説明

シールド掘進機

【課題】小型化を図ることができるシールド掘進機を提供する。
【解決手段】トンネルの掘削を行うシールド掘進機において、シールド本体1と、このシールド本体1の前方側端部に設けられ切羽側とシールド本体1内部とを隔離する隔壁2と、この隔壁2の前方に回転自在に設けられ、切羽の掘削を行うカッタヘッド3と、このカッタヘッド3の回転軸4の軸心Lに対して偏心して設けた偏心軸20と、この偏心軸20に回動可能に設けた連結部材22と、一方側が連結部材22に回動可能に連結され、他方側が隔壁2に対し隔壁2とほぼ平行な面方向に回動可能に連結された複数の伸縮ジャッキ25,26とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はカッタヘッドで地山を掘削するシールド掘進機に係わり、特に複数の駆動ジャッキによりカッタヘッドの回転軸を回転駆動するシールド掘進機に関する。
【背景技術】
【0002】
シールド掘進機は、通常、シールド本体(スキンプレート)の前方に設けたカッタヘッドを回転させることにより、カッタヘッドに設けたカッタビットで切羽の掘削を行う。掘削された土砂は、カッタヘッドと隔壁との間に区画形成された掘削室内で撹拌される。土圧式シールド掘進機では、必要に応じて掘削土砂の塑性流動化を促進するための作泥材が注入され、塑性流動化した土砂を、スクリューコンベア等の排土装置によってシールド本体の後方へ排出する。また、泥水式シールド掘進機では、掘削室内に送泥管等の注水手段を用いて注水を行い、掘削土砂を泥水の状態として排泥管等の排泥手段によりシールド本体の後方へ排出する。
【0003】
このとき、シールド本体の後部にはエレクタを設けており、このエレクタがトンネルを構築すべくセグメントを順次組み立ててセグメントリングを構築していく。またシールド本体内のエレクタよりやや前方側に、シールド本体に掘進方向への推進力を与えるための複数のシールドジャッキを環状に配設しており、これらシールドジャッキを伸ばしそのロッド部先端に設けたスプレッダ部でセグメントリングを軸方向に押し付けることによりシールド本体を前方へ推進させ、カッタヘッドを切羽に押し付けるようになっている。セグメントリングの周囲にできる空洞部分には裏込め材が注入され、その空洞部分が埋められる。
【0004】
このようにして、シールド本体を推進させつつ前方側の切羽を掘削して掘進を行い、後方側にはセグメントリングによるトンネルを構築していく。シールド工法は、シールド掘進機を用いた以上のような作業を繰り返すことにより、一方の立坑(発進立坑)から他の立坑(到達立坑)までの所定の地中区間にトンネルを形成するものである。
【0005】
以上のような構成のシールド掘進機において、カッタヘッド(カッタ)の後方側に偏心軸(クランク軸)を設け、この偏心軸を複数の伸縮ジャッキ(駆動ジャッキ)により回転させてカッタヘッドを回転駆動させるものがある(例えば、特許文献1参照。)。この従来技術のシールド掘進機(地中掘削機)は、偏心軸に対し回転自在に設けた連結部材と、一方側(一端)が上記連結部材に回動可能に連結され、他方側(他端)がシールド本体(機体)内側に対して回動可能に連結された複数の伸縮ジャッキとを備えており、それぞれの伸縮ジャッキの伸縮運動を連結部材及び偏心軸を介してカッタヘッドの回転運動に変換することにより、掘削を行う。
【0006】
【特許文献1】特許第3397308号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記従来技術では以下のような課題が存在する。
すなわち、上記従来技術では、複数の伸縮ジャッキの他方側をそれぞれシールド本体の内側に連結しているため、伸縮ジャッキによる占有径はシールド本体内径のほぼ全体に及ぶ。通常、シールド本体に掘進方向への推進力を与えるためシールド本体内側に環状に配設される複数のシールドジャッキは、伸縮ジャッキ設置部分の後方に配置せざるを得ないので、上述のような伸縮ジャッキによる占有径がシールド掘進機の機長の増大を招いていた。また、上記従来技術では偏心軸と複数の伸縮ジャッキとを連結部材を介して連結する構成であるため、連結部材には複数の伸縮ジャッキとの回動連結構造(ピン結合構造)が集中配置される。このため、連結部材は比較的大型の構造部材となり、これもシールド掘進機の大型化を招く原因となっていた。
【0008】
本発明は、上記従来技術の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、小型化を図ることができるシールド掘進機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1)上記目的を達成するために、本発明は、トンネルの掘削を行うシールド掘進機において、シールド本体と、このシールド本体の前方側端部に設けられ切羽側と前記シールド本体内部とを隔離する隔壁と、この隔壁の前方に回転自在に設けられ、切羽の掘削を行うカッタヘッドと、このカッタヘッドの回転軸軸心に対して偏心して設けた偏心軸と、この偏心軸に回動可能に設けた連結部材と、一方側が前記連結部材に回動可能に連結され、他方側が前記隔壁に対し前記隔壁とほぼ平行な面方向に回動可能に連結された複数の伸縮ジャッキとを備えるものとする。
【0010】
本発明においては、カッタヘッドの回転軸に設けられた偏心軸を、連結部材を介して複数の伸縮ジャッキにより回転軸回りに回転させることにより、カッタヘッドを回転駆動する。
【0011】
ここで、前述した従来技術のように複数の伸縮ジャッキの他方側(ボトム側)をそれぞれシールド本体の内側に連結した構造とした場合、伸縮ジャッキの占有径はシールド本体内径のほぼ全体に及んでしまうため、シールド本体内側に環状に配設されシールド本体に掘進方向への推進力を与えるための複数のシールドジャッキを、伸縮ジャッキ設置部分に対し後方にずらして配置せざるを得なくなる。その結果、シールド掘進機の機長の増大を招いてしまう。
【0012】
これに対し、本発明においては、伸縮ジャッキの一方側(ロッド側)を連結部材に回動可能に連結すると共に、他方側(ボトム側)を隔壁に対し隔壁とほぼ平行な面方向に回動可能に連結する。このように、伸縮ジャッキの他方側を上記従来技術のようにシールド本体の内側でなく隔壁に対して連結する構造とすることで、伸縮ジャッキの長さを短くすることができる。その結果、伸縮ジャッキによる占有径が小さくなり、伸縮ジャッキ設置部分にもシールドジャッキを配設することが可能となるため、シールド掘進機の機長を短くすることができる。したがって、シールド掘進機の小型化を図ることができる。
【0013】
(2)上記(1)において、好ましくは、前記伸縮ジャッキのジャッキチューブを前記隔壁とピン結合により連結するものとする。
【0014】
(3)上記(2)において、さらに好ましくは、前記複数の伸縮ジャッキのうちの1本と前記連結部材とを固定的に連結するものとする。
【0015】
例えば、全ての伸縮ジャッキの一方側と連結部材とを回動可能に連結した構造とした場合、伸縮ジャッキの伸縮動作に伴い連結部材が偏心軸を中心に回転し、伸縮ジャッキの伸縮運動を偏心軸の回転運動に確実に変換できない恐れがある。
【0016】
本発明によれば、複数の伸縮ジャッキのうちの1本と連結部材とを固定的に連結した構造とするので、上記したような連結部材の回転を防止することができる。これにより、伸縮ジャッキの伸縮運動を偏心軸の回転運動に確実に変換でき、安定してカッタヘッドを回転駆動させることができる。
【0017】
(4)上記(3)において、さらに好ましくは、前記連結部材と固定的に連結する伸縮ジャッキに伸縮ガイド部材を設けるものとする。
【0018】
一般に連結部材と固定的に連結された伸縮ジャッキには、偏心軸回りに回転しようとする連結部材の回転力が反力として作用するため、横荷重が発生する。そこで本発明では、伸縮ジャッキに伸縮ガイド部材を設ける。これにより、伸縮ジャッキの横荷重に対する強度を増大させることができるので、信頼性を向上することができる。また、横荷重に対する強度を増大させることができる結果、例えば伸縮ジャッキの本数を増加させてカッタヘッドのトルクを大きくすることが可能となる。
【0019】
(5)上記目的を達成するために、また本発明は、トンネルの掘削を行うシールド掘進機において、シールド本体と、このシールド本体の前方側端部に設けられ切羽側と前記シールド本体内部とを隔離する隔壁と、この隔壁の前方に回転自在に設けられ、切羽の掘削を行うカッタヘッドと、このカッタヘッドの回転軸軸心に対して偏心して設けた偏心軸と、一方側端部が前記偏心軸の外周面に摺動可能に当接された複数の伸縮ジャッキとを備えるものとする。
【0020】
本発明においては、カッタヘッドの回転軸に設けられた偏心軸を、連結部材を介して複数の伸縮ジャッキにより回転軸回りに回転させることにより、カッタヘッドを回転駆動する。
【0021】
ここで、前述した従来技術のように偏心軸と複数の伸縮ジャッキとを連結部材を介して連結する構造とした場合、連結部材には複数の伸縮ジャッキとの回動連結構造(ピン結合構造)が集中配置されるため、連結部材は比較的大型の構造部材となる。このため、シールド掘進機の大型化を招く一因となる。
【0022】
これに対し、本発明においては、複数の伸縮ジャッキの一方側端部をそれぞれ偏心軸の外周面に摺動可能に当接させ、伸長する側の伸縮ジャッキにより偏心軸を押して回転軸回りに回転させる。このような構造とすることにより、伸縮ジャッキと偏心軸とを連結するための連結部材を不要とすることができる。また、連結部材が不要となる結果、上記(4)で述べた伸縮ジャッキに設ける伸縮ガイド部材についても不要とすることができる。その結果、これら不要となる構造部材分だけ占有スペースを小さくすることができるので、シールド掘進機の小型化を図ることができる。さらに、連結部材が不要となる結果、上記(3)で述べた伸縮ジャッキの固定連結構造が不要となるため、全ての伸縮ジャッキの形状を同等にすることができ、構造を簡素化することができる。
【0023】
(6)上記(5)において、好ましくは、前記複数の伸縮ジャッキの一方側端部に凹面形状の摺動面を有する摺動部材をそれぞれ設けるものとする。
【0024】
本発明においては、例えば偏心軸外周面と同じ曲率の凹面形状に形成した摺動面を有する摺動部材を、伸縮ジャッキの一方側端部に設ける。これにより、偏心軸外周面と摺動部材とが滑らかに摺動することができるので、伸縮ジャッキの伸縮運動を偏心軸の回転運動に確実に変換でき、安定してカッタヘッドを回転駆動させることができる。
【0025】
(7)上記(6)において、さらに好ましくは、前記摺動部材が前記偏心軸外周面から離間するのを防止するように、前記偏心軸と前記複数の摺動部材とを覆うカバー部材を設けるものとする。
【0026】
これにより、伸長する側の伸縮ジャッキによる押圧力に加え、縮短する側の伸縮ジャッキによる引張力についても偏心軸に対して作用させることができる。したがって、カッタヘッドの回転トルクを増大させることができる。
【発明の効果】
【0027】
請求項1記載の発明によれば、伸縮ジャッキの他方側を隔壁に対し隔壁とほぼ平行な面方向に回動可能に連結する。これにより、伸縮ジャッキの長さを短くすることができ、その結果、伸縮ジャッキ設置部分にもシールドジャッキを配設することが可能となるため、シールド掘進機の機長を短くすることができる。したがって、シールド掘進機の小型化を図ることができる。
【0028】
請求項5記載の発明によれば、複数の伸縮ジャッキの一方側端部をそれぞれ偏心軸の外周面に摺動可能に当接させる。これにより、伸縮ジャッキと偏心軸とを連結するための連結部材を不要とすることができる。したがって、連結部材が不要となる分だけ占有スペースを小さくすることができるので、シールド掘進機の小型化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、本発明のシールド掘進機の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
まず、本発明の一実施の形態を図1乃至図5を参照しつつ以下に説明する。
図1は本発明のシールド掘進機の一実施の形態の全体構造を表す側断面図である。
【0030】
この図1において、本実施の形態のシールド掘進機は、例えば軟岩、固結シルト、土丹、玉石混じり砂礫、砂礫、砂、粘性土(シルト、粘土)等の軟岩以下の土質(言い換えれば硬岩以外の土質)の掘削に特に好適なものであり、シールド掘進機の胴体でありかつ後述する中折れを可能とするために掘進方向最前部に位置する前胴1Aとその後方側に隣接する後胴1Bとを折り曲げ可能に連結した構造となっているシールド本体1と、このシールド本体1の機内と掘削室Pとを隔離する隔壁2と、前記前胴1Aの掘進方向前方側(図1中左側)に設けられ、地山の切羽を掘削して掘削室Pへ取り込むカッタヘッド3と、このカッタヘッド3の回転軸4と、この回転軸4を前記隔壁2に対し回転自在に支持する軸受装置5と、前記掘削室P内に取り込まれた掘削土砂を前記シールド本体1の掘進方向後方側(図1中右側)に搬送し排出する排土装置(ここではスクリューコンベア。以下、スクリューコンベアと記載。)6と、前記後胴1B内に設けられ、トンネル(図示せず)の内面を覆工するセグメントリングSを順次組み立てるエレクタ装置9と、前記軸受装置5により回転自在に支持されたカッタヘッド回転軸4を回転駆動するカッタ駆動装置10とを有している。
【0031】
前記の前胴1Aと後胴1Bとの間には、それらを互いに摺動可能に連結する中折れ機構11が設けられている。すなわち、後胴1Bの前方側端部には、外周面がほぼ球面状の摺動部11aが設けられており、前胴1Aの後端部にはその摺動部11aに摺接し摺動部11aと前胴1A後端部との間をシールする(土砂、地下水の浸入を防止する)略リング状のシール部材11bが設けられており、これら摺動部11aとシール部材11bとで中折れ機構11を構成している。
【0032】
そしてこのとき、前胴1A内部に設けた中折れジャッキブラケット12と後胴1Bの最前部(詳細には前記摺動部11aの内周側)に設けたリングガーダ13に取り付けた中折れジャッキブラケット13aとの間に、周方向に複数本(例えば8本)の中折れジャッキ(前胴推進ジャッキ)14が設けられている。そして、曲線施工時あるいは掘進方向修正時において、これら中折れジャッキ14の伸縮動作により前記中折れ機構11を介して前胴1Aを後胴1Bに対して曲げ、それらのなす角度を変化させて掘進方向を変えられるようになっている。
【0033】
また、後胴1Bに設けた前記のリングガーダ13の前記中折れジャッキブラケット13aとは異なる周方向位置にはシールドジャッキブラケット13bが設けられており、このシールドジャッキブラケット13bに周方向に複数本(例えば10本)のシールドジャッキ15が取り付けられている。
【0034】
そして、これらシールドジャッキ15は、特に詳細図示を省略するが、例えば等間隔に環状に配置されており、それらを伸長させてシールドジャッキ15の掘進方向後端部15aに接続されたスプレッダ16を既設のセグメントリングSに押し付けることにより、その押し付け反力が前胴1Aを介してカッタヘッド3に掘進方向前方側へ推進力として与えられる。これにより、掘進中においてカッタヘッド3を地山の切羽に押し付けるようになっている。
【0035】
前記のスクリューコンベア6は、その吸い込み口6dが掘削室Pの下部に開口しており、掘削土砂の排土経路を内部に形成するケーシング6aと、このケーシング6a内に軸方向に配置されたスクリューシャフト6bと、このスクリューシャフト6bを回転駆動する駆動装置、例えば油圧モータ6cとを備えており、油圧モータ6cの駆動力でスクリューシャフト6bが回転することにより、掘削室P下部に設けられた吸い込み口6dから土砂を取り込んでシールド本体1内後方へと排出するようになっている。
【0036】
なお、後胴1Bの後端部には、複数のテールパッキン8aを備えたテールシール部8が設けられており、これによって、前進していくシールド掘進機のシールド本体1の後端部と前記セグメントリングSとの間のシールを行い、シールド掘進機外から機内への水及び土砂の浸入防止を図るようになっている。
【0037】
前記のエレクタ装置9は、前記後胴1Bの内周に沿って配置されたガイドローラ16により案内され、旋回用モータ17によって旋回駆動されるエレクタリング18を備えており、前記セグメントリングSの分割ピースを構成するセグメント(図示せず)を1つずつ吊り上げ、所定の組立位置に搬送し、シールド本体1の軸方向(掘進前後方向)に隣接する既設セグメントリングS及び周方向に隣接する既設セグメントに順次ボルト締結してセグメントリングSを組み立てるようになっている。
【0038】
図2は図1中II−II断面によるシールド掘進機の横断面図である。以下、先の図1及びこの図2を用いて前記のカッタ駆動装置10について説明する。
これら図1及び図2において、カッタ駆動装置10は、前記回転軸4の後方側に回転軸4とほぼ平行な状態で所定の距離偏心して設けられた偏心軸20と、この偏心軸20に摺動メタル21(図1参照)を介して回動可能に設けられた連結部材22と、この連結部材22にロッド25aの先端部がピン23(図2参照)を介して回動可能に連結され、ジャッキチューブ25bの中間部(ジャッキチューブ25bのロッド側端部とボトム側端部との間の部分)が前記隔壁2に対しピン24を介して隔壁2とほぼ平行な面方向に回動可能に連結された複数(ここでは4本。但し4本に限らずこれより少なくても多くてもよい)の伸縮ジャッキ25と、上記連結部材22にロッド26aの先端部が固定的に連結され、ジャッキチューブ26bが上記伸縮ジャッキ25と同様に隔壁2に対しピン24を介して隔壁2とほぼ平行な面方向に回動可能に連結された1本の伸縮ジャッキ26とを備えている。このような構造により、5本の伸縮ジャッキ25,26が図2中一点鎖線で示すようにそれぞれ隔壁2に対してピン24を中心に回動しつつ協働して伸縮動作すると、連結部材22が偏心軸20と共に回転軸4の軸心L回りに回転され、これにより回転軸4がカッタヘッド3と共に回転駆動されるようになっている。
【0039】
なお、上記ではジャッキチューブ25bの中間部が隔壁2に対し回動可能に連結される構造としたが、これに限らずジャッキチューブ25bのボトム側端部が隔壁2に対して回動可能に連結される構造としてもよい。この場合、例えば同等の長さの伸縮ジャッキ25,26を用いるものとすると、ジャッキチューブ25bの中間部を連結する上記構造と比べて伸縮ジャッキ25,26の振り角度を小さくすることができ、周辺機器の配置の自由度を大きくすることができる。また、上記ではジャッキチューブ25bを隔壁2に対して回動可能に連結するようにしたが、これに限らず例えば隔壁2から取り出した支持部材に対して回動可能に連結するようにしてもよいし、また例えば本体シールド1側から取り出した支持部材に対し回動可能に連結するようにしてもよい。
【0040】
以上のように構成した本実施の形態のシールド掘進機の基本動作を以下に説明する。
シールド掘進機は、カッタ駆動装置10の駆動力でカッタヘッド3を回転駆動させ、地山を掘削する。このときのカッタヘッド3への推進力は、前述したように、既設のセグメントリングSを反力受けとしてシールドジャッキ15を伸長させることにより与えられる。
【0041】
掘削された土砂は、カッタヘッド3から掘削室P内に取り込まれ、掘削室P内で撹拌されて塑性流動化され、これによって地山の崩壊防止・止水が図られる。またこのとき、必要に応じ、カッタヘッド3に設けられた注入口(図示せず)から、掘削土砂の塑性流動化を促進するための作泥材が注入される。塑性流動化した土砂は、スクリューコンベア6に取り込まれて排土される。
【0042】
このようにして所定距離(例えばシールドジャッキ15の1ストローク分の距離)だけ掘進を行った後、シールドジャッキ15を縮め、スプレッダ16と既設のセグメントリングSとの間に生じたスペースに、エレクタ装置9で新たなセグメントリングSを組み立てて配置し、既設のセグメントリングSとボルト連結する。このとき、セグメントリングSの周囲にできる空洞部分には例えば図示しない注入手段で裏込め材が注入され、これによりこの空洞部分が埋められる。
【0043】
そして、上記新たに配置したセグメントリングSを再び反力受けとしてシールドジャッキ15を伸長してシールド本体1を前方へ推進させつつ、カッタヘッド3を回転させて再び地山の掘削を行っていく。
【0044】
以上の手順を繰り返し、円形断面のトンネルを構築する。なお、シールド掘進機が通過した後のセグメントリングSの周囲の土砂に対しては、例えば図示しない注入手段で時効硬化する裏込め材を注入充填し、トンネル壁面を地山に固定する。
【0045】
以上のような構成及び動作を行う本実施形態のシールド掘進機によれば、以下の効果を得られる。
本実施形態においては、前述したように、カッタヘッド3の回転軸4の後方側に設けられた偏心軸20を、連結部材22を介して5本の伸縮ジャッキ25,26により回転軸4の軸心L回りに回転させることにより、カッタヘッド3を回転駆動する。
【0046】
ここで、前述した従来技術のように伸縮ジャッキ25,26のボトム側端部をそれぞれシールド本体1の内側に連結した構造とした場合、伸縮ジャッキ25,26の占有径はシールド本体1内径のほぼ全体に及んでしまうため、シールド本体1内側に環状に配設されシールド本体1に掘進方向への推進力を与えるための複数のシールドジャッキ15を、伸縮ジャッキ設置部分に対し後方にずらして配置せざるを得なくなる。その結果、シールド掘進機の機長の増大を招いてしまう。
【0047】
これに対し、本実施形態においては、伸縮ジャッキ25,26のロッド側端部を連結部材22に回動可能に連結すると共に、ボトム側についてはシリンダチューブ25b,26bを隔壁2に対しピン24を介して隔壁2とほぼ平行な面方向に回動可能に連結する。このように、伸縮ジャッキ25,26のボトム側を上記従来技術のようにシールド本体1の内側でなく隔壁2に対して連結する構造とすることにより、伸縮ジャッキ25,26の長さを短くすることができる。その結果、伸縮ジャッキ25,26のシールド本体1に対する占有径が小さくなり、図1に示すように、シールド掘進機の軸方向における伸縮ジャッキ25,26の設置領域にシールドジャッキ15を配設することが可能となるため、シールド掘進機の機長を短くすることができる。したがって、本実施形態によれば、シールド掘進機の小型化を図ることができる。また、このようにシールド掘進機の機長を短くすることができる結果、シールド掘進機の地中への出し入れ等を行う立抗の口径を小さくすることができ、さらにトンネルのカーブ部分等を掘削する場合における方向制御も容易となる。
【0048】
また本実施形態においては、連結部材22に連結した5本の伸縮ジャッキのうち、伸縮ジャッキ26については連結部材22と固定的に連結した構造とする。これにより、例えば全ての伸縮ジャッキ25,26と連結部材22とを回動可能に連結した構造の場合には、伸縮ジャッキ25,26の伸縮動作に伴い連結部材22が偏心軸20を中心に回転し、伸縮ジャッキ25,26の伸縮運動を偏心軸20の回転運動に確実に変換できない恐れがあるのに対し、本実施形態によればこのような連結部材22の回転を防止することができる。これにより、伸縮ジャッキ25,26の伸縮運動を偏心軸20の回転運動に確実に変換でき、安定したカッタヘッド3の回転駆動を得ることができる。
【0049】
なお、このように伸縮ジャッキ26と連結部材22とを固定的に連結することにより、伸縮ジャッキ26には、偏心軸20回りに回転しようとする連結部材22の回転力が反力として作用するため、横荷重が発生する。そこで伸縮ジャッキ26の強度を向上させるために、伸縮ジャッキ26に伸縮ガイド部材を設けてもよい。図3はこの伸縮ガイド部材を伸縮ジャッキ26に設けたときのシールド掘進機の側断面図、図4は図3中IV−IV断面によるシールド掘進機の横断面図である。なお、これら図3及び図4において、前述の図1及び図2と同様の部分には同符号を付し説明を省略する。
【0050】
図3及び図4において、伸縮ガイド部材29は内筒29aと外筒29bからなる二重筒構造となっており、内筒29aは外筒29b内に摺動可能に設けられている。内筒29aの径方向中心側端部は連結部材22に固定されており、伸縮ジャッキ26のジャッキチューブ26bの径方向外側端部は外筒29bの内側に固定されている。また、外筒29bは前記隔壁2に対しピン24を介して隔壁2とほぼ平行な面方向に回動可能に連結されている。このような構造により、伸縮ジャッキ26が伸縮すると、伸縮ガイド部材29の内筒29aと外筒29bとが摺動して伸縮ジャッキ26の伸縮動作を軸方向にガイドする役目を果たす。なお、内筒29aと外筒29bとの摺動は、伸縮ジャッキ26が伸びきった際に内筒29aと外筒29bとが互いに係止しあい、停止する構造となっている。
【0051】
このように伸縮ガイド部材29を設けることにより、伸縮ジャッキ26の横荷重に対する強度を増大させることができるので、カッタヘッド駆動装置10の信頼性、ひいてはシールド掘進機の信頼性を向上することができる。また、伸縮ジャッキ26を大きな横荷重に対して信頼性のある構造とすることができる結果、伸縮ジャッキ25の本数を増やしてカッタヘッド3のトルクを大きくすることも可能となる。図5に例えば伸縮ジャッキ25を8本に増やした場合の例を示す。
【0052】
次に、本発明のシールド掘進機の他の実施の形態を図6及び図7を用いて説明する。本実施形態は、偏心軸と伸縮ジャッキとの連結に連結部材を用いずに、伸縮ジャッキの先端部を偏心軸に当接させて偏心軸を回転させるようにしたものである。
【0053】
図6は本発明のシールド掘進機の他の実施の形態の全体構造を表す側断面図、図7は図6中VII−VII断面によるシールド掘進機の横断面図である。なお、図7では後述するガイドリング36を図示省略している。これら図6及び図7において、前述の図1及び図2と同様の部分には同符号を付し説明を省略する。
【0054】
図6及び図7において、本実施形態のシールド掘進機は、カッタヘッド3の回転軸30を隔壁2に対し回転自在に支持する支持装置31と、この支持装置31により回転自在に支持されたカッタヘッド3を回転駆動するカッタ駆動装置10’とを有している。
【0055】
カッタ駆動装置10’は、前記回転軸30の後方側に回転軸30とほぼ平行な状態で所定の距離偏心して設けられた偏心軸32と、この偏心軸32にロッド35aの先端部に設けられた摺動部材33が当接され、ジャッキチューブ35bのボトム側端部が前胴1Aの内側に対しピン34を介して回動可能に連結された複数(ここでは5本。但し5本に限らずこれより少なくても多くてもよい)の伸縮ジャッキ35と、複数の伸縮ジャッキ35のロッド先端にそれぞれ設けた複数の摺動部材33が上記偏心軸32の外周面から離間するのを防止するようにそれら摺動部材33と偏心軸32とを覆うように設けたガイドリング(カバー部材)36とを備えている。
【0056】
摺動部材33は、伸縮ジャッキ35のロッド35aの先端に固設されており、偏心軸32と当接する側には偏心軸32の外周面と同じ曲率の凹面形状に形成した摺動面33aを有している。これにより、偏心軸32の外周面と摺動部材33とが滑らかに摺動可能であるので、伸縮ジャッキ35の伸縮運動を偏心軸32の回転運動に確実に変換でき、安定したカッタヘッド3の回転駆動を得ることができる。
【0057】
以上のような構成により、5本の伸縮ジャッキ35がそれぞれ前胴1Aに対してピン34を中心に回動しつつ協働して伸縮動作すると、偏心軸32が回転軸30の軸心L’回りに回転され、これにより回転軸30と共にカッタヘッド3が回転駆動される。このとき、上記したガイドリング36により、伸長する側の伸縮ジャッキ35による押圧力に加え、縮短する側の伸縮ジャッキ35による引張力についても偏心軸32に対して作用させることができ、前述の一実施形態のような連結部材を用いた構造と同等のカッタヘッド3の回転トルクを確保できるようになっている。
【0058】
本実施形態のシールド掘進機のその他の構成及び基本動作については、前述の一実施の形態と同様であるので説明を省略する。
【0059】
以上説明した本発明のシールド掘進機の他の実施の形態によれば、以下の効果が得られる。
本実施形態においては、前述の一実施形態と同様に、カッタヘッド3の回転軸30の後方側に設けられた偏心軸32を、5本の伸縮ジャッキ35により回転軸30の軸心L’回りに回転させることにより、カッタヘッド3を回転駆動する。
【0060】
ここで、前述した従来技術のように偏心軸32と5本の伸縮ジャッキ35とを連結部材を介して連結する構造とした場合、連結部材には5本の伸縮ジャッキ35との回動連結構造(ピン結合構造)が集中配置されるため、連結部材は比較的大型の構造部材となる。このため、シールド掘進機の大型化を招く一因となる。
【0061】
これに対し、本実施形態においては、前述したように5本の伸縮ジャッキ35のロッド35a側端部に設けた摺動部材33をそれぞれ偏心軸32の外周面に摺動可能に当接させ、各伸縮ジャッキ35の伸縮駆動により偏心軸32を軸心L’回りに回転させる。このような構造とすることにより、各伸縮ジャッキ35と偏心軸32とを連結するための連結部材を不要とすることができる。これにより、比較的大型の連結部材が不要となる分占有スペースを小さくすることができるので、シールド掘進機を小型化することができる。また、連結部材が不要となる結果、前述の一実施形態で述べた固定連結の伸縮ジャッキ26に設ける伸縮ガイド部材29についても不要とすることができる。これにより、シールド掘進機のさらなる小型化を図ることができる。
【0062】
また本実施形態によれば、連結部材が不要となる結果、前述の一実施形態の伸縮ジャッキ26のような連結部材22と固定的に連結した伸縮ジャッキが不要となるため、全ての伸縮ジャッキ35の形状を同等にすることができ、構造を簡素化することができる。
【0063】
次に、本発明のシールド掘進機のさらに他の実施の形態を図8を用いて説明する。本実施形態は、先に述べた本発明の一実施の形態の構造を大口径のシールド掘進機に適用したものであり、それに伴い掘削室内の土砂を撹拌するための混練装置を設けたものである。
【0064】
図8は本発明のシールド掘進機のさらに他の実施の形態の全体構造を表す側断面図である。
この図8において、本実施の形態のシールド掘進機は、シールド本体41と、このシールド本体41の機内と掘削室Pとを隔離する隔壁42と、前記シールド本体41の掘進方向前方側(図8中左側)に設けられ、地山の切羽を掘削して掘削室Pへ取り込むカッタヘッド43と、このカッタヘッド43の回転軸44と、この回転軸44を前記隔壁42に対し回転自在に支持する軸受装置45と、前記掘削室P内に取り込まれた掘削土砂を前記シールド本体1の掘進方向後方側(図8中右側)に搬送し排出する排土装置(ここではスクリューコンベア)46と、前記シールド本体41内に設けられ、トンネル(図示せず)の内面を覆工するセグメントリングSを順次組み立てるエレクタ装置49と、前記軸受装置45により回転自在に支持されたカッタヘッド回転軸44を回転駆動するカッタ駆動装置50と、掘削室P内の土砂を撹拌するための混練装置51とを有している。
【0065】
カッタ駆動装置50は、前記回転軸44の後方側に回転軸44とほぼ平行な状態で所定の距離偏心して設けられた中空構造の偏心軸52と、この偏心軸52に摺動メタル53を介して回動可能に設けられた連結部材54と、この連結部材54にロッド57aの先端部がピン55を介して回動可能に連結され、ジャッキチューブ(図示せず)が前記隔壁42に対しピン(図示せず)を介して隔壁42とほぼ平行な面方向に回動可能に連結された複数(例えば8本。ここでは前述の一実施の形態と同様に周方向4箇所において前後方向に2本ずつ配置している。なお、8本に限らずこれより少なくても多くてもよい)の伸縮ジャッキ57と、径方向中心側が上記連結部材54に固定的に連結され、径方向外周側は隔壁42に対しピン56を介して隔壁42とほぼ平行な面方向に回動可能に連結されたガイド部材58とを備えている。なお、本実施形態のシールド掘進機は大口径であるため、カッタヘッド43を回転させるのに必要なトルクを得るために、上記各伸縮ジャッキ57は各周方向位置において前後方向に2本ずつ配設した構造となっている。
【0066】
このような構造により、8本の伸縮ジャッキ57がそれぞれ隔壁42に対してピンを中心に回動しつつ協働して伸縮動作すると、連結部材54がガイド部材58により偏心軸52回りの回転を抑制されながら偏心軸52と共に回転軸44の軸心L”回りに回転され、これにより回転軸44と共にカッタヘッド43が回転駆動されるようになっている。
【0067】
混練装置51は、掘削室P内に配置された撹拌部材60と、この撹拌部材60の回転軸61を前記隔壁42に対し回転自在に支持する軸受装置62と、前記回転軸61に設けられた歯車63と、前記回転軸44の所定の周方向位置に回転自在に支持され、上記歯車63及び前記軸受装置45の内周面に形成された内歯64のそれぞれに噛み合った歯車65とを備えている。
【0068】
このような構造により、伸縮ジャッキ57が伸縮駆動して偏心軸52を介して回転軸44が回転すると、その回転に伴って歯車65及び歯車63が回転し、その結果、回転軸61と共に撹拌部材60が増速されて回転されるようになっている。
その他の構成及び基本動作は前述の一実施の形態と同様であるので、説明を省略する。
【0069】
以上説明した本発明のシールド掘進機のさらに他の実施の形態によれば、前述した一実施の形態と同様に、伸縮ジャッキ57及びガイド部材58を隔壁42に対して回動可能に連結する構造とするので、伸縮ジャッキ57及びガイド部材58の長さを短くすることができる。その結果、シールド掘進機の機長の増大を抑制し、シールド掘進機の小型化を図ることができる。
【0070】
さらに本実施の形態によれば、混練装置51を設けたので、掘削室P内における土砂の混練性を大幅に向上することができる。この点について、以下に説明する。
本実施の形態のように大口径のシールド掘進機においては、カッタヘッドも大口径となるため、カッタヘッド3と回転軸44との間(すなわち掘削室P内)の周方向複数箇所に中間支持構造として支持脚66(図8参照)を設ける場合がある。この場合、支持脚66は周方向複数箇所に環状に配置されるため、掘削室P内におけるこれら複数の支持脚66に囲まれたエリアP1では土砂が滞留しやすくなり、土砂の固着・閉塞を引き起こす恐れがある。
【0071】
これに対し、本実施形態では、上述したように混練装置51により掘削室PのエリアP1内を撹拌することができ、土砂の固着・閉塞を防止することができる。しかも、上述したようにカッタヘッド43の回転軸44が回転駆動されることにより混練装置51も駆動されるため、混練装置51用の動力を別途用意する必要もない。したがって、本実施形態によれば、掘削室P内における土砂の混練性を大幅に向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明のシールド掘進機の一実施の形態の全体構造を表す側断面図である。
【図2】図1中II−II断面によるシールド掘進機の横断面図である。
【図3】伸縮ジャッキに伸縮ガイド部材を設けた変形例におけるシールド掘進機の全体構造を表す側断面図である。
【図4】図3中IV−IV断面によるシールド掘進機の横断面図である。
【図5】伸縮ジャッキを8本に増やした変形例におけるシールド掘進機の横断面図である。
【図6】本発明のシールド掘進機の他の実施の形態の全体構造を表す側断面図である。
【図7】図6中VII−VII断面によるシールド掘進機の横断面図である。
【図8】本発明のシールド掘進機のさらに他の実施の形態の全体構造を表す側断面図である。
【符号の説明】
【0073】
1 シールド本体
2 隔壁
3 カッタヘッド
4 回転軸
20 偏心軸
22 連結部材
25 伸縮ジャッキ
25b ジャッキチューブ
26 伸縮ジャッキ
26b ジャッキチューブ
29 伸縮ガイド部材
30 回転軸
32 偏心軸
33 摺動部材
33a 摺動面
35 伸縮ジャッキ
36 ガイドリング(カバー部材)
41 シールド本体
42 隔壁
43 カッタヘッド
44 回転軸
52 偏心軸
54 連結部材
57 伸縮ジャッキ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トンネルの掘削を行うシールド掘進機において、
シールド本体と、
このシールド本体の前方側端部に設けられ切羽側と前記シールド本体内部とを隔離する隔壁と、
この隔壁の前方に回転自在に設けられ、切羽の掘削を行うカッタヘッドと、
このカッタヘッドの回転軸軸心に対して偏心して設けた偏心軸と、
この偏心軸に回動可能に設けた連結部材と、
一方側が前記連結部材に回動可能に連結され、他方側が前記隔壁に対し前記隔壁とほぼ平行な面方向に回動可能に連結された複数の伸縮ジャッキとを備えたことを特徴とするシールド掘進機。
【請求項2】
請求項1記載のシールド掘進機において、前記伸縮ジャッキのジャッキチューブを前記隔壁とピン結合により連結したことを特徴とするシールド掘進機。
【請求項3】
請求項2記載のシールド掘進機において、前記複数の伸縮ジャッキのうちの1本と前記連結部材とを固定的に連結したことを特徴とするシールド掘進機。
【請求項4】
請求項3記載のシールド掘進機において、前記連結部材と固定的に連結した伸縮ジャッキに伸縮ガイド部材を設けたことを特徴とするシールド掘進機。
【請求項5】
トンネルの掘削を行うシールド掘進機において、
シールド本体と、
このシールド本体の前方側端部に設けられ切羽側と前記シールド本体内部とを隔離する隔壁と、
この隔壁の前方に回転自在に設けられ、切羽の掘削を行うカッタヘッドと、
このカッタヘッドの回転軸軸心に対して偏心して設けた偏心軸と、
一方側端部が前記偏心軸の外周面に摺動可能に当接された複数の伸縮ジャッキとを備えたことを特徴とするシールド掘進機。
【請求項6】
請求項5記載のシールド掘進機において、前記複数の伸縮ジャッキの一方側端部に凹面形状の摺動面を有する摺動部材をそれぞれ設けたことを特徴とするシールド掘進機。
【請求項7】
請求項6記載のシールド掘進機において、前記摺動部材が前記偏心軸外周面から離間するのを防止するように、前記偏心軸と前記複数の摺動部材とを覆うカバー部材を設けたことを特徴とするシールド掘進機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−90002(P2006−90002A)
【公開日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−276087(P2004−276087)
【出願日】平成16年9月22日(2004.9.22)
【出願人】(000207780)大豊建設株式会社 (77)
【出願人】(000005522)日立建機株式会社 (2,611)
【Fターム(参考)】