説明

シール装置

【課題】回転体の軸長の短縮化を図りながら組立性を向上させることができるシール装置を提供する。
【解決手段】ロータ2とケーシング3との間隙を介した流体の漏洩を抑制するシール装置1において、ロータシール部6の壁面8a〜8fに径方向に配設され軸方向に伸びるシールフィン9a〜9fと、シールフィン9a〜9fと互い違いに配置されるように、ケーシングシール部7の壁面10a〜10fに径方向に配設され軸方向に伸びるシールフィン11a〜11fとを備え、シールフィン9a〜9f及び11a〜11fは、ロータ2及びケーシング3の熱膨張差や流体作用による軸方向の相対移動量が所定範囲未満であるとき、シールフィン9a〜9f及び11a〜11fの先端部が互いに軸方向に離れる一方、軸方向の相対移動量が所定範囲にあるとき、その相対移動方向にあるシールフィン9a〜9c及び11a〜11cの先端部が互いに軸方向に重なるように設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転体を有する流体機械に係わり、詳細には、回転体と静止体との間隙からの流体漏洩を抑制するシール装置に関する。
【背景技術】
【0002】
流体機械の一つであるタービンは、運転時にロータ(回転体)及びケーシング(静止体)が暖められて熱膨張し、それらロータ及びケーシングの材質、形状、及び温度環境等の違いによる熱膨張差によって、ロータがケーシングに対し相対移動する。また、ロータの動翼に作用する流れ方向の流体力によって、ロータがケーシングに対し相対移動する。そのため、一般に、運転時のロータ及びケーシングの相対移動を考慮し、ロータ及びケーシングが互いに干渉しないように、ロータとケーシングとの間には僅かな間隙(ギャップ)を設けている。そして、この間隙を介した流体の漏洩を抑制するために様々な構造のシール装置が提唱されている。
【0003】
従来、シール装置の一例として、蒸気タービンのグランド部に設けたシール装置(グランドパッキングリング)が開示されている(例えば、特許文献1参照)。このシール装置は、ロータに軸方向に配設された複数のロータ側のグランドパッキンリングと、これら複数のロータ側のグランドパッキングリングの間に配置されるように、ケーシングに軸方向に配設された複数のケーシング側のグランドパッキンリングとを備えている。そして、ロータ側のグランドパッキンリングの軸方向一方側及び軸方向他方側の壁面には、軸方向に伸びる複数のフィンが径方向に配設され、対向するケーシング側のグランドパッキングリングの壁面には、軸方向に伸びる複数のフィンが径方向に配設されており、これらロータ側のフィンの先端部とケーシング側のフィンの先端部が軸方向に重なりながら径方向に互い違いとなるように配設されている。
【0004】
【特許文献1】実開昭63−132802号公報(第1図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来技術には以下のような課題が存在する。
すなわち、上記シール装置では、ロータ側のフィン及びケーシング側のフィンを径方向に配設したラビリンスシール構造とすることにより、例えばロータ側のフィン及びケーシング側のフィンを軸方向に配設するような場合と比べ、シール装置の軸方向寸法を短くすることができ、これによって回転体の軸長の短縮化が図れるようになっている。ところが、このシール装置の組込方法は、ケーシング側のグランドパッキングリングを挿入しその軸方向位置を固定する手順と、ロータ側のグランドパッキングリングを挿入しその軸方向位置を固定する手順とを繰り返し行うものである。そして、ロータ側のフィン及びケーシング側のフィンにおけるシール間隙寸法を調整するためには、ロータ側及びケーシング側のグランドパッキングリングの位置をそれぞれ調整しつつ固定しなければならず、非常に手間がかかるものとなっていた。また、ロータ側及びケーシング側のグランドパッキングリングはロータの軸端部側でなければ挿入できないため、ロータの軸端部側すなわちタービンのグランド部にしか設けることができなかった。
【0006】
本発明は、上記従来技術の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、回転体の軸長の短縮化を図りながら組立性を向上させることができるシール装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)上記目的を達成するために、本発明は、回転体と静止体との間隙を介した流体の漏洩を抑制するシール装置において、前記回転体側の壁面に径方向に配設され軸方向に伸びる複数の回転体側フィンと、前記複数の回転体側フィンと互い違いに配置されるように、前記静止体側の壁面に径方向に配設され軸方向に伸びる複数の静止体側フィンとを備え、前記回転体側フィン及び静止体側フィンは、前記回転体及び静止体の熱膨張差や流体作用による軸方向の相対移動量が所定範囲未満であるとき、前記回転体側フィン及び静止体側フィンの先端部が互いに軸方向に離れる一方、前記回転体及び静止体の熱膨張差や流体作用による軸方向の相対移動量が前記所定範囲にあるとき、前記回転体側フィン及び静止体側フィンの先端部が互いに軸方向に重なるように設ける。
【0008】
本発明においては、回転体側の壁面に径方向に配設され軸方向に伸びる複数の回転体側フィンと、これら複数の回転体側フィンと互い違いに配置されるように、静止体側の壁面に径方向に配設され軸方向に伸びる複数の静止体側フィンとを備えている。このように回転体側フィン及び静止体側フィンを径方向に配設したラビリンスシール構造とすることにより、回転体と静止体との間隙を介した流体の漏洩を抑制することができる。また、例えば回転体側フィン及び静止体側フィンを軸方向に配設するような場合と比べ、シール装置の軸方向寸法を短くすることができ、これによって回転体の軸長の短縮化を図ることができる。
【0009】
また本発明においては、例えば回転体及び静止体を有する流体機械の停止時あるいは組立時のように、回転体及び静止体の熱膨張差や流体作用による軸方向の相対移動量が所定範囲未満であるとき、回転体側フィン及び静止体側フィンの先端部が互いに軸方向に離れるようになっている。これにより、例えば流体機械の組立時に、静止体側フィンを設けた静止体に対し回転体側フィンを設けた回転体を径方向に挿入して組み込むことを意図した場合、回転体側フィンと静止体側フィンが干渉しないので、容易に組み込むことができる。一方、例えば流体機械の運転時のように、回転体及び静止体の熱膨張差や流体作用による軸方向の相対移動量が所定範囲にあるときは、回転体側フィン及び静止体側フィンの先端部が軸方向に重なるようになっている。これにより、回転体側フィンの先端部と静止体の壁面との間隙、及び静止体側フィンの先端部と回転体の壁面との間隙が小さくなり、所望のシール性能を確保することができる。
【0010】
(2)上記目的を達成するために、また本発明は、回転体と静止体との間隙を介した流体の漏洩を抑制するシール装置において、前記回転体に設けられ、軸方向寸法が径方向外側に向かって段階的に小さくなる段差部と、前記静止体に設けられ、前記回転体の段差部を覆うように軸方向寸法が径方向外側に向かって段階的に小さくなる段差溝と、前記回転体の段差部における軸方向一方側の壁面に径方向に配設され軸方向に伸びる複数の第1回転体側フィンと、前記複数の第1回転体側フィンと互い違いに配置されるように、前記静止体の段差溝における軸方向一方側の壁面に径方向に配設され軸方向に伸びる複数の第1静止体側フィンと、前記回転体の段差部における軸方向他方側の壁面に径方向に配設され軸方向に伸びる複数の第2回転体側フィンと、前記複数の第2回転体側フィンと互い違いに配置されるように、前記静止体の段差溝における軸方向他方側の壁面に径方向に配設され軸方向に伸びる複数の第2静止体側フィンとを備え、前記第1回転体側フィン及び第1静止体側フィンは、前記回転体及び静止体の熱膨張差や流体作用による軸方向の相対移動量が所定範囲未満であるとき、前記第1回転体側フィンの先端部及びその径方向内側に隣接する前記第1静止体側フィンの先端部が互いに軸方向に離れる一方、前記回転体及び静止体の熱膨張差や流体作用による軸方向の相対移動量が所定範囲にあるとき、前記第1回転体側フィンの先端部及びその径方向内側に隣接する前記第1静止体側フィンの先端部が互いに軸方向に重なるように設け、前記第2回転体側フィン及び第2静止体側フィンは、前記回転体及び静止体の熱膨張差や流体作用による軸方向の相対移動量が所定範囲未満であるとき、前記第2回転体側フィンの先端部及びその径方向内側に隣接する前記第2静止体側フィンの先端部が互いに軸方向に離れるように設ける。
【0011】
(3)上記目的を達成するために、また本発明は、回転体と静止体との間隙を介した流体の漏洩を抑制するシール装置において、前記回転体に設けられ、軸方向寸法が径方向外側に向かって段階的に小さくなる段差部と、前記静止体に設けられ、前記回転体の段差部を覆うように軸方向寸法が径方向外側に向かって段階的に小さくなる段差溝と、前記回転体の段差部における軸方向一方側の壁面に径方向に配設され軸方向に伸びる複数の回転体側フィンと、前記複数の回転体側フィンと互い違いに配置されるように、前記静止体の段差溝における軸方向一方側の壁面に径方向に配設され軸方向に伸びる複数の静止体側フィンとを備え、前記回転体側フィン及び静止体側フィンは、前記回転体及び静止体の熱膨張差や流体作用による軸方向の相対移動量が所定範囲未満であるとき、前記回転体側フィンの先端部及びその径方向内側に隣接する前記静止体側フィンの先端部が互いに軸方向に離れる一方、前記回転体及び静止体の熱膨張差や流体作用による軸方向の相対移動量が所定範囲にあるとき、前記回転体側フィンの先端部及びその径方向内側に隣接する前記静止体側フィンの先端部が互いに軸方向に重なるように設ける。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、回転体の軸長の短縮化を図りながら組立性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照しつつ説明する。
図1及び図2は、本実施形態のシール装置の構造を表す軸方向断面図であり、図1は、ケーシングに対しロータが相対移動しない状態を表し、図2は、ケーシングに対しロータが相対移動した状態を表している。また、図3は、本実施形態のシール装置が適用された蒸気タービン設備の概略構造を表す図である。
【0014】
これら図1〜図3において、シール装置1は、例えばタービンのグランド部などに設けられ、ロータ2(回転体)とケーシング3(静止体)との間隙を介した流体の漏洩を抑制するためのものである。本実施形態では、例えば一軸連結された高中圧蒸気タービン4及び低圧蒸気タービン5A,5Bにそれぞれ適用されている。このシール装置1は、ロータ2の外周側(図1及び図2中上側)の同一円周上に嵌合し固定された複数の円弧状(若しくは円環状)のロータシール部6と、ケーシング3の内周側(図1及び図2中下側)の同一円周上に嵌合し固定された複数の円弧状の(例えばケーシング3が半割れ構造である場合に半割れ構造とする)ケーシングシール部7とを備えている。
【0015】
ロータシール部6は、軸方向(図1及び図2中左右方向)寸法が径方向外側(図1及び図2中上側)に向かって段階的に小さく、かつ軸方向一方側(図1及び図2中右側)及び他方側(図1及び図2中左側)がともに階段状となるように形成された段差部を有し、この段差部における各段(本実施形態では、外周側から内周側に向かって第1段、第2段、第3段の順序とする各段)の軸方向一方側の壁面8a〜8cには、例えば円弧状(シェル状)のシールフィン9a〜9cがそれぞれ設けられ、段差部における各段の軸方向他方側の壁面8d〜8fには、例えば円弧状(シェル状)のシールフィン9d〜9fがそれぞれ設けられている。言い換えれば、シールフィン9a〜9cは、ロータシール部6の軸方向一方側の壁面8a〜8cに径方向(図1及び図2中上下方向)に配設され、シールフィン9d〜9fは、ロータシール部6の軸方向他方側の壁面8d〜8fに径方向に配設されている。
【0016】
ケーシングシール部7は、ロータシール部6の段差部を覆うように、軸方向寸法が径方向外側に向かって段階的に小さくかつ軸方向一方側及び他方側がともに階段状となるように形成された段差溝を有し、この段差溝における各段(本実施形態では、外周側から内周側に向かって第1段、第2段、第3段の順序とする各段)の軸方向一方側の壁面10a〜10cには、例えば円弧状(シェル状)のシールフィン11a〜11cがそれぞれ設けられ、段差溝における各段の軸方向他方側の壁面10d〜10fには、例えば円弧状(シェル状)のシールフィン11d〜11fがそれぞれ設けられている。言い換えれば、シールフィン11a〜11cは、ケーシングシール部7の軸方向一方側の壁面10a〜10cに径方向に配設され、シールフィン11d〜11fは、ケーシングシール部7の軸方向他方側の壁面10d〜10fに径方向に配設されている。
【0017】
ロータシール部6の軸方向一方側のシールフィン9a〜9cは、それぞれ対向するケーシングシール部7の壁面10a〜10cに向かって軸方向に伸び、ケーシングシール部7の軸方向一方側のシールフィン11a〜11cは、それぞれ対向するロータシール部6の壁面8a〜8cに向かって軸方向に伸びており、これらシールフィン9a〜9c及び11a〜11cは互い違いに配置されている。また同様に、ロータシール部6の軸方向他方側のシールフィン9d〜9fは、それぞれ対向するケーシングシール部7の壁面10d〜10fに向かって軸方向に伸び、ケーシングシール部7の軸方向他方側のシールフィン11d〜11fは、それぞれ対向するロータシール部6の壁面8d〜8fに向かって軸方向に伸びており、これらシールフィン9a〜9C及び11a〜11cは互い違いに配置されている。そして、このような一対のロータシール部6及びケーシングシール部7によって形成されるラビリンスシール構造によって、ロータ2とケーシング3との間隙を介した流体の漏洩を抑制することが可能となっている。
【0018】
ところで、例えば蒸気タービン4,5A,5Bの運転時には、ロータ2及びケーシング3が暖められて熱膨張し、それらロータ2及びケーシング3の材質、形状、及び温度環境等の違いによる熱膨張差によって、ロータ2はケーシング3に対し相対移動する。また、ロータ2の動翼(図示せず)に作用する流れ方向の流体力によって、ロータ2はケーシング3に対し相対移動する。その結果、図2に示すように、ロータシール部6はケーシングシール部7に対し径方向外側に相対移動量Xだけ移動し、軸方向一方側(詳しくは、架台12上に固定されロータ2及びケーシング3の軸方向変位を規制するノックピン13側とは反対側であり、図3に示す高中圧蒸気タービン4では左側、低圧蒸気タービン5A,5Bでは右側、図2では統一して右側)に相対移動量Yだけ移動する。なお、ケーシングシール部7に対するロータシール部6の相対移動量X,Yは、ノックピン13の位置を基準とした計算や測定等により求めることが可能である。
【0019】
そして、本実施形態の大きな特徴として、図1に示すように、例えば蒸気タービン4,5A,5Bの停止時あるいは組立時のようにケーシング3に対するロータ2の相対移動がない状態においては、ロータシール部6のシールフィン9aの先端部とケーシングシール部7の壁面10aとの間の軸方向間隙寸法YはY>Y、ケーシングシール部7のシールフィン11aの先端部とロータシール部6の壁面8aとの間の軸方向間隙寸法YはY>Y(但し本実施形態ではY=Y)、ロータシール部6のシールフィン9aの先端部とその径方向内側(図1中下側)に隣接するケーシングシール部7のシールフィン11aの先端部との間の軸方向間隙寸法YはY<Y、ロータシール部6のシールフィン9a(及び段差部の第1段における外周面)とケーシングシール部7の底面との間の径方向間隙寸法XはX>Xとなるように設けられている。
【0020】
また同様に、ロータシール部6のシールフィン9bの先端部とケーシングシール部7の壁面10bとの間の軸方向間隙寸法YはY>Y、ケーシングシール部7のシールフィン11bの先端部とロータシール部6の壁面8bとの間の軸方向間隙寸法YはY>Y(但し本実施形態ではY=Y)、ロータシール部6のシールフィン9bの先端部とその径方向内側に隣接するケーシングシール部7のシールフィン11bの先端部との間の軸方向間隙寸法YはY<Y、ロータシール部6のシールフィン9b(及び段差部の第2段における外周面)とケーシングシール部7のシールフィン11a(及び段差溝の第1段における内周面)との間の径方向間隙寸法XはX>Xとなるように設けられている。
【0021】
また同様に、ロータシール部6のシールフィン9cの先端部とケーシングシール部7の壁面10cとの間の軸方向間隙寸法YはY>Y、ケーシングシール部7のシールフィン11cの先端部とロータシール部6の壁面8cとの軸方向間隙寸法YはY>Y(但し本実施形態ではY=Y)、ロータシール部6のシールフィン9cの先端部とその径方向内側に隣接するケーシングシール部7のシールフィン11cの先端部との間の軸方向間隙寸法YはY<Y、ロータシール部6のシールフィン9c(及び段差部の第3段における外周面)とケーシングシール部7のシールフィン11b(及び段差溝の第2段における内周面)との間の径方向間隙寸法XはX>Xとなるように設けられている。
【0022】
また、ロータシール部6のシールフィン9d〜9f及びケーシングシール部7のシールフィン11d〜11fにおける間隙寸法は、上述したロータシール部6のシールフィン9a〜9c及びケーシングシール部7のシールフィン11a〜11cにおける間隙寸法と同様に設けられている。
【0023】
このようなシールフィン9a〜9f及び11a〜11fの構造配置とすることにより、例えば蒸気タービン4,5A,5Bの停止時あるいは組立時のようにケーシング3に対するロータ2の相対移動がない状態においては(言い換えれば、ロータ2及びケーシング3の熱膨張差や流体作用による軸方向の相対移動量が上記間隙寸法Y未満であるときは)、ロータシール部6のシールフィン9a〜9fの先端部とケーシングシール部7のシールフィン11a〜11fの先端部とが互いに軸方向に離れるようになっている。
【0024】
また、例えば蒸気タービン4,5A,5Bの運転時のようにケーシング3に対するロータ2の相対移動がある状態においては(言い換えれば、ロータ2及びケーシング3の熱膨張差や流体作用による軸方向の相対移動量が上記間隙寸法Yを越え、かつ上記間隙寸法Y(=Y)未満であるときは)、その相対移動方向にあるロータシール部6のシールフィン9a〜9cの先端部とケーシングシール部7のシールフィン11a〜11cの先端部とが互いに軸方向に重なり、相対移動方向とは反対側にあるロータシール部6のシールフィン9d〜9fの先端部とケーシングシール部7のシールフィン11d〜11fの先端部とが互いに軸方向にいっそう離れるようになっている。このとき、ロータシール部6のシールフィン9a〜9cの先端部とケーシングシール部7の壁面10a〜10cとがそれぞれ接触することなく近づき(それら間隙寸法YはY<Y)、ケーシングシール部7のシールフィン11a〜11cの先端部とロータシール部6の壁面8a〜8cとがそれぞれ接触することなく近づく(それら間隙寸法YはY<Y)ようになっている。また、ロータシール部6のシールフィン9d〜9fの先端部とケーシングシール部7の壁面10d〜10fとがそれぞれ軸方向にいっそう離れ(それら間隙寸法YはY>Y1)、ケーシングシール7のシールフィン11d〜11fの先端部とロータシール部6の壁面8d〜8fとがそれぞれ軸方向にいっそう離れる(それら間隙寸法YはY>Y)ようになっている。また、ロータシール部6のシールフィン9a〜9cとケーシングシール部7の底面及びシールフィン11a,11bとがそれぞれ接触することなく近づく(それら間隙寸法XはX<X)ようになっている。その結果、軸方向一方側のシールフィン9a〜9c及び11a〜11cによって形成されるラビリンスシール構造は、シール効果が増し、軸方向他方側のシールフィン9d〜9f及び11d〜11fによって形成されるラビリンスシール構造は、その効果が減少するもののシール効果が得られるようになっている。
【0025】
以上のように構成された本実施形態においては、ロータシール部6のシールフィン9a〜9c及びケーシングシール部7のシールフィン11a〜11cを径方向に配設し、ロータシール部6のシールフィン9d〜9f及びケーシングシール部7のシールフィン11d〜11fを径方向に配設したラビリンスシール構造とすることにより、ロータ2とケーシング3との間隙を介した流体の漏洩を抑制することができる。また、例えばシールフィン9a〜9f及び11a〜11fを軸方向に配設するような場合と比べ、シール装置1の軸方向寸法を短縮することができ、これによってロータ2の軸長の短縮化を図ることができる。
【0026】
また、例えば蒸気タービン4,5A,5Bの停止時あるいは組立時のようにケーシング3に対するロータ2の相対移動がない状態においては、ロータシール部6のシールフィン9a〜9fの先端部とケーシングシール部7のシールフィン11a〜11fの先端部とが互いに軸方向に離れる。これにより、例えば蒸気タービン4,5A,5Bの組立時において、ケーシングシール部7を固定したケーシング3に対しロータシール部6を固定したロータ2を径方向に挿入して組み込むことを意図した場合、ロータシール部6のシールフィン9a〜9fとケーシングシール部7のシールフィン11a〜11fが干渉しないので、容易に組み込むことができる。また、ロータシール部6及びケーシングシール部7を組立前のロータ2及びケーシング3にそれぞれ固定することができるため、シールフィン9a〜9f及び11a〜11fにおける間隙調整が容易となる。また、シール装置1は、タービンのグランド部ばかりでなく、それ以外の部分(例えばロータ2の動翼とケーシング3との間隙やケーシング3の静翼とロータ2との間隙等)に組み込むことが可能となる。
【0027】
したがって、本実施形態においては、ロータ2の軸長の短縮化を図りながら組立性を向上させることができる。また、ロータシール部6は、軸方向寸法が径方向外側に向かって段階的に小さくなる段差部を有するので、回転時に作用する遠心力を緩和し、強度を高めることができる。
【0028】
なお、上記一実施形態においては、シール装置1は、1対のロータシール部6及びケーシングシール部7を備えた構成を例にとって説明したが、これに限られない。すなわち、例えば図4に示すように、複数対(図4では3対)のロータシール部6及びケーシングシール部7を軸方向(図4中左右方向)に配設してもよい。このような場合も、上記同様の効果を得ることができる。
【0029】
本発明の他の実施形態を図5及び図6により説明する。本実施形態は、ロータシール部の軸方向一方側の壁面のみにフィンを設け、対向するケーシングシール部の軸方向一方側の壁面のみにフィンを設けた実施形態である。
【0030】
図5及び図6は、本実施形態のシール装置の構造を表す軸方向断面図であり、図5は、ケーシングに対しロータが相対移動しない状態を表し、図6は、ケーシングに対しロータが相対移動した状態を表している。なお、これら図5及び図6において、上記一実施形態と同等の部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0031】
本実施形態のシール装置14は、ロータ2の外周側(図5及び図6中上側)の同一円周上に嵌合し固定された複数の円弧状(若しくは円環状)のロータシール部15と、ケーシング3の内周側(図5及び図6中下側)の同一円周上に嵌合し固定された複数の円弧状の(例えばケーシング3が半割れ構造である場合に半割れ構造とする)ケーシングシール部16とを備えている。
【0032】
ロータシール部15は、軸方向(図5及び図6中左右方向)寸法が径方向外側(図5及び図6中上側)に向かって段階的に小さく、かつ軸方向一方側(図5及び図6中右側)のみが階段状となるように形成された段差部を有し、この段差部における各段(本実施形態では、外周側から内周側に向かって第1段、第2段、第3段の順序とする各段)の軸方向一方側の壁面17a〜17cには、例えば円弧状(シェル状)のシールフィン18a〜18cがそれぞれ設けられている。言い換えれば、シールフィン18a〜18cは、ロータシール部15の軸方向一方側の壁面17a〜17cに径方向(図5及び図6中上下方向)に配設されている。
【0033】
ケーシングシール部16は、ロータシール部15の段差部を覆うように、軸方向寸法が径方向外側に向かって段階的に小さくかつ軸方向一方側のみが階段状となるように形成された段差溝を有し、この段差溝における各段(本実施形態では、外周側から内周側に向かって第1段、第2段、第3段の順序とする各段)の軸方向一方側の壁面19a〜19cには、例えば円弧状(シェル状)のシールフィン20a〜20cがそれぞれ設けられている。言い換えれば、シールフィン20a〜20cは、ケーシングシール部16の軸方向一方側の壁面19a〜19cに径方向に配設されている。
【0034】
ロータシール部15のシールフィン18a〜18cは、それぞれ対向するケーシングシール部16の壁面19a〜19cに向かって軸方向に伸び、ケーシングシール部16のシールフィン20a〜20cは、それぞれ対向するロータシール部15の壁面17a〜17cに向かって軸方向に伸びており、これらシールフィン18a〜18c及び20a〜20cは互い違いに配置されている。そして、このようなロータシール部15及びケーシングシール部16によって形成されるラビリンスシール構造によって、ロータ2とケーシング3との間隙を介した流体の漏洩を抑制することが可能となっている。
【0035】
そして、図6に示すように、例えば蒸気タービン4,5A,5Bの運転時には、ロータ2及びケーシング3の熱膨張差や流体作用によって、ロータシール部15はケーシングシール部16に対し径方向外側に相対移動量Xだけ移動し、軸方向一方側に相対移動量Yだけ移動する。そして、本実施形態の大きな特徴として、図5に示すように、例えば蒸気タービン4,5A,5Bの停止時あるいは組立時のようにケーシング3に対するロータ2の相対移動がない状態においては、ロータシール部15のシールフィン18aの先端部とケーシングシール部16の壁面19aとの間の軸方向間隙寸法Y’はY’>Y、ケーシングシール部16のシールフィン20aの先端部とロータシール部15の壁面17aとの間の軸方向間隙寸法Y’はY’>Y(但し本実施形態ではY’=Y’)、ロータシール部15のシールフィン18aの先端部とその径方向内側(図5及び図6中下側)に隣接するケーシングシール部16のシールフィン20aの先端部との間の軸方向間隙寸法Y’はY’<Y、ロータシール部15のシールフィン18a(及び段差部の第1段における外周面)とケーシングシール部16の底面との間の径方向間隙寸法X’はX’>Xとなるように設けられている。
【0036】
また同様に、ロータシール部15のシールフィン18bの先端部とケーシングシール部16の壁面19bとの間の軸方向間隙寸法Y’はY’>Y、ケーシングシール部16のシールフィン20bの先端部とロータシール部15の壁面17bとの間の軸方向間隙寸法Y’はY’>Y(但し本実施形態ではY’=Y’)、ロータシール部15のシールフィン18bの先端部とその径方向内側に隣接するケーシングシール部16のシールフィン20bの先端部との間の軸方向間隙寸法Y’はY’<Y、ロータシール部15のシールフィン18b(及び段差部の第2段における外周面)とケーシングシール部16のシールフィン20a(及び段差溝の第1段における内周面)との間の径方向間隙寸法XはX>Xとなるように設けられている。
【0037】
また同様に、ロータシール部15のシールフィン18cの先端部とケーシングシール部16の壁面19cとの間の軸方向間隙寸法Y’はY’>Y、ケーシングシール部16のシールフィン20cの先端部とロータシール部15の壁面17cとの軸方向間隙寸法Y’はY’>Y(但し本実施形態ではY’=Y’)、ロータシール部15のシールフィン18cの先端部とその径方向内側に隣接するケーシングシール部16のシールフィン20cの先端部との間の軸方向間隙寸法Y’はY’<Y、ロータシール部15のシールフィン18c(及び段差部の第3段における外周面)とケーシングシール部16のシールフィン20b(及び段差溝の第2段における内周面)との間の径方向間隙寸法XはX>Xとなるように設けられている。
【0038】
このようなシールフィン18a〜18c及び20a〜20cの構造配置とすることにより、例えば蒸気タービン4,5A,5Bの停止時あるいは組立時のようにケーシング3に対するロータ2の相対移動がない状態においては(言い換えれば、ロータ2及びケーシング3の熱膨張差や流体作用による軸方向の相対移動量が上記間隙寸法Y’未満であるときは)、ロータシール部15のシールフィン18a〜18cの先端部とケーシングシール部16のシールフィン20a〜20cの先端部が互いに軸方向に離れるようになっている。
【0039】
また、例えば蒸気タービン4,5A,5Bの運転時のようにケーシング3に対するロータ2の相対移動がある状態においては(言い換えれば、ロータ2及びケーシング3の熱膨張差や流体作用による軸方向の相対移動量が上記間隙寸法Y’以上、上記間隙寸法Y’(=Y’)以下にあるときは)、ロータシール部15のシールフィン18a〜18cの先端部とケーシングシール部16のシールフィン20a〜20cの先端部とが軸方向に重なるようになっている。このとき、ロータシール部15のシールフィン18a〜18cの先端部とケーシングシール部16の壁面19a〜19cとが接触することなく近づき(それら間隙寸法Y’はY’<Y’)、ケーシングシール部16のシールフィン20a〜20cの先端部とロータシール部15の壁面17a〜17cとが接触することなく近づく(それら間隙寸法Y’はY’<Y’)ようになっている。また、ロータシール部15のシールフィン18a〜18cとケーシングシール部16の底面及びシールフィン20a,20bとがそれぞれ接触することなく近づく(それら間隙寸法X’はX’<X’)ようになっている。その結果、シールフィン18a〜18c及び20a〜20cによって形成されるラビリンスシール構造は、シール効果が増すようになっている。
【0040】
以上のように構成された本実施形態においては、ロータシール部15のシールフィン18a〜18c及びケーシングシール部16の20a〜20cを径方向に配設したラビリンスシール構造とすることにより、ロータ2とケーシング3との間隙を介した流体の漏洩を抑制することができる。また、例えばシールフィン18a〜18c及び20a〜20cを軸方向に配設するような場合と比べ、シール装置14の軸方向寸法を短縮することができ、これによってロータ2の軸長の短縮化を図ることができる。なお、本実施形態のシール装置14は、上記シール装置1に比べ軸方向寸法を短縮することができ、ロータ2の軸長の短縮化を図ることができる。
【0041】
また、例えば蒸気タービン4,5A,5Bの停止時あるいは組立時のようにケーシング3に対するロータ2の相対移動がない状態においては、ロータシール部15のシールフィン18a〜18cの先端部とケーシングシール部16のシールフィン20a〜20cの先端部とが互いに軸方向に離れる。これにより、例えば蒸気タービン4,5A,5Bの組立時において、ケーシングシール部16を固定したケーシング3に対しロータシール部15を固定したロータ2を径方向に挿入して組み込むことを意図した場合、ロータシール部15のシールフィン18a〜18cとケーシングシール部16のシールフィン20a〜20cが干渉しないので、容易に組み込むことができる。また、ロータシール部15及びケーシングシール部16を組立前のロータ2及びケーシング3にそれぞれ固定することができるため、シールフィン18a〜18c及び20a〜20cの間隙調整が容易となる。また、シール装置14は、タービンのグランド部ばかりでなく、それ以外の部分(例えばロータ2の動翼とケーシング3との間隙やケーシング3の静翼とロータ2との間隙等)に組み込むことが可能となる。
【0042】
したがって、本実施形態においても、上記一実施形態同様、ロータ2の軸長の短縮化を図りながら組立性を向上させることができる。また、ロータシール部15は、軸方向寸法が径方向外側に向かって段階的に小さくなる段差部を有するので、回転時に作用する遠心力を緩和し、強度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明のシール装置の一実施形態の構造を表す軸方向断面図であり、ケーシングに対しロータが相対移動しない状態を表す。
【図2】本発明のシール装置の一実施形態の構造を表す軸方向断面図であり、ケーシングに対しロータが相対移動した状態を表す。
【図3】本発明のシール装置の一実施形態が適用された蒸気タービン設備の概略構造を表す図である。
【図4】本発明のシール装置の一変形例の構造を表す軸方向断面図であり、ケーシングに対しロータが相対移動しない状態を表す。
【図5】本発明のシール装置の他の実施形態の構造を表す軸方向断面図であり、ケーシングに対しロータが相対移動しない状態を表す。
【図6】本発明のシール装置の他の実施形態の構造を表す軸方向断面図であり、ケーシングに対しロータが相対移動した状態を表す。
【符号の説明】
【0044】
1 シール装置
2 ロータ(回転体)
3 ケーシング(静止体)
6 ロータシール部
7 ケーシングシール部
8a〜8f 壁面
9a〜9f シールフィン(回転体側フィン)
10a〜10f 壁面
11a〜11f シールフィン(静止体側フィン)
14 シール装置
15 ロータシール部
16 ケーシングシール部
17a〜17c 壁面
18a〜18c シールフィン(回転体側フィン)
19a〜19c 壁面
20a〜20c シールフィン(静止体側フィン)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転体と静止体との間隙を介した流体の漏洩を抑制するシール装置において、
前記回転体側の壁面に径方向に配設され軸方向に伸びる複数の回転体側フィンと、
前記複数の回転体側フィンと互い違いに配置されるように、前記静止体側の壁面に径方向に配設され軸方向に伸びる複数の静止体側フィンとを備え、
前記回転体側フィン及び静止体側フィンは、前記回転体及び静止体の熱膨張差や流体作用による軸方向の相対移動量が所定範囲未満であるとき、前記回転体側フィン及び静止体側フィンの先端部が互いに軸方向に離れる一方、前記回転体及び静止体の熱膨張差や流体作用による軸方向の相対移動量が前記所定範囲にあるとき、前記回転体側フィン及び静止体側フィンの先端部が互いに軸方向に重なるように設けたことを特徴とするシール装置。
【請求項2】
回転体と静止体との間隙を介した流体の漏洩を抑制するシール装置において、
前記回転体に設けられ、軸方向寸法が径方向外側に向かって段階的に小さくなる段差部と、
前記静止体に設けられ、前記回転体の段差部を覆うように軸方向寸法が径方向外側に向かって段階的に小さくなる段差溝と、
前記回転体の段差部における軸方向一方側の壁面に径方向に配設され軸方向に伸びる複数の第1回転体側フィンと、
前記複数の第1回転体側フィンと互い違いに配置されるように、前記静止体の段差溝における軸方向一方側の壁面に径方向に配設され軸方向に伸びる複数の第1静止体側フィンと、
前記回転体の段差部における軸方向他方側の壁面に径方向に配設され軸方向に伸びる複数の第2回転体側フィンと、
前記複数の第2回転体側フィンと互い違いに配置されるように、前記静止体の段差溝における軸方向他方側の壁面に径方向に配設され軸方向に伸びる複数の第2静止体側フィンとを備え、
前記第1回転体側フィン及び第1静止体側フィンは、前記回転体及び静止体の熱膨張差や流体作用による軸方向の相対移動量が所定範囲未満であるとき、前記第1回転体側フィンの先端部及びその径方向内側に隣接する前記第1静止体側フィンの先端部が互いに軸方向に離れる一方、前記回転体及び静止体の熱膨張差や流体作用による軸方向の相対移動量が所定範囲にあるとき、前記第1回転体側フィンの先端部及びその径方向内側に隣接する前記第1静止体側フィンの先端部が互いに軸方向に重なるように設け、
前記第2回転体側フィン及び第2静止体側フィンは、前記回転体及び静止体の熱膨張差や流体作用による軸方向の相対移動量が所定範囲未満であるとき、前記第2回転体側フィンの先端部及びその径方向内側に隣接する前記第2静止体側フィンの先端部が互いに軸方向に離れるように設けたことを特徴とするシール装置。
【請求項3】
回転体と静止体との間隙を介した流体の漏洩を抑制するシール装置において、
前記回転体に設けられ、軸方向寸法が径方向外側に向かって段階的に小さくなる段差部と、
前記静止体に設けられ、前記回転体の段差部を覆うように軸方向寸法が径方向外側に向かって段階的に小さくなる段差溝と、
前記回転体の段差部における軸方向一方側の壁面に径方向に配設され軸方向に伸びる複数の回転体側フィンと、
前記複数の回転体側フィンと互い違いに配置されるように、前記静止体の段差溝における軸方向一方側の壁面に径方向に配設され軸方向に伸びる複数の静止体側フィンとを備え、
前記回転体側フィン及び静止体側フィンは、前記回転体及び静止体の熱膨張差や流体作用による軸方向の相対移動量が所定範囲未満であるとき、前記回転体側フィンの先端部及びその径方向内側に隣接する前記静止体側フィンの先端部が互いに軸方向に離れる一方、前記回転体及び静止体の熱膨張差や流体作用による軸方向の相対移動量が所定範囲にあるとき、前記回転体側フィンの先端部及びその径方向内側に隣接する前記静止体側フィンの先端部が互いに軸方向に重なるように設けたことを特徴とするシール装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2008−2576(P2008−2576A)
【公開日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−173050(P2006−173050)
【出願日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】