説明

シールホルダ、防水型コネクタ、及び防水型コネクタの実装構造

【課題】ハウジングへの組み付け作業性が容易であり、さらにコストの上昇を抑えながらシールゴムを確実にハウジングに固定することのできるシールホルダを提供する。
【解決手段】第1セグメント61と第2セグメント62に区分されるシールホルダ60は、隣り合うセグメントの間に接続部63を備えている。接続部63は、ヒンジ部64とロック部65を備えている。ヒンジ部64は、第1セグメント61と第2セグメント62の間に一体的に形成され、両者を繋ぐ。ロック部65は、シールホルダ60をハウジングに装着する際に、隣り合う第1セグメント61と第2セグメント62を相互にロックし、第1セグメント61とに一体的に形成される第1ロック片66と、第2セグメント62に一体的に形成される第2ロック片67と、から構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、防水型の電気コネクタにおいて、環状のシールゴムがハウジングから脱落するのを防止するシールホルダに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えばエンジンルームのように水のかかる可能性のある場所に設けられる電子機器に使用される電気コネクタには防水構造が採用されている。この防水型コネクタは、環状のシールゴムを用い封止部を形成することで水が浸入するのを阻止する。
従来、シールゴムは、特許文献1に記載のように、コネクタのハウジングに設けた爪部に係止させることで、ハウジングに保持する構造が知られている。
また、特許文献2に記載されているように、コネクタハウジングの周囲に溝を形成し、その溝にシールゴムを嵌め込む構造も知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−9845号公報
【特許文献2】特開平10−172643号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1は、爪部に係止させているだけであるから、ハウジングを抜去する際にシールゴムが脱落することがある。また、特許文献2は、シールゴムの脱落を防止するために、溝の周囲に突起を形成しており、これを射出成形で作製すると、金型分割のためのパーティングラインがハウジングのシール面を横切る結果となり、防水性が低下する恐れがある。また、特許文献2は、防水性能を確保するために、コネクタハウジング(以下、単にハウジング)を筐体側に直接的に固定することができない。そのために、小型の電子機器のみに使用が限定されてしまう。また、相手側コネクタとの嵌合時の負荷が、回路基板に直接加わってしまい、回路基板上の電子部品に悪影響を及ぼす恐れがある。
特許文献1、特許文献2のようにハウジングにシールゴムを保持する部分を設けるのではなく、ハウジングとは別体の固定部材(シールホルダ)を用意し、この部材でシールゴムを固定することは容易に予測できる。しかしこの場合、シールゴムの固定を確実に行なえることはもちろん、ハウジングへの組み付けが容易であり、さらにコストの上昇を抑えることが必要である。
そこで本発明は、ハウジングへの組み付け作業性が容易であり、さらにコストの上昇を抑えながらシールゴムを確実にハウジングに固定することのできるシールホルダを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のシールホルダは、防水型コネクタのハウジングに装着されることで、シールゴムをハウジングに固定するものであり、以下の特徴を備えている。
本発明のシールホルダは、複数のセグメントを備えており、環状をなしている。
隣り合うセグメントの間には、接続部が設けられている。この接続部は、ヒンジ部とロック部とからなる。
ヒンジ部は、隣り合うセグメントの間に一体的に形成され、隣り合うセグメントを繋ぐ。
ロック部は、シールホルダをハウジングに装着する際に、隣り合うセグメントを相互にロックする。具体的には、一方のセグメントに一体的に形成される第1ロック片と、他方のセグメントに一体的に形成される第2ロック片と、からロック部は構成され、シールホルダをハウジングに装着する際に、第1ロック片と第2ロック片は互いに係合されることで、隣り合うセグメントをロックする。
【0006】
本発明のシールホルダは、複数のセグメントをヒンジ部で繋いだ一体構造をなしているので、ハウジングに装着する組み付け作業性がよいのに加えて、部品点数を低減できるので、コストの上昇を抑えることができる。
本発明のシールホルダは、ハウジングに一体的に形成するのに比べると任意の形状にできるので、ハウジングに装着することで、ハウジングにシールゴムを確実に固定するのに有利である。したがって、シールゴムの脱落を確実に防止することができる。シールホルダを装着する際には、後述する実施形態の説明から明らかなように、ねじりが生じるような負荷をシールゴムに与えることがないため、防水性を確保できる。
【0007】
本発明のシールホルダが、第1セグメントと第2セグメントという2つのセグメントからなる場合、第1セグメントと第2セグメントの互いの対向端部の間に接続部を設けることが好ましい。この場合、互いの対向端部の間をヒンジ部が繋ぐとともに、第1セグメントの対向端部に第1ロック片を、また、第2セグメントの対向端部に第2ロック片を設ける。
2つのセグメントからなるこのシールホルダは、互いが近づく向きに力を加える一つの操作で、セグメント同士をロックすることができるので、組み付け作業性が向上する。
【0008】
本発明のシールホルダは、ハウジングの外形形状に合わせたガイドを備えることが好ましい。
シールホルダは、ロックが解除された開口径の広い状態でハウジングに挿入し、所定位置まで移動させた後にロック部をロックさせる。そうすると、シールホルダの開口径が狭くなり、シールホルダはハウジングに組み付けられる。ハウジングに挿入され、所定位置まで移動させる際に、シールホルダがハウジングに対して位置づれを起こすと、組み付けに支障をきたす恐れもある。そこで、ハウジングの外形形状を相手方のガイドとし、これに対応するガイド、例えば窪み、突起などをシールホルダにも設けることで、シールホルダを正しい位置に装着するのを補助する。
【0009】
以上の本発明のシールホルダを備える防水性コネクタは、以下の構成を備えている。つまり、相手側コネクタとの電気的接続を担うコンタクトと、コンタクトを保持するハウジングと、ハウジングの周囲に装着されるシール部材と、シール部材の一方又は双方に隣接して配置され、シール部材をハウジングに固定する上述した本発明のシールホルダと、を備える防水型コネクタを本発明は提供する。
【0010】
以上の本発明の防水型コネクタを備える実装構造は、以下の構成を備える。つまり、筐体と、筐体内に固定された回路基板と、回路基板に実装され、この筐体に形成された配置窓を介して相手コネクタに接続される上述した本発明の防水型コネクタとを備えた防水型コネクタの実装構造を本発明は提供する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ハウジングへの組み付け作業性が容易であり、さらにコストの上昇を抑えながらシールゴムを確実にハウジングに固定することのできるシールホルダが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本実施形態における電気コネクタ(オスコネクタ)を示し、(a)は斜視図、(b)は図2(b)の1b−1b断面図である。
【図2】本実施形態における電気コネクタを示し、(a)は平面図、(b)は側面図である。
【図3】本実施形態における電気コネクタを示し、図2(b)の3b−3b断面図である。
【図4】本実施形態におけるシールホルダを示す三面図である。
【図5】本実施形態におけるシールホルダを挿入し始めた電気コネクタを示し、(a)は平面図、(b)は側面図である。
【図6】本実施形態におけるシールホルダを挿入する途中の電気コネクタを示し、(a)は平面図、(b)は側面図である。
【図7】本実施形態におけるシールホルダの装着が完了した電気コネクタを示し、(a)は平面図、(b)は側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいてこの発明を詳細に説明する。
本実施の形態による電気コネクタ(オスコネクタ)20は、図3に示すように、電子機器1に組み付けて使用される防水型コネクタである。電子機器1は、筐体ケース3より外側に回路基板2が設けられるとともに、さらに回路基板2よりも外側を覆う金属製の筐体カバー4と、を備えている。オスコネクタ20は、回路基板2と電気的に接続されるとともに、図示しない相手側の電気コネクタと接続される。筐体カバー4には、オスコネクタ20が配置される矩形状のコネクタ配置窓5が形成されている。オスコネクタ20は、このコネクタ配置窓5を貫通して、一部が筐体カバー4内に収容され、筐体カバー4内に配置される回路基板2と接続され、一部は筐体カバー4の外部に露出する。筐体カバー4は、コネクタ配置窓5に沿って筐体カバー4の外周にフランジ上に立設するシール壁6を備えている。オスコネクタ20は、シール壁6の内周側に密着されるシールゴム35を設けることにより、コネクタ配置窓5を介した電子機器1への水の浸入を防ぐ。
なお、回路基板2には、図示しない各種の電子素子、配線パターンが実装されている。また、各図において、シールゴム35は、その形状を理解できるようにするために、押し潰されていない状態で示されている。
【0014】
[オスコネクタ20]
オスコネクタ20は、図1〜図3に示すように、オスハウジング21と、オスハウジング21に収容される複数のオス型のコンタクト22と、を備えている。なお、オスコネクタ20において、相手側のメスコネクタ(図示せず)と接続される側を前、その逆側で図示しない電線が引き出される側を後と定義する。
【0015】
オスハウジング21は、絶縁性の樹脂の射出成形品であり、基部23と、基部23の前方側に設けられる2つの受容部24と、受容部24よりも後端側に位置し、オスコネクタ20を筐体ケース3に固定する3つの固定台座38と、を備えている。
【0016】
基部23は、楕円形状の外形を有しており、後述する受容部24よりも径方向の外周に張り出して形成されている。
基部23には、ゴム配置部30と、ゴム配置部30よりも後方側に設けられるゴム支持部31と、ゴム配置部30よりも前方側に設けられるホルダ配置部33と、を周方向に沿って備えている。なお、ホルダ配置部33には、図3(b)に示すように、基部23の長径方向に沿って保持溝33aが形成されており、シールホルダ36の末端側を保持する。
ゴム配置部30の外周面は周方向の全長に亘って平坦面とされており、その周囲にその周囲にシールゴム35が嵌合される。
ゴム支持部31は、ゴム配置部30よりも径が大きく外周に張り出して形成されている。したがって、シールゴム35をゴム配置部30に嵌合させると、ゴム支持部31は後方側からシールゴム35を支持するとこで、シールゴム35の後方側への位置ずれを防ぐ。
【0017】
基部23のゴム支持部31(シールゴム35)よりも前方側には、シールホルダ60が設けられている。シールゴム35をゴム配置部30に嵌合させると、シールホルダ60は前方側からシールゴム35を支持するとこで、シールゴム35の前方側への位置ずれを防ぎながら固定する。シールホルダ60は、オスコネクタ20とは別体として作製され、シールゴム35をゴム支持部31の周囲に配置した後に、所定の位置に設けられる。
【0018】
次に、各々の受容部24には、表裏を貫通する保持孔26が形成された保持壁25と、保持壁25の周縁から前方に向けて立ち上がるフード27と、を備えている。コンタクト22は、保持孔26に圧入されることで保持壁25に保持され、保持壁25よりも前方側がフード27内に収容され、保持壁25よりも後方側は筐体カバー4の内部に収容される。
保持壁25には、図2に示すように、後方に向けて突出する突出部28が形成されており、この突出部28には、後方に開口するねじ孔29が形成されている。オスコネクタ20は、固定台座38を介して筐体ケース3にボルト(図示省略)により固定されるとともに、回路基板2を貫通するボルトBが突出部28のねじ孔29に捩じ込まれることにより、電子機器1に組み付けられる。
【0019】
オスコネクタ20は、固定台座38を介して筐体ケース3にボルトにより固定されるとともに、回路基板2を貫通するボルトBが突出部28のねじ孔29に捩じ込まれることにより、電子機器1に組み付けられる。
電子機器1に組み付けられると、オスコネクタ20のシールゴム35の先端が筐体カバー4のシール壁6の内周面(シール面)に密着されることにより、筐体カバー4とオスコネクタ20の間が封止され、筐体カバー4内の防水性が確保される。
【0020】
[シールホルダ60]
楕円形状をなすシールホルダ60は、図4に示すように、第1セグメント61、第2セグメント62に区分される。この例では、シールホルダ60は長手方向(図4のx方向)の両端で区分されており、第1セグメント61及び第2セグメント62は対象の位置に配置される。
【0021】
第1セグメント61と第2セグメント62の一方の間には第1接続部63が設けられ、他方の間には第2接続部68が設けられている。
第1接続部63は、第1ヒンジ部64と第1ロック部65からなる。
第1ヒンジ部64は、第1セグメント61の一方端と第2セグメント62の一方端を、第1セグメント61と第2セグメント62が分離されないように、繋いでいる。
第1ロック部65は、第1セグメント61の一方端に形成される第1ロック片66と、第2セグメント62の一方端に形成される第2ロック片67と、からなる。第1ロック片66には、その先端にロック突起66aが形成され、第2ロック片67には、その基端部にロック溝67aが形成される。シールホルダ60がオスハウジング21に装着されている時には、ロック突起66aがロック溝67aに挿入されることで第1ロック部65がロック状態となる。
第2接続部68も、第1接続部63と同様に構成されている。したがって、第1接続部63と同様の要素については同じ符号を付しておく。ただし、第2接続部68について言及する時には、第2ヒンジ部64、第2ロック部65というように、第1接続部63の要素と区別して呼ぶことにする。
なお、本実施形態のように、第1セグメント61と第2セグメント62の一方の間に第1接続部63を設け、かつ他方の間に第2接続部68を設けるので、シールホルダ60(第1セグメント61、第2セグメント62)の外周側又は内周側に接続部の要素(ヒンジ部、ロック部)が占有する領域を小さくできる。もっとも、周囲のスペースが許すのであれば、シールホルダ60の外周側又は内周側に接続部の要素が張出すように設けることを本発明は許容する。
【0022】
第1セグメント61の内側には第2セグメント62に向けて突出する位置決め突起69が形成され、また、第2セグメント62の内側にも第1セグメント61に向けて突出する位置決め突起69が形成されている。位置決め突起69、69は、互いに対向する位置に配置されている。位置決め突起69、69は、シールホルダ60をオスハウジング21に装着する際に、オスハウジング21の2つのフード27の間の隙間に挿入されることで、シールホルダ60が適切な位置を通ってシールゴム35までたどり着くように2つのフード27により案内される。
また、第1セグメント61及び第2セグメント62には、4つの窪み70が形成されている。シールホルダ60をオスハウジング21に装着する際に、シールホルダ60が適切な位置を通ってシールゴム35までたどり着くように、フード27の外壁に形成されたガイド壁27aに、窪み70が案内されながらシールゴム35までたどり着く。つまり、2つのフード27の間隔と、位置決め突起69の幅とが適合するように作製されている。
【0023】
[シールゴムの固定手順]
以下、図5〜図7を参照してオスコネクタ20にシールゴム35を固定する手順を説明する。
始めに、図5に示すように、シールゴム35をゴム配置部30まで挿入して後方よりゴム支持部31に支持させておく。
オスコネクタ20の前端側よりシールホルダ60をシールゴム35に向けてフード27の周囲に挿入する。なお、シールホルダ60は、図5に示されるように、ロックがなされていない、解除状態にある。このとき、第1セグメント61の位置決め突起69及び第2セグメント62の位置決め突起69が、2つのフード27の間に挿入されるので、シールホルダ60はその長手方向に位置決めされる。また、窪み70の内側にフード27に形成された一対のガイド壁27a,27aが隙間なく挿入されるので、シールホルダ60はその短手方向(図4のy方向)に位置決めされる。なお、位置決め突起69による位置決めは、シールホルダ60が奥(シールゴム35)に達するまで継続されるが、窪み70による位置決めはガイド壁27a,27bが途中で途切れるまでに限定される。
【0024】
さらにシールホルダ60を奥に向けて押し込み、図6に示すように、ガイド壁27a,27bを通過させる。そうすると、ガイド壁27a,27bによる拘束がなくなるので、解除状態にあるシールホルダ60の第1セグメント61と第2セグメント62を長手方向及び短手方向の内向きに力を加えると、第1セグメント61と第2セグメント62を相対的に接近させることができる。ただし、この操作は、シールホルダ60を奥まで押し込んでから行われる。
【0025】
シールホルダ60を奥まで押し込んだら、図7に示すように、シールホルダ60の第1及び第2ロック部65をロックさせる。そのためには、第1セグメント61と第2セグメント62を長手方向及び短手方向の内向きに力を加える。そうすると、第1ロック片66のロック突起66aが第2ロック片67のロック溝67aに挿入されることで第1ロック部65がロックされる。第2ロック部65も同様である。
【0026】
解除状態に比べてロック状態になると、シールホルダ60は径が縮小される。このシールホルダ60の縮径を吸収するために、オスハウジング21に保持溝33が周方向に沿って形成されている。シールホルダ60は、オスハウジング21に装着されてシールゴム35を固定するときに、保持溝33の内部にその内側の先端が保持溝33の内部に挿入される。こうして、シールホルダ60は、シールゴム35をオスハウジング21に固定する。
【0027】
[電子機器1への組み付け」
シールホルダ60を装着した後に、オスコネクタ20を電子機器1に組み付ける。その手順は概略以下の通りである。
始めに、オスコネクタ20を筐体ケース3、回路基板2に組み付ける。この組み付けは、前述した通り、固定台座38を介して筐体ケース3にボルト(図示省略)により固定するとともに、回路基板2を貫通するボルトBを突出部28のねじ孔29にねじ込むことにより行なわれる。
【0028】
次いで、筐体カバー4を設置する。筐体カバー4のコネクタ配置窓5に対して位置決めしながら、筐体カバー4を回路基板2に向けて押込むことで、オスコネクタ20をコネクタ配置窓5に挿通させる。
筐体カバー4を奥まで押し込んだ後に、図示しない相手側のコネクタをオスコネクタ20に嵌合させる。
【0029】
以上説明したように、シールホルダ60は、第1セグメント61と第2セグメント62を接続部63、68で繋いだ一体構造をなしているので、オスハウジング21に装着する組み付け作業性がよいのに加えて、部品点数を低減できるので、コストの上昇を抑えることができる。
また、シールホルダ60は、シールゴム35を固定するのに足りるサイズに形成されているので、オスハウジング21に装着することで、オスハウジング21にシールゴム35を確実に固定することができある。したがって、シールゴム35の脱落を防止することができる。シールホルダ60を装着する際には、シールゴム35を乗り越えるような動作がないので、ねじりが生じるような負荷をシールゴムに与えることがないため、防水性を確保できる。
【0030】
以上説明した実施形態では、その両脇からゴム支持部31とシールホルダ60で挟み込むことでシールゴム35を固定しているが、両脇から一対のシールホルダ60で挟み込むことでシールゴム35を固定することもできる。
また、シールホルダ60をセグメントに区分する位置は任意であり、例えば短手方向(図4のy方向)の両端で区分することもできる。また、区分数も2つに限らず、3以上の任意の数に区分することを許容する。ただし、区分数が増えると、セグメントを押し込む回数が増えるので、好ましい区分数は2つである。
さらに、以上の実施形態では第1接続部63(第2接続部68)に第1ヒンジ部64(第2ヒンジ部64)と第1ロック部65(第2ロック部65)が並列に配置されている例を示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、対向する一対の位置決め突起69の間をヒンジ部で繋ぐ一方、第1接続部63(68)に第1ロック部65(第2ロック部65)のみを設ける、という形態でも本発明の効果を享受できる。
【0031】
その他、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施の形態で挙げた構成を取捨選択し、あるいは他の構成に適宜変更することが可能である。
【符号の説明】
【0032】
1 電子機器
2 回路基板
3 筐体ケース
4 筐体カバー
5 コネクタ配置窓
6 シール壁
20 オスコネクタ
21 オスハウジング
22 コンタクト
23 基部
24 受容部
25 保持壁
26 保持孔
27 フード
27a ガイド壁
28 突出部
29 ねじ孔
30 ゴム配置部
31 ゴム支持部
33 保持溝
35 シールゴム
38 固定台座
60 シールホルダ
61 第1セグメント
62 第2セグメント
63 第1接続部
64 ヒンジ部
65 ロック部
66 ロック片
66a ロック突起
67 ロック片
67a ロック溝
68 第2接続部
69 突起
70 窪み

【特許請求の範囲】
【請求項1】
防水型コネクタのハウジングに装着されることで、シール部材を前記ハウジングに固定する環状のシールホルダであって、
複数のセグメントに区分される前記シールホルダは、隣り合う前記セグメントの間に接続部が設けられ、
前記接続部は、ヒンジ部とロック部を備え、ている。
前記ヒンジ部は、
隣り合う前記セグメントの間に一体的に形成され、隣り合う前記セグメントを繋ぎ、
前記ロック部は、
前記シールホルダを前記ハウジングに装着する際に、隣り合う前記セグメントを相互にロックし、一方の前記セグメントに一体的に形成される第1ロック片と、他方の前記セグメントに一体的に形成される第2ロック片と、から構成され、前記シールホルダをハウジングに装着する際に、前記第1ロック片と前記第2ロック片が互いに係合されることで、隣り合う前記セグメントをロックする、
ことを特徴とするシールホルダ。
【請求項2】
前記シールホルダが、第1セグメントと第2セグメントとからなり、
前記第1セグメントと前記第2セグメントの互いの対向端部の間に前記接続部を設け、
互いの前記対向端部の間を前記ヒンジ部が繋ぐとともに、
前記第1セグメントの前記対向端部に第1ロック片を、また、前記第2セグメントの前記対向端部に第2ロック片を設け、
請求項1に記載のシールホルダ。
【請求項3】
前記シールホルダは、前記ハウジングの外形形状に合わせたガイドを備える、
請求項1又は2に記載のシールホルダ。
【請求項4】
相手側コネクタとの電気的接続を担うコンタクトと、
前記コンタクトを保持するハウジングと、
前記ハウジングの周囲に装着されるシール部材と、
前記シール部材の一方又は双方に隣接して配置され、前記シール部材を前記ハウジングに固定するシールホルダと、を備える防水型コネクタであって、
請求項1〜3のいずれか一項に記載のシールホルダを前記シールホルダとして用いる、
防水型コネクタ。
【請求項5】
筐体と、前記筐体内に固定された回路基板と、前記回路基板に実装され、前記筐体に形成された配置窓を介して相手コネクタに接続される防水型コネクタと、を備えた防水型コネクタの実装構造であって、
請求項4に記載の防水型コネクタを前記防水型コネクタとして用いる、
防水型コネクタの実装構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−114831(P2013−114831A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−258532(P2011−258532)
【出願日】平成23年11月28日(2011.11.28)
【出願人】(000227995)タイコエレクトロニクスジャパン合同会社 (340)
【Fターム(参考)】