スイッチ装置
【課題】簡単な構成で方向操作及び回転操作を行うことができるスイッチ装置を提供する。
【解決手段】スイッチ装置の制御回路は、Ams以内に回転操作条件が成立するか否かに基づいて方向操作か回転操作かを判定し、方向操作であると判定した場合は方向モードを設定し、回転操作であると判定した場合は回転モードを設定し、スイッチがオンする毎にモードに応じた信号を出力する。
【解決手段】スイッチ装置の制御回路は、Ams以内に回転操作条件が成立するか否かに基づいて方向操作か回転操作かを判定し、方向操作であると判定した場合は方向モードを設定し、回転操作であると判定した場合は回転モードを設定し、スイッチがオンする毎にモードに応じた信号を出力する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ノブに対する操作によりオンする複数のスイッチを備えたスイッチ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、車両のステアリングホイールの表面のカバー部分に、車載機器例えばオーディオ装置の操作に関する押しボタン式のスイッチ装置を設け、ステアリングホイールを握ったままオーディオ装置を操作することを可能とすることにより運転者の操作性の向上を図ることが行われている(特許文献1参照)。具体的には、例えば4個のノブを十字状に配置した十字ノブを有したスイッチ装置において、十字ノブに対する操作によりディスプレイに表示されている複数の曲の中から上下左右の方向操作を行うことにより希望する曲を選択して再生することができる。また、スイッチ装置の近傍にボリュームを調整するための回転ノブを設け、回転ノブに対する回転操作によりディスプレイに表示されている音量レベルを調整することができる。つまり、ディスプレイに表示されている2つの操作モードを実現するには十字ノブと回転ノブの2つが必要となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−142422号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ステアリングホイールに十字ノブと回転ノブの両方を設けるには、それらの小型化を図る必要があり、コストが高くなると共に操作性が悪化する。特に回転ノブは回転機構を必要とすることから、全体構成が複雑となる。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、簡単な構成で方向操作及び回転操作を行うことができるスイッチ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のスイッチ装置は、中心位置に対して同心円状に配置された3個以上のスイッチと、前記スイッチをオンするためのノブと、前記スイッチの何れかがオンしてから回転方向となる次のスイッチがオンした場合は回転操作条件が成立したと判定する回転操作判定手段と、前記回転操作判定手段が所定時間内に回転操作条件が成立したと判定した場合は、回転モードを設定して次の前記スイッチがオンする毎に回転方向を示す回転信号を出力し、前記回転操作判定手段が所定時間内に回転操作条件が成立しなかったと判定した場合は、方向モードを設定して次の前記スイッチがオンする毎に当該スイッチに対応した方向信号を出力する信号出力手段と、を備えたものである。
【発明の効果】
【0007】
このような発明によれば、使用者が回転モードを設定する場合は、ノブを回転方向に順に操作する回転操作を行う。すると、何れかのスイッチがオンしてから回転方向に位置する次のスイッチがオンするので、このようにスイッチが回転方向に所定時間内にオンすることを検出することにより回転操作を検出することができる。一方、使用者が方向モードを設定する場合は、ノブに対する押圧操作により何れかのスイッチをオンしてから所定時間以上経過したところで希望の操作方向に位置するスイッチをオンする。このような操作により方向モードを設定することができるので、以後において希望する方向のスイッチをオンすることにより操作方向を示す方向信号を出力することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の第1実施形態における全体構成を示すブロック図
【図2】ステアリングホイールの正面図
【図3】スイッチ装置の平面図
【図4】制御回路の動作を示すフローチャート
【図5】回転操作に応じたスイッチのオンオフ状態を示す図
【図6】ディスプレイに表示されている方向操作を示す図
【図7】ディスプレイに表示されている回転操作を示す図
【図8】本発明の第2実施形態を示す図4相当図
【図9】本発明の第3実施形態を示す図2相当図
【図10】本発明の第4実施形態におけるスイッチの電気回路図
【図11】第1接点のオン状態で示す図10相当図
【図12】第1及び第2接点のオン状態で示す図10相当図
【図13】低速スクロールの表示画面を示す図
【図14】高速スクロールの表示画面を示す図
【発明を実施するための形態】
【0009】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について、図1ないし図7を参照して説明する。
図2は、ステアリングホイールの正面図である。ステアリングホイール1は、外周に位置するリング部2と、このリング部2の内周の中央部に、複数(3箇所)のスポーク部3を介して設けられたセンタパッド部4とを備えている。運転席前部のステアリングコラムには図示しないステアリングシャフトが回転可能に支持されており、そのステアリングシャフトの先端部にステアリングホイール1が装着されている。
【0010】
ステアリングホイール1には、運転者がリング部2を手で握ったままで例えば親指で操作可能な位置、つまり、スポーク部3のうち図示左に位置する部分にスイッチ装置5が設けられている。以下、このスイッチ装置5について詳述する。
図1はスイッチ装置5の電気的構成を示すブロック図、図3はスイッチ装置5の正面図である。スイッチ装置5は、中心位置Aに対して同心円状に配置された第1〜第4スイッチ6a〜6dと、これらのスイッチ6a〜6dを押圧操作するための第1〜第4ノブ7a〜7dと、第1〜第4スイッチ6a〜6dからの信号を受ける制御回路8(回転操作判定手段、信号出力手段に相当)とから構成されている。第1〜第4ノブ7a〜7dには操作方向を示す矢印が示されており、図示上方向の矢印が示された第1ノブ7aに対応して第1スイッチ6aが設けられ、図示右方向の矢印が示された第2ノブ7bに対応して第2スイッチ6bが設けられ、図示下方向の矢印が示された第3ノブ7cに対応して第3スイッチ6cが設けられ、図示左方向の矢印が示された第4ノブ7dに対応して第4スイッチ6dが設けられている。そして、ステアリングホイール1においてスイッチ装置5の下方となる部位には決定ボタン9が設けられている。
【0011】
スイッチ装置5は図示しないステアリングロールコネクタを介してインストルメントパネルに設置されたオーディオ装置と接続されており、そのオーディオ装置に操作信号を出力することで選択した曲の再生が可能となっている。この場合、スイッチ装置5はステアリングホイール1を握った左手の親指で操作可能な位置に設けられていることから、運転者は、運転中においてスイッチ装置5を視認することなく操作可能となっている。
【0012】
車両のインストルメントパネルにはオーディオ装置のディスプレイ10(図6,7参照)が設置されており、オーディオ装置のハードディスク装置或いはオーディオ装置に接続された外部装置(DVD、CD、USBメモリなど)に記憶されている曲から所定数の曲を表示可能となっている。尚、ディスプレイ10に曲を表示したり、ディスプレイ10に表示する曲を変更したりするには、ディスプレイ10の周囲に設けられているキーに対する操作で行うようになっている。
【0013】
制御回路8は、第1〜第4スイッチ6a〜6dから受信するオン信号に基づいて後述するように方向モード又は回転モードを設定可能となっている。方向モードとは、第1〜第4ノブ7a〜7d(以下「十字ノブ7」という)の上下左右方向の何れかの部位を押圧することによりディスプレイ10に表示されている複数の曲から所望の曲を選択する方向を指示するためのモードである。回転モードとは、十字ノブ7を時計周り或いは反時計周りに順に押圧することにより音量レベルを調整するためのモードである。
【0014】
次に上記構成の作用について説明する。尚、スイッチ装置5は、電源投入(イグニッションスイッチのON)時は何れのモードにも設定されておらず、図8に示す判定前の状態に設定されているものとする。また、ディスプレイ10には複数の曲が表示されており、ディスプレイ10の中央に位置する曲が反転表示されて選択されているものとする。
運転者が、現在選択されている曲と異なる曲を選択する場合は、現在選択されている曲に対する希望の曲が位置する方向に基づいてステアリングホイール1に設けられたスイッチ装置5の十字ノブ7を押圧操作する。つまり、ディスプレイ10には図6に示すように現在選択されている曲に対して移動可能な方向を示す矢印Bが表示されているので、十字ノブ7において移動方向に位置するノブを押圧することにより希望する曲を選択する。具体的には、希望する曲が現在選択されている曲の斜め右上方向に位置している場合は、第1ノブ7aを押圧操作してから第2ノブ7bを押圧、或いは第2ノブ7bを押圧操作してから第1ノブ7aを押圧操作する。これにより、現在選択されている曲の斜め右上方向に表示されている曲を選択することができる。曲の選択を終了した場合は、スイッチ装置5の下方に設けられている決定ボタン9を押圧操作する。これにより、オーディオ装置が現在選択されている曲を再生し、車室内の図示しないスピーカから曲が出力される。
【0015】
さて、再生されている曲の音量レベルを調整する場合は、運転者は、十字ノブ7に対して回転操作する。つまり、音量レベルを高める場合は、十字ノブ7を時計周りで順に押圧操作し、音量を低下する場合は、十字ノブ7を反時計周りで順に押圧操作する。この場合、回転操作の起点となるノブは何れのノブであっても構わない。
スイッチ装置5の制御回路8は、図7に示すモード判定用のフローチャートを実行している。このフローチャートは、全てのスイッチ6a〜6dがオフしている状態を起点として開始する。運転者による回転操作により全てのスイッチ6a〜6dがオフした状態から何れかのスイッチ、例えば第1スイッチ6aがオンした場合は、Ams(例えば0.5秒)以内に回転操作が行われたかを次のように判定する。この判定中においては、何の信号もオーディオ装置に送信することはない。
【0016】
運転者が第1ノブ7aを起点としてスイッチ装置5を時計周りに押圧操作した場合、まず、第1スイッチ6aのみがオンしてから、押圧位置が第1ノブ7aと第2ノブ7bとが跨った位置となると、第1スイッチ6aに加えて第2スイッチ6bもオンし、押圧位置が第2ノブ7bとなると、第1スイッチ6aがオフし、第2スイッチ6bのみがオンする(このような順で2個のスイッチが順にオンオフとなる条件を「回転操作条件」という)。この回転操作条件がAms以内に成立した場合は(図5参照)、回転操作が行われたと判定し、回転モードを設定する。この場合、制御回路8は、回転が確定したことから、+信号を出力する。
オーディオ装置は、スイッチ装置5から+信号を受信したときは、図7に示すようにディスプレイ10にボリューム画面Cをポップアップ表示し、音量レベルを高めることを示す時計回りの矢印を表示すると共に音量レベルを1段階高める。
【0017】
上述のように回転モードを設定した状態で、運転者が回転操作を継続すると、スイッチがオンする毎に+信号が出力されるので、オーディオ装置は、+信号が入力する毎に音量レベルを段階的に高める。そして、運転者は、所望の音量レベルとなったところで回転操作を終了する。スイッチ装置5は、スイッチがオフしてから、次のスイッチがBms内にオンするかを監視しており、オンすることなくBms経過したときは判定前状態(全てのスイッチがオフ状態)となる。そして、オーディオ装置は、+信号が入力しなくなることから、ボリューム画面の表示を終了すると共にその時点の音量レベルを確定する。
一方、スイッチ装置5は、反時計周りとなるように十字ノブ7が回転操作された場合は、回転モードを設定し、スイッチがオンする毎に−信号を送信するので、オーディオ装置は、−信号を受信したときは、音量レベルを低下することを示す反時計周りの矢印をポップアップ表示すると共に−信号を受信する毎に音量レベルを低下する。
【0018】
このような回転モードから方向モードを設定するには、十字ノブ7の何れかに対する操作からAms以上経過したところで十字ノブ7に対する方向操作により希望する曲を選択する。これにより、スイッチ装置5の制御回路8は、図4に示すようにAms経過するまでに上述した回転操作条件が成立しないので、方向モードであると判定してから、方向を確定し、その確定した方向を送信する。これにより、十字ノブ7に対する上下左右方向への押圧操作により方向モードを設定して希望する曲を選択することができる。
【0019】
このような実施形態によれば、スイッチ装置5の制御回路8は、第1〜4スイッチ6a〜6dがオンオフする順番及びタイミングに基づいて方向操作か回転操作かを判定し、方向操作であると判定した場合は方向モードを設定し、回転操作であると判定した場合は回転モードを設定し、スイッチ6a〜6dがオンする毎にモードに応じた信号を出力するので、ディスプレイ10に表示されている2つの操作モードを実現するのに1つの十字ノブ7で実施可能となり、簡単な構成で方向操作及び回転操作を行うことができる。
しかも、このような効果はスイッチ装置5の制御回路8のソフト変更で実施できるので、回転ノブを設ける構成に比較して、コストが上昇することなく容易に実施することができる。
【0020】
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態について図8を参照して説明する。この第2実施形態は、モードの判定精度を高めたことに特徴を有する。第1実施形態では、何れかのスイッチがオンしてから回転方向に位置する次のスイッチが所定時間内にオンするか否かによりモードを決定していることから、操作が不確実の場合は、モードを誤って設定する虞がある。特に回転操作は方向操作に比較して操作が不確実となる虞があると考えられる。
【0021】
そこで、本実施形態では、最初のモード判定以後においてもモードを再判定するようにした。
図8に示すフローチャートにおいて、第1実施形態と同様に回転モードを設定した以後において、Ams経過するまでに回転操作条件が不成立の場合は、方向モードである可能性があるとして、モードを再判定し、Ams以内に回転操作条件が成立した場合は、回転モードを継続し、Ams経過するまで回転操作条件が不成立の場合は、方向モードを継続する。
一方、方向モードであると判定した場合に、Ams以内に回転操作条件が成立した場合は、回転モードである可能性があるとして、モードを再判定し、Ams経過するまで回転操作条件が不成立の場合は、方向モードを継続し、Ams以内に回転操作条件が成立した場合は、回転モードを設定する。
【0022】
このような実施形態によれば、モードを判定する初動作で運転者が意図したモードを設定することができなかった場合でも、Ams毎に回転操作条件が成立するか否かに基づいて回転モードか方向モードかを再設定するようにしたので、運転者が意図したモードを確実に設定することができる。
【0023】
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態について図9を参照して説明する。この第3実施形態は、回転モードの検出分解能を高めたことを特徴とする。
上記各実施形態の場合は、回転モードの検出分解能(判定角度)は90°であったが、各スイッチ6a〜6dの接点信号は回転方向に隣接するスイッチ(例えば第1スイッチ6aと第2スイッチ6b)の2個同時押しを含めると45°に判定角度を設定可能であることから、2個同時押しも回転操作条件に含めることにより判定角度を90°から45°に高めることができる。従って、本実施形態では、回転モードの判定角度を45°に高めるために、図9に示すように1つの円盤状のノブ7を設け、ノブ7に対する回転操作によりスイッチ6a〜6dが順にオンするように構成した。
【0024】
しかしながら、回転モードの判定角度を45°に単に変更してしまうと、使用者が方向操作を行おうとしてノブ11の斜め方向から回転操作開始した場合に、何れかの1個のスイッチがオンした直後に当該スイッチと回転方向となる次のスイッチが同時にオンする2個同時押しとなることが想定され、このような場合は、意図しない回転モードに移行してしまう可能性がある。
そこで、初回の回転モードの判定角度を90°に設定し、その後は45°毎に回転モードの判定を行うようにした。
【0025】
このような実施形態によれば、初回の回転モードの判定には90°の回転操作が必要となるが、その後は45°毎に回転モードの判定が可能となるため、使用者の操作負担を軽減することができる。
尚、ノブ11は必要に応じて設ければよく、第1実施形態と同様に各スイッチ6a〜6dに対応したノブを設けるようにしてもよい。
【0026】
(第4実施形態)
本発明の第4実施形態について図10ないし図14を参照して説明する。本実施形態は、スイッチとして押圧ストロークに応じて順にオンする第1接点及び第2接点を有した2段接点スイッチを採用したことを特徴とする。
上記各実施形態のように、スイッチが1段しかない接点スイッチの場合に、方向モードでディスプレイ10に表示されている選択項目を高速スクロール可能に構成しようとすると、低速スクロールから高速スクロールへの遷移は例えばスイッチの長押しを検出して判定する必要があり、長押し判定のための時間が必要となる。
【0027】
このような事情から、本実施形態では、第1〜第4スイッチ6a〜6dとして第1接点及び第2接点を有した2段接点スイッチを採用し、各接点6x,6yのオンに基づいて方向モードか回転モードかを判定するようにした。
【0028】
図10は2段接点スイッチの電気回路図である。2段接点スイッチは押圧ストロークに応じて順に接点がオンするもので、押圧ストロークが例えば0.7mmとなると図11に示すように1段目の第1接点6xがオンし、1.5mmとなると図12に示すように第1接点6xに加えて2段目の第2接点6yがオンするようになっている。また、第1接点6xがオンするストローク位置となると押圧操作に対して節度が付与され、その位置からさらに進んだストローク位置で第2接点6yがオンするようになっている。
【0029】
さて、ディスプレイ10に地図画面が表示されている状態では、使用者がノブ11を最初の節度を感じられる程度に押圧操作することで対応するスイッチ6a〜6dの第1接点6xがオンするので、図13に示すように低速スクロールであることを示す矢印12(図13では全ての方向の矢印を図示している)を表示して地図画面を低速スクロールする。使用者がノブ11を強く押圧操作することで対応するスイッチ6a〜6dの第2接点6yがオンした場合は、図14に示すように高速スクロールであることを示す矢印13(図14では全ての方向の矢印を図示している)を表示して地図画面を高速スクロールする。これにより、地図画面のスクロール操作を容易に行うことができる。
【0030】
スイッチ装置5の制御回路8は、第1実施形態と同様に、図4に示す判定ロジックを実行することにより回転操作による回転モードへの移行が可能となる。即ち、方向モードにおいて、使用者がノブ11を回転させながら押圧操作することよりAms以内に例えば第1スイッチ6aの第1接点6x及び第2接点6yが混在でオンした角度が90°以上となった場合は回転操作条件が成立したと判定して回転モードに移行し、この回転モードにおいて、Ams以内にスイッチ入力がない場合は、方向モードに移行する。この場合、各スイッチ6a〜6dの第1接点6x及び第2接点6yの何れがオンした場合であっても回転操作条件を判定していることから、使用者が回転操作時の押圧操作の強さを気にする必要ない。
【0031】
このような実施形態によれば、上記各実施形態と同様に、各スイッチ6a〜6dの第1接点6x及び第2接点6yの何れかがオンするか否かに基づいて方向モードか回転モードかの判定を可能としながら、方向モードにおいては長押しによる判定時間を必要とすることなく各スイッチ6a〜6dの第2接点6yのオンにより高速スクロールへの遷移が可能となり、操作性に優れている。
【0032】
(他の実施形態)
本発明は、上記実施形態に限定されることなく、次のように変形または拡張できる。
第1,第2、第4実施形態において、中心位置から全方向に対して揺動操作可能な1つのノブを設け、スイッチに対応した部位を押圧する方向操作に応じて希望する方向に位置するスイッチをオンすると共に、中心位置を中心とした所定の回転方向に沿って押圧操作する回転操作に応じて回転方向に沿って位置するスイッチを順にオンするように構成してもよい。
回転方向に隣接するスイッチが同時にオンする状態を経ることを回転操作条件としたが、この条件を省略するようにしてもよい。つまり、何れかのスイッチがオンしてから所定時間内に回転方向に位置する次のスイッチがオンすることを回転操作条件としてもよい。
スイッチの数は3個あれば回転方向を検出可能であることから、スイッチとしては3個以上設ければよい。
スイッチ装置をステアリングホイール以外に設けるようにしてもよい。
オーディオ装置に信号を出力するためのスイッチ装置以外に適用してもよい。
【符号の説明】
【0033】
図面中、5はスイッチ装置、6a〜6dはスイッチ、6xは第1接点、6yは第2接点、7a〜7dはノブ、8は制御回路(回転操作判定手段、信号出力手段)、11はノブである。
【技術分野】
【0001】
本発明は、ノブに対する操作によりオンする複数のスイッチを備えたスイッチ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、車両のステアリングホイールの表面のカバー部分に、車載機器例えばオーディオ装置の操作に関する押しボタン式のスイッチ装置を設け、ステアリングホイールを握ったままオーディオ装置を操作することを可能とすることにより運転者の操作性の向上を図ることが行われている(特許文献1参照)。具体的には、例えば4個のノブを十字状に配置した十字ノブを有したスイッチ装置において、十字ノブに対する操作によりディスプレイに表示されている複数の曲の中から上下左右の方向操作を行うことにより希望する曲を選択して再生することができる。また、スイッチ装置の近傍にボリュームを調整するための回転ノブを設け、回転ノブに対する回転操作によりディスプレイに表示されている音量レベルを調整することができる。つまり、ディスプレイに表示されている2つの操作モードを実現するには十字ノブと回転ノブの2つが必要となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−142422号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ステアリングホイールに十字ノブと回転ノブの両方を設けるには、それらの小型化を図る必要があり、コストが高くなると共に操作性が悪化する。特に回転ノブは回転機構を必要とすることから、全体構成が複雑となる。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、簡単な構成で方向操作及び回転操作を行うことができるスイッチ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のスイッチ装置は、中心位置に対して同心円状に配置された3個以上のスイッチと、前記スイッチをオンするためのノブと、前記スイッチの何れかがオンしてから回転方向となる次のスイッチがオンした場合は回転操作条件が成立したと判定する回転操作判定手段と、前記回転操作判定手段が所定時間内に回転操作条件が成立したと判定した場合は、回転モードを設定して次の前記スイッチがオンする毎に回転方向を示す回転信号を出力し、前記回転操作判定手段が所定時間内に回転操作条件が成立しなかったと判定した場合は、方向モードを設定して次の前記スイッチがオンする毎に当該スイッチに対応した方向信号を出力する信号出力手段と、を備えたものである。
【発明の効果】
【0007】
このような発明によれば、使用者が回転モードを設定する場合は、ノブを回転方向に順に操作する回転操作を行う。すると、何れかのスイッチがオンしてから回転方向に位置する次のスイッチがオンするので、このようにスイッチが回転方向に所定時間内にオンすることを検出することにより回転操作を検出することができる。一方、使用者が方向モードを設定する場合は、ノブに対する押圧操作により何れかのスイッチをオンしてから所定時間以上経過したところで希望の操作方向に位置するスイッチをオンする。このような操作により方向モードを設定することができるので、以後において希望する方向のスイッチをオンすることにより操作方向を示す方向信号を出力することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の第1実施形態における全体構成を示すブロック図
【図2】ステアリングホイールの正面図
【図3】スイッチ装置の平面図
【図4】制御回路の動作を示すフローチャート
【図5】回転操作に応じたスイッチのオンオフ状態を示す図
【図6】ディスプレイに表示されている方向操作を示す図
【図7】ディスプレイに表示されている回転操作を示す図
【図8】本発明の第2実施形態を示す図4相当図
【図9】本発明の第3実施形態を示す図2相当図
【図10】本発明の第4実施形態におけるスイッチの電気回路図
【図11】第1接点のオン状態で示す図10相当図
【図12】第1及び第2接点のオン状態で示す図10相当図
【図13】低速スクロールの表示画面を示す図
【図14】高速スクロールの表示画面を示す図
【発明を実施するための形態】
【0009】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について、図1ないし図7を参照して説明する。
図2は、ステアリングホイールの正面図である。ステアリングホイール1は、外周に位置するリング部2と、このリング部2の内周の中央部に、複数(3箇所)のスポーク部3を介して設けられたセンタパッド部4とを備えている。運転席前部のステアリングコラムには図示しないステアリングシャフトが回転可能に支持されており、そのステアリングシャフトの先端部にステアリングホイール1が装着されている。
【0010】
ステアリングホイール1には、運転者がリング部2を手で握ったままで例えば親指で操作可能な位置、つまり、スポーク部3のうち図示左に位置する部分にスイッチ装置5が設けられている。以下、このスイッチ装置5について詳述する。
図1はスイッチ装置5の電気的構成を示すブロック図、図3はスイッチ装置5の正面図である。スイッチ装置5は、中心位置Aに対して同心円状に配置された第1〜第4スイッチ6a〜6dと、これらのスイッチ6a〜6dを押圧操作するための第1〜第4ノブ7a〜7dと、第1〜第4スイッチ6a〜6dからの信号を受ける制御回路8(回転操作判定手段、信号出力手段に相当)とから構成されている。第1〜第4ノブ7a〜7dには操作方向を示す矢印が示されており、図示上方向の矢印が示された第1ノブ7aに対応して第1スイッチ6aが設けられ、図示右方向の矢印が示された第2ノブ7bに対応して第2スイッチ6bが設けられ、図示下方向の矢印が示された第3ノブ7cに対応して第3スイッチ6cが設けられ、図示左方向の矢印が示された第4ノブ7dに対応して第4スイッチ6dが設けられている。そして、ステアリングホイール1においてスイッチ装置5の下方となる部位には決定ボタン9が設けられている。
【0011】
スイッチ装置5は図示しないステアリングロールコネクタを介してインストルメントパネルに設置されたオーディオ装置と接続されており、そのオーディオ装置に操作信号を出力することで選択した曲の再生が可能となっている。この場合、スイッチ装置5はステアリングホイール1を握った左手の親指で操作可能な位置に設けられていることから、運転者は、運転中においてスイッチ装置5を視認することなく操作可能となっている。
【0012】
車両のインストルメントパネルにはオーディオ装置のディスプレイ10(図6,7参照)が設置されており、オーディオ装置のハードディスク装置或いはオーディオ装置に接続された外部装置(DVD、CD、USBメモリなど)に記憶されている曲から所定数の曲を表示可能となっている。尚、ディスプレイ10に曲を表示したり、ディスプレイ10に表示する曲を変更したりするには、ディスプレイ10の周囲に設けられているキーに対する操作で行うようになっている。
【0013】
制御回路8は、第1〜第4スイッチ6a〜6dから受信するオン信号に基づいて後述するように方向モード又は回転モードを設定可能となっている。方向モードとは、第1〜第4ノブ7a〜7d(以下「十字ノブ7」という)の上下左右方向の何れかの部位を押圧することによりディスプレイ10に表示されている複数の曲から所望の曲を選択する方向を指示するためのモードである。回転モードとは、十字ノブ7を時計周り或いは反時計周りに順に押圧することにより音量レベルを調整するためのモードである。
【0014】
次に上記構成の作用について説明する。尚、スイッチ装置5は、電源投入(イグニッションスイッチのON)時は何れのモードにも設定されておらず、図8に示す判定前の状態に設定されているものとする。また、ディスプレイ10には複数の曲が表示されており、ディスプレイ10の中央に位置する曲が反転表示されて選択されているものとする。
運転者が、現在選択されている曲と異なる曲を選択する場合は、現在選択されている曲に対する希望の曲が位置する方向に基づいてステアリングホイール1に設けられたスイッチ装置5の十字ノブ7を押圧操作する。つまり、ディスプレイ10には図6に示すように現在選択されている曲に対して移動可能な方向を示す矢印Bが表示されているので、十字ノブ7において移動方向に位置するノブを押圧することにより希望する曲を選択する。具体的には、希望する曲が現在選択されている曲の斜め右上方向に位置している場合は、第1ノブ7aを押圧操作してから第2ノブ7bを押圧、或いは第2ノブ7bを押圧操作してから第1ノブ7aを押圧操作する。これにより、現在選択されている曲の斜め右上方向に表示されている曲を選択することができる。曲の選択を終了した場合は、スイッチ装置5の下方に設けられている決定ボタン9を押圧操作する。これにより、オーディオ装置が現在選択されている曲を再生し、車室内の図示しないスピーカから曲が出力される。
【0015】
さて、再生されている曲の音量レベルを調整する場合は、運転者は、十字ノブ7に対して回転操作する。つまり、音量レベルを高める場合は、十字ノブ7を時計周りで順に押圧操作し、音量を低下する場合は、十字ノブ7を反時計周りで順に押圧操作する。この場合、回転操作の起点となるノブは何れのノブであっても構わない。
スイッチ装置5の制御回路8は、図7に示すモード判定用のフローチャートを実行している。このフローチャートは、全てのスイッチ6a〜6dがオフしている状態を起点として開始する。運転者による回転操作により全てのスイッチ6a〜6dがオフした状態から何れかのスイッチ、例えば第1スイッチ6aがオンした場合は、Ams(例えば0.5秒)以内に回転操作が行われたかを次のように判定する。この判定中においては、何の信号もオーディオ装置に送信することはない。
【0016】
運転者が第1ノブ7aを起点としてスイッチ装置5を時計周りに押圧操作した場合、まず、第1スイッチ6aのみがオンしてから、押圧位置が第1ノブ7aと第2ノブ7bとが跨った位置となると、第1スイッチ6aに加えて第2スイッチ6bもオンし、押圧位置が第2ノブ7bとなると、第1スイッチ6aがオフし、第2スイッチ6bのみがオンする(このような順で2個のスイッチが順にオンオフとなる条件を「回転操作条件」という)。この回転操作条件がAms以内に成立した場合は(図5参照)、回転操作が行われたと判定し、回転モードを設定する。この場合、制御回路8は、回転が確定したことから、+信号を出力する。
オーディオ装置は、スイッチ装置5から+信号を受信したときは、図7に示すようにディスプレイ10にボリューム画面Cをポップアップ表示し、音量レベルを高めることを示す時計回りの矢印を表示すると共に音量レベルを1段階高める。
【0017】
上述のように回転モードを設定した状態で、運転者が回転操作を継続すると、スイッチがオンする毎に+信号が出力されるので、オーディオ装置は、+信号が入力する毎に音量レベルを段階的に高める。そして、運転者は、所望の音量レベルとなったところで回転操作を終了する。スイッチ装置5は、スイッチがオフしてから、次のスイッチがBms内にオンするかを監視しており、オンすることなくBms経過したときは判定前状態(全てのスイッチがオフ状態)となる。そして、オーディオ装置は、+信号が入力しなくなることから、ボリューム画面の表示を終了すると共にその時点の音量レベルを確定する。
一方、スイッチ装置5は、反時計周りとなるように十字ノブ7が回転操作された場合は、回転モードを設定し、スイッチがオンする毎に−信号を送信するので、オーディオ装置は、−信号を受信したときは、音量レベルを低下することを示す反時計周りの矢印をポップアップ表示すると共に−信号を受信する毎に音量レベルを低下する。
【0018】
このような回転モードから方向モードを設定するには、十字ノブ7の何れかに対する操作からAms以上経過したところで十字ノブ7に対する方向操作により希望する曲を選択する。これにより、スイッチ装置5の制御回路8は、図4に示すようにAms経過するまでに上述した回転操作条件が成立しないので、方向モードであると判定してから、方向を確定し、その確定した方向を送信する。これにより、十字ノブ7に対する上下左右方向への押圧操作により方向モードを設定して希望する曲を選択することができる。
【0019】
このような実施形態によれば、スイッチ装置5の制御回路8は、第1〜4スイッチ6a〜6dがオンオフする順番及びタイミングに基づいて方向操作か回転操作かを判定し、方向操作であると判定した場合は方向モードを設定し、回転操作であると判定した場合は回転モードを設定し、スイッチ6a〜6dがオンする毎にモードに応じた信号を出力するので、ディスプレイ10に表示されている2つの操作モードを実現するのに1つの十字ノブ7で実施可能となり、簡単な構成で方向操作及び回転操作を行うことができる。
しかも、このような効果はスイッチ装置5の制御回路8のソフト変更で実施できるので、回転ノブを設ける構成に比較して、コストが上昇することなく容易に実施することができる。
【0020】
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態について図8を参照して説明する。この第2実施形態は、モードの判定精度を高めたことに特徴を有する。第1実施形態では、何れかのスイッチがオンしてから回転方向に位置する次のスイッチが所定時間内にオンするか否かによりモードを決定していることから、操作が不確実の場合は、モードを誤って設定する虞がある。特に回転操作は方向操作に比較して操作が不確実となる虞があると考えられる。
【0021】
そこで、本実施形態では、最初のモード判定以後においてもモードを再判定するようにした。
図8に示すフローチャートにおいて、第1実施形態と同様に回転モードを設定した以後において、Ams経過するまでに回転操作条件が不成立の場合は、方向モードである可能性があるとして、モードを再判定し、Ams以内に回転操作条件が成立した場合は、回転モードを継続し、Ams経過するまで回転操作条件が不成立の場合は、方向モードを継続する。
一方、方向モードであると判定した場合に、Ams以内に回転操作条件が成立した場合は、回転モードである可能性があるとして、モードを再判定し、Ams経過するまで回転操作条件が不成立の場合は、方向モードを継続し、Ams以内に回転操作条件が成立した場合は、回転モードを設定する。
【0022】
このような実施形態によれば、モードを判定する初動作で運転者が意図したモードを設定することができなかった場合でも、Ams毎に回転操作条件が成立するか否かに基づいて回転モードか方向モードかを再設定するようにしたので、運転者が意図したモードを確実に設定することができる。
【0023】
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態について図9を参照して説明する。この第3実施形態は、回転モードの検出分解能を高めたことを特徴とする。
上記各実施形態の場合は、回転モードの検出分解能(判定角度)は90°であったが、各スイッチ6a〜6dの接点信号は回転方向に隣接するスイッチ(例えば第1スイッチ6aと第2スイッチ6b)の2個同時押しを含めると45°に判定角度を設定可能であることから、2個同時押しも回転操作条件に含めることにより判定角度を90°から45°に高めることができる。従って、本実施形態では、回転モードの判定角度を45°に高めるために、図9に示すように1つの円盤状のノブ7を設け、ノブ7に対する回転操作によりスイッチ6a〜6dが順にオンするように構成した。
【0024】
しかしながら、回転モードの判定角度を45°に単に変更してしまうと、使用者が方向操作を行おうとしてノブ11の斜め方向から回転操作開始した場合に、何れかの1個のスイッチがオンした直後に当該スイッチと回転方向となる次のスイッチが同時にオンする2個同時押しとなることが想定され、このような場合は、意図しない回転モードに移行してしまう可能性がある。
そこで、初回の回転モードの判定角度を90°に設定し、その後は45°毎に回転モードの判定を行うようにした。
【0025】
このような実施形態によれば、初回の回転モードの判定には90°の回転操作が必要となるが、その後は45°毎に回転モードの判定が可能となるため、使用者の操作負担を軽減することができる。
尚、ノブ11は必要に応じて設ければよく、第1実施形態と同様に各スイッチ6a〜6dに対応したノブを設けるようにしてもよい。
【0026】
(第4実施形態)
本発明の第4実施形態について図10ないし図14を参照して説明する。本実施形態は、スイッチとして押圧ストロークに応じて順にオンする第1接点及び第2接点を有した2段接点スイッチを採用したことを特徴とする。
上記各実施形態のように、スイッチが1段しかない接点スイッチの場合に、方向モードでディスプレイ10に表示されている選択項目を高速スクロール可能に構成しようとすると、低速スクロールから高速スクロールへの遷移は例えばスイッチの長押しを検出して判定する必要があり、長押し判定のための時間が必要となる。
【0027】
このような事情から、本実施形態では、第1〜第4スイッチ6a〜6dとして第1接点及び第2接点を有した2段接点スイッチを採用し、各接点6x,6yのオンに基づいて方向モードか回転モードかを判定するようにした。
【0028】
図10は2段接点スイッチの電気回路図である。2段接点スイッチは押圧ストロークに応じて順に接点がオンするもので、押圧ストロークが例えば0.7mmとなると図11に示すように1段目の第1接点6xがオンし、1.5mmとなると図12に示すように第1接点6xに加えて2段目の第2接点6yがオンするようになっている。また、第1接点6xがオンするストローク位置となると押圧操作に対して節度が付与され、その位置からさらに進んだストローク位置で第2接点6yがオンするようになっている。
【0029】
さて、ディスプレイ10に地図画面が表示されている状態では、使用者がノブ11を最初の節度を感じられる程度に押圧操作することで対応するスイッチ6a〜6dの第1接点6xがオンするので、図13に示すように低速スクロールであることを示す矢印12(図13では全ての方向の矢印を図示している)を表示して地図画面を低速スクロールする。使用者がノブ11を強く押圧操作することで対応するスイッチ6a〜6dの第2接点6yがオンした場合は、図14に示すように高速スクロールであることを示す矢印13(図14では全ての方向の矢印を図示している)を表示して地図画面を高速スクロールする。これにより、地図画面のスクロール操作を容易に行うことができる。
【0030】
スイッチ装置5の制御回路8は、第1実施形態と同様に、図4に示す判定ロジックを実行することにより回転操作による回転モードへの移行が可能となる。即ち、方向モードにおいて、使用者がノブ11を回転させながら押圧操作することよりAms以内に例えば第1スイッチ6aの第1接点6x及び第2接点6yが混在でオンした角度が90°以上となった場合は回転操作条件が成立したと判定して回転モードに移行し、この回転モードにおいて、Ams以内にスイッチ入力がない場合は、方向モードに移行する。この場合、各スイッチ6a〜6dの第1接点6x及び第2接点6yの何れがオンした場合であっても回転操作条件を判定していることから、使用者が回転操作時の押圧操作の強さを気にする必要ない。
【0031】
このような実施形態によれば、上記各実施形態と同様に、各スイッチ6a〜6dの第1接点6x及び第2接点6yの何れかがオンするか否かに基づいて方向モードか回転モードかの判定を可能としながら、方向モードにおいては長押しによる判定時間を必要とすることなく各スイッチ6a〜6dの第2接点6yのオンにより高速スクロールへの遷移が可能となり、操作性に優れている。
【0032】
(他の実施形態)
本発明は、上記実施形態に限定されることなく、次のように変形または拡張できる。
第1,第2、第4実施形態において、中心位置から全方向に対して揺動操作可能な1つのノブを設け、スイッチに対応した部位を押圧する方向操作に応じて希望する方向に位置するスイッチをオンすると共に、中心位置を中心とした所定の回転方向に沿って押圧操作する回転操作に応じて回転方向に沿って位置するスイッチを順にオンするように構成してもよい。
回転方向に隣接するスイッチが同時にオンする状態を経ることを回転操作条件としたが、この条件を省略するようにしてもよい。つまり、何れかのスイッチがオンしてから所定時間内に回転方向に位置する次のスイッチがオンすることを回転操作条件としてもよい。
スイッチの数は3個あれば回転方向を検出可能であることから、スイッチとしては3個以上設ければよい。
スイッチ装置をステアリングホイール以外に設けるようにしてもよい。
オーディオ装置に信号を出力するためのスイッチ装置以外に適用してもよい。
【符号の説明】
【0033】
図面中、5はスイッチ装置、6a〜6dはスイッチ、6xは第1接点、6yは第2接点、7a〜7dはノブ、8は制御回路(回転操作判定手段、信号出力手段)、11はノブである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中心位置に対して同心円状に配置された3個以上のスイッチと、
前記スイッチをオンするためのノブと、
前記スイッチの何れかがオンしてから回転方向となる次のスイッチがオンした場合は回転操作条件が成立したと判定する回転操作判定手段と、
前記回転操作判定手段が所定時間内に回転操作条件が成立したと判定した場合は、回転モードを設定して次の前記スイッチがオンする毎に回転方向を示す回転信号を出力し、前記回転操作判定手段が所定時間内に回転操作条件が成立しなかったと判定した場合は、方向モードを設定して次の前記スイッチがオンする毎に当該スイッチに対応した方向信号を出力する信号出力手段と、
を備えたことを特徴とするスイッチ装置。
【請求項2】
前記回転操作判定手段は、前記スイッチの何れかがオンしてから回転方向に位置する次のスイッチがオンした場合は、それらの2つのスイッチが同時にオンする状態を経ていることを条件として前記回転操作条件が成立したと判定することを特徴とする請求項1記載のスイッチ装置。
【請求項3】
前記回転操作判定手段は、方向モードであると判定した以降において所定時間内に前記回転操作条件が成立した場合は回転モードを設定し、回転モードであると判定した以降において所定時間内に前記回転操作条件が成立しなかった場合は方向モードを設定することを特徴とする請求項1または2記載のスイッチ装置。
【請求項4】
前記回転操作判定手段は、前記スイッチの何れかがオンしてから回転方向となる次のスイッチがオンしたことにより回転操作条件が成立したと判定した以後においては、回転方向に隣接して位置する2つスイッチが同時にオンした場合も回転操作条件の判定要素に含めることを特徴とする請求項1ないし3の何れかに記載のスイッチ装置。
【請求項5】
前記スイッチは、押圧ストロークに応じて順にオンする第1接点及び第2接点を有した2段接点スイッチであり、
前記回転操作判定手段は、前記方向モードであると判定した以後において前記第1接点及び前記第2接点の何れかがオンした場合は前記スイッチがオンしたと判定し、
前記出力手段は、前記回転操作判定手段が前記方向モードであると判定した以後において前記第1接点及び前記第2接点がオンする毎に当該接点に対応した方向信号を出力することを特徴とする請求項1ないし4の何れかに記載のスイッチ装置。
【請求項6】
前記ノブは前記スイッチに対応して複数設けられていることを特徴とする請求項1ないし5の何れかに記載のスイッチ装置。
【請求項7】
前記ノブは、前記中心位置から全方向に対して揺動操作可能に設けられ、前記スイッチに対応した部位を押圧する押圧操作に応じて対応する前記スイッチをオンすると共に、前記中心位置を中心とした所定の回転方向に沿って押圧操作する回転操作に応じて回転方向に沿って位置するスイッチを順にオンするように設けられていることを特徴とする請求項1ないし6の何れかに記載のスイッチ装置。
【請求項1】
中心位置に対して同心円状に配置された3個以上のスイッチと、
前記スイッチをオンするためのノブと、
前記スイッチの何れかがオンしてから回転方向となる次のスイッチがオンした場合は回転操作条件が成立したと判定する回転操作判定手段と、
前記回転操作判定手段が所定時間内に回転操作条件が成立したと判定した場合は、回転モードを設定して次の前記スイッチがオンする毎に回転方向を示す回転信号を出力し、前記回転操作判定手段が所定時間内に回転操作条件が成立しなかったと判定した場合は、方向モードを設定して次の前記スイッチがオンする毎に当該スイッチに対応した方向信号を出力する信号出力手段と、
を備えたことを特徴とするスイッチ装置。
【請求項2】
前記回転操作判定手段は、前記スイッチの何れかがオンしてから回転方向に位置する次のスイッチがオンした場合は、それらの2つのスイッチが同時にオンする状態を経ていることを条件として前記回転操作条件が成立したと判定することを特徴とする請求項1記載のスイッチ装置。
【請求項3】
前記回転操作判定手段は、方向モードであると判定した以降において所定時間内に前記回転操作条件が成立した場合は回転モードを設定し、回転モードであると判定した以降において所定時間内に前記回転操作条件が成立しなかった場合は方向モードを設定することを特徴とする請求項1または2記載のスイッチ装置。
【請求項4】
前記回転操作判定手段は、前記スイッチの何れかがオンしてから回転方向となる次のスイッチがオンしたことにより回転操作条件が成立したと判定した以後においては、回転方向に隣接して位置する2つスイッチが同時にオンした場合も回転操作条件の判定要素に含めることを特徴とする請求項1ないし3の何れかに記載のスイッチ装置。
【請求項5】
前記スイッチは、押圧ストロークに応じて順にオンする第1接点及び第2接点を有した2段接点スイッチであり、
前記回転操作判定手段は、前記方向モードであると判定した以後において前記第1接点及び前記第2接点の何れかがオンした場合は前記スイッチがオンしたと判定し、
前記出力手段は、前記回転操作判定手段が前記方向モードであると判定した以後において前記第1接点及び前記第2接点がオンする毎に当該接点に対応した方向信号を出力することを特徴とする請求項1ないし4の何れかに記載のスイッチ装置。
【請求項6】
前記ノブは前記スイッチに対応して複数設けられていることを特徴とする請求項1ないし5の何れかに記載のスイッチ装置。
【請求項7】
前記ノブは、前記中心位置から全方向に対して揺動操作可能に設けられ、前記スイッチに対応した部位を押圧する押圧操作に応じて対応する前記スイッチをオンすると共に、前記中心位置を中心とした所定の回転方向に沿って押圧操作する回転操作に応じて回転方向に沿って位置するスイッチを順にオンするように設けられていることを特徴とする請求項1ないし6の何れかに記載のスイッチ装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2012−43399(P2012−43399A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−284474(P2010−284474)
【出願日】平成22年12月21日(2010.12.21)
【出願人】(000003551)株式会社東海理化電機製作所 (3,198)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年12月21日(2010.12.21)
【出願人】(000003551)株式会社東海理化電機製作所 (3,198)
【Fターム(参考)】
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