83に噛合する。ギア111の回転軸111aは、図示しないブラケットに形成した円弧状の摺動孔117内に揺動可能に保持される。摺動孔117は第3ギア83のピッチ円と略同心円を描く円弧状にて形成され、これによって、ギア(揺動ギア)111は第3ギア83と噛み合いを維持しながら回転軸111aが摺動孔117内を揺動する。揺動ギア111は、図8(a)に示すように、回転軸111aが摺動孔117内の上側端面に当接する第1の位置と、図8(b)に示すように、回転軸111aが摺動孔117内の下側端面に当接する第2の位置とに、移動可能に配置される。
【0085】
第3ギア83がA方向(図8(a)参照)に回転すると、第3ギア83の回転力が揺動ギア111に伝達され、その回転力によって、回転軸111aが摺動孔117内を上側に移動し、揺動ギア111は第1の位置に至る。一方、第3ギア83がB方向(図8(b)参照)に回転すると、第3ギア83の回転力が揺動ギア111に伝達され、その回転力によって、回転軸111aが摺動孔117内を下側に移動し、揺動ギア111は第2の位置に至る。
【0086】
図8(a)に示すように、揺動ギア111が第1の位置に移動したとき、揺動ギア111はギア112に噛合する。ギア112はギア113に噛合し、ギア113は第9ギア89に噛合する。ギア112、ギア113及び第9ギア89は一方のギア列を構成する。一方のギア列では、揺動ギア111とギア112との間で噛合し、また、ギア112とギア113との間、またギア113と第9ギア89との間で夫々噛合し、合計3回噛合する構成となっている。第3ギア83が回転すると、揺動ギア111、ギア112、113、第9ギア89の順に回転力が伝達される。これによって、第1搬送ローラー62aがA方向に回転すると、第3ギア83がA方向に回転し、揺動ギア111及び一方のギア列によって、第10ギア90はA方向に回転することで、第2搬送ローラー63a(図3参照)はA方向(正方向)に回転する。また、第1搬送ローラー62aがA方向に回転すると、揺動ギア111及び一方のギア列によって、第11ギア91はA方向に回転することで、上流側搬送ローラー61a(図3参照)はA方向(正方向)に回転する。
【0087】
図8(b)に示すように、揺動ギア111が第2の位置に移動したとき、揺動ギア111はギア114に噛合する。ギア114はギア115に噛合し、ギア115はギア116に噛合し、ギア116は第9ギア89に噛合する。ギア114〜116及び第9ギア89は他方のギア列を構成する。他方のギア列では、揺動ギア111とギア114との間で噛合し、また、ギア114とギア115との間、またギア115とギア116との間、またギア116と第9ギア89との間で夫々噛合し、合計4回噛合する構成となっている。第3ギア83が回転すると、揺動ギア111、ギア114〜116、第9ギア89の順に回転力が伝達される。これによって、第1搬送ローラー62aがB方向に回転すると、第3ギア83がB方向に回転し、揺動ギア111及び他方のギア列によって、第10ギア90はA方向に回転することで、第2搬送ローラー63a(図3参照)はA方向(正方向)に回転する。また、第1搬送ローラー62aがB方向に回転すると、揺動ギア111及び他方のギア列によって、第11ギア91はA方向に回転することで、上流側搬送ローラー61a(図3参照)はA方向(正方向)に回転する。
【0088】
上記のように、揺動ギア111と、奇数回噛合するギア列と偶数回噛合するギア列は、回転方向切り替え機構を構成し、回転方向切り替え機構は、第1搬送ローラー62aの回転方向に応じてギア列の回転方向を切り替える。この構成によって、ジャム処理部材94を一方向或いは他方向に回転操作すると、第1搬送ローラー62aがA方向(正方向)或いはB方向(逆方向)に回転方向が切り替わるが、上流側搬送ローラー61aと第2搬送ローラー63aとは夫々A方向にのみ回転する。尚、一方のギア列が偶数回噛合し、他方のギア列が奇数回噛合する構成あってもよく、また、噛合回数は3回と4回に限られることはなく、駆動機構の構成によって適宜設定される。
【0089】
従って、第1搬送路P1においてジャムが発生した場合、ジャム処理部材94を一方向に操作すると、ジャム用紙は第1搬送路P1から移動し、反転排出搬送路77(図1参照)を経由して第1排出トレイ66にジャム用紙を排出させることができる。また、第2搬送路P2においてジャムが発生した場合、ジャム処理部材94を上記同様に一方向に操作すると、ジャム用紙は第2搬送路P2から移動し、第2排出トレイ67(図1参照)にジャム用紙を排出させることができる。一方、第3搬送路P3においてジャムが発生した場合、ジャム処理部材94を他方向に操作すると、ジャム用紙は第3搬送路P3から移動し、第2排出トレイ67(図1参照)にジャム用紙を排出させることができる。
【0090】
このように、第1〜第3搬送路P1〜P3のいずれかの搬送路でジャムが発生した場合でも、一つのジャム処理部材94にてジャムの解除が可能であり、ジャム処理操作が簡単であり、また、ジャム処理部材94を各搬送路に配設する必要がなく、装置が小型になり、また製造コストを抑えられる。
【0091】
尚、モーター98(図3参照)によって各搬送ローラー61a〜63aを回転させる場合、モーター98に設けたモーターギア93は第3ギア83に噛合する構成にするとよい。モーター98が回転駆動すると、第3ギア83と、揺動ギア111と、ギア112、113と第9ギア89のギア列、或いは、第3ギア83と、揺動ギア111と、ギア114〜116と第9ギア89のギア列によってモーター98の回転力が伝達され、第1搬送ローラー62aと第2搬送ローラー63a及び上流側搬送ローラー61aが回転する。また、駆動機構の構成により適宜モーターギア93を第3ギア83に代替してもよく、また、モーターギア93と第3ギア83との間にギアを介在させてもよい。
【0092】
上記第1〜第3実施形態では、第9ギア89が、第2搬送ローラー63aと同軸に設けられる第10ギア90と、上流側搬送ローラー61aと同軸に設けられる第11ギア91とに噛合する構成を示したが、本発明はこれに限らず、第9ギア89と第10ギア90との間にギアを介在させて、第10ギア90が上記実施形態と逆方向に回転するようにしてもよい。また、第9ギア89と第11ギア91との間にギアを介在させて、第11ギア91が上記実施形態と逆方向に回転するようにしてもよい。
【0093】
また、上記第1〜第3実施形態では、ジャム処理部材94に設けた第1ギア81が第1搬送ローラー62aの第2ギア82に噛合する構成を示したが、本発明はこれに限らず、ジャム処理部材94及び駆動機構の配置や各構成に応じて第1ギア81と第2ギア82との間にギアを介在させてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0094】
本発明は、複写機、プリンター、ファクシミリ、それらの複合機等のシート材搬送装置及びそれを備えた画像形成装置に利用することができ、特に、シート材のジャム処理が可能なシート材搬送装置及びそれを備えた画像形成装置に利用することができる。
【符号の説明】
【0095】
1 画像形成装置
10 画像形成部
21 分岐爪
46 給紙部
61 上流側搬送ローラー対
61a 上流側搬送ローラー
61b 上流側搬送コロ
61c 上流側ローラー軸
62 第1搬送ローラー対
62a 第1搬送ローラー
62b 第1搬送コロ
62c 第1ローラー軸
63 第2搬送ローラー対
63a 第2搬送ローラー
63b 第2搬送コロ
63c 第2ローラー軸
64 排出ローラー対
66 第1排出トレイ
67 第2排出トレイ
70 用紙搬送部
71 給紙搬送路
72 画像形成搬送路
73 定着後搬送路
74 分岐搬送路
75 反転搬送路
76 再搬送路
77 反転排出搬送路
78〜80 搬送路(分岐搬送路)
81 第1ギア
82 第2ギア
83 第3ギア(一方のギア列、他方のギア列、入力ギア)
84 第4ギア(一方のギア列、他方のギア列)
85 第5ギア(一方のギア列、他方のギア列)
86 第6ギア(他方のギア列、ワンウェイクラッチ内蔵のギア)
87 第7ギア(一方のギア列)
88 第8ギア(一方のギア列、ワンウェイクラッチ内蔵のギア)
89 第9ギア(出力ギア)
90 第10ギア
91 第11ギア
93 モーターギア
94 ジャム処理部材
95 上流側用紙検知部材
96 第1用紙検知部材
97 第2用紙検知部材
98 モーター
99 表示部材
100 制御部
101〜104 一方のギア列
101、105 ギア(ワンウェイクラッチ内蔵のギア)
105〜107 他方のギア列
111 揺動ギア
111a 回転軸
112、113 一方のギア列
114〜116 他方のギア列
117 摺動孔
P1 第1搬送路
P2 第2搬送路
P3 第3搬送路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート材のジャムが発生したときに手動でシート材を搬送してジャムの解除を行うシート材搬送装置において、
シート材を搬送する上流側搬送ローラーと、
該上流側搬送ローラーに対してシート材の搬送路の下流側に配設されシート材を搬送する第1搬送ローラー及び第2搬送ローラーと、
前記上流側搬送ローラー及び第1搬送ローラーが正方向に回転することで前記上流側搬送ローラーから前記第1搬送ローラーへとシート材を搬送する第1搬送路と、
前記上流側搬送ローラー及び第2搬送ローラーが正方向に回転することで前記上流側搬送ローラーから前記第2搬送ローラーへとシート材を搬送する前記第1搬送路とは異なる経路の第2搬送路と、
前記第1搬送ローラーが逆方向に回転し前記第2搬送ローラーが正方向に回転することで前記第1搬送ローラーから第2搬送ローラーへとシート材を搬送する第3搬送路と、
前記第1搬送ローラーを正逆回転可能とするジャム処理部材と、
前記第1搬送ローラーが正回転または逆回転すると前記上流側搬送ローラー及び第2搬送ローラーが夫々正回転するように前記第1搬送ローラーの回転力を出力ギアによって前記第2搬送ローラー及び上流側搬送ローラーに伝達するギア列を含む回転方向切り替え機構と、を備え、
前記ジャム処理部材の一方向への操作によって前記第1搬送ローラーを正回転させることにより前記第1搬送路及び前記第2搬送路に停止したシート材が搬送可能となり、前記ジャム処理部材の他方向への操作によって前記第1搬送ローラーを逆回転させることにより前記第3搬送路に停止したシート材が搬送可能となることを特徴とするシート材搬送装置。
【請求項2】
前記回転方向切り替え機構は、前記第1搬送ローラーの回転方向に応じて回転力の伝達を切り替えるワンウェイクラッチを内蔵する二つのギアと、ギアが偶数回噛合するギア列とギアが奇数回噛合するギア列との二つのギア列と、を有し、
前記一方のワンウェイクラッチは前記第1搬送ローラーの正方向の回転力を前記一方のギア列を介して前記出力ギアに伝達し、前記他方のワンウェイクラッチは前記第1搬送ローラーの逆方向の回転力を前記他方のギア列を介して前記出力ギアに伝達することを特徴とする請求項1に記載のシート材搬送装置。
【請求項3】
前記回転方向切り替え機構は、前記第1搬送ローラーの回転により回転する入力ギアと、該入力ギアと噛み合い、前記入力ギアから伝達される回転駆動力によって第1の位置と第2の位置との間で揺動可能に構成された揺動ギアと、ギアが奇数回噛合するギア列とギアが偶数回噛合するギア列との二つのギア列とを有し、
前記第1搬送ローラーが正回転したとき、前記揺動ギアが第1の位置に揺動し前記一方のギア列が回転力を前記出力ギアに伝達し、前記第1搬送ローラーが逆回転したとき、前記揺動ギアが第2の位置に揺動し前記他方のギア列が回転力を前記出力ギアに伝達することを特徴とする請求項1に記載のシート材搬送装置。
【請求項4】
前記出力ギアは、前記第2搬送ローラーと同軸に設けられるギアに噛合するとともに、前記上流側搬送ローラーと同軸に設けられるギアに噛合することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載のシート材搬送装置。
【請求項5】
前記ジャム処理部材の操作方向を表示する表示部材と、前記第1〜第3搬送路におけるシート材の有無を検知するシート検知部材と、を更に備え、前記シート検知部材の検知結果に基づいて前記表示部材に前記ジャム処理部材の操作方向が表示されることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載のシート材搬送装置。
【請求項6】
前記シート検知部材は、前記第1搬送ローラーに対して前記第1搬送路の上流側近傍に配設される第1シート検知部材を有し、
前記第1シート検知部材がシート材を検知したとき、前記表示部材は前記ジャム処理部材の一方向への操作を表示し、その後、前記第1シート検知部材によるシート材の後端の通過の検知に応じて、前記表示部材は前記ジャム処理部材の他方向への操作を表示することを特徴とする請求項5に記載のシート材搬送装置。
【請求項7】
請求項1〜請求項6のいずれかに記載のシート材搬送装置を備えた画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−1531(P2013−1531A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−135854(P2011−135854)
【出願日】平成23年6月20日(2011.6.20)
【出願人】(000006150)京セラドキュメントソリューションズ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】