説明

ジャンクションボックス、及びそのジャンクションボックスの使用方法、製造方法

本発明は、導電基板用、特にソーラーモジュール用のジャンクションボックスであって、−導電端子要素と接点要素とを備える少なくとも1つの接点デバイスと、−少なくとも1つの導電体を備える少なくとも1本の接続ケーブルであって、導電体が少なくとも1つの接点デバイスの導電端子要素と接触する、少なくとも1本の接続ケーブルと、−接続ケーブルの端部領域を取り囲み、端部領域を実質的に防湿性にする少なくとも1つのシール要素と、−ハウジングデバイスであって、−ハウジングデバイスが、導電基板に配置されるように設計され、−ハウジングデバイスが、接触領域において少なくとも1つのシール要素を取り囲み、その接触領域では、接触領域を実質的に防湿するようにハウジングデバイスがシール要素と密着して接続され、及び−ハウジングデバイスが、少なくとも2つの開口を備えた少なくとも1つの受入デバイスを有し、その受入デバイス内に接点要素が、接点要素を導電基板の電気端子要素に接触可能で、且つ少なくとも1つの固定要素を用いて接点要素を電気端子要素に対し、又はその上に固定可能であるようにして配置される、ハウジングデバイスと、−受入デバイスの少なくとも1つの開口を、実質的に防湿する形で密閉するように設計された少なくとも1つのハウジング蓋と、を含む、ジャンクションボックス、並びに、ジャンクションボックスの使用、ジャンクションボックスの製造方法、及びソーラーパネルの製造方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ジャンクションボックス、ジャンクションボックスの使用方法、及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
好ましい導電基板の例としての、太陽光から電気エネルギーを生成するための従来のソーラーモジュール又は太陽電池モジュールは、1つ又は複数の単セルのソーラーセル又は太陽電池セルを含む。ソーラーモジュールにより供給されるべき所望の電圧及び/又は電流に応じて、個々のソーラーセルがモジュール内で並列及び/又は直列に接続され、太陽電池又はソーラーセル群としてまとめられる。ソーラーセル群は、扁平形状のソーラーモジュールに統合される。ソーラーモジュールのソーラーセル群の電気端子要素は、外部に配線される。個々のソーラーセル又はソーラーセル群に対する太陽光の放射強度が、例えば汚れ又は陰によって部分的に低下する場合、とりわけ以下の影響が生じ得る:
(1)互いに接続されたソーラーセル群のなかでの放射強度の(一定の)低下により、それぞれのソーラーセル群の性能の低下がもたらされる。
(2)あるソーラーセル群内のソーラーセルが部分的に陰に入ると、この陰に入ったソーラーセルは、ソーラーセル群の回路内で逆流防止ダイオード又は抵抗器として働き、その結果、一方では、そのソーラーセル群全体がそれ以上電気エネルギーを供給できなくなり、他方では、陰に入ったソーラーセルが破損する恐れがある。
【0003】
いずれの場合にも、ソーラーモジュールのソーラーセル群から外部に配線された端子間には、個々のソーラーセルに対する放射強度に応じて様々な電圧が印加される。ソーラーセル群を、外部に配線された対応する端子回路により直列接続するときにも、同じように上述の問題がもたらされる。
【0004】
ソーラーセルの異なる放射強度に関連する問題を回避するため、従来、いわゆるバイパスダイオードが用いられ、これらはソーラーセル群に対して逆並列の形で電気的に接続される。これらのバイパスダイオードは、ソーラーモジュールを通じる電流の流れが、低出力しか供給しないソーラーセル群を通り過ぎるように誘導する効果を有し、すなわち、ソーラーモジュールのこのソーラーセル群の端子は、バイパスダイオードにより短絡され、それによって対応するセル群がバイパスされる。従って、かかるソーラーセル群は、ソーラーモジュールの全体的な性能には関与しない。そのため、ソーラーパネルを通じた電流の流れ全体が妨げられることは実質的になく、個々のソーラーセルの破損は防止される。
【0005】
ソーラーモジュールに加え、ソーラーパネルは、通常、少なくとも2つの接点デバイスと、少なくとも1つのバイパスダイオードとを備える電気ジャンクションボックスを含む。ソーラーモジュールのソーラーセルは、通常、扁平形状の薄い導電バンドによって互いに接続される。これらの導電バンドは、ソーラーモジュールから外部に配線され、ジャンクションボックス内に配置された電気接点デバイスに手作業で接続される。ソーラーパネルのジャンクションボックスは、通常、ソーラーモジュールと向かい合う側面に端子挿入口を有し、この開口に挿通して導電バンドが配線され、手作業で曲げられ、例えば接続端子に接続される。ジャンクションボックスは、防護用樹脂で充填され、それにより導電バンドの互いの接続を固定するとともに、互いを隔離し、防湿する形で密閉する。ジャンクションボックスを備えるソーラーモジュールは、太陽電池パネル又はソーラーパネルと称される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ジャンクションボックスの接続及び樹脂の充填は手作業で行うため、ソーラーパネルの組立てには費用及び時間が集中的にかかる。従って、本発明の目的は、一方で電気接点を湿分から確実に保護し、他方で単純且つ費用対効果の高い組立てが可能な、電気ジャンクションボックス又は接続箱、ジャンクションの使用、ジャンクションボックスの製造方法、並びにソーラーパネルの製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的は、独立請求項によって解決される。好ましい実施形態は、従属請求項の主題である。
【0008】
一態様によるジャンクションボックス
本発明の一態様は、回路基板又は導電基板用、特に、太陽電池モジュール又はソーラーモジュール用のジャンクションボックス又は接続箱に関し、これは、
−導電端子要素と接点要素とを備える少なくとも1つの接点デバイスと、
−少なくとも1つの導電体を備える少なくとも1本の接続ケーブルであって、導電体が少なくとも1つの接点デバイスの導電端子要素と接触する、少なくとも1本の接続ケーブルと、
−接続ケーブルの端部領域を取り囲み、又は包囲して、端部領域を実質的に防湿性にする少なくとも1つのシール要素と、
−ハウジングデバイスであって、
−ハウジングデバイスが、導電基板に配置されるように設計され、
−ハウジングデバイスが、接触領域において少なくとも1つのシール要素を取り囲み、又は包囲し、その接触領域では、接触領域を実質的に防湿するようにハウジングデバイスがシール要素と密着して接続され、及び
−ハウジングデバイスが、少なくとも2つの開口を備えた少なくとも1つの受入デバイスを有し、その受入デバイス内に接点要素が、それを導電基板の電気端子要素に接触可能で、且つ少なくとも1つの固定要素を用いて接点要素を電気端子要素に対し、又はその上に固定可能であるようにして配置される、
ハウジングデバイスと、
−受入デバイスの少なくとも1つの開口を、実質的に防湿する形で密閉するように設計された少なくとも1つのハウジング蓋又はカバーと、
を含む。
【0009】
利点として、ジャンクションボックスには別個の構成部品が少数しかなく、従ってこのジャンクションボックスは、単純且つ費用対効果の高い方法で製造することができ、且つ高い信頼性を呈する。更にに有利な点として、ハウジングデバイスが密着して接続されるため、少なくとも1本の接続ケーブルがジャンクションボックスから外に突出する領域が、ジャンクションボックスの環境中の湿分に対し、実質的に防湿する形で密閉される。換言すれば、ジャンクションボックスのケーブルの出力又は入力により、ジャンクションボックスには実質的に湿分が浸入することができない。
【0010】
導電端子要素は、はんだ付け点、圧着点及び/又はケーブル装着部を含むが、扁平形状の導体の一領域であってもよい。
【0011】
さらに好ましくは、シール要素は、円環形状、ホース形状又はチューブ形状のエラストマーであってもよく、これは、シール要素によって端部領域を取り囲むようにして、接続ケーブルの端部領域に押し付けられるか、又はそこに配置される。特に、シール要素は、初めは実質的に液状のシール要素であってもよく、それが接続ケーブルの端部領域に付加されるか、又は吹き付けられ、硬化又は固化する過程で付形され、その後、シール要素が形成される。硬化又は固化過程の間に、シール要素は収縮するか、又は一定の体積のままとなる。特に、接続ケーブルの端部領域に加え、接続ケーブルの導電体、接点デバイス及び/又は導電端子要素などの別の領域もまた、少なくとも一部の領域において、シール要素により取り囲まれる。
【0012】
本願により定義されるとき、第1の三次元物体を二次元物体により「取り囲む」という用語は、少なくとも1つの二次元の平面的な部分が存在し、この部分において部分の面には閉じた線が存在し、従って第1の物体の部分の面の全ての点が、部分の平面による閉じた線の中又はその上にあり、閉じた線の幾何学的中心が閉じた線の中にあるものと理解される。
【0013】
2つの物体間の「密着した接続」という用語は、本願により定義されるとき、接触領域又は接触面における、直接的な、直ちに隣接する機械的な接触であるものと理解される。特に、密着した接続は、取り囲んでいる、又は包囲している物体が、別の取り囲んでいる物体に対して収縮し、それにより接触領域の取り囲んでいる物体が、取り囲んでいる物体に対して力又は機械的応力を加える。従って接触領域における2つの物体の弾性変形又は塑性変形により、2つの物体間に実質的に間隙がなくなることによって起こり得る。特に、2つの物体は、接触領域において共に溶融してもよい。これは、2つの物体間に十分に小さい間隙が存在しないというわけではなく、好ましくは、接触領域における2つの物体間の距離は、約10μm未満、特に好ましくは5μm未満、及び特に2μm未満である。
【0014】
用語「防湿」は、本願により定義されるとき、流体、特に水又は水蒸気に対する密閉性又は遮断を意味するものと理解される。防湿性は、分圧差若しくは圧力差又は拡散によって湿分が入り込む、すなわち流れ込んだり、又は移ったりすることを防止するか、又は十分に遅らせるときに達成される。十分に遅らせるとは、特に、物体の孔の中にある、又はチャネル形状の若しくは扁平な選択的流路に沿った流体の流量が、好ましくは1年当たり約1mm、さらに好ましくは1年当たり0.1mm、特に1年当たり0.01mmの値を超えないことを意味し得る。本発明によるジャンクションボックスなどの電気デバイスについては、防湿性は、特に、規格IP67及び/又は規格IEC 61215第10.15項の仕様を満たすことを意味し、これは、特に、ジャンクションボックスを水に沈めたとき、ジャンクションボックスの内部が外部と少なくとも2分間にわたり400MΩより大きい抵抗で電気的に絶縁されていることを意味する。
【0015】
換言すれば、特に互いに密着して接続される2つの物体間の接触領域は、流体が入り込むことができないとき、又は(扁平な)接触領域に沿って十分にゆっくりとしか入り込むことができないときに、まさに防湿性である。これはつまり、例えば、開口を備える第1の物体が、その開口を密閉する別の第2の物体によって密閉され、従って2つの物体が接触領域で互いに機械的に接触し、特に密着した接続状態にある場合、物体の開口が他方の物体によって防湿する形で密閉されていることを意味し、又は流体が接触領域に沿って流れないか、若しくは十分にゆっくりと流れ、従って流体が単に接触領域に浸入するに過ぎず、しかし接触領域を完全に浸透することはない場合には、2つの物体間の接触領域が防湿性であることを意味する。
【0016】
用語「接触」は、本発明により定義されるとき、特に電気的及び/又は機械的な接触を含む。
【0017】
用語「実質的に」は、目標値からの僅かな偏差、特に製造精度及び/又は必要精度の範囲内の偏差を示し得るもので、従って目標値が呈するとおりの効果は維持される。従って、用語「実質的に」は、目標値又は目標位置等からの、約30%未満、約20%未満、約10%未満、約5%未満、約2%未満、好ましくは約1%未満の偏差を示し得る。用語「実質的に」は、用語「同一の」、すなわち、目標値、目標位置等と偏差がないことを含む。
【0018】
ジャンクションボックスの好ましい実施形態
好ましくは、少なくとも1つのシール要素は可撓性シール要素であり、且つハウジングデバイスは、実質的に剛性のハウジングデバイスである。或いは、シール要素とハウジングデバイスとが、実質的に同一の材料で作製されるか、又は同一の材料を含むことも可能である。
【0019】
用語「可撓性」及び「剛性」は、本願により定義されるとき、以下の機械的な材料特性を意味するものと理解され、これらの特性は実質的に弾性率E及び剛性率Gにより定量化され得る。可撓性材料及び剛性材料の双方とも、実質的に弾性変形及び塑性変形することが可能であり得る。弾性変形は、弾性のある物体の、作用力又は機械的応力(単位面積当たりの力)による幾何学的な変形であるものと理解され、その変形は、力又は機械的応力がそれ以上物体に作用しなければ実質的に完全に元に戻ることができ、従って物体はその元の形状を回復する。相対的に剛性が高い物体、すなわち剛性物体と対照的に、可撓性物体は、可撓性物体、すなわち可撓性シール要素の弾性率Ef及び/又は剛性率Gfが、剛性物体、すなわち剛性ハウジングデバイスの弾性率Es及び/又は剛性率Gsより小さい点が異なる。換言すれば、同じ大きさの力又は機械的応力を加えたとき、可撓性物体(例えばシール要素)は、剛性物体(例えばハウジングデバイス)と比べて幾何学的により大きく変形する。
【0020】
さらに好ましくは、Es/Ef及び/又はGs/Gfの比は、約1.5より大きく、特に好ましくは約2より大きいか、若しくは約5より大きく、又は約10より大きく、特に約50より大きいか、若しくは約100より大きい。好ましくは、可撓性シール要素の剛性率Gfは、109Nm-2未満、さらに好ましくは108Nm-2未満、特に好ましくは107Nm-2未満、及び特に5×106Nm-2未満である。好ましくは、剛性ハウジングデバイスの剛性率Gsは、5×106Nm-2より大きく、さらに好ましくは107Nm-2より大きいか、若しくは108Nm-2より大きく、特に好ましくは109Nm-2より大きく、及び特に5×109Nm-2より大きい。
【0021】
剛性ハウジングデバイスは、ある領域において、例えば、弾性率が約1GPa〜約11GPa、特に約3GPa又は約10GPaの、ポリアミド、特にポリアミド66(PA66)又はガラス繊維強化ポリアミドで作製され得る。ハウジングデバイスの材料、特にポリアミドの融点は、約250℃〜約265℃であり得る。
【0022】
可撓性シール要素は、好ましくは、少なくともある領域において、又は完全に、弾性率が約2MPa〜約10MPa、特に約3MPa又は約4MPaの、熱可塑性エラストマー(TPE)又は熱可塑性加硫物(TPV)又はポリフェニレンエーテル(PPE)又はポリフェニレンエーテル(PPE)とポリエチレン(PE)との混合物からなる。さらに好ましくは、可撓性シール要素は、ポリオレフィンで作製される。特に好ましくは、可撓性シール要素は、α−ビニル共重合体、特にエチレンプロピレン共重合体で作製される。熱可塑性エラストマーが塑性変形するか、又は溶融することのできる温度範囲は、好ましくは、ハウジングデバイスの材料の(すなわち、特にポリアミドの)融点未満である。特に、その温度範囲は約170℃〜約250℃である。
【0023】
好ましい材料選択から、利点として、ハウジングデバイスとシール要素との間、特に剛性ハウジングデバイスと可撓性シール要素との間の接続が、特に優れた付着性及び封止性を示し、これによってジャンクションボックス全体が、湿分又は水蒸気に対する封止性の向上を示すとともに、ジャンクションボックスの内部が、有害な環境の影響から特に良好に保護される結果となる。特に、好ましい材料選択により、利点として、剛性ハウジングデバイスと可撓性シール要素との間の密着した接続を達成することができ、接触領域が実質的に防湿性となる。
【0024】
好ましくは、ジャンクションボックスは、各々につき1つの短絡領域を備える少なくとも2つの接点デバイスを含み、これらの接点デバイスの短絡領域は、少なくとも1つのバイパスダイオードを用いて電気的に接続される。
【0025】
さらに好ましくは、接点デバイスの短絡領域又は少なくとも1つのバイパスダイオードは、少なくともある領域において、シール要素によって防湿する形で取り囲まれる。
【0026】
利点としては、それにより、一方ではシール要素の包囲によって、及び他方ではハウジングデバイスによってバイパスダイオードの二重封止が達成される。
【0027】
さらに好ましくは、ジャンクションボックスは少なくとも2本の接続ケーブルを含む。
【0028】
好ましくは、シール要素は、接続ケーブル、導電端子要素、短絡領域及び/又はバイパスダイオードに対し実質的に液状形態で付加され、特に、シール要素を冷却し、及び/又は硬化させることにより、それらとの密着した接続が設けられる。
【0029】
利点としては、シール要素は個々の要素と密着して接続し、個々の要素との接触領域がそれぞれ本質的に防湿性となるため、冷却又は硬化後、シール要素は特に確実に防湿性となる。
【0030】
好ましくは、可撓性シール要素は、接続ケーブルの絶縁シースと共に少なくとも部分的に溶融又は融合される。
【0031】
好ましくは、接続ケーブルの絶縁シースと共に溶融したシール要素の領域は、少なくともある領域においてハウジングデバイスから突出し、それによりシール要素が、接続ケーブルの耐キンク性スリーブを形成する。
【0032】
利点としては、好ましくは可撓性で且つ弾性のあるシール要素が接続ケーブルの最小曲げ半径を下回ることがないため、これにより接続ケーブルの導電体のキンクが防止され、ジャンクションボックスを備えたソーラーパネルの故障確率が低下する。その他の利点としては、ジャンクションボックスは、キンクの動きが起こる間の損傷から保護される。特に、可撓性シール要素としての実施形態におけるシール要素は、この動きに従うか、又はこの動きを相殺することができる。シール要素とケーブルとの間の接触領域は、実質的に完全に維持され、いずれの場合にも、シール要素は接続ケーブルと実質的に防湿する形で接続されたまま保たれる。
【0033】
好ましくは、ハウジングデバイスは、実質的に液状形態で、少なくともある領域においてシール要素に付加され、及び少なくともある領域において接点デバイスに付加される。特に好ましくは、ハウジングデバイスは、実質的に液状形態で、シール要素全体に付加され、及び/又は接点デバイス全体に付加される。特に、付加することにより、ハウジングデバイスが冷却され、及び/又は硬化すると、ハウジングデバイスのシール要素及び接点デバイスとの密着した接続が生じる。
【0034】
好ましくは、ハウジングデバイスはワンピース型である。ここで、ハウジングデバイスは、1つの方法ステップで射出成形及び/又はキャストされてもよい。
【0035】
好ましくは、ハウジングデバイスは、少なくとも部分的にシール要素と共に溶融又は融合される。
【0036】
好ましくは、ハウジングデバイスは、シール要素の材料より一層強い収縮性をもつ材料で作製される。
【0037】
用語「収縮性のある」は、本願で用いられるとき、約0.1%〜5%、好ましくは約0.2%〜約2%、特に好ましくは約0.3%〜約0.7%の体積の変化、特に体積の減少を示す。
【0038】
好ましくは、少なくとも1つの固定要素が、少なくとも1つのハウジング蓋に配置される。特に好ましくは、固定手段はハウジング蓋と接続され、すなわち、接着、圧締め、溶接、溶融等される。特に、少なくとも1つの固定要素と少なくとも1つのハウジング蓋とは、一体化して、又はワンピースとして形成される。ここで、固定要素とハウジング蓋とは、1つの方法ステップで射出成形及び/又はキャストされてもよい。
【0039】
好ましくは、少なくとも1つのハウジング蓋は、少なくとも1つのロック要素を有する。
【0040】
好ましくは、少なくとも1つのハウジング蓋は、ハウジング蓋シール要素を含む。さらに好ましくは、ハウジング蓋シール要素はOリングであってもよく、これは特に、ハウジング蓋の溝に保持される。また、実質的に液状のシール材料がハウジング蓋のある領域に付加されることも可能であり、ここでハウジング蓋シール要素は、シール材料の硬化又は固化後に形成又は付形される。
【0041】
好ましくは、少なくとも1つの固定要素は、あるプラスチック、若しくは複数のプラスチック、又は金属で作製される。
【0042】
一態様による使用
本発明の一態様は、太陽電池パネル又はソーラーパネルを提供するための、本発明の接続箱又はジャンクションボックスと、好ましい回路基板又は導電基板としての太陽電池モジュール又はソーラーモジュールとの使用に関し、ここでジャンクションボックスはソーラーモジュールに配置され、特に、ソーラーモジュールに対し、又はその上に接着される。
【0043】
一態様による使用
本発明のさらなる態様は、太陽電池モジュール又はソーラーモジュールを電力ピックアップと接続するための、本発明の接続箱又はジャンクションボックスの使用に関し、ここで電力ピックアップのソーラーモジュールとの電気的接続は、ジャンクションボックスの少なくとも1つの接点デバイスを介して確立される。
【0044】
一態様による方法
本発明の一態様は、回路基板又は導電基板用、特に太陽電池モジュール又はソーラーモジュール用の接続箱又はジャンクションボックスの製造に関し、これは、
−少なくとも1つの接点デバイスを提供するステップであって、各接点デバイスが、接点要素と導電端子要素とを有する、ステップと、
−少なくとも1本の接続ケーブルを、少なくとも1つの接点デバイスの導電端子要素と接触させるステップと、
−接続ケーブルの端部領域を取り囲むようにシール要素を配置するステップと、
−シール要素と接点デバイスとを少なくともある領域において取り囲むように、受入デバイスを含むハウジングデバイスを形成するステップと、
−ハウジングデバイスを収縮させるステップであって、ハウジングデバイスの収縮により、少なくとも1つのシール要素及び/又は少なくとも1つの接点デバイスとの密着した接続が確立され、それによりハウジングデバイスのシール要素及び/又は少なくとも1つの接点デバイスとの実質的に防湿性の接続が確立される、ステップと、
を含む。
【0045】
方法の好ましい変形例
好ましくは、少なくとも1つのシール要素は可撓性シール要素であり、且つハウジングデバイスは、実質的に剛性のハウジングデバイスである。
【0046】
好ましくは、ジャンクションボックスの製造方法は、さらに、
−少なくとも1つの接点デバイスに少なくとも1つのバイパスダイオードを配置するステップと、
−少なくとも1つのバイパスダイオードを取り囲むようにシール要素を配置するステップと、
を含む。
【0047】
利点として、それにより、バイパスダイオードがシール要素によって防湿する形で包囲される。
【0048】
好ましくは、少なくとも2つの接点デバイスが提供され、これらの少なくとも2つの接点デバイスは、バイパスダイオードを用いて互いに機械的及び/又は電気的に接続される。
【0049】
好ましくは、少なくとも1つのバイパスダイオードを配置する前には、少なくとも2つの接点デバイスはワンピース型であり、ここで個々の接点デバイスは、バイパスダイオードの配置後に分離又は単品化することによって作られる。
【0050】
好ましくは、接点デバイス又は接点デバイスの短絡領域は、少なくとも1つのバイパスダイオードとの接続前には一体部品として提供される。バイパスダイオードを接点デバイス又は接点デバイスの短絡領域と接続した後、接点デバイスの接点要素の接続を分断するか、又は接点要素が互いに分離される。分断又は分離は、好ましくは、接点デバイスの所定の破断点で行われる。或いは、接点デバイスの接点要素間の接続は、シール要素の形成後又はハウジングデバイスの形成後に分断することができる。この場合、好ましくは、所定の破断点はシール要素に含まれず、又はシール要素によって取り囲まれていない。分離後、又は分断後、接点要素はバイパスダイオードを用いて電気的及び機械的に接続される。
【0051】
換言すれば、ジャンクションボックスの製造後、接点デバイスは少なくとも2つの部品として存在し、ここで少なくとも2つの部品は、少なくとも1つのバイパスダイオードを用いて、電気的に、好ましくは機械的にも接続される。特に、短絡領域は、バイパスダイオードを用いて電気的及び機械的に接続される。分離後、ひいては接点デバイスは、2つの短絡領域、2つの接点要素及び2つの導電端子要素を含み、これらは互いにバイパスダイオードを用いて接続される。
【0052】
好ましくは、シール要素は実質的に液状形態で付加され、ここで本方法は、シール要素を冷却し、及び/又は硬化させるステップをさらに含む。
【0053】
さらに好ましくは、シール要素の冷却及び/又は硬化により、シール要素が収縮して、少なくとも1本の接続ケーブルの端部領域及び/又は少なくとも1つの接点デバイスとの密着した接続が生じ得る。特に、それにより、シール要素とケーブルの端部領域との間に防湿性の接続を確立することができる。
【0054】
好ましくは、本方法は、受入デバイスの開口を防湿する形で密閉するように設計された少なくとも1つのハウジング蓋を提供するステップを含む。
【0055】
ハウジング蓋を提供するステップは、特に、受入デバイスの開口にハウジング蓋を配置すること、特に好ましくは、防湿する形で受入デバイスの開口にハウジング蓋を配置することを含む。
【0056】
ハウジングデバイスを形成するステップは、ハウジングデバイスの材料を、シール要素、接続ケーブルの端部領域及び接点デバイスの上又は周囲に実質的に液状形態で配置又は付着させ、特に吹き付けることを含む。
【0057】
一態様による方法
本発明のさらなる態様は、太陽電池パネル又はソーラーパネルの製造方法に関し、これは、
−本発明の接続箱又はジャンクションボックスを提供するステップと、
−ジャンクションボックス及び/又は回路基板若しくは導電基板において接着手段及び/又は封止手段を有効にするステップと、
−導電基板の少なくとも1つの電気端子要素が端子挿入口を通じて受入デバイスに挿入され、導電基板側の開口が実質的に防湿する形で密閉されるようにして、導電基板の一面にジャンクションボックスを配置するステップと、
−接点要素が導電基板の少なくとも1つの電気端子要素に対して、又はその上に固定されるようにして、少なくとも1つの固定手段を配置するステップと、
−ジャンクションボックスにハウジング蓋又はカバーを配置するステップであって、それにより受入デバイスの組立て開口を、ハウジング蓋を用いて実質的に防湿する形で密閉する、ステップと、
を含む。
【0058】
方法の好ましい変形例
好ましくは、導電基板の少なくとも1つの電気端子要素は、実質的に力を要することなく受入デバイスに挿入される。これはつまり、電気端子要素が、挿入中に受入デバイスにおける機械的抵抗、例えば摩擦に勝る必要がなく、従って電気端子要素において、又はそれに対して機械的応力又は変形が生じないことを意味する。
【0059】
好ましくは、導電基板の少なくとも1つの電気端子要素に対する、又はその上への接点要素の固定は、ハウジング蓋を密閉することにより、ハウジング蓋に配置された少なくとも1つの固定手段を用いて行われる。場合により、導電基板の電気端子要素と接点要素との間の電気接点も、同様に固定手段を用いて行われ得る。
【0060】
好ましくは、少なくとも1つの接点デバイスは、ジャンクションボックスの配置中に接点要素と接触させ得る。さらに好ましくは、固定手段の配置及びハウジング蓋の配置は、ワンステップで、すなわち、特に配置中に固定手段とハウジング蓋とが互いに接続されるときに行われ得る。
【0061】
本発明は、上述の態様及び実施形態及び変形例に限定されない。むしろ、態様及び/又は実施形態及び/又は変形例の個々の要素が、互いに任意の方法で、対応する態様又は対応する実施形態又は対応する変形例から個別に組み合わされ、特に、そのようにして新規の実施形態及び/又は変形例が形成されてもよい。換言すれば、ジャンクションボックスの個々の特徴に関する上記の説明は、1つ又は複数の使用及び方法にも同じように適用され、及びその逆もまた同様である。
【0062】
図面の説明
本発明の好ましい実施形態が、以下に、添付の図面に基づき例示として説明され、ここでは、個々の特徴を互いに独立して任意に組み合わせ、新規の実施形態を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】ジャンクションボックスを備えたソーラーパネルの分解図である。
【図2】ソーラーパネルの別の分解図である。
【図3】ハウジング蓋の斜視図である。
【図4】ジャンクションボックスを備えたソーラーパネルの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0064】
図1は、太陽電池パネル又はソーラーパネル2の分解図を示す。ソーラーパネル2は、2つの端子要素6を備えた平板形状の太陽電池モジュール又はソーラーモジュール4を電流源として含み、ソーラーモジュール4が照射されると、端子要素6の間に電圧が加わる。ソーラーモジュール4から電力を分散させるため、ソーラーモジュールに配置された接続箱又はジャンクションボックス10を用いて、2本の接続ケーブル8が2つの端子要素6と電気的に接続される。
【0065】
ここで、ジャンクションボックス10の働きは、一方では、ソーラーモジュールが照射されず、ひいてはオーム抵抗として作用する場合に、2つの端子要素6又はソーラーモジュール4をブリッジする電気部品を収容することであり、他方では、端子要素6の、接続ケーブル8並びに電気部品との電気的接触を、例えば衝撃及び腐食による機械的及び化学的な影響から保護することである。有利には、これは、ジャンクションボックス10を機械的に安定した、且つ防湿する形で設計することにより達成される。
【0066】
端子要素6の関連する接続ケーブル8との接触は、接点デバイス12を介して得られる。接点デバイス12は、導電端子要素14と、短絡領域16と、接点要素18とを含む。好ましくは、短絡領域16は、組立て前は一部品の形態であり、ここで接点デバイス12、すなわち接点デバイス12の接点の分離は、最終的な組立て後に、好ましくは所定の破断点54で行われる。図1には、2つの接点要素18並びに2つの導電端子要素14が示され、ここで一方の接点要素18が、一方の導電端子要素18とそれぞれ接続される。示される実施形態において、導電端子要素14ははんだ付け点を有し、そこで接続ケーブル8の導電体22が機械的に接続され、すなわちはんだ付けにより固定されることにより、接続ケーブル8と接点デバイス12との間の電気接点が確立される。これは、双方のケーブル8及び双方の導体22にも同じように当てはまる。或いは、又はそれに加えて、電気接点は、圧締め、圧着などにより確立されてもよい。さらに、各導電端子要素14は、好ましくは接続ケーブル装着デバイス24を有し、これが対応する接続ケーブル8の絶縁シース26を固定又は画定して、導電体22と導電端子要素14との間の接続の、特に張力による機械的応力を防止する。この実施形態において、各絶縁シース26は、好ましい接続ケーブル装着デバイス24として2つの金属ストリップ24により導電端子要素に固定される。
【0067】
短絡領域16は、図1に示されない別の電気部品との電気接点を確立し、これは、ソーラーモジュール4が全く又は不十分にしか照射されない場合に、2つの接点デバイス12の間に短絡回路又はブリッジを確立する。このブリッジは、例えば、半導体ダイオード(図示せず)を用いて行われ得る。この半導体ダイオードはバイパスダイオードとも称され得る。
【0068】
各接点要素18は、ジャンクションボックス10がソーラーモジュール4に装着され、ジャンクションボックス10又はソーラーパネル2が作動状態にあるとき、電気端子要素6と接触する。
【0069】
図2に示されるとおり、好ましくは可撓性シール要素28が、各接続ケーブル8の少なくとも1つの端部領域を取り囲む。各可撓性シール要素28は、特に、対応する接続ケーブル8の端部領域に対する射出成形によって形成することができる。或いは、別個の可撓性シール要素28が、対応する接続ケーブル8の端部領域に、例えばそこに押し付けられることにより、それを取り囲む形で配置されてもよい。有利には、可撓性シール要素28は、接続ケーブル8の絶縁シース26と可撓性シール要素28との間の接触領域に、外力又は外圧を加えることにより機械的応力を生じさせ得る。それにより、可撓性シール要素28と対応する接続ケーブル8又はその絶縁シース26とが互いに押し合わされ、従って絶縁シース26と可撓性シール要素28との間に、その内部に、又はそこを通じて湿分が入り込み得るような間隙が実質的に存在しなくなる。ひいては、すなわち、対応するケーブル8の絶縁シース26上へのシール要素28の射出成形により、又は外力若しくは外圧を加えることにより、シール要素28と対応するケーブル8の絶縁シース26との間に防湿性の接続が確立される。
【0070】
特に、接点デバイス12及び好ましくは可撓性シール要素28を少なくともある領域において取り囲む実質的に剛性のハウジングデバイス30が、例えばハウジングデバイス30を射出成形用金型に成形することによって形成され、そのハウジングデバイス30には、そこに配置される接点デバイス12及び可撓性シール要素28が導入される。言うまでもなく、シール要素は必ずしもハウジングデバイスより可撓性が高くなくともよい。シール要素とハウジングデバイスとは、可撓性若しくは剛性が等しくてもよく、又はシール要素は、場合によりハウジングデバイスより剛性が高くてもよい。
【0071】
示される好ましい実施形態において、剛性ハウジングデバイス30は、平面的な接着手段32を用いて防湿する形で導電基板4に配置されるように設計された、実質的に平面的な側面を有する。この接着手段は、例えば両面接着テープであってもよい。さらに、剛性ハウジングデバイス30は、少なくとも2つの開口を備える受入デバイス34、すなわち、導電基板側の開口又は端子挿入口36と、導電基板の反対側の開口又は組立て開口38とを有する。ここで、接点要素18は受入デバイス34内に配置され、従って接点要素18は、受入デバイス34内で導電基板4の電気端子要素6の一方に接触可能である。
【0072】
接触のため、電気端子要素6は端子挿入口36を通じて受入デバイス34に挿入される。好ましくは、接点要素18は接点要素背部40を有し、従って電気端子要素6は挿入されると、端部領域でこの接点要素背部40に覆い被さるようにして、特に約180度曲がり得る。固定要素42は、接点要素18上に配置されるか、又はそれを押圧するように設計され、それにより電気端子要素6(接点要素背部40に覆い被さるように曲がった)が接点デバイス12の接点要素18に固定されて電気的に接触する。
【0073】
組立て開口38は、図3に詳細に示されるとおりのハウジング蓋又はカバー44により、実質的に防湿する形で密閉することができる。防湿性を高めるため、ハウジング蓋44はハウジング蓋シール要素46を有し、これは好ましくはハウジング蓋44の溝48に配置される。ハウジング蓋44を密閉後に固定するため、ハウジング蓋44は、少なくとも1つのロック要素50を含む。特に、ロック要素50は、ハウジング蓋44及び/又はハウジングデバイス30を少なくとも部分的に破壊しなければロックを解除できないようにしてハウジング蓋44を密閉することにより、受入デバイス34とロックされ得る。
【0074】
少なくとも1つの固定要素42は、解除可能又は解除不可能な形でハウジング蓋44に配置される。この配置は、接着、溶融、ねじ、成形、封栓、圧締めなどにより行われ得る。特に、少なくとも1つの固定要素42は、ハウジング蓋44とワンピースとして形成され得る。このとき、好ましくは固定要素42及びハウジング蓋44は、1つ又は複数のプラスチックで作製される。
【0075】
図4は、導電基板4上にあるジャンクションボックス10の断面図を示し、図4では受入デバイス34は密閉されている。特に、導電基板側の開口36が導電基板4を用いて防湿する形で密閉され、従って導電基板側の開口36を通じた湿分、特に液体が、導電基板側の開口36を通じて受入デバイス34に浸入することができなくなる。
【0076】
同様に、組立て開口38も、ハウジング蓋、特にOリング46を用いて防湿する形で密閉され、従って、湿分、特に液体が組立て開口38を通じて受入デバイス34に浸入することが実質的にできなくなる。ひいては、接点要素18及び電気端子要素6が、湿分から実質的に保護される。さらに、各ケーブル8の絶縁シース26が、対応する可撓性シール要素28と防湿する形で接続され、各可撓性シール要素28が、ハウジングデバイス30と防湿する形で接続される。ひいては、湿分、特に液体が、特にハウジングデバイス30のケーブル挿通開口52を通じてジャンクションボックスの内部に浸入することが実質的にできなくなる。ハウジングデバイス30は、好ましくはそれ以外の開口を有しないため、ハウジングデバイス30の内部は周囲から実質的に防湿する形で封止される。
【0077】
本発明は、上述の例示的実施形態に限定されない。むしろ、説明される各態様及び/又は説明される各実施形態の個々の要素及び/又は特徴は、別の態様及び/又は別の実施形態の個々の要素及び/又は特徴と任意の形で組み合わされ、ひいては別の態様及び/又は実施形態を形成してもよい。例えば、図には各々1つの導体22を備える2本の電気接続ケーブル8が示される。数本、例えば、4、6、8本等の電気接続ケーブルが、対応する数のケーブル挿通開口52を通じてジャンクションボックス2に挿入されてもよい。また、数本の電気接続ケーブル8を、共通のケーブル挿通開口52を通じてジャンクションボックスに挿入することも可能である。また、2つ以上の導電体22を含む1本の電気接続ケーブル8のみを用いることも可能である。
【0078】
同様に、2つ以上の受入デバイス34が存在してもよく、それらの受入デバイス34の各々は、導電基板側の開口36と組立て開口38とを有し得る。
【0079】
さらに、1つ又は複数の導電基板側の1つ又は複数の開口36と1つ又は複数の組立て開口38とが、互いに反対側にある必要はない。1つ又は複数の組立て開口38は、ジャンクションボックス2の表面及び/又は側面に配置されてもよい。
【符号の説明】
【0080】
参照符号のリスト
2 ソーラーパネル
4 導電基板又はソーラーモジュール
6 導電基板の電気端子要素
8 接続ケーブル
10 ジャンクションボックス
12 接点デバイス
14 導電端子要素
16 短絡領域
18 接点要素
20 はんだ付け点
22 接続ケーブル8の導電体
24 接続ケーブル装着デバイス
26 絶縁シース
28 可撓性シール要素
30 ハウジングデバイス
32 接着手段
34 受入デバイス
36 端子挿入口
38 組立て開口
40 接点要素背部
42 固定要素
44 ハウジング蓋
46 ハウジング蓋シール要素
48 溝
50 ロック要素
52 ケーブル挿通口
54 所定の破断点

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ソーラーモジュール(4)用のジャンクションボックス(10)であって、
−導電端子要素(14)と接点要素(18)とを備える少なくとも1つの接点デバイス(12)と、
−少なくとも1つの導電体(22)を備える少なくとも1本の接続ケーブル(8)であって、前記導電体(22)が、前記少なくとも1つの接点デバイス(12)の前記導電端子要素(14)と接触する、少なくとも1本の接続ケーブル(8)と、
−前記接続ケーブル(8)の端部領域を取り囲み、前記端部領域を実質的に防湿性にする少なくとも1つのシール要素(28)と、
−ハウジングデバイス(30)であって、
−前記ハウジングデバイス(30)が、前記導電基板(4)に配置されるように設計され、
−前記ハウジングデバイス(30)が、少なくとも接触領域において前記少なくとも1つのシール要素(28)を取り囲み、前記接触領域では、前記接触領域を実質的に防湿するように前記ハウジングデバイス(30)が前記シール要素(28)と密着して接続され、
−前記ハウジングデバイス(30)が、少なくとも2つの開口を備えた少なくとも1つの受入デバイス(34)を有し、前記受入デバイス(34)内に前記接点要素が、それを前記導電基板(4)の電気端子要素(6)に接触可能で、且つ少なくとも1つの固定要素(42)を用いて前記電気端子要素(6)に対し固定可能であるようにして配置される、
ハウジングデバイスと、
−前記受入デバイス(30)の少なくとも1つの開口を、実質的に防湿する形で密閉するように設計された少なくとも1つのハウジング蓋(44)と、
を含む、ジャンクションボックス(10)。
【請求項2】
前記少なくとも1つのシール要素(28)が可撓性シール要素(28)であり、且つ前記ハウジングデバイス(30)が、実質的に剛性のハウジングデバイス(30)である、請求項1に記載のジャンクションボックス(10)。
【請求項3】
各々1つの短絡領域(16)を備える少なくとも2つの接点デバイス(12)を備え、前記接点デバイス(12)の前記短絡領域(16)が、少なくとも1つのバイパスダイオードを用いて電気的に接続され、前記接点デバイス(12)の前記短絡領域(16)及び/又は前記少なくとも1つのバイパスダイオードが、少なくともある領域において、前記シール要素(28)によって取り囲まれる、請求項1又は2に記載のジャンクションボックス(10)。
【請求項4】
前記シール要素(28)が、前記接続ケーブル(8)、前記導電端子要素(14)、前記短絡領域(16)及び/又は前記バイパスダイオードに対し、実質的に液状形態で付加され、前記シール要素(28)を冷却又は硬化させることにより、それらとの密着した接続が設けられる、請求項1〜3のいずれか一項に記載のジャンクションボックス(10)。
【請求項5】
前記シール要素(28)が、少なくとも部分的に前記接続ケーブル(8)の絶縁シースと共に溶融される、請求項4に記載のジャンクションボックス(10)。
【請求項6】
前記接続ケーブル(8)の前記絶縁シースと共に溶融された前記シール要素(28)の領域が、少なくともある領域において前記ハウジングデバイス(30)から突出し、それにより前記シール要素(28)が前記接続ケーブル(8)の耐キンク性スリーブとなる、請求項5に記載のジャンクションボックス(10)。
【請求項7】
前記ハウジングデバイス(30)が、前記シール要素(28)及び前記接点デバイス(12)に実質的に液状形態で付加され、前記ハウジングデバイス(30)を冷却又は硬化させることにより、それらとの密着した接続が設けられる、請求項1〜6のいずれか一項に記載のジャンクションボックス(10)。
【請求項8】
前記ハウジングデバイスがワンピース型である、請求項1〜7のいずれか一項に記載のジャンクションボックス(10)。
【請求項9】
前記ハウジングデバイス(30)が、少なくとも部分的に前記シール要素(28)と共に溶融される、請求項1〜8のいずれか一項に記載のジャンクションボックス(10)。
【請求項10】
前記ハウジングデバイス(30)が、前記シール要素(28)の材料より一層強い収縮性をもつ材料で作製される、請求項1〜9のいずれか一項に記載のジャンクションボックス(10)。
【請求項11】
前記少なくとも1つの固定要素(42)が、前記少なくとも1つのハウジング蓋(44)に配置され、特に、前記少なくとも1つの固定要素(42)と前記少なくとも1つのハウジング蓋(44)とがワンピース型である、請求項1〜10のいずれか一項に記載のジャンクションボックス(10)。
【請求項12】
前記少なくとも1つのハウジング蓋(44)が少なくとも1つのロック要素(50)を有する、請求項1〜11のいずれか一項に記載のジャンクションボックス(10)。
【請求項13】
前記少なくとも1つのハウジング蓋(44)がハウジング蓋シール要素(46)を含む、請求項1〜12のいずれか一項に記載のジャンクションボックス(10)。
【請求項14】
前記少なくとも1つの固定要素(42)が、プラスチック又は金属で作製される、請求項1〜13のいずれか一項に記載のジャンクションボックス(10)。
【請求項15】
ソーラーパネル(2)を提供するための、請求項1〜14のいずれか一項に記載のジャンクションボックス(10)の使用方法であって、前記ジャンクションボックスが前記ソーラーモジュール(4)に配置され、かつ接着される、使用方法。
【請求項16】
ソーラーモジュール(4)を電力ピックアップと接続するための、請求項1〜14のいずれか一項に記載のジャンクションボックス(10)の使用方法であって、前記電力ピックアップの前記ソーラーモジュール(4)との電気的接続が、前記ジャンクションボックス(10)の前記少なくとも1つの接点デバイス(12)を介して確立される、使用方法。
【請求項17】
導電基板(4)用、特にソーラーモジュール(4)用のジャンクションボックス(10)の製造方法であって、
−少なくとも1つの接点デバイス(12)を提供するステップであって、各接点デバイス(12)が、接点要素(18)と導電端子要素(14)とを有する、ステップと、
−少なくとも1本の接続ケーブル(8)を、前記少なくとも1つの接点デバイス(12)の前記導電端子要素(14)と接触させるステップと、
−前記接続ケーブル(8)の端部領域を取り囲むようにシール要素(28)を配置するステップと、
−前記シール要素(28)と前記接点デバイス(12)とを少なくともある領域において取り囲むように、受入デバイス(34)を含むハウジングデバイス(30)を形成するステップと、
−前記ハウジングデバイス(30)を収縮させるステップであって、前記ハウジングデバイス(30)の収縮により、前記少なくとも1つのシール要素(28)及び/又は前記少なくとも1つの接点デバイス(12)との密着した接続が確立され、それにより前記ハウジングデバイス(30)の前記シール要素(28)及び/又は前記少なくとも1つの接点デバイス(12)との実質的に防湿性の接続が確立される、ステップと、
を含む、製造方法。
【請求項18】
前記少なくとも1つのシール要素(28)が可撓性シール要素(28)であり、且つ前記ハウジングデバイス(30)が、実質的に剛性のハウジングデバイス(30)である、請求項17に記載の製造方法。
【請求項19】
−前記少なくとも1つの接点デバイス(12)に少なくとも1つのバイパスダイオードを配置するステップと、
−前記少なくとも1つのバイパスダイオードを取り囲むようにシール要素(28)を配置するステップと、
をさらに含む、請求項17又は18に記載の製造方法。
【請求項20】
少なくとも2つの接点デバイス(12)が提供され、前記少なくとも2つの接点デバイス(12)が、前記バイパスダイオードを用いて互いに機械的及び/又は電気的に接続される、請求項17〜19のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項21】
前記少なくとも1つのバイパスダイオードの配置前には、前記少なくとも2つの接点デバイス(12)がワンピース型であり、前記バイパスダイオードの配置後に分離されることによって前記少なくとも2つの接点デバイス(12)が作られる、請求項20に記載の製造方法。
【請求項22】
前記シール要素が実質的に液状形態で付加され、前記方法が、
−前記シール要素(28)を冷却し、及び/又は硬化させるステップ、
をさらに含む、請求項17〜21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
−前記受入デバイスの開口を防湿する形で密閉するように設計された少なくとも1つのハウジング蓋(44)を提供するステップ、
を含む、請求項17〜22のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項24】
ソーラーパネルの製造方法であって、
−請求項1〜14に記載のジャンクションボックスを提供するステップと、
−前記ジャンクションボックス(10)及び/又は前記導電基板(4)において接着手段及び/又は封止手段を有効にするステップと、
−前記導電基板(4)の一面に前記ジャンクションボックス(10)を配置するステップであって、
−前記導電基板の少なくとも1つの電気端子要素(6)が、端子挿入口(36)を通じて前記受入デバイス(34)に挿入され、及び
−前記導電基板側の前記開口(36)が実質的に防湿する形で密閉される
ようにして配置するステップと、
−前記接点要素(18)が前記導電基板(4)の前記少なくとも1つの電気端子要素(6)に固定されるようにして、少なくとも1つの固定手段(42)を配置するステップと、
−前記ジャンクションボックスにハウジング蓋(44)を配置するステップであって、それにより前記受入デバイス(34)の組立て開口(38)を、前記ハウジング蓋(44)を用いて実質的に防湿する形で密閉する、ステップと、
を含む、製造方法。
【請求項25】
前記導電基板(4)の前記少なくとも1つの電気端子要素(6)が、実質的に力を要することなく前記受入デバイス(34)に挿入される、請求項24に記載の製造方法。
【請求項26】
前記導電基板(4)の前記少なくとも1つの電気端子要素(6)に対する前記接点要素の固定が、前記ハウジング蓋(44)を密閉することにより、前記ハウジング蓋に配置される少なくとも1つの固定手段(42)を用いて行われる、請求項24又は25に記載の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2011−520226(P2011−520226A)
【公表日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−507840(P2011−507840)
【出願日】平成21年5月11日(2009.5.11)
【国際出願番号】PCT/EP2009/003329
【国際公開番号】WO2009/135691
【国際公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【出願人】(500219504)ヤマイチ エレクトロニクス ドイチュラント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (2)
【出願人】(000177690)山一電機株式会社 (233)
【Fターム(参考)】