説明

シールド掘進機

【課題】シールド掘進機1によって深度の浅い地山Gから大深度の地山Gにかけて連続して掘削すること。
【解決手段】
シールドフレーム3の前側に切羽Fとの間にチャンバー11を区画する隔壁フレーム13が設けられ、隔壁フレーム13に少なくとも縁側の一部に切欠き部35nを有した第1カッタヘッド35が回転・揺動可能に設けられ、隔壁フレーム13に第2カッタヘッド55が第1カッタヘッド35と同じ軸心上に設けられ、第2カッタヘッド55は、第1カッタヘッド35に対して前方向へ突出した突出状態と、切欠き部35nに整合した整合状態とに切替可能に構成されたこと。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トンネルを構築するために用いられるシールド掘進機に関する。
【背景技術】
【0002】
シールド掘進機については、特許文献1、特許文献2、特許文献3等に示すように種々なものがあり、一般的なシールド掘進機の構成について簡単に説明すると、次のようになる。
【0003】
即ち、前記シールド掘進機は、筒状のシールドフレームを掘進機本体として具備しており、このシールドフレームの内側には、掘削した壁面にセグメントをリング状に組み付けるエレクタ装置が設けられている。また、前記シールドフレームの内側には、既設の前記セグメントからの反力によって前記シールドフレーム(換言すれば、前記シールド掘進機全体)を前進させる複数のシールドジャッキが配設されている。更に、前記シールドフレームの前側には、切羽との間にチャンバーを区画する隔壁フレームが設けられており、この隔壁フレームには、地山を掘削するカッタヘッドが設けられてあって、このカッタヘッドは、軸心を中心として回転可能である。
【0004】
そして、土圧(泥土圧を含む)によって切羽の安定を図る形式の前記シールド掘進機にあっては、前記シールドフレーム内に、前記チャンバーから掘削土砂を後方向へ搬送するスクリューコンベアが配設されている。また、泥水圧によって切羽の安定を図る形式の前記シールド掘進機にあっては、前記隔壁フレームの上部に、前記チャンバーへ泥水を送る送泥管が前記チャンバーに連通するように接続されると共に、前記隔壁フレームの下部に、前記チャンバーから掘削土砂を含む泥水を排出する排泥管が前記チャンバーに連通するように接続されている。
【0005】
続いて、前記シールド掘進機を用いて、トンネルの構築する作業について説明する。
【0006】
即ち、まず、地山に前記トンネルの深度に応じた立坑を施工する。次に、前記シールド掘進機を前記立坑の底部まで搬送して、前記シールド掘進機による掘削の準備を行う。そして、前記カッタヘッドを回転させた状態の下で、前記チャンバー内の掘削土砂等の圧力と切羽の土圧をバランスさせつつ、複数の前記シールドジャッキの作動により既設のセグメントからの反力によって前記シールド掘進機全体を前進させることにより、切羽の安定を図りつつ、前記カッタヘッドにより地山を掘削する。また、地山の掘削と並行して、前記エレクタ装置によって掘削した壁面に前記セグメントをリング状に組み付ける。更に、前述のような地山の掘削と前記セグメントの組付を連続して行うことにより、前記トンネルを構築することができる。
【特許文献1】特開平9−41871号公報
【特許文献2】特開2003−35088号公報
【特許文献3】特開平4−2880号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、前記トンネルを構築するには、前述のように、前記トンネルの深度に応じた前記立坑を施工する必要があって、特に大深度の場合は、前記立坑の施工が大掛かりなものになる。そのため、前記立坑の施工期間を含めた前記トンネルの工期が長くなると共に、前記立坑の施工費を含めた前記トンネルの工費が高くなるという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の特徴は、トンネルを構築するために用いられるシールド掘進機において、
筒状のシールドフレームと、
前記シールドフレームの前側に設けられ、切羽との間にチャンバーを区画する隔壁フレームと、
前記隔壁フレームに設けられ、軸心を中心として回転・揺動可能又は回転可能であって、少なくとも縁側の一部に切欠き部を有した第1カッタヘッドと、
前記隔壁フレームに前記第1カッタヘッドと同じ軸心上に設けられ、軸心を中心として回転・揺動可能であって、前記切欠き部に整合可能な形状に構成され、前記第1カッタヘッドに対して前方向へ突出した突出状態と、前記切欠き部に整合した整合状態とに切替可能に構成され、前記第1カッタヘッドと協働して地山を掘削する第2カッタヘッドと、を具備したことである。
【0009】
ここで、「設けられ」とは、直接的に設けられたことの他に、別の部材を介して間接的に設けられたことを含む意である。また、「回転・揺動可能」とは、回転可能及び揺動可能であることをいい、「揺動可能」とは、所定の範囲内で正逆方向へ回転可能であることをいう。
本発明の特徴によると、前記シールド掘進機によって深度の浅い地山を掘削する場合には、次のように行う。
【0010】
即ち、前記第2カッタヘッドを前記整合状態から前記突出状態に切替えると共に、前記第2カッタヘッドを回転させて前記チャンバーの上部前側領域に位置させる。次に、前記第2カッタヘッドを前記チャンバーの上部前側領域において揺動させると共に、前記第1カッタヘッドを揺動又は回転させる。そして、既設のセグメントから反力によって前記シールド掘進機全体を前進させる。これによって、前記第1カッタヘッドと前記突出状態の前記第2カッタヘッドの協働により深度の浅い地山を掘削することができる。ここで、前記第2カッタヘッドは前記突出状態にあるため、深度の浅い地山であっても、切羽を自立し易い形状にして、切羽の安定を図ることができる。
【0011】
一方、前記シールド掘進機によって深度の深い地山を掘削する場合には、次のように行う。
【0012】
即ち、前記第2カッタヘッドを前記突出状態から前記整合状態に切替えて、前記第1カッタヘッドと前記第2カッタヘッドによって円形状を呈するようにする。次に、前記第1カッタヘッド及び前記整合状態の前記第2カッタヘッドを一体的に回転させる。そして、既設のセグメントから反力によって前記シールド掘進機全体を前進させる。これによって、前記第1カッタヘッドと前記整合状態の前記第2カッタヘッドの協働により深度の深い地山を掘削することができる。ここで、前記第2カッタヘッドは前記整合状態にあるため、深度の深い地山であっても、前記チャンバー内の掘削土砂等の圧力を十分に高めて、切羽の土圧とバランスさせることにより、切羽の安定を図ることができる。
【0013】
要するに、前記第2カッタヘッドは、前記第1カッタヘッドに対して前方向へ突出した前記突出状態と、前記切欠き部に整合した前記整合状態とに切替可能に構成されているため、前記シールド掘進機によって深度の浅い地山から大深度の地山にかけて連続して掘削することができる。
【発明の効果】
【0014】
以上の如き、本発明によれば、前記シールド掘進機によって深度の浅い地山から大深度の地山にかけて連続して掘削し、大深度・長距離の前記トンネルを構築することができる。よって、前記トンネルの工期を短縮することができると共に、前記トンネルの工費を低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の実施形態について図1から図5を参照して説明する。
【0016】
ここで、図1は、深度の浅い地山を掘削する際におけるシールド掘進機の断面図であって、図2は、図1におけるII-II線に沿った図であって、図3は、図1におけるIII-III線に沿った図であって、図4は、深度の深い地山を掘削する際におけるシールド掘進機の断面図であって、図5は、図4におけるV-V線に沿った図である。なお、図面中、「FF」は、前方向を指してあって、「FR」は、後方向を指してある。
【0017】
図1及び図4に示すように、本発明の実施形態に係わるシールド掘進機1は、大深度・長距離のトンネルを構築するために用いられるものであって、筒状のシールドフレーム3を掘進機本体として具備している。なお、シールドフレーム3は、筒状の前胴と筒状の後胴が屈曲可能に連結してなる中折れ式であっても差し支えない。
【0018】
シールドフレーム3の内側には、掘削した壁面にセグメント5をリング状に組み付けるエレクタ装置7が設けられている。また、シールドフレーム3の内側には、既設のセグメント5からの反力によってシールドフレーム3(換言すれば、シールド掘進機1全体)を前進させる複数のシールドジャッキ9が周方向に等間隔に配設されている。
【0019】
シールドフレーム3の前側には、切羽Fとの間にチャンバー11を区画する隔壁フレーム13が設けられており、この隔壁フレーム13は、中央に、前後方向へ延びた支持スリーブ部13sを有している。また、シールドフレーム3の内側には、前後方向への延びた筒状のガイドフレーム15が設けられており、このガイドフレーム15は、内側に、多角形状のガイド部15gを有している。
【0020】
隔壁フレーム13には、リング状の第1カッタ軸17がベアリング19を介して設けられており、この第1カッタ軸17は、軸心を中心として回転可能及び揺動可能(所定の範囲内で正逆方向へ回転可能)である。そして、隔壁フレーム13の取付部13aには、第1カッタ軸17を回転及び揺動させる複数の第1カッタモータ21が周方向に間隔を置いて配設されており、複数の第1カッタモータ21の出力軸には、主動ピニオン23がそれぞれ一体的に設けられてあって、第1カッタ軸17には、複数の主動ピニオン23に噛合したリング状の従動ギア25が一体的に設けられている。
【0021】
図1及び図3に示すように、第1カッタ軸17の前側には、リング状のサポート部材27が複数の中間連結部材29を介して同じ軸心上に一体的に設けられており、サポート部材27は、放射状に延びた複数本(本発明の実施形態にあっては6本)の取付片31及び複数本(本発明の実施形態にあっては2本)の放射状に延びた複数の支持片33を備えている。
【0022】
サポート部材27における複数本の取付片31には、第1カッタヘッド35が同じ軸心上に一体的に設けられており、換言すれば、隔壁フレーム13には、第1カッタヘッド35が第1カッタ軸17及びサポート部材27を介して設けられており、第1カッタヘッド35は、軸心を中心として回転可能及び揺動可能である。また、第1カッタヘッド35は、 放射状に延びた複数本のスポーク37と、複数本のスポーク37にそれぞれ設けられた多数のカッタビッド39と備えている。更に、第1カッタヘッド35は、縁側の一部に、切欠き部35nを有してあって、この切欠き部35nは、第1カッタヘッド35の中央部まで延びている。
【0023】
図1及び図4に示すように、隔壁フレーム13における支持スリーブ部13sには、前後方向へ延びた第2カッタ軸41が第1カッタ軸17と同じ軸心上に設けられており、この第2カッタ軸41は、軸心を中心として回転可能及び揺動可能であって、前後方向へ移動可能である。そして、第2カッタ軸41を回転、揺動、前後方向へ移動させるために、次のように構成している。
【0024】
即ち、ガイドフレーム15には、環状の支持スライダ43が設けられており、この支持スライダ43は、第2カッタ軸41の後端部をベアリング45を介して回転自在に支持するものであって、第2カッタ軸41と一体的に前後方向へ移動可能である。そして、ガイドフレーム15の内側には、支持スライダ43を前後方向へ移動させる複数のスライダジャッキ47が設けられており、各スライダジャッキ47における可動ロッド部47rが支持スライダ43の連結部43aにそれぞれ連結されている。なお、支持スライダ43の連結部43aは、ガイドフレーム15に形成した長穴等によって前後方向に案内されるようになっている。また、支持スライダ43の取付部43bには、第2カッタ軸41を回転及び揺動させる複数の第2カッタモータ49が周方向に間隔を置いて配設されており、複数の第2カッタモータ49の出力軸には、主動ピニオン51がそれぞれ一体的に設けられてあって、第1カッタ軸17の後端部には、複数の主動ピニオン51に噛合したリング状の従動ギア53が一体的に設けられている。
【0025】
図1、図2、及び図4に示すように、第2カッタ軸41の前端部には、第1カッタヘッド35と協働して地山Gを掘削する第2カッタヘッド55が同じ軸心上に一体的に設けられており、換言すれば、隔壁フレーム13には、第2カッタヘッド55が第2カッタ軸41を介して第1カッタヘッド35と同じ軸心上に設けられており、第2カッタヘッド55は、軸心を中心として回転可能及び揺動可能である。また、第2カッタヘッド55は、 放射状に延びた複数本のスポーク57と、複数本のスポークにそれぞれ設けられた多数のカッタビッド59と備えている。更に、第2カッタヘッド55は、第1カッタヘッド35の切欠き部35nに整合可能な形状に構成されてあって、第2カッタ軸41の前後方向の移動によって、第1カッタヘッド35に対して前方向へ突出した突出状態(図1に示す状態)と、第1カッタヘッド35の切欠き部35nに整合した整合状態(図4に示す状態)とに切替可能に構成されている。そして、シールド掘進機1は、図5に示すように、第1カッタヘッド35と前記整合状態の第2カッタヘッド55によって円形状を呈するように構成されている。
【0026】
なお、前記整合状態の第2カッタヘッド55は、サポート部材27(複数本の支持片33を含む)に支持されるようになっており、サポート部材27には、前記整合状態の第2カッタヘッド55の対応する被係合穴55hに係合可能な係合ピン61を備えた複数のショットピン装置63が内蔵されている。
【0027】
シールドフレーム3の外側には、環状のフードフレーム65が設けられており、このフードフレーム65は、前後方向へ移動可能であって、シールドフレーム3に対して回転不能になっている。また、フードフレーム65は、自身の前方向の移動(フードフレーム65の前方向の移動)によって前記突出状態の第2カッタヘッド55とシールドフレーム3との間の解放領域を覆うように構成されている。そして、シールドフレーム3の内側には、フードフレーム65を前後方向へ移動させるフードジャッキ67が設けられており、フードジャッキ67における可動ロッド部67rがフードフレーム65の連結部65aに連結されている。なお、フードフレーム65の連結部65aは、シールドフレーム3に形成した長穴等によって前後方向に案内されるようになっている。
【0028】
シールドフレーム3内には、チャンバー11から掘削土砂を後方向へ搬送するスクリューコンベア69が配設されている。なお、スクリューコンベア69によって搬送された掘削土砂は、ベルトコンベア(図示省略)等によって地上に搬送されるものである。
【0029】
隔壁フレーム13の上部には、チャンバー11へ泥水を送る送泥管71(一部のみ図示)の一端部がチャンバー11に連通するように接続されており、隔壁フレーム13の下部には、チャンバー11から掘削土砂を含む泥水を排出する排泥管73(一部のみ図示)の一端部がチャンバー11に連通するように接続されている。なお、泥水は、送泥管71とチャンバー11と排泥管73との間で循環使用されるものである。
【0030】
シールドフレーム3の後端部には、既設のセグメント5の外周面からシールドフレーム3内に地下水、土砂等の侵入を防ぐテールシール部材75が設けられている。なお、詳細は省略するが、隔壁フレーム13、第1カッタ軸17、第2カッタ軸41等からシールドフレーム3内に地下水、土砂等が侵入しないようになっている。
【0031】
続いて、本発明の実施形態の作用について説明する。
【0032】
シールド掘進機1によって深度の浅い地山Gを掘削する場合には、次のように行う。
【0033】
即ち、複数のスライダジャッキ47の作動により第2カッタ軸41を支持スライダ43と一体的に前方向へ移動させることにより、第2カッタヘッド55を前記整合状態から前記突出状態に切替える。また、複数の第2カッタモータ49の駆動により第2カッタヘッド55を第2カッタ軸41と一体的に回転させることにより、第2カッタヘッド55をチャンバー11の上部前側領域に位置させる。次に、フードジャッキ67の作動によりフードフレーム65を前方向へ移動させて、フードフレーム65によって前記解放領域を覆う。
【0034】
更に、複数の第2カッタモータ49の駆動により第2カッタヘッド55をチャンバー11の上部前側領域において揺動させると共に、複数の第1カッタモータ21の駆動により第1カッタヘッド35を揺動又は回転させる。なお、第1カッタヘッド35を第2カッタヘッド55の揺動方向と反対方向に揺動させることが望ましい。そして、複数のシールドジャッキ9の作動により既設のセグメント5からの反力によってシールド掘進機1全体を前進させる。
【0035】
これによって、図1に示すように、第1カッタヘッド35と前記突出状態の第2カッタヘッド55の協働により深度の浅い地山Gを掘削することができる。ここで、第2カッタヘッド55は前記突出状態にあるため、深度の浅い地山Gであっても、切羽Fを自立し易い形状にして、切羽Fの安定を図ることができる。
【0036】
一方、シールド掘進機1によって深度の深い地山Gを掘削する場合には、次のように行う。
【0037】
即ち、複数のスライダジャッキ47の作動により第2カッタ軸41を支持スライダ43と一体的に後方向へ移動させることにより、第2カッタヘッド55を前記突出状態から前記整合状態に切替えて、第1カッタヘッド35と第2カッタヘッド55によって円形状を呈するようにする。次に、各ショットピン装置63における係合ピン61を第2カッタヘッド55の対応する被係合穴55hに係合させることにより、第1カッタヘッド35と第2カッタヘッド55を一体化させる。
【0038】
更に、複数の第1カッタモータ21及び複数の第2カッタモータ49の駆動により第1カッタヘッド35及び前記整合状態の第2カッタヘッド55を一体的に回転させる。そして、複数のシールドジャッキ9の作動によりシールド掘進機1全体を前進させる。
【0039】
これによって、図4に示すように、第1カッタヘッド35と前記整合状態の第2カッタヘッド55の協働により深度の深い地山Gを掘削することができる。ここで、第2カッタヘッド55は前記整合状態にあるため、深度の深い地山Gであっても、チャンバー11内の掘削土砂等の圧力を高めて、切羽Fの土圧とバランスさせることにより、切羽の安定を図ることができる。なお、チャンバー11内の掘削土砂等の圧力と切羽Fの土圧をバランスさせるために、複数のシールドジャッキ9による推進力を調節する他に、スクリューコンベア69によって搬送される掘削土砂の搬送量、或いは、送泥管71によって送られる泥水の流量及び排泥管73によって排出される泥水の流量を調節してもよい。
【0040】
要するに、第2カッタヘッド55は、第1カッタヘッド35に対して前方向へ突出した前記突出状態と、第1カッタヘッド35の切欠き部35nに整合した前記整合状態とに切替可能に構成され、シールド掘進機1は、第1カッタヘッド35と前記整合状態の第2カッタヘッド55によって円形状を呈するように構成されているため、シールド掘進機1によって深度の浅い地山Gから大深度の地山Gにかけて連続して掘削することができる。
【0041】
以上の如き、本発明の実施形態によれば、シールド掘進機1によって深度の浅い地山Gから大深度の地山Gにかけて連続して掘削し、大深度・長距離の前記トンネルを構築することができる。よって、前記トンネルの工期を短縮することができると共に、前記トンネルの工費を低減することができる。
【0042】
なお、本発明は、前述の実施形態の説明に限るものではなく、例えば、第1カッタ軸17を回転・揺動可能にする代わりに、回転可能にする等、適宜の変更を行うことにより、その他種々の態様で実施可能である。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】深度の浅い地山を掘削する際におけるシールド掘進機の断面図である。
【図2】図1におけるII-II線に沿った図である。
【図3】図1におけるIII-III線に沿った図である。
【図4】深度の深い地山を掘削する際におけるシールド掘進機の断面図である。
【図5】図4におけるV-V線に沿った図である。
【符号の説明】
【0044】
1 シールド掘進機
3 シールドフレーム
11 チャンバー
13 隔壁フレーム
17 第1カッタ軸
35 第1カッタヘッド
35n 切欠き部
41 第2カッタ軸
55 第2カッタヘッド
67 フードジャッキ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トンネルを構築するために用いられるシールド掘進機において、
筒状のシールドフレームと、
前記シールドフレームの前側に設けられ、切羽との間にチャンバーを区画する隔壁フレームと、
前記隔壁フレームに設けられ、軸心を中心として回転・揺動可能又は回転可能であって、少なくとも縁側の一部に切欠き部を有した第1カッタヘッドと、
前記隔壁フレームに前記第1カッタヘッドと同じ軸心上に設けられ、軸心を中心として回転・揺動可能であって、前記切欠き部に整合可能な形状に構成され、前記第1カッタヘッドに対して前方向へ突出した突出状態と、前記切欠き部に整合した整合状態とに切替可能に構成され、前記第1カッタヘッドと協働して地山を掘削する第2カッタヘッドと、を具備したことを特徴とするシールド掘進機。
【請求項2】
前記切欠き部は、前記第1カッタヘッドの中央部にまで延びていることを特徴とする請求項1に記載のシールド掘進機。
【請求項3】
前記隔壁フレームに設けられ、軸心を中心として回転・揺動可能又は回転可能なリング状の第1カッタ軸と、
前記第1カッタ軸の内側に同じ軸心上に設けられ、軸心を中心として回転・揺動可能又は揺動可能であって、前後方向へ移動可能な第2カッタ軸と、を具備しており、
前記第1カッタヘッドが前記隔壁フレームに前記第1カッタ軸を介して設けられ、前記第2カッタヘッドが前記隔壁フレームに前記第2カッタ軸を介して前記第1カッタヘッドと同じ軸心上に設けられてあって、
前記第2カッタヘッドは、前記第2カッタ軸の前後方向の移動によって前記突出状態と前記整合状態とに切替わるように構成されたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のシールド掘進機。
【請求項4】
前記シールドフレームに設けられ、前後方向に移動可能であって、自身の前方向の移動によって前記突出状態の前記第2カッタヘッドと前記シールドフレームとの間の開放領域を覆うように構成されたフードフレームと、
を具備したことを特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれかの請求項に記載のシールド掘進機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−312850(P2006−312850A)
【公開日】平成18年11月16日(2006.11.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−136633(P2005−136633)
【出願日】平成17年5月9日(2005.5.9)
【出願人】(000002299)清水建設株式会社 (2,433)
【出願人】(000000099)石川島播磨重工業株式会社 (5,014)
【Fターム(参考)】