説明

スイッチング・レギュレータの軽負荷時の効率を改善するための方法および装置

【課題】スイッチング・レギュレータ方法および装置を開示する。
【解決手段】スイッチング・レギュレータの制御端子は、電源の出力部に結合される端子である。スイッチング・レギュレータは、制御端子に結合され、かつ、電源の出力に応じて帰還信号を生成する制御回路を備えている。制御回路147は、また、電力スイッチのスイッチングを制御するように結合される駆動信号を生成している。制御回路は、帰還信号に応じて駆動信号を生成する。駆動信号は、帰還信号値の第1の範囲に対しては固定の周波数を有し、帰還信号値の第2の範囲に対しては、サイクルをスキップすることなく可変周波数で動作する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の背景)
発明の分野
本発明は、一般に電源に関し、より詳細にはスイッチング・レギュレータに関する。
【背景技術】
【0002】
背景情報
電子装置は電力を使用して動作している。スイッチ・モード電源は、効率が高く、かつ出力変動率が良いので、今日の多くの電子装置に電力を供給するために広く使用されている。知られている低周波数(例えば、50Hzまたは60Hz商用電源周波数)スイッチ・モード電源では、スイッチ・モード電源制御回路を使用して、高電圧交流(AC)を高周波数(例えば30kHzから300kHz)ACに変換している。一般的に、より低い電圧に変換し、かつ、安全に絶縁するためにこの高周波数高電圧ACを変圧器に印加する。変圧器の出力を整流して、電子装置に電力を供給するために使用することができる安定DC出力を得ている。通常、スイッチ・モード電源制御回路は、出力を検知し、出力を閉ループ制御することによって出力を調整している。
【0003】
スイッチ・モード電源は、出力トランジスタを有する集積回路によるスイッチング・レギュレータを備えている。出力トランジスタは変圧器の一次巻線に直列に結合されている。この出力トランジスタをスイッチング・レギュレータによって制御された方式でターン・オンおよびターン・オフさせることにより、変圧器の二次巻線にエネルギーが伝達され、きれいな安定した電力源をDC出力部に供給している。また、スイッチ・モード電源の変圧器は、バイアス巻線または帰還巻線と呼ばれる別の巻線を備えているものが多い。スイッチ・モード電源の中には、帰還信号すなわち制御信号を、DC出力部に結合された検知回路の光結合器から得ているものもある。帰還制御信号を用いて、スイッチング・レギュレータによって生成されるスイッチング波形のデューティ・サイクルを変えることができる。デューティ・サイクルは、スイッチング周期における出力トランジスタのオン時間の比率として定義されている。電源のDC出力部に大きな負荷が掛かっている場合、スイッチング・レギュレータはデューティ・サイクルを大きくすることあでより多くの電力を負荷に送ることによってこの状況に対応する。負荷が軽くなると、スイッチング・レギュレータは、帰還信号を介してこの変化を検知し、デューティ・サイクルを小さくする。
【0004】
負荷がさらに軽く、かつ、DC出力部に送る電力を無限に小さくすることができないと、DC出力電圧が増加し、電圧変動率が大きくなる。この好ましくない状況は、負荷が完全に除去されるとさらに悪化する。電源の内部に定負荷を接続することによって出力変動率を改善することができるが、DC出力部が無負荷の状態であっても、常に内部負荷が接続されているため、電源効率が低下する。通常、電源効率の損失は、次の3つの要素によるものである。(1)スイッチング・レギュレータ回路の動作を継続させるDC動作電力、(2)スイッチング・レギュレータの出力トランジスタおよびそのドライバのスイッチングによるスイッチング損失−このスイッチング損失は、動作周波数に正比例する、および(3)内部負荷が消費する電力。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
効率を改善するために、スイッチング・レギュレータは、サイクル・スキッピングと呼ばれる方式を使用している。サイクル・スキッピング方式は、負荷が軽くなるとデューテ
ィ・サイクルを小さくし、デューティ・サイクルが所定の最小デューティ・サイクルまで小さくなると、交互に、一定時間の間切り換え、別の一定時間の間、負荷に応じてアイドル状態を維持する方式である。このモードの間に負荷が少しでも増加すると、負荷が必要とする電力が送られるまでの短時間の間、最小デューティ・サイクルで出力トランジスタがスイッチングされた後、再びスイッチングを停止する。断続的なパルス群によってスイッチングされるため、サイクル・スキッピング・モードは、理論的には軽負荷時におけるスイッチング損失を小さくしている。また、サイクル・スキッピングは、定内部負荷の必要性を排除している。しかし、パルス群が可聴周波数領域内の周波数で発生し、かつ、最小デューティ・サイクルが最適デューティ・サイクルより大きい場合、電源は、望ましくない可聴雑音を発生する。また、通常、サイクル・スキッピングはパルス群の形で生じ、それによりエネルギーが断続的に負荷に送られるため、サイクル・スキッピングは、出力リプルを悪化させている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(発明の概要)
スイッチング・レギュレータ方法および装置を開示する。一実施態様では、スイッチング・レギュレータは、第1と第2の端子の間に結合された電力スイッチを備えている。第1の端子が電源のエネルギー伝達エレメントに結合され、第2の端子が電源の供給レールに結合される。第3の端子と電力スイッチに制御回路が結合されている。第3の端子は電源の出力部に結合される。制御回路は、電源の出力に応じて帰還信号を生成するように結合されている。制御回路は、帰還信号に応じて電力スイッチを切り換えるように結合されている。制御回路は、帰還信号の値の第1の範囲に対して、固定のスイッチング周波数で電力スイッチを切り換え、かつ、帰還信号の値の第2の範囲の帰還信号に応じて、サイクルをスキップすることなく電力スイッチのスイッチング周波数を変化させるように結合されている。本発明の他の特徴および利益は、以下に示す詳細説明、図面、および特許請求の範囲の各クレームから明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の教示によるスイッチング・レギュレータを備えた電源の一実施形態を示す概略図である。
【図2】本発明の教示によるスイッチング・レギュレータの一実施形態を示す概略図である。
【図3】A:本発明の教示による、全周波数で動作するスイッチング・レギュレータの一実施形態の波形を示すタイミング図である。B:本発明の教示による、低周波数で動作するスイッチング・レギュレータの一実施形態の波形を示すタイミング図である。
【図4】本発明の教示によるスイッチング・レギュレータの一実施形態における周波数と電流の関係の一実施形態を示す図である。
【図5】本発明の教示によるスイッチング・レギュレータの一実施形態におけるデューティ・サイクルと電流の関係の一実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明を実施形態によって詳細に説明するが、添付の図面に制限されることはない。
(詳細な説明)
電源を調整するための方法および装置を開示する。本発明に対する完全な理解を提供するために、以下の説明においては、極めて多数の特定の詳細が示されているが、本発明を実装するために特定の詳細を使用する必要がないことは、当分野の技術者には明らかであろう。他の例においては、本発明を明確にするために、良く知られている材料または方法については、詳細な説明は省略されている。
【0009】
本発明は、軽負荷時の動作周波数を低くすることによって、パルス幅変調方式の電源ス
イッチング・レギュレータの効率を改善するものである。スイッチング損失は、動作周波数に正比例しているため、本発明の一実施形態を使用することによってスイッチング損失が低減される。今日のスイッチング・レギュレータに関連する可聴雑音の問題は、本発明の教示によるスイッチング・レギュレータの最小動作周波数が可聴周波数以上になるように選択されるため、もはや問題ではない。また、本発明の一実施形態では、パルス幅変化が断続的ではなく、本質的に連続的であるため、出力リプルも改善されている。
【0010】
実例を挙げて説明すると、図1は、本発明の教示によるスイッチング・レギュレータ139の一実施形態を備えた電源101を示すブロック図である。図に示すように、ブリッジ整流器105およびコンデンサ107は、AC商用電源103から受け取る入力交流(AC)電圧を整流し、かつ、フィルタリングするように結合されている。一実施形態では、コンデンサ107の両端間に、正の電源レール108および接地電源レール106を備えている。ブリッジ整流器105およびコンデンサ107によって生成された整流電圧は、変圧器113などのエネルギー伝達エレメントの一次巻線115で受け取られる。一実施形態では、変圧器113は、二次巻線117およびバイアス巻線119を備えている。ダイオード121およびコンデンサ123は、DC出力129を整流し、かつ、フィルタリングしている。一方、ダイオード125およびコンデンサ127は、バイアス巻線を整流し、かつ、フィルタリングしている。
【0011】
スイッチング・レギュレータ139は、一次巻線115に結合されたドレイン端子141、および接地レール106に結合されたソース端子143を備えている。一実施形態では、スイッチング・レギュレータ139は、電力スイッチ147を切り換えるための駆動信号161を生成する制御回路149を備えている。電力スイッチ147を切り換えることにより、変圧器113を使用して二次巻線117にエネルギーが伝達される。ダイオード111およびツェナー109は、ドレイン端子141をクランプするためのものである。
【0012】
負荷130は、出力部129の両端間に結合されるように配置されている。帰還ループは、出力部129から出力検知回路131を経由して、スイッチング・レギュレータ139の制御端子145まで形成されている。帰還ループには、出力検知回路131および光結合器133が含まれている。光結合器133は、フォトダイオード137に光結合されたトランジスタ135を備えている。出力検知回路131に応答した出力検知信号146は、スイッチング・レギュレータ139の制御端子145が受け取るように結合されている。出力検知信号146は電流であっても、あるいは電圧であっても良い。バイアス電源電流と帰還電流が結合した電流が、バイアス巻線119を使用して、光結合器133によって制御端子145に供給される。したがって、制御端子145を、スイッチング・レギュレータ139の電源電圧(V)/帰還端子として特徴付けることができる。したがってこの制御端子145は結合電気端子と呼ばれることもある。制御端子145と接地の間に、外部コンデンサ151が結合されている。
【0013】
図2は、本発明の教示によるスイッチング・レギュレータ239の一実施形態を示す概略図である。一実施形態では、図2のスイッチング・レギュレータ239が、図1のスイッチング・レギュレータ139の代わりに利用されている。図に示すように、この実施形態のスイッチング・レギュレータ239は、ドレイン端子241とソース端子243の間に結合された電力スイッチ247を備えている。電力スイッチ247のゲートは、制御回路249によって生成される駆動信号261に応じて切り換えられるように結合されている。
【0014】
制御回路249は、制御端子245で受け取る出力検知信号246に応じて帰還信号248を生成するように結合された帰還信号回路349を備えている。一実施形態では、正
規動作時におけるスイッチング・レギュレータ239に対する内部バイアス電流は、制御端子245に結合された内部分路調整器によって供給されている。一実施形態では、図1のコンデンサ151のような外部コンデンサが制御端子245に結合されている。例えば、スイッチング・レギュレータ239の一実施形態では、制御端子245に流入する電流によって、最初にターン・オンされた後電力が供給されるようになっている。制御端子には図1に示すような電源101の出力部129に結合された出力検知回路131から光結合器133を介して電力が供給される。制御端子245に流れ込む電流の一部が、スイッチング・レギュレータ239の回路をパワー・アップし、残りの電流は、分路調整器によって接地に分路される。帰還信号248は、接地に分路される電流から引き出される。電源101の出力部129に大きな負荷130が結合されると、有効電流のすべてが負荷に流れる。
【0015】
図2の帰還信号回路349に注目して実例を挙げて説明する。図に示すように、比較器456は、内部基準電圧に結合された正の端子を備えている。比較器456の負の端子は、抵抗202および203を含む分圧抵抗網によって、制御端子245の電圧の何分の一かに分圧された電圧に結合されている。比較器456は、内部基準電圧と分圧された制御端子245電圧とを比較している。内部基準電圧が分圧された制御端子245電圧より低い場合は、制御端子245電圧が公称電圧であることを示しており、比較器456の出力が低くなってトランジスタ204がターン・オンする。制御端子245に流入する電流の超過分が、トランジスタ204と205を介して接地に分路される。トランジスタ205および207は電流ミラーを形成しているため、この分路電流に比例する何分の一かが、トランジスタ207を流れる帰還電流として使用される。帰還電流は、抵抗206によって帰還電圧に変換され、帰還信号248が生成される。
【0016】
制御回路249の実施形態は、パルス幅変調器(PWM)回路348を備えている。PWM回路348は、帰還信号248に応じて、電力スイッチ247のデューティ・サイクルを制御するために使用する駆動信号261を生成している。PWM回路348は、SAW451、CLOCK453およびDMAX455の3つの信号を発生する発振器449を備えている。図に示すように、DMAX455信号は、SAW451が上昇している間ハイで、SAW451が下降している間ローである。一実施形態では、CLOCK453信号は、DMAX455のローからハイへの移行時に生成される短いパルスである。CLOCK453信号は、フリップ・フロップ463をセットするためにフリップ・フロップ463のS入力に結合されている。
【0017】
CLOCK453信号がハイになると、フリップ・フロップ463のQ信号出力がハイになり、後にフリップ・フロップ463のR入力がハイになり、フリップ・フロップ463がリセットされるまでハイ状態を維持する。フリップ・フロップ463のQ信号出力は、NANDゲート465の一方の入力に結合されている。NANDゲート465のもう一方の入力は、発振器449のDMAX455信号から来ている。DMAX455は、この間ハイであるため、NANDゲート465の出力はローであり、インバータ469の出力はハイである。一実施形態では、インバータ469の出力が、電力スイッチ247を切り換えるように結合された駆動信号261である。
【0018】
駆動信号261がハイのとき、電力スイッチ247はオンである。一実施形態では、スタート・アップ時あるいは過負荷状態時の最大デューティ・サイクル状態に対応して、フリップ・フロップ463のリセットR入力がハイになるか、あるいは発振器449のDMAX455がローになるかのいずれかの条件が成立すると、駆動信号261が電力スイッチ247をターン・オフさせるように結合されている。比較器457の出力がハイになるか、あるいはORゲート458の電流制限信号入力がハイになると、フリップ・フロップ463のリセットR入力がハイになる。
【0019】
図に示すように、ORゲート458の一方の入力は、電流制限信号を受け取るように結合され、ORゲート458のもう一方の入力は、比較器457の出力を受け取るように結合されている。一実施形態では、電流制限信号がハイになることは、電力スイッチ247を流れる電流が規定の制限を越えたことを意味し、電力スイッチ247は直ちにターン・オフされる。発振器449のSAW451信号が、トランジスタ207のドレインから入力される帰還信号248より大きくなると、比較器457の出力がハイになる。一実施形態では、帰還信号248は、発振器449のSAW451信号と比較すると、極めて変化の遅い信号−ほとんど直流レベルの信号である。一実施形態では、SAW451信号は、100kHz鋸波状信号である。
【0020】
一実施形態では、PWM回路348は、次の少なくとも3つの異なる条件下で動作している。(1)帰還信号248が、SAW451信号の「谷」より小さいとき、(2)帰還信号248が、SAW451信号の「ピーク」より大きいとき、および(3)帰還信号248が、SAW451信号の「ピーク」と「谷」の間にあるとき。
【0021】
抵抗206を流れる電流が大きいときは、抵抗206の両端間の対応する電圧降下も大きくなり、帰還信号248は、SAW451信号の「谷」より小さくなる。一実施形態では、抵抗206に大量の電流が流れることは、大量の電流が制御端子246に流入していることを表しており、そのことは、電源101の出力部129に結合されている負荷130が必要とする電力が小さいことを表している。この状況においては、比較器457の正の端子は常に負の端子より大きく、したがって比較器457の出力は常にハイであり、ORゲート458を介してフリップ・フロップ463のR入力をハイに維持している。CLOCK453信号が、S入力を介してフリップ・フロップ463をセットすると、電力スイッチ247のゲートをハイに引っ張って電力スイッチ247をターン・オンさせるためにフリップ・フロップ463のQ出力を直ちにハイにしようとする。しかし、フリップ・フロップ463のR入力がハイに維持されているため、フリップ・フロップ463は直ちにリセットされ、それによりフリップ・フロップ463のQ出力は直ちにローに戻り、絶対に電力スイッチ247をターン・オンさせることはない。
【0022】
一実施形態では、抵抗206に十分な電流を流さず、帰還信号248の電圧降下が低下すると、帰還信号248がSAW451信号の「ピーク」より大きくなる。一実施形態では、負荷130による負荷が重い場合が、上述のケースに相当している。この状況においては、比較器457の正の端子は常に負の端子より小さく、したがって比較器457の出力は常にローであり、それによりフリップ・フロップ463のR入力はローに維持され、フリップ・フロップ463がリセットされることは絶対にない。このことは、CLOCK453信号がフリップ・フロップ463をセットすることによって、すなわちフリップ・フロップ463のQ出力をハイにすることによって電力スイッチ247をターン・オンさせ、ターン・オンした電力スイッチ247は、DMAX455信号がハイからローになるまで、または出力トランジスタをオン状態に維持し、デューティ・サイクルを最大にする電流制限に電力スイッチ247が達するまで、あるいは電力スイッチ247がその電流制限に達するまで、ターン・オフされないことを意味している。
【0023】
一実施形態では、帰還信号がSAW451信号の「ピーク」より小さく、かつ、「谷」より大きいとき、電源101は、その正規の負荷範囲内で動作している。その場合、PWM348は、電源101の出力129を調整状態に維持するために、帰還信号248に応じて、駆動信号261を適切なデューティ・サイクルにセットすることになる。
【0024】
一実施形態では、制御回路249は、本発明の教示によるタイマ回路347をさらに備えている。一実施形態では、駆動信号261のデューティ・サイクルが10%を超えると
、スイッチング・レギュレータ239は全周波数で動作する。一実施形態では、全周波数は100kHzである。本開示の中で提供されている、100kHz周波数値などの実効値が単に説明のための値であり、本発明の教示に従って他の実効値を利用することができることは、当然理解されよう。本開示の目的に対して、駆動信号261のデューティ・サイクルは、駆動信号261のオン時間を駆動信号261の周期Tで除した値に等しくなっている。周期Tは、駆動信号261のオン時間+オフ時間である。したがって、全周波数が100kHzの駆動信号261の場合、駆動信号261の各サイクルの周期Tは、1/100kHzすなわち10μsであり、デューティ・サイクル10%の信号のオン時間は、1μsである。したがってデューティ・サイクル10%の信号のオフ時間は、10μs−1μsすなわち9μsである。PWM回路348は、出力部129に結合された負荷130のレベルおよび電源101の入力電圧に応じた帰還信号248に応じて、駆動信号261のデューティ・サイクルを調整していることが理解されよう。
【0025】
一実施形態では、本発明の教示によるスイッチング・レギュレータ239に対して、全周波数モードおよび低周波数モードの2つの動作モードがある。一実施形態では、帰還信号248に応じた電力スイッチ247のオン時間によって、スイッチング・レギュレータ239を全周波数モードで動作するか、あるいは低周波数モードで動作するかが決定される。一実施形態では、駆動信号261のオン時間が1μsを超えると、PWM回路348は全周波数モードで動作する。駆動信号261のオン時間が1μs未満のときは、PWM回路348は低周波数モードで動作する。したがって、駆動信号261のデューティ・サイクルは帰還信号248に対応しているため、PWM回路348は、帰還信号248の値のある範囲に対しては全周波数モードで動作し、また、帰還信号248の値の別の範囲に対しては低周波数モードで動作する。
【0026】
一実施形態では、スイッチング・レギュレータ239は、次のように全周波数モードおよび低周波数モードで動作している。TMIN257で表される信号が、DMAX455信号から得られる。一実施形態では、TMIN257には、DMAX455の立上りエッジ毎に生成されるパルスが含まれている。図に示すように、TMIN257のパルスの持続時間は、コンデンサ353および電流源351、352によって決定される。一実施形態では、コンデンサ353は、トランジスタ210を介して電流源351および352を通して放電されるように結合されている。一実施形態では、電流源351は、電流源352の30倍を超える速度で、コンデンサ353から電荷を引き出している。351および352の両電流源が、コンデンサ353を放電させるために同時にオンされると、TMIN257のパルス幅の持続時間が1μs、すなわち駆動信号261の一実施形態の全周波数周期の10%になる。一実施形態では、電流源352は、コンデンサ353を放電させるために常に起動されているが、電流源351は、インバータ479の出力がハイのときのみ、またはANDゲート478の出力がローのときのみ起動され、コンデンサ353を放電させている。一実施形態では、ANDゲート478には、反転された駆動信号261(NANDゲート465の出力)とTMIN257が結合されているため、ANDゲート478の出力は、電力スイッチ247のゲートが1μsを超えてオンすると、常にローになる。一実施形態では、駆動信号261が1μsを超えてオンしていると、ANDゲート478の出力はローを維持し、トランジスタ201は、発振器449が影響を受けないよう、オン状態を維持している。一実施形態では、駆動信号261の周波数は、この場合、一定の100kHzを維持している。
【0027】
一実施形態では、駆動信号261のデューティ・サイクルが、帰還信号248に応じて10%未満になると、スイッチング・レギュレータ239は、低周波数動作に移行する。一実施形態では、駆動信号261のデューティ・サイクルが10%未満になると、すなわち駆動信号261のオン時間が1μs未満になると、NANDゲート465の出力がハイになり、TMIN257はハイを維持している。この時間の間、帰還信号248を通して
駆動信号261の状態が決定されている場合、ORゲート458の入力で受け取られる電流制限信号に代わって、比較器456の出力が同様にハイである。ANDゲート478の入力がすべてハイの場合、ANDゲート478の出力がハイになり、トランジスタ201がターン・オフされ、それにより発振器449に流入する電流が遮断され、発振器449によって生成される発振が中断される。
【0028】
一実施形態では、発振器449は、SAW451の値を、その最後の電圧の大きさに維持し、CLOCK453信号およびDMAX455信号は、トランジスタ201のターン・オフに応じた発振器449の中断に応じて、スイッチングを停止する。一実施形態では、ANDゲート478の出力がハイになると、インバータ479の出力がローになり、トランジスタ208がターン・オフされ、それにより電流源351によるコンデンサ353の放電が停止する。電流源351が非活動化されると、コンデンサ353を放電させる電流が1/31になるため、コンデンサ353の放電速度が遅くなり、コンデンサ353は、より長時間に渡って充電された状態を維持する。したがってTMIN257のオン時間の残りが31倍に増加し、その結果、TMIN257のパルス幅は、固定値の1μsから、次式、
DSPW>1μsに対して、TMINPW=1μs
DSPW<1μsに対して、TMINPW=((1μs−DSPW)*31)+DSPW (式1)
によって決定される値に増加する。上式で、TMINPWは、TMIN257のパルス幅であり、DSPWは、駆動信号261のパルス幅である。
【0029】
発振器449は、TMIN257のパルス幅から駆動信号261のパルス幅を差し引いた時間の間、スイッチングを中断した後、開放される。開放されると、発振器449は、中断された時点の状態から動作を再開し、SAW451信号は、中断された時点のポイントから上昇する。したがって、駆動信号261のスイッチング周期は、全周波数動作の10μsから、次式、
DSPW<1μsに対して、LFPDS=(TMINPW−DSPW)+10μs (式2)
によって決定される値に増加する。上式で、LFPDSは、駆動信号261の低周波数周期であり、TMINPWは、TMIN257のパルス幅である。
【0030】
実例を挙げて説明すると、図3A、Bは、本発明の教示によるスイッチング・レギュレータの全周波数動作および低周波数動作をそれぞれ示している。詳細には、図3Aは、一実施形態において、帰還信号248の範囲が、駆動信号261のデューティ・サイクルが10%より大きくなるような範囲にある場合に生じる全周波数動作を示している。図3に示すように、帰還信号248は、SAW251信号の「ピーク」と「谷」の間に存在している。SAW251信号は、「谷」から「ピーク」まで6μsで上昇し、「ピーク」から「谷」まで4μsで下降しており、その結果、100kHzの全動作周波数になっている。図に示す例では、駆動信号のオン時間は2μs、すなわちデューティ・サイクル20%であり、10%を超えている。したがってスイッチング・レギュレータ239は、全周波数モードで動作している。反転した駆動信号259は、351および352の両電流源を常に起動状態に維持し、1μsの全時間の間、コンデンサ353を高速で放電させている。したがってTMIN257のパルス幅、すなわちTMIN257のオン時間は1μsである。
【0031】
一方、図3Bは、一実施形態において、帰還信号248の範囲が、駆動信号261のデューティ・サイクルが10%未満になるような範囲にある場合に生じる低周波数動作を示している。図3Bに示す特定の実施形態では、駆動信号261のオン時間は、わずか0.5μsであり、1μs未満である。図に示すように、駆動信号261のオン時間がわずか
0.5μsであり、1μs未満であるため、コンデンサ353は、電流源351が非活動化され、発振器449が中断される時点では、未だ完全に放電されていない。図に示すように、電流源351が非活動化された結果、コンデンサ353の放電速度が遅くなったため、SAW251信号は、発振器449が中断された時点の電圧に保持され、TMIN257は、1μs以上の間、ハイ状態を維持している。実際には、図に示すように、TMIN257は、次の0.5μs*31=15.5μsの間、ハイ状態を維持している。TMIN257がローになると発振器449は動作を再開し、SAW251信号は、中断されたポイントから発振を継続し、その「ピーク」まで5.5μsで上昇した後、正規の4μsで「谷」まで降下する。
【0032】
図3Bに示す実施形態では、駆動信号261のスイッチング周波数は、39.2kHzに減少し、駆動信号の周期は、25.5μs(0.5μs+15.5μs+5.5μs+4μs)に増加している。帰還信号248の電圧がさらに小さくなると、駆動信号261のスイッチング周波数は、本発明の教示に従ってさらに減少する。駆動信号261の周波数は、本発明の教示に従って、駆動信号261のサイクルをスキップすることなく減少されることに注意されたい。それどころか、各サイクルの周期は、駆動信号261の周波数を低くするために長くなっている。一実施形態では、駆動信号261の周期を長くする場合、駆動信号261の各サイクルにおけるオン時間およびオフ時間は、本発明の教示に従って同時に調整されている。
【0033】
一実施形態では、上式を使用して電源コントローラが使用することができる最低周波数を計算することができる。詳細には、帰還信号248の電圧がSAW251信号の「谷」の電圧まで減少すると、駆動信号261のオン時間が実質的にゼロまたは無視し得る程度に減少すると仮定している。その場合、上に挙げた式1および式2を使用して、
TMINPW=((1μs−〜0μs)*31)+〜0μs=31μs(式3)
LFPDS=(TMINPW−0μs)+10μs=41μs (式4)
となる。上式で、TMINPWは、TMIN257のパルス幅であり、LFPDSは、駆動信号261の低周波数周期である。したがって、この特定実施形態の最低周波数における駆動信号261の周期は41μsである。
【0034】
低周波数周期41μsは、1/41μsの周波数、すなわち24.4kHzに相当している。最低スイッチング周波数24.4kHzは、人間の可聴周波数範囲20Hz〜20kHzより高いため、本発明の教示によるスイッチング・レギュレータを使用して調整された電源101は、最低周波数においても、可聴雑音を何ら生成することはない。
【0035】
図2に示す実施形態をもう一度参照すると、タイマ回路347は、ANDゲート478の出力に応じて切り換えられるトランジスタ212をさらに備えている。トランジスタ212は抵抗211に電流を流すスイッチとして作用している。抵抗211およびトランジスタ212の役割は、低周波数動作時におけるスイッチング・レギュレータ239の消費電流を、全周波数動作時における消費電流と同じ消費電流に維持することである。既に考察したように、スイッチング・レギュレータ239の一実施形態は、電源101の出力部129に結合された出力検知回路131から光結合器133を介して制御端子245に流入する電流によって電力供給されている。一実施形態では、制御端子245流入する電流の一部が、スイッチング・レギュレータ239の回路をパワー・アップし、残りの電流は、分路調整器によって接地に分路されている。帰還信号248は、接地に分路される電流から引き出されている。
【0036】
低周波数動作中に駆動信号261の周波数が減少すると、スイッチング・レギュレータ239の内部回路のスイッチングによる消費電力が減少し、その結果、スイッチング・レギュレータ239の回路に流入する電流が少なくなり、より多くの電流が接地に分路され
る。接地に分路される電流が増加すると、帰還信号248を引き出すために使用されている電流部分も同様に増加し、帰還信号248が小さくなる。スイッチング・レギュレータ239の消費電流が減少するため、相応じて駆動信号261のスイッチング周波数が減少する。
【0037】
したがって、スイッチング・レギュレータの消費電流を実質的に一定に維持するために、低周波数モード動作には、抵抗211およびトランジスタ212を介して追加電流を引き出し、本発明の教示によるスイッチング・レギュレータ239の全周波数動作モードと低周波数動作モードのスイッチング損失の差を補償している。追加電流が消費電力の減少量より大きい場合、パルス幅変調利得、すなわちデューティ・サイクル対制御端子245電流が若干減少することになる。
【0038】
図4と図5は、本発明の教示によるスイッチング・レギュレータの一実施形態の周波数対電流561、およびデューティ・サイクル対電流661の関係をそれぞれ示す図である。詳細には、図5は、制御端子245に流入する電流が増加すると、駆動信号261のデューティ・サイクルが減少することを示している。一実施形態では、駆動信号261のデューティ・サイクルは、本発明の教示によるスイッチング・レギュレータの全周波数モードおよび低周波数モードの両モードに対して、制御端子245に流入する電流に比例して直線的に減少している。
【0039】
図4は、一実施形態では、駆動信号261のデューティ・サイクルの減少に対して、駆動信号261のスイッチング周波数が、例えば10%の値にデューティ・サイクルが減少するまで一定に維持されることを示している。駆動信号261のデューティ・サイクルが10%未満になると、一実施形態では、駆動信号261の周波数が徐々に減少し始め、駆動信号261のデューティ・サイクルが0%になると、駆動信号261の周波数は、大よそ25kHzまで減少する。一実施形態では、駆動信号261の周波数は、本発明の教示によるスイッチング・レギュレータの全周波数モードおよび低周波数モードの両モードに対して、制御端子245電流に応じてほぼ直線的に減少している。
【0040】
一実施形態では、帰還信号248は、制御端子245電流に対応している。したがってスイッチング・レギュレータ239は、帰還信号248の値のある範囲に対しては固定周波数で動作し、帰還信号248値の別の範囲に対しては、スイッチング・レギュレータ239の動作周波数は、帰還信号248に応じて減少する。一実施形態では、10%のデューティ・サイクルに相当する帰還信号248値が、固定周波数動作と低周波数動作の境界である。
【0041】
本発明の一実施形態では、スイッチング・レギュレータ239は、130kHzの全周波数動作で動作している。この実施形態では、スイッチング・レギュレータ239が全周波数または低周波数のいずれかで動作する境界に相当する駆動信号261のオン時間は、電流源351および352が共にオンの状態において、TMIN257の時定数を調整することによって調整することができる。一実施形態では、駆動信号261の最小周波数は40kHzである。他の実施形態では、スイッチング・レギュレータ239は、65kHzの全周波数動作で動作し、駆動信号の最小周波数は20kHzである。
【0042】
以上の詳細説明において、特定の例示的実施形態に関連して本発明の方法および装置を説明したが、本発明の広範な精神および範囲を逸脱することなく、本発明に様々な改変および変更を加えることができることは明らかであろう。したがって、本明細書および図面は、本発明を制限するものではなく、説明目的のものとして解釈しなければならない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源のエネルギー伝達エレメントに結合される第1の端子と電源の供給レールに結合される第2の端子の間に結合された電力スイッチと、
第3の端子および電力スイッチに結合された制御回路とを備えるスイッチング・レギュレータであって、第3の端子が電源の出力部に結合され、
制御回路は、電源の出力に応じて帰還信号を生成するように結合され、
制御回路は、帰還信号に応じて電力スイッチを切り換えるように結合されており、
制御回路は、帰還信号の値の第1の範囲に対して、固定のスイッチング周波数で電力スイッチを切り換えるように結合され、
制御回路は、帰還信号の値の第2の範囲に対して、帰還信号に応じて、サイクルをスキップすることなく電力スイッチのスイッチング周波数を変化させるように結合され、
制御回路が、
第3の端子に結合され、かつ帰還信号を生成するように結合される帰還信号回路と、
帰還信号に応じて電力スイッチを切り換えるように結合されたパルス幅変調器回路とを含み、
電力スイッチを切り換えるためにパルス幅変調器回路によって生成される駆動信号のオン時間値とオフ時間値が、電源の出力部に結合された負荷のレベルの関数として同時に変化し、帰還信号の値の第2の範囲に対しサイクルをスキップすることなく電力スイッチのスイッチング周波数を変化させるスイッチング・レギュレータ。
【請求項2】
帰還信号の第1と第2の範囲が、電源の出力部に結合される負荷のレベルの第1と第2の範囲に対応する請求項1に記載のスイッチング・レギュレータ。
【請求項3】
帰還信号の第1と第2の範囲が、電力スイッチを切り換えるためにパルス幅変調器回路によって生成される駆動信号のオン時間値の第1と第2の範囲に対応する請求項1に記載のスイッチング・レギュレータ。
【請求項4】
帰還信号の第1と第2の範囲が、電力スイッチを切り換えるためにパルス幅変調器回路によって生成される駆動信号のデューティ・サイクルの百分率値の第1と第2の範囲に対応する請求項1に記載のスイッチング・レギュレータ。
【請求項5】
駆動信号のオフ時間値が、駆動信号のオン時間値および第1のオン時間値の関数として変化し、駆動信号の第1のオン時間値が、帰還信号の値の第1の範囲と第2の範囲の間の境界における駆動信号のオン時間に対応する請求項1に記載のスイッチング・レギュレータ。
【請求項6】
電源の出力部に結合される負荷のレベルが減少するにつれて、電力スイッチのスイッチング周波数が、帰還信号の値の第2の範囲に対して、サイクルをスキップすることなく減少する請求項1に記載のスイッチング・レギュレータ。
【請求項7】
電力スイッチを切り換えるためにパルス幅変調器回路によって生成される駆動信号のデューティ・サイクルの百分率値が、実質的にゼロ・パーセントに等しい場合、電力スイッチのスイッチング周波数が、サイクルをスキップすることなく最小周波数まで減少する請求項6に記載のスイッチング・レギュレータ。
【請求項8】
電源のエネルギー伝達エレメントに結合される第1の端子と電源の供給レールに結合される第2の端子の間に結合された電力スイッチと、
第3の端子および電力スイッチに結合された制御回路とを備えるスイッチング・レギュレータであって、第3の端子が電源の出力部に結合され、
制御回路は、電源の出力に応じて帰還信号を生成するように結合され、
制御回路は、帰還信号に応じて電力スイッチを切り換えるように結合されており、
制御回路は、帰還信号の値の第1の範囲に対して、固定のスイッチング周波数で電力スイッチを切り換えるように結合され、
制御回路は、帰還信号の値の第2の範囲に対して、帰還信号に応じて、サイクルをスキップすることなく電力スイッチのスイッチング周波数を変化させるように結合され、
制御回路が、
第3の端子に結合され、かつ帰還信号を生成するように結合される帰還信号回路と、
帰還信号に応じて電力スイッチを切り換えるように結合されたパルス幅変調器回路とを含み、
帰還信号の第1と第2の範囲が、電力スイッチを切り換えるためにパルス幅変調器回路によって生成される駆動信号のオン時間値の第1と第2の範囲に対応するスイッチング・レギュレータ。
【請求項9】
帰還信号の第1と第2の範囲が、電源の出力部に結合される負荷のレベルの第1と第2の範囲に対応する請求項8に記載のスイッチング・レギュレータ
【請求項10】
帰還信号の第1と第2の範囲が、電力スイッチを切り換えるためにパルス幅変調器回路によって生成される駆動信号のデューティ・サイクルの百分率値の第1と第2の範囲に対応する請求項8に記載のスイッチ・レギュレータ。
【請求項11】
電力スイッチを切り換えるためにパルス幅変調器回路によって生成される駆動信号のオフ時間値が、電源の出力部に結合された負荷のレベルの関数として変化し、帰還信号の値の第2の範囲に対しサイクルをスキップすることなく電力スイッチのスイッチング周波数を変化させる請求項8に記載のスイッチ・レギュレータ。
【請求項12】
電力スイッチを切り換えるためにパルス幅変調器回路によって生成される駆動信号(161,261)のオン時間値とオフ時間値が、電源の出力部に結合された負荷のレベルの関数として同時に変化し、帰還信号の値の第2の範囲に対しサイクルをスキップすることなく電力スイッチのスイッチング周波数を変化させる請求項8に記載のスイッチ・レギュレータ。
【請求項13】
駆動信号のオフ時間値が、駆動信号のオン時間値および第1のオン時間値の関数として変化し、駆動信号の第1のオン時間値が、帰還信号の値の第1の範囲と第2の範囲の間の境界における駆動信号のオン時間に対応する請求項12に記載のスイッチング・レギュレータ。
【請求項14】
電源の出力部に結合される負荷のレベルが減少するにつれて、電力スイッチのスイッチング周波数が、帰還信号の値の第2の範囲に対して、サイクルをスキップすることなく減少する請求項8に記載のスイッチング・レギュレータ。
【請求項15】
電力スイッチを切り換えるためにパルス幅変調器回路によって生成される駆動信号のデューティ・サイクルの百分率値が、実質的にゼロ・パーセントに等しい場合、電力スイッチのスイッチング周波数が、サイクルをスキップすることなく最小周波数まで減少する請求項14に記載のスイッチング・レギュレータ。
【請求項16】
電源のエネルギー伝達エレメントに結合される第1の端子と電源の供給レールに結合される第2の端子の間に結合された電力スイッチと、
第3の端子および電力スイッチに結合された制御回路とを備えるスイッチング・レギュレータであって、第3の端子が電源の出力部に結合され、
制御回路は、電源の出力に応じて帰還信号を生成するように結合され、
制御回路は、帰還信号に応じて電力スイッチを切り換えるように結合されており、
制御回路は、帰還信号の値の第1の範囲に対して、固定のスイッチング周波数で電力スイッチを切り換えるように結合され、
制御回路は、帰還信号の値の第2の範囲に対して、帰還信号に応じて、サイクルをスキップすることなく電力スイッチのスイッチング周波数を変化させるように結合され、
制御回路が、
第3の端子に結合され、かつ帰還信号を生成するように結合される帰還信号回路と、
帰還信号に応じて電力スイッチを切り換えるように結合されたパルス幅変調器回路とを含み、
パルス幅変調器回路は、帰還信号に応答して駆動信号を生成し、駆動信号は、電力スイッチのデューティ・サイクルを制御するために使用され、
駆動信号の周波数は、駆動信号の各サイクルをスキップすることなく減少し、
駆動信号の周期が増加するときに、駆動信号の各サイクルのオン時間とオフ時間は同時に調整されるスイッチング・レギュレータ。
【請求項17】
帰還信号の第1と第2の範囲が、電源の出力部に結合される負荷のレベルの第1と第2の範囲に対応する請求項16に記載のスイッチング・レギュレータ。
【請求項18】
帰還信号の第1と第2の範囲が、電力スイッチを切り換えるためにパルス幅変調器回路によって生成される駆動信号のオン時間値の第1と第2の範囲に対応する請求項16に記載のスイッチング・レギュレータ。
【請求項19】
帰還信号の第1と第2の範囲が、電力スイッチを切り換えるためにパルス幅変調器回路によって生成される駆動信号のデューティ・サイクルの百分率値の第1と第2の範囲に対応する請求項16に記載のスイッチング・レギュレータ。
【請求項20】
電力スイッチを切り換えるためにパルス幅変調器回路によって生成される駆動信号のオフ時間値が、電源の出力部に結合された負荷のレベルの関数として変化し、帰還信号の値の第2の範囲に対しサイクルをスキップすることなく電力スイッチのスイッチング周波数を変化させる請求項16に記載のスイッチ・レギュレータ。
【請求項21】
電力スイッチを切り換えるためにパルス幅変調器回路によって生成される駆動信号(161,261)のオン時間値とオフ時間値が、電源の出力部に結合された負荷のレベルの関数として同時に変化し、帰還信号の値の第2の範囲に対しサイクルをスキップすることなく電力スイッチのスイッチング周波数を変化させる請求項16に記載のスイッチ・レギュレータ。
【請求項22】
駆動信号のオフ時間値が、駆動信号のオン時間値および第1のオン時間値の関数として変化し、駆動信号の第1のオン時間値が、帰還信号の値の第1の範囲と第2の範囲の間の境界における駆動信号のオン時間に対応する請求項21に記載のスイッチング・レギュレータ。
【請求項23】
電源の出力部に結合される負荷のレベルが減少するにつれて、電力スイッチのスイッチング周波数が、帰還信号の値の第2の範囲に対して、サイクルをスキップすることなく減少する請求項16に記載のスイッチング・レギュレータ。
【請求項24】
電力スイッチを切り換えるためにパルス幅変調器回路によって生成される駆動信号のデューティ・サイクルの百分率値が、実質的にゼロ・パーセントに等しい場合、電力スイッチ
のスイッチング周波数が、サイクルをスキップすることなく最小周波数まで減少する請求項23に記載のスイッチング・レギュレータ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2012−217336(P2012−217336A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−180490(P2012−180490)
【出願日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【分割の表示】特願2010−93350(P2010−93350)の分割
【原出願日】平成13年2月15日(2001.2.15)
【出願人】(501315784)パワー・インテグレーションズ・インコーポレーテッド (125)
【Fターム(参考)】