説明

シート束包装構造体及びシート束包装方法

【課題】包装作業中及び搬送中のシート束のずれを防ぐことができるシート束包装構造体及びシート束包装方法を得る。
【解決手段】まず、シート束22が積載台18上に載置される。続いて、積載台18の溝部20A、20Bにガイド板24A、24Bの脚部25A、25Bが差し込まれ、積載台18の溝部20C、20Dにガイド板26A、26Bの脚部28A、28Bが差し込まれて、ガイド板24A、24B、26A、26Bが自立するとともに、シート束22の側面に接触する。これにより、包装作業中及び搬送中のシート束22のずれを防ぐことができる。また、包装解体時には、ガイド板24A、24B、26A、26Bを外すだけでシート束22を取り出せるので、解体作業が容易となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート束包装構造体及びシート束包装方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、所定の大きさに切断された記録用紙や感光性印刷版(以後PS版と呼ぶ)等のシート材を積層してシート束として、さらにこのシート束を包装紙又はビニール等の包装体で包装するシート束包装方法が用いられている。
【0003】
シート束包装方法の第1例として、PS版からなるシート束に、広帯状と紐状の2種類のストレッチフィルムを交互に巻きつけて包装するシート束包装方法がある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、シート束包装方法の第2例として、PS版からなるシート束の側面に段ボールを当て、これらをクラフト紙で包装した後、さらにこのシート束の周囲を段ボールで囲み、ストレッチフィルムを巻きつけるシート束包装方法がある(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開平5−330511号公報
【特許文献2】特開10−194351号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1のシート束包装方法は、シート束に直接ストレッチフィルムを巻きつけており、特に紐状のストレッチフィルムによってシート束の角部に結束力が集中するため、搬送中にシート束の側面でずれることがあった。
【0006】
一方、特許文献2のシート束包装方法は、複数の段ボール(緩衝材)、クラフト紙(補強材)、ストレッチフィルム(包装体)を用いており、包装工程が多く作業が複雑になるため、包装作業中にシート束がずれることがあった。また、包装したシート束の解体作業が煩雑であった。さらに、段ボールと下面との隙間に、最下面の1〜数枚が入り込むことがあった。
【0007】
本発明は、包装作業中及び搬送中のシート束のずれを防ぐことができるシート束包装構造体及びシート束包装方法を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の請求項1に係るシート束包装構造体は、積層された複数のシート材からなるシート束の側面を包装体で包装するシート束包装構造体において、前記シート束が積載される積載台と、前記積載台の載置面に形成された溝と、前記溝に差し込まれ前記シート束の側面に当り、ずれを規制する第1押え板と、を有することを特徴としている。
【0009】
上記構成によれば、シート束が積載台に積載され、第1押え板が溝に差し込まれてシート束の側面に当り、ずれを規制する。続いて、第1押え板が包装体で包装される。
【0010】
このように、第1押え板によって、包装作業中及び搬送中のシート束のずれを防ぐことができる。
【0011】
また、包装解体時には、包装体を除去した後で第1押え板を外すだけでシート束を取り出せるので、解体作業が容易となる。
【0012】
本発明の請求項2に係るシート束包装構造体は、前記第1押え板の上部に、前記シート束の上面を押える規制部を設けたことを特徴としている。
【0013】
上記構成によれば、第1押え板の規制部がシート束の上面を押えるので、シート束の搬送時に、シート束の水平方向のずれだけでなく、鉛直方向のずれも防ぐことができる。
【0014】
本発明の請求項3に係るシート束包装構造体は、前記第1押え板の横幅が、前記シート束の側面の横幅と同じか、短いことを特徴としている。
【0015】
上記構成によれば、第1押え板の横幅をシート束の横幅よりも短くすると、多種サイズのシート束を拘束できる。また、シート束は、第1押え板の幅方向両端部の2箇所で支持されるので、ずれることはない。
【0016】
本発明の請求項4に係るシート束包装構造体は、複数種類の前記シート束のサイズに合わせて、前記第1押え板を複数種類有することを特徴としている。
【0017】
上記構成によれば、積載台の溝部に、シート束のサイズに合わせた第1押え板を差し込むことで、複数種類のシート材のずれ防止に対応できる。これにより、積載台をシート束のサイズに合わせて複数種類用意する必要がなくなり、1つの積載台を効率良く利用できる。
【0018】
本発明の請求項5に係るシート束包装構造体は、前記第1押え板の下端部には、前記溝部に沿って延びる脚部が設けられたことを特徴としている。
【0019】
上記構成によれば、第1押え板の脚部が溝に差し込まれるので、第1押え板が自立できる。
【0020】
本発明の請求項6に係るシート束包装構造体は、前記積載台の側面と前記シート束の側面に当り、ずれを規制する第2押え板を有することを特徴としている。
【0021】
上記構成によれば、シート束の大きさが変更された場合に、第1押え板を溝部に差し込むことが困難なシート束の側面位置があっても、第2押え板が、溝部に関係なく、積載台の側面とシート束の側面に当たることで、シート束のずれを防ぐことができる。
【0022】
本発明の請求項7に係るシート束包装構造体は、前記第2押え板の上部に、前記シート束の上面を押える規制部を設けたことを特徴としている。
【0023】
上記構成によれば、第2押え板の規制部がシート束の上面を押えるので、シート束の搬送時に、シート束の水平方向のずれだけでなく、鉛直方向のずれも防ぐことができる。
【0024】
本発明の請求項8に係るシート束包装構造体は、前記第2押え板の横幅が、前記シート束の側面の横幅と同じか、短いことを特徴としている。
【0025】
上記構成によれば、第2押え板の横幅をシート束の横幅よりも短くすると、多種サイズのシート束を拘束できる。また、シート束は、第2押え板の幅方向両端部の2箇所で支持されるので、ずれることはない。
【0026】
本発明の請求項9に係るシート束包装構造体は、複数種類の前記シート束のサイズに合わせて、前記第2押え板を複数種類有することを特徴としている。
【0027】
上記構成によれば、積載台の側面及びシート束の側面に、シート束のサイズに合わせた第2押え板を当てることで、複数種類のシート材のずれ防止に対応できる。これにより、積載台をシート束のサイズに合わせて複数種類用意する必要がなくなり、1つの積載台を効率良く利用できる。
【0028】
本発明の請求項10に係るシート束包装構造体は、前記第2押え板の下端部には、前記溝部に沿って延びる脚部が設けられたことを特徴としている。
【0029】
上記構成によれば、脚部によって、第2押え板が自立できる。
【0030】
本発明の請求項11に係るシート束包装構造体は、前記シート束の上面を覆う天板を有し、前記規制部が、前記天板を介して前記シート束の上面を押えることを特徴としている。
【0031】
上記構成によれば、天板がシート束の上面を覆い、押え板の規制部が天板を押えるので、シート束の搬送時に、シート束の水平方向のずれだけでなく、鉛直方向のずれも防ぐことができる。
【0032】
本発明の請求項12に係るシート束包装方法は、請求項1から請求項11のいずれか1項に記載のシート束包装構造体を用いて、前記シート束を前記積載台に載せる工程と、前記シート束の側面に前記第1押え板を配置する工程と、前記第1押え板の外周面を前記包装体で覆う工程と、を有することを特徴としている。
【0033】
上記構成によれば、まず、シート束が積載台に積載され、シート束の側面を覆って第1押え板が立設される。続いて、第1押え板が包装体で包装される。
【0034】
このように、第1押え板によってシート束のずれを防ぐことができる。
【0035】
本発明の請求項13に係るシート束包装方法は、請求項6から請求項11のいずれか1項に記載のシート束包装構造体を用いて、前記シート束を前記積載台に載せる工程と、前記シート束の側面に前記第1押え板及び前記第2押え板を配置する工程と、前記第1押え板及び前記第2押え板の外周面を前記包装体で覆う工程と、を有することを特徴としている。
【0036】
上記構成によれば、まず、シート束が積載台に積載され、シート束の側面を覆って第1押え板及び第2押え板が立設される。続いて、第1押え板及び第2押え板が包装体で包装される。
【0037】
このように、第1押え板及び第2押え板によってシート束のずれを防ぐことができる。
【発明の効果】
【0038】
本発明は、上記構成としたので、シート束のずれを防ぐことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0039】
本発明のシート束包装構造体及びシート束包装方法の第1実施形態を図面に基づき説明する。
【0040】
図1及び図2には、シート束包装構造体としての積載体10が示されている。
【0041】
積載体10は、後述するPS版からなるシート材を複数積層したシート束22と、シート束22を搬送するためのスキッド12と、スキッド12上に固定されシート束22が積載される積載台18と、積載台18に立設されシート束22の側面に当接される平板からなるガイド板24A、24B、26A、26Bを有している。
【0042】
シート束22を構成するシート材は、長方形の板状に形成された薄いアルミニウム製の支持体上に、塗布膜(感光性印刷版の場合には感光層、感熱性印刷版の場合には感熱層、さらに必要に応じて、オーバーコート層やマット層等)を塗布して形成されたものであり、一般的にPS版と呼ばれている。この塗布膜に、露光、現像処理、ガム引き等の製版処理が行われ、印刷機にセットされ、インクが塗布されることで、紙面に文字、画像等が印刷される。
【0043】
なお、本実施形態のシート束22を構成するシート材は、印刷に必要な処理(露光や現像等)が施される前段階のものであり、場合によっては平版印刷版原版あるいは平版印刷版材と称されることもある。シート材の具体的構成は特に限定されないが、例えば、ヒートモード方式およびフォトン方式のレーザ刷版用の平版印刷版とすることによって、デジタルデータから直接製版可能な平版印刷版とすることができる。
【0044】
さらに、平版印刷版のなかには、使用される印刷機によって紙面の都合上、インクを塗布しない位置(すなわち印刷されない領域)にセットされて使用される、いわゆる「捨て版」あるいは「空版」と称されるものもある。このようは捨て版あるいは空版も、本実施形態に係るシート束22のシート材に含まれる。
【0045】
また、シート材の形状等は特に限定されず、例えば、厚み0.1〜0.5mm、長辺(幅)300〜2050mm、短辺(長さ)200〜1500mmのアルミニウム板の片面又は両面に塗布膜(感光層あるいは感熱層等)が塗布されたもの等とすることができる。
【0046】

なお、シート材とシート材の間には、合紙を挿入して感光層に傷がつかないようにしてもよいし、合紙を用いなくてもよい。
【0047】
スキッド12は、水平方向に配置された平板部14と、平板部14の底面から下方側に突設され、平板部14を支持する1組の脚部16A、16Bとで構成されている。
【0048】
積載台18は、上面19側に、断面矩形状の溝部20A及び溝部20BがY方向、溝部20C及び溝部20DがX方向に沿って配置されるように同じ幅で同じ深さの溝部20A、20B、20C、20Dが、形成されている。なお、積載台18の上面19には、前述のシート束22が直接積載される。
【0049】
ガイド板24A、24Bの下端部には、溝部20A及び溝部20Bの幅と略等しい幅を有し、且つ溝部20Aと溝部20Bの間隔と同等の間隔を空けて配置され、溝部20A及び溝部20Bに沿って延びる脚部25A、25Bが設けられている。
【0050】
また、ガイド板24A、24Bの幅方向の長さは、シート束22の短手方向の幅の長さよりも短くなっている。
【0051】
ガイド板26A、26Bは、下端部に、溝部20C及び溝部20Dの幅と略等しい幅を有し、且つ溝部20Cと溝部20Dの間隔と同等の間隔を空けて配置され、溝部20C及び溝部20Dに沿って延びる脚部28A、28Bが設けられている。
【0052】
また、ガイド板26A、26Bの幅方向の長さは、シート束22の長手方向の幅の長さよりも短くなっている。
【0053】
ここで、ガイド板24A、24Bの脚部25A、25Bが、溝部20A、20Bにそれぞれ差し込まれることで、ガイド板24A、24Bが積載台18上で自立するようになっている。
【0054】
同様にして、ガイド板26A、26Bの脚部28A、28Bが、溝部20C、20Dにそれぞれ差し込まれることで、ガイド板26A、26Bが積載台18上で自立するようになっている。
【0055】
また、ガイド板24Aと24B、ガイド板26Aと26Bがそれぞれ対向配置され、シート束22と接触することで、シート束22を保持するようになっている。
【0056】
次に、本発明の第1実施形態の作用について説明する。
【0057】
図3aに示すように、まず、積載台18が固定されたスキッド14が配置され、シート材及び合紙が順次積層されたシート束22が積載台18上に載置される。
【0058】
続いて、積載台18の溝部20A、20Bにガイド板24A、24Bの脚部25A、25Bが差し込まれ、積載台18の溝部20C、20Dにガイド板26A、26Bの脚部28A、28Bが差し込まれて、ガイド板24A、24B、26A、26Bが自立する。
【0059】
ここで、ガイド板24A、24B、26A、26Bの下端は、各脚部が各溝部に差し込まれることにより、シート束22の一番下のシート材よりも下方側に位置しており、ガイド板24A、24B、26A、26Bの上端は、シート束22の一番上のシート材よりも上方側に位置している。
【0060】
続いて、ガイド板24A、24B、26A、26Bを溝部20A、20B、20C、20Dに沿って矢印X、Y方向に平行移動させ、シート束22の側面に接触させる。
【0061】
シート束22は、一番下のシート材から一番上のシート材まで、4方向の側面がガイド板24A、24B、26A、26Bで押えられているため、ずれることがない。
【0062】
続いて、図3bに示すように、ガイド板24A、24B、26A、26Bの外側面に遮光性の包装紙30が巻き掛けられ、包装される。
【0063】
続いて、図3cに示すように、包装紙30の上部が折りたたまれ、粘着テープ32で封止される。包装紙30で包装された積載体10は、スキッド12が、図示しないリフト等の搬送手段で搬送されることにより、搬送が行われる。
【0064】
このとき、ガイド板24A、24B、26A、26Bによって、シート束22のずれが防止される。
【0065】
以上説明したように、本実施形態では、シート束22が積載台18に積載され、ガイド板24A、24B、26A、26Bが溝20A〜20Dに差し込まれてシート束22の側面に当ることにより、包装作業中及び搬送中のシート束22のずれを防ぐことができる。
【0066】
また、包装解体時には、包装紙30を除去した後で、ガイド板24A、24B、26A、26Bを外すだけでシート束22を取り出せるので、解体作業が容易となる。
【0067】
さらに、ガイド板24A、24B、26A、26Bの横幅をシート束22の横幅よりも短くすることで、多種サイズのシート束22を拘束できる。シート束22は、ガイド板の幅方向両端部の2箇所で支持されるので、ずれることはない。
【0068】
また、ガイド板24A、24B、26A、26Bの脚部25A、25B、28A、28Bが溝20A〜20Dに差し込まれるので、ガイド板24A、24B、26A、26Bが自立できる。
【0069】
次に、本発明のシート束包装構造体及びシート束包装方法の第2実施形態を図面に基づき説明する。なお、前述した第1実施形態と基本的に同一の部品には、前記第1実施形態と同一の符号を付与してその説明を省略する。
【0070】
図4及び図5には、シート束包装構造体としての積載体40が示されている。
【0071】
積載体40は、前述のシート束22と、スキッド12と、積載台18と、積載台18に立設されシート束22の側面に当接されるガイド板44、46A、46B、48と、シート束22の上面を覆う天板42とを有している。
【0072】
天板42は、シート束22のシート材とほぼ同じサイズで成型された樹脂製板で構成されている。
【0073】
ガイド板44は、鉛直方向に立設される平板部50と、平板部50の上端部から水平方向に突設され天板42を押える押え部52とで構成されている。
【0074】
ガイド板46A、46Bは、鉛直方向に立設される平板部56A、56Bと、平板部56A、56Bの上端部から水平方向に突設され天板42を押える押え部58A、58Bと、溝部20A及び溝部20Bの幅と略等しい幅を有し、且つ溝部20Aと溝部20Bの間隔と同等の間隔を空けて下端部に配置された脚部54A、54Bとが設けられている。また、ガイド板46A、46Bの幅方向の長さは、シート束22の短手方向の幅の長さよりも短くなっている。
【0075】
ガイド板48は、鉛直方向に立設される平板部62と、平板部62の上端部から水平方向に突設され天板42を押える押え部64と、溝部20C及び溝部20Dの幅と略等しい幅を有し、且つ溝部20Cと溝部20Dの間隔と同等の間隔を空けて下端部に配置された脚部60A、60Bが設けられている。また、ガイド板26A、26Bの幅方向の長さは、シート束22の長手方向の幅の長さよりも短くなっている。
【0076】
ここで、ガイド板46A、46B、48の脚部54A、54B、60A、60Bが、溝部20A〜20Dにそれぞれ差し込まれることで、ガイド板46A、46B、48が積載台18上で自立するようになっている。
【0077】
また、ガイド板44とガイド板48、ガイド板46Aとガイド板46Bがそれぞれ対向配置され、シート束22と接触することで、シート束22を保持するようになっている。
【0078】
なお、ガイド板44は、図5bに示すように、シート束22の左側面に沿って配置されている。
【0079】
次に、本発明の第2実施形態の作用について説明する。なお、本実施形態では、シート束22を積載台18の左側に寄せて載置した場合について説明する。
【0080】
図6aに示すように、まず、スキッド14が配置され、シート束22が積載台18上に載置される。続いて、天板42がシート束22の上面に載置される。
【0081】
続いて、積載台18の溝部20A、20Bにガイド板56A、56Bの脚部54A、54Bが差し込まれ、溝部20C、20Dにガイド板48の脚部60A、60Bが差し込まれて、ガイド板46A、46B、48が自立する。
【0082】
ここで、ガイド板46A、46B、48を溝部20A〜20Dに沿って矢印X、Y方向に平行移動させる。このとき、平板部56A、56B、62がシート束22の側面に接触するとともに、押え部58A、58B、64が天板42の上面端部に掛けられて天板42を押える。
【0083】
続いて、ガイド板44がシート束22の左側面から当接される。このとき、平板部50がシート束22の側面に接触するとともに、押え部52が天板42の上面端部に掛けられて天板42を押える。
【0084】
続いて、図6bに示すように、ガイド板44、46A、46B、48の外側面に包装紙30が巻き掛けられ、包装される。ここで、包装によって、ガイド板44も固定されるため、シート束22は、一番下のシート材から一番上のシート材まで、4方向の側面がガイド板24A、24B、26A、26Bで押えられ、ずれることがない。
【0085】
続いて、図6cに示すように、包装紙30の上部が折りたたまれ、粘着テープ32で封止される。包装紙30で包装された積載体40は、スキッド12が、図示しないリフト等の搬送手段で搬送されることにより、搬送が行われる。
【0086】
以上説明したように、本実施形態では、天板42がシート束22の上面を覆い、ガイド板44、46A、46B、48の押え部52、58A、58B、64が天板42を押えるので、シート束22の包装作業中及び搬送中に、シート束22の水平方向のずれだけでなく、鉛直方向のずれも防ぐことができる。
【0087】
なお、図5cに示すように、シート束22の上面を押え部52、64で押え、さらに、押え部52、63の上面に、天板42(図5b参照)よりも大きい天板43を載置してから、包装紙30(図6b参照)で包装しても、シート束22の水平方向及び鉛直方向のずれを防ぐことができる。
【0088】
また、ガイド板44の下端部に、溝20C、20Dに沿って外方向(積載台18から離れる方向)に延びる脚部を形成してもよい。この場合、ガイド板44を自立させることができ、包装作業が容易となる。
【0089】
次に、本発明のシート束包装構造体及びシート束包装方法の第3実施形態を図面に基づき説明する。なお、前述した第1実施形態と基本的に同一の部品には、前記第1実施形態と同一の符号を付与してその説明を省略する。
【0090】
図7a及び図7bは、サイズの異なるシート材を載置したときの積載体70の平面図を示している。
【0091】
図7a及び図7bに示すように、本実施形態では、積載体70に積載されるシート束が小サイズのシート束90、大サイズのシート束92と2種類ある場合について説明する。
【0092】
積載体70は、前述のスキッド12上に、シート束90又はシート束92が積載される積載台72を有している。
【0093】
積載台72は、縦方向に4本の溝部74A、74B、74C、74Dが等間隔で形成されており、溝部74A、74B、74C、74Dと交差して横方向に4本の溝部76A、76B、76C、76Dが等間隔で形成されている。
【0094】
また、積載体70のガイド板として、シート束90専用のガイド板78A、78B、80A、80Bと、シート束92専用のガイド板82A、82B、84A、84Bがある。
【0095】
ガイド板78A、78B、80A、80Bは、下端部に、それぞれ溝部74B、74C、76B、76Cに差し込まれる図示しない脚部が設けられている。
【0096】
同様にして、ガイド板82A、82B、84A、84Bは、下端部に、それぞれ溝部74A、74D、76A、76Dに差し込まれる図示しない脚部が設けられている。
【0097】
次に、本発明の第3実施形態の作用について説明する。
【0098】
まず、小サイズのシート束90が積載台72上に載置される場合について説明する。
【0099】
シート束90が積載台72上に載置される。続いて、積載台72の溝部74B、74Cにガイド板78A、78Bの図示しない脚部が差し込まれ、溝部76B、76Cにガイド板80A、80Bの図示しない脚部が差し込まれて、ガイド板78A、78B、80A、80Bがシート束90の側面に接触する。
【0100】
このようにして形成された積載体70は、前述の包装紙30で包装され搬送される。このとき、シート束90はガイド板78A、78B、80A、80Bで規制されているため、ずれることがない。
【0101】
次に、大サイズのシート束92が積載台72上に載置される場合について説明する。
【0102】
シート束92が積載台72上に載置される。続いて、積載台72の溝部74A、74Dにガイド板82A、82Bの図示しない脚部が差し込まれ、溝部76A、76Dにガイド板84A、84Bの図示しない脚部が差し込まれて、ガイド板82A、82B、84A、84Bがシート束92の側面に接触する。
【0103】
このようにして形成された積載体70は、前述の包装紙30で包装され搬送される。このとき、シート束92はガイド板82A、82B、84A、84Bで規制されているため、ずれることがない。
【0104】
以上説明したように、積載台72の溝部74A〜74D、76A〜76Dに、シート束90又はシート束92のサイズに合わせたガイド板78A、78B、80A、80B、又はガイド板82A、82B、84A、84Bを差し込むことで、複数種類のサイズのシート材のずれ防止に対応できる。
【0105】
これにより、積載台72をシート束のサイズに合わせて複数種類用意する必要がなくなり、1つの積載台72を効率良く利用できる。
【0106】
次に、本発明のシート束包装構造体及びシート束包装方法の第4実施形態を図面に基づき説明する。なお、前述した第1実施形態と基本的に同一の部品には、前記第1実施形態と同一の符号を付与してその説明を省略する。
【0107】
図8a及び図8bは、サイズの異なるシート材を載置したときの積載体100の平面図を示している。
【0108】
図8a及び図8bに示すように、本実施形態では、積載体100に積載されるシート束が、小サイズのシート束102、大サイズのシート束122と2種類ある場合について説明する。
【0109】
積載体100は、スキッド12(図7参照)と同様の材質からなるスキッド108上に、シート束102又はシート束122が積載される積載台110を有している。
【0110】
積載台110は、縦方向に3本の溝部114A、114B、114Cが等間隔で形成されており、溝部114A、114B、114Cと交差して横方向に3本の溝部112A、112B、112Cが等間隔で形成されている。
【0111】
また、積載体100のガイド板として、シート束102専用のガイド板104A、104B、106A、106Bと、シート束122専用のガイド板124A、124B、126A、126Bがある。
【0112】
ガイド板104B、106Bは、下端部に、それぞれ溝部114A、114B、112A、112Bに差し込まれる図示しない脚部が設けられている。一方、ガイド板104A、106Aは、ガイド板104B、106Bよりも鉛直方向の長さが長くなっており、下端部に脚部は形成されておらず平板状となっている。
【0113】
同様にして、ガイド板124B、126Bは、下端部に、それぞれ溝部114A、114B、114C、112A、112B、112Cに差し込まれる図示しない脚部が設けられている。一方、ガイド板124A、126Aは、ガイド板124B、126Bよりも鉛直方向の長さが長くなっており、下端部に脚部は形成されておらず平板状となっている。
【0114】
次に、本発明の第4実施形態の作用について説明する。
【0115】
まず、小サイズのシート束102が積載台110上に載置される場合について説明する。
【0116】
シート束102が積載台110上に載置される。続いて、積載台110の溝部114A、114B、112A、112Bにガイド板104B、106Bの図示しない脚部が差し込まれ、シート束102の側面に当接される。
【0117】
そして、積載台110の側面及びシート束102の側面(図8aの上側及び左側の側面)に、ガイド板104A及びガイド板106Aが当接される。
【0118】
このようにして形成された積載体100は、前述の包装紙30(図6b参照)で包装され搬送される。このとき、シート束102は、ガイド板104A、104B、106A、106Bで規制されているため、ずれることがない。
【0119】
次に、大サイズのシート束122が積載台110上に載置される場合について説明する。
【0120】
シート束122が積載台110上に載置される。続いて、積載台110の溝部114A、114B、114C、112A、112B、112Cにガイド板124B、126Bの図示しない脚部が差し込まれ、シート束122の側面に当接される。
【0121】
そして、積載台110の側面及びシート束122の側面(図8aの上側及び左側の側面)に、ガイド板124A及びガイド板126Aが当接される。
【0122】
このようにして形成された積載体100は、前述の包装紙30(図6b参照)で包装され搬送される。このとき、シート束122は、ガイド板124A、124B、126A、126Bで規制されているため、ずれることがない。
【0123】
以上説明したように、積載台110の溝部112A〜112C、114A〜114Cに、シート束102又はシート束122のサイズに合わせたガイド板104B、106B、124B、126Bを差し込み、さらに、積載台110及びシート束102又はシート束122の側面に、ガイド板104A、106A、124A、126Aを当接させることで、複数種類のサイズのシート材のずれ防止に対応できる。
【0124】
これにより、積載台110をシート束のサイズに合わせて複数種類用意する必要がなくなり、1つの積載台110を効率良く利用できる。
【0125】
なお、本発明は上記の実施形態に限定されない。
【0126】
シート束22、90、92、102、122のシート材は、記録用紙等の紙であってもよい。また、シート束22、90、92、102、122のサイズは、3種類以上の複数種類であってもよい。
【0127】
各ガイド板のサイズ及び各脚部の数は、シート束のサイズに合わせて適宜変更してよい。また、シート束の側面の幅と当接するガイド板の幅が同じであってもよい。
【0128】
各溝部の数は、シート束のサイズに合わせて適宜変更してよい。また、各溝部の断面形状は、矩形状だけでなく、円弧状、三角形状、くさび型状の各種形状であってもよい。
【0129】
包装紙30は、ビニールを用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0130】
【図1】本発明の第1実施形態に係る積載体の全体図である。
【図2】(a)本発明の第1実施形態に係る積載体の分解図である。(b)本発明の第1実施形態に係る積載体の断面図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る積載体の組立て工程図である。
【図4】本発明の第2実施形態に係る積載体の全体図である。
【図5】(a)本発明の第2実施形態に係る積載体の分解図である。(b)本発明の第2実施形態に係る積載体の断面図である。(c)本発明の第2実施形態に係る積載体の他の実施例の断面図である。
【図6】本発明の第2実施形態に係る積載体の組立て工程図である。
【図7】本発明の第3実施形態に係る積載体の平面図である。
【図8】本発明の第4実施形態に係る積載体の平面図である。
【符号の説明】
【0131】
10 積載体(シート束包装構造体)
18 積載台(積載台)
19 上面(載置面)
20A 溝部(溝)
20B 溝部(溝)
20C 溝部(溝)
20D 溝部(溝)
22 シート束(シート束)
24A ガイド板(第1押え板)
24B ガイド板(第1押え板)
25A 脚部(脚部)
25B 脚部(脚部)
26A ガイド板(第1押え板)
26B ガイド板(第1押え板)
28A 脚部(脚部)
28B 脚部(脚部)
30 包装紙(包装体)
40 積載体(シート束包装構造体)
42 天板(天板)
44 ガイド板(第2押え板)
52 押え部(規制部)
58A 押え部(規制部)
58B 押え部(規制部)
64 押え部(規制部)
70 積載体(シート束包装構造体)
72 積載台(積載台)
90 シート束(シート束)
92 シート束(シート束)
100 積載体(シート束包装構造体)
102 シート束(シート束)
104A ガイド板(第2押え板)
104B ガイド板(第1押え板)
106A ガイド板(第2押え板)
106B ガイド板(第1押え板)
110 積載台(積載台)
122 シート束(シート束)
124A ガイド板(第2押え板)
124B ガイド板(第1押え板)
126A ガイド板(第2押え板)
126B ガイド板(第1押え板)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
積層された複数のシート材からなるシート束の側面を包装体で包装するシート束包装構造体において、
前記シート束が積載される積載台と、
前記積載台の載置面に形成された溝と、
前記溝に差し込まれ前記シート束の側面に当り、ずれを規制する第1押え板と、
を有することを特徴とするシート束包装構造体。
【請求項2】
前記第1押え板の上部に、前記シート束の上面を押える規制部を設けたことを特徴とする請求項1に記載のシート束包装構造体。
【請求項3】
前記第1押え板の横幅が、前記シート束の側面の横幅と同じか、短いことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のシート束包装構造体。
【請求項4】
複数種類の前記シート束のサイズに合わせて、前記第1押え板を複数種類有することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のシート束包装構造体。
【請求項5】
前記第1押え板の下端部には、前記溝部に沿って延びる脚部が設けられたことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のシート束包装構造体。
【請求項6】
前記積載台の側面と前記シート束の側面に当り、ずれを規制する第2押え板を有することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のシート束包装構造体。
【請求項7】
前記第2押え板の上部に、前記シート束の上面を押える規制部を設けたことを特徴とする請求項6に記載のシート束包装構造体。
【請求項8】
前記第2押え板の横幅が、前記シート束の側面の横幅と同じか、短いことを特徴とする請求項6又は請求項7に記載のシート束包装構造体。
【請求項9】
複数種類の前記シート束のサイズに合わせて、前記第2押え板を複数種類有することを特徴とする請求項6から請求項8のいずれか1項に記載のシート束包装構造体。
【請求項10】
前記第2押え板の下端部には、前記溝部に沿って延びる脚部が設けられたことを特徴とする請求項6から請求項9のいずれか1項に記載のシート束包装構造体。
【請求項11】
前記シート束の上面を覆う天板を有し、前記規制部が、前記天板を介して前記シート束の上面を押えることを特徴とする請求項2から請求項10のいずれか1項に記載のシート束包装構造体。
【請求項12】
請求項1から請求項11のいずれか1項に記載のシート束包装構造体を用いて、
前記シート束を前記積載台に載せる工程と、
前記シート束の側面に前記第1押え板を配置する工程と、
前記第1押え板の外周面を前記包装体で覆う工程と、
を有することを特徴とするシート束包装方法。
【請求項13】
請求項6から請求項11のいずれか1項に記載のシート束包装構造体を用いて、
前記シート束を前記積載台に載せる工程と、
前記シート束の側面に前記第1押え板及び前記第2押え板を配置する工程と、
前記第1押え板及び前記第2押え板の外周面を前記包装体で覆う工程と、
を有することを特徴とするシート束包装方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−247411(P2008−247411A)
【公開日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−89031(P2007−89031)
【出願日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】