説明

ジチオレン遷移金属の錯体およびセレン様の化合物、ドーピング剤としての上記錯体および上記化合物の使用、上記錯体を含む有機半導体材料、ならびに、錯体を含むエレクトロニック構造素子またはオプトエレクトロニック構造素子

本発明は、構造1および構造2に従った、ジチオレン遷移金属の錯体および上記錯体のセレン様化合物に関するものであり、そして、特に、有機半導体マトリックス材料をドーピングするためのドーピング剤としてのジチオレン遷移金属の錯体および上記錯体のセレン様化合物の使用、上記有機半導体マトリックス材料、および、上記化合物を含む、エレクトロニック構造素子およびオプトエレクトロニック構造素子に関する。
【化1】


【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、ジチオレン遷移金属の錯体および上記錯体のセレン様の化合物と、有機半導体マトリックス材料をドーピングするためのドーピング剤として上記錯体および上記化合物を使用すること、電荷注入層として上記錯体および上記化合物を使用すること、電極材として上記錯体および上記化合物を使用すること、キャリア材料として上記錯体および上記化合物を使用すること、マトリックス材自身として上記錯体および上記化合物を使用すること、あるいは、エレクトロニック構造素子またはオプトエレクトロニック構造素子における記憶材料として上記錯体および上記化合物を使用することと、有機半導体マトリックス材料と、エレクトロニック構造素子またはオプトエレクトロニック構造素子とに関する。
【0002】
有機半導体における、ドーピングによる有機半導体の電気特性、特に導電性に関する変化は、シリコン半導体などの無機半導体とも同様に周知である。上記ドーピングにより、ドーピング前の初期段階においては相対的に小さい導電性の増大が達成されるとともに、使用されるドーピング剤の種類に応じて、マトリックス材における電荷担体の生成による半導体におけるフェルミ準位の変化が達成される。ここで、ドーピングが電荷搬送層の導電性の増大をもたらし、その結果、抵抗損が低減され、そして、各コンタクト部位と有機層との間における電荷担体の遷移の改善をもたらす。
【0003】
アルカリ金属(例えば、セシウム)またはルイス酸(例えば、FeCl3)などの無機ドーピング剤は、その高い拡散係数を鑑みると、エレクトロニック構造素子の機能および安定性に悪影響を及ぼすため、一般に、有機マトリックス材においては不適である。さらに、ドーピング剤を調製するために、半導体マトリックス材料内に化学反応を介してドーピング剤を放出することは、周知である。しかし、当該放出されたドーピング剤の還元ポテンシャルは、多くの場合、特に有機発光ダイオード(OLED)などといった様々な用途には不十分である。さらに、原子状水素などのさらなる化合物および/または原子が、また、ドーピング剤の放出の間に生成され、上記さらなる化合物および/または原子によって、ドープ層の特性および上記ドープ層に対応するエレクトロニック構造素子の特性に悪影響を及ぼす。
【0004】
アクセプタ様材料は、正孔注入層としても使用できる。したがって、例えば、アノード/アクセプタ/正孔輸送体の層構造が生成され得る。正孔輸送体は、単一層または積層であり得る。特に、正孔輸送体は、また、アクセプタによってドープされ得る。アノードは、ITOなどであり得る。アクセプタ層は、0.5〜100nm厚であり得る。一実施形態において、アクセプタ層は、ドナー様分子によってドープされ得る。
【0005】
本発明は、当該技術分野における現状の欠点を克服するという課題を有しており、特に、改良された、有機の半導体マトリックス材料、電荷注入層、マトリックス材料自体、電極材を結果として得るための化合物、特に、エレクトロニック構造素子またはオプトエレクトロニック構造素子を結果として得るための化合物を入手可能にするという課題を有する。上記化合物は、好ましくは、十分に高い生産性を有すべきものであり、マトリックスへの悪影響を及ぼさないものであるべきであり、入手可能なマトリックス材料における電荷担体の数を効果的に増大させるべきものであり、そして、相対的に処理が容易なものであるべきである。
【0006】
本発明の他の課題は、有機半導体材料を入手可能にすること、および、上記開示された新しい錯体の化合物が使用され得る、エレクトロニック構造素子またはオプトエレクトロニック構造素子を入手可能にすることを含む。
【0007】
第一の課題は、下記の構造1および構造2を有する、ジチオレン遷移金属の錯体および上記錯体のセレン様化合物によって解決される。
【0008】
【化1】

【0009】
構造1において、
−Mは三価遷移金属であり、−Q1−Q6は、SまたはSeから互いに独立に選択され、−R1−R6は、多ハロゲン化芳香族化合物および多ハロゲン化複素環式芳香族化合物;少なくとも1つのアクセプタ基を有する、ハロゲン化または非ハロゲン化された脂肪族炭化水素、ハロゲン化または非ハロゲン化された脂環式炭化水素、および、ハロゲン化または非ハロゲン化された複素脂環式化合物;2つの隣接する各基であるR1およびR2、または、R3およびR4、または、R5およびR6が少なくとも1つのヘテロ原子を介して互いに架橋された、多ハロゲン化脂肪族炭化水素または多ハロゲン化脂環式炭化水素;ならびにCNから互いに独立に選択され、
上記構造1を構成する上記条件に関して、MがCr、Mo、W、Fe、Ru、Os、V、Reのとき、Q1-6がSのとき、および、R1−R6がフェニル基またはベンゾイルまたはHまたはCH3またはC2H5またはC4H10またはCOOCH3のときを除き、
MがCr、Mo、W、Fe、Ru、Os、V、Reのとき、R1、R3、R5がフェニル基のとき、および、R2、R4、R6がキノキサリルのときを除き、
MがCr、Mo、W、Feのとき、Q1-6がSのとき、および、R1−R6がCF3のときを除き、ならびに
MがMo、Wのとき、Q1-6がSeのとき、および、R1-6がCF3のときを除く。
【0010】
構造2において、
−Mは二価遷移金属であり、−Q1−Q4は、SまたはSeから互いに独立に選択され、−R1−R4は、多ハロゲン化芳香族化合物および多ハロゲン化複素環式芳香族化合物;少なくとも1つのアクセプタ基を有する、ハロゲン化または非ハロゲン化の脂肪族炭化水素、ハロゲン化または非ハロゲン化の脂環式炭化水素、および、ハロゲン化または非ハロゲン化の複素脂環式化合物;2つの隣接する各基である、R1およびR2、または、R3およびR4が少なくとも1つのヘテロ原子を介して互いに架橋された、多ハロゲン化脂肪族炭化水素または多ハロゲン化脂環式炭化水素;ならびにCNから互いに独立に選択され、
上記構造2を構成する上記条件に関して、
MがFe、Co、Ni、Pd、Ptのとき、および、R1、R2がフェニル基またはベンゾイルまたはCH3またはC2H5またはC4H10またはCF3またはCOOCH3のときを除き、
MがFe、Co、Ni、Pd、Ptのとき、および、R1、R3がフェニル基またはH、および、R2、R4がキノキサリルのときを除き、ならびに、
MがNi、Pd、Pt、Cu、Ag、Auのとき、Q1−Q4がSeのとき、および、R1−R4がCF3のときを除く。
【0011】
構造1において、遷移金属は、Cr、Mo、W、Fe、Ru、Os、Mn、Re、V、NbおよびTaから選択されることが好ましい。
【0012】
代替的に、構造2において、遷移金属は、Ni、Pd、Pt、Co、Fe、Ag、Au、およびCuから選択されることが好ましい。
【0013】
また、構造1におけるR1−R6、および、構造2におけるR1−R4は、ペルフルオロ芳香族化合物または過塩素化芳香族化合物、および、ペルフルオロ複素芳香族化合物または過塩素化複素芳香族化合物から選択されることも提案される。
【0014】
構造1におけるR1−R6、および、構造2におけるR1−R4は、特に、ペンタフルオロフェニルおよびテトラフルオロピリジンから選択されることが好ましい。
【0015】
上記少なくとも1つのアクセプタ基が、CN、NO2、NO、CF3、C25、CF2Cl、C24Cl、C37、SF5、COR10およびCOOR10から選択され、上記R10は、ハロゲン化および非ハロゲン化のアリール基ならびにハロゲン化および非ハロゲン化のアルキル基から選択される。
【0016】
ジチオレン遷移金属の錯体および上記錯体のセレン様化合物を、本発明に従って、有機半導体マトリックス材料をドーピングするためのドーピング剤として使用すること、電荷注入層として使用すること、電極材料として使用すること、輸送材料として使用すること、マトリックス材料自体として使用すること、または、エレクトロニック構造素子またはオプトエレクトロニック構造素子における記憶材料として使用することについても、本発明に基づくものである。
【0017】
さらに、少なくとも1つの有機マトリックス化合物および本発明に係るジチオレン遷移金属の錯体またはそのセレン様化合物である1つのドーピング剤を含む有機半導体材料は、本発明に従うものである。
【0018】
ドーピング剤とマトリックス分子とのモルドーピング比率、または、ドーピング剤とモノマー単位のポリマーマトリックス分子とのドーピング比率は、20:1と1:100,000との間、好ましくは、10:1と1:1,000との間、特に好ましくは、1:1と1:100との間である。
【0019】
さらに、電気的かつ機能的にアクティブな領域を備える、エレクトロニック構造素子またはオプトエレクトロニック構造素子は、本発明に従うものである。ここで、電気的にアクティブな領域は、本発明に係る少なくとも1つのジチオレン遷移金属の錯体またはそのセレン様化合物を備える。
【0020】
電気的にアクティブな領域は、有機半導体材料を備えることが好ましく、該有機半導体材料は、本発明に係る少なくとも1つのジチオレン遷移金属の錯体またはそのセレン様化合物によってドープされる。
【0021】
最後に、有機発光ダイオード、光電池、有機太陽電池、有機ダイオードまたは有機電界効果トランジスタの形状を有するエレクトロニック構造素子またはオプトエレクトロニック構造素子が提案される。
【0022】
驚くべきことに、上記開示された、電気的に中性の六配位および二量体の、ジチオレン遷移金属の錯体またはそのセレン様化合物は、既知のアクセプタ化合物の場合よりも、大幅に強く、および/または、より安定性の高いドーピング剤として存在することが判明した。このとき、六配位および二量体の、ジチオレン遷移金属の錯体またはそのセレン様化合物は、有機半導体マトリックス材料とは逆のP型ドーピング剤として中性状態において使用され得る。特に、本発明に係る錯体を用いるときの電荷搬送層の導電性が大幅に増大する、かつ/または、エレクトロニック構造素子としての用途における接触層と有機層との間の電荷担体の遷移が飛躍的に向上する。
【0023】
上記概念に限定されることなく、本発明に従って、特定の周囲のマトリックス材料から特に少なくとも1つの電子の転移によってCT錯体がドープ層内に形成されることが開始点として想定される。同様に、マトリックス材料の陰イオンが形成され、当該陰イオンは、マトリックス材料上を移動可能である。
【0024】
上記方法において、マトリックス材料は、非ドープのマトリックス材料の導電性よりも高い導電性を獲得する。非ドープのマトリックス材料の導電性は、概して>10-8S/cmであり、特に>10-10S/cmであることが多い。ここで、マトリックス材料が十分に高い純度を有するように留意する必要がある。当該純度は、勾配昇華法などの従来手法によって達成され得る。
【0025】
当該マトリックス部材の導電性は、ドーピングによって、10-8S/cmより大きく、多くの場合、10-5S/cmより大きく増大し得ることが多い。上記ドーピングでは、当該マトリックス部材は、Fc/Fc+に対して−0.5V、好ましくは、Fc/Fc+に対して0V、特にFc/Fc+に対して+0.2Vよりも大きい酸化ポテンシャルが付与される。Fc/Fc+の呼称は、シクロボルタンメトリー等の電気化学的ポテンシャルを決定する際に参照として用いられる、フェロセン/フェロセニウムのレドックス対を指す。
【0026】
さらに、遷移金属のジチオレン錯体またはセレン様化合物が、好ましくは、電極と半導体層との間において、エレクトロニック構造素子におけるドープされ得る注入層として使用され得るか、または、好ましくは、エレクトロニック構造素子におけるエミッタと搬送層との間において、ブロッキング層として使用され得ることも本発明に従って決定された。本発明に係る化合物が、大気に対する反応性に関して驚くべく高い安定性を有する。
【0027】
(六配位遷移金属の錯体の生成)
電気的に中性で、ジチオレンの六配位および二量体の遷移金属の錯体またはセレン様化合物が、周知の工程に従って合成される。当該化合物の合成は、下記の文献内などに記載されており、該文献は、全文を参照することによって本明細書中に含まれている。当然のことながら、参考文献は、例示によってのみ示される。Schrauzeらによると、当該遷移金属の錯体は、1,2−ジケトンまたは2−ヒドロキシケトン、五硫化リン、および適する遷移金属塩から生成され得る。これについて、Angew. Chem. (1964) 76 345, Z. Naturforschg. (1964) 196 1080を参照されたい。
【0028】
硫黄およびアセチレン、または対応するセレン化合物と遷移金属カルボニルとの反応は、本発明に係る錯体をもたらす。これについて、A. Davison et al., Inorg. Chem. (1964) 3/6 814; 9/8 (1970)を参照されたい。遷移金属カルボニルの代わりに、対応するシクロオクタジエニルやホスフィンなど他の形式の0価の遷移金属化合物だけでなく、遷移金属を単独にて使用されてもよい。遷移金属を単独にて使用することについては、G.N. Schrauzer et al., Z. Naturforschg. (1964) 19b, 192-8を参照されたい。
【0029】
(六配位遷移金属の錯体の調製)
対応するアセチレンは、ウィッティヒ反応またはウールマン反応、続いて、ハロゲンの除去、その後、硫黄および遷移金属−(0)−化合物または遷移金属の単体との反応を介して、対応する遷移金属ビスエチレンジチオラーテに調製され得る。
【0030】
【化2】

【0031】
しかし、有機金属化合物を塩化オキサリルと反応させることにより、対称性を有するペルフルオロベンジルを調製することも可能である。ベンジルは、アセチレンからも調製可能である。続いて、上記ベンジルは、ベンゾインまで容易に還元され得るものであり、さらに、ベンゾインは、下記のスキームに従って遷移金属ビスエチレンジチオラーテに変換され得る。
【0032】
【化3】

【0033】
さらに、アセチレンは、硫黄/セレンとの反応を介してジチアシクロブテン/ジセレナシクロブテンに調製され得る。該ジチアシクロブテン/ジセレナシクロブテンは、続いて、それらの一部が遷移金属−(0)−化合物、または、遷移金属の粉体との反応を介して、対応する遷移金属ビスエチレンジチオラーテに調製され得る。これについて、N. J. Harris, A.E. Underhill, J. Chem. Soc. Dalton Trans. (1987) 1683; A. Davision et al., JACS (1964) 86 2799-805を参照されたい。
【0034】
【化4】

【0035】
また、合成方法は、J. Nakayama et al. Tetrahedeon Lett. (2000) 41 8349; B.R.O'Connor, F.N.Jones J. Org. Chem. (1970) 36/6 2002; R.Mayer et al. Angew. Chem. (1964) 76 143; M. Ohashi et al. Chemistry Lett. (1978) 1189などの、アセチレンおよび二塩化二硫黄、または、トリチオカーボネート、または、二硫化炭素および硫黄を介するものが掲載された文献内にも記載されている。また、Y. Gareau, A. Beauchemin Heterocycles (1998) 48 2003において、置換1,3−ジチオール−2−オンズを表すために、ラジカル変異体が記載されている。
【0036】
(新しい遷移金属の錯体の調製)
実施例A
トリス(1,2−ビス−2−クロロテトラフルオロエチルエチレン−1,2−ジチオラーテ)モリブデン
乾燥させた、10mlのトルエン中にて、0.24gのモリブデンヘキサカルボニル、および、0.32gのビス−(2−クロロテトラフルオロエチル)−ジチエテンを、アルゴン雰囲気下での還流条件にて、24時間加熱する。冷却後、吸引により、ブラック−ブルーの結晶を取り出す。収量は75%である。
【0037】
実施例B
トリス(1,2−ビス−2−クロロテトラフルオロエチルエチレン−1,2−ジチオラーテ)クロム
乾燥させた、10mlのエチルシクロヘキサン中にて、0.13gのクロムヘキサカルボニル、および、0.32gのビス−(2−クロロテトラフルオロエチル)−ジチエテンを、アルゴン雰囲気下の還流条件にて4時間加熱する。冷却後、吸引により、ライラック−ブラックの結晶を取り出す。収量は約65%である。
【0038】
実施例C
70mlのベンゼン中に、354mgの4−(テトラフルオロピリド−4−イル)−5−(へプタフルオロ−1,1−〔ビストリフルオロメチル〕ブチ−1−イル)−1,3−ジチオール−2−オン、および、312mgのモリブデンヘキサカルボニルを溶解した溶液を、アルゴン雰囲気下でキセノンランプによる照射条件下に1時間曝す。その後、少量になるまで濃縮し、ヘキサンを加えて、しばらく静置すると、黒緑色の結晶が沈殿する。該結晶を吸引によって取り出す。収量は17%である。
【0039】
実施例D
70mlのベンゼン中に、354mgの4−(テトラフルオロピリド−4−イル)−5−(へプタフルオロ−1,1−〔ビストリフルオロメチル〕ブチ−1−イル)−1,3−ジチオール−2−オン、および、287mgのバナジウムヘキサカルボニルを溶解した溶液を、アルゴン雰囲気下にてキセノンランプによる照射条件下に1時間曝す。その後、少量になるまで濃縮し、テトラを加えると、黒青色の結晶が沈殿する。該結晶を吸引により取り出す。収量は21%である。
【0040】
ドーピング
とりわけ、Zn(ZnPc)、Cu(CuPc)、Ni(NiPc)といったフタロシアニンの錯体が、または上記フタロシアニン配位子を上記金属以外の金属と置換した錯体が、p型ドープ可能なマトリックス材料として使用され得る。必要に応じて、ナフトシアニンおよびポリフェリンなどの他の金属の錯体を使用することができる。さらに、置換された、または、置換されていない、アリール化またはヘテロアリール化のアミンあるいはベンジジン誘導体、特に、TPD、a−NPD、TDATA、スピロ−TTBなどのスピロ連鎖したものでさえもが、マトリックス材料として使用されてもよい。特に、a−NPDおよびスピロ−TTBがマトリックス材料として使用され得る。
【0041】
【化5】

【0042】
芳香族多環式炭化水素に加え、特にイミダゾール、チオフェン、チアゾール誘導体、ヘテロトリフェニレン、などの複素環式芳香族化合物だけでなく、他のもの、任意には、ダイマー、オリゴマー、または、ポリマーの複素環式芳香族化合物が、マトリックス材料として使用され得る。好ましくは、複素環式芳香族化合物は、置換、特に、フェニル置換またはナフチル置換などのアリール置換される。また、上記複素環式芳香族化合物のものは、スピロ化合物として存在し得る。特に、上記化合物は、マトリックス材料として使用され得る。当然のことながら、引用される各マトリックス材料は、互いに混合されて使用されても、また、本発明の範囲内である他の材料と混合されて使用されてもよい。当然のことながら、半導体特性を有する、他の適する有機マトリックス材料が使用されてもよい。
【0043】
ドーピング濃度
好ましくは、ドーピング剤は、マトリックス分子またはモノマー単位のポリマーマトリックス分子に対するドーピング濃度が≦1:1で存在するものであり、好ましくは1:2以下、特に好ましくは1:5以下、または、1:10以下のドーピング濃度で存在するものである。ドーピング濃度は、1:1〜1:100,000の範囲内であってもよく、特に、1:1〜1:100,000の範囲内であってもよく、特に、1:5〜10,000または1:10〜1,000の範囲内、または、例えば1:10〜1:100または1:25〜1:50の範囲内であってもよいが、これらに限定されない。
【0044】
(ドーピングの実行)
下記の各工程のうちの一つまたは組合せによって、本発明の化合物による、特定のマトリックス材料に対するドーピングが実施され得る。
a)マトリックス材料用の原料とドーピング剤用の原料とを減圧下で混合エバポレーションする工程、
b)基板上にマトリックス材料およびp型ドーピング剤を、順次、堆積させ、続いて、特に熱処理によってドーピング剤をマトリックス材料内に拡散させる工程、
c)p型ドーピング剤の溶液を、マトリックス層上にて、特に熱処理による溶媒のエバポレーションにより、マトリックス層をドーピングする工程、
d)マトリックス材料層の表面上に塗布されるドーピング剤の層を用いてマトリックス材料層を表面ドーピングする工程、
e)マトリックス分子およびドーピング剤の溶液を調製し、続いて、溶媒のエバポレーションまたは遠心分離などの従来手法を用いて、上記溶液から層を生成する工程。
【0045】
また、必要に応じて、ドーピングは、加熱および/または照射の間にドーピング剤を放出する前駆化合物からドーピング剤が蒸発するように実施され得る。例えば、カルボニル化合物、二窒素化合物などが、前駆化合物として使用され得る。該前駆化合物は、ドーピング剤の放出において、CO、ニトロゲンなどを分離させる。ここで、塩、ハロゲン化物などの他の適した前駆体が使用されてもよい。エバポレーションに必要な熱は、照射によって実質的に入手可能になり得る。
【0046】
そして、目的の方法において、熱は、放射され得るとともに、所望の方法によって、電荷移動錯体などの、化合物、前駆物質、または、接続錯体における特定のバンド内にて照射され得る。これは、励起状態に変換することによる錯体の解離によって、例えば化合物のエバポレーションを促進するためである。しかし、特に、本発明に係る錯体は、既定の条件下で解離しないように蒸発する、または、基板上に適用されるのに十分な安定性を有する。当然のことながら、ドーピングを実施するための他の適した工程が用いられてもよい。
【0047】
したがって、上記の方法によって、有機半導体のp型ドープ層が生成され、様々に使用され得る。
【0048】
(半導体層)
導電性の各パス、各コンタクトなどの、ほぼ直線状に、必要に応じて形成された半導体層が、遷移金属の錯体の化合物とともに生成され得る。電磁放射を用いた層に対する上述の処理が局所的にのみ実施されることを鑑みると、半導体層において導電性の各パス、各コンタクト、または、他の導電性構造を生成することも可能である。ここで、上記導電性構造は照射領域の量に起因する。特に、非照射層の幅の残量は、照射幅のための絶縁体の役割を果たし得る。ここで、遷移金属の錯体は、マトリックス材料としての機能を果たす他の化合物とともに、p型ドーピング剤として使用されてもよく、ドーピング比率は1:1以下であり得る。しかし、使用されるドーピング剤は、他の特定の化合物または構成要素に対して相対的に多い量で存在するので、ドーピング剤:化合物の割合が、>1:1、例えば、≧2:1、≧5:1、≧10:1、または、≧20:1、またはそれ以上になり得る。特定の他の構成要素は、これに限定されないが、ドープ層の生成の際にマトリックス材料として使用されるようなものであり得る。使用されるドーピング剤は、必要に応じて、例えば、単一層などの実質的に単独形状にて存在し得る。
【0049】
ドーピング剤を含む範囲、あるいは、実質的または完全に上記後者である化合物からなる範囲は、例えば、当該基板上に配置され得る、特に有機半導体材料および/または無機半導体材料によって導電的に接触し得るものである。
【0050】
上記挙げられた、電子欠乏の遷移金属の錯体の化合物は、好ましくは、本発明に従ってp型ドーピング剤として、例えば、≦1:1または≦1:2の割合で使用される。例えば、室温において、ZnPc、スピロ−TTB、または、a−NPDを、導電性を有するマトリックス半導体層として使用するとき、本発明に基づいて使用される電子欠乏の化合物をp型ドーピング剤として使用することにより、10-5S/cm以上の範囲、例えば、10-3S/cm以上、例えば10-1S/cmなどが実現され得る。フタロシアニン亜鉛をマトリックスとして用いるとき、10-8S/cmよりも大きい導電性、例えば10-6S/cmの導電性が実現され得る。従来では、マトリックスの還元ポテンシャルが小さすぎるため、このマトリックスを有機アクセプタによってドーピングすることは不可能であった。一方で、非ドープのフタロシアニン亜鉛の導電性は、最大で10-10S/cmである。
【0051】
当然のことながら、ドーピング剤を有する層または構造は、1つまたは複数の互いに異なる、上記のような電子不足の遷移金属の錯体の化合物を含み得る。
【0052】
(エレクトロニック構造素子)
複数のエレクトロニック構造素子、または、それらを含む装置は、p型ドープ有機半導体材料を生成するために上記化合物を用いるとき、p型ドープ有機半導体層とともに生成され得る。上記p−ドープ有機半導体材料は、特に、層または導電性のパスの形状で配置され得る。本発明では、オプトエレクトロニックの構造素子ですら、概念的に「エレクトロニック構造素子」に含まれる。構造素子における電気的かつ機能的にアクティブな領域の電子特性、例えば、その導電性、発光特性などは、上述の新しい化合物によって好適に変更され得る。したがって、ドープ層の導電性が向上し、かつ/または、コンタクトにおける電荷担体のドープ層への注入の向上を達成し得る。
【0053】
本発明は、特に、有機発光ダイオード(OLEDs)、有機太陽電池、電界効果トランジスタ、有機ダイオード、特に103−107、好ましくは104−107、または105−107などの高い整流比率を有する有機ダイオード、ならびに、電子不足の遷移金属の錯体の化合物によって生成される電界効果トランジスタを含む。
【0054】
有機マトリックス材料に基づくp型ドープ層は、下記の層構造などのエレクトロニック構造素子内に存在し得るものであり、上記個々の層における基材またはマトリックス材料は、好ましくは、有機:
p−i−n:p型ドープ半導体−絶縁体−n型ドープ半導体、
n−i−p:n型ドープ半導体−絶縁体−p型ドープ半導体、
である。
【0055】
「i」の部分に関しては、非ドープ層であり、「p」はp型ドープ層である。コンタクト材料は、本明細書において、正孔注入型である。ここで、例えば、ITOまたはAuの層またはコンタクトがp型側上に設けられ得る、または、電子注入され得る。そして、ITO、AlまたはAgの層またはコンタクトがn型側上に設けられ得る。
【0056】
上記構造において、i層は必要に応じて省略されてもよく、その結果、p−n遷移またはn−p遷移を有する層配列が得られる。
【0057】
しかし、上記化合物の使用は、上述した例示の実施形態に限定されない。特に、層構造は、付加的な適する層の導入によって補完され得る、または、変更され得る。特に、当該層配列、特にピン構造またはその逆の構造を有するOLEDは、上述した化合物によって構成され得る。
【0058】
特に、金属−絶縁体−p型ドープ半導体(min)タイプの有機ダイオード、または、任意で、ピンタイプの有機ダイオードが、例えばフタロシアニン亜鉛を基盤とする上述のp型ドーピング剤を用いて生成され得る。これらのダイオードは、105以上の整流比率を示す。さらに、p−n遷移を有するエレクトロニック構造素子は、本発明に従ってドーピング剤を用いて生成され得る。同半導体材料が、p型ドープ側およびn型ドープ側(ホモ−p−n−遷移)のために使用されており、上述の電子不足の遷移金属の錯体の化合物は、p型ドープ半導体材料のために使用される。
【0059】
電子不足の遷移金属の錯体の化合物は、本発明に基づき、エレクトロニック構造素子内だけでなく、層内、導電性のパス内、ポイントコンタクト内などにおいても使用され得、特に、層、導電パス、ポイントコンタクトなどが、それらが単一または実質的に単一な形状の注入層などとして、他の構成要素に対して優性である場合に、上記遷移金属の錯体の化合物は、層内、導電性のパス内、ポイントコンタクト内などにおいて使用され得る。
【0060】
本発明のさらなる課題および利点は、下記の各実施例を用いて明確に説明されるが、下記の各実施例については、単なる例示であり、本発明の範囲を限定するものではない。
【0061】
(使用の各実施例)
クリーンルームの環境下において、極端に電子不足の、電気的に中性の遷移金属のジチオレンの錯体およびセレン様化合物が調製される。
【0062】
レシーバ内に配置された電子不足の遷移金属の錯体の化合物は、マトリックス材料と同時にエバポレーションされる。例示の実施形態によれば、マトリックス材料は、フタロシアニン亜鉛、スピロ−TTB、または、a−NPDである。p型−ドーピング剤およびマトリックス材料は、真空エバポレーションシステム内において基板上に堆積される層が、p型−ドーピング剤とマトリックス材料のドーピング比率として1対10を有するように、エバポレーションされる。
【0063】
(実施例1)
トリス(1,2−ビス−2−クロロテトラフルオロエチルエチレン−1,2−ジチオラート)モリブデン
中性の上記錯体は、マトリックス材料としてのスピロ−TTBをドーピングするために使用された。ドーピング剤とスピロ−TTBとの混合物を混合エバポレーションすることによって、ドーピング剤:マトリックス材料のドーピング比率が1:10であるドープ層が生成された。上記ドープ層の導電性は、6x10-5S/cmであった。
【0064】
(実施例2)
トリス(1,2−ビス−2−クロロテトラフルオロエチルエチレン−1,2−ジチオラート)クロム
中性の上記錯体は、マトリックス材料としてのスピロ−TTBをドーピングするために使用された。ドーピング剤とスピロ−TTBとの混合物を混合エバポレーションすることによって、ドーピング剤:マトリックス材料のドーピング比率が1:10であるドープ層が生成された。上記ドープ層の導電性は、9.7x10-5S/cmであった。
【0065】
(実施例3)
トリス(1−(テトラフルオロピリド−4−イル)−2−(へプタフルオロ−1,1−〔ビストリフルオロメチル〕ブチ−1−イル)−1,2−ジチオラート)モリブデン
中性の上記錯体は、マトリックス材料としてのスピロ−TTBをドーピングするために使用された。ドーピング剤とスピロ−TTBとの混合物を混合エバポレーションすることによって、ドーピング剤:マトリックス材料のドーピング比率が1:10であるドープ層が生成された。上記ドープ層の導電性は、2.3x10-5S/cmであった。
【0066】
(実施例4)
トリス(1−(テトラフルオロピリド−4−イル)−2−(へプタフルオロ−1,1−〔ビストリフルオロメチル〕ブチ−1−イル)−1,2−ジチオラート)バナジウム
中性の上記錯体は、マトリックス材料としてのスピロ−TTBをドーピングするために使用された。ドーピング剤とスピロ−TTBとの混合物を混合エバポレーションすることによって、ドーピング剤:マトリックス材料のドーピング比率が1:10であるドープ層が生成された。上記ドープ層の導電性は、4.9x10-5S/cmであった。
【0067】
p型−ドーピング剤によってドープされた有機半導体材料の層は、ガラス基板上に配置されたITO層(インジウムスズ酸化物)上に形成されて使用される。p型−ドープされた有機半導体層の形成後に、有機発光ダイオードを生成するために、例えば、好適な金属の蒸着によって、金属カソードが形成される。当然のことながら、上記有機発光ダイオードは、いわゆる逆積層型にて形成し得る。上記逆積層型の層配列は、ガラス基板−金属カソード−p型−ドープ有機層−透明導電被覆層(例えば、ITO)である。当然のことながら、用途に応じて、個々の前述の各層の間にさらなる層が設けられ得る。
【0068】
上述の明細書および請求項において開示された特徴は、単独で、または、あらゆる組合せによって、多種多様な実施形態において本発明を実現するための材料であり得る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の構造1および構造2を有するジチオレン遷移金属の錯体および上記錯体のセレン様化合物であって、
【化1】

構造1において、
−Mは三価遷移金属であり、
−Q1−Q6は、SおよびSeから互いに独立的に選択され、
−R1−R6は、多ハロゲン化芳香族化合物および多ハロゲン化複素環式芳香族化合物;少なくとも1つのアクセプタ基を有する、ハロゲン化または非ハロゲン化の脂肪族炭化水素、ハロゲン化または非ハロゲン化の脂環式炭化水素、および、ハロゲン化または非ハロゲン化の複素脂環式化合物;2つの隣接する各基であるR1およびR2、または、R3およびR4、または、R5およびR6が好ましくは少なくとも1つのヘテロ原子を介して互いに架橋された、多ハロゲン化脂肪族炭化水素または多ハロゲン化脂環式炭化水素;ならびにCNから互いに独立に選択され、
上記構造1の上記条件の内、
MがCr、Mo、W、Fe、Ru、Os、V、Reのとき、Q1-6がSのとき、およびR1−R6がフェニル基またはベンゾイルまたはHまたはCH3またはC2H5またはC4H10またはCOOCH3のときを除き、また、
MがCr、Mo、W、Fe、Ru、Os、V、Reのとき、R1、R3、R5がフェニル基、および、R2、R4、R6がキノキサリルのときを除き、また、
MがCr、Mo、W、Feのとき、Q1-6がSのとき、および、R1−R6がCF3のときを除き、また、
MがMo、Wのとき、Q1-6がSeのとき、および、R1-6がCF3のときを除くものであり、
構造2において、
−Mは二価遷移金属であり、
−Q1−Q4は、SおよびSeから互いに独立に選択され、
−R1−R4は、多ハロゲン化芳香族化合物および多ハロゲン化複素環式芳香族化合物;少なくとも1つのアクセプタ基を有する、ハロゲン化または非ハロゲン化の脂肪族炭化水素、ハロゲン化または非ハロゲン化の脂環式炭化水素、および、ハロゲン化または非ハロゲン化の複素脂環式化合物;2つの隣接する各基であるR1およびR2、または、R3およびR4が少なくとも1つのヘテロ原子を介して互いに架橋された、多ハロゲン化脂肪族炭化水素または多ハロゲン化脂環式炭化水素;ならびにCNから互いに独立に選択され、
上記構造2の上記条件の内、
MがFe、Co、Ni、Pd、Ptのとき、および、R1、R2がフェニル基またはベンゾイルまたはCH3またはC2H5またはC4H10またはCF3またはCOOCH3のときを除き、
MがFe、Co、Ni、Pd、Ptのとき、および、R1、R3がフェニル基またはH、および、R2、R4がキノキサリルのときを除き、ならびに、
MがNi、Pd、Pt、Cu、Ag、Auのとき、Q1−Q4がSeのとき、および、R1−R4がCF3のときを除く、ジチオレン遷移金属の錯体および上記錯体のセレン様化合物。
【請求項2】
構造1において、上記遷移金属が、Cr、Mo、W、Fe、Ru、Os、Mn、Re、V、Nb、および、Taから選択されることを特徴とする請求項1に記載のジチオレン遷移金属の錯体および上記錯体のセレン様化合物。
【請求項3】
構造2において、上記遷移金属が、Ni、Pd、Pt、Co、Rh、Fe、および、Cuから選択されることを特徴とする請求項1に記載のジチオレン遷移金属の錯体および上記錯体のセレン様化合物。
【請求項4】
構造1におけるR1−R6、および、構造2におけるR1−R4が、ペルフルオロまたは過塩素化の芳香族化合物およびペルフルオロまたは過塩素化の複素芳香族化合物から選択されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のジチオレン遷移金属の錯体および上記錯体のセレン様化合物。
【請求項5】
構造1におけるR1−R6、および、構造2におけるR1−R4が、ペンタフルオロフェニルおよびテトラフルオロピリジンから選択されることを特徴とする請求項4に記載のジチオレン遷移金属の錯体および上記錯体のセレン様化合物。
【請求項6】
少なくとも1つのアクセプタ基が、CN、NO2、NO、CF3、C25、CF2Cl、C24Cl、C37、SF5、COR10およびCOOR10から選択され、上記アクセプタ基において、R10は、ハロゲン化および非ハロゲン化のアリール基、ならびに、ハロゲン化および非ハロゲン化のアルキル基から選択されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のジチオレン遷移金属の錯体および上記錯体のセレン様化合物。
【請求項7】
有機半導体マトリックス材料をドーピングするためのドーピング剤、電荷注入層、電極材、輸送材料、マトリックス材料自体、エレクトロニック構造素子またはオプトエレクトロニック構造素子における記憶材料としての、請求項1〜6のいずれか一項に記載のジチオレン遷移金属の錯体および上記錯体のセレン様化合物の使用。
【請求項8】
少なくとも1つの有機マトリックス化合物およびドーピング剤を含み、
上記ドーピング剤が、請求項1〜6のいずれか一項に記載のジチオレン遷移金属の錯体および上記錯体のセレン様化合物であることを特徴とする有機半導体材料。
【請求項9】
ドーピング剤と上記マトリックス分子とのモルドーピング比率、または、ドーピング剤とモノマー単位のポリマーマトリックス分子とのドーピング比率は、20:1と1:100,000との間、好ましくは、10:1と1:1,000との間、特に好ましくは、1:1と1:100との間であることを特徴とする請求項8に記載の有機半導体材料。
【請求項10】
電気的かつ機能的にアクティブな領域を備え、
上記電気的にアクティブな領域が、請求項1〜6のいずれか一項に記載の少なくとも1つのジチオレン遷移金属の錯体および上記錯体のセレン様化合物を含むことを特徴とする、エレクトロニック構造素子またはオプトエレクトロニック構造素子。
【請求項11】
上記電気的にアクティブな領域が、請求項1〜6のいずれか一項に記載の少なくとも1つのジチオレン遷移金属の錯体および上記錯体のセレン様化合物によってドープされた有機半導体材料を有することを特徴とする請求項10に記載のエレクトロニック構造素子またはオプトエレクトロニック構造素子。
【請求項12】
有機発光ダイオード、光電池、有機太陽電池、有機ダイオードまたは有機電界効果トランジスタの形状である、請求項10または11に記載のエレクトロニック構造素子またはオプトエレクトロニック構造素子。

【公表番号】特表2010−510179(P2010−510179A)
【公表日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−536604(P2009−536604)
【出願日】平成19年11月20日(2007.11.20)
【国際出願番号】PCT/DE2007/002109
【国際公開番号】WO2008/061518
【国際公開日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【出願人】(503180100)ノヴァレッド・アクチエンゲゼルシャフト (47)
【Fターム(参考)】