説明

ジェル状毛髪化粧料

【課題】安定した霧状噴霧が可能で、かつ毛髪化粧料としてべたつきがなく、なめらかな高い感触の良さを有するとともに、ストレート効果に優れ、クリーミングが生じず安定で、外観が透明な新規なジェル状毛髪化粧料を提供する。
【解決手段】(a)特定のカチオン性高分子(例えば、ビニルピロリドン/N,Nジメチルアミノエチルメタクリル酸共重合体ジエチル硫酸塩)と、(b)増粘作用を有する非曳糸性のアニオン性高分子(例えば、カルボキシビニルポリマー)と、(c)油分(例えば、シリコーン油)と、(d)カチオン性界面活性剤を水性溶媒中に含み、粘度が500〜3000mPa・s(30℃、B型粘度計)であり、使用時に霧状に噴霧して用いる、ジェル状毛髪化粧料。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はジェル状毛髪化粧料に関する。さらに詳しくは、霧状噴霧が可能で、かつ毛髪化粧料としてべたつきがなく、なめらかな高い感触のよさを有するとともに、ストレート効果に優れ、クリーミングが生じず安定で、外観が透明な、新規なジェル状毛髪化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ジェル状化粧料は、手のひらに製剤を取り出し、これを皮膚若しくは毛髪などに塗布して用いている。そのため、使用後、手のひら上の残存物などを洗い流すなどの行為が必要となり、使い勝手の点で問題があった。また、このようなジェル状化粧料を噴霧容器に収容して噴霧しようとしても、高粘度の製剤のため霧として噴霧することが困難であった。このような上記問題点を解決したのが特許文献1に示す技術である。
【0003】
この特許文献1の技術は、透明なジェル状組成物を霧状に噴霧できるという優れた効果を奏し、髪の毛の感触をよくする成分としては、水溶性シリコーンや保湿剤といった成分の配合を行っていた。しかし近年、さらなる毛髪の感触のよさが求められるようになってきた。一般に基剤に油分などを基剤が透明になるよう可溶化するには界面活性剤を多量に配合する必要があり、べたつきが生じてかえって感触が損なわれる。また乳化物にして配合すると透明性が得られず、徐々にクリーミングしてくることから、安定に配合することは技術的に困難であった。さらに一般に感触がよくなるとされているカチオン性界面活性剤をアニオン性高分子の増粘系に配合することは困難である。
【0004】
このように既存技術では、霧状噴霧可能な透明ジェル状で、かつ、毛髪への高い感触の付与の両立は技術的に困難であった。
【0005】
なお本発明に近い技術を開示する文献として、さらに特許文献2が挙げられる。該特許文献2では、O/W超微細エマルション外用剤の製造方法が記載されているが、霧状噴霧可能な透明ジェル状で、かつ、べたつきがなく、なめらかな高い感触のよさを有するとともに、ストレート効果に優れ、クリーミングが生じず安定な毛髪化粧料を得るということを示唆するような記載はない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−34614号公報
【特許文献2】特開2007−15972号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、安定した霧状噴霧が可能で、かつ毛髪化粧料としてべたつきがなく、なめらかな高い感触のよさを有するとともに、ストレート効果に優れ、クリーミングが生じず安定で、外観が透明な新規なジェル状毛髪化粧料を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために本発明は、下記(a)成分、(b)成分、(c)成分、および(d)成分を水性溶媒中に含み、粘度が500〜3000mPa・s(30℃、B型粘度計)であり、使用時に霧状に噴霧して用いる、ジェル状毛髪化粧料を提供する。
(a)成分:下記式(I)
【0009】

【0010】
〔式(I)中、R1、R6はそれぞれ独立に水素原子、炭素原子数1〜6のアルキル基を表し;R2は炭素原子数1〜10のアルキレン基を表し;R3、R4、R5はそれぞれ独立に炭素原子数1〜24のアルキル基を表し;Aは酸素原子またはNH基を表すか、あるいはAをもたない。Xはハロゲン原子、R’SO4(ただしR’は炭素原子数1〜6のアルキル基)を表す。また、t/u=2/8〜8/2である。〕
で表される構成単位を有するカチオン性高分子、
(b)成分:増粘作用を有する非曳糸性のアニオン性高分子、
(c)成分:油分、
(d)成分:カチオン性界面活性剤。
【0011】
また本発明は、水性溶媒が水および/またはアルコール系溶媒である、上記ジェル状毛髪化粧料を提供する。
【0012】
また本発明は、(a)成分が下記式(II)
【0013】

【0014】
〔式(II)中、t/u=2/8〜8/2である〕
で表される構成単位を有するビニルピロリドン/N,Nジメチルアミノエチルメタクリル酸共重合体ジエチル硫酸塩である、上記ジェル状毛髪化粧料を提供する。
【0015】
また本発明は、(b)成分がカルボキシビニルポリマーである、上記ジェル状毛髪化粧料を提供する。
【0016】
また本発明は、(c)成分としてシリコーン油を含む、上記ジェル状毛髪化粧料を提供する。
【0017】
また本発明は、(c)成分を、下記一相マイクロエマルション調製工程と、下記O/W超微細エマルション調製工程とを経て調製したO/W超微細エマルションとして配合してなることを特徴とする、上記ジェル状毛髪化粧料を提供する。
〔一相マイクロエマルション調製工程〕
上記(c)成分と、非イオン性界面活性剤と、ポリオキシプロピレン・ポリオキシエチレン共重合体ジアルキルエーテルと、水とを含有し、水分含有量が40質量%以下である一相マイクロエマルションを調製する工程。
〔O/W超微細エマルション調製工程〕
上記工程により調製された一相マイクロエマルションを水性処方中に添加し、乳化粒子径が10〜500nmであるO/W超微細エマルションを調製するO/W超微細エマルション調製工程。
【0018】
また本発明は、下記工程:
(i)(c)成分と、非イオン性界面活性剤と、ポリオキシプロピレン・ポリオキシエチレン共重合体ジアルキルエーテルと、水とを含有し、水分含有量が40質量%以下である一相マイクロエマルションを調製する工程、
(ii)上記一相マイクロエマルションを水性溶媒(一部)中に添加して乳化粒子径が10〜500nmであるO/W超微細エマルションを調製する工程、
(iii)上記O/W超微細エマルションを、(a)成分、(b)成分、(d)成分を含む水性溶媒(残部)中に溶解してなる系中に添加、混合する工程、
を含む、上記ジェル状毛髪化粧料の製造方法を提供する。
【0019】
また本発明は、(c)成分、(d)成分を、下記一相マイクロエマルション調製工程と、下記O/W超微細エマルション調製工程とを経て調製したO/W超微細エマルションとして配合してなることを特徴とする、上記ジェル状毛髪化粧料を提供する。
〔一相マイクロエマルション調製工程〕
上記(c)成分、(d)成分と、非イオン性界面活性剤と、ポリオキシプロピレン・ポリオキシエチレン共重合体ジアルキルエーテルと、水とを含有し、水分含有量が40質量%以下である一相マイクロエマルションを調製する一相マイクロエマルション調製工程、
〔O/W超微細エマルション調製工程〕
上記工程により調製された一相マイクロエマルションを水性処方中に添加し、乳化粒子径が10〜500nmであるO/W超微細エマルションを調製するO/W超微細エマルション調製工程。
【0020】
また本発明は、下記工程:
(i)(c)成分、(d)成分と、非イオン性界面活性剤と、ポリオキシプロピレン・ポリオキシエチレン共重合体ジアルキルエーテルと、水とを含有し、水分含有量が40質量%以下である一相マイクロエマルションを調製する工程、
(ii)上記一相マイクロエマルションを水性溶媒(一部)中に添加して乳化粒子径が10〜500nmであるO/W超微細エマルションを調製する工程、
(iii)上記O/W超微細エマルションを、(a)成分、(b)成分を水性溶媒(残部)中に溶解してなる系中に添加、混合する工程、
を含む、上記ジェル状毛髪化粧料の製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0021】
本発明により、安定した霧状噴霧が可能で、かつ毛髪化粧料としてべたつきがなく、なめらかな高い感触のよさを有するとともに、ストレート効果に優れ、クリーミングが生じず安定で、外観が透明な新規なジェル状毛髪化粧料が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明について詳述する。なお以下においてPOEはポリオキシエチレンを、POPはポリオキシプロピレンを、それぞれ示す。
【0023】
[(a)成分]
本発明では(a)成分として、下記式(I)で表される構成単位を有するカチオン性高分子が用いられる。
【0024】

【0025】
上記式(I)中、各置換基は以下の意味を示す。
【0026】
1、R6はそれぞれ独立に水素原子、炭素原子数1〜6のアルキル基を表す。本発明ではR1としてメチル基が、R6として水素原子が特に好ましい。
【0027】
2は炭素原子数1〜10、好ましくは1〜5、のアルキレン基を表す。本発明ではメチレン基が特に好ましい。
【0028】
3、R4、R5はそれぞれ独立に水素原子、炭素原子数1〜24、好ましくは1〜4、のアルキル基を表す。本発明ではR3、R4がそれぞれメチル基で、R5がエチル基であるのが特に好ましい。
【0029】
Aは酸素原子またはNH基を表すか、あるいはAをもたない。本発明ではAが酸素原子であるのが好ましい。
【0030】
Xはハロゲン原子、R’SO4(ただしR’は炭素原子数1〜6のアルキル基)を表す。ハロゲン原子としてはCl、Br、Iが好ましい。R’としては炭素原子数1〜4、特には1〜2、のアルキル基が好ましい。本発明ではXがC25SO4であるのが特に好ましい。
【0031】
また、t/u=2/8〜8/2であり、好ましくはt/u=3/7〜7/3である。t/uが2/8未満では被膜形成性に劣り、セット力の点で問題があり、一方、t/uが8/2超では水性溶媒(アルコール、水等)に対する溶解性や、毛髪に対する親和性などの点で問題があり、フレーキングしやすくなり、さらには吸湿性が増し、べたつきを感じ、好ましくない。
【0032】
本発明では、(a)成分として下記式(II)
【0033】

【0034】
〔式(II)中、t/u=2/8〜8/2である。〕
で表される構成単位を有するビニルピロリドン/N,Nジメチルアミノエチルメタクリル酸共重合体ジエチル硫酸塩が最も好ましく用いられる。
【0035】
本発明ジェル状毛髪化粧料において、(a)成分の分子量は1万〜1000万程度のものが好ましく、特には10万〜100万程度のものが好ましく用いられる。分子量が1万未満では毛髪化粧料としてのハリ感が得られ難く、一方、1000万超では溶解性が悪くなり基剤に配合し難くなる。
【0036】
上記式(I)で表されるポリマー、特には式(II)で表されるポリマーは、被膜の柔軟性に優れ、毛髪への親和性、密着性に優れるため、毛髪にしなやかで滑らかな風合いを与える特徴をもったポリマーである。また、本発明では透明性の点においても好ましい。これらポリマーは、GAF社(米国)の「ガフコート」シリーズや、大阪有機工業社の「HCポリマー」シリーズ等として市販されており、商業的に入手可能である。(a)成分は1種または2種以上を用いることができる。
【0037】
(a)成分の配合量は、本発明毛髪化粧料中に0.02〜0.5質量%程度が好ましく、特には0.02〜0.2質量%程度である。
【0038】
[(b)成分]
本発明に用いられる(b)成分である増粘作用を有する非曳糸性のアニオン性高分子としては、カルボキシビニルポリマーが好ましく用いられる。カルボキシビニルポリマーは、曳糸性がなく、アルカリ中和によって増粘性が増大する性質を有するが、曳糸性がないことから「キレ」がよく、霧状噴霧に好適である。カルボキシビニルポリマーは主としてアクリル酸の重合したものであり、カルボキシル基を有する合成高分子である。(b)成分が「非曳糸性」であることから、曳糸性増粘剤である水溶化セルロース誘導体(メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、等)、ポリアクリル酸ナトリウムなどは、本発明の(b)成分には含まれない。
【0039】
(b)成分は、アルカリによってpHを調整して中和させて増粘させて用いるのが好ましい。pH調整剤としてのアルカリとしては、特に限定されるものではないが、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、トリエタノールアミン、アミノメチルプロパノール、アミノメチルプロパンジオール等が好ましく用いられる。
【0040】
(b)成分は、「シンタレン」シリーズ(イタリア、V3 SIGMA社製)、「カーボポール」シリーズ(米国、B.F.グッドリッチ社製)、「ハイビスワコー」(和光純薬(株)製)等として市販されており、商業的に入手可能である。(b)成分は1種または2種以上を用いることができる。
【0041】
(b)成分の配合量は、本発明毛髪化粧料中に0.05〜1.0質量%程度が好ましく、特には0.1〜0.5質量%程度である。
【0042】
[(c)成分]
本発明に用いられる(c)成分としての油分は、特に限定されるものではなく、例えば、シリコーン油、炭化水素油、エステル油等を適宜用いることができる。中でもシリコーン油がツヤやサラサラ感を出す使用性の点から好ましい。
【0043】
本発明に用いられるシリコーン油の例としては、一般に化粧料に用いられ得るものであれば特に限定されるものでなく、例えば、ジメチルポリシロキサン、シクロメチコン、ジフェニルポリシロキサン、アルキルポリシロキサン等が挙げられ、これらの2種以上を混合しても用いてもよい。
【0044】
本発明に用いられる(c)成分の配合量は、特に限定されるものではないが、後述するO/W一相マイクロエマルション生成の際に、O/W一相マイクロエマルションパーツの全量に対して20〜70質量%とすることが好ましい。70質量%を超えると安定性の高いO/W一相マイクロエマルションが得られ難い。
【0045】
また本発明毛髪化粧料中における(c)成分の配合量は0.001〜5質量%が好ましい。
【0046】
[(d)成分]
本発明に用いられる(d)成分としてのカチオン界面活性剤としては、例えば、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム等のアルキルトリメチルアンモニウム塩、塩化ジステアリルジメチルアンモニウムジアルキルジメチルアンモニウム塩、塩化ポリ(N,N’−ジメチル−3,5−メチレンピペリジニウム)、塩化セチルピリジニウム等のアルキルピリジニウム塩のほか、アルキル四級アンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、ジアルキルモリホニウム塩、POEアルキルアミン、アルキルアミン塩、ポリアミン脂肪酸誘導体、アミルアルコール脂肪酸誘導体、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウムなどが例示される。(d)成分は1種または2種以上を用いることができる。(d)成分を配合することにより、しなやかでなめらかな感触が付与できる。
【0047】
本発明では上記(a)成分、(b)成分、(c)成分、および(d)成分を水性溶媒中に溶解してなる。水性溶媒としては水、エタノール等のアルコール系溶媒、あるいはこれらの混合溶媒などが挙げられる。
【0048】
本発明毛髪化粧料の製造は、例えば、以下の工程を含む製造方法が好適例として挙げられる。すなわち(c)成分を、下記に示すように、一相マイクロエマルション調製工程と、O/W超微細エマルション調製工程とを経て調製したO/W超微細エマルションとして配合するのが好ましい。なおO/W超微細エマルションでは粒子径が10〜500nmとなる。
【0049】
(i)(c)成分を、非イオン性界面活性剤と、ポリオキシプロピレン・ポリオキシエチレン共重合体ジアルキルエーテルと、水分含有量が40質量%以下である水性系に添加、混合して一相マイクロエマルションを調製する工程、
(ii)上記一相マイクロエマルションを水性溶媒(一部)中に添加して乳化粒子径が10〜500nmであるO/W超微細エマルションを調製する工程、
(iii)上記O/W超微細エマルションを、(a)成分、(b)成分、(d)成分を水性溶媒(残部)中に溶解してなる系中に添加、混合する工程。
【0050】
(iii)の水性溶媒(残部)中には、任意添加成分(例えば保湿剤等)、中和剤等を配合し得る。
【0051】
なお、上記(c)成分とともに(d)成分も上記工程に従いO/W超微細エマルション化して配合してもよい。
【0052】
(d)成分の配合量は0.001〜1質量%が好ましく、特に好ましくは0.001〜0.3質量%である。
【0053】
本発明の整髪化粧料は系の粘度が500〜3000mPa・s(30℃、B型粘度計)であり、好ましくは700〜1200mPa・sである。
【0054】
本発明の整髪化粧料の粘度の調整は、例えば、配合する共重合体重合度を制御したり、高分子等の添加量の増減、水性溶媒の配合量を調整すること等によって行うことができる。
【0055】
本発明のジェル状毛髪化粧料は、上記(a)成分と(b)成分とが複合体を形成し、さらに、近接する複合体どうしが凝集力により弱い結合をなしている。これにより、通常のジェル状組成物に比べて弾力感があり、しかも均一なジェルを形成することができるとともに、振盪や細孔通過(例えば、化粧料用噴霧器の噴霧孔通過、など)程度の外力によって、簡単に複合体間の凝集による弱い結合が壊されるので、使用時、簡易に霧状に噴霧して用いることができる。
【0056】
さらに、使用時に複合体間の凝集による弱い結合が崩れても、使用後、静置させておくことにより、複合体どうしが互いに凝集する性質を有することから、そのチキソトロピー性によって、再び近接する複合体間で凝集による弱い結合がなされ、弾力感のあるジェルを形成する。したがって、本発明により、静置時にジェル状をなし、使用時、噴霧器による噴霧等で簡便に霧状に噴霧塗布することができ、使用後、静置させておくと再びもとのジェルに復帰するという、全く新しいタイプのジェル状組成物が提供される。このジェル状組成物は、見た目のプリプリ感(ジェル感)にも優れ、また使用時の手触りにも優れる。また透明感も良好である。
【0057】
本発明毛髪化粧料は、透明感に優れる。具体的には、透明性の指標であるL値が好ましくは60以上である。なお本発明で「L値」とは、毛髪化粧料を光路長10mmの石英セルに所定量入れて、透過型色差測定計を用いて波長380〜770nmの白色光を透過させて測定した値をいう。
【0058】
また本発明では(c)成分を上記特定の工程を経た超微細エマルションにして配合することにより、透明安定性、使用性の両立をより効果的に奏することができる。
【0059】
本発明の毛髪化粧料は、例えば、その形態に応じて、従来から毛髪化粧料に使用されている他の成分を、本発明の効果を損なわない範囲で配合してもよい。このような成分として、例えば皮膜形成性高分子、保湿剤、エキス類、粉末成分、香料等が挙げられる。
【0060】
皮膜形成性高分子としては、特に限定されるものでなく、従来よりヘアスタイリング剤等の毛髪化粧料に用いられている皮膜形成性高分子を任意に用いることができる。本発明では再整髪性等の点から、アクリル系、ビニル系、ウレタン系の皮膜形成性高分子が好ましく用いられる。
【0061】
<アクリル系およびビニル系皮膜形成性高分子>
アニオン性の高分子であれば例えば、アクリル酸アルキル・ジアセトンアクリルアミド共重合体〔プラスサイズL−53P、プラスサイズL−9909B、プラスサイズL−9948Bなど(いずれも互応化学工業(株)製)〕、アクリル酸アルキル・オクチルアクリルアミド共重合体〔Dermacryl 79(アクゾノーベル(株)製)〕、ポリエチレングリコール・ポリプロピレングリコール−25・ジメチコン・アクリレーツ共重合体〔ルビフレックスSILK(BASF社製)〕、アクリル酸・アクリル酸アミド・アクリル酸エチル共重合体〔ウルトラホールド8、ウルトラホールドStrong(いずれもBASF社製)〕、アクリル酸アルキル共重合体〔アニセットNF−1000、アニセットHS−3000など(いずれも大阪有機化学工業(株)製)〕などが挙げられる。
【0062】
両性の高分子であれば例えば、アクリル酸オクチルアミド・アクリル酸ヒドロキシプロピルプロピル・メタクリル酸ブチルアミノエチル共重合体〔AMPHOMER SH30、AMPHOMER LV−71(いずれもアクゾノーベル(株)製)〕、メタクリロイルオキシエチルカルボキシベタイン・メタクリル酸アルキル共重合体〔ユカフォーマーR205、ユカフォーマー301、ユカフォーマーSM、ユカフォーマー104Dなど(以上、三菱化学(株)製)、RAMレジン−1000、RAMレジン−2000、RAMレジン−3000、RAMレジン−4000(以上、大阪有機化学工業(株)製)〕、塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリル酸共重合体〔マーコート280、マーコート295(いずれもナルコ社製)〕、塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド・アクリル酸共重合体〔マーコートプラス3330、マーコートプラス3331(いずれもナルコ社製)〕などが挙げられる。
【0063】
カチオン性の高分子であれば例えば、ビニルピロリドン・メタクリル酸ジメチルアミノエチル共重合体ジエチル硫酸塩〔H.C.ポリマー1S(M)、H.C.ポリマー2(以上、大阪有機化学工業(株)製)、ガフコート755N(ISP社製)〕、ビニルピロリドン・ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド・ラウリルジメチルアミノプロピルメタクリルアミド共重合体〔スタイリーゼW−20(ISP社製)〕、ビニルピロリドン・メタクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル・アクリル酸アルキル・ジアクリル酸トリプロピレングリコール共重合体〔コスカットGA467、コスカットGA468(いずれも大阪有機化学工業(株)製)〕、ポリ塩化ジメチルメチレンピペリジニウム〔マーコート100(ナルコ社製)〕、塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体〔マーコート550(ナルコ社製)〕、塩化トリメチルアミノプロピルアクリルアミド・ジメチルアクリルアミド共重合体などが挙げられる。
【0064】
ノニオン性の高分子であれば例えば、ポリビニルピロリドン〔ルビスコールK17、ルビスコールK30、ルビスコールK90(以上、BASF社製)、PVP K(ISP社製)〕、ビニルピロリドン・酢酸ビニル共重合体〔PVP/VA S−630、PVP/VA E−735、PVP/VA E−335(以上、ISP社製)、ルビスコールVA73W、ルビスコール37E(以上、BASF社製)、PVA−6450(大阪有機化学工業(株)製)〕、ビニルメチルエーテル・マレイン酸アルキル共重合体〔ガントレッツA−425、ガントレッツES−225、ガントレッツES−335(いずれもISP社製)〕、ビニルピロリドン・メタクリルアミド・ビニルイミダゾール共重合体〔ルビセットクリア(BASF社製)〕などが挙げられる。
【0065】
<ウレタン系皮膜形成性高分子>
ウレタン系皮膜形成性高分子としては、例えばシリコーン/ポリエーテル系ポリウレタン樹脂〔ヨドゾールPUD;アクゾノーベル(株)製)〕、「ルビセットP.U.R.」(BASF社製)、特開2006−213706号公報に記載のシリル化ウレタン系ポリマー等が挙げられる。アクリル−ウレタン系皮膜形成性高分子としては、例えば、「DynamX」(アクゾノーベル(株)製)等が挙げられる。
【0066】
皮膜形成性高分子を配合する場合、本発明毛髪化粧料中に0.01〜15質量%程度配合するのが好ましく、より好ましくは0.01〜6質量%である。
【0067】
保湿剤としては、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、キシリトール、ソルビトール、マルチトール、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、ムコイチン硫酸、カロニン酸、アテロコラーゲン、コレステリル−12−ヒドロキシステアレート、乳酸ナトリウム、胆汁酸塩、dl−ピロリドンカルボン酸塩、短鎖可溶性コラーゲン、ジグリセリン(EO)PO付加物、イサイヨバラ抽出物、セイヨウノキギリソウ抽出物、メリロート抽出物などが例示される。
【0068】
中和剤としては、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、トリエタノールアミン等が挙げられる。
【0069】
本発明ジェル状整髪化粧料の剤型は、エアゾール系ヘアスプレー、ノンエアゾール系ヘアスプレー、ヘアミスト、ヘアスタイリングジェルなどで、使用時噴霧して用いる。具体的には、例えばディスペンサータイプ、トリガータイプ等の通常の噴霧用化粧料用容器に収容して、使用時に噴霧して用いることにより、容易にミスト状となって、手を汚すことなく、毛髪に簡易に塗布することができる。
【0070】
本発明の毛髪化粧料は、水系で低粘度のため、使用時、霧状に噴霧しても、噴霧容器の噴霧ノズルが詰まることなく、優れた使用性、外観(透明)、安定性(クリーミングのなさ)等の効果を有して毛髪に広く均一に塗布することができる。なおエアゾール系タイプのものでは通常、噴射剤とともに噴霧容器に充填される。噴射剤としては、プロパン、ブタン、ペンタン、ジメチルエーテル等の液化ガス、窒素、圧縮空気等の圧縮ガスなど、エアゾールの分野に公知の噴射剤を任意に用いることができる。これら噴射剤の配合量は毛髪化粧料(原液)100質量%に対して30〜60質量%程度が好ましい。
【実施例】
【0071】
次に実施例によりさらに本発明を詳述するが、本発明はこれによってなんら限定されるものではない。なお配合量は特記しない限り質量%(実分)で示す。
【0072】
初めに、本実施例で用いた評価方法について記す。
【0073】
[粘度]
試料(50〜100mL)をB型粘度計(ローターNo.2、回転数12rpm、30±2℃)に入れ、ローター回転開始から1分間経過後の試料粘度を測定した。
【0074】
[霧状噴霧]
各試料をディスペンサータイプの噴霧器(「Y−150」:吉野工業(株)製)に収容し、各試料を最大10回噴霧し、霧状に噴霧できるかどうか目視で観察した。
<評価基準>
○:均一な霧状に噴霧できた
△:均一な霧状にならなかった
×:霧状に噴霧できなかった
【0075】
[透明性(L値)]
分光式色差計 SE−2000(日本電色社製)にてL値を測定し、L値60以上を透明感があるとした。
【0076】
[クリーミング]
ガラス容器に各試料を収容し、経時(1ヶ月経過後)外観を目視により観察した。
<評価基準>
○:均一な状態であった
×:クリーミングが生じた
【0077】
[使用性]
各試料をディスペンサータイプの噴霧器(「Y−150」:吉野工業(株)製)に収容し、これを用いて、使用性(髪への馴染みやすさ、塗布中のべたつきのなさ、指どおりのなめらかさ、ストレート効果、仕上がりのサラサラ感、仕上がりのつや、軽さ(噴霧4時間後)、髪のまとまり(噴霧4時間後)について、女性専門パネラー(10名)による官能試験にて、評価点の合計点で下記評価基準により評価した。
<評価点>
5点:非常に良い
4点:良い
3点:普通(どちらともいえない)
2点:やや良くない
1点:良くない
<評価基準>
○:評価点合計が40点以上
△:評価点合計が20点以上40点未満
×:評価点合計が20点未満
【0078】
(実施例1〜2、比較例1〜3)
下記表1に示す試料を用いて、上記評価方法に従い、粘度、霧状噴霧、透明性(L値)、クリーミング、使用性(髪への馴染みやすさ、塗布中のべたつきのなさ、指どおりのなめらかさ、ストレート効果、仕上がりのサラサラ感、仕上がりのつや、軽さ(噴霧4時間後)、髪のまとまり(噴霧4時間後))について評価した。結果を表1に示す。表1中、「ビニルピロリドン・N,N−ジメチルアミノエチルメタクリル酸共重合体ジエチル硫酸塩(*)」は上記式(II)に示すポリマー(分子量約100万)を用いた。
(製造方法)
実施例1〜2は以下のようにして製造した。すなわち、POE(20モル)イソステアリン酸グリセリル(日本エマルジョン(株)製、エマレックスGWIS−120(HLB14))とPOEメチルポリシロキサン共重合体(信越化学(株)製、シリコーンSC9450:HLB 5)との混合物(全体のHLB7.7)と、POP(2モル)・POE(9モル)ランダム共重合体ジメチルエーテルと、(c)成分としてジメチルポリシロキサン(信越化学(株)製、シリコーンKF96−A6T)、(d)成分として塩化ステアリルトリメチルアンモニウムクロリドと、水とを混合して、水分含有量が40質量%以下の領域でO/W一相マイクロエマルションを得た。上記O/W一相マイクロエマルションを攪拌しながら、徐々に水性処方(ここでは毛髪化粧料の構成成分であるイオン交換水とエタノールの一部)に加えていくと、やがて(c)成分を内相とする粒子径100nm以下のO/W超微細エマルションが得られた。これを(a)成分、(b)成分、および他配合成分を含む水性溶媒(毛髪化粧料の構成成分であるイオン交換水とエタノールの残部)に混合、撹拌して試料を得た。
【0079】
比較例1は各配合成分を混合し、可溶化系の試料を得た。
【0080】
比較例2、3は非水乳化法を用いて(c)成分を配合した。すなわち、表1に示す非イオン界面活性剤を水溶性溶媒中に添加し、これに(c)成分を添加して水溶性溶媒中油型エマルションを調製し、次いで、該エマルションに水を添加し、混合した。この非水乳化法では乳化粒子が約1μmであった。
【0081】
【表1】

【0082】
表1に示す結果から明らかなように、本発明の毛髪化粧料である実施例1〜2は本発明効果をすべて併せもつことができた。
【0083】
一方、可溶化系である比較例1では、透明性を担保するために(c)成分と(d)成分を配合することができず、そのため感触においてはべたついて重く、なめらかさを得られなかった。
【0084】
また非水乳化法を用いて(c)成分を配合した比較例2、3では、乳化粒子径が約1μmの大きさとなり、油分を多く(良い感触が実感できる程)配合すると牛乳のように白っぽい外観となり、透明性がなくなり、他方、透明感が損なわれない程度の少量配合では感触は不十分となってしまうことが確認された。
【0085】
以下にさらに処方例を示す。
【0086】
(実施例3:ミスト状スタイリング剤)
(配 合 成 分) (質量%)
(1)イオン交換水 残余
(2)エタノール 20
(3)カルボキシビニルポリマー 0.2
(4)ビニルピロリドン・N,N−ジメチルアミノエチルメタクリル酸
共重合体ジエチル硫酸塩 0.14
(5)塩化ステアリルトリメチルアンモニウムクロリド 0.01
(6)ジメチコン 0.01
(7)ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン 0.01
(8)POE・POPデシルテトラデシルエーテル 0.2
(9)POE(20モル)イソステアリン酸グリセリル 0.05
(10)POEメチルポリシロキサン共重合体 0.5
(11)POE・POPランダム共重合体ジメチルエーテル 0.1
(12)EDTA−2Na・2H2O 適量
(13)2−アクリルアミド−2−メチルプロパン 0.15
(14)オリーブ油 0.01
(14)香料 0.1
【0087】
(実施例4:ミスト状スタイリング剤)
(配 合 成 分) (質量%)
(1)イオン交換水 残余
(2)エタノール 20
(3)カルボキシビニルポリマー 0.25
(4)ビニルピロリドン・N,N−ジメチルアミノエチルメタクリル酸
共重合体ジエチル硫酸塩 0.2
(5)塩化ステアリルトリメチルアンモニウムクロリド 0.01
(6)ジメチコン 0.01
(7)ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン 0.01
(8)オクチルドデセス−16 0.1
(9)POE(20モル)イソステアリン酸グリセリル 0.05
(10)POEメチルポリシロキサン共重合体 0.5
(11)POE・POPランダム共重合体ジメチルエーテル 0.1
(12)EDTA−2Na・2H2O 適量
(13)2−アクリルアミド−2−メチルプロパン 0.15
(14)(アクリレーツ/メタクリル酸アルキル(C12,13)/アクリル酸
メトキシエチル)クロスポリマー 2.5
(15)ツバキ種子油 0.01
(16)ヒドロキシエチルウレア 適量
【0088】
(実施例5:ミスト状スタイリング剤)
(配 合 成 分) (質量%)
(1)イオン交換水 残余
(2)アルコール 20
(3)カルボキシビニルポリマー 0.2
(4)ビニルピロリドン・N,N−ジメチルアミノエチルメタクリル酸
共重合体ジエチル硫酸塩 0.15
(5)塩化ステアリルトリメチルアンモニウムクロリド 0.01
(6)ジメチコン 0.01
(7)ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン 0.01
(8)POE・POPデシルテトラデシルエーテル 0.2
(9)POE(20モル)イソステアリン酸グリセリル 0.05
(10)POEメチルポリシロキサン共重合体 0.5
(11)POE・POPランダム共重合体ジメチルエーテル 0.1
(12)EDTA−2Na・2H2O 適量
(13)2−アクリルアミド−2−メチルプロパン 0.15
(14)紅藻エキス 適量
(15)シソエキス 適量
(16)オノニスエキス 適量
(17)雲母チタン 適量
(18)色素 適量
【産業上の利用可能性】
【0089】
本発明のジェル状毛髪化粧料は、外観が透明で、安定した霧状噴霧が可能で、かつ毛髪化粧料としてべたつきがなく、なめらかな高い感触のよさを有するとともに、ストレート効果に優れ、クリーミングが生じず安定性に優れる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記(a)成分、(b)成分、(c)成分、および(d)成分を水性溶媒中に含み、粘度が500〜3000mPa・s(30℃、B型粘度計)であり、使用時に霧状に噴霧して用いる、ジェル状毛髪化粧料。
(a)成分:下記式(I)

〔式(I)中、R、Rはそれぞれ独立に水素原子、炭素原子数1〜6のアルキル基を表し;Rは炭素原子数1〜10のアルキレン基を表し;R、R、Rはそれぞれ独立に炭素原子数1〜24のアルキル基を表し;Aは酸素原子またはNH基を表すか、あるいはAをもたない。Xはハロゲン原子、R’SO(ただしR’は炭素原子数1〜6のアルキル基)を表す。また、t/u=2/8〜8/2である。〕
で表される構成単位を有するカチオン性高分子、
(b)成分:増粘作用を有する非曳糸性のアニオン性高分子、
(c)成分:油分、
(d)成分:カチオン性界面活性剤。
【請求項2】
水性溶媒が水および/またはアルコール系溶媒である、請求項1記載のジェル状毛髪化粧料。
【請求項3】
(a)成分が下記式(II)

〔式(II)中、t/u=2/8〜8/2である。〕
で表される構成単位を有するビニルピロリドン/N,Nジメチルアミノエチルメタクリル酸共重合体ジエチル硫酸塩である、請求項1または2記載のジェル状毛髪化粧料。
【請求項4】
(b)成分がカルボキシビニルポリマーである、請求項1〜3のいずれか1項に記載のジェル状毛髪化粧料。
【請求項5】
(c)成分としてシリコーン油を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載のジェル状毛髪化粧料。
【請求項6】
(c)成分を、下記一相マイクロエマルション調製工程と、下記O/W超微細エマルション調製工程とを経て調製したO/W超微細エマルションとして配合してなることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載のジェル状毛髪化粧料。
〔一相マイクロエマルション調製工程〕
上記(c)成分と、非イオン性界面活性剤と、ポリオキシプロピレン・ポリオキシエチレン共重合体ジアルキルエーテルと、水とを含有し、水分含有量が40質量%以下である一相マイクロエマルションを調製する一相マイクロエマルション調製工程、
〔O/W超微細エマルション調製工程〕
上記工程により調製された一相マイクロエマルションを水性処方中に添加し、乳化粒子径が10〜500nmであるO/W超微細エマルションを調製するO/W超微細エマルション調製工程。
【請求項7】
下記工程:
(i)(c)成分と、非イオン性界面活性剤と、ポリオキシプロピレン・ポリオキシエチレン共重合体ジアルキルエーテルと、水とを含有し、水分含有量が40質量%以下である一相マイクロエマルションを調製する工程、
(ii)上記一相マイクロエマルションを水性溶媒(一部)中に添加して乳化粒子径が10〜500nmであるO/W超微細エマルションを調製する工程、
(iii)上記O/W超微細エマルションを、(a)成分、(b)成分、(d)成分を水性溶媒(残部)中に溶解してなる系中に添加、混合する工程、
を含む、請求項1〜6のいずれかのジェル状毛髪化粧料の製造方法。
【請求項8】
(c)成分、(d)成分を、下記一相マイクロエマルション調製工程と、下記O/W超微細エマルション調製工程とを経て調製したO/W超微細エマルションとして配合してなることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載のジェル状毛髪化粧料。
〔一相マイクロエマルション調製工程〕
上記(c)成分、(d)成分と、非イオン性界面活性剤と、ポリオキシプロピレン・ポリオキシエチレン共重合体ジアルキルエーテルと、水とを含有し、水分含有量が40質量%以下である一相マイクロエマルションを調製する一相マイクロエマルション調製工程、
〔O/W超微細エマルション調製工程〕
上記工程により調製された一相マイクロエマルションを水性処方中に添加し、乳化粒子径が10〜500nmであるO/W超微細エマルションを調製するO/W超微細エマルション調製工程。
【請求項9】
下記工程:
(i)(c)成分、(d)成分と、非イオン性界面活性剤と、ポリオキシプロピレン・ポリオキシエチレン共重合体ジアルキルエーテルと、水とを含有し、水分含有量が40質量%以下である一相マイクロエマルションを調製する工程、
(ii)上記一相マイクロエマルションを水性溶媒(一部)中に添加して乳化粒子径が10〜500nmであるO/W超微細エマルションを調製する工程、
(iii)上記O/W超微細エマルションを、(a)成分、(b)成分を水性溶媒(残部)中に溶解してなる系中に添加、混合する工程、
を含む、請求項1〜5、8のいずれかのジェル状毛髪化粧料の製造方法。

【公開番号】特開2012−121839(P2012−121839A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−274099(P2010−274099)
【出願日】平成22年12月8日(2010.12.8)
【出願人】(000001959)株式会社 資生堂 (1,748)
【Fターム(参考)】