説明

スイッチ

【課題】薄型で部品点数,組立工数が少ないスイッチを提供する。
【解決手段】上面に平面円形凹所11を形成し、かつ、前記平面円形凹所11の内面に中央固定接点15の両側に、第1,第2切り替え用固定接点16a,16bと、第3,第4切り替え用固定接点17a,17bを配置したベース10と、基準形態部23を反復して形成した蛇腹形状を有し、かつ、前記ベース10の平面円形凹所11に環状に配置されるバネ体20と、前記ベース10の平面円形凹所11内に回動可能に嵌合される回動部31を有し、かつ、前記回動部31の内向面に操作用突部34を突設した操作体30と、で構成されている。そして、前記操作体30を回動することにより、前記操作用突部34で前記バネ体20の端部21,22を押圧して圧縮させることにより、接点を切り替えることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はスイッチ、特に、部品点数が少なく、薄型のスイッチに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スイッチとしては、例えば、円環状の回転軸体と該回転軸体の外周面より突出させた操作体とからなる回転ハンドル体と、装置本体と、可動接触ばねと、1対の固定接点部と、略環状のばね体とを備え、
前記装置本体には前記固定接点部に夫々電気的に接続されている第1、第2のスイッチ端子と、前記可動接触ばねが電気的に接続される共通端子とを備えていることを特徴とするスイッチ装置がある(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−362979号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記スイッチ装置では、略環状のばね体としてコイルバネを使用することが開示されているにすぎず、薄型化に限界がある。また、略環状のばね体のみならず、可動接触ばねを必要とするので、部品点数,組立工数が多いという問題点がある。
本発明は、前記問題点に鑑み、薄型で部品点数,組立工数が少ないスイッチを提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係るスイッチは、前記課題を解決すべく、上面に平面円形凹所を形成し、かつ、前記平面円形凹所の内面に固定接点を配置したベースと、基準形態部を反復して形成した蛇腹形状を有し、かつ、前記ベースの平面円形凹所に環状に配置されるバネ体と、前記ベースの平面円形凹所内に回動可能に嵌合される回動部を有し、かつ、前記回動部の内向面に操作用突部を突設した操作体と、からなり、前記操作体を回動することにより、前記操作用突部で前記バネ体の端部を押圧して圧縮させることにより、接点を切り替える構成としてある。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、蛇腹形状のバネ体を環状に配置し、これを圧縮させて接点を切り替えるので、コイルバネを使用する必要がなくなり、薄型のスイッチが得られる。
また、前記バネ体がバネ機能と可動接点機能とを有しているので、別体の可動接点を設ける必要がなく、部品点数,組立工数の少ないスイッチが得られる。
【0007】
本発明の実施形態としては、固定接点を平面円形凹所の内側面に配置してもよく、および/または、固定接点を平面円形凹所の底面に配置してもよい。
本実施形態によれば、必要に応じて固定接点の配置を変更でき、設計の自由度が大きいスイッチが得られる。
【0008】
本発明の他の実施形態としては、ベースの内面のうち、バネ体の一端側の伸縮時に前記バネ体と接触可能な位置に第1切り替え用固定接点および第2切り替え用固定接点を並設する一方、前記バネ体の他端側の伸縮時に前記バネ体と接触可能な位置に第3切り替え用固定接点および第4切り替え用固定接点を並設し、前記第1切り替え用固定接点および第3切り替え用固定接点を交互に共通固定接点としてもよい。
また、ベースの内面のうち、バネ体の一端側の伸縮時に前記バネ体と接触可能な位置に第1切り替え用固定接点および中央固定接点を設けるとともに、前記バネ体の他端側の伸縮時に前記バネ体と接触可能な位置に第2切り替え用固定接点および前記中央固定接点を設け、前記第1切り替え用固定接点および第2切り替え用固定接点を交互に共通固定接点としてもよい。
なお、切り替え用固定接点に接触するのは、バネ体の一端部および他端部に限らず、前記バネ体から延在した弾性腕部の先端に位置する可動接点部であってもよいことは勿論である。
本実施形態によれば、操作体の回動方向により、第1,第2切り替え用固定接点が交互に共通固定接点となるので、簡単な構造で薄型の切り替えスイッチが得られる。
【0009】
本発明の別の実施形態としては、バネ体の隣り合う基準形態部のうち、内側に位置する頂部の高さ寸法が異なっていてもよい。
本実施形態によれば、隣り合う基準形態部の高さ寸法が異なるので、回動する操作体で前記バネ体を圧縮しても、隣り合う基準形態部の頂部同士が相互に衝突することがなく、円滑な操作が可能になり、操作感触の良いスイッチが得られる。
【0010】
本発明の他の実施形態としては、バネ体の隣り合う基準形態部のうち、少なくとも内側に位置する頂部を直線形状に形成してもよい。
本実施形態によれば、直線形状を含む基準形態部の反復によって形成することにより、設計の自由度がより一層大きいスイッチが得られる。
【0011】
本発明の異なる実施形態としては、バネ体の基準形態部のうち、少なくとも1つの外側の頂部から延在した弾性腕部の先端部を、可動接点としてもよい。
本実施形態によれば、操作体の操作によってバネ体が外側に展開するように弾性変形しても、その弾性変形を前記弾性腕部が吸収して位置規制するので、所望の接点圧を確保しつつ、スムーズな操作感触が得られる。
【0012】
本発明の新たな実施形態としては、操作体の回動部の外周縁部から側方に、前記ベースから突出する操作レバーを延在してもよい。
本実施形態によれば、自己復帰する操作レバーを介して接点を切り替えるスイッチが得られる。
【0013】
本発明の別の実施形態としては、操作体の回動部の外向面のうち、その中央部に操作用軸部を突設しておいてもよい。
本実施形態によれば、例えば、前記操作用軸部をダイヤル等で回動させることにより、手動で接点を開閉できるスイッチが得られる。
【0014】
操作体の回動部の外向面のうち、その中央部に操作用凹部を設けてもよい。
本実施形態よれば、前記操作用凹部として、例えば、一条溝を設けることによってマイナスドライバーで接点を開閉でき、また、平面6角形の凹部や貫通孔を設けることによって六角レンチや六角形の棒体で接点を開閉できるスイッチを得られるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1Aおよび図1Bは本発明に係るスイッチの第1実施形態の斜視図および斜視透視図である。
【図2】図2Aおよび図2Bは図1Aで図示したスイッチの分解斜視図および異なる角度から視た斜視図である。
【図3】図3Aはカバーおよび操作レバーを外した状態を示す平面図、図3B,図3Cは動作前後を示す平面透視図である。
【図4】図4Aは本発明に係るスイッチの第2実施形態を示す平面図、図4Bは図4AのB−B線断面図、図4Cは図4Aの平面透視図である。
【図5】図5Aは図4Aで示したスイッチの斜視図、図5Bは異なる角度から視た斜視図である。
【図6】図6Aおよび図6Bは本発明に係るスイッチの第3実施形態の斜視図および斜視透視図である。
【図7】図7Aおよび図7Bは図6Aで図示したスイッチの分解斜視図および異なる角度から視た斜視図である。
【図8】図8Aはカバーおよび操作レバーを外した状態を示す平面図、図8B,図8Cは動作前後を示す平面透視図である。
【図9】図9Aは本発明に係るスイッチの第4実施形態を示し、カバーおよび操作レバーを外した状態を示す平面図であり、図9Bおよび図9Cは図9Aで示したバネ体の平面図およびは斜視図である。
【図10】図10Aおよび図10Bは本発明に係るスイッチの第5実施形態に使用されるバネ体の斜視図および平面図である。
【図11】図11Aおよび図11Bは本発明に係るスイッチの第6実施形態に係る斜視図および分解斜視図である。
【図12】図12Aおよび図12Bは本発明に係るスイッチの第7実施形態に係る斜視図および分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明に係るスイッチの実施形態を図1ないし図12の添付図面に従って説明する。
第1実施形態に係るスイッチは、図1ないし図3に示すように、ベース10と、バネ体20と、操作体30と、カバー40とで構成されている。
【0017】
前記ベース10は、図2に示すように、その上面に設けた平面円形凹所11の中央に軸孔12を設けてあるとともに、前記軸孔12の近傍に位置決め用突部13を突設してある。また、前記ベース10の一方側には、後述する操作体30をガイドするために前記平面円形収納凹所11に沿って操作用段部14を形成してある。さらに、前記平面円形収納凹所11は、その内側面にインサート成形した中央固定接点15の両側に、第1,第2切り替え用固定接点16a,16bと、第3,第4切り替え用固定接点17a,17bをそれぞれインサート成形してある。
【0018】
前記バネ体20は、一定の基準形態部23を反復させた蛇腹形状であり、その両端部21,22は対称形状となっているとともに、前記両端部21,22に連続する基準形態部23は高さ寸法が異なる波形形状を交互に反復している。また、前記基準形態部23の外向側面のうち、その頂部に断面半円形の摺動突起24を適宜、側方に突設してある。前記摺動突起24は前記ベース10に対する摩擦抵抗を小さくするとともに、電気的接点を確保するために設けられている。さらに、前記バネ体20は、その断面のアスペクト比が1以上、好ましくは2以上であり、プレス加工で形成してもよく、電気鋳造で形成してもよい。なお、ここでアスペクト比とは、バネ体20の厚さ寸法と基準形態部23の幅寸法との比をいう。
そして、前記バネ体20を前記ベース10の平面円形凹所11内に収納することにより、前記摺動突起24が平面円形凹所11の内側面に線接触するとともに、その一端部21および他端部22は位置決め用突部13に両側から圧接する。
【0019】
前記操作体30は、前記ベース10の平面円形凹所11内に嵌合可能な回動部31を有するとともに、前記回動部31から操作レバー32を側方に延在してある。また、前記回動部31は、その下面中央部に軸部33を突設するとともに、前記軸部33の近傍に操作用突部34を突設してある。
そして、前記操作体30の軸部33を前記ベース10の軸孔12に嵌合することにより、操作レバー32が前記ベース10の操作用段部14に沿って摺動可能となるとともに、前記操作用突部34の両側が前記バネ体20の一端部21および他端部22から付勢される。
【0020】
前記カバー40は、前記ベース10を被覆可能な平面形状を有している。そして、前記ベース10のカシメ用突起18にカシメ孔41を嵌合し、前記カシメ用突起18を溶融させることにより、接合一体化され、前記バネ体20および前記操作体30の脱落を防止する。
【0021】
次に、前述の構成からなるスイッチの動作について説明する。本実施形態に係るスイッチの用途としては、例えば、DVDカメラのズーム機構においてズーム速度を通常速度から高速に切り替える場合が考えられる。
まず、図3Bに示すように、操作体30の操作レバー32が操作されていない場合には、一端部21側近傍の摺動突起24が第1切り替え用固定接点16aに圧接している一方、他端部22側近傍の摺動突起24は第3切り替え用固定接点17aに圧接している。しかし、中央固定接点15の近傍に位置する摺動突起24は前記中央固定接点15に接触していない。
【0022】
そして、図3Cに示すように、操作体30の操作レバー32を操作用段部14に沿って反時計回りに回動させると、操作用突部34がバネ体20の一端部21を押圧し、前記バネ体20を圧縮させる。このため、前記一端部21近傍の摺動突起24が第1切り替え用固定接点16aから第2切り替え用固定接点16bに切り替わる。このとき、前記バネ体20の他端部22近傍の摺動突起24は第3切り替え用固定接点17aに接触したままの状態である。このため、バネ体20を介して第2切り替え用固定接点16bおよび第3切り替え用固定接点17aが導通する。このとき、DVDカメラのレンズは通常速度でズームする。
【0023】
さらに、前記操作体30を回動させると、第3切り替え用固定接点17aは第2切り替え用固定接点16bに導通したままの状態で、バネ体20の中央に位置する摺動突起24が中央固定接点15に接触し、導通する。このため、DVDカメラのレンズは通常速度よりも速い高速でズームする。したがって、第3切り替え用固定接点17aが共通固定接点として機能することになる。
【0024】
そして、前記操作体30の操作力を解除すると、バネ体20のバネ力で操作体30が元の状態に自己復帰する。これにより、DVDカメラのレンズも元に状態に復帰する。
また、前記操作体30を時計回り方向に回動させた場合も同様に接点が切り替わる。したがって、第1切り替え用固定接点16aおよび第3切り替え用固定接点17aが交互に共通固定接点として機能する。
【0025】
本実施形態によれば、バネ体20の基準形態部23のうち、反復する波形形状の内側の頂部に交互に凹凸がある。これは、前記操作体30でバネ体20を操作した場合に、隣り合う頂部が衝突しないようにするためである。この結果、本実施形態によれば、バネ体20が圧縮されても、円滑な操作感触を有するスイッチが得られるという利点がある。
【0026】
第2実施形態に係るスイッチは、図4および図5に示すように、第1実施形態と同様、ベース10と、バネ体20と、操作体30と、カバー40とで構成されている。
【0027】
特に、前記ベース10は、図5に示すように、第1実施形態と同様であり、異なる点は平面円形凹所11の底面隅部に中央固定接点15を設けるとともに、前記中央固定接点15の両側の底面に第1切り替え用固定接点16aおよび第2切り替え用固定接点16aを設けた点である。
【0028】
前記バネ体20も、第1実施形態と同様であり、異なる点は摺動突起24を側方に突出させるとともに、下方にも突出させた点である。側方に突出させたのは、摺動する場合に生じる摩擦抵抗を小さくするためである。また、下方に突出させたのは、中央固定接点15,第1切り替え用固定接点16aおよび第2切り替え用固定接点16bに確実に接触する可動接点を得るためである。
他は前述の第1実施形態と同様であるので、同一部分に同一番号を附して説明を省略する。
【0029】
本実施形態によれば、固定接点の配置を平面円形凹所11の底面に配置できるので、端子設計の自由度が広がり、インサート成形や金型の最適設計が容易になる。特に、ベースの底面に端子をインサート成形するので、機械的強度が増大するという利点がある。
【0030】
第3実施形態に係るスイッチは、図6ないし図8に示すように、第1実施形態と同様、ベース10と、バネ体20と、操作体30と、カバー40とで構成されている。
【0031】
前記ベース10は、図7に示すように、第1実施形態とほぼ同様であり、異なる点は、ベース10の平面円形凹所11の内側面に、第1,第2切り替え用固定接点16a,16bと、第3,第4切り替え用固定接点17a,17bとを左右対称にインサート成形した点である。
【0032】
また、前記バネ体20は、第1実施形態と同様、一定の基準形態部23を反復した蛇腹形状であり、その両端部21,22は前記位置決め用突部13に係止する爪部を備え、かつ、対称形状となっている。また、前記両端部21,22に連続する基準形態部23は同一高さの波形形状を交互に反復している。さらに、前記基準形態部23の外側側面のうち、前記一端部21におよび前記他端部22の近傍に位置する頂部に、円弧状の弾性腕部25,26を側方にそれぞれ延在し、その先端部を可動接点部25a,26aとしてある。
このため、図8Aに示すように、前記バネ体20を前記ベース10の平面円形凹所11内に嵌合することにより、前記弾性腕部25,26の可動接点25a,26aが、第1,第2切り替え用固定接点16a,16bと、第3,第4切り替え用固定接点17a,17bと、にそれぞれ接触可能となる。
なお、前記基準形態部23は、操作前であれば、前記平面円形凹所11の内側面に接触しておらず、操作体30が回動するにつれて前記平面円形凹所11の内側面に接近し、接触する構成としてもよい。
また、前記弾性腕部は1本でもよく、3本以上であってもよいことは勿論である。
他は前述の第1実施形態と同様であるので、同一部分に同一番号を附して説明を省略する。
【0033】
次に、前述の構成からなるスイッチの動作について説明する。
まず、図8Bに示すように、操作体30の操作レバー32が操作されていない場合には、可動接点25aが第1切り替え用固定接点16aに圧接している一方、可動接点26aが第3切り替え用固定接点17aに圧接している。
【0034】
そして、図8Cに示すように、操作体30の操作レバー32を操作用段部14に沿って反時計回りに回動させると、操作用突部34がバネ体20の一端部21を押圧し、前記バネ体20を圧縮する。このため、前記可動接点25aが第1切り替え用固定接点16aから第2切り替え用固定接点16bに切り替わる。このとき、前記バネ体20の可動接点26aは第3切り替え用固定接点17aに接触したままの状態である。この結果、前記バネ体20を介して第2切り替え用固定接点16aおよび第3切り替え用固定接点17aが導通する。さらに、前記操作体30の操作力を解除すると、バネ体20のバネ力で元の状態に自己復帰する。
また、前記操作体30を時計回り方向に回動させた場合も同様に接点が切り替わる。
【0035】
本実施形態によれば、バネ体20に弾性腕部25,26を設けてあるので、操作体30の操作によってバネ体20が展開するように弾性変形しても、その弾性変形を前記弾性腕部25,26が弾性変形して位置規制する。このため、本実施形態によれば、所望の接点圧を確保しつつ、スムーズな操作感触が得られるという利点がある。
【0036】
第4実施形態に係るスイッチは、図9に示すように、前述の実施形態と同様であり、異なる点は、バネ体20の基準形態部23のうち、内側の頂部を直線形状とした点である。
また、本実施形態よれば、内側の頂部を直線形状としてあるので、単純な形状となり、設計しやすいとともに、設計の自由度が広がる。
さらに、第1,第3切り替え用固定接点16a,17aが共通固定接点として機能するという利点がある。
他は前述の第1実施形態と同様であるので、同一部分には同一番号を附して説明を省略する。
【0037】
第5実施形態に係るスイッチは、図10に示すように、前述の第1実施形態と同様であり、異なる点は、バネ体20の形状である。
すなわち、前記バネ体20の基準形態部23は直線を基調するパターンを反復させて蛇腹形状とするとともに、その一端部21およびその他端部22近傍の頂部から円弧状の弾性腕部25,26を延在した点である。
他は前述の第1実施形態と同様であるので、同一部分には同一番号を附して説明を省略する。
【0038】
本実施形態よれば、設計の自由度が広がるという利点がある。
【0039】
第6実施形態に係るスイッチは、図11に示すように、前述の第1実施形態とほぼ同様であり、異なる点は操作体30の回動部31の外向面のうち、その中央部に前記カバー40の操作孔42から突出する操作用軸部35を突設した点である。前記操作軸部3の先端面には、図示しないマイナスドライバーで操作できる一条溝36を設けてある。
他は前述の第1実施形態とほぼ同様であるので、同一部分には同一番号を附して説明を省略する。
【0040】
本実施形態によれば、操作体の操作方法の選択範囲が広がり、用途が広がるという利点がある。
【0041】
第7実施形態に係るスイッチは、図12に示すように、前述の第1実施形態とほぼ同様であり、異なる点は操作体30の回動部31の外向面のうち、その中央部に前記カバー40の操作孔42から操作可能な平面六角凹部37を設けた点である。前記平面六角凹部37に図示しない六角レンチを挿入して操作できる。なお、平面六角凹部37は単なる窪み形状のものに限らず、貫通孔をも含むものである。
他は前述の第1実施形態とほぼ同様であるので、同一部分には同一番号を附して説明を省略する。
【0042】
本実施形態によれば、操作体の操作方法の選択範囲が広がり、用途が広がるという利点がある。
【0043】
なお、本願発明に係るバネ体20の基準形態部23の蛇腹形状とは、同一パターンを反復して繰り替えして形成した形状を意味し、単なる波形形状だけを反復して構成した形状だけを意味するものでない。
また、ベース10に組み込む前の自由状態においてバネ体は直線形状であってもよく、ベースに組み込む前の自由状態においてバネ体は円弧形状を有していてもよい。
さらに、固定接点は平面円形凹所の内側面および/または底面に適宜配置してもよいことは勿論である。
そして、前記基準形態部は前述の実施形態のように単なる略U字形状である必要はなく、必要に応じて種々の形状を選択できることは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本願発明に係るスイッチは前述の形状に限らず、他の蛇腹形状のバネ体を備えたスイッチであってもよいことは勿論である。
【符号の説明】
【0045】
10:ベース
11:平面円形凹所
12:軸孔
13:位置決め用突部
14:操作用段部
15:中央固定接点
16a,16b:第1,第2切り替え用固定接点
17a,17b:第3,第4切り替え用固定接点
18:カシメ用突起
20:バネ体
21:一端部
22:他端部
23:基準形態部
24:摺動突起
25,26:弾性腕部
25a,26a:可動接点
30:操作体
31:回動部
32:操作レバー
33:軸部
34:操作用突部
35:操作用軸部
37:操作用凹部
40:カバー
41:カシメ孔
42:操作孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面に平面円形凹所を形成し、かつ、前記平面円形凹所の内面に固定接点を配置したベースと、
基準形態部を反復して形成した蛇腹形状を有し、かつ、前記ベースの平面円形凹所に環状に配置されるバネ体と、
前記ベースの平面円形凹所内に回動可能に嵌合される回動部を有し、かつ、前記回動部の内向面に操作用突部を突設した操作体と、からなり、
前記操作体を回動することにより、前記操作用突部で前記バネ体の一端部を押圧して圧縮させることにより、接点を切り替えることを特徴とするスイッチ。
【請求項2】
固定接点を平面円形凹所の内側面に配置したことを特徴とする請求項1に記載のスイッチ。
【請求項3】
固定接点を平面円形凹所の底面に配置したことを特徴とする請求項1または2に記載のスイッチ。
【請求項4】
ベースの内面のうち、バネ体の一端側の伸縮時に前記バネ体と接触可能な位置に第1切り替え用固定接点および第2切り替え用固定接点を並設する一方、前記バネ体の他端側の伸縮時に前記バネ体と接触可能な位置に第3切り替え用固定接点および第4切り替え用固定接点を並設し、前記第1切り替え用固定接点および第3切り替え用固定接点を交互に共通固定接点としたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のスイッチ。
【請求項5】
ベースの内面のうち、バネ体の一端側の伸縮時に前記バネ体と接触可能な位置に第1切り替え用固定接点および中央固定接点を設けるとともに、前記バネ体の他端側の伸縮時に前記バネ体と接触可能な位置に第2切り替え用固定接点および前記中央固定接点を設け、前記第1切り替え用固定接点および第2切り替え用固定接点を交互に共通固定接点としたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のスイッチ。
【請求項6】
バネ体の隣り合う基準形態部のうち、内側に位置する頂部の高さ寸法が異なっていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載のスイッチ。
【請求項7】
バネ体の隣り合う基準形態部のうち、少なくとも内側に位置する頂部を直線形状に形成したことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載のスイッチ。
【請求項8】
バネ体の基準形態部のうち、少なくとも1つの外側の頂部から延在した弾性腕部の先端部を、可動接点としたことを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載のスイッチ。
【請求項9】
操作体の回動部の外周縁部から側方に、前記ベースから突出する操作レバーを延在したことを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載のスイッチ。
【請求項10】
操作体の回動部の外向面のうち、その中央部に操作用軸部を突設したことを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1項に記載のスイッチ。
【請求項11】
操作体の回動部の外向面のうち、その中央部に操作用凹部を設けたことを特徴とする請求項1ないし10のいずれか1項に記載のスイッチ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−89367(P2013−89367A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−227125(P2011−227125)
【出願日】平成23年10月14日(2011.10.14)
【特許番号】特許第5088438号(P5088438)
【特許公報発行日】平成24年12月5日(2012.12.5)
【出願人】(000002945)オムロン株式会社 (3,542)
【Fターム(参考)】