説明

シート用の外観検査システム

【課題】搬送路の幅が短い環境であっても、照明条件の異なる複数の検査を実行するのに必要な光学系を配備して、シートの両面に対する検査を実行する。
【解決手段】シートSの搬送路の上方にカラーカメラC1を、下方にモノクロカメラC2を、それぞれ受光面をシートSに向け、シートSの搬送方向に沿って位置ずれした状態で配備する。各カメラC1,C2に対し、その撮像対象領域に斜め方向から光を照射する青色光源10B,10Bを設けると共に、カメラC1に搬送路を介して対向する位置に赤色光源10Rをその光軸をカメラC1に合わせた状態で配備する。欠陥検出装置3には欠陥検出のための処理を行う検出部として、カメラC1からの青色画像データDを処理する検出部30Bと、カメラC1からの赤色画像データDを処理する検出部30Rと、カメラC2からのモノクロ画像データDBLを処理する検出部30BLとが設けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水平な姿勢で搬送されるシートを検査対象として、そのシートに生じた欠陥を検出するための外観検査システムに関する。
【背景技術】
【0002】
ロール紙などのシートの生産現場には、生産されるシートの搬送ラインに撮像部および光源を配置し、搬送されるシートを連続的に撮像しながら生成された画像を処理することによりシートの表面の欠陥を検出する検査システムが導入されている。この検査により、汚れ、穴、キズ、ムラ、シワ、ストリークなどの欠陥が検出される。
【0003】
上記の外観検査システムの一例として、特許文献1には、ロール紙の搬送路の複数位置にそれぞれ複数のラインCCDカメラを含む撮像ユニット(カメラ装置)を配備し、各ラインCCDカメラにより生成された画像データを個別に処理することによって、欠陥をその位置と共に検出する外観検査システムが開示されている。さらに、この特許文献1には、異なる撮像ユニットにより異なるタイミングで検出された同一の欠陥に関する情報を、1つに統合して出力することが、記載されている。
【0004】
また、特許文献2には、シートに生じた欠陥を高い精度で検出するための画像処理方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−133846号公報
【特許文献2】特許第3982646号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
シートの外観検査において様々な欠陥を精度良く検出するには、シートに対する照明の条件を複数とおり設定して、条件毎に撮像および検査を行うのが望ましい。たとえば、ロール紙の欠陥を検出するには、少なくとも、両面を拡散反射用の照明下で撮像すると共に、透過照明による撮像を実施し、各撮像により生成された画像を個別に処理するのが望ましい。さらに、光沢のあるシートを検査対象とする場合には、両面からの正反射光を撮像し、これらの撮像により生成された画像を個別に処理するのが望ましい。
【0007】
上記の課題に関しては、特許文献1に記載された発明のように、搬送路の複数位置に撮像ユニットを配置すれば、撮像ユニット毎に異なる照明条件を設定して欠陥検出処理を行うことができる。しかし、これら条件の異なる検査は、1つの工程を終了して次の工程に進むまでの搬送路で実施する必要があるため、工程間の距離が短いと、複数の撮像ユニットやそれぞれの撮像ユニットに対応する光源の全てを配置するのが困難になる。また、特許文献1に記載された発明では、撮像ユニット毎に検出された欠陥の中から同一の欠陥に関する情報を統合する処理が必要となるため、処理が複雑になる。
【0008】
本発明は上記の問題点に着目し、搬送路の幅が短い環境であっても、照明条件の異なる複数の検査を実行するのに必要な光学系を配備して、シートの両面に対する検査を実行できるようにすると共に、各検査の結果を統合する処理を簡単にすることを、課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明にかかる第1の外観検査システムは、検査対象のシートの搬送路の上方および下方にそれぞれ配備される一対の撮像部と、各撮像部により生成された画像データを処理することによりシートの両面の欠陥を検出する欠陥検出装置とを備える。各撮像部のうちの少なくとも一方は、複数種の色画像データを生成して出力するカラー撮像機能を有する。また、各撮像部は、それぞれの受光面を搬送路に対向させ、かつ搬送路の長さ方向に沿って互いに位置ずれした状態で配備される。
【0010】
搬送路の上方および下方には、それぞれ撮像部から見て同じ側に位置する撮像部の撮像対象領域に対し、複数種の色画像データのいずれかに対応する色彩の光を斜め方向から出射する第1の光源が設けられると共に、カラー撮像機能を有する一撮像部に搬送路を挟んで対向する位置に、第1の光源に対応しない色画像データに対応する色彩の光を当該撮像部の受光面に向けて出射する第2の光源が設けられる。また、欠陥検出装置は、第2の光源に対向する撮像部からの第1の光源の発光色に対応する色画像データおよび第2の光源の発光色に対応する色画像データと、他方の撮像部からの第1の光源に対応する色彩光の入射を反映した画像データとを処理対象として、処理対象の画像データ毎に欠陥検出のための処理を個別に実行する。
【0011】
上記の構成によれば、搬送路を挟んで第2の光源に対向する撮像部(以下、「第1撮像部」という。)には、第2の光源から出射されてシートを通過した光(透過光)と、搬送路から見て第1撮像部と同じ側にある第1の光源から第1撮像部の撮像対象領域に照射されてその領域内のシートの表面で反射した光(拡散反射光)とが入射する。よって、第1撮像部からの第1の光源からの発光色に対応する色画像データは拡散反射光の入射状態を示すものとなり、第2の光源からの発光色に対応する色画像データは透過光の入射状態を示すものとなる。
【0012】
また、他方の撮像部(以下、「第2撮像部」という。)にも、搬送路から見て同じ側にある第1の光源から第2撮像部の撮像対象領域に照射されてその領域内のシートの表面で反射した光が入射する。欠陥検出装置では、第1撮像部からの第1の光源の発光色に対応する色画像データと、第2撮像部からの第1の光源に対応する色彩光の入射を反映した画像データとを、それぞれ個別に処理することにより、シートの各面に対して拡散反射光を利用した検査を実施することができる。また、第1撮像部からの第2の光源の発光色に対応する色画像データを処理することにより、シートを透過した光を利用した検査を実施することができる。
【0013】
上下の撮像部は搬送路の長さ方向に沿って位置ずれするが、その位置ずれの範囲に、透過光用の第2の光源を配備し、シートの一方の面からの拡散反射光と透過光とを同一の撮像部により撮像することができる。よって、搬送路の長さ方向における光学系の広がりを抑えて、拡散反射光を用いた検査と透過光を用いた検査とを実施することが可能になる。
【0014】
拡散反射光を用いた検査で検出される表面の欠陥は、透過光を用いた検査においても検出される可能性があるが、本発明では、第1撮像部により撮像される面における拡散反射光を用いた検査と透過光を用いた検査との対象領域とが一致するので、これらの検査結果を容易に照合することができる。また、一方の撮像部による撮像からその撮像対象位置の反対側が他方の撮像部により撮像されるまでの時間を求めておけば、第1撮像部により生成された画像データを用いた検査の結果と第2撮像部により生成された画像データを用いた検査の結果とを照合することも容易になる。したがって、各検査の結果を容易に統合することができる。
【0015】
上記の検査システムの好ましい一実施態様では、第1撮像部と同じ側に位置する第1の光源が、当該第1撮像部に対し、第2撮像部と同じ方向に位置ずれして配備される。このようにすれば、搬送路から見て第1撮像部と同じ側に位置する第1の光源を、反対側の光学系の配置範囲に対応させることができるので、搬送路の長さ方向における光学系の広がりをより一層抑えることが可能になる。
【0016】
上記の外観検査システムの他の実施態様では、搬送路の長さ方向における撮像部間の位置ずれ量は第2の光源に対応する大きさに設定されると共に、第2の光源とこの光源と搬送路から見て同じ側にある第1の光源および撮像部(第2撮像部)とが、当該撮像部の光軸を挟んで第1の光源と第2の光源とが対向する位置関係になるように配備される。
【0017】
上記の構成によれば、搬送路の長さ方向に沿う撮像部間の位置ずれ量を、第2の光源の配置に必要なスペース程度の微小なものにすることができる。
【0018】
上記の外観検査システムの他の実施態様では、第2の光源とこの光源と搬送路から見て同じ側にある第1の光源とが隣り合う状態で配備されると共に、搬送路の長さ方向における撮像部間の位置ずれ量が第2の光源およびその隣の第1の光源を含む範囲に対応する大きさに設定される。
上記の構成によれば、各撮像部の間の位置ずれの範囲に全ての光源を配備することが可能になる。
【0019】
上記の外観検査システムを紙の生産ラインに適用する場合の好ましい実施態様では、カラー撮像機能を有する撮像部は、赤、緑、青の各色画像データを出力する。また第1の光源は青色光を出射し、第2の光源は赤色光を出射する。紙の生産において発生する欠陥の色彩の大半は、黒色、茶色、および黄色の三色となるため、紙の表面からの反射光の撮像によりこれらの色彩欠陥のすべてが明確に現れる画像を生成するには、青色の反射光を受光するのが望ましいからである。また、透過光による画像の生成に赤色光を用いることにより、透過光を受光する撮像素子に上記の反射光が混入するのを防ぐことができ、各検査のための画像の精度を高めることができる。
【0020】
他の好ましい実施態様の外観検査システムでは、シートの搬送路の上方および下方にそれぞれ複数台の前記撮像部が搬送路の幅方向に沿って並べて配備される。また、搬送路の上方および下方の第1の光源および第2の光源もそれぞれ複数個、搬送路の幅方向に沿って並べて配備される。
【0021】
上記の実施態様によれば、幅の広いシートが検査対象となる場合にも、その幅長さに応じた数の撮像部や光源を搬送路の幅方向に沿って並べて配備して、シートの各面に対する拡散反射光を用いた検査と、シートから透過した光を用いた検査とを、シートの全幅に対して実施することが可能になる。
【0022】
本発明にかかる第2の外観検査システムでは、搬送路の上方および下方の各撮像部は、ともに複数の色画像データを生成して出力するカラー撮像機能を有する。また、各撮像部は、それぞれの受光面を搬送路に対向させ、かつ搬送路の長さ方向に沿って位置ずれした状態で配備される。
【0023】
搬送路の上方および下方には、それぞれ、複数種の色画像データのいずれかに対応し、かつ互いに異なる色彩の光を搬送路から見て同じ側に位置する撮像部の撮像対象領域に向けて斜め方向から出射する第1および第2の光源が、搬送路の長さ方向における各撮像部間の位置ずれに対応する範囲に設けられると共に、搬送路の上方および下方のいずれか一方に、第1および第2の光源に対応しない色画像データに対応する色彩の光を搬送路を挟んで対向する側に位置する撮像部の受光面に対して出射する第3の光源が設けられる。搬送路の上方および下方の第2の光源は、搬送路から見て同じ側に位置する撮像部に対しては第1の光源より遠く、検査対象のシートに対しては第1の光源より近い位置に配備される。また、各撮像部の光軸上に、第2の光源に対応する色彩の光を透過させない特性を有するハーフミラーが配備されると共に、それぞれの第2の光源に対し、当該光源からの光に対するシートからの正反射光の光路を搬送路から見て同じ側に位置する撮像部の光軸に平行な方向に反射させる第1のミラーと、第1のミラーで反射した光をハーフミラーと同じ高さ位置において当該ハーフミラーへと反射させる第2のミラーとが配備される。
【0024】
さらに欠陥検出装置は、各撮像部からの第1の光源の発光色に対応する色画像データおよび第2の光源の発光色に対応する色画像データ、ならびに第3の光源からの光を受光する撮像部からの第3の光源の発光色に対応する色画像データを処理対象として、処理対象の画像データ毎に欠陥検出のための処理を個別に実行する、
【0025】
上記の構成によれば、第2の光源からの光に対するシートからの正反射光の光路を対応する撮像部の光軸に平行な方向に変更してからハーフミラーを介して撮像部に導くことにより、受光面をシートに向けた姿勢の撮像部に正反射光を入射させることが可能になる。よって、いずれの撮像部でも、第1の光源からの光に対する拡散反射光と、第2の光源からの光に対する正反射光とを受光することができ、さらに一方の撮像部により第3の光源から出射されてシートを透過した光を受光することができる。よって、欠陥検出装置において、これらの光に対応する各色画像データを個別に処理することによって、シートの各面に対し、それぞれ拡散反射光を用いた検査と正反射光を用いた検査とを実施すると共に、シートからの透過光を用いた検査を実施することができる。
【0026】
さらに上記の構成によれば、搬送路の長さ方向における撮像部間の位置ずれの範囲に、上記の各検査に用いられる光源を全て配置することができる。また、正反射光の光路を変更するための第1および第2のミラーも、撮像部の光軸に平行な方向に沿って並ぶので、搬送路の長さ方向における光学系の広がりを抑えることが可能になる。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、シートの搬送路の長さ方向における光学系の設置スペースを大幅に削減して、照明条件の異なる複数とおりの検査を実施することができる。よって、シートの搬送路の長さが短い場合でも、各種検査に必要な光学系を容易に設置して、シートの両面に対する検査を実施することが可能になる。また、各検査の結果を統合する処理も容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明が適用された外観検査システムの構成例を示す図である。
【図2】外観検査システムの光学系および欠陥検出装置の構成例を示す図である。
【図3】外観検査システムの光学系および欠陥検出装置の構成の第2の例を示す図である。
【図4】外観検査システムの光学系および欠陥検出装置の構成の第3の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図1は、本発明の一実施例として、ロール紙の生産ライン用の外観検査システムの構成を示す。この外観検査システムでは、生産ライン内の所定数の工程を対象として、これらの対象工程から搬出された紙Sの両面を撮像し、生成された画像を処理することにより各面の欠陥を検出する。なお、対象工程から次の工程までの紙Sの搬送路は、適所に設けられた複数の搬送用ローラ(図示せず。)により定められる。これらの搬送ローラによって、紙Sは水平な姿勢を維持しながら搬送される。
【0030】
この実施例の外観検査システムでは、検査対象の搬送路毎に、一対の撮像ユニット1,2と複数の照明ユニット(図示せず。)とが配備される。外観検査システムには、これら撮像ユニット1,2や照明ユニットのほか、欠陥検出装置3、およびデータ処理装置4が設けられる。
【0031】
各撮像ユニット1,2は、それぞれ一方向に長い筐体11,12を本体とする。一方の撮像ユニット1は紙Sの搬送路の上方に、他方の撮像ユニット2は搬送路の下方に、それぞれ長さ方向を搬送路の幅方向に合わせて配備される。
搬送路の上方の撮像ユニット1の筐体11内には、複数のカラー撮像用のラインセンサカメラC1(以下、「カラーカメラC1」または単に「カメラC1」という。)が筐体11の長さ方向に沿って配列される。他方の撮像ユニット2の筐体12内には、複数のモノクロのラインセンサカメラC2(以下、「モノクロカメラC2」または単に「カメラC2」という。)が、同様に筐体12の長さ方向に沿って配列される。なお、カメラC1,C2は、ラインセンサカメラに限らず、2次元カメラとしてもよい。
【0032】
各カメラC1,C2は、それぞれ光軸をほぼ垂直にして、受光面を検査対象の紙Sに向けて配備される。いずれの撮像ユニット1,2でも、ユニット内の各カメラの撮像対象領域が所定量の重なりをもって連ねられるので、検査対象の紙Sの両面を全幅にわたって撮像することができる。
【0033】
照明ユニットは、撮像ユニットとほぼ同等の長さの筐体内に各カメラC1,C2に対応する複数の光源を一列に並べた構成のもので、長さ方向を搬送路の幅方向に合わせて配備される。後記するように、この実施例では、青色光を発する光源(以下、「青色光源」という。)を配列した構成の照明ユニットと、赤色光を発する光源(以下、「赤色光源」という。)を配列した構成の照明ユニットとが使用される。
【0034】
上方の撮像ユニット1の各カラーカメラC1からは、それぞれ赤(R)、緑(G)、青(B)の3種類の色画像データが出力され、下方の撮像ユニット2の各モノクロカメラC2からはモノクロ画像データが出力される。欠陥検出装置3では、これらの画像データのうち、カラーカメラC1からのRおよびBの画像データおよびモノクロカメラC2からのモノクロ画像データを処理対象として、処理対象の画像データに対し、欠陥検出のための処理を個別に実行する。
【0035】
欠陥検出装置3では、各処理対象の画像データに対する処理結果を示す情報(欠陥の有無、および欠陥がある場合にはその大きさや位置情報を含む。)を作成する。以下、この情報を「欠陥情報」という。また、欠陥を検出した場合には、その検出に使用した画像を用いて当該欠陥の状態を表す画像(以下、「欠陥画像」としていう。)を作成する。
【0036】
欠陥検出装置3で作成された欠陥情報および欠陥画像は、データ処理装置4へと出力される。
データ処理装置4は、パーソナルコンピュータ40と、モニタ41やキーボード42等の周辺機器とにより構成される。データ処理装置4は、欠陥検出装置3から入力された欠陥情報を統合して内部のメモリに保存すると共に、統合された欠陥情報や欠陥画像をモニタ41に表示する。また、これら欠陥情報や欠陥画像を外部装置に出力することも可能である。
【0037】
この実施例では、欠陥検出装置3やデータ処理装置4を1台ずつ設けて、生産ライン内の全てのカメラC1,C2からの画像データを欠陥検出装置3に導いて処理し、各処理結果をデータ処理装置4により統合するが、これに限らず、欠陥検出装置3やデータ処理装置4を複数設けてもよい。たとえば、検査の対象工程の搬送路毎に欠陥検出装置3を配備したり、生産現場をいくつかのブロックに分けてブロック毎に欠陥検出装置3を配備してもよい。また、欠陥検出装置3を複数台設ける場合には、そのうちの1台にデータ処理装置4の機能を並設してもよい。また、データ処理装置4を、複数のコンピュータによるコンピュータネットワークとして構成してもよい。
【0038】
以下、図2を参照して、上記の外観検査システムの光学系および欠陥検出装置3の構成を説明する。
図2では、向かって左手を上流とし、右手を下流として、紙Sの搬送方向を矢印Fにより示す。また、各撮像ユニット1,2において、搬送路の幅方向において対応する位置関係にある一組のカメラC1,C2を示すと共に、これらのカメラC1,C2に対応する光源10B,10B,10Rを示す。光源10Bおよび10Bは青色光源であり、光源10Rは赤色光源である。いずれの光源でも、発光体としてLEDが使用される。
【0039】
図2に示されるように、搬送路の上方のカラーカメラC1と下方のモノクロカメラC2とは、それぞれ搬送路の長さ方向に沿って位置ずれした状態で配備される。また、カラーカメラC1の焦点は紙Sの上面に合わせられ、モノクロカメラC2の焦点は紙Sの下面に合わせされる。
なお、この実施例では、モノクロカメラC2をカラーカメラC1より下流に配置しているが、この関係は逆になってもよい。
【0040】
各カメラC1,C2の下流側には、それぞれ青色光源10B,10Bが配備される。これらの青色光源10B,10Bは、いずれも対応するカメラの撮像対象領域に斜め方向から光を照射するように光軸の方向が調整されている。これにより、上方の青色光源10Bから出射されて紙Sの上面で反射した光の一部(拡散反射光)がカラーカメラC1に入射し、下方の青色光源10Bから出射されて紙の下面で反射した光の一部(拡散反射光)がモノクロカメラC2に入射する状態となる。
【0041】
赤色光源10Rは、搬送路を挟んでカラーカメラC1に対向する位置に、青色光源10Bに高さを合わせ、かつカラーカメラC1に光軸を合わせた状態で配備される。これにより、赤色光源10Rから出射されて紙Sを通過した光がカラーカメラC1に入射する状態となる。
【0042】
欠陥検出装置3には、カラーカメラC1からの青の画像データDを処理する検出部30Bと、カラーカメラC1からの赤の画像データDを処理する検出部30Rと、モノクロカメラC2からのモノクロ画像データDBLを処理する検出部30BLとが設けられる。これらの検出部30B,30R,30BLは、それぞれ独立の画像処理ボードにより構成されるもので、処理対象の画像データをバッファリングしながら2次元の画像処理を実行することにより、欠陥を検出する。そして、前述した欠陥情報や欠陥画像を作成して、これらをデータ処理装置4に送信する。
【0043】
上記の構成によれば、検出部30Bは、上方の青色光源10Bからの光に対する紙Sの上面での拡散反射を反映した画像データDを用いた検査を実行し、検出部30Rは下方の赤色光源10Rから出射された光の紙Sに対する透過状態を反映した画像データDを用いた検査を実行することになる。また、検出部30BLは、下方の青色光源10Bからの光に対する紙Sの下面での拡散反射を反映した画像データDBLを用いた検査を実行することになる。
【0044】
上記の各光源10B,10B,10Rの配置は、撮像ユニット1,2内の全てのカメラC1,C2に対して適用される。よって、搬送路の上方には複数の光源10Bを含む照明ユニットが配備され、搬送路の下方には、複数の光源10Bを含む照明ユニットと複数の光源10Rを含む照明ユニットとが配備されることになる。
【0045】
欠陥検出装置3にも、撮像ユニット1のカラーカメラC1毎に検出部30B,30Rが設けられ、撮像ユニット2のモノクロカメラC2毎に検出部30BLが設けられる。したがって、紙Sの両面における拡散反射光を用いた検査と、紙Sを透過した光を用いた検査とを、紙Sの全幅にわたって実施することが可能になる。
【0046】
図2の光学系の構成によれば、上下のカメラC1,C2は搬送路の長さ方向に沿って位置ずれするが、その位置ずれ量は透過光用の赤色光源10Rの配置に必要な空間を確保できる程度でよいので、さほど大きなものにはならない。
また、上方のカメラC1に対し、同じ側にある青色光源10Bを、カメラC1に対する他方のカメラC2の位置ずれ方向と同じ方向(下流側)に位置ずれさせて配備することによって、カメラC2が配置される場所の上方付近に青色光源10Bを位置づけることができる。よって、搬送路の長さ方向における光学系の広がりを抑えることができ、短い搬送路にも、3種類の検査に必要な光学系を容易に配備することが可能になる。
【0047】
また、上記の構成によれば、検出部30Bによる検査の対象領域と検出部30Rによる検査の対象領域とを一致させることができるので、データ処理装置4では、これらの検査により作成された検査情報を容易に照合することができる。
検出部30BLによる検査の対象領域は、他の検出部30B,30Rによる検査の対象領域に一致しないが、カメラC1,C2間の位置ずれ量やシートの搬送速度に基づいて、上流のカメラC1による撮像からその撮像位置の裏側がカメラC2により撮像されるまでの時間を求めることによって、同様に欠陥情報を容易に照合することができる。従来の検査システムでは、検査毎に対象領域が異なるために、各検査情報を整合させてから統合する必要があったが、この実施例の構成によれば、統合処理のための演算の負担を削減することが可能になる。
【0048】
上記の実施例において、紙面からの反射光を用いた検査に青色光を採用したのは、工場で生産される紙に生じる欠陥の殆どの色彩が、黒色、茶色、または黄色であることによる。黒色や茶色は緑色光によっても検出することが可能であるが、黄色の欠陥が明瞭な画像を生成するには、黄色の補色となる青色の光を照射することにより、黄色の欠陥が暗領域として現れる画像が生成されるようにするのが望ましい。このことから、拡散反射用の照明ユニット101,102に青色光源10B1,10Bが導入されているのである。
【0049】
また、透過光を用いる検査に赤色光を採用したのは、拡散反射用の光を青色にした場合に、透過光を受光する撮像素子に青色の反射光がノイズとして混入するのを防ぐには、青色光と波長域が大きく異なる光を透過光とするのが望ましいからである。また、赤色光は青色光や緑色光よりも透過率が高いということも、赤色光を透過光とする理由となる。
【0050】
上方のカメラC1の焦点を紙Sの上面に合わせ、下方のカメラC2の焦点を紙Sの下面に合わせたのは、一般に、透過光による画像は、紙の繊維の影響により画像の精度が悪くなるため、微細な欠陥を検出するには紙の表面からの反射光を反映した画像の精度を高めることを優先するのが望ましいからである。
【0051】
なお、光学系の構成は図2に示したものに限らず、図3に示すような構成を採用してもよい。
図3の例でも、赤色光源10Rおよび搬送路の上方の青色光源10Bの配置は図2の例と同様であるが、搬送路の長さ方向におけるカメラC1,C2間の位置ずれ量は図2の例より大きく設定される。また、搬送路の下方の青色光源10Bは、赤色光源10RとカメラC2との間に配備される。欠陥検出装置3の構成や検査の原理は、図2の例と同様であるので、図示のみで説明を省略する。
【0052】
図3の例では、カメラC1,C2間の位置ずれ量は図2の例よりも大きくなるが、搬送路の下方のカメラC2と青色光源10Bとの位置が入れ替わっただけである。また、上方の青色光源10BもカメラC1,C2間の位置ずれの範囲に対応づけて配置されるので、搬送路の長さ方向における光学系の広がりは図2の例とほぼ同じになる。よって、搬送路が短い場合でも、紙Sの両面のそれぞれにおける拡散反射光を用いた検査と紙Sを透過した光を用いた検査とを、支障なく実施することができる。
【0053】
なお、図2および図3の例では、いずれも搬送路の上方にカラーカメラC1および青色光源10Bを配置し、搬送路の下方にモノクロカメラC2と青色光源10Bと赤色光源10Rとを配置したが、この上下の配置関係を逆転させてもよい。
また、コストは高くなるが、搬送路の下方のモノクロカメラC2をカラーカメラに置き換え、このカメラから出力される三種類の色画像データのうちの青の画像データを、欠陥検出装置3において処理してもよい。
【0054】
また、図2および図3の例では、各光源10B,10B,10R毎に、個別に照明ユニットを構成するものとしたが、搬送路の下方に配備される青色光源10Bと赤色光源10Rとを1つの照明ユニットに統合してもよい。
図3の例において照明ユニットを統合するには、搬送路の下方の各光源10B,10Rが隣り合う関係にあるので、これらの光源10B,10Rを共通の筐体に包含すればよい。図2の例においては、各光源10B,10Rを1つの筐体に含めるほか、この筐体の中央部に光通過用の孔部を設け、この孔部をモノクロカメラC2の光軸に位置合わせする必要がある。
【0055】
さらに、搬送路の上方のカメラC1および青色光源10Bを1つのユニットに統合し、搬送路の下方のカメラC2および青色光源10Bならびに赤色光源10Rを1つのユニットに統合してもよい。
【0056】
つぎに、図2および図3の例では、いずれも、紙Sの各面における拡散反射光を用いた検査と紙Sを透過した光を用いた検査とを実施するが、コート紙などの光沢のある紙が検査対象となる場合には、正反射光を用いた検査も実施するのが望ましい。このような要望に対応するための光学系の構成例を図4に示す。
【0057】
この例では、搬送路の上方に、青色光源10Bと緑色光を発する光源10G(以下、「緑色光源10G」)とが配備される。また、搬送路の下方にも、赤色光源10Rおよび青色光源10Bのほか、緑色光源10Gが配備される。また、この実施例では、搬送路の上方にカラーカメラC1を配備すると共に、搬送路の下方にもカラーカメラC12を配備する。
【0058】
また、この実施例では、搬送路の上方のカラーカメラC1および光源10B,10Gが1つのユニットとして統合され、搬送路の下方のカラーカメラC12および光源10R,10B,10Gも1つのユニットとして統合される。また、これらのユニットには、それぞれ複数のミラーが組み込まれる。
【0059】
各カメラC1,C12は、それぞれ搬送路の幅方向に沿って複数台ずつ配備され、各光源10B,10G,10R,10B,10Gもそれぞれ搬送路の幅方向に沿って配列される。また、各ミラーの幅は、紙Sの幅に対応する大きさに設定される。
【0060】
各カラーカメラC1、C12は、紙Sの搬送路の長さ方向に沿って位置をずらした状態で配備され、その位置ずれの範囲に各光源が配備される。各光源のうち、赤色光源10Rは、カメラC1よりやや下流に、光出射面を真上に向けて配備される。
【0061】
青色光源10B,10Bおよび緑色光源10G,10Gは、赤色光源10Rより下流に配備されると共に、それぞれ紙Sの上面または下面に対して斜め方向から光を照射するように、光軸の方向が調整される。搬送路の長さ方向においては、青色光源10Bは緑色光源10GよりもカメラC1に近い位置に配備され、上下方向においては、緑色光源10Gは青色光源10Bより紙S(搬送路)に近い位置に配備される。
【0062】
搬送路の上方では、赤色光源10Rに搬送路を挟んで対向する位置にミラー11が設けられ、カメラC1の光軸上に、一対のミラー12,13が配備される。これらのミラーのうち、カメラC1の受光面に対向する位置に配備されるミラー13は、緑色光を通過させない特性を有するハーフミラーである。また、青色光源10Bおよび緑色光源10Gの光軸は、赤色光源10Rの光軸と紙Sとの交点付近に向けられる。
カメラC1より上流の位置には、一対のミラー14,15が上下に並べて配備される。ミラー14は緑色光源10Gの光に対する正反射光の光路に鏡面を合わせて配備される。ミラー15はハーフミラー13と同じ高さに配備されて、ミラー14により垂直方向に反射した光をハーフミラー13へと導く。
【0063】
赤色光源10Rから出射された赤色光は紙Sを透過した後に、ミラー11,12によりカラーカメラC1の光軸に沿って上昇し、ハーフミラー13を通過してカラーカメラC1に導かれる。青色光源10Bから出射されて赤色光源10Rの光軸に沿う方向に反射した青色光も、同様の経路によりカメラC1へと導かれる。
【0064】
緑色光源10Gから出射されて赤色光源10Rの光軸に沿う方向に反射した緑色光は青色光と共にハーフミラー13まで導かれるが、ハーフミラー13を通過できないため、カメラC1への入射は阻まれる。一方、緑色光源10Gから出射されて正反射した緑色光は、ミラー14,15によりハーフミラー13へと導かれ、さらにハーフミラー13で反射してカメラC1へと導かれる。
【0065】
搬送路の下方の赤色光源10Rの下流側には、上方の光学系と点対称となる位置関係をもって、青色光源10Bおよび緑色光源10Gならびにミラー21〜25とカメラC12とが配備される。カメラC12の受光面に対向する位置に配備されるミラー23には、ミラー13と同様に、緑色光を通過させない特性を有するハーフミラーが用いられる。
【0066】
よって、青色光源10Bから出射されて垂直方向に沿って反射した青色光は、ミラー21,22を順に反射した後に、ハーフミラー23を通過してカメラC12へと導かれる。また、緑色光源10Gから出射されて垂直方向に反射した緑色光は、ハーフミラー23で阻まれてカメラC12には入射しないが、シートSで正反射した緑色光はミラー24,25,23を順に反射してカメラC12へと導かれる。
【0067】
このように、図4の実施例では、緑色光源10G,10Gからの緑色光に対する正反射光の光路を、カメラC1,C12の光軸に平行な方向に変更することによって、カメラC1に拡散反射光および透過光と共に正反射光を受光させ、カメラC12に拡散反射光と共に正反射光を受光させる。なお、この実施例では、赤色光源10RをカメラC1から位置ずれさせて、ミラー11,12,21,22により赤色の透過光や青色の拡散反射光をカメラC1,C12の光軸に沿って進むように調整しているが、正反射光の光路との関係や各光の受光に支障がなければ、図2,3の例と同様に、赤色光源10RをカメラC1に対向する位置に配備し、ミラー11,12,21,22を用いることなく、赤色の透過光や青色の拡散反射光をハーフミラー13,23へと導いてもよい。
【0068】
この実施例の欠陥検出装置3には、上方のカメラC1に対しては、青の画像データD1を処理する検出部301Bと、赤の画像データD1を処理する検出部301Rと、緑の画像データD1を処理する検出部301Gとが設けられる。また、下方のカメラC12に対しては、青の画像データD2を処理する検出部302Bと、緑の画像データD2を処理する検出部302Gとが設けられる。各検出部は、それぞれ処理対象の画像データに対して欠陥検出のための画像処理を実行し、欠陥の検出結果を示す欠陥情報や欠陥の状態を表す欠陥画像を作成し、これらをデータ処理装置4に出力する。この実施例でも、データ処理装置4は、各欠陥情報を統合し、統合後の欠陥情報をメモリに保存すると共に、欠陥情報や欠陥画像の表示および出力を実施する。
【0069】
上記の構成によれば、紙Sの両面に対し、それぞれ青色光の拡散反射状態を反映した画像を用いた検査と、緑色光の正反射状態を反映した画像を用いた検査とを実施し、さらに紙Sに対する赤色光の透過状態を反映した画像を用いた検査を実施することができる。
【0070】
また、上記の構成によれば、緑色光源10G,10Gからの緑色光に対する正反射光を、ミラー14,24によりカメラC1,C12の光軸に平行となる垂直方向に沿って進む光に変更し、さらにミラー15,25およびハーフミラー13,23によりカメラC1,C2へと導くことにより、正反射光の受光に関わる光学系の幅を縮小することができる。また、搬送方向FにおけるカメラC1,C12間の位置ずれの範囲に各検査に用いられる光源の全てが配置される。したがって、検査の目的毎に光源およびカメラの組み合わせが個別に設けられる従来のシステムと比べると、搬送路の長さ方向における光学系の広がりを大幅に抑えることができる。
【0071】
したがって、搬送路が短い場合でも、正反射光を用いた検査および拡散反射光を用いた検査、ならびに透過光を用いた検査を実施するのに必要な光学系を配置して、各検査を支障なく実施することができる。
【0072】
また、図4の構成によれば、検出部301B,301R,301Gの各検査対象領域が一致するので、これらの検査で作成された欠陥情報を容易に照合することができる。また、検出部302Bと検出部302Gとの検査対象領域も一致するので、これらの検査で作成された欠陥情報の照合も容易に行うことができる。さらに、カメラC1,C2間の位置ずれ量や紙Sの搬送速度に基づいて、カメラC1による撮像からその撮像位置の裏側がカメラC2により撮像されるまでの時間を求めることによって、検出部302B,302Gによる欠陥情報と検出部301B,301R,301Gによる欠陥情報との照合も容易になる。よって、データ処理装置4における欠陥情報の統合処理も、問題なく実施することができる。
【符号の説明】
【0073】
1,2 撮像ユニット
3 欠陥検出装置
4 データ処理装置
10B,10B 青色光源
10G,10G 緑色光源
10R 赤色光源
30B,30R,30BL 検出部
301B,301R,301G,302B,302G 検出部
C1 カラーラインセンサカメラ
C2 モノクロラインセンサカメラ
C12 カラーラインセンサカメラ
S ロール紙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水平な姿勢で搬送されるシートの外観検査を行うシステムであって、
検査対象のシートの搬送路の上方および下方にそれぞれ配備される一対の撮像部と、各撮像部により生成された画像データを処理することにより前記シートの両面の欠陥を検出する欠陥検出装置とを備え、
各撮像部のうちの少なくとも一方は、複数種の色画像データを生成して出力するカラー撮像機能を有し、
各撮像部は、それぞれの受光面を前記搬送路に対向させ、かつ前記搬送路の長さ方向に沿って位置ずれした状態で配備され、
前記搬送路の上方および下方には、それぞれ搬送路から見て同じ側に位置する撮像部の撮像対象領域に対し、前記複数種の色画像データのいずれかに対応する色彩の光を斜め方向から出射する第1の光源が設けられると共に、カラー撮像機能を有する一撮像部に搬送路を挟んで対向する位置に、第1の光源に対応しない色画像データに対応する色彩の光を当該撮像部の受光面に向けて出射する第2の光源が設けられ、
前記欠陥検出装置は、前記第2の光源に対向する撮像部からの前記第1の光源の発光色に対応する色画像データおよび第2の光源の発光色に対応する色画像データと、他方の撮像部からの前記第1の光源に対応する色彩光の入射を反映した画像データとを処理対象として、処理対象の画像データ毎に欠陥検出のための処理を個別に実行する、
ことを特徴とするシート用の外観検査システム。
【請求項2】
前記第2の光源に対向する撮像部の撮像対象領域に光を照射する第1の光源は、当該撮像部に対し、他方の撮像部と同じ方向に位置ずれして配備される、請求項1に記載されたシート用の外観検査システム。
【請求項3】
前記搬送路の長さ方向における撮像部間の位置ずれ量は前記第2の光源に対応する大きさに設定されると共に、第2の光源とこの光源と搬送路から見て同じ側にある第1の光源および撮像部とは、当該撮像部の光軸を挟んで第1の光源と第2の光源とが対向する位置関係になるように配備される、請求項1または2に記載されたシート用の外観検査システム。
【請求項4】
前記第2の光源とこの光源と搬送路から見て同じ側にある第1の光源とが隣り合う状態で配備されると共に、前記搬送路の長さ方向における撮像部間の位置ずれ量は前記第2の光源およびその隣の第1の光源を含む範囲に対応する大きさに設定される、請求項1または2に記載されたシート用の外観検査システム。
【請求項5】
前記カラー撮像機能を有する撮像部は、赤、緑、青の各色画像データを出力し、
前記第1の光源は青色光を出射し、前記第2の光源は赤色光を出射する、請求項1〜4のいずれかに記載されたシート用の外観検査システム。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載された装置であって、
前記シートの搬送路の上方および下方にそれぞれ複数台の前記撮像部が搬送路の幅方向に沿って並べて配備されると共に、前記搬送路の上方および下方の第1の光源および第2の光源がそれぞれ複数個、搬送路の幅方向に沿って並べて配備される、シート用の外観検査システム。
【請求項7】
水平な姿勢で搬送されるシートの外観検査を行うシステムであって、
検査対象のシートの搬送路の上方および下方にそれぞれ配備される一対の撮像部と、各撮像部により生成された画像データを処理することにより前記シートの両面の欠陥を検出する欠陥検出装置とを備え、
各撮像部は、複数種の色画像データを生成して出力するカラー撮像機能を有すると共に、それぞれの受光面を前記搬送路に対向させ、かつ前記搬送路の長さ方向に沿って位置ずれした状態で配備され、
前記搬送路の上方および下方には、それぞれ前記複数種の色画像データのいずれかに対応し、かつ互いに異なる色彩の光を前記搬送路から見て同じ側に位置する撮像部の撮像対象領域に向けて斜め方向から出射する第1および第2の光源が、搬送路の長さ方向における各撮像部間の位置ずれに対応する範囲に設けられると共に、搬送路の上方および下方のいずれか一方に、第1および第2の光源に対応しない色画像データに対応する色彩の光を搬送路を挟んで対向する側に位置する撮像部の受光面に対して出射する第3の光源が設けられ、
搬送路の上方および下方の第2の光源は、搬送路から見て同じ側に位置する撮像部に対しては第1の光源より遠く、検査対象のシートに対しては第1の光源より近い位置に配備され、
各撮像部の光軸上に、第2の光源に対応する色彩の光を透過させない特性を有するハーフミラーが配備されると共に、それぞれの第2の光源に対し、当該光源からの光に対するシートからの正反射光の光路を搬送路から見て同じ側に位置する撮像部の光軸に平行な方向に反射させる第1のミラーと、第1のミラーで反射した光を前記ハーフミラーと同じ高さ位置において当該ハーフミラーへと反射させる第2のミラーとが配備され、
前記欠陥検出装置は、各撮像部からの第1の光源の発光色に対応する色画像データおよび第2の光源の発光色に対応する色画像データ、ならびに前記第3の光源からの光を受光する撮像部からの第3の光源の発光色に対応する色画像データを処理対象として、処理対象の画像データ毎に欠陥検出のための処理を個別に実行する、
ことを特徴とするシート用の外観検査システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−47482(P2012−47482A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−187330(P2010−187330)
【出願日】平成22年8月24日(2010.8.24)
【出願人】(000002945)オムロン株式会社 (3,542)
【Fターム(参考)】