説明

ジャム除去検知機構、それを用いた画像形成装置及びプログラム

【課題】ジャム除去に関連したカバーの開閉が必ず実施された事を検知した上でジャム除去シーケンスに移行し、機器にダメージを与えないジャム除去検知機構、それを用いた画像形成装置及びプログラムを提供する。
【解決手段】カバーが共に閉じているときに、カバーのうち少なくとも1つが開いた状態をカバー開閉検出手段が検出した時から、カバーが2つ共閉じたことをカバー開閉検出手段が検知するまでの間に、カバー連動構成部品のセットの状態に応じてジャム除去動作が実施されたか否かを判断する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ジャム除去検知機構、それを用いた画像形成装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
筐体に設けられ、異なる方向に開閉自在な2つのカバーの開閉検知を2つ以上のインターロックスイッチにて検知し、ジャム除去に関連したカバーの開閉が行われたことを契機にジャム除去シーケンスに移行する技術が考えられ既に知られている。
【0003】
また、2つの異なる方向に開閉するカバーの開閉検知を、コストダウンとしてインターロックの個数を減らすために、1つのインターロックスイッチにて開閉検知し、インターロックスイッチの開閉が行われてことを契機にジャム除去シーケンスに移行する技術が考えられ既に知られている。
【0004】
ところで、上述した技術において、異なる二方向に開閉するカバーの検知を1つのインターロックスイッチにて開閉を検知し、開閉が行われた事を契機にジャム除去シーケンスに移行する画像形成装置では、いずれか一つのカバーが開閉した事は検知可能である。
しかし、ジャム除去に関連したカバーの開閉が行われていない場合にも関わらずジャム除去シーケンスに移行し、機器にダメージを与える場合があった。
【0005】
また、特許文献1には、コストダウンの目的で、2つの異なる方向に開閉するカバーの開閉検知を1つのインターロックスイッチにて行うことが開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の発明は、2つの異なる方向に開閉するカバーの検知を1つのインターロックスイッチにて開閉検知させるものの、ジャム除去に関連したカバーの開閉が行われていないにも関わらずジャム除去シーケンスに移行し、機器にダメージを与えるという問題は解消できていない。
【0007】
そこで、本発明の目的は、ジャム除去に関連したカバーの開閉が必ず実施された事を検知した上でジャム除去シーケンスに移行し、機器にダメージを与えないジャム除去検知機構、それを用いた画像形成装置及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、筐体の異なる場所に設けられ互いに異なる方向に開閉自在なカバーと、前記2つのカバーが共に閉状態である時に閉状態であると判断し、何れか1つが開いている時に開状態であると判断するカバー開閉検出手段と、前記2つのカバーのうち1つのカバーは、ジャム除去が実施される際に開閉動作を行う必要があるジャム除去開閉カバーであり、前記ジャム除去開閉カバーの開閉動作に連動して開閉方向に移動する、カバー連動構成部品と、前記カバー連動構成部品の移動を検知するセット検知手段と、前記カバーが共に閉じているときに、前記カバーのうち少なくとも1つが開いた状態を前記カバー開閉検出手段が検出した時から、前記カバーが2つ共閉じたことを前記カバー開閉検出手段が検知するまでの間に、前記カバー連動構成部品のセットの状態に応じてジャム除去動作が実施されたか否かを判断する制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ジャム除去に関連したカバーの開閉が必ず実施された事を検知した上でジャム除去シーケンスに移行し、機器にダメージを与えないジャム除去検知機構、それを用いた画像形成装置及びプログラムの提供を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施の形態にかかる画像形成装置を左側面側から見た概要図である。
【図2】2つの異なる方向(P1、P2)に開閉するカバーを有する筐体についての説明図である。
【図3】図2に示した第1カバー201及び第2カバー204を閉じたときの第2突起205近傍の拡大断面模式図である。
【図4】図2に示した第1カバー201及び第2カバー204を開けたときの第2突起205近傍の拡大断面模式図である。
【図5】図2に示した第1カバー201を閉じ、第2カバー204を開けたときの第2突起205近傍の拡大断面模式図である。
【図6】図2に示した第1カバー201を開け、第2カバー204を閉じたときの第2突起205近傍の拡大断面模式図である。
【図7】第2カバーが閉じることによって、廃トナーボックスがセットとなる状態について説明するための説明図である。
【図8】第2カバーが開くことによって、廃トナーボックスが未セットとなる状態について説明するための説明図である。
【図9】インターロックの開閉動作が行われた際に、ジャム除去に関連したカバー(第2カバー204)の開閉有無を検知するフローチャートの一例である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
2つの異なる方向に開閉するカバーの検知を、1つのインターロックスイッチにて開閉検知し、インターロックスイッチの開閉が行われた事を契機にジャム除去シーケンスに移行する画像形成装置がある。このような画像形成装置において、ジャム除去に関連したカバーの開閉が必ず実施された事を検知する制御に際して、以下の特徴を有する。
【0012】
<概 要>
要するに、本画像形成装置は、ジャム除去に関連したカバーを開閉する際、カバーの開閉動作に連動して、導通有無によりセット検知を実施している部品を移動させるメカ機構を設けたものである。本画像形成装置は、インターロックスイッチのON/OFF状態、及び導通有無によりセット検知を実施している部品のセット有無状態の組合せにより、ジャム除去に関連したカバーの開閉検知制御を実施することを特徴とする。
【0013】
具体的には、(ジャム除去用途の)前カバーが開く際、廃トナーボックスが前カバーを開く動きに連動して、手前に動くメカ機構を設ける。また、廃トナーボックスは、導通するとセット状態、導通しないと未セット検知という制御を実施している。すなわち、
(a)インターロックスイッチがONもしくは廃トナーボックスがセット状態となり、
(b)ジャム除去用途の前カバーが開くと、廃トナーボックスが連動する。これによりインターロックスイッチがOFFとなり、廃トナーボックスが未セット状態となると(ジャム除去用途の前カバーが開いたと認識する。)。
(c)ジャム除去用途の前カバーが閉ると、インターロックスイッチがONもしくは廃トナーボックスがセット状態となり(ジャム除去用途の前カバーが閉じたと認識する。)、ジャム除去シーケンスに移行する。
【0014】
本発明に係る実施の形態について、以下詳細に解説する。
まず、図1を用いて、本発明の実施の形態にかかる画像形成装置100の全体構成について説明する。
図1は、本発明の実施の形態にかかる画像形成装置を左側面側から見た概要図である。
【0015】
<画像形成装置の構成>
本発明の実施の形態にかかる画像形成装置100は、給紙カセット101と、給紙ローラ102と、搬送路103と、中間転写ベルト104と、現像ユニット105(K、C、M、Y)と、感光体106(K、C、M、Y)と、廃トナーボックス107と、テンションローラ108と、駆動ローラ109と、2次転写ローラ110と、定着器111と、ヒータ112と、制御部113と、廃トナーボックス接続検知部114と、を有する。
【0016】
給紙カセット101は、印刷する前の用紙を積載する。給紙ローラ102は、給紙カセット101に積載された用紙を最も上にあるものから順に搬送路103へ給紙する。一枚ずつ分離されて給紙された用紙は、中間転写ベルト104上の画像が転写されるタイミングに合わせて2次転写ローラ110に搬送される。中間転写ベルト104は、駆動ローラ109と、テンションローラ108とに巻回されたベルトである。中間転写ベルト104は、駆動ローラ109によって駆動され、テンションローラ108によってたるみの発生が防止されている。
【0017】
図1における画像形成装置100は、中間転写ベルト104に沿って補色関係にある各色の現像ユニット(105K、105M、105C、105Y)が並べられた構成を備える、いわゆる、タンデムタイプといわれるものである。Kはブラック、Mはマゼンタ、Cはシアン、Yはイエローを示し、各現像ユニット(105K、105M、105C、105Y)はそれぞれの色のトナーによるトナー画像を担持可能な感光体(106K、106M、106C、106Y)を備えている。
【0018】
図1において、中間転写ベルト104は反時計回りに回転し、回転方向の上流側から順に、複数の現像ユニット105K、105M、105C、105Yが配列されている。これら複数の現像ユニット105K、105M、105C、105Yは、形成するトナー画像の色が異なるだけで内部構成は共通である。以下の説明では、全ての現像ユニット、または、全ての感光体に共通する内容の場合には現像ユニット105、または、感光体106と表す。
【0019】
図1において、感光体106を含む現像ユニット105は、画像形成装置100において図示しない現像ユニット収容部に対して着脱可能に構成されている。
【0020】
画像形成に際し、感光体106の外周面は、暗中にて一様に帯電される。その後、それぞれの色の画像に対応したレーザ光を照射して一様に帯電した感光体106の外周面を露光する。この露光によって静電潜像が形成される。この静電潜像を可視像化することによって感光体106上にそれぞれの色のトナー画像が形成される。
【0021】
このトナー画像は、感光体106と中間転写ベルト104とが接する位置(1次転写位置)で、図示しない1次転写ローラにより中間転写ベルト104上に転写される。この転写により、中間転写ベルト104上にトナーによる画像が形成される。
【0022】
以上のように、現像ユニット105Kでブラックのトナー画像が転写された中間転写ベルト104は、カラー印刷要求がされた場合などは、次の現像ユニット105Mに搬送される。現像ユニット105Mでは、現像ユニット105Kでの画像形成プロセスと同様のプロセスにより感光体106M上にマゼンタのトナー画像が形成され、そのトナー画像が中間転写ベルト104上に形成されたブラックの画像に重畳されて転写される。
【0023】
中間転写ベルト104は、さらに次の現像ユニット105C、105Yに搬送され、同様の動作により、感光体106C上に形成されたシアンのトナー画像と、感光体106Y上に形成されたイエローのトナー画像とが、中間転写ベルト104上に重畳されて転写される。こうして、中間転写ベルト104上にフルカラーの画像が形成される。このフルカラーの重ね画像が形成された中間転写ベルト104は、2次転写ローラ110の位置まで搬送され、中間転写ベルト104上のフルカラーの画像は、用紙に転写される。この際、用紙に転写されなかったトナーは廃トナーボックス107に回収される。
【0024】
定着器111は、用紙に転写されたトナー画像を熱融着し、トナー画像を用紙に固着させる。ヒータ112は、その熱源として使用される。
【0025】
なお画像形成に際して、ブラックのみの印刷(モノクロ印刷)の場合は感光体106M、感光体106C、感光体106Yは、中間転写ベルト104から離間された位置に退避し、前述の画像形成プロセスをブラックの場合のみ行う。
【0026】
<画像形成装置の第1カバー及び第2カバー>
図2は、2つの異なる方向(P1、P2)に開閉するカバーを有する筐体についての説明図である。
同図は、2つの異なる方向に開閉する第1カバー201及び第2カバー204の検知を、図には示されていない1つのインターロックスイッチにて開閉検知する検知機構の一例である。第1カバー201及び第2カバー204の開放状態で、第1カバー201及び第2カバー204に、第1突起202及び第2突起205が設けられている。
【0027】
ここで、「第1カバー201及び第2カバー204の開閉方向が異なっている」とは回動の中心軸が互いに平行であり、かつ第1カバー201が上開きが可能であり、かつ第2カバー204が下開き可能である状態を意味している。
【0028】
筐体本体200の上側の縁と第1カバー201との間、及び筐体本体200の下側の縁と第2カバー204との間は、それぞれ図示しない蝶番で連結されている。第1突起202は、第1カバー202の裏側(図示されている側)の蝶番から離れた縁近傍に設けられ、第2突起205は、第2カバー204の裏側(図示されている側)の蝶番から離れた縁近傍に設けられている。筐体本体200の上面200aには、第1突起202の対応する位置に第1突起用スリット203が形成され、筐体本体200の側面200bには第2突起205の対応する位置に第2突起用スリット206が形成されている。第1突起用スリット203は第2突起用スリット206の近傍に形成されている。一つのインターロックスイッチで、ジャム除去に関連したカバーの開閉検知制御を実施するためである。
【0029】
<インターロックスイッチ近傍>
図3は、図2に示した第1カバー201及び第2カバー204を閉じたときの第2突起205近傍の拡大断面模式図である。
図3は、2つの異なる方向に開閉自在なカバー201、204の開閉を1つのインターロックスイッチ301にて検知する検知機構の一例である。第1カバー201及び第2カバー204が閉められている事で、インターロックスイッチ301がONになる状態を示している。
【0030】
図4は、図2に示した第1カバー201及び第2カバー204を開けたときの第2突起205近傍の拡大断面模式図である。
図4は、2つの異なる方向に開閉自在なカバー201、204の開閉を1つのインターロックスイッチ301にて検知する検知機構の一例として、第1カバー201が矢印P3方向に開いており、第2カバー204が矢印P4方向に開いている事で、インターロックスイッチ301がOFFとなる状態を示している。
【0031】
図5は、図2に示した第1カバー201を矢印P7方向に閉じ、第2カバー204を開けたときの第2突起205近傍の拡大断面模式図である。
図5は、2つの異なる方向に開閉自在なカバー201、204の開閉を1つのインターロックスイッチ301にて検知する検知機構の一例として、第1カバー201が閉められ、かつ第2カバー204が開いている事で、インターロックスイッチ301がOFFとなる状態を示している。
【0032】
図6は、図2に示した第1カバー201を開け、第2カバー204を閉じたときの第2突起205近傍の拡大断面模式図である。
図6は、2つの異なる方向に開閉自在なカバー201、204の開閉を1つのインターロックスイッチ301にて検知する検知機構の一例として、第1カバー201が開けられ、かつ第2カバー204が閉じている事で、インターロックスイッチ301がOFFとなる状態を示している。
【0033】
尚、図4〜図6において、301はインターロックスイッチ、302はインターロックスイッチレバー、401はカバー検知手段、402は回転軸、及び403は、インターロックスイッチレバー押し込み手段をそれぞれ示す。
【0034】
図2及び図3に示すように、第1突起202と第2突起205とはそれぞれの第1カバー201と第2カバー204とが閉じたときには、画像形成装置100の本体に設けられたそれぞれ第1突起用スリット203と第2突起用スリット206とに挿入される。
また、図3に示すように、第1突起202及び第2突起205は、カバー検知手段401と接触するようになっている。
【0035】
図4及び図5に示すように、第1カバー201の開閉に合せて、回転軸402を中心としてカバー検知手段401は、矢印P5方向に回転動作を行う。図4に示すように第1カバー201が開いている状態では反時計回り(矢印P5方向)に回転動作を行い、図5に示すように第1カバー201が閉じてる状態では時計回り(矢印P7方向)に回転動作を行う。
【0036】
図4及び図6に示すように、第2カバー204の開閉に合せて、インターロックスイッチレバー押込み手段403は、水平移動動作を行う。図4に示すように第2カバー204が開いている状態では第2カバー204側に水平移動動作を行う。図6に示すように第2カバー204が閉められている状態時にはインターロックスイッチ301側に水平移動動作を行う。ただし、図2及び6に示すように、第1カバー201の開閉状態に応じて、インターロックスイッチ301側への水平移動量が異なる。
【0037】
図6に示すように、第1カバー201が矢印P8方向に開いている状態では、インターロックスイッチレバー押込み手段403がインターロックスイッチレバー302を十分押込む位置に移動する事が出来ない。図2に示すように、第1カバー201が閉じられている状態で、インターロックスイッチレバー押込み手段403がインターロックスイッチレバー302を十分押込む位置に矢印P9方向に移動する事が可能となる。このことにより、2つの異なる方向に開閉するカバー201、204の開閉検知を1つの検知手段にて検知する事が可能となる。
【0038】
図7は、第2カバー204が矢印P10方向に閉じることによって、廃トナーボックス107がセットとなる状態について説明するための説明図である。
図8は、第2カバー204が開くことによって、廃トナーボックス107が未セットとなる状態について説明するための説明図である。
尚、701はバネを示し、702は廃トナーボックス検知手段を示す。
【0039】
図7に示すように、第2カバー204の矢印P10方向に閉じる動作に合せて、廃トナーボックス107は、廃トナーボックス接続検知部114側へ水平移動動作を行う。この時、廃トナーボックス107に設けられた突起物と接触している廃トナーボックス検知手段702を廃トナーボックス接続検知部114側へ水平移動させ、バネ701を縮ませる。これにより制御部113は、廃トナーボックス107が廃トナーボックス接続検知部114を介して閉回路を形成するので、セット状態である事を認識する。
【0040】
図8に示すように、第2カバー204が矢印P11方向に開く動作に合せてバネ701が伸びる。この力に応じて、廃トナーボックス検知手段702が第2カバー204側へ矢印P12方向に水平移動動作を行う。この時、廃トナーボックス検知手段702と接触している廃トナーボックス107に設けられた突起物も第2カバー204側へ水平移動動作を行う。これにより制御部113は、廃トナーボックス107が廃トナーボックス接続検知部114を介せず開回路をとなるので、未セット状態である事を認識する。
【0041】
また、ここには図示しないが、第2カバー204の開閉動作に連動して水平移動動作を行う構成部品として、給紙カセット101や中間転写ベルト104を用いても良い。
【0042】
<動 作>
図9は、インターロックの開閉動作が行われた際に、ジャム除去に関連したカバー(第2カバー204)の開閉有無を検知するフローチャートの一例である。
尚、動作の主体は、制御部113のCPU(Central Processing Unit)である。
図9に示すS901は、第1カバー201及び第2カバー204の双方が閉じている状態から、第1カバー201及び第2カバー204の何れかが開いた状態となったことを判断する処理である。
【0043】
S902は、第1カバー201及び第2カバー204の何れかが開いた状態と判断されたとき、廃トナーボックス107のセット検知を行う処理である。
【0044】
S903は、開いた状態にある第1カバー201及び開いた状態にある第2カバー204の双方が閉じられた否かを判断する処理である。
【0045】
S901にて第1カバー201及び第2カバー204の何れか開いた状態となったときから、S903にて第1カバー201及び第2カバー204の双方が閉じられた状態となるまでの間に、S902にて廃トナーボックス107が1度でも未セット状態であることを検知した場合は、ジャム除去に関連したカバー(第2カバー204)の開閉が少なくとも1度は実施された上で、インターロックスイッチ301がONされたと制御部113は判断できる。このとき、本フローチャートが開始されるまでの間に、用紙のジャムを検出していれば、ジャム除去シーケンスに移行する。
【0046】
また、上述した動作は逆に、S901にて第1カバー201及び第2カバー204の何れか開いた状態となった時から、S903にて第1カバー201及び第2カバー204の双方が閉じられた状態となるまでの間に、S902にて廃トナーボックス107が1度も未セット状態を検出しなかった場合は、ジャム除去に関連したカバー(第2カバー204)の開閉が行われる事なくインターロックスイッチ301がONとなったと制御部113は判断出来る。このとき、本フローチャートが開始されるまでの間に、用紙のジャムを検出していれば、ジャム処理を行わずにドア開閉を実施したと判断されるため、ジャム除去シーケンスに移行しない。
【0047】
<プログラム>
以上で説明した本発明にかかる画像形成装置は、コンピュータで処理を実行させるプログラムによって実現されている。コンピュータとしては、例えばパーソナルコンピュータやワークステーションなどの汎用的なものが挙げられるが、本発明はこれに限定されるものではない。よって、一例として、プログラムにより本発明を実現する場合の説明を以下で行う。
【0048】
例えば、
筐体の異なる場所に互いに異なる方向に開閉自在な2つのカバーが設けられ、2つのカバーのうち1つのカバーは、ジャム除去が実施される際に開閉動作を行う必要があるジャム除去開閉カバーである画像形成装置のコンピュータに、
カバー開閉検出手段が、2つのカバーが共に閉状態である時に閉状態であると判断し、何れか1つが開いている時に開状態であると判断する手順、
カバー連動構成部品が、ジャム除去開閉カバーの開閉動作に連動して開閉方向に移動する手順、
セット検知手段が、カバー連動構成部品の移動を検知する手順、
判断手段が、カバーが共に閉じているときに、カバーのうち少なくとも1つが開いた状態をカバー開閉検出手段が検出した時から、カバーが2つ共閉じたことをカバー開閉検出手段が検知するまでの間に、カバー連動構成部品のセットの状態に応じてジャム除去動作が実施されたか否かを判断する手順、
を実行させるプログラムが挙げられる。
【0049】
これにより、プログラムが実行可能なコンピュータ環境さえあれば、どこにおいても本発明にかかる画像形成装置を実現することができる。
このようなプログラムは、コンピュータに読み取り可能な記憶媒体に記憶されていてもよい。
【0050】
<記憶媒体>
ここで、記憶媒体としては、例えば、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、フレキシブルディスク(FD)、CD−R(CD Recordable)などのコンピュータで読み取り可能な記憶媒体、フラッシュメモリ、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、FeRAM(強誘電体メモリ)等の半導体メモリやHDD(Hard Disc Drive)が挙げられる。
【0051】
以上において、本実施形態によれば、ジャム除去に関連したカバーを開閉する際、カバーの開閉動作に連動して、導通有無によりセット検知を実施している部品を移動させるメカ機構を設ける。インターロックスイッチのON/OFF状態、及び導通有無によりセット検知を実施している部品のセット有無状態の組合せにより、ジャム除去に関連したカバーの開閉検知制御を実施するので、ジャム除去に関連したカバーの開閉が必ず実施された事を検知した上でジャム除去シーケンスに移行し、機器にダメージを与えない。
【0052】
すなわち、本実施形態によれば、2つの異なる方向に開閉するカバーの検知を1つのインターロックスイッチにて開閉検知し、インターロックスイッチの開閉が行われた事を契機にジャム除去シーケンスに移行する画像形成装置において、ジャム除去に関連したカバーの開閉が必ず実施された事を検知した上でジャム除去シーケンスに移行するので、機器のダメージを低減するとができる。
【0053】
また、各々のカバーに対応してインターロックスイッチを設ける事と比べても、既存の構成を利用する事となるため、低コストで実現できる。
【0054】
なお、上述した実施の形態は、本発明の好適な実施の形態の一例を示すものであり、本発明はそれに限定されることなく、その要旨を逸脱しない範囲内において、種々変形実施が可能である。
【符号の説明】
【0055】
100 画像形成装置
101 給紙カセット
102 給紙ローラ
103 搬送路
104 中間転写ベルト
105 現像ユニット(K、C、M、Y)
106 感光体(K、C、M、Y)
107 廃トナーボックス
108 テンションローラ
109 駆動ローラ
110 2次転写ローラ
111 定着器
112 ヒータ
113 制御部
114 廃トナーボックス接続検知部
200 筐体
200a 筐体上面
200b 筐体側面
201 第1カバー
202 第1突起
203 第1突起用スリット
204 第2カバー
205 第2突起
206 第2突起用スリット
301 インターロックスイッチ
302 インターロックスイッチレバー
401 カバー検知手段
402 回転軸
403 インターロックスイッチレバー押し込み手段
701 バネ
702 廃トナーボックス検知手段
【先行技術文献】
【特許文献】
【0056】
【特許文献1】特開2011−047971号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体の異なる場所に設けられ互いに異なる方向に開閉自在なカバーと、
前記2つのカバーが共に閉状態である時に閉状態であると判断し、何れか1つが開いている時に開状態であると判断するカバー開閉検出手段と、
前記2つのカバーのうち1つのカバーは、ジャム除去が実施される際に開閉動作を行う必要があるジャム除去開閉カバーであり、
前記ジャム除去開閉カバーの開閉動作に連動して開閉方向に移動する、カバー連動構成部品と、
前記カバー連動構成部品の移動を検知するセット検知手段と、
前記カバーが共に閉じているときに、前記カバーのうち少なくとも1つが開いた状態を前記カバー開閉検出手段が検出した時から、前記カバーが2つ共閉じたことを前記カバー開閉検出手段が検知するまでの間に、前記カバー連動構成部品のセットの状態に応じてジャム除去動作が実施されたか否かを判断する判断手段と、
を備えたことを特徴とするジャム除去検知機構。
【請求項2】
請求項1に記載のジャム除去検知機構において、
前記カバー開閉検出手段は、インターロックスイッチであることを特徴とするジャム除去検知機構。
【請求項3】
請求項1または2に記載のジャム除去検知機構において、
前記カバー連動構成部品は、給紙カセットであることを特徴とするジャム除去検知機構。
【請求項4】
請求項1または2に記載のジャム除去検知機構において、
前記カバー連動構成部品は、廃トナーボックスであることを特徴とするジャム除去検知機構。
【請求項5】
請求項1または2に記載のジャム除去検知機構において、
前記カバー連動構成部品は、中間転写ベルトであることを特徴とするジャム除去検知機構。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれか一項に記載のジャム除去検知機構において、
前記セット検知手段は、導通の有無でセット検知をすることを特徴とするジャム除去検知機構。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれか一項に記載のジャム除去検知機構において、
前記カバー連動構成部品は、バネによりジャム除去開閉カバーを押圧するように付勢されていることを特徴とするジャム除去検知機構。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれか一項に記載のジャム除去検知機構を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
筐体の異なる場所に互いに異なる方向に開閉自在な2つのカバーが設けられ、前記2つのカバーのうち1つのカバーは、ジャム除去が実施される際に開閉動作を行う必要があるジャム除去開閉カバーである画像形成装置のコンピュータに、
カバー開閉検出手段が、前記2つのカバーが共に閉状態である時に閉状態であると判断し、何れか1つが開いている時に開状態であると判断する手順、
カバー連動構成部品が、前記ジャム除去開閉カバーの開閉動作に連動して開閉方向に移動する手順、
セット検知手段が、前記カバー連動構成部品の移動を検知する手順、
判断手段が、前記カバーが共に閉じているときに、前記カバーのうち少なくとも1つが開いた状態を前記カバー開閉検出手段が検出した時から、前記カバーが2つ共閉じたことを前記カバー開閉検出手段が検知するまでの間に、前記カバー連動構成部品のセットの状態に応じてジャム除去動作が実施されたか否かを判断する手順、
を実行させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−109282(P2013−109282A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−256146(P2011−256146)
【出願日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】