スイッチモジュール及び該スイッチモジュールを備えた電子部品
【課題】小型化が図れ、簡便に色調を変えることが可能で、導光板への光の結合効率の向上を図ったスイッチモジュールを提供すること。
【解決手段】導光板1、導光板1の一側面1a側に沿って並んで配された1以上の光源2、導光板1にある1以上の蛍光体3、導光板1の一面1b側に配された基板4、及び基板4の導光板1と対向する面4a側にあって、蛍光体3と相対する位置に配されたスイッチ素子5、から少なくともなること。
【解決手段】導光板1、導光板1の一側面1a側に沿って並んで配された1以上の光源2、導光板1にある1以上の蛍光体3、導光板1の一面1b側に配された基板4、及び基板4の導光板1と対向する面4a側にあって、蛍光体3と相対する位置に配されたスイッチ素子5、から少なくともなること。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はスイッチモジュールに関わり、より詳しくは、簡便に色調を変えることが可能なスイッチモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
種々の電子機器において、夜間や暗所でのキー操作向上のため、キートップを背面から照光することが良く行われている。
【0003】
例えば図12に示すような特許文献1に記載のキーパッド220は、内部に光が進入する導光層221と、この導光層221の上面側に配置されたキーボタン226と、導光層221の上面とは反対側の下面に配置された下部弾性層223と、下部弾性層223の上面側又は下面側に形成され、導光層221の内部に進入する光の一部をキーボタン226に向けて反射する反射パターン224とからなっている。この構造であると、キーボタン226を照光する光の色調はLED227の色調によって決まり、たとえばボタンごとに色調を変えるデザインなどに対応できず、デザイン性が限定されてしまう。
【0004】
また、例えば図13に示すような特許文献2では、LED231から出射された光が蛍光体233により波長変換され、キーパット232を照光している。例えば特許文献1のように、従来では、キーパットを照光する光の色を変えるにはLEDを交換しなくてはならなかった。特許文献2によれば蛍光体233はキーパット232に設置されているためにLED231自体を交換する必要はなく、蛍光体233を交換することによってキーパットの照光色をかえることができる。しかしながら、この構造ではキーパット232直下に照光用LED231があるため、スイッチ素子を設置することが困難である。また、蛍光体233の近傍にLED231が配置されているため、蛍光体233によりLED231から放射された光が散乱されてしまい、キーパット232への光結合効率が低下してしまう虞がある。さらに、LED231からの発熱により、蛍光体233の発光効率が低下してしまう虞もある。
【0005】
さらに、例えば図14に示すような特許文献3では、光源241から出射した光が導光空間部242を通り、キーパット244を照光する。導光空間部242の内壁243に蛍光体が塗布され、光源241からの光を受けて発光する。特許文献2とは異なり、比較的キーパット244の直下にスイッチ素子が配置してある。しかし、この構造であるとスイッチ素子はかなり大きなものが必要であり、導光空間242の存在も小型化の妨げとなり、スイッチモジュール全体が大きくなってしまう。そのため、近年、ますます小型化が進む電子部品に実装する際に、困難が生じてくる虞がある。
【特許文献1】特開2006−318905号公報
【特許文献2】特開2004−295187号公報
【特許文献3】特開平07−74811号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、小型化が図れ、簡便に色調を変えることが可能で、導光板への光の結合効率の向上を図ったスイッチモジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の請求項1に記載のスイッチモジュールは、導光板、前記導光板の一側面側に並んで配された1以上の光源、前記導光板にある1以上の蛍光体、前記導光板の一面側に配された基板、及び前記基板が前記導光板と対向する面側にあって、前記蛍光体と相対する位置に配されたスイッチ素子、から少なくともなることを特徴とする。
本発明の請求項2に記載のスイッチモジュールは、請求項1において、前記導光板の内部に蛍光体が配されていることを特徴とする。
本発明の請求項3に記載のスイッチモジュールは、請求項1または2において、前記導光板には、前記スイッチ素子の各々と相対する位置に貫通孔が配され、それぞれの前記貫通孔の内壁に前記蛍光体が配されていることを特徴とする。
本発明の請求項4に記載のスイッチモジュールは、請求項1において、前記蛍光体は前記導光板の一面に配されていることを特徴とする。
本発明の請求項5に記載のスイッチモジュールは、請求項1において、前記蛍光体は前記導光板の他面に配されていることを特徴とする。
本発明の請求項6に記載のスイッチモジュールは、請求項1〜5のいずれかにおいて、前記スイッチ素子はメタルドームからなることを特徴とする。
本発明の請求項7に記載のスイッチモジュールは、請求項6において、前記導光板と前記基板との間にシートを有し、前記シートの基板側の一面にメタルドームが配されていることを特徴とする。
本発明の請求項8に記載のスイッチモジュールは、請求項7において、前記シートの前記導光板側の面は反射面となっていることを特徴とする。
本発明の請求項9に記載のスイッチモジュールは、請求項7または8において、前記シートが導光板の一面に配されていることを特徴とする。
本発明の請求項10に記載のスイッチモジュールは、請求項6〜9のいずれかにおいて、前記基板は、前記メタルドームによりスイッチングされる電極を有していることを特徴とする。
【0008】
本発明の請求項10に記載の電子部品は、請求項1〜9のいずれかに記載のスイッチモジュールを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、光源から放射された指向性の高い光は直接導光板に入射するため、該光の導光板への結合効率を高くすることができる。そのため、迷光を減少させることができ、視認性に優れたスイッチモジュールを得ることができる。また、蛍光体は導光板に配されているので、該蛍光体の種類を変えるだけで簡便に色調を変えることができる。ゆえに、色配置の自由度が高く、混色のおき難いスイッチモジュールを得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明を、図面を参照して詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【0011】
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に関わるスイッチモジュールを模式的に示した断面図である。本実施形態におけるスイッチモジュール10(10A)は、導光板1、導光板1の一側面1a側に並んで配された複数の光源2、導光板1にある1以上の蛍光体3、導光板1の一面1b側に配された基板4、及び基板4が導光板1と対向する面4a側にあって、蛍光体3と相対する位置に配されたスイッチ素子5、からから概略構成されている。また、導光板1の内部に蛍光体3が配されている。以下、それぞれを詳細に説明する。
【0012】
導光板1は、可撓性を有し、光源2から出射された光を導光するもので、内部に蛍光体3が1以上配されている。この導光板1としては、透明で、かつ光源2から出射された光を導光するものであれば特に限定されるものではないが、例えばポリカーボネイト、アクリル樹脂、メタクリル酸メチル樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂、ポリオレフィン樹脂等が挙げられる。可撓性であることを考慮すると、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂、ポリオレフィン樹脂等が好ましい。
導光板1の厚さとしては、特に限定されるものではないが、スイッチモジュールに組み込むことを考慮すると、1mm以下が好ましい。また、光源2からの光の取り込みを考慮すると、0.1mm以下がより好ましい。導光板1としてポリカーボネイトや、アクリル樹脂、メタクリル酸メチル樹脂などのやや固めの樹脂を用いる場合には、十分な可撓性をもたせるため、導光板1の厚さは0.2mm以下とすることが好ましい。
導光板1の大きさも、特に限定されるものではなく適用する電子部品等に応じて適宜調節すればよいが、例えばパーソナルコンピューターのキーボードに適用する場合であれば10〜30cm角程度、携帯端末・携帯電話に適用する場合であれば数cm〜10cm角程度である。
【0013】
光源2は、光源2から放射された光が導光板1に入射し、導光板1を介して蛍光体3を発光させるものである。この光源2としては蛍光体3を発光できれば特に限定されるものではないが、指向性の高いLEDを用いることが好ましい。
また、光源2の色、あるいは波長は特に限定されるものではないが、波長の短いものであれば蛍光体3における波長変換が容易となる。このような光源2としては、例えば、発光波長が380nm〜430nmの青紫LEDなどが挙げられ、GaN系のLEDが望ましい。あるいは、安価であるという点では、ZnO系のLEDが望ましい。また、紫外LEDを用いることも可能である。非可視光であるので目障りとなる迷光が発生せず、コントラストよく蛍光体3を発光させることができる。また、赤外LEDを用いれば、紫外LEDを用いた際と同様に非可視光であるので、目障りとなる迷光が発生せず、コントラストよく蛍光体3を発光させることができる。
本発明において、光源2から放射される指向性の高い光は、直接導光板1へと入射されるため、導光板1への光の結合率が高いものとなる。
【0014】
蛍光体3は、光源2から放射された光を吸収し、波長を変換して発光するものである。この蛍光体3の発光により、導光板1の上(導光板の他面1c側)に設けられたキーマット(図中、非表示)を照光することができる。蛍光体3としては特に限定されるものではないが、励起帯域が広く、信頼性に優れ、温度消光も小さい酸窒化物、あるいは窒化物蛍光体を用いることが好ましい。
蛍光体3が従来のようにLED(光源2)に実装されている場合であると、蛍光体により光が散乱されてしまうため、導光板への光の結合効率が下がってしまう。また、LEDからの発熱により、蛍光体の発光効率が下がることも考えられる。しかし、本発明では光源2の近傍ではなく、キーマットの近傍(導光板1)に蛍光体3を配置しているため、光源2から放射された指向性の高い光を直接的に導光板1へ導光させることができ、導光板1への光の結合効率を高めることができる。さらに、各キー(各スイッチ素子5)に対応する蛍光体3の種類を変えるだけで、各キーの色調を変えることができる。すなわち、蛍光体3の選択により様々な色調で各キーを発光させることが可能となる。したがって、従来のように光源(LED)自体の色を変えることによって各キーの色調を変える場合よりも、簡便に各キーの色調を変化させることができ、さらには混色が置き難い構成とすることができる。
【0015】
基板4の導光板1と対向する面4aには、それぞれの蛍光体3に対応した位置にスイッチ素子5が配されており、また、各スイッチ素子5に対応した回路(図中、非表示)が配されている。このような基板4と回路としては、特に限定されるものではなく、従来公知のものを用いることができる。
【0016】
スイッチ素子5としては特に限定されるものではなく、メンブレンスイッチやタッチパネル、メタルドーム等の公知のものを適宜選択して用いることができる。
【0017】
<第2実施形態>
図2は、本発明の第2実施形態に関わるスイッチモジュール10Bを模式的に示した分解斜視図である。第1実施形態と同様なものには同一な符号を付し、説明を省略することがある。本実施形態が第1実施形態と異なる点は、導光板1のスイッチ素子5に対応した位置に貫通孔21が設けられ、この貫通孔21の内壁21aに蛍光体23が配されている点である。
【0018】
貫通孔21は、導光板1上のキーマット(図中、非表示)からスイッチ素子5を操作するためのものである。その大きさは、スイッチ素子5を操作するためのキーマットに設けられた突起(図中、非表示)が通る程度であればよい。貫通孔21の大きさは、キーマットに設けられた突起により適宜調節して設けることができるが、例えば0.2mm〜数mm程度で、貫通孔21を設ける際の加工性を考慮すると1mm程度が望ましい。
【0019】
蛍光体23は、第1実施形態と同様の蛍光体材料を貫通孔21内壁21aに塗布して形成されたもので、その厚さは、作製作業性を考慮し、数μm程度〜数100μm程度が好ましい。
【0020】
本実施形態によれば、貫通孔21が導光板1に設けられているため、導光板1の他面1c側からスイッチ素子5を操作することができる。すなわち、スイッチ素子5の操作性を阻害することなくキーマットを蛍光体23により所望の色で照光することが可能である。また、第1実施形態と同様に、光源2に蛍光体23が配されていないため指向性が高く、導光板1への光の結合効率が高くなる。ゆえに、キーマットをより明るくすることができ、かつ、迷光を減少させることができる。
【0021】
<第3実施形態>
図3は、本発明の第3実施形態に関わるスイッチモジュール10Cを模式的に示した分解斜視図である。本実施形態が第2実施形態と異なる点は、貫通孔21の内壁21aに配された蛍光体33が、第2実施形態の蛍光体23と比較し、より厚みを増して配されている点である。
【0022】
本実施形態における蛍光体33は、貫通孔21の内壁21aをなす部分に、蛍光体33が混入して配されたものである。蛍光体33が混入した部位の厚さは、例えば数100μm〜数mmである。このように蛍光体33が混入された導光板31の作製方法は、特に限定されるものではないが、例えば、図4〜図5に示す方法である。
【0023】
まず、図4に示すように、あらかじめスイッチ素子5に対応する場所に蛍光体33を混入させた導光板31を用意する。なお、図4(a)は斜視図、図4(b)は、図4(a)におけるL−L断面図である。
【0024】
次に、図5に示すように、蛍光体33が混入された部分に例えば穿孔機やレーザ等で貫通孔21を設ける。
【0025】
本実施形態のように、導光板31に予め蛍光体33を混入させてから貫通孔21を設けることで、貫通孔21を設ける際の位置ずれのクリアランスを大きくすることができる。ゆえに、スイッチモジュールを作製する際の作業性・歩止りの向上が図れる。
【0026】
<第4実施形態>
図6は、本発明の第4実施形態に関わるスイッチモジュール10Dを模式的に示した断面図である。本実施形態が第1実施形態と異なる点は、蛍光体3が導光板1の一面1bに配されていることである。
【0027】
本実施形態における蛍光体3は、導光板1の一面1bに塗布、印刷、貼り付け、あるいは固着により配されている。このように蛍光体3が導光板1の一面1bにあることで、蛍光体3を通過した光がキーパットを照射するのではなく、光源2からの光が蛍光体3に反射してキーパットを照射する。ゆえに、蛍光体3での光の散乱を防ぐことができるため、光の利用効率が高くなり照度の増加が図れる。
【0028】
<第5実施形態>
図7は、本発明の第5実施形態に関わるスイッチモジュール10Eを模式的に示した断面図である。本実施形態が第1実施形態と異なる点は、蛍光体3が導光板1の他面1cに配されていることである。
【0029】
本実施形態における蛍光体3は、第4実施形態と同様に導光板1の他面1cに塗布、印刷、貼り付け、あるいは固着させることで得ることができる。このように蛍光体3が導光板1の他面1cに配されていることで、よりキーパットの近くに蛍光体3を配することができるので、それぞれの蛍光体3の色が異なる場合、混色をより効果的に抑制することができる。また、本実施形態のスイッチモジュール10Eを作製する際に、最終工程で蛍光体3を設けることができるので、蛍光体3を位置精度よく設置でき、生産性良くスイッチモジュールを作製することができる。
【0030】
<第6実施形態>
図8は、本発明の第6実施形態に関わるスイッチモジュール10Fを模式的に示した断面図である。本実施形態が第1実施形態と異なる点は、スイッチ素子5がメタルドーム65からなることである。
【0031】
メタルドーム65としては、従来公知のものであれば特に限定されるものではないが、直径2mm〜10mm程度のものがキーパット向けのメタルドームとして操作性が良い。
メタルドーム65を用いることで、蛍光体3からの光の取り出し効率に影響を与えることなく、簡便な構造で薄いスイッチモジュールを構成することができる。
【0032】
なお、本実施形態においても、上述した第2実施形態〜第3実施形態のように、導光板1に設けた貫通孔21に蛍光体3,23を設けてもよいし、第5実施形態のように導光板1の他面1cに蛍光体3を設けてもよい。
【0033】
<第7実施形態>
図9は、本発明の第7実施形態に関わるスイッチモジュール10Gを模式的に示した断面図である。本実施形態が第6実施形態と異なる点は、メタルドーム65が導光板1の一面1bに配されている点である。
このように、メタルドーム65を導光板1の一面1bに直接設けることで、簡便な構造でスイッチ機能と照光機能が組み込まれたスイッチモジュールを得ることができる。
【0034】
なお、本実施形態においても、上述した第4実施形態のように、蛍光体3を導光板1の他面1cに配してもよい。
【0035】
<第8実施形態>
図10は、本発明の第7実施形態に関わるスイッチモジュール10Hを模式的に示した断面図である。本実施形態が第6実施形態と異なる点は、導光板1と基板4(84)との間にシート7が設けられ、このシート7の基板84側の一面7aにスイッチ素子としてのメタルドーム65が配されている点である。
【0036】
シート7としては、特に限定されるものではないが、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリカーボネイト、アクリル樹脂、メタクリル酸メチル樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂、ポリオレフィン樹脂等が挙げられる。スイッチを押した際の感触を考慮すると、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂、ポリオレフィン樹脂などの柔らかい樹脂が望ましい。ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリカーボネイト、アクリル樹脂、メタクリル酸メチル樹脂などのやや固めの樹脂を用いる場合は、スイッチを押した際の感触を考慮し、厚さ50μm程度以下の薄めのものがよい。適度な力でスイッチ操作が行え、操作性が向上する。
【0037】
また、シート7の導光板1側の他面7bは、反射率の高い反射面となっていることが好ましい。導光板1の一面1bにより多くの光が照射して光の利用効率が増加するので、キーパットをより明るく照らすことが可能となる。反射率を上げるために、導光板1側の他面7bを白色にしたり銀やアルミニウムを蒸着することが好ましい。
【0038】
基板84には、メタルドーム65によりスイッチングされる回路(図中、非表示)が形成されている。このような回路としては、従来公知のものを用いることができ、特に限定されるものではない。
【0039】
本実施形態によれば、導光板1と、メタルドーム65が配されているシート7と、基板84とを積層するだけで組み立てられるので、作業性のよいスイッチモジュールを得ることができる。
【0040】
<第9実施形態>
図11は、本発明の第9実施形態に関わるスイッチモジュール10Iを模式的に示した断面図である。本実施形態が第8実施形態と異なる点は、メタルドーム65が設けられたシート7が導光板1の一面1bに配されている点である。
【0041】
本実施形態のように、メタルドーム65が設けられたシート7が導光板1の一面1bに配されていることで、蛍光体3の位置とメタルドーム65の位置とを正確に合わせることができ、位置精度の向上、及び歩止りの向上が図れる。
【0042】
上述した本実施形態1〜9のいずれかのスイッチモジュールを電子部品、例えばパーソナルコンピューターのキーボードや携帯端末・携帯電話等に適用することで、各キーパットを簡便に様々な色で照光することができ、光によるデザイン性の高いキーパットを備えた電子部品を得ることができる。また、所望の色で各キーパットを照光できることから、使用用途(使用状況)に応じて各キーパットを色によるグループ分けすることができ、使い勝手の良い電子部品を得ることができる。さらに、本発明のスイッチモジュールでは、導光板への光結合効率が上がることから、該スイッチモジュールを搭載した電子部品を暗所で使用する際、従来と同じ電力でより明るくキーパットを照らすことができる。ゆえに、暗所でも視認性に優れた電子部品を得ることが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0043】
パーソナルコンピューターのキーボードや、携帯端末・携帯電話等に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の第1実施形態に関わるスイッチモジュールを模式的に示した断面図である。
【図2】本発明の第2実施形態に関わるスイッチモジュールを模式的に示した分解斜視図である。
【図3】本発明の第3実施形態に関わるスイッチモジュールを模式的に示した分解斜視図である。
【図4】本発明の第3実施形態に関わるスイッチモジュールの導光板を模式的に示した図である。
【図5】本発明の第3実施形態に関わるスイッチモジュールの導光板に、貫通孔を設けたものを模式的に示した図である。
【図6】本発明の第4実施形態に関わるスイッチモジュールを模式的に示した断面図である。
【図7】本発明の第5実施形態に関わるスイッチモジュールを模式的に示した断面図である。
【図8】本発明の第6実施形態に関わるスイッチモジュールを模式的に示した断面図である。
【図9】本発明の第7実施形態に関わるスイッチモジュールを模式的に示した断面図である。
【図10】本発明の第8実施形態に関わるスイッチモジュールを模式的に示した断面図である。
【図11】本発明の第9実施形態に関わるスイッチモジュールを模式的に示した断面図である。
【図12】従来のスイッチモジュールの一例を模式的に示した断面図である。
【図13】従来のスイッチモジュールの他の一例を模式的に示した断面図である。
【図14】従来のスイッチモジュールの他の一例を模式的に示した断面図である。
【符号の説明】
【0045】
1,31 導光板、1a 導光板の一側面、1b 導光板の一面、1c 導光板の他面、2 光源、3,23,33 蛍光体、4,84 基板、5 スイッチ素子、21貫通孔、21a 貫通孔の内壁、7 シート、10(10A,10B,10C,10D,10E,10F,10G,10H,10I ) スイッチモジュール、65 メタルドーム。
【技術分野】
【0001】
本発明はスイッチモジュールに関わり、より詳しくは、簡便に色調を変えることが可能なスイッチモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
種々の電子機器において、夜間や暗所でのキー操作向上のため、キートップを背面から照光することが良く行われている。
【0003】
例えば図12に示すような特許文献1に記載のキーパッド220は、内部に光が進入する導光層221と、この導光層221の上面側に配置されたキーボタン226と、導光層221の上面とは反対側の下面に配置された下部弾性層223と、下部弾性層223の上面側又は下面側に形成され、導光層221の内部に進入する光の一部をキーボタン226に向けて反射する反射パターン224とからなっている。この構造であると、キーボタン226を照光する光の色調はLED227の色調によって決まり、たとえばボタンごとに色調を変えるデザインなどに対応できず、デザイン性が限定されてしまう。
【0004】
また、例えば図13に示すような特許文献2では、LED231から出射された光が蛍光体233により波長変換され、キーパット232を照光している。例えば特許文献1のように、従来では、キーパットを照光する光の色を変えるにはLEDを交換しなくてはならなかった。特許文献2によれば蛍光体233はキーパット232に設置されているためにLED231自体を交換する必要はなく、蛍光体233を交換することによってキーパットの照光色をかえることができる。しかしながら、この構造ではキーパット232直下に照光用LED231があるため、スイッチ素子を設置することが困難である。また、蛍光体233の近傍にLED231が配置されているため、蛍光体233によりLED231から放射された光が散乱されてしまい、キーパット232への光結合効率が低下してしまう虞がある。さらに、LED231からの発熱により、蛍光体233の発光効率が低下してしまう虞もある。
【0005】
さらに、例えば図14に示すような特許文献3では、光源241から出射した光が導光空間部242を通り、キーパット244を照光する。導光空間部242の内壁243に蛍光体が塗布され、光源241からの光を受けて発光する。特許文献2とは異なり、比較的キーパット244の直下にスイッチ素子が配置してある。しかし、この構造であるとスイッチ素子はかなり大きなものが必要であり、導光空間242の存在も小型化の妨げとなり、スイッチモジュール全体が大きくなってしまう。そのため、近年、ますます小型化が進む電子部品に実装する際に、困難が生じてくる虞がある。
【特許文献1】特開2006−318905号公報
【特許文献2】特開2004−295187号公報
【特許文献3】特開平07−74811号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、小型化が図れ、簡便に色調を変えることが可能で、導光板への光の結合効率の向上を図ったスイッチモジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の請求項1に記載のスイッチモジュールは、導光板、前記導光板の一側面側に並んで配された1以上の光源、前記導光板にある1以上の蛍光体、前記導光板の一面側に配された基板、及び前記基板が前記導光板と対向する面側にあって、前記蛍光体と相対する位置に配されたスイッチ素子、から少なくともなることを特徴とする。
本発明の請求項2に記載のスイッチモジュールは、請求項1において、前記導光板の内部に蛍光体が配されていることを特徴とする。
本発明の請求項3に記載のスイッチモジュールは、請求項1または2において、前記導光板には、前記スイッチ素子の各々と相対する位置に貫通孔が配され、それぞれの前記貫通孔の内壁に前記蛍光体が配されていることを特徴とする。
本発明の請求項4に記載のスイッチモジュールは、請求項1において、前記蛍光体は前記導光板の一面に配されていることを特徴とする。
本発明の請求項5に記載のスイッチモジュールは、請求項1において、前記蛍光体は前記導光板の他面に配されていることを特徴とする。
本発明の請求項6に記載のスイッチモジュールは、請求項1〜5のいずれかにおいて、前記スイッチ素子はメタルドームからなることを特徴とする。
本発明の請求項7に記載のスイッチモジュールは、請求項6において、前記導光板と前記基板との間にシートを有し、前記シートの基板側の一面にメタルドームが配されていることを特徴とする。
本発明の請求項8に記載のスイッチモジュールは、請求項7において、前記シートの前記導光板側の面は反射面となっていることを特徴とする。
本発明の請求項9に記載のスイッチモジュールは、請求項7または8において、前記シートが導光板の一面に配されていることを特徴とする。
本発明の請求項10に記載のスイッチモジュールは、請求項6〜9のいずれかにおいて、前記基板は、前記メタルドームによりスイッチングされる電極を有していることを特徴とする。
【0008】
本発明の請求項10に記載の電子部品は、請求項1〜9のいずれかに記載のスイッチモジュールを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、光源から放射された指向性の高い光は直接導光板に入射するため、該光の導光板への結合効率を高くすることができる。そのため、迷光を減少させることができ、視認性に優れたスイッチモジュールを得ることができる。また、蛍光体は導光板に配されているので、該蛍光体の種類を変えるだけで簡便に色調を変えることができる。ゆえに、色配置の自由度が高く、混色のおき難いスイッチモジュールを得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明を、図面を参照して詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【0011】
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に関わるスイッチモジュールを模式的に示した断面図である。本実施形態におけるスイッチモジュール10(10A)は、導光板1、導光板1の一側面1a側に並んで配された複数の光源2、導光板1にある1以上の蛍光体3、導光板1の一面1b側に配された基板4、及び基板4が導光板1と対向する面4a側にあって、蛍光体3と相対する位置に配されたスイッチ素子5、からから概略構成されている。また、導光板1の内部に蛍光体3が配されている。以下、それぞれを詳細に説明する。
【0012】
導光板1は、可撓性を有し、光源2から出射された光を導光するもので、内部に蛍光体3が1以上配されている。この導光板1としては、透明で、かつ光源2から出射された光を導光するものであれば特に限定されるものではないが、例えばポリカーボネイト、アクリル樹脂、メタクリル酸メチル樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂、ポリオレフィン樹脂等が挙げられる。可撓性であることを考慮すると、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂、ポリオレフィン樹脂等が好ましい。
導光板1の厚さとしては、特に限定されるものではないが、スイッチモジュールに組み込むことを考慮すると、1mm以下が好ましい。また、光源2からの光の取り込みを考慮すると、0.1mm以下がより好ましい。導光板1としてポリカーボネイトや、アクリル樹脂、メタクリル酸メチル樹脂などのやや固めの樹脂を用いる場合には、十分な可撓性をもたせるため、導光板1の厚さは0.2mm以下とすることが好ましい。
導光板1の大きさも、特に限定されるものではなく適用する電子部品等に応じて適宜調節すればよいが、例えばパーソナルコンピューターのキーボードに適用する場合であれば10〜30cm角程度、携帯端末・携帯電話に適用する場合であれば数cm〜10cm角程度である。
【0013】
光源2は、光源2から放射された光が導光板1に入射し、導光板1を介して蛍光体3を発光させるものである。この光源2としては蛍光体3を発光できれば特に限定されるものではないが、指向性の高いLEDを用いることが好ましい。
また、光源2の色、あるいは波長は特に限定されるものではないが、波長の短いものであれば蛍光体3における波長変換が容易となる。このような光源2としては、例えば、発光波長が380nm〜430nmの青紫LEDなどが挙げられ、GaN系のLEDが望ましい。あるいは、安価であるという点では、ZnO系のLEDが望ましい。また、紫外LEDを用いることも可能である。非可視光であるので目障りとなる迷光が発生せず、コントラストよく蛍光体3を発光させることができる。また、赤外LEDを用いれば、紫外LEDを用いた際と同様に非可視光であるので、目障りとなる迷光が発生せず、コントラストよく蛍光体3を発光させることができる。
本発明において、光源2から放射される指向性の高い光は、直接導光板1へと入射されるため、導光板1への光の結合率が高いものとなる。
【0014】
蛍光体3は、光源2から放射された光を吸収し、波長を変換して発光するものである。この蛍光体3の発光により、導光板1の上(導光板の他面1c側)に設けられたキーマット(図中、非表示)を照光することができる。蛍光体3としては特に限定されるものではないが、励起帯域が広く、信頼性に優れ、温度消光も小さい酸窒化物、あるいは窒化物蛍光体を用いることが好ましい。
蛍光体3が従来のようにLED(光源2)に実装されている場合であると、蛍光体により光が散乱されてしまうため、導光板への光の結合効率が下がってしまう。また、LEDからの発熱により、蛍光体の発光効率が下がることも考えられる。しかし、本発明では光源2の近傍ではなく、キーマットの近傍(導光板1)に蛍光体3を配置しているため、光源2から放射された指向性の高い光を直接的に導光板1へ導光させることができ、導光板1への光の結合効率を高めることができる。さらに、各キー(各スイッチ素子5)に対応する蛍光体3の種類を変えるだけで、各キーの色調を変えることができる。すなわち、蛍光体3の選択により様々な色調で各キーを発光させることが可能となる。したがって、従来のように光源(LED)自体の色を変えることによって各キーの色調を変える場合よりも、簡便に各キーの色調を変化させることができ、さらには混色が置き難い構成とすることができる。
【0015】
基板4の導光板1と対向する面4aには、それぞれの蛍光体3に対応した位置にスイッチ素子5が配されており、また、各スイッチ素子5に対応した回路(図中、非表示)が配されている。このような基板4と回路としては、特に限定されるものではなく、従来公知のものを用いることができる。
【0016】
スイッチ素子5としては特に限定されるものではなく、メンブレンスイッチやタッチパネル、メタルドーム等の公知のものを適宜選択して用いることができる。
【0017】
<第2実施形態>
図2は、本発明の第2実施形態に関わるスイッチモジュール10Bを模式的に示した分解斜視図である。第1実施形態と同様なものには同一な符号を付し、説明を省略することがある。本実施形態が第1実施形態と異なる点は、導光板1のスイッチ素子5に対応した位置に貫通孔21が設けられ、この貫通孔21の内壁21aに蛍光体23が配されている点である。
【0018】
貫通孔21は、導光板1上のキーマット(図中、非表示)からスイッチ素子5を操作するためのものである。その大きさは、スイッチ素子5を操作するためのキーマットに設けられた突起(図中、非表示)が通る程度であればよい。貫通孔21の大きさは、キーマットに設けられた突起により適宜調節して設けることができるが、例えば0.2mm〜数mm程度で、貫通孔21を設ける際の加工性を考慮すると1mm程度が望ましい。
【0019】
蛍光体23は、第1実施形態と同様の蛍光体材料を貫通孔21内壁21aに塗布して形成されたもので、その厚さは、作製作業性を考慮し、数μm程度〜数100μm程度が好ましい。
【0020】
本実施形態によれば、貫通孔21が導光板1に設けられているため、導光板1の他面1c側からスイッチ素子5を操作することができる。すなわち、スイッチ素子5の操作性を阻害することなくキーマットを蛍光体23により所望の色で照光することが可能である。また、第1実施形態と同様に、光源2に蛍光体23が配されていないため指向性が高く、導光板1への光の結合効率が高くなる。ゆえに、キーマットをより明るくすることができ、かつ、迷光を減少させることができる。
【0021】
<第3実施形態>
図3は、本発明の第3実施形態に関わるスイッチモジュール10Cを模式的に示した分解斜視図である。本実施形態が第2実施形態と異なる点は、貫通孔21の内壁21aに配された蛍光体33が、第2実施形態の蛍光体23と比較し、より厚みを増して配されている点である。
【0022】
本実施形態における蛍光体33は、貫通孔21の内壁21aをなす部分に、蛍光体33が混入して配されたものである。蛍光体33が混入した部位の厚さは、例えば数100μm〜数mmである。このように蛍光体33が混入された導光板31の作製方法は、特に限定されるものではないが、例えば、図4〜図5に示す方法である。
【0023】
まず、図4に示すように、あらかじめスイッチ素子5に対応する場所に蛍光体33を混入させた導光板31を用意する。なお、図4(a)は斜視図、図4(b)は、図4(a)におけるL−L断面図である。
【0024】
次に、図5に示すように、蛍光体33が混入された部分に例えば穿孔機やレーザ等で貫通孔21を設ける。
【0025】
本実施形態のように、導光板31に予め蛍光体33を混入させてから貫通孔21を設けることで、貫通孔21を設ける際の位置ずれのクリアランスを大きくすることができる。ゆえに、スイッチモジュールを作製する際の作業性・歩止りの向上が図れる。
【0026】
<第4実施形態>
図6は、本発明の第4実施形態に関わるスイッチモジュール10Dを模式的に示した断面図である。本実施形態が第1実施形態と異なる点は、蛍光体3が導光板1の一面1bに配されていることである。
【0027】
本実施形態における蛍光体3は、導光板1の一面1bに塗布、印刷、貼り付け、あるいは固着により配されている。このように蛍光体3が導光板1の一面1bにあることで、蛍光体3を通過した光がキーパットを照射するのではなく、光源2からの光が蛍光体3に反射してキーパットを照射する。ゆえに、蛍光体3での光の散乱を防ぐことができるため、光の利用効率が高くなり照度の増加が図れる。
【0028】
<第5実施形態>
図7は、本発明の第5実施形態に関わるスイッチモジュール10Eを模式的に示した断面図である。本実施形態が第1実施形態と異なる点は、蛍光体3が導光板1の他面1cに配されていることである。
【0029】
本実施形態における蛍光体3は、第4実施形態と同様に導光板1の他面1cに塗布、印刷、貼り付け、あるいは固着させることで得ることができる。このように蛍光体3が導光板1の他面1cに配されていることで、よりキーパットの近くに蛍光体3を配することができるので、それぞれの蛍光体3の色が異なる場合、混色をより効果的に抑制することができる。また、本実施形態のスイッチモジュール10Eを作製する際に、最終工程で蛍光体3を設けることができるので、蛍光体3を位置精度よく設置でき、生産性良くスイッチモジュールを作製することができる。
【0030】
<第6実施形態>
図8は、本発明の第6実施形態に関わるスイッチモジュール10Fを模式的に示した断面図である。本実施形態が第1実施形態と異なる点は、スイッチ素子5がメタルドーム65からなることである。
【0031】
メタルドーム65としては、従来公知のものであれば特に限定されるものではないが、直径2mm〜10mm程度のものがキーパット向けのメタルドームとして操作性が良い。
メタルドーム65を用いることで、蛍光体3からの光の取り出し効率に影響を与えることなく、簡便な構造で薄いスイッチモジュールを構成することができる。
【0032】
なお、本実施形態においても、上述した第2実施形態〜第3実施形態のように、導光板1に設けた貫通孔21に蛍光体3,23を設けてもよいし、第5実施形態のように導光板1の他面1cに蛍光体3を設けてもよい。
【0033】
<第7実施形態>
図9は、本発明の第7実施形態に関わるスイッチモジュール10Gを模式的に示した断面図である。本実施形態が第6実施形態と異なる点は、メタルドーム65が導光板1の一面1bに配されている点である。
このように、メタルドーム65を導光板1の一面1bに直接設けることで、簡便な構造でスイッチ機能と照光機能が組み込まれたスイッチモジュールを得ることができる。
【0034】
なお、本実施形態においても、上述した第4実施形態のように、蛍光体3を導光板1の他面1cに配してもよい。
【0035】
<第8実施形態>
図10は、本発明の第7実施形態に関わるスイッチモジュール10Hを模式的に示した断面図である。本実施形態が第6実施形態と異なる点は、導光板1と基板4(84)との間にシート7が設けられ、このシート7の基板84側の一面7aにスイッチ素子としてのメタルドーム65が配されている点である。
【0036】
シート7としては、特に限定されるものではないが、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリカーボネイト、アクリル樹脂、メタクリル酸メチル樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂、ポリオレフィン樹脂等が挙げられる。スイッチを押した際の感触を考慮すると、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂、ポリオレフィン樹脂などの柔らかい樹脂が望ましい。ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリカーボネイト、アクリル樹脂、メタクリル酸メチル樹脂などのやや固めの樹脂を用いる場合は、スイッチを押した際の感触を考慮し、厚さ50μm程度以下の薄めのものがよい。適度な力でスイッチ操作が行え、操作性が向上する。
【0037】
また、シート7の導光板1側の他面7bは、反射率の高い反射面となっていることが好ましい。導光板1の一面1bにより多くの光が照射して光の利用効率が増加するので、キーパットをより明るく照らすことが可能となる。反射率を上げるために、導光板1側の他面7bを白色にしたり銀やアルミニウムを蒸着することが好ましい。
【0038】
基板84には、メタルドーム65によりスイッチングされる回路(図中、非表示)が形成されている。このような回路としては、従来公知のものを用いることができ、特に限定されるものではない。
【0039】
本実施形態によれば、導光板1と、メタルドーム65が配されているシート7と、基板84とを積層するだけで組み立てられるので、作業性のよいスイッチモジュールを得ることができる。
【0040】
<第9実施形態>
図11は、本発明の第9実施形態に関わるスイッチモジュール10Iを模式的に示した断面図である。本実施形態が第8実施形態と異なる点は、メタルドーム65が設けられたシート7が導光板1の一面1bに配されている点である。
【0041】
本実施形態のように、メタルドーム65が設けられたシート7が導光板1の一面1bに配されていることで、蛍光体3の位置とメタルドーム65の位置とを正確に合わせることができ、位置精度の向上、及び歩止りの向上が図れる。
【0042】
上述した本実施形態1〜9のいずれかのスイッチモジュールを電子部品、例えばパーソナルコンピューターのキーボードや携帯端末・携帯電話等に適用することで、各キーパットを簡便に様々な色で照光することができ、光によるデザイン性の高いキーパットを備えた電子部品を得ることができる。また、所望の色で各キーパットを照光できることから、使用用途(使用状況)に応じて各キーパットを色によるグループ分けすることができ、使い勝手の良い電子部品を得ることができる。さらに、本発明のスイッチモジュールでは、導光板への光結合効率が上がることから、該スイッチモジュールを搭載した電子部品を暗所で使用する際、従来と同じ電力でより明るくキーパットを照らすことができる。ゆえに、暗所でも視認性に優れた電子部品を得ることが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0043】
パーソナルコンピューターのキーボードや、携帯端末・携帯電話等に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の第1実施形態に関わるスイッチモジュールを模式的に示した断面図である。
【図2】本発明の第2実施形態に関わるスイッチモジュールを模式的に示した分解斜視図である。
【図3】本発明の第3実施形態に関わるスイッチモジュールを模式的に示した分解斜視図である。
【図4】本発明の第3実施形態に関わるスイッチモジュールの導光板を模式的に示した図である。
【図5】本発明の第3実施形態に関わるスイッチモジュールの導光板に、貫通孔を設けたものを模式的に示した図である。
【図6】本発明の第4実施形態に関わるスイッチモジュールを模式的に示した断面図である。
【図7】本発明の第5実施形態に関わるスイッチモジュールを模式的に示した断面図である。
【図8】本発明の第6実施形態に関わるスイッチモジュールを模式的に示した断面図である。
【図9】本発明の第7実施形態に関わるスイッチモジュールを模式的に示した断面図である。
【図10】本発明の第8実施形態に関わるスイッチモジュールを模式的に示した断面図である。
【図11】本発明の第9実施形態に関わるスイッチモジュールを模式的に示した断面図である。
【図12】従来のスイッチモジュールの一例を模式的に示した断面図である。
【図13】従来のスイッチモジュールの他の一例を模式的に示した断面図である。
【図14】従来のスイッチモジュールの他の一例を模式的に示した断面図である。
【符号の説明】
【0045】
1,31 導光板、1a 導光板の一側面、1b 導光板の一面、1c 導光板の他面、2 光源、3,23,33 蛍光体、4,84 基板、5 スイッチ素子、21貫通孔、21a 貫通孔の内壁、7 シート、10(10A,10B,10C,10D,10E,10F,10G,10H,10I ) スイッチモジュール、65 メタルドーム。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
導光板、
前記導光板の一側面側に沿って並んで配された1以上の光源、
前記導光板にある1以上の蛍光体、
前記導光板の一面側に配された基板、
及び前記基板の前記導光板と対向する面側にあって、前記蛍光体と相対する位置に配されたスイッチ素子、
から少なくともなることを特徴とするスイッチモジュール。
【請求項2】
前記導光板の内部に蛍光体が配されていることを特徴とする請求項1に記載のスイッチモジュール。
【請求項3】
前記導光板には、前記スイッチ素子の各々と相対する位置に貫通孔が配され、それぞれの前記貫通孔の内壁に前記蛍光体が配されていることを特徴とする請求項1または2に記載のスイッチモジュール。
【請求項4】
前記蛍光体は前記導光板の一面に配されていることを特徴とする請求項1に記載のスイッチモジュール。
【請求項5】
前記蛍光体は前記導光板の他面に配されていることを特徴とする請求項1に記載のスイッチモジュール。
【請求項6】
前記スイッチ素子はメタルドームからなることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のスイッチモジュール。
【請求項7】
前記導光板と前記基板との間にシートを有し、前記シートの基板側の一面にメタルドームが配されていることを特徴とする請求項6に記載のスイッチモジュール。
【請求項8】
前記シートの前記導光板側の他面は反射面となっていることを特徴とする請求項7に記載のスイッチモジュール。
【請求項9】
前記シートが導光板の一面に配されていることを特徴とする請求項7または8に記載のスイッチモジュール。
【請求項10】
前記基板は、前記メタルドームによりスイッチングされる電極を有していることを特徴とする請求項6〜9のいずれかに記載のスイッチモジュール。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれかに記載のスイッチモジュールを備えたことを特徴とする電子部品。
【請求項1】
導光板、
前記導光板の一側面側に沿って並んで配された1以上の光源、
前記導光板にある1以上の蛍光体、
前記導光板の一面側に配された基板、
及び前記基板の前記導光板と対向する面側にあって、前記蛍光体と相対する位置に配されたスイッチ素子、
から少なくともなることを特徴とするスイッチモジュール。
【請求項2】
前記導光板の内部に蛍光体が配されていることを特徴とする請求項1に記載のスイッチモジュール。
【請求項3】
前記導光板には、前記スイッチ素子の各々と相対する位置に貫通孔が配され、それぞれの前記貫通孔の内壁に前記蛍光体が配されていることを特徴とする請求項1または2に記載のスイッチモジュール。
【請求項4】
前記蛍光体は前記導光板の一面に配されていることを特徴とする請求項1に記載のスイッチモジュール。
【請求項5】
前記蛍光体は前記導光板の他面に配されていることを特徴とする請求項1に記載のスイッチモジュール。
【請求項6】
前記スイッチ素子はメタルドームからなることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のスイッチモジュール。
【請求項7】
前記導光板と前記基板との間にシートを有し、前記シートの基板側の一面にメタルドームが配されていることを特徴とする請求項6に記載のスイッチモジュール。
【請求項8】
前記シートの前記導光板側の他面は反射面となっていることを特徴とする請求項7に記載のスイッチモジュール。
【請求項9】
前記シートが導光板の一面に配されていることを特徴とする請求項7または8に記載のスイッチモジュール。
【請求項10】
前記基板は、前記メタルドームによりスイッチングされる電極を有していることを特徴とする請求項6〜9のいずれかに記載のスイッチモジュール。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれかに記載のスイッチモジュールを備えたことを特徴とする電子部品。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2009−217997(P2009−217997A)
【公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−58331(P2008−58331)
【出願日】平成20年3月7日(2008.3.7)
【出願人】(000005186)株式会社フジクラ (4,463)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年3月7日(2008.3.7)
【出願人】(000005186)株式会社フジクラ (4,463)
【Fターム(参考)】
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