ジャバラ式カバー付きパンタグラフ
【課題】パンタグラフの基本構成を変更せず、構成各部への粉塵の付着を防止し、空力騒音の低減効果が得られ、枠組を粉塵から守り、かつ、ダンパを設けることなく減衰機能を有する低騒音パンタグラフを提供する。
【解決手段】パンタグラフの枠組の全体を覆う楕円形（進行方向に対し流線型）のジャバラ式カバーと枠組の上下動に追従するように枠組の両端と該ジャバラ式カバーとを固定し、ジャバラ式カバーの上下端面に、雨水や粉塵などから枠組を保護し、枠組からの発生の空力騒音を低減するために密閉する蓋等を配設し、ジャバラ式カバーに一部に孔を設け、枠の上下動に対して減衰機能を有するようにする。枠組を構成する各部材への粉塵の付着を防止でき、かつ各部材から発生する空力騒音が低減される。進行方向の違いによる空力特性の差異も解消できる。高速走行であっても架線と共振することなく安定した集電ができる。
【解決手段】パンタグラフの枠組の全体を覆う楕円形（進行方向に対し流線型）のジャバラ式カバーと枠組の上下動に追従するように枠組の両端と該ジャバラ式カバーとを固定し、ジャバラ式カバーの上下端面に、雨水や粉塵などから枠組を保護し、枠組からの発生の空力騒音を低減するために密閉する蓋等を配設し、ジャバラ式カバーに一部に孔を設け、枠の上下動に対して減衰機能を有するようにする。枠組を構成する各部材への粉塵の付着を防止でき、かつ各部材から発生する空力騒音が低減される。進行方向の違いによる空力特性の差異も解消できる。高速走行であっても架線と共振することなく安定した集電ができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、鉄道車両用パンタグラフに関するものである。
【背景技術】
【０００２】
走行時、パンタグラフからは、架線とすり板の摺動音、離線によるスパーク音の他に各部材から空力騒音が発生している。空力騒音の低減のため、部材の点数を少なくする、部材自身を騒音低減の効果が得られるような形状にするなどが必要である。
【０００３】
菱形や下枠交叉形のパンタグラフは、進行方向に対して対称構造のため、空力特性に差異はない。一方、シングルアーム形のパンタグラフは、進行方向に対して対称構造でないため、空力特性に差がある。そのため、空力特性の差異を解消するため、舟廻りを前後非対称にするなどの対策が講じられている。
【０００４】
高速走行時、パンタグラフと架線が共振し、離線現象が頻繁に発生するため、枠組と台枠の間にダンパ装置を取り付けている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００５】
【特許文献１】特開２０００−２７８８０３公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
本発明は、パンタグラフの基本構成を変更せず、構成各部への粉塵の付着を防止し、空力騒音の低減効果が得られ、ダンパ装着不要のパンタグラフを提供することを目的に提案されたものである。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
請求項１の発明によれば、車両用のパンタグラフにおいて、該パンタグラフの枠組の全体を覆う楕円形（進行方向に対し流線型）のジャバラ式カバーと該枠組の上下動に追従するように前記枠組の両端と該ジャバラ式カバーとを固定し、前記ジャバラ式カバーの上下端面に、雨水や粉塵などから前記枠組を保護するためと、前記枠組からの発生の空力騒音を低減するためとに、密閉する手段を具備したことを特徴とする。
【０００８】
すなわち、本発明は、パンタグラフ（菱形、下枠交叉形、シングルアーム形）の枠組全体を覆う楕円形のジャバラ式カバーを枠組の上下動に対して追従出来るように片側を台枠に片側を舟部に固定する。
【０００９】
請求項２の発明によれば、車両用のパンタグラフにおいて、ジャバラ式カバーと枠組の上下動に追従するように前記枠組の両端と該ジャバラ式カバーとを固定し、前記ジャバラ式カバーの上下端面に、雨水や粉塵などから前記枠組を保護するためと、前記枠組からの発生の空力騒音を低減するためとに、密閉する手段を具備し、さらにこのように密閉されたジャバラ式カバーの一部に孔を設けることを特徴とする。
【００１０】
すなわち、ジャバラ式カバーの上下を密閉し、一部に孔を設けることにより、枠の上下動に対して減衰機能を有することができるようにする。
【発明の効果】
【００１１】
ジャバラ式カバーを用いれば、枠組を構成する各部材への粉塵の付着を防止でき、かつ各部材から発生する空力騒音が低減される。また、進行方向の違いによる空力特性の差異も解消できる。
【００１２】
ジャバラ式カバーにより、高速走行であっても架線と共振することなく安定した集電を行うことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【００１３】
【図１】ジャバラ式カバー付パンタグラフを示した説明図である。（集電時）
【図２】ジャバラ式カバー付パンタグラフを示した説明図である。（折畳時）
【図３】パンタグラフ機構図である。
【発明を実施するための形態】
【００１４】
図１と図２は、本発明の実施例の構成を示す図である。
【実施例１】
【００１５】
図１は、本発明のジャバラ式カバー１を有するパンタグラフを示す図である。ジャバラ式カバー１は進行方向に対して流線型の形状で、かつ前後対称である。ジャバラ式カバー１の下側は台枠３のフレーム部と、ジャバラ式カバー１の上側は枠組２の頂部と締結されており、枠組２の上下動に対してジャバラ式カバー１が収縮する。
【００１６】
ジャバラ式カバー１の上部と下部（または、台枠３の底部）に蓋７がされることにより、ジャバラ式カバー１内部を密閉状態とし、さらにジャバラ式カバー１の一部に減衰係数調整用の孔（空気穴）４を設ける。
【符号の説明】
【００１７】
１ ジャバラ式カバー
２ 枠組
３ 台枠
４ 孔（空気穴）
５ 碍子
６ 舟
７ 蓋
８ ダンパ
９ 走行風
１０ 風切音
【技術分野】
【０００１】
本発明は、鉄道車両用パンタグラフに関するものである。
【背景技術】
【０００２】
走行時、パンタグラフからは、架線とすり板の摺動音、離線によるスパーク音の他に各部材から空力騒音が発生している。空力騒音の低減のため、部材の点数を少なくする、部材自身を騒音低減の効果が得られるような形状にするなどが必要である。
【０００３】
菱形や下枠交叉形のパンタグラフは、進行方向に対して対称構造のため、空力特性に差異はない。一方、シングルアーム形のパンタグラフは、進行方向に対して対称構造でないため、空力特性に差がある。そのため、空力特性の差異を解消するため、舟廻りを前後非対称にするなどの対策が講じられている。
【０００４】
高速走行時、パンタグラフと架線が共振し、離線現象が頻繁に発生するため、枠組と台枠の間にダンパ装置を取り付けている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００５】
【特許文献１】特開２０００−２７８８０３公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
本発明は、パンタグラフの基本構成を変更せず、構成各部への粉塵の付着を防止し、空力騒音の低減効果が得られ、ダンパ装着不要のパンタグラフを提供することを目的に提案されたものである。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
請求項１の発明によれば、車両用のパンタグラフにおいて、該パンタグラフの枠組の全体を覆う楕円形（進行方向に対し流線型）のジャバラ式カバーと該枠組の上下動に追従するように前記枠組の両端と該ジャバラ式カバーとを固定し、前記ジャバラ式カバーの上下端面に、雨水や粉塵などから前記枠組を保護するためと、前記枠組からの発生の空力騒音を低減するためとに、密閉する手段を具備したことを特徴とする。
【０００８】
すなわち、本発明は、パンタグラフ（菱形、下枠交叉形、シングルアーム形）の枠組全体を覆う楕円形のジャバラ式カバーを枠組の上下動に対して追従出来るように片側を台枠に片側を舟部に固定する。
【０００９】
請求項２の発明によれば、車両用のパンタグラフにおいて、ジャバラ式カバーと枠組の上下動に追従するように前記枠組の両端と該ジャバラ式カバーとを固定し、前記ジャバラ式カバーの上下端面に、雨水や粉塵などから前記枠組を保護するためと、前記枠組からの発生の空力騒音を低減するためとに、密閉する手段を具備し、さらにこのように密閉されたジャバラ式カバーの一部に孔を設けることを特徴とする。
【００１０】
すなわち、ジャバラ式カバーの上下を密閉し、一部に孔を設けることにより、枠の上下動に対して減衰機能を有することができるようにする。
【発明の効果】
【００１１】
ジャバラ式カバーを用いれば、枠組を構成する各部材への粉塵の付着を防止でき、かつ各部材から発生する空力騒音が低減される。また、進行方向の違いによる空力特性の差異も解消できる。
【００１２】
ジャバラ式カバーにより、高速走行であっても架線と共振することなく安定した集電を行うことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【００１３】
【図１】ジャバラ式カバー付パンタグラフを示した説明図である。（集電時）
【図２】ジャバラ式カバー付パンタグラフを示した説明図である。（折畳時）
【図３】パンタグラフ機構図である。
【発明を実施するための形態】
【００１４】
図１と図２は、本発明の実施例の構成を示す図である。
【実施例１】
【００１５】
図１は、本発明のジャバラ式カバー１を有するパンタグラフを示す図である。ジャバラ式カバー１は進行方向に対して流線型の形状で、かつ前後対称である。ジャバラ式カバー１の下側は台枠３のフレーム部と、ジャバラ式カバー１の上側は枠組２の頂部と締結されており、枠組２の上下動に対してジャバラ式カバー１が収縮する。
【００１６】
ジャバラ式カバー１の上部と下部（または、台枠３の底部）に蓋７がされることにより、ジャバラ式カバー１内部を密閉状態とし、さらにジャバラ式カバー１の一部に減衰係数調整用の孔（空気穴）４を設ける。
【符号の説明】
【００１７】
１ ジャバラ式カバー
２ 枠組
３ 台枠
４ 孔（空気穴）
５ 碍子
６ 舟
７ 蓋
８ ダンパ
９ 走行風
１０ 風切音
【特許請求の範囲】
【請求項１】
車両用のパンタグラフにおいて、該パンタグラフの枠組の全体を覆う楕円形のジャバラ式カバーと該枠組の上下動に追従するように前記枠組の両端と該ジャバラ式カバーとを固定し、前記ジャバラ式カバーの上下端面に、雨水や粉塵などから前記枠組を保護するためと、前記枠組からの発生の空力騒音を低減するためとに、密閉する手段を具備したことを特徴とする鉄道車両用パンタグラフ。
【請求項２】
前記ジャバラ式カバーの一部に孔を設けることを特徴とする請求項１記載の鉄道車両用パンタグラフ。
【請求項１】
車両用のパンタグラフにおいて、該パンタグラフの枠組の全体を覆う楕円形のジャバラ式カバーと該枠組の上下動に追従するように前記枠組の両端と該ジャバラ式カバーとを固定し、前記ジャバラ式カバーの上下端面に、雨水や粉塵などから前記枠組を保護するためと、前記枠組からの発生の空力騒音を低減するためとに、密閉する手段を具備したことを特徴とする鉄道車両用パンタグラフ。
【請求項２】
前記ジャバラ式カバーの一部に孔を設けることを特徴とする請求項１記載の鉄道車両用パンタグラフ。
【図１】
【図２】
【図３】
【図２】
【図３】
【公開番号】特開２０１２−１１６２７９（Ｐ２０１２−１１６２７９Ａ）
【公開日】平成２４年６月２１日（２０１２．６．２１）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１０−２６６６８８（Ｐ２０１０−２６６６８８）
【出願日】平成２２年１１月３０日（２０１０．１１．３０）
【出願人】（０００００３１１５）東洋電機製造株式会社 (380)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２４年６月２１日（２０１２．６．２１）
【国際特許分類】
【出願日】平成２２年１１月３０日（２０１０．１１．３０）
【出願人】（０００００３１１５）東洋電機製造株式会社 (380)
【Ｆターム（参考）】
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