説明

シールド掘進機およびシールド掘進機同士の接続方法

【課題】両側からシールド掘進機を掘進させてトンネルを掘削する際に、両シールド掘進機の接続作業を容易に行い得るシールド掘進機を提供する。
【解決手段】カッタヘッド23を構成するカッタスポーク16の固定側スポーク部21から出退自在にされた可動側スポーク部22の先端部に円弧状の外周保護部材26を設けるとともに、両可動スポーク部22間に設けられた円弧状の外周取付部材27に収縮状態から膨張状態にし得る袋状体28を配置して、これら外周保護部材26および袋状体28により、カッタヘッド23の外周を保護する外周保護部材を構成したものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば2台のシールド掘進機を両側から掘進させて所定のトンネルを掘削する際に用いられるシールド掘進機および両シールド掘進機の接続方法に関する。
【背景技術】
【0002】
トンネルを掘削する際に、2台のシールド掘進機を用いる場合があり、この場合、最終的には、2台のシールド掘進機が接続(ドッキングであり、接合ともいえる)されて、所定のトンネルが掘削されることになる。
【0003】
ところで、2台のシールド掘進機を接続させる場合、両シールド掘進機をできるだけ近づけて停止させ、互いのカッタヘッドの面板同士の隙間部分の周囲を、一方のシールド掘進機から他方のシールド掘進機に向かって貫入リングを突出させることにより保護する。この状態で、隙間部分内の土砂を排出した後、シールド本体を残した状態で、カッタヘッドおよび内部の装置類を解体し外部に搬出していた。
【0004】
そして、上記従来の接続方法に用いられるシールド掘進機のシールド本体内にはカッタヘッドが回転自在に設けられているとともに、このカッタヘッドには、伸縮式のカッタスポークが設けられており、両シールド掘進機同士を接続する際には、カッタスポークを縮めておき、縮めたことによりカッタヘッドとシールド本体との間に形成される環状空間部から、カッタヘッド同士間の隙間部分を保護する(外周の地山から保護する)ための貫入リングが突出するように構成されていた。
【0005】
さらに、このようなシールド掘進機においては、カッタスポーク同士間の外周部分を塞いでカッタヘッドの外周を保護する(つまり、地山から土砂が落下するのを防止する)ために、カッタスポークの先端部に外周リングが取り付けられていた。この外周リングの取付方法は、カッタスポークの先端に設けられた取付板と外周リングとに貫通穴が形成され、そしてこれら両貫通穴に固定ピンが挿通された後、溶接により互いに固定されていた。
【0006】
上記構成において、シールド掘進機同士を接続する際には、貫入リングを一方のシールド掘進機から他方のシールド掘進機に突出させる必要があるが、外周リングが邪魔になり、したがってカッタスポークから外周リングを取り外す必要があるため、固定ピンが切断されていた(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平04−124396号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上記従来のシールド掘進機の構成によると、シールド掘進機同士を接続する際に、外周リングを外すために固定ピンを切断しなければならず、その作業が非常に面倒であるという問題があった。
【0008】
そこで、本発明は、両側からシールド掘進機を掘進させてトンネルを掘削する際に、両シールド掘進機の接続作業を容易に行い得るシールド掘進機およびシールド掘進機同士の接続方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本発明のシールド掘進機は、シールド本体の前部に設けられた隔壁に回転自在に設けられたカッタヘッドを、当該隔壁に回転自在に支持された回転軸体と、この回転軸体から放射状に突設されて固定側スポーク部および当該固定側スポーク部から出退自在にされた可動側スポーク部からなる複数のカッタスポークと、上記固定側スポーク部の先端部同士間に設けられるとともに外周面が開放された溝部を有する円弧状の外周取付部材とから構成し、
上記外周取付部材の溝部に、収縮状態から膨張状態にし得る袋状体または膨張状態から収縮状態にし得る袋状体を配置し、
且つ上記可動側スポーク部を突出させて掘削を行う際に、上記袋状体を膨張状態にさせて、可動側スポーク部の外周部と当該袋状体とによりカッタヘッドの外周を保護するようにしたものである。
【0010】
また、上記構成における収縮状態から膨張状態にし得る袋状体として、ゴム製のものを用いるとともに、内部に流体を供給することにより膨張状態にするようにしたものであり、さらに上記構成における膨張状態から収縮状態にし得る袋状体として、形状記憶樹脂製のものを用いるとともに、熱を与えることにより、形状が記憶された膨張状態から形状記憶が解放された収縮状態にされるようにしたものである。
【0011】
さらに、上記課題を解決するため、本発明のシールド掘進機による接続方法は、上述したシールド掘進機を2台用いてトンネルを掘削する際に、両シールド掘進機同士を接続する方法であって、
シールド本体の前部に貫入リングが出退自在に設けられた一方のシールド掘進機を、上記一方のシールド掘進機における貫入リングの先端部に当接する環状当接部材が設けられた他方のシールド掘進機に接続する際に、
両シールド掘進機におけるカッタスポークの可動側スポーク部を退入させるとともに両袋状体を収縮させた状態で、一方のシールド本体に設けられた貫入リングを他方のシールド本体に設けられた環状当接部材に押し当てる方法である。
【発明の効果】
【0012】
上記シールド掘進機およびシールド掘進機同士の接続方法によると、シールド掘進機に設けられる外周保護部材を、可動側スポーク部とこれら両可動スポーク部同士間に配置される袋状体とにより構成したので、この袋状体を膨張状態にすることにより、外周保護機能を発揮させ得るとともに、例えば外周リングに相当する外周保護機能を必要としない場合には、袋状体を収縮状態にすることにより、カッタヘッドの外径を縮めることができ、例えば貫入リングなどを通過させ得る環状空間を形成することができる。すなわち、従来のように、カッタスポーク側に固定された外周リングを、カッタスポーク側から切断する必要がなくなるとともに、シールド掘進機同士の接続に際し、その接続作業を非常に容易に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
[実施の形態]
以下、本発明の実施の形態に係るシールド掘進機およびシールド掘進機における接続方法を図面に基づき説明する。
【0014】
本発明に係るシールド掘進機は、2台の掘進機を両側から掘進させて所定のトンネルを掘削する際に用いられるもので、その接続箇所においては、両シールド掘進機同士を互いに近づける接続作業が行われるが、この接続作業に際して、両シールド掘進機同士つまり両カッタヘッド同士間の空間部(以下、隙間部分という)の保護が行われる。具体的にいえば、周囲地山の崩壊、言い換えれば、落下する土砂から保護されている。
【0015】
すなわち、一方のシールド掘進機には、他方のシールド掘進機側に突出されて、両カッタヘッド同士間の隙間部分の周囲を保護するための貫入リングが設けられるとともに、他方のシールド掘進機には、この貫入リングを受け入れてその先端に当接する環状当接部材(環状受圧部材ともいえる)が設けられている。以下、これらのシールド掘進機を説明するに際し、貫入リングが具備されているシールド掘進機を第1シールド掘進機と称し、また環状当接部材が具備されているシールド掘進機を第2シールド掘進機と称して説明する。
【0016】
まず、第1シールド掘進機を、図1〜図6に基づき説明する。
この第1シールド掘進機1の基本的な構成としては、円筒状のシールド本体11と、このシールド本体11内の前部に設けられた隔壁12と、この隔壁12の中心部に、内部に軸受が設けられた軸受体13を介して水平軸心回りで回転自在に支持された回転軸体14と、この回転軸体14を回転させる回転駆動装置(例えば、油圧モータなどを有している)15と、上記回転軸体14の外周に等角度おきに例えば120度おきに3箇所(勿論、3箇所に限定されるものではない)で放射状に(半径方向で)突設されたカッタスポーク16と、これら各カッタスポーク16同士間に設けられた(全面に亘って設けられたものでもよい)面板17と、シールド本体11の内側に形成された環状空間室18に配置されるとともにその前端から前方に出退自在に設けられた環状の貫入リング19と、この貫入リング19を出退させる出退装置(例えば、出退用油圧シリンダなどが用いられる)20とが具備されている。
【0017】
そして、また上記カッタスポーク16は、回転軸体14に固定された固定側スポーク部21と、この固定側スポーク部21にその先端から出退自在に設けられた可動側スポーク部22と、固定側スポーク部21内に配置されて上記可動側スポーク部22を出退させる出退装置(図示しないが、例えば出退用油圧シリンダなどが用いられる)とから構成されている。なお、回転軸体14、この回転軸体14の先端に固定されたカッタスポーク16および面板17によりカッタヘッド23が構成されており、またカッタスポーク16および面板17には、カッタビット24が多数取り付けられている。
【0018】
さらに、上記可動側スポーク部22の外周端には、円弧状にされて外周リングとしての機能を果たす外周部すなわち円弧状の外周保護部材(例えば、円弧状の板材である)26が取り付けられており、また上記各固定側スポーク部21同士間の円弧部分には外面が開放された断面溝型状つまり円弧状の溝部27aを有する外周取付部材27が設けられるとともに、この円弧状の溝部27a内には袋状体28が配置されている。なお、この袋状体28の取り付けは、図6に示すように、その外側の両端部が取付用ボルト29により、可動側スポーク部22の外周保護部材26に取り付けられている(固定されている)。
【0019】
この袋状体28としては、伸縮自在な材料、例えば合成ゴム製(天然ゴム製でもよい)のものが用いられており、内部に流体、例えばエアの供給・排出により膨張・収縮自在となるようにされている。この意味で膨張体と呼ぶことができる。
【0020】
このため、この第1シールド掘進機1には、図示しないが、袋状体28にエア(圧縮空気)を供給するためのエア供給配管(流体供給配管)およびエアボンベ、コンプレッサなどのエア供給源(流体供給源)が具備されている。なお、流体として、エアの他に、水、油圧などを用いることができる。
【0021】
したがって、可動側スポーク部22の外周保護部材26とこれら可動側スポーク部22同士間に配置される袋状体28とにより、カッタヘッド23の外周を保護する機能、つまり従来の外周リングとしての機能が発揮され、以下、外周リングに対応するものとして、外周保護部材26と袋状体28とを併せて、外周保護体30と呼ぶことこできる。
【0022】
ここで、上記袋状体28の寸法などについて説明しておく。
この袋状体28は、外周取付部材27の溝部27aと略同一長さで且つ円弧状に形成されるとともに、その膨らみ高さ(半径方向での高さ、言い換えれば、膨らみ変形量である)については、150〜300mmの範囲(好ましくは300mm程度)にされている。300mmを超えると、製作が困難となり、掘削時に破れたり、外周取付部材27から脱落する惧れがある。
【0023】
また、袋状体28の肉厚については、5〜20mmの範囲にされる。20mmを超えると、膨らみ高さが小さくなり、また5mm未満であると、土砂との摩擦により摩耗して破れる惧れがある。
【0024】
次に、袋状体28をカッタヘッド23に取り付けた際の寸法関係について説明すると、可動側スポーク部22の出退ストロークを例えば150mmに設定した場合、当然、袋状体28の収縮状態では、その外周面が可動側スポーク部22に略等しくなるように、当該袋状体28が外周取付部材27に取り付けられる。したがって、この場合の外周取付部材27の溝部27aの深さは、150mm程度にされている。
【0025】
なお、袋状体28の膨張・収縮は可動側スポーク部22の出退動作に併せて行われる。図2および図3に突出した状態(通常の掘削時の状態)を示し、図4および図5に収縮した状態(シールド掘進機の接続時の状態)を示している。
【0026】
勿論、可動側スポーク部22が突出した状態では、袋状体28の外周面が、当該可動側スポーク部22の外周保護部材26と同じ位置となるように膨張される。
これに対し、エアを抜いて袋状体28を収縮させると、掘削中における掘削外周面との間に、半径方向で150mm程度の隙間が形成されるため、全外周に形成される環状隙間(図4の寸法線で示すが、空間部を示している)Kを介して貫入リング19を出退させることができる。
【0027】
この第1シールド掘進機1の構成によると、掘削時に、可動側スポーク部22を突出させるとともに袋状体28を膨張させて外周の保護機能を働かせることにより、安全に掘削作業を行うことができる。
【0028】
次に、第2シールド掘進機について説明する。
この第2シールド掘進機は、上述したように、第1シールド掘進機に設けられた貫入リングの先端を支持する環状当接部材を設けただけであり、したがってここでは、この部分に着目して説明するとともに、第1シールド掘進機の構成部材と同一の構成部材については、同一の部材番号を付して、その説明を省略する。
【0029】
すなわち、図1に示すように、第2シールド掘進機2のシールド本体11の隔壁12より前側の内面には、貫入リング19の先端に当接して支持するための環状当接部材(環状受圧部材ともいえる)31が具備されている。この環状当接部材31としては、弾性材料、例えば合成ゴム製(天然ゴム製でもよい)のものが用いられている。
【0030】
次に、所定区間のトンネルを掘削する際に、両シールド掘進機の接続方法について簡単に説明する。
図1に示すように、所定の経路に沿ってトンネルを掘削してきた第1シールド掘進機1と第2シールド掘進機2とが互いに対向する位置に到達すると、掘削を停止する。勿論、単独でトンネルを掘削しているときには、上述したように、カッタスポーク16の可動側スポーク部22が突出されるとともに、袋状体28にエアが供給されて膨張状態にされている。
【0031】
そして、両シールド掘進機1,2が停止されると、それぞれの可動側スポーク部22を縮めるとともに袋状体28を収縮させた後、第1シールド掘進機1側から貫入リング19を突出させ、その先端を第2シールド掘進機2のシールド本体11の前端に設けられた環状当接部材31に当接させる。
【0032】
この動作により、両シールド掘進機1,2のシールド本体11同士間の隙間部分Sが保護されたことになる(具体的には、地山の崩壊から保護される)。この保護された状態下で、土砂排出作業およびカッタヘッドなどの解体作業を行えばよい。
【0033】
上述したように、2台のシールド掘進機により、所定の単独掘削区間を掘削する際には、両シールド掘進機1,2においては、袋状体28内にエアを供給して膨張させることにより、可動側スポーク部22の先端の外周保護部材26と協働して、その外周を保護することができる。つまり、貫入リング19により周囲地山の崩壊すなわち土砂などの落下から保護する際に、従来のように、カッタスポーク側に固定された外周リングを、カッタスポーク側から切断する必要がなくなり、したがってシールド掘進機同士の接続作業が非常に容易となる。
【0034】
一方、シールド掘進機同士の接続区間(トンネル接続区間でもある)においては、両シールド掘進機1,2の可動側スポーク部22を退入させるとともにエアを抜き袋状体28を収縮させることにより、カッタヘッド23とシールド本体11との間に環状空間Kを形成し、そして第1シールド掘進機1側から貫入リング19を環状空間Kに突出させるとともにその先端を第2シールド掘進機2の環状当接部材31に当接させれば、隙間部分Sの保護を図ることができる。
【0035】
ところで、上記実施の形態においては、袋状体として、収縮した状態のものに、エアを供給することにより膨張させるように説明したが、逆に、膨張した状態、つまり外周面が突出した状態のものに、外部から熱を付与することにより、収縮した状態にさせ得るようにしたものを用いることができる。
【0036】
このような袋状体(収縮体と呼ぶことができる)としては、予め、膨張した状態でその形状が記憶された形状記憶樹脂を、具体的には、硬質塩化ビニル製のものを用いることもできる。
【0037】
寸法的なものとしては、以下の通りである。
すなわち、膨らみ高さ(勿論、半径方向である)については、150〜300mm(好ましくは、300mm程度)の範囲にされる。300mmを超えると、製作が困難となり、掘削時に破れたり、外周取付部材から脱落する場合も考えられる。
【0038】
また、袋状体の肉厚については、5〜20mmの範囲にされる。20mmを超えると、膨らみ高さが小さくなり、また5mm未満であると、土砂との摩擦により、摩耗して破れる惧れがある。
【0039】
膨張状態にある袋状体を収縮させる場合、内部に熱流体として、例えば蒸気、熱風、温水などを供給することによりその形状記憶を解除すればよい。なお、元の膨張状態に戻す場合には、やはり、内部に熱流体を供給すればよい。
【0040】
さらに、上記実施の形態においては、両側からトンネルを掘削して最終的に接続するシールド掘進機について説明したが、例えば両側からトンネルを掘削するものだけではなく、例えば図7に示すように、既設のトンネルT1の側面に別のトンネルT2を接続する場合のシールド掘進機3にも適用することができる(この工法をT−BOSS工法ともいう)。
【0041】
すなわち、このシールド掘進機3には、シールド本体11の前部に、既設のトンネルT1に穴を形成するための貫入リング(この場合は、切断リングともいえる)19が出退自在に設けられたもので、当然に、カッタスポーク16の外周に外周リングが設けられていると、貫入リング19を突出させることができないが、本発明のシールド掘進機のような構成とすることにより、簡単に、外周保護部材を除去した状態にすることができる。
【0042】
また、例えば図8に示すように、トンネルを掘削した後に、例えばシールド本体11を残し、カッタヘッド23および内部の装置類を回収し得るシールド掘進機4にも適用することができる。
【0043】
すなわち、シールド掘進機を解体するとき、外周リングが存在すると、カッタヘッド23をシールド本体11内に取り込むことが困難となり、解体作業を容易に行うことができないが、本発明のシールド掘進機のような構成とすることにより、簡単に、解体作業を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の実施の形態に係るシールド掘進機およびその接続状態を示す断面図である。
【図2】図1のA−A矢視図である。
【図3】図2のB−B矢視図である。
【図4】図1のC−C断面図である。
【図5】図4のD−D断面図である。
【図6】同シールド掘進機の要部正面図である。
【図7】本発明のシールド掘進機の他の使用例を示す全体断面図である。
【図8】本発明のシールド掘進機の他の使用例を示す全体断面図である。
【符号の説明】
【0045】
1 第1シールド掘進機
2 第2シールド掘進機
3 シールド掘進機
4 シールド掘進機
11 シールド本体
16 カッタスポーク
17 面板
18 環状空間室
19 貫入リング
20 出退装置
21 固定側スポーク部
22 可動側スポーク部
23 カッタヘッド
26 外周保護部材
27 外周取付部材
27a 溝部
28 袋状体
29 取付用ボルト
30 外周保護体
31 環状当接部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シールド本体の前部に設けられた隔壁に回転自在に設けられたカッタヘッドを、当該隔壁に回転自在に支持された回転軸体と、この回転軸体から放射状に突設されて固定側スポーク部および当該固定側スポーク部から出退自在にされた可動側スポーク部からなる複数のカッタスポークと、上記固定側スポーク部の先端部同士間に設けられるとともに外周面が開放された溝部を有する円弧状の外周取付部材とから構成し、
上記外周取付部材の溝部に、収縮状態から膨張状態にし得る袋状体または膨張状態から収縮状態にし得る袋状体を配置し、
且つ上記可動側スポーク部を突出させて掘削を行う際に、上記袋状体を膨張状態にさせて、可動側スポーク部の外周部と当該袋状体とによりカッタヘッドの外周を保護するようにしたことを特徴とするシールド掘進機。
【請求項2】
収縮状態から膨張状態にし得る袋状体としてゴム製のものを用いるとともに、内部に流体を供給することにより膨張状態にするようにしたことを特徴とする請求項1に記載のシールド掘進機。
【請求項3】
膨張状態から収縮状態にし得る袋状体として形状記憶樹脂製のものを用いるとともに、熱を与えることにより、形状が記憶された膨張状態から形状記憶が解放された収縮状態にされるようにしたことを特徴とする請求項1に記載のシールド掘進機。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載のシールド掘進機を2台用いてトンネルを掘削する際に、両シールド掘進機同士を接続する方法であって、
シールド本体の前部に貫入リングが出退自在に設けられた一方のシールド掘進機を、上記一方のシールド掘進機における貫入リングの先端部に当接する環状当接部材が設けられた他方のシールド掘進機に接続する際に、
両シールド掘進機におけるカッタスポークの可動側スポーク部を退入させるとともに両袋状体を収縮させた状態で、一方のシールド本体に設けられた貫入リングを他方のシールド本体に設けられた環状当接部材に押し当てることを特徴とするシールド掘進機同士の接続方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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